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環境土木実験テキスト

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(1)

<実習ノート>

測量学実習

H30(2018)年版

農業土木学講座

岡島賢治 ・ 成岡 市

班 学籍番号

氏 名

(2)
(3)

目 次

ページ

■1 安全の手引き(実習等における注意)

・・・・・・・・・・

1

■2 レポートの書き方

・・・・・・・・・・

3

■3 距離測量(1)(歩測と簡易測量)

・・・・・・・・・・

5

■4 距離測量(2)(巻尺による測量)

・・・・・・・・・・

9

■5 基準点の確認

・・・・・・・・・・

13

■6 角測量(1)(セオドライトの据え付けと点検)

・・・・・・・・・・

17

■7 角測量(2)(水平角)

・・・・・・・・・・

31

■8 角測量(3)(鉛直角)

・・・・・・・・・・

41

■9 ポール横断測量

・・・・・・・・・・

47

■10 水準測量(1)(レベルの点検と据え付け)

・・・・・・・・・・

51

■11 水準測量(2)(往復水準測量)

・・・・・・・・・・

59

■12 平板測量(細部測量の練習)

・・・・・・・・・・

65

■13 写真測量(1)

・・・・・・・・・・

73

■14 写真測量(2)

・・・・・・・・・・

77

(4)
(5)

安全の手引き(実習等における注意)

1.測量の準備・操作・管理

測量には、周到準備と適正操作が必要である。主な心得を 表 1 にまとめて示す。

2.野外作業(外業)

(1) 野外で測量を行う場合(外業)、天候の影響を受けることが強く、有害生物の攻撃に曝される可能 性も高い。夏季の場合でも露出部分が少なく機能性に優れる服装を選ぶ。 (2) 衣服の袖口、襟、裾は、器械・器具の操作に支障の無いよう、きちんとした身なりにしておく。器 械・器具類の操作にあたって、手袋の使用は避ける。 (3) 鋭利な道具や精密な装置を、さまざまな場合と場所(野外)で使用するため、操作マニュアルに従 い、しかも臨機応変の適正操作を心がける。また、履き慣れた運動靴をかかとまできちんと着用し て、機動性のある状態にしておく。段差のある場所、足下の悪い場所での作業では、とくに十分の 注意を払う。 (4) 交通事故に遭わぬよう十二分に注意する。作業に集中していて周囲の出来事に気が付かないこ ともあるから、チームメンバーが互いに注意しあうことも安全確保に欠かせない。 (5) 健康管理は自分自身で行う姿勢をとる。夏季には水分補給を十分に行い、定期的に休憩時間を 取り、気分が悪くなった場合は至急、指導教員あるいは測量チームメンバーに連絡して対処する。

3.器械・器具の取り扱い

(1) 使用する器械・器具は、精密に出来ており、また野外で使用することが多い。これらの誤った取り 扱いや間違った知識は怪我や事故を引き起こす原因になる。正しい取り扱い法を熟知する。 (2) 器械・器具そのものと、周囲の状況に気配りする。精密品の操作に集中するあまり、周囲の人身に 危険が迫っているのに気が付かないことがないように十分配慮する。測量チームとして常に自覚 をもって行動することが、チームおよび個人の安全確保につながる。 (3) レーザー光は、一点に集中する性質があり、眼に入った場合に網膜に損傷を与え、場合によって は失明する恐れがある。測量装置の中には、大出力のレーザー光を発生する装置が使われること もあるので十分注意する。レーザー光を直視しない、散乱光も極力見ない、必要ある場合は保護 眼鏡を着用する、操作マニュアルを熟知するなどに注意する。なお、実習にあたっては、該当装 置は通常使用しない(あるいは必要がある場合は、十分配慮した上で使用する)。 (4) 器械・器具の使用後のかたづけは、次に使用するための準備である。終業点検を怠らない。

4.室内作業(内業)

(1) 空中写真を取り扱う場合、立体視および判読など普段使い慣れない操作法をとるため、長時間の 作業は眼精疲労の原因になる。適宜休憩時間をとるように注意する。 (2) 情報処理機器(システム)を取り扱う場合、次の要点に留意する。 1) 安全マニュアルを熟読・熟知し、装置の適正操作だけでなく共通利用施設に対するマナーを守 る。

2) コンピュータの使用にあたって、端末表示装置(VDT;Visual Display Terminal)やキーボードの 長時間操作は、眼精疲労、目の不快感、視力低下、肩こり、腰痛、頭痛、腱鞘炎、集中力・記憶 力低下、いらいらなどが起こる可能性につながる。適度の休憩、自然な作業姿勢、ディスプレイと 周囲の明るさなどに十分配慮する。ディスプレイやコンピュータの内部には高電圧が掛けられた 部分があるので、正常操作以外の感電事故に繋がる扱いに十分注意する(操作マニュアルの熟 知)。 3) 感電事故が発生した場合、「直ちに電源を切る、感電者を電流から離し新鮮な空気のある場所 へ移動させる、着衣を弛めて身体全体を楽にさせる、救急あるいは医師に連絡して手当を受け る」などの応急対策をとる。なお、救助者が感電(二次災害)に合わぬように注意する。

(6)

表1 測量の準備、操作、管理の心得 作業計画 [内容の把握]与えられた測量作業の内容を十分に理解する。 [計画、機材、方法の策定]テキストあるいは参考資料の確認や指導教員のアドバイスを受け、必要 機材と測量法を十分理解し、作業の段取りをのみこんでおく。 [作業工程表の作成]一定期間内に作業が完了するよう、使用器械・器具の数量を確認し、作業工 程を決める。 準備 [服装など]野外測量(外業)に適した服装をする。夏季には、長袖(長時間の炎天下では、半袖は 体力消耗に強く影響する)、長ズボン、はき慣れた運動靴(スリッパ、サンダル、ハイヒール、かかとを つぶした靴などは厳禁)、日よけ帽子、汗を拭うタオル、水分補給の飲料水は必需品である。冬季 には防寒等に十分な配慮をとる。 [使う道具の点検]必要な器械・器具類の数量・性能の点検を行い、現場で不良品などが発生しな いように注意する。使用する道具への心遣いは、「安全作業」に欠かせない。 [健康管理]外業にあたって、野外の天候状況を十分考慮し、服装や飲料水等の用意、自分自身 で健康管理を行う姿勢をとる。睡眠不足、身体の不調、精神的いらだち状態などで作業してはなら ない。心身を常に健康に保つことが事故防止に欠かせない。 野外踏査(現場の状 況把握) [測量現場の把握]外業に入る前に、測量しようとする現場全体の状況を把握し、安全確認をする。 [有害生物への注意]山野で測量する場合には、ハチ、カ(蚊)、アブ(虻)あるいは毒蛇等の有害 生物に十分注意する。これらに遭遇した場合は、刺激を与えないように静かにその場から後退す る。スズメバチの攻撃に遭遇した場合は、地面に伏して手で目を隠し、身体を動かさない。黒っぽい ものは攻撃対象にされやすい。もし刺されたら身体を安静にさせ、医師の診断を受ける。毒蛇の攻 撃に遭遇した場合は、最も近い病院、役場、保健所などに連絡してワクチンなど必要な処置を受け る。 器械・器具の保管、点 検、持ち運び、操作 [道具の管理]測量器械・器具の管理にあたっては、常に「整理整頓」に努める。測量では、精密 品、長尺品、鋭利な部分をもった品など、さまざまな種類の器械・器具が使われる。雑然・混然とし た管理は、事故のもとになる。 [道具の点検]器械・器具の整備点検は、測量を行う前(始業点検)、行った後(終業点検)の両方 で、自分自身の手によって行う。必要な場合は指導教員に連絡し、適切な処置を行う。 [適正な操作方法]精密な器械・器具を取り扱うので、操作方法のマニュアルを熟知しておく。持ち 運びに際しては、教員の指導およびマニュアルに記述された内容に従った適正な方法をとる。ま た、外業では、とくに危険回避にあたっては、臨機応変かつ迅速な対処をとる。 [テープ(測距用巻き尺)]を扱う場合は、鋼鉄が樹脂で被覆されているが薄く作られているので、 適正な操作法を守って怪我の無いように注意する。また、テープが自動車や自転車にひかれたり、 引っかけられたりして測量者などに事故が発生することのないように十分注意する。それとは逆の立 場でも、テープを自動車、自転車、人などに当てることがないように注意する。  交通量の激しい個所での測距にあたっては、テープ両端にいる二人の測量者の他に、全体を見 回せる第三の測量者を配置し、安全確保にあたる。 [三脚]は、鋭い部分(石突き)を有し、地面の三方向に広がるような構造になっている。使用マニュ アルに従った適正操作をすること。器械を脚頭に付けておらず三脚だけを持ち運びする際は、脚を 縮め、ベルトを締め、石突きを天に向けて背負って運ぶ。  器械を脚頭に固定したまま移動する場合は、マニュアルに従って、器械に衝撃を与えたり脱落が 無いように注意する。その時、固定ねじ(定心桿など)が緩んでいないことを確認する。いずれの場 合も、三脚に自動車、自転車、人身が当たることの無いように十分注意して据え付ける。器械を三 脚に固定したまま、その周囲に測量者がいないという状況はつくらない。長時間離れる場合は、 ケースに器械を収納しておくなどの適宜処置をする。 [ポールやスタッフ]は、長尺(2~5m)であるばかりか、鋭い部分を有していたり(ポール)、電気伝 導度の高い金属製品(ポール、スタッフ)である場合がほとんどである。野外の電力線に触れたり、 有害生物に刺激を与えたりすることの無いように取り扱いに十分留意する。適正使用を守る。   [測量チームによる行動]単独での測量作業は行わないこと。常に複数の班員(チームメンバー)で 行動すること。

(7)

2 レポートの書き方

測量学実習基礎

概ね16ポイント

-第○回 実習のテーマ-

概ね14ポイント 提出日 ○○年○○月○○日 学籍番号 ○○○○○○ 所属班 ○班 氏名 ○○ ○○

○レポート作成のポイント

・A4 版レポート用紙(無地、または罫線入り)を使用すること ・レポート(返却分を含む)は、左端をステプラー止めとし、配 布するフラットファイルに綴じて提出する ・レポート用紙の枚数制限はない ・なるべくワープロを使用すること ・レポートの提出期限は翌週の授業前(厳守)

○レポート項目

全項目が揃って一つの報告書の形になる。各項目に書くべき内容は別紙書き方を参照する。 「教科書」および「配布レジュメ」を熟読しておくこと ※表紙は付けない 1.目的 2.測定原理と方法 3.使用器具 4.実習地 5.データの整理と考察 6.感想

○執筆上の注意、点検

・本文執筆について □ 本文フォントは、10.5 ポイント程度 □ 数値・英字は、「半角」 □ 正しい日本語で書かれているか提出前に良く読み直すこと。長文よりも単文が望ましい。 □ 句読点(『、』や『。』)は正しいか □ 誤字脱字はないか □ 主語-述語の関係はただしいか ・数式、数値について □ 数式の説明が本文にあるか □ 数式は、代数の説明をしているか □ 有効数字は正しく計算しているか ・図(グラフなど)、表について □ 見やすい図表で描いているか(図の枠線は不要) □ 図表番号とタイトルを付けているか(図番号と図タイトルは図の下、表番号と表タイトルは 表の上) □ 軸の名前を記述しているか 概ね 10.5 ポイント 27mm 開ける

(8)

・参考文献について □ 書籍・論文・インターネットからの引用は文献名を記載する。 □ 著者、タイトル、ページ、出版年、出版社を明確にする。 □ インターネットからの引用は URL を記載する。

測量学実習基礎でのレポートの書き方

レポートとは「報告書」であり、自分から他人へ情報をもれなく伝える手段でもある。その本意 を学び、自分の技術として磨いてください。

1.目的

・レポートテーマに関する実習内容の要点や実習で学んだことについて、細かいことでも自 分が重要と思えば簡素化して書くこと。

2.測定原理と方法

・普遍的な測定原理は、『現在形』で書く。 ・実際行った手順は、『過去形』で書く ・教科書、実習書や配布プリントを参考にして自分の文章で書くこと。 ・図や解説の絵を加えると理解度がさらに深まる。 ・クラスメートのレポートや教科書の内容を丸写しにするのは厳禁です。

3.使用器具

・使用器具は実習書を参照して箇条書きに記入すること。 ・自分が必要と感じたものについては適宜加えること。 ・表現方法としては「器具名 ×個数」のように記入のこと。

4.実習地

・生物資源学部校舎周辺を中心に行う。単元ごとに場所が異なることがあるので、その都度 正確に記入すること。例えば、ホームページなどを参考にして地図と説明文を付けること。

5.データの整理と考察

・実習書の「データの整理と考察」の課題は必須項目とする、 ・生のデータも記入すること。 ・大量の計算結果、計算過程は不要 ・測定値から実習書を参考にして図表を作成する。 ・データの解析は、創意工夫してオリジナルの解析方法に取り組む。(加点対象)

(考察)

・考察では、かならず誤差の評価をすること ・得られたデータから言えること、導き出せること、発想できることを書く。 ・ここに感想を書かない、論議を書く

6.感想

(この部分は評価の対象外です)

・実習中に感じたことなど書きたいことを何でも気楽に自由に記述すること。

☆予習の重要性

実験・実習では、実習前の予習が大変重要である。レジュメをしっかり読んで、頭の中で実習 をイメージトレーニングしておくと、理解も早く、実習も速やかに終わることができる。

(9)

3 距離測量(1)(歩測と簡易測量)

1.目的

自分の目測感覚、歩幅を知り簡易な距離測量技術を習得する。

2.知識

(1)距離

測量では距離といえば水平距離を指す。斜距離を測定した場合は鉛直角もしくは高 低差を測定し、水平距離に換算する。 図1 距離

(2)精度

測量では、所要の精度に応じた器具を用い、精度に応じた測定方法や誤差の処理方 法を採用しなければならない。 距離測定の精度は一般に較差(往復測定値の差の絶対値)と平均値の比で表す。

(

平均値

較差

)

精度=

/

1

【使用器具によって期待される精度】 歩測

100

1

200

1

繊維製巻尺

1000

1

3000

1

鋼巻尺

5000

1

30000

1

3.使用器具

ガラス繊維製巻尺(テープ)1 個、ポール 2 本、簡易距離計(TruPulse)1 台、 チョーク1 本、厚紙 1 枚、GPS(GPSMAP 60CSx)1 台

HD

SD

VD

INC

(10)

4.実習手順

(1)歩幅の決定(各自)

①ガラス繊維製巻尺で30m を測り、印をつける。 ②30m を歩くのに要する単歩数、複歩数を数え、野帳に記入する。(2 往復) ※最後の歩数は、目印を超えて止まり、0.5 歩単位で数える。(例:83.5 歩) 単歩と複歩で小数第1 位の値は異なるので注意する。 ③単歩幅、複歩幅を求める。 表1 歩幅の記入例 ※ 歩数が3 桁なので、平均歩数も 3 桁に、複歩幅も 3 桁にする。

(2)目測で距離を求める(各自)

①測点A、測点 B で互いに向かい合うようにポールを立てる。 ②教員が指定した2 地点(A,B)(100m 以上の任意の直線)のおよその距離が何メート ルに見えるか、目測により求め、野帳に記入する。このとき相談して値を決めず、各自 目測値を記録すること。

(3)歩測で距離を求める(各自)

①目測で指定された2 地点(A,B)の距離を歩くのに要する歩数を数える。(1 往復) ※最後の歩数は、目印を超えて止まり、0.5 歩単位で数える。(例:83.5 歩) ②複歩幅を用いて(歩数)×(歩幅)によって距離を求める。 ③往復の平均距離、往路、復路の距離の差(較差)を求め、精度を計算する。 ④精度が

100

1

以下の場合は、①~③を繰返し再測する。 表2 歩測の記入例 ※ 較差が有効数字2 桁なので、精度の有効数字も 2 桁となることに注意 測線長(m) 測定者 単歩数(歩) 平均歩数(歩) 単歩幅(m) 複歩数(歩) 平均歩数(歩) 複歩幅(m) 往 70.8 35.4 30.00 〇〇 復 67.6 33.8 往 69.8 34.9 復 71.0 69.8 0.430 35.5 34.9 0.860 測線 測定者 区間 複歩数 距離(m) 較差(m) 平均距離(m) 精度 AB 〇〇 A~B 158.0 135.9 1 B~A 156.5 134.6 1.3 135.3 100

(11)

(4)GPS で距離を求める。

①GPS 上部の電源キーで起動させる。 ②衛星画面の「測位中お待ちください」が消えるまで待 つ。 ③目測で指定された2 地点(A,B)に GPS を置き、「位 置の誤差」及び「緯度」、「経度」を記録する。

(5)簡易距離計で距離を求める(各自)

①レンズをのぞきながら、レーザー式簡易距離計の上側 面 を押して起動させる。 ②レンズの中の画面が図3 のようになっていることを確認す る。 ※画面が異なる場合は教員に申し出る ③目測で指定された2 地点(A,B)の B 地点に画用紙を垂直 に立てて、A 地点にポールを垂直に立てる。 ④ポールを目安に立ち、簡易距離計をのぞき、画用紙が画面中 心に来たときに、 を長押しして距離を測る。 ⑤位置を変えてB 地点から再測する。 ※測定時に、レーザーが他人の目に入らないように気をつける。 ※レーザー距離計の誤差:測定値が整数のとき±1m、測定値に小数があるとき±0.3m 表3 目視・GPS・簡易距離計の記入例

5.データの整理と考察

① 表1 から表 3 をまとめ、それぞれの表について考察する。 ② GPS の緯度経度から距離を求めるときは、Google で「距離と方位角の測量」で検索 したトップに出てくるサイトを利用して求める。 http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/surveycalc/bl2stf.html ③ 各方法による距離測量では、様々な系統誤差、偶然誤差、過誤が想定される。デー タ整理の考察においては、それぞれの誤差とその原因を考察し、その除去方法も記入 すること。 ④ 誤差とは違い、距離測量の精度は、式から考えると真の距離とは関係ない。精度が 高いとはどのようなことを意味するのか考察せよ。 測線 測定者 目視(m) GPS 位置(m) 緯度 経度 簡易距離計 (m) AB 〇〇 150 A ±4 N34°44'44.6'' E136°31'21.1'' A~B 135 B ±5 N34°44'41.6'' E136°31'24.9'' B~A 135 FIRE METERS HD 図2 GPS のボタン名 図3 距離計画面 FIRE

(12)

⑤ 今回の実習では、同じ測線AB をいくつかの方法で距離測量した。それぞれの測定 方法はどのような場合に利用することが有効であるか考察すること。

7.注意事項

(1)ポールの運び方

ポールには石突と言われる先の尖った部分がある。ポールを運ぶ場合は、石突により 周囲の人に危害を与えることの無いように、尖った先端部が上を向くように運ぶ。 図4 ポールの持ち方

(2)機器の扱い方

・機器は両手で持つ。 ・電池を使用して測定する機器は、使用後、電池を外す。 尖った先端 を上にする

(13)

4 距離測量(2)(巻尺による測量)

1.目的

巻尺を用いる簡易な距離測量技術を習得する。

2.知識

(1)巻尺(テープ)

実習では、ガラス繊維製巻尺と鋼製巻尺(スチール・テープ)を用意している。 ガラス繊維製巻尺(写真1):一般建設工事と一般測量に用いる 鋼製巻尺(写真2):精密測量に用いる。今回の実習では鋼製巻尺を用いる。 ※鋼製巻尺は、ねじれや外力により折損しやすいので測定時には取り扱いに注意。 ※鋼製巻尺の上に人又は自転車などが横断した場合は班員全員を減点とする。 ※測定時充分周囲に注意して、横断者には声かけをして、折損を回避すること。 ※巻尺を巻き戻すときは、引きずらず、戻る人が束ねながら持って帰る。

(2)巻尺(テープ)による測定

鋼巻尺による精密距離測量は通常張力計(スプリングバランス)を用いるが、実習 では手で適当な張力(10~15kg)をかけることで代用する。張力は、引張係が図 1 の ような持ち方でテープを持ち、テープに十分な張力がかかるようにする。 図1 測定時の張力のかけ方 ※ 張力をかける場合、両端で息を合わせて同じ力で引かなければ、テープが大きく動 くので班員協力して息を合わせること。 ※ 測定には、引張係2 名、読係 2 名、記帳係 1 名が必要である。

(3)中間点(中継点)の設置

測線AB が使用する巻尺より長い場合、以下のように約 30mごとに中間点を設けて 区間ごとに測定する(図2)。※往復で中間点の位置は異なる。 写真1 写真2 引張係が 引く 読係が 読む 浮いている

(14)

図2 距離測定での中間点の設置 中間点は以下の手順で決定する ①A 点、B 点にポールを立てる。このときポールマン A は見通しする者の障害となら ないように注意する。 ②中間点となるポールマンC は、約 30m の距離まで歩測で進み、測線 AB 上だと思う 位置に仮にポールを立てる。 ③見通しを行うものは、測線AB の延長線上で A から数 m 離れた位置に立つ。測線 AB 上では見通しを行うものから見ると、B 点は完全に A 点のポールによって隠れる はずである。 ④見通しを行うものは、A、B のポールを両眼で同時に見通し、ポールマン C に声をか けて測線AB 上にポール C を誘導し、中間点を決定する。 図3 中間点の設置

3.使用器具

鋼製巻尺(テープ)1 個、ポール 3 本、チョーク 1 本

4.実習手順

①目測に使用した測線AB を使用する。中間点をいくつ設けるか事前に決定する。 ②ポールを用い、測線AB の見通し線上に巻尺の長さよりもやや短い位置に中間点 1 を決定 する。中間点は限りなく点に近いものとし、チョークはその位置がわかるように印をつける。 ③測点A に巻尺の 0m 端を置き、巻尺を側線上にねじれがないように張る。 ※ このときから測定時まで、巻尺を横断しようとする一般人に注意すること。 ④測点A に巻尺の 0m を合せ、巻尺の終端を中間点までたるまないように軽く引く。 ⑤記帳係は測点A 付近に立ち、「よーい」の掛け声とともに片手を上げ、「はい」の掛け声と ともに手を振り下ろす。このとき、記帳係の「よーい」の掛け声とともに引張係は巻尺を十 分な張力で引き、記帳係の「はい」の掛け声とともに読係が測点(始点と終点)の目盛を読 み、野帳に記録する。記帳係の声が聞こえにくい場合は、手の合図を参考にすること。 ※ 測定時、測点A での目盛は 0m からずれるが、読係は「ずれた値」を mm 単位で読む こと。

A

中間点1 中間点2

B

往路

復路

中間点1’ 中間点2’ 30m 30m 端数 30m 30m 端数

(15)

⑥中間点1 から測点 B まで巻尺の長さが足りない場合は、測点 A にあったポールを中間点 1 に移動させ、中間点1-測点 B 間で見通しを行い、中間点 2 を決定する。 ⑦測点B まで②から⑤を繰返し、距離測定を行う。測点 B に到着したあと、読係の記録した データを記帳係がまとめる。 ⑧測点B から測点 A まで復路も②から⑦までを繰返し、距離測定を行う。 ⑨ここでは精度1/5,000 を目標として測定を行い、測定終了後その場で精度を計算し、確認 する。精度が1/5,000 未満の場合は再測する。 ※ 再測するとき、講義時間が終わりそうな場合は、次週までに班員で時間を作って測定 しておくこと。 表1 巻尺による測量の記入例 ※ 較差が有効数字2 桁なので、精度も有効数字 2 桁となることに注意

5.データの整理と考察

① 鋼製巻尺の精密距離測量の場合、測定値にさまざまな補正が行われる。データの整理の 際に、温度補正の練習を行うこと。 温度補正では、測線AB の距離に巻尺の伸縮誤差

C

tを加算する。測定時の温度は仮 に25℃であったとする。

(

)

(

25

20

)

0

.

0000115

0

×

×

=

×

×

=

L

t

t

L

C

t

α

ここで、

L

:測定距離(m)、

t

:測定時の温度(仮に25℃)、

t

0:標準温度(20℃)、

α

:線膨張係数(鋼製巻尺の場合は、一般に0.0000115/℃) ② 目測、歩測、GPS、簡易距離計の結果に綱巻尺の結果を加えてまとめる。 ③ ②について正確度と精度について考察せよ。 ④ 得られた測量の結果に温度補正を行い考察せよ。 測線 測定区間 始点読値 終点読値 測定距離(m) 距離(m) A~1 0.003 31.015 31.012 往路 1~2 0.010 36.346 36.336 2~3 0.052 32.412 32.360 3~B 0.005 35.574 35.569 135.277 AB B~3 0.014 31.853 31.839 復路 3~2 0.008 35.168 35.160 2~1 0.002 33.562 33.560 1~A -0.006 34.739 34.745 135.304 平均(m) 135.291 較差(m) 0.027 精度 1 5000

(16)

以下、レポート用のデータ整理例です。 表2 測定法による測定距離の差 表3 温度補正の練習 ※ 補正値は、桁数が小数第3 位までとなるので、同じ値に見えることに注意すること。 測線 計測方法 距離(m) 精度 誤差 目視 150 歩測 135.3 1/100 GPS 133.750 ±9m 簡易距離計 135 ±1m 鋼巻尺 135.304 1/5000 AB 測線 測定区間 測定距離(m) 距離(m) 補正値(m) 補正距離(m) 補正後距離(m) A~1 31.012 0.002 31.014 往路 1~2 36.336 0.002 36.338 2~3 32.360 0.002 32.362 3~B 35.569 135.277 0.002 35.571 135.285 AB B~3 31.839 0.002 31.841 復路 3~2 35.160 0.002 35.162 2~1 33.560 0.002 33.562 1~A 34.745 135.304 0.002 34.747 135.312 平均(m) 135.291 補正後平均(m) 135.299 較差(m) 0.027 較差(m) 0.027

(17)

5 基準点の確認

1.目的

身の回りの基準点を確認し、以降の基準点測量、水準測量のための知識を得る。

2.知識

(1)基準点

国土地理院ホームページによると、『基準点とは、地球上の位置や海面からの高さ が正確に測定された三角点、水準点、電子基準点等を言い、地図作成や各種測量の基 準となるもの』とされている。基準点は、すべての測量の基礎として、公共測量、地 籍測量、地殻変動観測等に使用される。

(2)三角点

三角点は、山の頂上付近や見晴らしのよいところに設置され、経度、緯度が正確に 求められている。

(3)水準点

既知の水準点を基準にすることにより、土地の高さを精密に求めることができる。 たとえば、一等水準点は0.1mm 精度の成果値である。また、地殻変動、地盤沈下対 策等に必要な土地の上下変動は、水準点の測量を繰り返すことにより求められる。

3.使用器具

GPS(GPSMAP 60CSx)1 台、USB メモリ(またはノートパソコン)1 個、 デジタルカメラ1 台 図1 三等三角点(津市江戸橋) 図2 一等水準点(津市栗真町屋町)

(18)

4.実習手順

(1)GPS の軌跡の記録を ON にする。 (2)基準点の確認と記録(各自) 大学周辺の基準点を確認し、点名(No.○○○○○)と確認時刻、基準点上の GPS の位置データ(緯度・経度)を野帳に記録する。 ※確認する基準点 ① 三角点:1 箇所 ② 1 等水準点(指定) ③ 2 級街区多角点:5 箇所 ④ 3 級街区多角点:10 箇所 (3)大学に戻りGPS の軌跡データを吸い出す。 ※注意事項※ ・基準点は通常歩道に設置されているが、一般道は車の通行が多いので、班長は周辺確認を 怠らないようにする。 ・班ごとに決められた時間に担当教員に定期連絡を入れる。 (連絡事項)①班員の状況、②残りの基準点数 ・街区多角点では、容易に確認できないところもあるため、1 箇所当たりの探索時間は 5 分 程度とする。 ・番号を照合し、4 級の多角点でないことを確認する。

5.データの整理と考察

(1)記録した基準点を表にして整理する。 (2)記録した三角点、一等水準点のGPS により計測した位置を国土地理院のデータと比 較する。 (参考) 三等三角点(北立誠小学校):北緯34°44′39″.0392、東経 136°30′59″.1251 四等三角点(三重武道館) :北緯 34°45′31″.6236、東経 136°31′01″.0588 一等水準点(旧伊勢街道) :北緯 34°45′12″.0000、東経 136°31′22″.0000 (3)教科書17 ページの基準点の数と平均点間距離の表(表 2-1)を書き、既知点間の距 離について、津市内の一等水準点 と比較して考察せよ。津市内の基準点の見方は以 下の通り。 ①国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」(http://sokuseikagis1.gsi.go.jp/)(「基 準点成果」で検索すると早い)の〔基準点検索入口〕をクリックする。 ②注意事項を読んで〔同意する(標準システムへ)〕をクリックする。 図3 基準点(2 級、3 級街区多角点) 本 津 市 ○○○○○

No.○○○○○ 交

(19)

③表示された地図の左欄「通常検索」のなかの「公共基準点」のチェックをクリッ クしてチェックをはずし「□公共基準点」とする(「□公共基準点」下のチェック もすべてはずれる)。 ④地図をスクロールしながら津市付近まで拡大する。 ⑤地図の左欄の〔検索〕をクリックする。 ⑥測りたい一等水準点 をクリックすると、左欄の検索結果表の一つが赤く塗られ る。このとき基準点コード基準点名の2 行目(例えば栗真町屋町の一等水準点なら 1446)が基準点の名前となる。 ⑦画面右上の をクリックすると2 点間の距離が計測できる。 ⑧いくつかの基準点間の距離を測り、表にまとめて教科書の表2-1 と比較して考察す る。 (4)GPS の軌跡を Google マップで表示する。 ①「GPSVisualizer」の HP(http://www.gpsvisualizer.com/)上のアイコン ( )をクリックする。

② トップに「Make a Google Map form a GPS file」と書いてあることを確認し、右

側にある「Upload your GPS data files here:?」の「File #1」の参照から、今回

記録したGPS のファイルを選択し、 をクリックする。

③ 描画した軌跡をレポートに貼る際には、キーボード右上にある「PrtScn」キーを

押して、ペイント(「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→

「ペイント」)などの描画ソフトを起動して貼り付け、適当な範囲を選択してコピ

(20)

(参考)大学周辺の基準点

図4 三重大学北側の基準点

図5 三重大学南側の基準点

10A

(21)

6 角測量(1)(セオドライトの据え付けと点検)

※ レポート提出の必要はない

1.目的

セオドライトの据え付けと点検を行い、セオドライトの扱いに慣れる。

2.知識

(1)セオドライト

本実習では、デジタルセオドライトを用いて測角する。測角の手法には、方向観測法、 倍角観測法、単測法などの方法がある。通常、基準点観測では方向観測法の 2 対回観測法 を用いる。 図1 セオドライトの部分の名称

(22)

(2)セオドライトの正位と反位

セオドライトでの測角では、器械の水平軸誤差や視準軸誤差を消去するため、最低 限、正位・反位の 1 対回での測角を行う。正位は水平固定ねじが右手で操作できる位置 にあるときをいい、反位は水平固定ねじが右手で操作できない位置にあるときをいう。 図 2 セオドライトの正位・反位

3.使用器具

セオドライト 1 式、ポールなど 2 組、ポイントベース 1 個、くぎ 2 本

4.実習手順

(1)セオドライトの扱いと部位の確認(全員) 机上でセオドライトの各部位の確認を行う。 図 3 セオドライトの各部位(対物レンズ側) ① セオドライトの箱を横にして、ふたを開ける。 ② ハンドル(1)と底板(7)を“必ず”両手で持ち卓上に底板を下に静かに置く。 ③ セオドライトの各部位(図1の 1~29)を一つずつ確認する。 ④ 図 3 のバッテリーカバー(4)を開き、バッテリーを入れ、カバーを閉める。 水平固定つまみ が右手側

(23)

(2)使用頻度の高いつまみの操作確認 図 4 セオドライトの各部位(接眼レンズ側) ① 図 4 の水平固定つまみ(18)が右にくるようにセオドライトを回転させる。

ⅰ 水平固定つまみ

② 図 4 の水平固定つまみ(18)を回すと、セオドライトの水平回転が止まることを確 認する。 ③ 水平固定つまみの内側の水平微動つまみ(19)を回して、セオドライトが水平固定 されたままでも水平回転の微動ができることを確認する。 ④ 水平固定つまみ(18)を緩める。

ⅱ 望遠鏡固定つまみ

⑤ 望遠鏡の望遠鏡接眼レンズ(26)が手前にくるように望遠鏡を回転させる。 ⑥ 望遠鏡固定つまみ(24)を回して、望遠鏡の鉛直回転が止まることを確認する。 ⑦ 望遠鏡微動つまみ(25)を回して、望遠鏡が固定されたままでも、鉛直回転の微動 ができることを確認する。 ⑧ 望遠鏡固定つまみ(24)を緩める。

ⅲ 望遠鏡のピント

⑨ 望遠鏡をのぞき、合焦つまみ(27)を回してピントを合わせることができるのを確 認する。 ⑩ 望遠鏡中にある十字の線のピントが望遠鏡接眼レンズ(26)を回すことで合わせる ことができるのを確認する。 ※ 求心望遠鏡合焦つまみ(15)と求心望遠鏡接眼レンズつまみ(17)も同様の操作が可 能。

(24)

ⅳ 気泡管の操作(整準)

図 5 望遠鏡、整準ねじ、気泡管の位置関係 ⑪ 図 5 のように、整準ねじ 2 つが手前になるように底板を動かし、図 4 の横気泡管 (22)が自分の正面に来るようにセオドライトを回転させる。 ⑫ 手前の 2 つの整準ねじ AB を図 6 のように動かし、気泡管が図 6 のように動くこと を確認し、気泡が中央に来るように調整する。 図 6 整準ねじの操作と気泡管の関係 (1) 図 7 整準ねじの操作と気泡管の関係 (2) ⑬ セオドライトを 90°回転させ、AB の整準ねじは触らずに C の整準ねじのみを図 7 の実線と破線の矢印の向きに回すと、気泡管の気泡が図 7 のように動くことを確認 し、気泡が中央に来るように調整する。

A

B

C

A

B

C

(25)

ⅴ 正位と反位

(正位) ⑭ 図 4 の水平固定つまみ(18)が右手前にくるようにセオドライトを回転させる。 ⑮ 望遠鏡の望遠鏡接眼レンズ(26)が手前にくるように望遠鏡を回転させる。 (反位) ⑯ 水平固定つまみ(18)が左奥に位置するようにセオドライトを回転させる。 ⑰ 望遠鏡の望遠鏡接眼レンズ(26)が手前にくるように望遠鏡を回転させる。

ⅵ 収納

図 8 収納時の整準ねじの位置 ⑱ 整準過程で移動した整準ねじを指標線までもどす。 ⑲ バッテリーを抜き、セオドライトのすべての固定つまみを緩めて、望遠鏡を立て る。 ⑳ ハンドル(1)と底板(7)を“必ず”両手で持ち箱に静かに収納する。

(3)セオドライトの据え付け

① 適当な地面を選定して、ポイントベースを釘で固定する。 ② 教科書(器械の据え付け方)を参考に、セオドライトを据え付ける(全員)。

指標線

整準ねじ

収納時

(26)

据え付け手順

① 三脚の伸縮調整ねじを緩め、脚頭を観測者の身長に合せるように高さに調整する。理想的な 高さは、トータルステーションを脚頭上に置いた時に観測者の目線より少し低い程度(高さ 1.5m ほど)が良い。 伸縮調節固定ねじを緩める。 適度な長さに伸ばし、しっかりと 固定ねじを締め固定する。 観測に最適な高さは、トータルステー ションを脚頭に置いた時に望遠鏡接 眼レンズが観測者の目線より少し低 い程度が理想である。この高さが観測 者の疲労低減や無理な体勢での観測 を防ぐことが出来る。 観測者の目線高さ 望 遠 鏡 接 眼 レ ン ズ 高 トータルステーション設置時の理想的な高さ ポイント 最適な高さで設置・観測するこ とで、測量精度にも影響する!

(27)

② 三脚をほぼ等間隔に開き脚頭をほぼ水平にし、観測点上の中心にくるようにバランスよく 据え付け、軽く石突きを踏んで脚を地面に固定する。 測点の真上に脚頭の中心が来る ように、且つ、水平となるように 三脚を設置する。 金属鋲(測点、観測点) ほぼ正三角形になるように設 置する。 3本の石突きを軽く踏んで、脚が 動かないように固定する。この時 点では軽く踏むぐらいで OK.。最 終段階でしっかりと踏み込み三脚 と地面を固定する。 ポイント 地面が土であろうと、アス ファルトであろうと、コン クリートであろうと石突き は必ず踏むこと。踏むこと で脚が固定される。 ポイント 三脚を正しく据え付けるこ とで、器械の設置がスムー ズに行なえる。

(28)

③ 格納箱を開けて格納してある部品を確かめる。次にトータルステーションの固定ねじを全 て弛め両手で持って静かに取り出す。 ④ トータルステーションを脚頭上に静かに置き片手でしっかりと支えながらもう一方の手で 定心かんを回して脚とトータルステーションとを固定する。 安全な安定している場所でトータ ルステーションの格納箱を開ける。 車や自転車の通行する場所や斜面 上などは避けること。 トータルステーションを取り出す時に は必ず水平固定ねじと望遠鏡固定ねじ を緩め、両手でハンドルと整準台を持 ってゆっくりと取り出すこと。 三脚の定心かんでトータルステーショ ンを固定する時にも、必ずトータルス テーションのハンドルを持っているこ と。 三脚の定心 かんでしっ かりと固定 する。 ポイント 転倒防止のために、 必ずハンドルを持 っていること。

(29)

⑤ 求心望遠鏡をのぞき、求心望遠鏡接眼レンズつまみを回して焦点板の二重丸にピン トを合わせる。次に求心望遠鏡つまみを回して測点にピントを合わせる。 ⑥ 求心望遠鏡をのぞきながら、測点が求心望遠鏡の二重丸の中央付近に来るように三脚の2 本の脚を動かしながら調整をする。 求心望遠鏡合焦つまみを回し、地表の 測点にピントを合わせる。 求心望遠鏡接眼レンズつまみを回し、 焦点板の二重丸にピントを合わせる。 焦点板:求心望遠鏡接眼レンズを覗くと 見える下図のような二重丸のこと。 ポイント 正しくピントを合わ せないと正しく求心 ができない!! 求心望遠鏡を覗いた時に焦点板の二重 丸のほぼ中央に測点があれば、この作業 は必要ない。 測点が二重丸から大きくずれている場 合には、三脚の2本の脚を手で持ち上 げ、求心望遠鏡を覗きながら二重丸の中 央に測点が来るように動かす。 この脚は動かさないようにする。(固定) ポイント この調整は難しい。しかし、少 し慣れると据え付けがはやく 行なえるようになる。

(30)

⑦ トータルステーションが測点のほぼ鉛直線上に在ることを確認しながら再度、石突きを踏 んで脚をしっかりと地面に固定する。 ⑧ 整準ねじを使って測点を求心望遠鏡の二重丸の中央に入れる。 石突きを踏んで脚をしっかりと地面に固 定する。その際、必ず両手で三脚を持ち、 転倒しないようにする。 両手で三脚を持ち、石突きを踏む。 両手で三脚を持ち、石突きを踏む。 ポイント 地面が土であろうと、アスファ ルトであろうと、コンクリート であろうと石突きは必ず踏む こと。踏むことで脚が固定され 求心望遠鏡を覗きながら 3 つの整準ねじ を回し、測点の中心に焦点板の二重丸の 中心を合わせる。

(31)

⑨ 円形気泡管の気泡の寄っている方向に最も近い三脚の脚を縮めるか、または最も遠い脚を 伸ばして気泡管を中央に寄せ、さらに他の1 本の脚の伸縮によって気泡を中央に入れる。 ⑩ 再度、求心望遠鏡をのぞき、もし、測点が求心望遠鏡の二重丸の中央からずれていた場合、定心 かんを少し緩め、求心望遠鏡をのぞきながらゆっくりとトータルステーションを動かし、測点を 求心望遠鏡の二重丸の中央に入れる。 三脚の脚を伸縮させることで、トータルス テーションを水平に設置する。 気泡菅の気泡 を見ながら、 最も傾いてい る脚を伸縮さ せ水平にす ポイント 三脚の伸縮調節固定ねじを緩める時 には、必ず、空いている手で三脚をし っかり持って転倒しないようにする こと! トータルステーションの重 さでいっきに縮んでしまう! 定心かんをゆっくりと緩める。 求心望遠鏡を覗きながら、トータルステ ーションをゆっくりと少しずつ動かし、 測点の中心に二重丸の中心を合わせる。 合わせたら再度、定心かんをしっかりと 固定する。 ポイント 定心かんを緩める時から、移動 させ、再度定心かんをしっかり 固定するまで、必ず空いている 手でトータルステーションの整 準台を持っていること! 転倒防止に気を使うこと!!

(32)

⑪ トータルステーション上部を回転させて、横気泡管を整準ねじA,Bと平行にし、整準ねじ A,Bを使って気泡を中央に入れる。(気泡は時計回りに回転させると整準ねじ方向に動く)

A

B

傾き調整 A B C

A

B

上がる 気泡が左に移動 下がる

A

B

下がる 気泡が右に移動 上がる ポイント 整準ねじを右に回すと整準台が 上がり、左に回すと整準台が下 がる。A,B両方の整準ねじを同 時に回すことで、少ない回転で 整準台の傾きを調整することが できる。 ポイント ① 必ず、整準ねじA,Bと横 気泡管を平行にすること。 この時、望遠鏡の接眼レン ズは整準ねじA,Bの中間 になる。 ② 整準ねじの回転は、A,B 逆回転で同時に行う。

(33)

⑫ トータルステーション上部を90°回転させ、横気泡管が整準ねじ A,B 方向と直角になる ようにし、整準ねじC を使って気泡を中央に入れる。 ⑬ トータルステーション上部を再度 90°回転させ、気泡が中央のまま動かないことを確認す る。気泡が中央にない場合には、⑪、⑫の作業を繰り返す。 望遠鏡 90°回転

C

B

A

傾き調整 下がる 上がる B C 水平になっている状態 傾いている状態。 このような場合、再度整準ねじで水 平になるように調整をする。 ポイント ③ 必ず、整準ねじ C と横気 泡管が直角になるように すること。この時、望遠鏡 は整準ねじ A,B と並行に なる。 ④ 整準ねじの回転は、C のみ で行う。

(34)

⑭ トータルステーションの上部を回転させ、どの方向でも気泡が中心位置になること を確かめる。気泡が中心位置に来ない場合、⑪、⑫、⑬の整準作業を繰り返し行う。 ⑮ トータルステーションが水平になったことを確認した後、再度、求心望遠鏡をのぞ き、焦点板の二重丸の中心が測点の中心にあることを確認する。ずれていた場合は再度、 定心かんを少しゆるめ、求心望遠鏡をのぞきながら脚頭上でトータルステーションをゆ っくりと移動させて二重丸の中央と測点の中心を合わせ、定心かんをしっかり締める。 ⑯ 気泡が中央からずれた場合には、⑪~⑮の整準作業を繰り返す。 ト ー タ ル ス テ ー シ ョ ン を ゆ っ く り 360°回転させ、常に気泡が気泡管の 中央にあることを確認する。 求心望遠鏡を覗きながら、トータルステー ションをゆっくりと少しずつ動かし、測点 の中心に二重丸の中心を合わせる。合わせ たら再度、定心かんをしっかりと固定す る。 定心かんをゆっくりと緩める。 その際、空いている手で必ず整準 台を持っていること。 ポイント 測量器械の設置は、必ず測点の 真上に設置しないといけない! 器械は水平且つ測点の真上を満 たすようにすることが必要!!

(35)

7 角測量(2)(水平角)

1.目的

セオドライト方向観測法の 2 対回での水平角の観測方法を習得する。

2.知識

(1)方向観測法

トータルステーションの望遠鏡は、水平軸のまわりに自由に回転する。望遠鏡が通常の 状態を正位(R)、望遠鏡を水平軸の回りに鉛直方向に 180°回転させた状態を反位(L) という。この望遠鏡正反観測により、視準軸誤差、水平軸誤差、目盛盤の偏心誤差などに よる影響が除かれる。従って、正確さを要求される基準点測量においては、正反観測を行 うのが原則である。 正反1回の観測を1対回観測(正と反の 2 回観測している状態)という。通常、基準点 測量では、水平角を 0°とした場合(0°輪郭という)の正反観測と水平角を 90°とした 場合(90°輪郭という)の正反観測を行う2対回観測(正と反の4回観測している状態) を行う。 図 1 方向観測法の概念図

3.使用器具

セオドライト 1 式、ポールなど 2 組、ポイントベース 2 個、くぎ 2 本

4.実習手順

※セオドライトは数種類ある。設定の詳細は各班で説明書を見ること

(1)セオドライトの据え付け

① 適当な地面を選定して、ポイントベースを釘で固定する。 ② 教科書(器械の据え付け方)を参考に、セオドライトを据え付ける(全員)。

測点1

測点2

①: 0°輪郭 正

②: 0°輪郭 反

③:90°輪郭 反

④:90°輪郭 正

進行方向

(36)

(2)測角のためのポイント設定

① ポールをセオドライトから 45°~60°くらいの適当な位置に設置する。セオドライト から見て左を測点 A、右を測点 B とする。進行方向 A→B ※測定は、ポールの石突の接地点を視準する。 図 2 測角のポイント設置 ② 野帳に測点名(等級と名称)、B=C=P、器械の種類と器械番号、観測年月日、天候、 風の強さ、観測者氏名、記帳者氏名を書く。 ・天候:天候は観測を開始した時点の天候 ・風の強さ:表1を目安にする。 表 1 風の強さの目安 ・B=C=P:視準目標の中心(P)と、器械点の中心(B)と、標石の中心(C)が一 致していることを示す。 表 2 野帳:記載事項の記入 ③ 野帳に記録項目を記入する。 表 3 野帳:記録項目の記入 45°~60° A B 風の強さ 状態(目安) 風速(秒速) 無風 煙が直上する 1.5mまで 軟風 煙または樹葉がゆれる 3.5mまで 和風 煙が斜めに昇る 6.0mまで 疾風 樹枝が動く 10.0mまで 強風 樹幹が動く 10.0m以上 測点:測点O B = C = P 器械: 観測年月日: 風: 天候: 観測者: 記帳者: 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " "

(37)

(3)角測量(1 対回目)

① セオドライトの電源を ON にする。

(正位)

② 水平固定ネジが右手側(正位)にあることを確認する。 ③ A 方向を視準し水平固定ネジをしめ、微動ネジを使って正確に測点 A を視準する。 ④ セオドライト測定画面横の FUNC ボタンを押して、画面右下のページ番号を( ) とする。 図 3 画面を P2 にした画面 ⑤ F3( )キーを押して,水平角を 0°01’ 10”にする。 注)入力数字は F1~F4 で入力し、FUNK ボタンで画面に表示されている数字を変え ることができる。0°01’ 10”の場合は、0.0110 と入力し、エンターキー( ) を押す。 図 4 水平角を 0°01’ 10”にした画面 ⑥ 再度、測点 A を視準し、ずれていたら微動ネジを使って正確に視準する。 ⑦ 野帳に開始時刻、開始目盛、望遠鏡の向き(正位なので R)、測点番号、読み取り 値を記録する。正確に視準した結果、値がずれた場合は、ずれた値を記入する。 表 4 野帳:1 対回目の記入①

P2

チルト 任意角 記 録

E D M

P2

任意角 チルト 任意角 記 録

E D M

1 1

P2

時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 13:40

(38)

⑧ 水平固定ねじをゆるめて、セオドライトを時計回りに回して測点 B を視準し、水平固 定ねじを固定する。その後、微動ねじを使って正確に測点 B を視準する。 図 5 測点 B の視準 ⑨ 測点番号と画面に表示された水平角を野帳に記録する。 表 5 野帳:1 対回目の記入②

(反位)

⑩ 望遠鏡を縦方向に反転させ正位→反位にする。 ⑪ セオドライトを反時計回りに回して再び測点 B を視準し、水平固定ねじを固定する。 その後、微動ねじを使って正確に測点 B を視準する。 図 6 反位での測点 B の視準 ⑫ 望遠鏡の向き(反位なので L)、測点、画面に表示された水平角を野帳に記録する。 表 6 野帳:1 対回目の記入③ A B 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 13:40 A B 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 L B 233 0 20 13:40

(39)

⑬ 水平固定ねじをゆるめて、セオドライトを反時計回りに回して測点 A を視準し、水平 固定ねじを固定する。その後、微動ねじを使って正確に測点 A を視準する。 図 7 反位での測点 A の視準 ⑭ 画面に表示された水平角を野帳に記録する。 表 7 野帳:1 対回目の記入④

(4)水平角を求める。

① 結果の項目に正位、反位の測定結果を記入し、倍角、較差を求める。 ・倍角:同一対回内の結果の秒位の正位・反位の和 注)分位が異なるときは、小さい分位にそろえたときの秒位の和 ここでは、59’10”と 58’50”なので、59’10” → 58’70”として計算して、50 + 70=120” ・較差:同一対回内の結果の秒位の正位・反位の差 ここでは、59’10” - 58’50” =20” 表 8 野帳:1 対回目の倍角、較差の計算 A B 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 L B 233 0 20 A 180 1 30 13:40 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 13:40

(40)

(5)角測量(2 対回目)

① 微動ネジを使って再度、正確に測点 A を視準する。 図 8 反位での測点 A の視準 ② 反位のまま、セオドライト測定画面横の FUNC ボタンを押して、画面右下のページ番 号を( )とする。 図 9 画面を P2 にした画面 ③ F3( )キーを押して,水平角を 270°01’ 10”にする。 注)270°01’ 10”の場合は、270.0110 と入力し、エンターキー( )を押す。 図 10 水平角を 270°にした画面 ⑤ 再度、測点 A を視準し、ずれていたら微動ネジを使って正確に視準する。 ⑥ 野帳に目盛、望遠鏡の向き(反位なので L)、測点番号、読み取り値を記録する。 このとき、水平角が多少変動した場合は、変動した水平角を野帳に記録する。 表9 野帳:2 対回目の記入① A B

P2

チルト 任意角 記 録

E D M

18 1 3

P2

任意角 チルト 任意角 記 録

E D M

270 1 1

P2

時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 90 L A 270 1 10 13:40

(41)

⑦ 水平固定ねじをゆるめて、セオドライトを時計回りに回して測点 B を視準し、水平固 定ねじを固定する。その後、微動ねじを使って正確に測点 B を視準する。 図 11 反位での測点 B の視準 ⑧ 測点番号と画面に表示された水平角を野帳に記録する。 表 10 野帳:2 対回目の記入②

(正位)

⑨ 望遠鏡を縦方向に反転させ反位→正位にする。 ⑩ セオドライトを反時計回りに回して再び測点 B を視準し、水平固定ねじを固定する。 その後、微動ねじを使って正確に測点 B を視準する。 図 12 正位での測点 B の視準 ⑪ 望遠鏡の向き(正位なので R)、測点と画面に表示された水平角を野帳に記録する。 A B 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 90 L A 270 1 10 B 323 0 30 13:40 A B

(42)

表 11 野帳:2 対回目の記入③ ⑫ 水平固定ねじをゆるめて、セオドライトを反時計回りに回して測点 A を視準し、水平 固定ねじを固定する。その後、微動ねじを使って正確に測点 A を視準する。 図 13 正位での測点 A の視準 ⑬ 測定終了時刻と画面に表示された水平角を野帳に記録する。 表 12 野帳:2 対回目の記入④

(6)水平角を求める。

① 結果の項目に正位、反位の測定結果を記入し、倍角、較差を求める。 ・倍角:同一対回内の結果の秒位の正位・反位の和 注)分位が異なるときは、小さい分位にそろえたときの秒位の和 ここでは、59’10”と 58’50”なので、59’10” → 58’70”として計算して、50 + 70=120” ・較差:同一対回内の結果の秒位の正位・反位の差 ここでは、59’10” - 58’50” =20” 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 90 L A 270 1 10 B 323 0 30 R B 143 0 0 13:40 A B 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 90 L A 270 1 10 B 323 0 30 R B 143 0 0 A 90 1 10 13:40 14:00

(43)

表 13 野帳:2 対回目の倍角、較差の計算

(7)倍角差、観測差を求める

① 野帳に水平角観測結果の項目を書く。 表 14 野帳:水平角観測結果の項目 ② 測点(測点 O)、方向(測点 A、測点 B)、倍角差、観測差を計算し、野帳に記録する。 倍角差:全対回における倍角の差 観測差:全対回における較差の差 ③ ここで、倍角差が 60°、観測差が 40°より大きくなった場合は再測する。倍角差、 観測差が規定値以内のときは、中数(観測結果の平均)を計算し記録する。 中数:正反 2 対回計 4 回の測定値の平均 秒位を、分位が小さな値にそろえて計算するとやや楽。 ここでは、結果が 52°59’ 10”、 52°58’ 50”、 52°59’ 20”、 52°58’ 50” であるため、分位 58’にそろえて、 (60+10)” + 50” + (60+20)” + 50” = 250” 250” / 4 = 62.5” → 63” つまり、52°58’ 63” = 52°59’ 3” 表 15 野帳:水平角観測結果の計算

5.結果の整理と考察

① 観測結果を表に整理する。 ② セオドライトの器械誤差の種類を挙げて、0.5 対回(1 回の角測量)と 2 対回(4 回の角 測量)で、どの誤差が消去されるか調べよ。 時刻 目盛 望遠鏡 番号 観測角 結果 倍角 較差 ° ° ' " ° ' " " " 0 R A 0 1 10 B 53 0 20 52 59 10 120 20 L B 233 0 20 52 58 50 A 180 1 30 90 L A 270 1 10 B 323 0 30 52 59 20 130 30 R B 143 0 0 52 58 50 A 90 1 10 13:40 14:00 水平角観測結果 測点 方向 中数 倍角差(60) 観測差(40) ° ' " " " 水平角観測結果 測点 方向 中数 倍角差(60) 観測差(40) ° ' " " " 測点O 測点A 0 0 0 10 10 測点B 52 59 3

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8 角測量(3)(鉛直角)

1.目的

セオドライトでの鉛直角の観測方法を習得する。また、鉛直角から目標地物の高さを求め る。

2.知識

(1)高度角と天頂角

鉛直角は目標に至る鉛直面で測られる角度である。測点 A から視準点 O に至る方向で水 平線 H を基準に測るときには、角度 h を高度角といい、天頂 Z を基準に測るときには角度 z を天頂角という。 図 1 高度角と天頂角

(2)高度定数

鉛直角の測定は、器械誤差消去のため、1 方向ずつ望遠鏡正反で測定する。 図 2 鉛直角の正反測定 視準点O Z H z α 天頂角 高度角 A 視準点O R度 正位 視準点O L度 反位

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観測が終われば、観測値の良否の確認を行う。鉛直角の場合、観測値の良否は高度定数の 較差で行う。鉛直角の正位、反位の測定角をそれぞれ R 度、L 度とすると高度定数は次式 で表される。 高度定数:K = (𝑅𝑅 + 𝐿𝐿) − 360° (1) 高度定数の計算結果には(+/-)の符号がつく。 鉛直角の測定では、観測の良否を判定に高度定数の較差が必要となるため、視準点を変え て同一測点を観測する必要がある。

(3)鉛直角による高度測定

今回の実習では、異なる測点を対象となる地物からの直線上に設置して、地物の高さを測 定する。図 3 に概念図を示す。 図 3 鉛直角による高さの測定 図 2 より、地物からセオドライトまでの水平距離が分からない条件で高さ H を求める場合、 以下のように求めることができる。測点 A-B 間の距離 X は、 X = (H − a)/(tanA°) − (H − b)/(tanB°) (2) となるから、高さ H について整理すると H = (𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋° ∙ 𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑡𝑡° + 𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑡𝑡° − 𝑏𝑏𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋°)/(𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑡𝑡° − 𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋𝑋°) (3)

3.使用器具

セオドライト 1 式、ポールなど 2 組、ポイントベース 2 個、くぎ 2 個、 ガラス繊維製巻尺1個 X (m) ? (m) 測点A 測点B A度 B度 a (m) b (m) 視準点O 高さH O’

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4.実習手順

(1)測点の設定

① 目標とする地物と視準点 O と P を決定する。 ※このとき、目標とする地物は風などで動かないものを設定し、測点 AB の設定がお よそ水平な地面になるようにする。また、目標とする視準点 O と P の鉛直下が地 面と接しているところが見えるものが望ましい。 ② 視準点 O の鉛直下で地面と接している点 O’にポールを立てる。 ③ 点 O’のポールから 50m 程度離れた位置にポールを立て、測点 A とする。 ④ 測点 A と点 O’の間の直線上に測点 B を設置する。 ※測点 B の設定は、鋼製巻尺による距離計測における中間点の作成法に準拠する。 ⑤ 適切な位置に決定した測点 AB にポイントベースを設置する。 ⑥ 測点 A と測点 B の距離をガラス繊維製巻尺にて測定する。

(2)測角のための手簿作成

① 野帳に測点名(等級と名称)、B=C=P、器械の種類と器械番号、観測年月日、天候、 風の強さ、観測者氏名、記帳者氏名を書く。 ・天候:天候は観測を開始した時点の天候 ・風の強さ:表 1 を目安にする。 表 1 風の強さの目安 ・B=C=P:視準目標の中心(P)と、器械点の中心(B)と、標石の中心(C)が一 致していることを示す。 表 2 野帳:記載事項の記入 ② 野帳に記録項目を記入する。 表 3 野帳:記録項目の記入 風の強さ 状態(目安) 風速(秒速) 無風 煙が直上する 1.5mまで 軟風 煙または樹葉がゆれる 3.5mまで 和風 煙が斜めに昇る 6.0mまで 疾風 樹枝が動く 10.0mまで 強風 樹幹が動く 10.0m以上 測点:測点A B = C = P 器械: 観測年月日: 風: 天候: 観測者: 記帳者: (r+360)-ℓ=2Z 器械高(i) Z 時刻 望遠鏡 視準点番号 観測角 目標高(f) α 高度定数の較差

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(3)鉛直角測量(視準点 O)

① セオドライトを測点 A に据え付ける。 ② 器械高(i)と目標高(f)を記録する。 器械高:望遠鏡横にある印から地面までの高さ 目標高:目標点に設置したターゲット(ミラー中心など)までの高さ ③ セオドライトの電源を ON にする。 ④ 鉛直角が水平角 0°による測定になっていることを確認する。

(正位)

④ 水平固定ネジが右手側(正位)にあることを確認する。 ⑤ 目標点 O 方向を視準し水平固定つまみ、望遠鏡固定つまみをしめ、微動ネジを使って 正確に視準点 O を視準する。 ⑥ 野帳に開始時刻、望遠鏡の向き(正位なので R)、視準点番号、読み取り値を記録 する。 表 4 野帳:視準点 O の測定記録①

(反位)

⑩ セオドライトを時計回りに 180 度回転し、望遠鏡を縦方向に反転させ正位→反位にす る。 ⑪ 再び視準点 O を視準し、水平固定つまみ、望遠鏡固定つまみを固定する。その後、微 動ねじを使って正確に視準点 O を視準する。 ⑫ 望遠鏡の向き(反位なので L)、測点、画面に表示された鉛直角を野帳に記録する。 ⑬ 測定結果をもとに、R+L、高度定数、2Z、鉛直角 Z、αを計算する。 ・R+L: 同一視準点の(正位の読み取り値+反位の読み取り値) ここでは、 88°23’20”+271°37’00”=360°00’20” ・高度定数:(R+L)-360° ※高度定数には(+,-)をつける。 ここでは、360°00’20”-360°00’00”=+20” ・2Z : (360+R)-L ここでは、(360°00’00”+88°23’20”)-271°37’00”=176°46’20” ・鉛直角 Z: 2Z/2 ここでは、176°46’20”÷2=88°23’10” ・α : Z=90°-α ここでは、90°00’00”-88°23’10”=+1°36’50” (r+360)-ℓ=2Z 器械高(i) Z 時刻 望遠鏡 視準点番号 観測角 目標高(f) α 高度定数の較差 O ° ' " ° ' " " 13:40 R 88°23' 20" (i) 1.40 L 271°37' 00" (f) 1.40

(49)

表 5 野帳:視準点 O の測定記録②

(4)鉛直角測量(視準点 P)

(反位)

① セオドライトを視準点 P の方角に向ける。 ② 水平固定ネジが左奥(反位)にあることを確認する。 ③ 視準点 P を視準し水平固定つまみ、望遠鏡固定つまみをしめ、微動ネジを使って正確 に視準点 P を視準する。 ④ 野帳に望遠鏡の向き(正位なので L)、視準点番号、読み取り値を記録する。正確 に視準した結果、値がずれた場合は、ずれた値を記入する。 表 6 野帳:視準点 P の測定記録①

(正位)

⑤ セオドライトを時計回りに 180 度回転し、望遠鏡を縦方向に反転させ反位→正位にす る。 ⑥ 再び視準点 P を視準し、水平固定つまみ、望遠鏡固定つまみを固定する。その後、微 動ねじを使って正確に視準点 P を視準する。 ⑦ 望遠鏡の向き(正位なので R)、測点、画面に表示された鉛直角、測定終了時刻を野 帳に記録する。 ⑧ 測定結果をもとに、R+L、高度定数、2Z、鉛直角 Z、αを計算する。 (r+360)-ℓ=2Z 器械高(i) Z 時刻 望遠鏡 視準点番号 観測角 目標高(f) α 高度定数の較差 O ° ' " ° ' " " 13:40 R 88°23' 20" (i) 1.40 176°46' 20" L 271°37' 00" (f) 1.40 88°23' 50" r+ℓ 360°00' 20" +1°36' 50" 高度定数 +20" (r+360)-ℓ=2Z 器械高(i) Z 時刻 望遠鏡 視準点番号 観測角 目標高(f) α 高度定数の較差 O ° ' " ° ' " " 13:40 R 88°23' 20" (i) 1.40 176°46' 20" L 271°37' 00" (f) 1.40 88°23' 50" 40 r+ℓ 360°00' 20" +1°36' 50" 高度定数 +20" P L 277°41' 20" 14:00 R (f) 1.40

図 2  距離測定での中間点の設置  中間点は以下の手順で決定する ① A 点、B 点にポールを立てる。このときポールマン A は見通しする者の障害となら ないように注意する。 ②中間点となるポールマン C は、約 30m の距離まで歩測で進み、測線 AB 上だと思う 位置に仮にポールを立てる。 ③見通しを行うものは、測線 AB の延長線上で A から数 m 離れた位置に立つ。測線 AB 上では見通しを行うものから見ると、B 点は完全に A 点のポールによって隠れる はずである。 ④見通しを行うものは、 A
図 5  三重大学南側の基準点
表 11  野帳:2 対回目の記入③  ⑫  水平固定ねじをゆるめて、セオドライトを反時計回りに回して測点 A を視準し、水平 固定ねじを固定する。その後、微動ねじを使って正確に測点 A を視準する。  図 13  正位での測点 A の視準  ⑬   測定終了時刻と画面に表示された水平角を野帳に記録する。  表 12  野帳:2 対回目の記入④  (6)水平角を求める。  ①  結果の項目に正位、反位の測定結果を記入し、倍角、較差を求める。  ・倍角:同一対回内の結果の秒位の正位・反位の和    注)分位が
表 13  野帳:2 対回目の倍角、較差の計算  (7)倍角差、観測差を求める  ①  野帳に水平角観測結果の項目を書く。  表 14  野帳:水平角観測結果の項目  ②  測点(測点 O)、方向(測点 A、測点 B)、倍角差、観測差を計算し、野帳に記録する。  倍角差:全対回における倍角の差  観測差:全対回における較差の差  ③  ここで、倍角差が 60°、観測差が 40°より大きくなった場合は再測する。倍角差、 観測差が規定値以内のときは、中数(観測結果の平均)を計算し記録する。  中数:正反 2 対
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