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Ⅰ 指導事例に基づく運営基準上の留意事項 1 人員に関する基準 (1) 勤務記録について ( 各サービス共通 ) 指導事例 医師 施設長等の勤務記録がなく 実際の配置状況が確認できなかった 出勤簿について 出退勤時間が記載されておらず 従業者の実際の勤務時間が確認できなかった 各サービスにおいて 人

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(1)

資料キ

平成28年度

介護保険サービス事業者集団指導資料

【施設系サービス①】

介護老人福祉施設

介護老人保健施設

介護療養型医療施設

(介護予防)短期入所生活介護

(介護予防)短期入所療養介護

(介護予防)特定施設入居者生活介護

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護

平成28年11月

和歌山市指導監査課

(2)

1

Ⅰ 指導事例に基づく運営基準上の留意事項

1 人員に関する基準

(1)勤務記録について

(各サービス共通) 【指導事例】 ・医師、施設長等の勤務記録がなく、実際の配置状況が確認できなかった。 ・出勤簿について、出退勤時間が記載されておらず、従業者の実際の勤務時間が確認できなかった。 各サービスにおいて、人員基準を満たしていることが明確になるよう、従業者の出勤時間や退勤 時間等、勤務実態が確認できるような書類を作成すること。 ※従業員の勤務の事実を挙証することができず、それにより人員基準が満たされないなどの場合、 介護給付費の返還等もあり得る。 ※加算の算定要件の中に人員要件が含まれている場合、従業者の勤務時間が明確にされていない と、当該算定要件を満たしていることを挙証することができなくなり、加算の算定が不可能と なることがあるので留意すること。

(2)職員の専従について

(介護老人福祉施設) 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の生活相談員、介護職員、看護職員については、機能 訓練指導員、介護支援専門員、併設されている短期入所生活介護事業所の同職以外の職務と兼務す ることはできない(特養基準第6条)。 ※上記以外の職員も原則専従であり、兼務は入所者の処遇に支障がない場合に可能となる。

2、運営に関する基準

(1)内容及び手続きの説明及び同意

(各サービス共通) 【指導事例】 ・重要事項説明書や契約書に記載している利用者負担額について、1割の負担額のみ言及されてい る。 ・サービス提供の記録等の保存年数が2年とされていた。 各サービス事業者は、サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、 運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要 事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について入所申込者の同意を得なければなら ない。 ※適宜重要事項説明書や契約書の見直しを行うなど、常に最新の正確な内容を説明できるよう留意す ること。

(2)入退所

(介護老人福祉施設) 【指導事例】 ・入所申込者の入所順位の決定の理由や入所決定の理由が明確になっていない。

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2 ・選考に際し順位を繰り上げた入所申込者がおり、優先した理由等、当該判断に至った経緯の記載 がない。 ・入所申込みの継続意思並びに入所申込者及び介護者等の状況について、原則1年に一度必要な調 査が行われていなかった。 介護老人福祉施設において、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えて いる場合には、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案し、介護保険施設サービ スを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。 (老福基準第7条第2項) ※優先的な入所の取扱い等、入所の決定には透明性及び公平性が求められる。 →入所検討委員会等での協議内容について、詳細を記録する必要があることに留意すること。 ※「和歌山市指定介護老人福祉施設等入所指針」に沿った適切な取扱いを行うこと。

(3)利用料等の受領

(各サービス共通) 【指導事例】 ・利用者が全員参加する定例行事など一律に提供されるものの費用を利用者から徴収していた。 ・サービスの提供とは関係のない費用である電気代等が、日常生活費等とは区別されずに徴収され ていた。 ・あいまいな名目の費用の徴収が行われていた。 ◆利用者から支払いを受けることのできる利用料 (ⅰ)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、(介護予防)短期入所生活介護、 (介護予防)短期入所療養介護 ① 法定代理受領サービスに該当するサービスを提供した際には、各サービス費用基準額から当 該事業者に支払われる各サービス費の額を控除して得た額 ② 法定代理受領サービスに該当しないサービスを提供した際の利用料 ※各サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにすること。 ③ 以下の費用の額 ・食事の提供に要する費用 ・居住に要する費用 ・滞在に要する費用((介護予防)短期入所生活介護、(介護予防)短期入所療養介護) ・入所者が選定する特別な居室の提供を行ったことに伴い必要となる費用 ・入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用 ・送迎に要する費用((介護予防)短期入所生活介護、(介護予防)短期入所療養介護) ・理美容代 ・その他の日常生活費 (ⅱ)(介護予防)特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護 ① 法定代理受領サービスに該当するサービスを提供した際には、各サービス費用基準額から当 該事業者に支払われる各サービス費の額を控除して得た額

(4)

3 ② 法定代理受領サービスに該当しないサービスを提供した際の利用料 ※各サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにすること。 ③ 以下の費用の額 ・利用者の選定により提供される介護その他の日常生活上の便宜に要する費用 ・おむつ代 ・その他日常生活費 ※各サービスにおいて、③の費用の額に係るサービスを提供する際は、あらかじめ利用者又はそ の家族に当該サービスの内容及び費用について説明を行い、利用者の同意を得ること。 ◆「その他の日常生活費」の具体的な範囲 【通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて(平成12年3月30日老企第54号) より】 (ⅰ)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設 ① 利用者の希望によって、身の回り品として日常生活に必要なものを事業者が提供する場合に 係る費用 ② 利用者の希望によって、教養娯楽として日常生活に必要なものを事業者が提供する場合に係 る費用 ③ 健康管理費(インフルエンザ予防接種に係る費用等) ④ 預り金の出納管理に係る費用 ※責任者及び補助者が選定され、印鑑と通帳が別々に保管されていなければならない。 ※適切な管理が行われていることの確認が複数の者により常に行える体制で出納事務が行われ なければならない。 ※入所者等との保管依頼書(契約書)、個人別出納台帳等、必要な書類を備えていること。 ※預かり金の額に対し、月当たり一定割合とするようなことは認められない。積算根拠を明確 にし、適切な額を定めること。 ⑤ 私物の洗濯代 ※入所者の希望で個別に外部のクリーニング店に取り次ぐ場合のクリーニング代を除く。(この 場合、クリーニング代はサービスの提供とは関係のない実費として徴収) (ⅱ)(介護予防)短期入所生活介護、(介護予防)短期入所療養介護 ① 利用者の希望によって、身の回り品として日常生活に必要なものを事業者が提供する場合に 係る費用 ② 利用者の希望によって、教養娯楽として日常生活に必要なものを事業者が提供する場合に係 る費用 (ⅲ)(介護予防)特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護 ① 利用者の希望によって、身の回り品として日常生活に必要なものを事業者が提供する場合に

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4 係る費用 ※「身の回り品として日常生活に必要なもの」とは、一般的に要介護者等の日常生活に最低限必 要と考えられる物品(例えば、歯ブラシや化粧品等の個人用の日用品等)であって、利用者の 希望を確認した上で提供されるものとなる。したがって、こうした物品を事業者がすべての利 用者に対して一律に提供し、その費用を画一的に徴収することは認められない。 ※「教養娯楽として日常生活に必要なもの」とは、例えば、事業者又は施設がサービスの提供の 一環として実施するクラブ活動や行事における材料費等が想定されるものであり、すべての利 用者等に一律に提供される教養娯楽に係る費用(共用の談話室等にあるテレビやカラオケ設備 の使用料等)について、「その他の日常生活費」として徴収することは認められない。 ◆「その他の日常生活費」の受領に係る基準 【通所介護等における日常生活に要する費用の取扱いについて(平成12年3月30日老企第54号) より】 事業者が利用者から「その他の日常生活費」の徴収を行うに当たっては、以下の(1)から(5)ま での基準を遵守すること。 (1)「その他の日常生活費」の対象となる便宜と、保険給付の対象となっているサービスとの間に重複 関係がないこと。 (2)保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用(管理協 力費、共益費、施設利用補償金等)の徴収は認められず、費用の内訳を明らかにすること。 (3)「その他の日常生活費」の対象となる便宜は、利用者又はその家族等の自由な選択に基づいて行わ れるものでなければならず、事業者は「その他の日常生活費」の受領について利用者又はその家族 等に事前に十分な説明を行い、その同意を得ること。(同意については、利用者及び事業者双方の保 護の立場から、当該サービスの内容及び費用の額を明示した文書に、利用者の署名を受けることに より行うこと。) (4)「その他の日常生活費」の受領は、その対象となる便宜を行うための実費相当額の範囲内で行うこ と。 (5)「その他の日常生活費」の対象となる便宜及びその額は、運営規程に定めなければならず、また、 サービスの選択に資すると認められる重要事項として、施設の見やすい場所に掲示すること。ただし、 「その他の日常生活費」の額については、その都度変動する性質のものである場合には、実費という 定め方も許されること。

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5

(4)身体拘束等について

(各サービス共通) 【指導事例】 ・身体拘束等を行う場合に必要な記録が行われていなかった。 ・「緊急やむを得ない身体拘束に関する説明書」の内容が家族に説明されていなかった。 ・身体拘束を行う期間について、解除の予定日や期間そのものが記載されていなかった。 サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急 やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(身体的拘束等)を行っ てはならない。 また、緊急やむを得ず身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身 の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない ◆緊急やむを得ない場合について 以下の3つの要件を全て満たす状態をいう。 ① 切迫性(利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危険にさらされる可能性が著 しく高いこと) ② 非代替性(身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと。) ③ 一時性(身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること) ※3つの要件を満たすかどうかの判断は、施設内の「身体拘束廃止委員会」等の組織で、施設 全体としての判断が行われるよう事前に手続き等を定め、担当のスタッフ個人ではなく関係 者が幅広く参加したカンファレンスで行うこと。 ◆緊急やむを得ず身体拘束を行なう場合の手続き ・利用者本人や家族に、身体拘束の内容、目的、理由、拘束の時間、時間帯、期間等を出来るか ぎり詳細に説明し、十分な理解を得るよう務める。 ※事前に施設としての考え方を説明して理解を得ている場合でも、実際に身体拘束を行う時点 で個別に説明を行うこと。 ・身体拘束の態様、時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得なかった理由を記録する。 ・「緊急やむを得ない場合」に該当するか常に観察、再検討し、要件に該当しなくなった場合は直 ちに解除すること。 ※実際に身体拘束を一時的に解除して状態を観察するなどの対応が重要。 ・日々の心身の状態等の観察、拘束の必要性や方法に関わる再検討を行うごとに記録を行い、情 報を開示し、ケアスタッフ間、施設全体、家族等関係者の間で直近の情報を共有する。 ◆身体拘束廃止未実施減算(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) 身体拘束等を行う場合の記録が行われていない場合、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介 護療養型医療施設では減算の対象となる。 【具体的な減算の方法】 記録が行われていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を提出した後、事実が生じた月から

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6 3月後に改善計画に基づく改善状況を報告する。 事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間、入居者全員について所定単位数を減算 する。

(5)施設サービス計画の作成

(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) 【指導事例】 ・施設サービス計画作成の一連の流れが適切に実施されていない。 ・アセスメント等を行った日付が記載されていない。 ・施設サービスの目標に、食事に関するものなど、専門的な内容が記載されているが、栄養士等、 専門的な見地からの意見が求められていない。 ・長期目標と短期目標の目標や期間が同一のものとなっている。 ・施設サービス計画書第3表(週間サービス計画表)の「主な日常生活上の活動」の欄に入所者の起床 や就寝、食事、排泄などの平均的な一日の過ごし方が記載されていない。 施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の 住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努 めなければならない。 ◆施設サービス計画の作成の流れ ① アセスメントの実施 入所者及びその家族に面接し、入所者の有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて 入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように 支援する上で解決すべき課題を把握する。 ※計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解 を得ること。 ② 施設サービス計画の原案の作成 入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針に基づき、入所者 の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活 全般の解決すべき課題、サービスの目標及びその達成時期、サービスの内容、サービスを提供す る上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成する。 ※入所者及びその家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針並びに生活全般の解決すべ き課題に加え、各種サービス(機能訓練、看護、介護、食事等)に係る目標を具体的に設定 し、記載しなければならない。 ※提供されるサービスについて長期的な目標及びそれを達成するための短期的な目標と、それ らの達成時期を明確に盛り込むこと。

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7 ③ サービス担当者会議の開催 入所者に対するサービスの提供に当たる他の担当者を召集して会議を行い、担当者に対する照 会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意 見を求める。 ※担当者とは、医師、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員及び栄養士等を指す。 ④ 計画原案の説明及び同意 施設サービス計画の原案の内容を入所者又はその家族に対して説明し、文書で入所者の同意を 得る。 ※説明及び同意を要する原案とは、施設サービス計画書の第1表及び第2表に相当するものを 指す。 ⑤ 施設サービス計画の交付 作成された施設サービス計画を入所者に交付する。 ※交付したことが分かるよう記録を残すこと。 ⑥ モニタリングの実施 施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的な アセスメントを含む。)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うこと。 モニタリングに当たっては、入所者及びその家族並びに担当者との連絡を継続的に行うことと し、特段の事情のない限り、定期的に入所者に面接すること。また、定期的にモニタリングの結 果を記録すること。 ◆施設サービス計画の変更について 入所者が要介護更新認定を受けた場合や、要介護状態区分の変更の認定を受けた場合、計画担当 介護支援専門員は、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画 の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。 施設サービス計画の変更を行なう際にも一連の業務を行わなければならない。

(6)勤務体制の確保

(各サービス共通) 【指導事例】 ・施設(事業所)ごとに、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、生活相談員、看護職員、 介護職員及び機能訓練指導員等の配置、管理者との兼務関係等を明示した勤務表が作成されてい なかった。 ・フロアごとの勤務表は作成されていたが、ユニットごとの勤務表が作成されていなかった。 ・管理者及び医師について、勤務表に記載されていなかった。

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8 ○勤務表の作成 入所者に対し、適切なサービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなけ ればならず、勤務体制ごとに、月ごとの勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、 介護職員及び看護職員等の配置、管理者との兼務関係等を明確にしなければならない。 ○ユニット型施設の勤務体制について ユニット型施設では、従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を 送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する必要がある。 ◆ユニット型施設に求められる勤務体制 ① 昼間 … ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置。 ② 夜間及び深夜 … 2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤 務に従事する職員として配置。 ③ ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置。 ※ユニットリーダーについては、当面はユニットケアリーダー研修を受講した従業者を各施設に2 名以上配置するほか(2ユニット以下の施設の場合には1名でよい。)、それ以外のユニットでは、 ユニットにおけるケアに責任を持つ従業者を決めてもらうことで足りることとする。 ※利用者の精神の安定を図る観点から、担当の介護従業者を固定する等の配慮が必要であり、介護従 業者のユニット間の行き来は望ましくない。 ※ユニット型施設の勤務表は、ユニットごとの配置状況が明確になるように作成すること。

(7)非常災害対策

(各サービス共通) 【指導事例】 ・家具類の転倒防止策が不十分だった。 ・緊急連絡網の掲示等がされていない事例や、分かりにくい場所に置かれている事例などが見受け られた。 ・火事のみではなく、地震や風水害を想定した訓練を実施すること。 非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それら を定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。 ※避難訓練は年2回以上実施し、夜間を想定した訓練も行うこと。 ※訓練の実施にあたっては、地域住民の参加が得られるよう連携に努めること。 ※家具類の固定や防炎寝具等の設置、避難経路の確保など、非常災害に備えた設備の整備を行う こと。

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(8)衛生管理

(各サービス共通) ○施設及び設備等の衛生的な管理について 【指導事例】 ・多数の入所者等の歯ブラシがひとまとめにして保管されていた。 ・医薬品が入所者の手の届く場所に保管されている、医薬品を保管している棚を施錠していないな ど、医薬品の安全な管理が行われていなかった。 ・リネン室において、物置として寝具以外の物が一緒に保管されていた。 施設サービスにおいて、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な 管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなけれ ばならない。 ○感染症等の対策について(各サービス共通) 【指導事例】 ・ペーパータオルではなく共用の布タオルが使用されていた。 ・感染症等に関する研修が年2回以上実施されていなかった。 ・職員の新規採用時、感染症等に関する研修を実施していなかった。 ・感染対策委員会に、感染予防の担当者とされている看護職員が出席していなかった。 ◆感染症等の発生・まん延防止のために必要な措置(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護 療養型医療施設) ① 感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会の設置 ・3ヶ月に1回以上開催すること。 ・幅広い職種(施設長、事務長、医師、看護職員、介護職員、栄養士、生活相談員等)で構成し、 責務や役割分担を明確にすること。 ・感染対策担当者は看護職員であることが望ましい。 ② 感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための指針の作成 ・平常時の対策(施設内の衛生管理、日常のケアにかかる感染対策、手洗いの基本、早期発見の ための日常の観察項目等)と発生時の対応(発生状況の把握、感染拡大の防止、関係機関との 連携、医療処置、行政への報告等)を規定する。 ・発生時の施設内の連絡体制や関係機関への連絡体制を整備し、明記すること。 ③ 定期的な研修の実施 ・年2回以上実施すること。 ・新規採用職員に対しても必ず新規採用時に研修を実施すること。 ※「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」(介護保険最新情報 Vol.319)等に基づき、適切 な措置を講じること。また、必要に応じて保健所の助言や指導を求めること。

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10 ※インフルエンザやレジオネラ症等については、別途発出されているインフルエンザ対策やレジオ ネラ症対策等の通知に基づいて適切な措置を講じること。

(9)事故発生時の対応

(各サービス共通) 【指導事例】 ・事故防止検討委員会において、介護事故やヒヤリハット事例の集計や分析が不十分だった。 ・報告された事例及び分析結果については、職員に周知徹底すること。 ・市に報告すべきサービス提供中の事故が未報告となっていた。 ・事故防止に関する研修が年2回以上実施されていなかった。 ◆事故の発生又は再発防止のために必要な措置(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養 型医療施設) ① 事故発生防止のための指針の整備 次のような項目を盛り込むこと。 ・施設での介護事故防止に関する基本的考え方 ・介護事故防止のための委員会その他施設内の組織に関する事項 ・介護事故防止のための職員研修に関する基本方針 ・発生した介護事故、ヒヤリハット事例及び介護事故に結びつく可能性が高いものの報告方法等 の介護に係る安全の確保を目的とした改善のための方策に関する基本方針 ・介護事故発生時の対応に関する基本方針 ・入所者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針 ・その他介護事故等の発生の防止のための推進のために必要な基本方針 ② 事故の報告及び分析 主に次のようなことを実施すること。 ・介護事故等について報告するための様式の整備 ・介護事故の状況、背景等の記録及び報告様式に従った報告 ・事故発生防止のための委員会においての報告事例の集計、分析 ※発生時の状況等を分析し、発生原因や結果を取りまとめる。 ・事故防止策の検討 ・報告された事例及び分析結果の職員への周知徹底 ・防止策の効果の評価 ③ 事故発生防止のための委員会の設置 ・幅広い職種(施設長、事務長、医師、看護職員、介護職員、栄養士、生活相談員等)で構成し、 責務や役割分担を明確にすること。 ・委員会の責任者はケア全般の責任者であることが望ましい。 ・施設外の安全対策の専門家を積極的に活用することが望ましい。

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11 ④ 定期的な研修の実施 ・事故発生防止の基礎的内容等の適切な知識の普及、啓発を行う。 ・指針に基づいた研修プログラムを作成し、年2回以上の定期的な教育を行う。 ・新規採用時には必ず事故発生防止の研修を実施すること。 ○保険者に対しての事故報告 各サービス事業者は、入所者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、 入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。 →和歌山市において定めている「介護保険事業者の事故発生時における報告取扱要領」に沿って、 適切に事故報告を行うこと。

(10)推進員の配置

(各サービス共通) 【指導事例】 ・各推進員が配置されているものの、役割が形骸化し、その職務が行われていなかった。 和歌山市の各サービス基準条例により、人権擁護推進員、災害対策推進員及び衛生管理対策推進員の 配置が義務付けられている。 ○各推進員の配置 施設・サービスの種類 人権擁護推進員 災害対策推進員 安全管理対策推進員 (介護予防)短期入所生活介護 ○ ○ ○ (介護予防)短期入所療養介護 ○ ○ ○ (介護予防)特定施設入居者生活介護 ○ ○ ○ 介護老人福祉施設 ○ ○ ○ 介護老人保健施設 ○ ○ ○ 介護療養型医療施設 ○ ○ ○ 地域密着型介護老人福祉施設 ○ ○ ○ 地域密着型特定施設入居者生活介護 ○ ○ ○ ○各推進員の責務 ◆人権擁護推進員 ① 職員に対し人権擁護に関する研修計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施する。 ※研修は年1回以上行うものとする。 ② 現場での人権に対する正しい理解について、職員に対して適切な指導及び相談支援を行う。 ③ 高齢者に対する虐待が起きないよう、人権擁護推進員が中心となって他の職員に適切な指導 を行う。

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12 ◆災害対策推進員 ① 非常災害対策の推進のため、防災に関する知識の取得に努め、消防機関への速やかな通報体 制、消防団や地域住民との連携を取る等、職員に対して防災対策の周知徹底を図る。 ② 災害発生時に必要な備品や備蓄等についての点検及び確保を行う。 ◆安全管理対策推進員 ① 処遇中の事故防止のために、高齢者の心身の状態等を踏まえつつ、施設等内外の設備の安全 点検を計画的に実施する。 ② 施設等で使用する設備等について、衛生的な管理に努め、施設等内外において感染症又は食 中毒が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講じる。

報酬に関する留意事項

看護体制加算

(介護老人福祉施設) ○算定要件 《看護体制加算(Ⅰ)》 ・常勤の看護師を1名以上配置していること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。 《看護体制加算(Ⅱ)》 ・看護職員の数が、常勤換算方法で、入所者の数が25又はその端数を増すごとに1以上であり、 かつ、指定基準に定める指定介護老人福祉施設に置くべき看護職員の数に1を加えた数以上であ ること。 ・当該指定介護老人福祉施設の看護職員により、又は病院若しくは診療所若しくは訪問看護ステー ションの看護職員との連携により、24時間連絡できる体制を確保していること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。

看護体制加算

(短期入所生活介護) ○算定要件 《看護体制加算(Ⅰ)》 ・常勤の看護師を1名以上配置していること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。 《看護体制加算(Ⅱ)》 ・看護職員の数が、常勤換算方法で、利用者の数が25又はその端数を増すごとに1以上であるこ と。

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13 ・当該事業所が特別養護老人ホームである場合は、当該特別養護老人ホームの看護職員の数が、常 勤換算方法で、利用者の数(指定短期入所生活介護の利用者の数及び当該特別養護老人ホームの 入所者の数の合計数)が25又はその端数を増すごとに1以上であり、かつ、特別養護老人ホー ムに置くべき看護職員の数に1を加えた数以上であること。 ・当該指定短期入所生活介護事業所の看護職員により、又は病院、診療所若しくは訪問看護ステー ションの看護職員との連携により、24時間の連絡体制を確保していること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。 ○介護老人福祉施設と併設短期入所生活介護事業所で同時に算定する場合 本体施設と併設のショートステイそれぞれについて別個に加算算定の可否を判断。 ・看護体制加算(Ⅰ)・・・本体施設と併設の短期入所生活介護事業所でそれぞれ常勤の看護師を 1人ずつ配置している場合 ・看護体制加算(Ⅱ)・・・本体施設と併設の短期入所生活介護事業所でそれぞれ常勤換算で入所 者(利用者)の数と看護職員の数が25:1以上、かつ本体施設では 最低基準に加え1以上の看護職員を配置している場合。 ※看護体制加算(Ⅱ)については、本体施設と併設の短期入所生活介護事業所を兼務している看 護職員は、勤務実態、利用者数、ベッド数等に基づき按分するなどの方法により当該職員の常 勤換算数を本体施設と併設の短期入所生活介護事業所に割り振った上で、本体施設と短期入所 生活介護事業所それぞれについて加算の算定の可否を判断することとなる。 ※空床利用型短期入所生活介護については、加算(Ⅰ)、(Ⅱ)とも、本体施設において加算の算 定基準を満たしていれば空床利用型短期入所生活介護についても加算を算定することができる。 ○看護体制加算(Ⅰ)及び看護体制加算(Ⅱ)の同時算定 看護体制加算(Ⅰ)及び看護体制加算(Ⅱ)は同時算定可能。 ※看護体制加算(Ⅰ)において加算の対象となる常勤の看護師についても、看護体制加算(Ⅱ) における看護職員の配置数の計算に含めることができる。 ○「24時間連絡できる体制」について 施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合に は施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制をいう。 ◆具体的な体制 イ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、夜間における連絡・対応体制(オ ンコール体制)に関する取り決め(指針やマニュアル等)の整備がなされていること。 ロ 管理者を中心として、介護職員及び看護職員による協議の上、看護職員不在時の介護職員によ る入所者の観察項目の標準化(どのようなことが観察されれば看護職員に連絡するか)がなさ れていること。 ハ 施設内研修等を通じ、看護・介護職員に対して、イ及びロの内容が周知されていること。

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14 ニ 施設の看護職員とオンコール対応の看護職員が異なる場合には、電話やFAX等により入所者 の状態に関する引継を行うとともに、オンコール体制終了時にも同様の引継を行うこと。 【指導事例】 ・指定介護老人福祉施設及び併設短期入所生活介護事業所で看護体制加算を同時算定しているが、 双方の事業所における看護職員の配置状況を明確にされていなかった。 ・看護体制加算(Ⅱ)を算定するにあたり、夜間における連絡・対応体制に関する取り決めの整備 や、看護職員不在時の介護職員による入所者の観察項目の標準化が行われていなかった。

個別機能訓練加算

(介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護) ○算定要件 ・専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等(理学療法士、作業療法士、言語聴覚 士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師)を1名以上配置 ※入所者の数が100を超える場合は、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士 等を1名以上配置し、かつ、理学療法士等である従業者を機能訓練指導員として常勤換算方法 で入所者の数を100で除した数以上配置していること。 ・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに 個別機能訓練計画を作成している。 ・個別機能訓練計画に基づき、計画的に機能訓練を実施している。 ○留意事項 ◆個別機能訓練計画について ・目標、実施方法等を内容として記載すること。 ※個別機能訓練計画に相当する内容を特定施設サービス計画(施設サービス計画)の中に記載す る場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えることができる。 ・個別機能訓練の開始時に計画の内容を説明し、記録を行うこと。 ・計画に基づいて実施した個別機能訓練の効果、実施方法等について評価等を行うこと。 ・3月ごとに1回以上利用者に対して個別機能訓練計画の内容を説明し、記録すること。 ◆個別機能訓練に関する記録 ・実施時間、訓練内容、担当者等を記載すること。 ・利用者ごとに保管され、常に当該施設の個別機能訓練の従事者により閲覧が可能であるようにす ること。 【指導事例】 ・個別機能訓練計画の作成日前から加算を算定している。 ・利用者に対して個別機能訓練開始時の個別機能訓練計画の内容の説明を行わずに、加算を算定

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15 していた。 ・個別機能訓練計画を機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他職種の者が多職 種共同で作成していることが分かるよう記録が行われていない。 ・個別機能訓練の実施記録に実施時間が記載されていない。

個別機能訓練加算

(短期入所生活介護) ○算定要件 ・専従の理学療法士等(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩 マッサージ指圧師)を1名以上配置していること。 ・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者の生活 機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成しているこ と。 ・個別機能訓練計画に基づき、利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、理学 療法士等が、利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。 ・機能訓練指導員等が居宅を訪問した上で、個別機能訓練計画を作成し、その後3月ごとに1回以 上、利用者の居宅を訪問した上で、当該利用者またはその家族に対して、機能訓練の内容と個別 機能訓練計画の進捗状況等を説明し、訓練内容の見直しを行っていること。 ○留意事項 ・1週間のうち特定の曜日だけ理学療法士等を配置している場合、理学療法士等が配置されている 日のみ算定可。看護職員が、看護業務とは別の時間帯に機能訓練指導員に専従することでも算定 可能。 ※加算の対象となる理学療法士等を配置して機能訓練を行う日をあらかじめ定めておくこと。 ・算定対象となるのは、理学療法士等から直接訓練の提供を受けた利用者のみとなることに留意。 ○利用者の居宅訪問 ・機能訓練指導員等(機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者)が居 宅を訪問した上で利用者の居宅での生活状況(起居動作、ADL、IADL等の状況)を確認し、 多職種共同で個別機能訓練計画を作成する。 ・3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問し、利用者の居宅での生活状況を確認した上で、利用 者又はその家族に対して個別機能訓練計画の内容(評価を含む。)や進捗状況等を説明し記録する とともに訓練内容の見直し等を行うこと。 【指導事例】 ・機能訓練指導員から直接訓練を受けていないにもかかわらず個別機能訓練加算を算定していた。 ・算定開始前や、3月に1度の利用者の居宅への訪問及び計画の説明について記録が行われてい なかった。

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栄養マネジメント加算

(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) ○算定要件 ・常勤の管理栄養士を1名以上配置していること。 ・入所者の栄養状態を施設入所時に把握し、医師、管理栄養士、歯科医師、看護師、介護支援専門 員その他の職種の者が共同して、入所者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮した栄養ケア 計画を作成していること。 ・入所者ごとの栄養ケア計画に従い、管理栄養士が継続的に栄養管理を行っているとともに、入所 者の栄養状態を定期的に記録していること。 ・入所者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直している こと。 ・施設の管理栄養士が継続的に入所者ごとの栄養管理をしていること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。 ○留意事項 ・栄養ケア・マネジメントは、低栄養状態のリスクにかかわらず、原則として入所者全員に対して 実施すること。 ◆管理栄養士の配置について ・調理業務の委託先にのみ管理栄養士が配置されている場合は算定できない。 ・常勤の管理栄養士が、同一敷地内の複数の介護保険施設又は地域密着型介護老人福祉施設の栄養 ケア・マネジメントを行う場合は、当該管理栄養士が所属する施設のみ算定できること。 ※介護老人福祉施設が1の地域密着型介護老人福祉施設を併設している場合であって、双方の施 設を兼務する常勤の管理栄養士による適切な栄養ケア・マネジメントが実施されているときは、 双方の施設において算定出来る。 ・サテライト型施設を有する介護保険施設について ① 本体施設に常勤の管理栄養士を1名配置している場合で、当該管理栄養士が当該サテライト 型施設に兼務し、適切に栄養ケア・マネジメントを行っているときは、当該サテライト型施設 においても算定できる。 ※本体施設の入所者数とサテライト型施設(1施設に限る。)の入所者数の合計数に対して配 置すべき栄養士の員数が1未満である場合に限る。 ② 本体施設に常勤の管理栄養士を2名以上配置している場合で当該管理栄養士がサテライト型 施設に兼務し、適切に栄養ケア・マネジメントを行っているときは、当該サテライト施設(1 施設に限る。)においても算定できることとする。 ◆栄養ケア・マネジメントの実施手順 ① 栄養スクリーニングの実施 施設入所時に入所者ごとの低栄養状態のリスクを把握する。

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17 ② 栄養アセスメントの実施 栄養スクリーニングを踏まえ、入所者ごとの解決すべき課題を把握する。 ③ 栄養ケア計画の作成 栄養アセスメントを踏まえ、施設長の管理のもと、医師、管理栄養士、歯科医師、看護職員、 介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者ごとに栄養ケア計画を作成する。 【栄養ケア計画に記載する事項の例】 ・栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法等) ・栄養食事相談に関する事項(食事に関する内容の説明等) ・解決すべき事項に対し関連職種が共同して取り組むべき事項等 ※栄養ケア計画については、栄養ケア・マネジメントの対象となる入所者又はその家族に説明 し、その同意を得ること。 ※介護福祉施設サービスにおいては、栄養ケア計画に相当する内容を施設サービス計画の中に 記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができる。 ④ 栄養ケア・マネジメントの実施と計画の見直し 栄養ケア計画に基づき、入所者ごとに栄養ケア・マネジメントを実施する。 ※栄養ケア計画に実施上の問題(栄養補給方法の変更の必要性、関連職種が共同して取り組む べき事項の見直しの必要性等)があれば直ちに当該計画を修正する。 ⑤ 栄養状態のモニタリングの実施 栄養スクリーニング時に把握した入所者ごとの低栄養状態のリスクのレベルに応じてモニタリ ング間隔を設定し、定期的に、入所者の生活機能の状況を検討し、栄養状態のモニタリングを行 い、入所者ごとの栄養ケア計画に記載すること。 【モニタリングの間隔】 ・低栄養状態のリスクの高い者及び栄養補給方法の変更の必要性がある者(経管栄養法から経 口栄養法への変更等)・・・おおむね2週間ごと ・低栄養状態のリスクが低い者・・・おおむね3月ごと ※低栄養状態のリスクが低い者も含め、少なくとも月1回、体重を測定するなど、入所者の栄 養状態の把握を行うこと。 ⑥ 栄養ケア計画の見直し 入所者ごとにおおむね3月を目途として、低栄養状態のリスクについて、栄養スクリーニング を実施し、栄養ケア計画の見直しを行う。 ◆加算の算定の開始 栄養ケア計画を作成し、入所者又はその家族に説明し、その同意を得られた日から算定を開始す るものであることに注意。

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18 【指導事例】 ・多職種共同で栄養ケア計画を作成していることが確認できなかった。 ・入所者又はその家族から栄養ケア計画の同意を得た日よりも前から算定していた。 ・褥瘡等の入所者の状態が栄養アセスメントに反映されておらず、低栄養状態のリスクの判断が適 正に行われていなかった。

日常生活支援加算

(介護老人福祉施設) ○算定要件 ・以下のいずれかに該当している。 ① 算定日の属する月の前6月間又は前12月間における新規入所者の総数のうち、要介護状態 区分が要介護4又は要介護5の者の占める割合が100分の70以上。 ② 算定日の属する月の前6月間又は前12月間における新規入所者の総数のうち、日常生活に 支障を来すおそれのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症であ る者(日常生活自立度のランクⅢ、Ⅳ又はMに該当する者)の占める割合が100分の65以 上。 ③ 「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」(昭和62年厚生省令第49号)第1条各号に掲げ る行為を必要とする者の占める割合が入所者の100分の15以上であること。 ・介護福祉士の数が、常勤換算方法で、入所者の数が6又はその端数を増すごとに1以上であるこ と。 ・定員超過、人員基準欠如に該当していないこと。 ○留意事項 ・当該加算を算定する場合は、サービス提供体制強化加算は算定できない。 ・新規入所者の総数における要介護4又は5の者の割合及び日常生活に支障を来すおそれのある症 状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症である者の割合について、届出を 行った月以降も、毎月において直近6月間又は 12 月間の割合がそれぞれ所定の割合以上でなけれ ばならない。 ・入所者に係る割合は毎月記録し、所定の割合を下回った場合は、直ちに算定の取り下げを行うこ と。

口腔衛生管理体制加算

(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) ○算定要件 ・歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助 言及び指導を月1回以上行っている場合。 ・施設において歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき、

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19 入所者又は入院患者の口腔ケア・マネジメントに係る計画が作成されていること。 ・定員超過利用、人員基準欠如に該当していないこと。 ○留意事項 ◆ 口腔ケアに係る技術的助言及び指導 当該施設における入所者の口腔内状態の評価方法、適切な口腔ケアの手技、口腔ケアに必要な物 品整備の留意点、口腔ケア伴うリスク管理、その他当該施設において日常的な口腔ケアの実施にあ たり必要と思われ事項のうち、いずれかに係る技術的助言及び指導のことをいう。 ※個々の入所者の口腔ケア計画をいうものではないことに留意すること。 ◆口腔ケア・マネジメント計画について 【計画への記載事項】 ・当該施設において入所者の口腔ケアを推進するための課題 ・当該施設における目標 ・具体的方策 ・留意事項 ・当該施設と歯科医療機関との連携の状況 ・歯科医師からの指示内容の要点(当該計画の作成にあたっての技術的助言・指導を歯科衛生士 が行った場合に限る。) ・その他必要と思われる事項 ◆医療保険との関係 医療保険において歯科訪問診療料又は訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月であっても 算定は可能。 ※介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導又は入所者の口腔ケア・マネジメントに 係る計画に関する技術的助言及び指導を行うにあたっては、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指 導の実施時間以外の時間帯に行うこと。 【指導事例】 ・歯科医師等による介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導が、月1回以上行われて いることが記録上確認できなかった。 ・歯科医師等による介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導について、月1回の実施 記録がすべて同じ内容の複写となっていた。 ・歯科医師等による指導及び助言が、歯科訪問診療又は訪問歯科衛生指導の実施時間以外の時間帯 に行われていることが記録上確認できなかった。

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口腔衛生管理加算

(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) ○算定要件 ・歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔ケアを月4回以上実施。 ・施設において歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき、 入所者又は入院患者の口腔ケア・マネジメントに係る計画が作成されていること。 ・定員超過利用、人基準欠如に該当していないこと。 ・口腔衛生管理体制加算を算定している。 ○留意点 ・歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が口腔衛生管理体制加算を算定している施設の入所者に対し て口腔ケアを実施した場合において、当該入所者ごとに算定する。 ・入所者またはその家族に当該サービスについて説明し、その提供に関する同意を得た上で行うこ と。 ◆歯科衛生士の役割 ・歯科医師の指示を受けて当該施設の入所者に対して口腔ケアを行う歯科衛生士は、入所者ごとに 口腔に関する問題点、歯科医師からの指示内容の要点(特に歯科衛生士が入所者に対する口腔ケ アを行うにあたり配慮すべき事項)、口腔ケアの方法及びその他必要と思われる事項を口腔衛生管 理に関する記録に記入する。 ※口腔衛生管理に関する実施記録は、その写しを当該入所者に対して提供すること。 ・口腔ケアを行う歯科衛生士は、入所者の口腔の状態により医療保険における対応が必要となる場 合には、適切な歯科医療サービスが提供されるよう当該歯科医師及び当該施設の介護職員等への 情報提供を的確に行うこと。 ◆医療保険との関係 ・医療保険において歯科訪問診療料が算定された日の属する月であっても口腔衛生管理加算を算定 できるが、訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月においては、口腔衛生管理加算を算定 しない。 →口腔衛生管理加算に係るサービスを提供する場合は、当該サービスを実施する同一月内に医療 保険の訪問歯科衛生指導の実施の有無を入所者又はその家族等に確認すること。 【指導事例】 ・加算に係るサービスについての説明及びその提供に関する同意が得られていなかった。 ・訪問歯科衛生指導の実施の有無を、協力歯科医療機関又は入所者若しくはその家族等に確認し ていなかった。

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経口維持加算

(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設) ○算定要件 《経口維持加算(Ⅰ)》 ・定員超過利用・人員基準欠如に該当していないこと。 ・以下の3点を多職種協働により実施するための体制が整備されていること。 ① 入所者の摂食・嚥下機能が医師の診断により適切に評価されていること。 ② 誤嚥等が発生した場合の管理体制が整備されていること。 ③ 食形態の配慮など誤嚥防止のための適切な配慮がなされていること。 ・医師又は歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員その 他の職種の者が共同して、入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を月1回以上行 っている。 ・入所者ごとに、経口による継続的な食事の摂取を進めるための経口維持計画を作成している。 ・経口維持計画に従い、医師又は歯科医師の指示(歯科医師が指示を行う場合にあっては、当該指 示を受ける管理栄養士等が医師の指導を受けている場合に限る。)を受けた管理栄養士又は栄養士 が、栄養管理を行っている。 ・経口移行加算を算定していない。 ・栄養マネジメント加算を算定している。 《経口維持加算(Ⅱ)》 ・協力歯科医療機関を定めている。 ・経口維持加算(Ⅰ)を算定している。 ・入所者の経口による継続的な食事の摂取を支援するための食事の観察及び会議等に、医師(指定 基準に規定する医師を除く。)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士が加わっている。 ○留意事項 ◆算定対象者について 以下の要件を全て満たしている入所者が算定対象となる。 ・現に経口で食事を摂取している。 ・摂食機能障害(食事の摂取に関する認知機能の低下を含む。)を有している。 ・水飲みテスト、頸部聴診法、造影撮影、内視鏡検査等で誤嚥が認められる(喉頭侵入が認めら れる場合及び食事の摂取に関する認知機能の低下により誤嚥の有無に関する検査を実施するこ とが困難である場合を含む。)。 ・継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要であるものとして医師又は歯 科医師の指示を受けている。 ※歯科医師が指示を行う場合は、当該指示を受ける管理栄養士等が、対象となる入所者に対する 療養のために必要な栄養の指導を行うに当たり、主治の医師の指導を受けている場合に限る。

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22 ◆経口維持計画の作成 ・月1回以上、医師、歯科医師、管理栄養士、看護職員、言語聴覚士、介護支援専門員その他の職 種の者が共同して、入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を行って作成する。 ・継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理の方法等を記載する。 ・計画については、特別な管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること ※経口維持計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経 口維持計画の作成に代えることができる。 ※経口維持計画は、当該加算に係る部分が明確に判断できれば栄養マネジメント計画書の中に含 めることも可能。 ◆「特別な管理」について 入所者の誤嚥を防止しつつ、継続して経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂食方法 等における適切な配慮のことをいう。 【適切な配慮の具体例】 ① 入所者個々の状況の把握と入所者個々の状況に応じた食物形態での食事の提供 ※一律に刻み食を提供することで、かえって咳き込みやその結果としての誤嚥が生じてしまう 場合がある。 ※刻み食は、程度にもよるが、咀嚼に障害があっても食塊形成・移送には問題ないといった方 以外には不適切。また、①食物は柔らかいか、②適度な粘度があってバラバラになりにくい か、③口腔や咽頭を通過するときに変形しやすいか、④べたついていないか(粘膜につきにくく ないか)、などの観点を踏まえ、個々の利用者に応じた食物形態とすることが必要。 ② 口から食べる楽しみの尊重 ③ 見た目、香りやにおい、味付け(味覚)、適切な温度、食感などの要素への配慮 ※複数の食材を混ぜてペースト状にして一律に提供することなどは適切でない。 ④ 誤嚥を防止するよう利用者ごとの適切な体位への配慮 ※摂取方法に関しては、それぞれの障害の状態に応じ、摂食・嚥下を行いやすい体位等がある。 ⑤ テーブル、スプーンの形状等の食事環境や、摂取ペースなどへの配慮 ◆算定期間について ・経口維持加算(Ⅰ)の算定期間は、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理に より、当該入所者に摂食機能障害及び誤嚥が認められなくなったと医師又は歯科医師が判断した 日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得られた日の属する月から起算 して6月以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定 しないこと。 ・摂食機能障害を有し、誤嚥が認められる入所者であって、医師又は歯科医師の指示に基づき、継 続して誤嚥防止のための食事の摂取を進めるための特別な管理が必要とされるものに対しては、 引き続き当該加算を算定できるものとする。 ・当該特別な管理を継続することについての入所者の同意が必要。

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23 ○その他留意事項 ・医師又は歯科医師の指示は、おおむね1月ごとに受けること。 ・食事の観察及び会議等は、関係職種が一同に会して実施することを想定しているが、やむを得な い理由により、参加するべき者の参加が得られなかった場合は、その結果について終了後速やか に情報共有を行うことで、算定を可能とする。 ・管理体制とは、食事の中止、十分な排痰、医師又は歯科医師との緊密な連携等が迅速に行われる 体制とすること。 【指導事例】 ・経口維持計画が多職種共同で作成されていることが確認できなかった。 ・経口維持計画を入所者又はその家族に説明し、その同意を得ていなかった。 ・経口維持計画の同意日が明記されていなかった。

看取り介護加算

(介護老人福祉施設) ○算定要件 ・常勤の看護師を1名以上配置し、当該指定介護老人福祉施設の看護職員により、又は病院若しく は診療所若しくは訪問看護ステーションの看護職員との連携により、24時間連絡できる体制を 確保していること。 ・看取りに関する指針を定め、入所の際に、入所者又はその家族等に対して、当該指針の内容を説 明し、同意を得ていること。 ・医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員その他の職種の者による協議の上、当該指定介護老 人福祉施設における看取りの実績等を踏まえ、適宜、看取りに関する指針の見直しを行うこと。 ・看取りに関する職員研修を行っていること。 ・看取りを行う際に個室又は静養室の利用が可能となるよう配慮を行うこと。 ・入所者が以下の要件を満たしていること。 ① 医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した者であるこ と。 ② 医師、看護職員、介護支援専門員その他の職種の者(以下この号において「医師等」という。) が共同で作成した入所者の介護に係る計画について、医師等のうちその内容に応じた適当な者 から説明を受け、当該計画について同意している者(その家族等が説明を受けた上で、同意し ている者を含む。)であること。 ③ 看取りに関する指針に基づき、入所者の状態又は家族の求め等に応じ随時、医師等の相互の 連携の下、介護記録等入所者に関する記録を活用し行われる介護についての説明を受け、同意 した上で介護を受けている者(その家族等が説明を受け、同意した上で介護を受けている者を 含む。)であること。

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24 ○留意事項 看取り介護加算は、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断 した入所者について、その旨を入所者又はその家族等(以下「入所者等」という。)に対して説明し、 その後の療養及び介護に関する方針についての合意を得た場合において、入所者等とともに、医師、 看護職員、生活相談員、介護職員、介護支援専門員等が共同して、随時、入所者等に対して十分な 説明を行い、療養及び介護に関する合意を得ながら、入所者がその人らしく生き、その人らしい最 期が迎えられるよう支援することが主眼とされている。 ◆入所者またはその家族に対する説明等について ・看取り介護を実施するに当たり、終末期にたどる経過、施設等において看取りに際して行いうる 医療行為の選択肢、医師や医療機関との連携体制などについて、入所者等の理解が得られるよう 継続的な説明に努めること。 ・説明の際には、入所者等の理解を助けるため、入所者に関する記録を活用した説明資料を作成し、 その写しを提供すること。 ・入所者に対する随時の説明に係る同意について、口頭で同意を得た場合は、介護記録にその説明 日時、内容等を記載するとともに、同意を得た旨を記載しておくこと。 ◆家族の来所が見込まれない場合 ・入所者が十分に判断をできる状態になく、かつ、家族の来所が見込まれないような場合も、医師、 看護職員、介護職員等が入所者の状態等に応じて随時、入所者に対する看取り介護について相談 し、共同して看取り介護を行っていると認められる場合には算定可能。 ・適切な看取り介護が行われていることが担保されるよう、介護記録に職員間の相談日時、内容等 を記載する。 ・入所者の状態や、家族と連絡を取ったにもかかわらず施設への来所がなかった旨を記載する。 ※家族に一度連絡をしたにもかかわらず来所がなかったとしても、継続的に連絡を取り続け、可 能な限り家族の意思を確認しながら介護を進めていくことが重要である。 ◆PDCAサイクルによる看取り介護の実施 ・入所者に提供する看取り介護の質を常に向上させていくため、計画(Plan)、 実行(Do)、評価 (Check)、改善(Action)のサイクル(PDCA サイクル)により、看取り介護を実施する体制を 構築し、それを強化していくことが重要である。 【具体的な取組】 ① 看取りに関する指針を定めることで施設の看取りに対する方針等を明らかにする(Plan)。 ② 看取り介護の実施に当たっては、当該入所者に係る医師の診断を前提にして、介護に係る計画 に基づいて、入所者がその人らしく生き、その人らしい最期が迎えられるよう支援を行う(Do)。 ③ 多職種が参加するケアカンファレンス等を通じて、実施した看取り介護の検証や、職員の精神 的負担の把握及びそれに対する支援を行う(Check)。

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25 ④ 看取りに関する指針の内容その他看取り介護の実施体制について、適宜、適切な見直しを行う (Action)。 ※施設は、看取り介護の改善のために、適宜、家族等に対する看取り介護に関する報告会並びに 入所者等及び地域住民との意見交換による地域への啓発活動を行うことが望ましい。 ◆看取り介護の記録について 次に掲げる事項を介護記録等に記録する。 ・終末期の身体症状の変化及びこれに対する介護等についての記録 ・療養や死別に関する入所者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアについての記 録 ・看取り介護の各プロセスにおいて把握した入所者等の意向と、それに基づくアセスメント及び 対応についての記録 ※多職種連携を図るため、医師、看護職員、介護職員、介護支援専門員等による適切な情報共有 に努めること。 ◆看取りに関する指針について 【盛り込むべき事項】 ・当該施設の看取りに関する考え方 ・終末期にたどる経過(時期、プロセスごと)とそれに応じた介護の考え方 ・施設等において看取りに際して行いうる医療行為の選択肢 ・医師や医療機関との連携体制(夜間及び緊急時の対応を含む) ・入所者等への情報提供及び意思確認の方法 ・入所者等への情報提供に供する資料及び同意書の書式 ・家族への心理的支援に関する考え方 ・その他看取り介護を受ける入所者に対して施設の職員が取るべき具体的な対応の方法 ◆退所等の取扱 ・死亡前に在宅へ戻ったり、医療機関へ入院したりした後、在宅や入院先で死亡した場合、施設に おいて看取り介護を直接行っていない退所した日の翌日から死亡日までの間は、算定不可。(した がって、退所した日の翌日から死亡日までの期間が 30 日以上あった場合には、看取り介護加算を 算定することはできない。) ・施設を退所等した月と死亡した月が異なる場合でも算定可能であるが、看取り介護加算は死亡月 にまとめて算定するため、入所者が退所等する際、退所等の翌月に亡くなった場合に、前月分の 看取り介護加算に係る一部負担の請求を行う場合があることを説明し、文書にて同意を得ておく ことが必要である。 ・施設退所等の後も、継続して入所者の家族への指導や医療機関に対する情報提供等を行うことが 必要であり、入所者の家族、入院先の医療機関等との継続的な関わりの中で、入所者の死亡を確 認することができる。

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26 ※情報の共有を円滑に行う観点から、施設が入院する医療機関等に入所者の状態を尋ねたときに、 当該医療機関等が施設に対して本人の状態を伝えることについて、施設退所等の際、入所者等 に対して説明をし、文書にて同意を得ておくことが必要である。 ○その他留意事項 ・「24時間連絡できる体制」については、看護体制加算(Ⅱ)の規定を準用する。 ・多床室を有する施設にあっては、看取りを行う際には個室又は静養室の利用により、プライバシ ー及び家族への配慮の確保が可能となるようにすること。 【指導事例】 ・「看取りに関する指針」について、入所時に説明及び同意の有無の確認が行われていなかった。 ・「看取りに関する指針」について、盛り込むべき項目に不備があった。 ・随時の説明に係る同意について、口頭で同意を得ているが、介護記録にその説明日時、内容、当 該同意を得た旨が記載されていなかった。 ・看取りに関する指針について、策定時から見直しが行われていなかった。 ・療養や死別に関する入所者及び家族の精神的な状態の変化及びこれに対するケアについての記録 や、看取り介護において把握した入所者や家族の意向と、それに基づくアセスメント及び対応に ついて、介護記録等に記録していなかった。

Ⅲ、その他運営にかかる留意事項について

○介護療養型医療施設のサービス終了について ・介護療養型医療施設は、平成30年3月31日でサービス区分が廃止となる。 →移行する施設類型は厚生労働省において調整中であり、今後の通知等に留意すること。 ○介護保険施設の防犯について ・平成28年7月の相模原市の障害者施設における入所者の殺傷事件を受け、厚生労働省より防犯 に係る安全確保に関する通知が発出されている。 →各施設において、不審者への対処や、防犯に係る安全確保の責任者の指定等、防犯に係る安全 確保に努めること。

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