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携帯電話を用いた音声ガイドシステムの開発とその実証的研究

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Academic year: 2021

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愛知工業大学研究報告 第43号 平成20年

博士学位論文

(内容の要旨及び論文審査の結果の要旨)

Kato Nariaki

氏名 加 藤 成 明

学位の種類 博士 (経営情報科学)

学位記番号 経博 甲 第 2 号

学位授与 平成20年2月25日

学位授与条件 学位規程第3条第3項該当

論文題目 携帯電話を用いた音声ガイドシステムの開発とその実証的研究

Development of Voice Guide System by Cellular Phone

and it’s Empirical Research)

論文審査委員 (主査) 教授 石井直宏

1

(審査委員) 教授 中川覃夫

1

教授 近藤高司

1

論文内容の要旨

携帯電話を用いた音声ガイドシステムの開発とその 実証的研究

(Development of Voice Guide System by

Cellular-Phone and it’s Empirical Research)

中高年でも携帯電話を所有し携帯電話からイン インターネットにアクセスしていることや、美術・ 博物館の「音声ガイド機」をヒントに中高年に配慮 した、名所旧跡、美術・博物館の「携帯電話による 音声案内システム」を研究した。 本研究では、総務省の統計資料により「携帯電話 による音声案内システム」の普及の可能性を考察し た。試作システムの音質やダウンロード方法を改良 した後、岐阜県恵那市明智町にある日本大正村の有 料施設「大正ロマン館」、「大正資料館」、「大正 時代館」の3館について公開実験を実施し、100人近 い人々からアンケートをいただいた。その結果を重 回帰分析し、また、美術・博物館にもアンケートを 実施した。その結果以下のことが判明した。 利用者側:携帯電話を音声ガイドとして使用すると について関心はあるが、次の要因に左右される。 1. 操作性 2. ダウンロード時間 3. 音質 4. コンテンツ 施設側: 携帯電話を音声ガイドとして使用するこ とについて不安がある。 1. 着信や通話 2. 著作権 等であった。 研究システムの内容については、以下の通りである。 Web上のデータを携帯電話にダウンロードする場合、 従来通信事業者により通信方法がTCP/IPやUDP/IPの 違い及び、取り扱うデータ形式が異なるため、デー タやプログラムが個別に必要であった。今回の実験 で は 、 研 究 対 象 通 信 事 業 者 をNTTド コ モ 、au、Soft Bankの3キャリアとしたので、音声圧縮形式は、3GPP、 3GPP2、SMAFである。データ形式を除けば、キャリア 別 の ダ ウ ン ロ ー ド 用 プ ロ グ ラ ム は 必 要 と せ ず 同 じ XMLプ ログ ラ ム で 機 能 を果 た す こ と がで き る よ う に した。 Webサーバにアクセスする場合、アクセスしたブラ ウザの種別により環境変数に識別文字が入り使用キ ャリアを判別できる。これをPerlプログラムにより、 1 愛知工業大学 経営情報科学部 (豊田市)

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愛知工業大学研究報告 第43号 平成20年, Vol. 43, Mar. 2008 キャリア別にアクセスを振り分けるように工夫した。 また、音声ガイドをユーザが必要なものだけ携帯電 話から抽出できるようにMy SQLによりデータベース 化をおこなった。検索機能では、携帯電話の文字コ ードは、JIS、My SQLはEUCコードのため当初抽出が できなかったが、文字コード変換によりデータの抽 出ができるようになった。 社会の成熟化にともない、博物館等への来館者の 多くが展示品の解説を望んでいる。博物館によって は、解説員の配置をおこなっているが、予算的に十 分なことがおこなえないのが現状である。現在「音 声ガイド機」は人気企画展では数が足りないほどで あり、低価格で使い勝手のよいものが実用化されれ ば、多くの来館者へのサービスになり、ひいては博 物館への来館者の増大にも寄与する。これにより、 博物館は展示品の音声ガイドコンテンツ制作への努 力に弾みがつくと思われる。この成果はデジタルミ ュージアム計画、e-Japan構想にもつながっていくと 思う。 携帯電話はたんなる電話ではなく、ウェアラブル コンピュータに変化しつつある。そのなかで「音声 ガイド機」としての機能が定着することは、視覚障 害者、視力が衰えた中高年層を主な対象にした「音 声人ナビ」実現の環境整備に貢献すると考える。街 頭、駅などの施設構内、などでの音声人ナビが発展 すれば膨大な量のコンテンツが必要になると考えら れる。従って、この研究は文化・福祉に結びつき社 会に貢献できると思う。 本論文は、第1章から第7章までで構成されている。 第1章序論では、研究の背景・目的を総務省から出た 統計資料を使い、何故この研究をしたのか等を述べ ている。 第2章では、携帯電話がどのように発展してきたの か、また、携帯電話の各通信事業者により、何故異 なったダウンロード用プログラムが必要なのかを考 察した。 第3章は、愛知県岡崎市内の名所旧跡を「携帯電話 による音声ガイド」で試作した。そのシステムの概 要と評価を述べる。 第4章は、ナカシャクリエイテブ㈱の協力を得て、 一般ユーザと博物館へのマーケティング調査を実 施した。その分析結果を述べる。 第5章は、ショーケー㈱の協力を得て、岐阜県恵那 市明智町の日本大正村にて「携帯電話による音声ガ イド」の公開実験をおこなった。その報告と、アン ケートを解析したので、その結果を述べる。 第6章は、実施アンケートに基づき、「携帯電話に よる音声ガイド」機のコンテンツをデータベース化 した。そのシステムの概要を述べる。 第7章は、結論として、このシステムが社会に受け 入れられるのかを考察した。 論文審査結果の要旨 携帯電話は、通話機能の他、インターネットから の情報取得、電子メール、音楽再生、テレビの受信 等積極的に利用されるようになって来た。この携帯 電話からインターネットにアクセスできることを利 用して、美術・博物館の各種解説媒体としての「音 声ガイド」が考えられる。そこで、名所旧跡の歴史 解説、美術・博物館の展示物の紹介に利用できる携 帯電話を用いた音声ガイドシステムを新たに開発し、 そのシステムを用いた実証的研究を行った。また、 これらのシステムを外国からの就労者、留学生への 教育用にも適用することを考え、システムの実験を 行った。本研究では、「携帯電話による音声ガイド システムの開発」として、テキスト文章を携帯電話 で音声化するために、いくつかの情報処理技術の開 発段階を必要とした。開発の各段階で必要とするソ フトウェアのシステムを作り上げた。さらに、全体 の試作システムの音質やダウンロード方法を改良し た後、岐阜県恵那市明智町にある日本大正村で公開 実験を実施し、100人近い人々からアンケートを行っ た。その結果を重回帰分析し、また、美術・博物館 にもアンケートを実施した。その結果以下のことが 明らかとなった。利用者側:携帯電話を音声ガイドと して使用することに、1.操作性 2.ダウンロード 時間に関心があり、施設側は1.着信や通話 2.著 作権等であった。 本論文の構成は以下の通りである。第1章は序論 である。 第2章は携帯電話の概要であり、本研究のガイド システムへ適用のための問題点を述べる。Web上のデ ータを携帯電話にダウンロードする場合、従来通信 事業者により通信方法がTCP/IPやUDP/IPの違いがあ ること、また、取り扱うデータ形式が異なるため、 データやプログラムが個別に必要であった。 第3章は携帯電話による岡崎市内の名所旧跡ガイ ドシステムの構築を述べた。今回の実験対象をNTT ドコモ、au、Soft Bankの3キャリアとし、音声圧縮 形式は、3GPP,3GPP2、SMAFである。データ形式を除 けば、同じXMLプログラムでダウンロード機能を果た

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-携帯電話を大学ネットワークの新しいネットワーク管理方式に関する研究 すようにした。Webサーバにアクセスし、キャリア別 にPerlプログラムでアクセスを振り分けるように工 夫した。システムは、文章化されたデータを音声合 成データに変換・圧縮し、ファイルサーバに格納す る。圧縮された音声データはXMLプログラムにより、 ダウンロードされ、携帯電話上で再生さる。このシ ステムでは(1)指示文書のテキスト化(2)テキストか ら音声ファイルへの変換(3)音声ファイルを各キャ リアに適したフォーマット形式に圧縮(4)XMLによる ダウンロード用Webサーバの設計(5)キャリア別 にデータの振り分けの手順の各技術のソフトウェア 開発を行った。岡崎市内の名所旧跡の音声化のシス テムを作り、アンケートにより、良い評価を得たが、 操作性の簡単化、ダウロード時間の短縮化の要望が あった。 第4章は美術館、博物館などへのアンケートによる、 マーケティング調査である。 第5章は岐阜県恵那市明智町の日本大正村にて 「携帯電話による音声ガイド」の公開実験を行った。 第6章は、実施アンケートに基づき、「携帯電話に よる音声ガイド」機のコンテンツをデータベース化 した。そのシステムの概要を述べる。音声ガイドを ユーザが必要なものだけ携帯電話から抽出できるよ うにMy SQLによりデータベース化をおこなった。プ ログラミング言語PHPを介して、WebサーバとMy SQL データベースの接続を新たに開発した。携帯電話か らの検索用URLまたは2次元バーコードにより、キャ リア別のアクセス場所の振り分けのPerlプログラム を作成した。ここで、開発した検索用PHPにより、デ ータベースから、目的とするデータを抽出し、PHP にデータを引き渡す。同時に、キャリアごとにダウ ンロード用XMLプログラムが異なるので、判別ビット からキャリアに応じたダウンロード用XMLプログラ ムをPHP内で生成できるように作成した。データベー スのデータを適切に維持するために、データ更新プ ログラム、データ追加プログラム、データ削除プロ グラム、データ一覧表示プログラムをPHPで作成した。 さらに、本研究の携帯電話による音声ガイドシステ ムは美術館、博物館、史跡、テーマパークなどの案 内ばかりでなく、近年、わが国でも多くなりつつあ る外国人就労者、留学生に対しての母国語による、 各種の仕事の案内や指示にも有効となることを取り 上げ、その実験を示した。 第7章は、結論として、このシステムのまとめの考 察をした。 以上、本論文は携帯電話を用いた音声ガイドシス テムを開発したものであり、各段階でのソフトウェ ア技術の開発により、全体のシステムを完成させた。 さらに、そのシステムの実証性を大正村で実施し、 一定の評価を得た研究であり、経営情報科学の課程 博士論文として、十分、その価値が認められる。 以上により、学位審査委員会において、提出論文の 内 容 を 中 心 と し て こ れ に 関 連 あ る 科 目 の 学 識 及 び 研 究指導能力について諮問し、慎重に審査した結果、合 格と判定した。 (受理 平成20年3月19日)

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