3 中学入試 これだけは知っておこう Catch! Shingaku Guidebook 03 中学入試 これだけは知っておこう 2 年度入試はこう行われた! 直近の 年度入試は どんな状況だったのか どんな学校が応募者が多かったのか どんな動向があったのか ここでは私立中学入試について見ていくこと

　ひと目でわかるように箇条書きにしてみましょう。

最近の中学入試はこうなっている

まず最近の中学入試の全体像を頭に入れておきましょう。

ひとくちに中学入試と言っても、地域により、男女により、状況は違うものです。

また、近年はさまざまな入試も登場しています。

それらについても知っておきたいものです。

　これについても箇条書きに整理してみましょう。 　それぞれについて、簡単に解説していきましょう。 ●入試回数の増加 　１回の入試ですませている学校は、東京の開成・ 麻布・武蔵・桜蔭・女子学院・雙葉の男女御三家、駒 場東邦・桐朋や早稲田大学高等学院・早稲田実業・ 　第二次世界大戦前まで、国は男子の教育には力を 入れていましたが、女子の教育にはあまり熱心ではあ りませんでした。そのため、女子の教育は主に民間 が担っていたのです。そうした歴史から私立には女 子校が多く、現在の募集定員も女子の方がずいぶん 多くなっています。 慶應系3 校（普通部・中等部・湘南藤沢中等部）・青 山学院・立教女学院といった付属系、香蘭女学校・白 百合学園といったミッションスクール、神奈川の浅野・ 栄光学園・フェリス女学院・横浜雙葉などごく一握り となっています。その一方、午後入試を含めると7回・ 8 回もの入試を構えている学校もあります。 ●入試日程の前倒し 　1月初旬にある地方の寮のある学校の首都圏会場 入試や、1月10日からの埼玉の入試を受ける受験生 が増えています。また、2月1日・2日に午後入試が増え、 それらを受ける受験生も増えています。そのため、2 月3日以降まで試験を受け続ける気力・体力がなくな り、後半戦の受験者が減っているのが現実です。そ こで学校側も入試日程を前に持ってきているのです。 ●午後入試の増加 　学校側の事情としては次のようなことが挙げられ ます。 　受験生側が歓迎する次のような事情もあります。 　そうしたことで、１日に２校受験するという、高校 受験や大学受験ではありえない世界が中学受験で は生まれているのです。 　「コース制」についてはＰ.14でお話ししていますの で、ここでは省略します。 ●特待入試の増加 　ご家庭の財布事情は厳しいものがあります。「本 当は私立に進ませたいのだけれど、６年間にわたっ て学費を払い続けられる自信がないから断念した」 というご家庭もあります。 　そうしたご家庭の事情を考慮し、成績優秀者には 「 入学金・施設費を免除する」「 授業料を全額免除 する」という制度を設けている学校が年々増えてい ます。 　主なかたちとしては以下のようなものがあります。 　特待生としての資格もいろいろです。 　といったように、成績によって段階をつけている ケースが多く見られます。 　なかには3 年間・6 年間ずっと授業料を免除、とい う学校もありますが、その場合でも多くは進級時に 成績による見直しが行われるのが普通です。 ● 2 科入試に戻る傾向 　中学入試はこれまで、2 科入試を行ってきた学校 が2科 4科にし、さらに4科にするという変遷をたどっ てきました。しかし、リーマンショック以降の不景気 から、塾に入れる時期が遅くなったため、4 科すべて をきちんと勉強することが難しくなりました。そうし た状況から、2 科入試に戻す学校が増えてきている のです。 　「適性検査型入試 」の増加については、次の「2015 年度入試はこう行われた！」のところで触れます。 Part 03

中学入試、これだけは知っておこう①

首都圏中学入試の全体像

最近の入試の動向

◉首都圏の小学校卒業生は約 30万人強で推移 　2015 年は約 30万人 ◉国立・私立中受験者は約 4.3万人 　7人に1人が国立・私立中学を受験 ◉男子の募集定員約 2.1万人、女子の募集定員約 2.6万人 　（ 共学校は推定で計算）…女子の方が募集定員が多い ◉多くの学校が実施している午前入試では、偏差値で輪切りに 　なったごく限られた学力層しか受けて来ない 　上位層に受けてもらう手段として「午後入試 」を導入する ◉「午後入試 」を実施することで、それまでは学校説明会に 　足を運んでもらえなかった層に来てもらい、学校の中身を 　知ってもらって他の回の受験者増にもつなげる a. 全回の入試で成績優秀者を特待生とする b. 特定の回の入試の成績優秀者を特待生とする c. 一般とは別に「特待入試 」を実施する a. 入学金も授業料も全額免除する b. 授業料を全額免除する c. 入学金のみ免除する ◉「少しでも早く合格を確保して安心したい」という心理 ◉「できるだけ多くの学校を受けて少しでも志望順位の高い 　学校の合格を取りたい」という併願作戦上の理由 ◉入試回数の増加…1校が何回も行っているので 　全体の入試回数も増加 ◉入試日程の前倒し…東京・神奈川では 2 月1日・2日に 　集中化が進む ◉午後入試の増加 ◉「コース制」を採用する学校の増加 ◉特待入試の増加 ◉ 2 科入試に戻る傾向 ◉「適性検査型入試 」の増加

2015 年度入試はこう行われた！

直近の2015 年度入試は、どんな状況だったのか。

どんな学校が応募者が多かったのか。どんな動向があったのか。

ここでは私立中学入試について見ていくことにします。

　まず 2015 年度入試の全体像を見てみましょう。2015 年３月の首都圏の小学校卒業生は 30万400 名ほどでし たが、このうち４万6,500 名が国・私立中学を受験したと 見られます。受験率にすると15.5％。今年も、首都圏で はおよそ６～７人に１人が国・私立中学を受験しているこ とになります。公立中高一貫校を含めると、5 万6,000 名 くらいになり、５～６人に１人が中学受験したことになりま す。 　2015 年は、茨城県南部に東洋大学附属牛久が１校開 　近年の中学入試は、入試回数自体の増、午後入試の増、 「コース制」の増など、さまざまな入試形態の増加が進ん でいます。そのため全入試回の応募者合計数では人気が 上がったのか下がったのかが見えにくくなっています。そ こで、各校の第１回入試の応募者数を中心に見てみるこ とにしましょう。 ●「サンデーショック」で、２月２日に移動した 　キリスト教系が人気 　2015 年度入試最大の話題は「サンデーショック」です。 ２月１日が日曜日のため、日曜日は礼拝に行く日であるプ ロテスタント校は入試日を移します。女子学院・東洋英和 女学院・立教女学院・フェリス女学院・横浜共立学園と いった学校がそれにあたりますが、それに伴い清泉女学 院・横浜雙葉といったカトリック校も例年入試日を移動し ます。そのため女子の併願状況が例年と大きく異なるの で、注目されていたわけです。 　今年も２月２日は移ってきたこれらの学校に受験生が 集まり、従来からの２日実施校は軒並み受験生が減りま 板 ）は女子校からの、東洋大学京北（旧京北）は男子校 からの共学化です。いずれも前身校時代には考えられな かったくらいの受験生を集めました。 【大学の系属化】 上の東洋大学京北も大学の付属校化ですが、横浜英和女 学院が 2016 年に青山学院大学の系属校となることになり （校名は青山学院大学横浜英和。2018 年に共学化）、早 くも大人気となりました。 ●「グローバル」を冠したコースが急増 　これまでも生徒が巣立つこれからの「グローバル社会」 を意識したコース・クラスはいくつかありましたが、2015 年 度は急増しました。いくつか例を挙げてみましょう。 　次に入試について見てみましょう。 校したくらいで、公立中高一貫校の新設校はなく、入試環 境に大きな変化はありませんでした。 　受験者数が若干減った背景としては、そもそも公立小 学校の卒業生が 2,600 名ほど減ったことが大きいのです が、消費税のアップで家計が厳しくなっていることも影響 しています。 　そうした中でも５～６人に１人が中学受験しているとい うことは、中高一貫教育の良さをきちんと理解しているご 家庭が多いということです。 した。が、前回の「サンデーショック」の年と比べるとそ れほど大きな変化は見られませんでした。この間に併願 先が多様化していることが大きいでしょう。 ●男女とも難関校が受験者増 　男子では麻布・開成・攻玉社・駒場東邦・本郷・早稲田 といった難関進学校が受験生を増やしました（一方、神奈 川では男子御三家＜浅野・栄光学園・聖光学院＞は皆減 少）。女子は先に述べたように「サンデーショック」の年だっ たこともあり、東京・神奈川の御三家（桜蔭・女子学院・雙 葉・フェリス女学院・横浜共立学園・横浜雙葉）、すべてが 受験者増となった珍しい年になりました。 ●大きな変化のある学校に集まる 　今年大幅に受験生が増加した学校に共通する要素は、 「 大きな変化」です。 【共学化・校名変更】 開智日本橋学園（旧日本橋女学館）・三田国際学園（旧戸 ●英語入試が広がる 　左に挙げたようなコース・クラスの設置、また英語の教 科化を踏まえ英語を学ぶ小学生が増えていること、また 進学塾に通っていない受験生に中学受験に挑んでもらう ためもあって英語入試（＜英語＋1科、英語＋国語・算数＞ というケースが多い）が急増しました。そのほか隠れ帰国 生（在外期間が足りない、帰国後年数が経てしまっている 等）のための入試という性格もあるようです。そうしたこ とから、2015 年度では一般入試に英語がある１都３県の 私立中学は32 校にもおよびました。 ●「適性検査型入試」が広がる 　公立中高一貫校の受検生が併願しやすいよう、私立中 学の中に「適性検査型入試 」（公立中高一貫校対応入試、 PISA 型入試など名称はさまざま）を行う学校が年々増え ていますが、これまでは都内だけだったものが、2015 年 度は近県にも広がりました。埼玉の聖望学園、千葉の聖 徳大学附属女子、神奈川の横浜がそうです。

　全体傾向 受験者数はやや減少

　2015 年度入試の主な動向

◉東京 ■第1回入試で応募者が 30名以上増えた学校 Part 03

中学入試、これだけは知っておこう②

・文京学院大学女子　グローバルスタディーズコース　 ・郁文館　ＧＬ（グローバルリーダー）特進クラス ・開智日本橋学園　国際先端（グローバル・リーディング）クラス ・工学院大学附属　ハイブリットインターナショナルクラス　 ・三田国際学園　インターナショナルクラス　 ・麗澤　叡智（アドバンスト叡智／エッセンシャル叡智）コース 学校名 応募者数 増加数 男子校 東京都市大学付① 1,549 158 攻玉社① 401 109 本郷① 415 107 早稲田① 806 82 桐朋 443 53 成城① 515 48 麻布 916 41 開成 1,222 36 女子校 女子学院 971 227 恵泉女学園Ａ① 432 197 東洋英和女学院Ａ 372 177 雙葉 5,169 168 桜蔭 655 141 鷗友学園女子① 595 119 東京女学館① 233 98 大妻① 399 95 吉祥女子① 575 81 田園調布学園① 219 79 晃華学園① 152 70 白梅学園清修①午前 75 62 学習院女子Ａ 267 55 玉川聖学院① 160 52 三輪田学園① 196 49 品川女学院① 362 44 普連土学園① 203 44 神田女学園① 52 39 富士見① 343 35 共 学 校 東洋大学京北① 237 159 開智日本橋①特待生 181 144 学校名 応募者数 増加数 女子校 横浜英和女学院Ａ 430 275 カリタス女子① 314 202 洗足学園① 440 128 横浜雙葉 285 91 フェリス女学院 476 80 横浜共立学園Ａ 395 64 清泉女学院① 188 38 日本女子大附① 265 35 共 学 校 中央大附横浜① 642 87 公文国際学園Ａ 286 39 横須賀学院① 83 39 学校名 応募者数 増加数 女子校 浦和明の星女子① 718 110 共 学 校 栄東Ａ 237 159 埼玉栄（ 進学①） 181 144 城北埼玉 143 114 学校名 応募者数 増加数 共 学 校 麗澤① 845 845 昭和学院秀英② 1,186 81 東洋大附牛久①一般 71 71 市川① 2,739 47 昭和学院② 118 42 学校名 応募者数 増加数 共 学 校 三田国際学園①本科 143 114 東京農大第一① 718 110 渋谷教育学園渋谷① 485 82 慶應義塾中等部 1,225 75 広尾学園① 389 64 中央大附① 397 54 順天①Ａ 125 39 淑徳巣鴨①進学 89 32 多摩大聖ヶ丘① 146 32 早稲田実業 544 31 ◉神奈川 ◉埼玉 ◉千葉

公立中高一貫校、国立大学附属

の入試についても知っておこう

公立中高一貫校の数が年々増え、現在、首都圏の公立中高一貫校は19 校。

中学受験において占める比重も大きくなっています。

その一方、影が薄くなっているのが国立大学の附属です。

ここでは、両者の受験状況も見ていくことにしましょう。

※公立中高一貫校の場合には「受験 」ではなく「受検 」を使います。 Part 03

中学入試、これだけは知っておこう③

　国立大学附属の多くは受験者が減る

　公立中高一貫校は、大半が受検者減

学校名 募集人数 _受検者数2014 年 _受検者数2015 年 東 京 桜修館中等 男 80／女 80 1,404 1,081 大泉高附属 男 60／女 60 934 862 小石川中等 男 80／女 80 934 826 立川国際中等 男 65／女 65 836 805 白鴎高附属 男 80／女 80 1,154 997 富士高附属 男 60／女 60 657 612 三鷹中等 男 80／女 80 1,135 1,110 南多摩中等 男 80／女 80 994 874 武蔵高附属 男 60／女 60 538 557 両国高附属 男 60／女 60 1,047 998 区立九段中等 A：男 40／女 40_{B：男 40／女 40} 479 404 学校名 募集人数 _受検者数2014 年 _受検者数2015 年 神 奈 川 相模原中等 男 80／女 80 1,224 1,102 平塚中等 男 80／女 80 856 749 横浜市立南高附属 男 80／女 80 1,265 1,250 川崎市立川崎高附属 男女計 120 853 580 千 葉 県立千葉 男 40／女 40 1,007 909 千葉市立稲毛高附属 男 40／女 40 717 734 埼玉 県立伊奈学園 男女計 80 591 534 さいたま市立浦和 男 40／女 40 518 486 ◉ 2015 年度公立中高一貫校 受検者数移行 ※ 2014 年・2015 年受検者数の欄の太字は前年より受検者増を示す。 ※小石川中等・立川国際中等・白鴎高附属は「 特別枠」がある。 　マスコミの報道なども公立中高一貫校についてのも のが多いので、国立大学附属はこのところあまり注目 されなくなっています。そうしたこともあるのでしょう。 2015年度も多くの学校で前年より受験者が減少してい ます。 　男女ともに増えたのは東京学芸大学附属の国際中 等・竹早くらいです（この2 校は2014 年度入試でも ● 19 校中、受検者が増えたのは２校だけ 　2014 年度は都内の公立中高一貫校 11 校のうち小 石川中等教育・両国高校附属・九段中等教育の３校 で受検者が増えましたが、2015年度は武蔵高校附属 だけでした。武蔵はこれまで男女とももっとも受検者 が少なかったので、ねらい目と捉えられたようです。 　その一方、適性検査当日の欠席者、合格後の辞退 者が増えており、私立との併願が増えていることがわ かります。因みに都立10校の当日の欠席者は男子が 157名、女子が183名の計340名となっています。同じ く都立 10 校の合格後の辞退者は男子が 43 名、女子 が 41 名の計 84 名となっています。学校でいうと、小 石川中等教育・桜修館中等教育・武蔵高校附属など 増えていますから人気が上がっていることが分かりま す）。このほかでは東京学芸大学附属世田谷の女子、 千葉大学附属の男子が増えているくらいです。 　年々広き門になってきているので、2016 年度は国 立大学附属の受験を検討してもいいのではないでしょ うか。 難しいところほど多くなっています。 　他県でも、８校のうち増えたのは千葉市立稲毛高 校附属だけで、公立中高一貫校は全体に受検者が減 りました。 ●今年は5 校で男子が多くなる 　公立中高一貫校の受検者は女子の方が多いことが 普通ですが（川崎市立川崎高校附属は男女別の数 字は公表していません）、例年、難しい小石川中等教 育・武蔵高校附属・県立千葉の３校は男子の方が多 くなっています。今年はこのほかに両国高校附属とス ポーツが盛んな三鷹中等教育も男子の方が多くなりま した。 ＊14年・15年受検者数の欄の太字は前年より受検者増を示す。 ＊小石川中等・立川国際中等・白鴎高附属は「特別枠」がある。

2016 年度入試はこう行われる！

ここでは、お子さんが受けることになる2016 年度入試についてお話ししましょう。

各校が本格的に募集要項を公表するのはまだ先ですが、

現段階

（ 5月初旬）で公表されている変更点を中心にご紹介しましょう。

●首都圏の小学校卒業生数は少しずつ減少 　首都圏の小学校卒業生は、2014 年：30 万 3,000 名→2015年：30万400名→2016年：29万6,000名 と、少しずつ減少します。 　その一方、ここへきて大企業を中心にベースアップ が図られることもあり、そう大きくは受験人口が減少す ることは考えられません。 　また、今の小学校高学年は、大学進学時に2020年 以降の大きな大学入試改革の過渡期にぶつかります。 今検討されている改革の方向では、高校基礎学力テ スト（仮称）も大学入学希望者学力テスト（仮称）も 複数回の実施が予定されていることから、中高一貫校 が有利になると言われています。それだけに、わが子 の将来をしっかり意識している保護者ほど中学受験に 臨んでくると思われます。 　小学校卒業生が減るからといって、中学受験が楽 になるとは考えないでください。 Part 03

中学入試、これだけは知っておこう④

2016 年度入試の全体像

　学校の動向

　すでにわかっている2016年度以降の学校の動向を 挙げてみましょう。 ＜新設校＞ ◉私立では、埼玉の私立高校本庄第一高校に 　中学校が開校予定。 ◉公立中高一貫校では、千葉の県立御三家のひとつ 　東葛飾高校に併設型の公立中高一貫校が 　開校予定。 ◉2017年度には横浜市立サイエンスフロンティア高校 　に併設型の中学校が開校予定。 ＜共学化＞ 　2015年度入試では共学化した3校がいずれも大き な話題になりましたが、2016年度は ◉神奈川の男子校の法政大学第二が共学校化。 　男子160 名／女子70 名：計230 名と、 　かなり男子にシフトした定員になっています。 　一般入試の日程は2 月2日・2 月4日で変わらず。 　また、独立した帰国生入試を実施します 　（国語・算数・保護者同伴面接：1月10日）。 ◉2018年度には神奈川の横浜英和女学院が 　青山学院大学横浜英和となり共学校になります。 ＜コース＞ 　2015年度入試は「グローバル」を冠したコース・クラ スが多数誕生しましたが、2016年度入試でも、 ◉大妻中野→「グローバルリーダーズクラス」を 　新設。帰国生入試（２回から３回に増）と 　英語入試により１クラス35 名を選抜。 ◉芝浦工業大学柏→「グローバル・サイエンスクラス」 　を新設。第1回（1月23日）と第2回（1月27日）で 　1クラス40名程度を選抜。 　また入試関係も、すでにいくつか発表になっています。 ＜入試関係＞ ｜英語入試の導入｜ 　2015年度入試で飛躍的に増えた英語入試ですが、 2016年度には東京の女子校の大妻中野・女子聖学 院・山脇学園が英語入試を行うことを発表しました。 ◉大妻中野→英語入試を「グローバル入試」として 　2月1日　午前に実施。国語・算数・英語（英語の 　得点を1.5倍に換算）。 ◉山脇学園→英語特別枠入試を一般入試と同日に 　実施。従来の一般入試の日程通り、 　Ａ2月1日・Ｂ2月2日・Ｃ2月4日、 　国語・算数・英語（国語・算数は100点満点・英語 　は120点満点）。募集人数は３回計で約 20 名。 　このほか英語特別枠帰国生入試（ 12 月3日）で 　約 20 名を選抜。 ｜入試回数の減少｜ 　2015年度入試では東京の女子校の晃華学園、神 奈川の共学校の中央大学附属横浜が入試回数を３回 から２回に減らしましたが、2016年度は、 ◉鷗友学園女子→2月1日と3日の2回に減。 ◉公文国際学園→Ｃ入試（2月5日）を取りやめ 　Ａ入試（2月1日）とＢ入試（2月3日）の2回に減。 　これまで増える一方の入試回数でしたが、ここへき て減らす動きが生まれています。 ｜日程の移動｜ ◉攻玉社→従来、特別選抜を行っていた2月6日から 　5日に前倒し。 ◉十文字→ 　第1回2月1日午前：進学クラス入試約100 名〉〉 　スーパー型特待入試約50 名。 　第2回2月1日午後：スーパー選抜クラス入試 　約80 名〉〉　スーパー型特待入試約70 名。 　第3回2月2日午前新設：思考型入試約20 名・ 　チャレンジ型入試約20 名。 　第4回2月2日午後：スーパー選抜クラス入試 　約40 名〉〉スーパー型特待入試約20 名。 　このほか帰国生入試12月19日新設：約20 名。 ◉田園調布学園→2月1日・3日・4日だったものを、 　2月1日・2日・4日に変更。 ◉東京都市大学等々力→ 　2月1日午後：第1回特選・特進。 　2月1日午後：第1回Ｓ特選。 　2月2日午前：第2回特選・特進（英語選択）。 　2月2日午後：第2回Ｓ特選。 　2月3日午後：第3回特選・特進。 　2月4日午前：第4回特選・特進、Ｓ特選に。 　今後、募集要項を変更する学校が多数出てくると思 われますので、志望校の募集要項には十分注意してく ださい。

年々盛んになる「 帰国生入試 」

経済の

「 グローバル化」を反映して、海外で働く日本人が多くなっています。

また以前のように単身赴任するのではなく、家族と一緒に海外生活を送る人が増えています。

そうしたご家庭の帰国生対象の入試が、急速に増加しています。

　一般入試と別枠（帰国生の定員が定められていて、 入試日も一般入試と別）での入試は以前からありまし たが、ここ数年で非常に増えています。 　以前は海外赴任と言うと、ヨーロッパ・アメリカなど の支店・営業所中心の営業職が多かったのですが、 経済のグローバル化の進展により、安い労働力を求め て生産拠点を海外に移転させるようになって、様相が 大きく変わりました。 　東南アジア・インド・バングラデシュ・アフリカなど、 世界中に日本人が出ていくようになり、また以前は単 身赴任していたものが、家族で赴任するようになったこ とが、帰国生の増加につながっています。ですから帰 国生入試では、出身国が30以上の国にまたがってい る学校もあります。 ●帰国生入試　2006 年と2015 年の対比 　上記のグラフでわかるように、帰国生入試を行う学 校は、倍以上に増えています。また、帰国生入試は以 ●東京・神奈川が多い 　一般入試と別日程で帰国生入試を行っている学校 は、ほとんどが東京・神奈川です。千葉・埼玉では下 記の学校くらいです。 ●英語必須の学校、英語が入試にない学校 　帰国生入試というと、英語ができることが条件のよう なイメージがありますが、近年は先に述べたようにアジ ア・アフリカなど、非英語圏からの帰国生が増えている こともあり、帰国生入試だからといって英語が必須な わけではありません。 　英語のみという学校は、頌栄女子学院・桐朋女子 （外国語による作文）、目黒星美学園・渋谷教育学 前から女子校に多かったのですが、最近は男子校・ 共学校でも同じように増えています。 ● 2015 年度の帰国生入試 　2015年度入試では、女子校の共立女子第二・麹町 学園女子・藤村女子・神奈川学園・聖セシリア女子・ 聖ヨゼフ学園、共学校の郁文館・開智日本橋学園・ 工学院大学附属・三田国際学園・市川など、多数の 学校が帰国生入試を新設、ないし独立させています。 ほとんどは小規模な入試でしたが、市川はこれまで一 般入試と同日に行ってきたものを別日程で独立させた ところ、74名もの受験生が集まりました。 ●規模の大きな帰国生入試 　帰国生入試というと受験生が1ケタという学校が多 いのですが、なかには100名以上もの受験生がいる帰 国生入試もあります。2015年度に100名を超える受験 生がいた学校を挙げてみましょう。 園幕張くらいです（洗足学園は入試回により英語と面 接、かえつ有明は入試回により英語と日本語作文）。 　英語があっても、「国語・算数」または「算数・英 語」の選択というパターンが多数派です。それ以上に 多いのが、「国語・算数」という学校です。帰国生入 試であっても基礎学力を見る学校が圧倒的に多くなっ ています。 　学校側も、いろいろな背景をもった帰国生を入学さ せたいという姿勢を持っていますから、帰国生入試は これからもますます広がると予想されます。その一方、 受験資格などは多様化して、条件面も緩くなっていま す。わが子に合った学校を探し、利用されるといいの ではないでしょうか。 　また独立した帰国生入試を設けていなくても、帰国 生を受け入れている学校は多数ありますから、問い合 わせてみることをお勧めします。 学校名 試験日 受験者数 男子校 海城 1月7日 167 攻玉社 1月10日 185 東京都市大学付属 1月6日 192 女子校 頌栄女子学院 12 月6日 136 洗足学園 1月11日 134 共学校 かえつ有明 11月29日 （男子 64、女子 63）127 渋谷教育学園渋谷 1月27日 （男子89、女子152）241 ※かえつ有明はこのほか12 月14日・1月30日にも実施。 Part 03

中学入試、これだけは知っておこう⑤

この 9 年で大幅増

◉ 2006 年 　男子校8校　女子校18校　共学校14校　合計40校 ◉ 2015 年 　男子校16校　女子校43校　共学校38校　合計97校 男子校 女子校 共学校 0 10 20 30 40 ［学校数］ 2006 8 ₂₀₁₅ 16 2006 18 43 38 2015 2015 2006 14 ＜千葉＞ 市川・昭和学院・二松學舍大学附属柏 ＜埼玉＞ 昌平