(1)厚生年金基金制度の見直しに関する法律改正案の概要
平成 25 年 4 月 1 日、社会保障審議会年金部会(第 14 回)において「公的年金制度の健全性及び信頼
性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の概要」が公表され、厚生年金基金制度の
見直し案の概要が明らかになりました。
別紙のとおり、当部会に提出された資料に基づき要点等を纏めましたので、ご連絡いたします。
今後は、4 月上旬の閣議決定・国会提出と進捗していく見通しです。
当社としましては、今後の審議動向等を注視しつつ、厚生年金基金制度の運営に携わる皆様を引き続
き全力でサポートしていく所存です。
【関連情報】
(社会保障審議会年金部会(第 14 回))
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002yp8h.html
以上
照会先:指定(担当)年金数理人
平成 25 年 4 月 2 日
団 体 年 金 事 業 部
第 3 号
(2)法律改正案の概要
平 成 2 5 年 4 月
第 一 生 命 保 険 株 式 会 社
団 体 年 金 事 業 部
• 本資料は、平成25年4月1日に開催された「社会保障審議会年金部会(第14回)」において議論された「公的年金制度の健
全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について」の内、厚生年金基金制度の見直しに関
する内容を、当該部会に提出された資料に基づきその要点等を纏めたものです。
• 当社が解釈した部分を含みますので、具体的な取扱は、今後明らかにされる法、政省令及び通知と異なることも十分想定されるた
め、あくまでも参考資料としての位置付けであることをご了承願います。
• 当該部会の議事次第、当該部会に提出された資料につきましては、厚生労働省HPをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002yp8h.html
(3)目次
はじめに ・・・・・・ 2
厚生年金基金制度の見直しについて
法律改正案の概要 ・・・・・・ 3
厚生年金基金制度改革の基本構造 ・・・・・・ 4
厚生年金基金制度改革のプロセス ・・・・・・ 5
代行割れ基金の早期解散のための方策 ・・・・・・ 6 ~ 8
代行割れを未然に防ぐための制度措置の導入 ・・・・・・ 9 ~ 10
上乗せ部分の受給権を保全するための措置 ・・・・・・ 11 ~ 13
参考
法律改正案(概要)の公表に至るまでの主な経緯 ・・・・・・ 14
試案、意見書、法律改正案の比較(主要事項) ・・・・・・ 15
社会保障審議会年金部会(第14回)での主な意見等 ・・・・・・ 16
「期ずれ」見直しのイメージ ・・・・・・ 17
(4)はじめに
平成25年4月1日、社会保障審議会年金部会(第14回)において、厚生年金基金制度の見直しに関する法律
改正案(概要)が提出されました。
これまで、約1年前のAIJ投資顧問に対する行政処分を契機に、多くの厚生年金基金関係者が厚生年金基金制度
の在り方等について、検討し議論を進めてきました(14ページ参考)。
法律改正案は成立しておらず、また政省令・通知案は明らかにされていない状況ですが、有識者会議、専門委員会を
軸にした諸議論を踏まえた結論が法律改正案として纏まった状況に至っています。
これまでの議論との比較で言えば、「一律廃止」ではなく「一部存続」が明確に打ち出されたことが、大きな注目点として
挙げられます。逆に、この点以外はこれまでの議論に概ね則った内容となっています。
以下では、年金部会において議論された「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の
一部を改正する法律案について」の内、厚生年金基金制度の見直しに関する内容を、当該部会に提出された資料に
基づきその要点等をご案内します。
(5)法律改正案の概要 備考
(1)施行日以後は厚生年金基金の新設は認めない。
(2)施行日から5年間の時限措置として特例解散制度を見直し、分割納付における事業所間
の連帯債務を外すなど、基金の解散時に国に納付する最低責任準備金の納付期限・納付
方法の特例を設ける。
詳細は6~8ページ
(3)施行日から5年後以降は、代行資産保全の観点から設定した基準を満たさない基金につ
いては、厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて、解散命令を発動できる。
詳細は9~10ページ
(4)上乗せ給付の受給権保全を支援するため、厚生年金基金から他の企業年金等への移行
について特例を設ける。
詳細は11~13ページ
※ 施行期日 公布日から1年を超えない範囲で政令で定める日
法律改正案の概要
[試案との比較]試案では「廃止」とされていましたが「一部存続」とされました。これに伴い、「解散命令」について明記されました。
示された内容は大きく4つ
(6)厚生年金基金制度改革の基本構造
代行割れリスクの度合いに応じた対応
[試案との比較]一部存続に伴い、代行割れでない基金は「代行割れ予備軍」と「健全基金」にセグメントされ方向性が定められました。
項目 代行割れ基金 代行割れ予備軍 健全基金
基準 代行部分の積立比率1.0未満 代行部分の積立比率1.5未満
かつ非継続基準積立不足あり 代行部分の積立比率1.5以上又は非継続基準積立不足なし
方向
性 早期に解散(5年以内) 他制度(DB、DC等)へ移行又は解散(5年以内) 他制度(DB、DC等)へ移行又
は存続
対策
厚年本体との財政中立を基本
公費(税)投入は行わない
分割納付の特例
• 事業所間の連帯債務外し
• 利息の固定金利化
• 最長納付期間の延長(現行
最長15年)
納付額の特例(=現行特例解
散と同じ)
解散基準の緩和(3/4→2/3)
清算型解散の導入
上乗せ資産を他制度(DB、DC、中退共)に持ち込んで移行
• 解散後、事業所(企業)単位で既存のDBや中退共へ移行できる
仕組みを創設
• 移行後の積立不足を掛金で埋める期間の延長(※)
• 簡易な制度設計(例:数理計算)で設立できるDBの対象拡大
解散基準の緩和(3/4→2/3) など
施行日から5年後以降は、代行保全の観点から設定した基準を満た
さない基金には厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて解散
命令を発動できる
備考 詳細は6~8ページ 詳細は9~13ページ
※試案では20年→30年
とする案が提示されてい
ます。
(7)厚生年金基金制度改革のプロセス
施行日から5年間:「代行割れ問題」に集中的に対応
施行日から5年後以降:「代行割れを未然に防ぐための制度的措置」を導入
[試案との比較]一部存続に伴い、代行割れでない基金は「代行割れ予備軍」と「健全基金」にセグメントされ方向性が定められました。
施行 5年後
積立状況
(対代行部分)
100%
代
行
割
れ
※施行日以降
• 基金の新設を禁止、代行部分の企業年金連合会への移換(解散時、中途脱退時)を停止
<代行割れでない基金>
代行返上による他制度への移行
(又は通常解散)
<健全基金>
代行返上による他制度への移行又は存続
<代行割れ予備軍>
厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて
代行返上を命令(=解散命令の発動)
<代行割れ基金>
特例解散制度による早期解散
• 自主解散を基本
• 厚生労働大臣が解散を促す「清算型解
散」制度も導入
代行割れを二度と起こさない
ための制度的措置
代行割れ基金の早期解散促進
厚生年金被保険者全体のリスクの分かち合い
※現行の企業年金連合会は確定給付企
業年金法に基づく「新企業年金連合会」
が設立された時に解散(=法定解散)
特
例
解
散
申
請
期
限
(8)代行割れ基金の早期解散のための方策
特例解散制度の見直し(申請期限は施行日から5年後)
[試案との比較]納付額特例(B案)が盛り込まれていない点以外、方向性は試案どおりとなっています。
具体的内容
1. 分割納付の特例(代行割れ基金対象)
① 事業所間の連帯債務外し
② 利息の固定金利化
③ 最長納付期間の延長(現行15年)
2. 最低責任準備金(代行部分の債務)の精緻化(全基金対象)
① 代行給付費の簡便計算に用いる係数の補正
一律0.875 → 65歳未満:0.69、65歳以上75歳未満:0.96、75歳以上:1.0
② 計算に用いる厚生年金本体の実績利回りの適用時期のずれ(「期ずれ」)の補正
※16ページに「期ずれ」見直しのイメージを掲載
最低責任準備金額
を大きく変動させる
要因にはならないと
思料します。
報道機関によれば、4月2日に開催された自民党
厚生労働部会において15年→30年に延長され
ることで調整されたとのことです。
試案では平成17
年4月以降に遡及
して適用とされて
います。
試案では本体利回り実績が確定している期間には当該利回りを用い、確定していない期間については、本体ポー
トフォリオを元に市場ベンチマーク(指標)を用いて推計した利回りを用いるものとされています。
(9)代行割れ基金の早期解散のための方策
特例解散制度の見直し(申請期限は施行日から5年後)
[試案との比較]部会資料では詳細な記載がないものの、方向性は試案どおりとなっています。
具体的内容
3. 納付額の特例(代行割れ基金対象)
次のいずれか低い額(=現行特例と同じ)
① 通常ルールで計算した額(平成11年9月までの期間は5.5%、
平成11年10月以降の期間は厚年本体の実績利回りを用いて計算)
② 基金設立時から厚生年金本体の実績利回りを用いて計算した額
※利回りは「期ずれ」補正後のものを用いることを原則とするが、補正せずに計算した額の方が低くなる場合は、当該額
を用いることが出来る。
4. 解散プロセス
① 自主解散を基本。厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて解散を促す「清算型解散」の仕組みを導入。
② 第三者委員会における適用条件等の審査。適用条件は客観的に設定。
③ 特例解散の適用を受ける基金の受給者は申請(指定)時点以降、上乗せ給付を支給停止。
④ 申請(指定)以降、年金記録の整理等の事務に先行して代行資産を返還できる仕組みを導入。
結果、「①の方法で期ずれあり」「①の方
法で期ずれなし」「②の方法で期ずれあ
り」「②の方法で期ずれあり」の4種類の
数値を考慮することになるケースも考
えられます。
第三者委員会による審査の詳細、認可申請・記録整理・資産返還の手続きにつ
いての詳細は今後明らかにされていくものと思料します。
(10)代行割れ基金の早期解散のための方策
解散認可基準の緩和
[試案との比較]部会資料では詳細な記載がないものの、方向性は試案どおりとなっています。
具体的内容
1. 代議員会における法定議決要件
• 代議員の定数の4分の3以上による議決 → 3分の2以上
2. 解散認可申請に際しての事前手続要件
• 全事業主の4分の3以上の同意 → 3分の2以上
• 全加入員の4分の3以上の同意 → 3分の2以上
3. 解散認可申請に際しての理由要件
• 母体企業の経営悪化等 → 撤廃
(11)代行割れを未然に防ぐための制度的措置の導入
一部存続が認められるに伴う存続の基準(解散命令の発動の基準)
[試案との比較]一部存続に伴い、基金として存続できる基準(解散命令の発動の基準)について仕組みが提示されました。
基本的な考え方
今回の改正では、代行割れ問題について、厚生年金被保険者全体のリスクの分かち合い(連帯債務外し等)を
お願いしつつ、早期解決を図ることとしている。
こうした改正について、厚生年金被保険者(約3,400万人)の理解を得るためには、代行割れを二度と起こさな
いための制度的措置を導入する必要がある。
具体的な仕組み
施行日から5年経過後(特例解散の終了時点)は、毎年度の決算において、「代行資産の保全」の観点から設定
された以下のいずれかの要件を満たしている基金のみ存続できることとし、要件を満たさない基金に対しては、厚生
労働大臣が第三者委員会の意見を聴いて解散命令を発動できることとする。
① 純資産(時価)が最低責任準備金(代行部分の債務)×1.5以上を確保
市場環境の短期変動による代行資産の毀損リスクを回避できる積立水準として設定
② 純資産(時価)が最低積立基準額(代行+上乗せの債務)以上を確保
上乗せ部分の積立不足による代行資産の毀損リスクを回避できる積立水準として設定
(12)代行割れを未然に防ぐための制度的措置の導入
一部存続が認められるに伴う存続の基準(解散命令の発動の基準)
[試案との比較]一部存続に伴い、基金として存続できる基準(解散命令の発動の基準)について仕組みが提示されました。
平成23年度決算数値から見た当社総幹事基金(52基金)の要件充足状況
① 純資産(時価)が最低責任準備金(代行部分の債務)×1.5以上を確保
② 純資産(時価)が最低積立基準額(代行+上乗せの債務)以上を確保
※ 代行部分の債務は期ずれが解消されたものとしています。
「1.5」の根拠
過去12年の全基金の決算データによると、1~2年後に代行割れとなる基金を発生させないためには代行部分(最
低責任準備金)に対して概ね1.5倍を超える程度の積立が必要。
過去10年間のTOPIX等のベンチマーク及び厚生年金基金と厚生年金本体の資産構成・ポートフォリオをもとに計測さ
れた向こう5年間の「基金の利回り(累積)-本体利回り(累積)」の平均と標準偏差によると、今後5年間で
99%の確率で代行割れとならないためには、現時点において、少なくとも代行部分の1.6倍程度の純資産が必要。
①②共に充足 ①のみ充足 ②のみ充足
単連基金 2 2 0
総合基金 0 0 2
(13)上乗せ部分の受給権を保全するための措置
上乗せ部分の受給権保全のための移行支援措置、企業年金の選択肢の多様化
[試案との比較]部会資料では詳細な記載がないものの、方向性は試案どおりとなっています。
上乗部分
の積立不足
上乗せ資産
資産
上乗部分
の債務
代行部分
の債務
企業年金連合会、DB、
DC、中退共に移換し
て退職給付を継続
ケース1:代行割れはしていないが、上乗せ部分は積立不足である基金
ケース2:代行割れ基金
上乗部分
の積立不足
厚年本体に返還
資産
上乗部分
の債務
代行部分
の債務
DB等の企業年金ス
キームを活用した再建
代行部分
の積立不足
退職金原資の再建
分割納付による返済
上乗せ部分の受給権保全のため
の移行支援措置
企業年金の選択肢の多様化
(具体的には12、13ページ)
(14)上乗せ部分の受給権を保全するための措置
上乗せ部分の受給権保全のための移行支援措置、企業年金の選択肢の多様化
[試案との比較]試案にはなかった、DCへの移行支援、退職金の再積立支援、中退共移行支援が追加されています。
上乗せ部分の受給権保全のための移行支援策
(1)確定給付企業年金基金(DB)への移行支援
移行時の積立不足を掛金で埋めるための期間を延長
基金解散後、事業所単位で既存のDBへ移行できる仕組みの創設
(2)確定拠出年金(DC)への移行支援
基金を脱退した事業所の従業員が基金から既存のDCへ資産を移換できるよう規制緩和
解散後のDCに移行する場合の積立基準に関する規制緩和
(3)退職金の再積立支援
代行割れ基金の解散後、各事業主が厚年本体への不足額の返還と、退職金の再積立を両立できるようにするた
めの措置
• 厚年本体への分割納付期間延長
• 各事業所が退職金の再積立の観点から、DB等のスキームを活用する場合の積立基準に関する規制緩和
(4)その他
基金解散後、企業単位で中小企業退職金共済制度へ移行できる仕組みの創設
申請書類や手続きの簡素化
中小企業等における企業年金等の導入事例についての情報提供
※試案では20年→30年とす
る案が提示されています。
(15)上乗せ部分の受給権を保全するための措置
上乗せ部分の受給権保全のための移行支援措置、企業年金の選択肢の多様化
[試案との比較]試案で提示された集団運用型DCは盛り込まれていません。
企業年金の選択肢の多様化
(1)キャッシュバランスプランの制度設計の弾力化
給付設計に用いる指標の選択肢を拡大(運用実績、複合ベンチマークを加える)
基準金利等の規制緩和(ただし、元本は保証)
(2)簡易型DBの対象拡大
中小企業等への企業年金の普及を促進するため、簡易は制度設計(例:数理計算)や手続きで設立できる
DBの対象を拡大する。
(16)(参考)法律改正案(概要)の公表に至るまでの主な経緯
日付 主な経緯
H24.2.24 金融庁、AIJ投資顧問に対する行政処分
H24.4.24 民主党、「AIJ問題再発防止のための中間報告」にて、『基金の廃止』を提言
H24.7.6 厚労省、「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議」報告書にて、『基金存続』、
『基金廃止』の両論併記
H24.7.13 自民党、「AIJ問題に関するプロジェクトチーム提言」にて、『基金存続の選択肢』、『あるだけ解散の容
認』を提言
H24.9.26 厚労省、有識者会議を受けた資産運用規制、財政運営ルールの見直しを公表
H24.9.28 厚労省、「厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する特別対策本部(第7回)」にて、『基金
廃止方針』を打ち出し
H24.11.2 厚労省、「厚生年金基金制度に関する専門委員会(第1回)」にて、「厚生年金基金制度の見直し
について(試案)」を公表し、『基金制度廃止』、『特例解散制度の見直し』等を提示
H25.2.8 専門委員会、「「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」に関する意見」を提示し、「厚生年金
制度の見直しについて(試案)」の方向性を概ね支持
H25.4.1 厚労省、「社会保障審議会年金部会(第14回)」にて、法律改正案(概要)を提出し、『代行割れ
基金の早期解散』、『代行割れの未然防止措置』、『上乗せ部分の受給権保全措置』等を提示
(17)(参考)試案、意見書、法律改正案の比較(主要事項)
概ね、試案、意見書に沿った法律改正案
試案 意見書 法律改正案
特例解散制
度の見直し
• 代行割れ基金は5年内に特例解散 • 5年間で終了させるべき • 試案、意見書のとおり
• 連帯債務、変動金利の見直し • やむを得ない • 試案、意見書のとおり
• 納付期間の延長又は納付額の特例
の拡大 • 納付額の特例の拡大は講ずべきではない • 納付額の特例の拡大は盛り込まれず
代行制度の見
直し
• 10年間で段階的に縮小し廃止 • 妥当 • 健全基金は存続可能
(存続基準の明確化)
• 解散認可要件の緩和 • 妥当 • 試案、意見書のとおり
• 債務計算方法の見直し • 妥当 • 試案、意見書のとおり
企業年金の持
続可能性を高
めるための施
策
• CBプランの弾力化 • 基本方向は妥当 • 試案、意見書のとおり
• 集団運用型DCの創設 • 反対意見が多数 • 盛り込まれず
• DB移行後の財政運営特例
• 解散後、事業所単位でのDB移行
• 簡易な手続による移行
• DBについては、中小企業
向けの簡易な制度設計・運
営手続等が可能となるよう
な規制緩和も検討すべき
試案の内容に加え
• 簡易型DBの対象拡大
• 脱退又は解散後のDC移行
支援
• 解散後の中退共移行支援
など
(18)(参考)社会保障審議会年金部会(第14回)での主な意見等
委員からの主な質問、意見及び当局による回答(要約)
(質問)試案では「廃止」となっていたにも関わらず「一部存続」にしたのは何故か?
(回答)健全性を確保している基金を強制的に時期を定めて移行させる必要まではないという考え、訴訟リスク等様々な
要因を考えての行政判断。
(意見)存続要件を満たすたった1割程度の基金のために「一部存続」とするのは行政コストの観点から問題。
(質問)解散命令の発動、清算型解散の指定については、第三者委員会の裁量の余地はあるのか?
(回答)法律、政省令通知などで、明確に基準を定める予定。
(質問)集団運用型DCのスキームが盛り込まれてないのは何故か?
(回答)専門委員会での意見を踏まえた結果。一方で、DCへの移行支援を行っていく予定。
(意見)移行に際しても移行後においても、中小企業の事業主、加入員、労働組合等が困らない様に、しっかりと情報
公開、指導等を行っていくべき。
(質問)代行割れ基金が解散した場合の退職金の再積立支援とはどういうことか?
(回答)例えば、簡易なDBを設定し、その掛金を損金算入とするような仕組みが考えられる。
(質問)平成24年度末決算は平成23年度末決算より随分良くなっているのではないか?
(回答)基金の資産運用の改善の一方で、代行部分の債務も同様に増加することになる。従って、現段階で代行割れ
している場合には、寧ろ積立状況の悪化を引き起こすこととなる(逆レバレッジ)。
(19)(参考)「期ずれ」見直しのイメージ
■「期ずれ」見直しのイメージ
厚年本体の実績 平成9年度
4.66% 平成10年度
4.15% 平成11年度
3.62% 平成20年度
△6.83% 平成25年度
?
平成21年度
7.54%
平成20年度
△6.83%
平成22年
△6.83%
平成21年度
7.54%
平成12年
4.15%
平成13年
3.62%
最低責任準備金への付利
(現行:暦年で適用)
最低責任準備金への付利
(見直し案:期ずれ解消)
厚生年金本体の実績が出ていない期間は、厚生年金本体の基本ポートフォリオをもとに市場
ベンチマークを用いて推計した一定の見込み利率を適用
平成23年
7.54%
平成25年度
平成11年
4.66%
平成11年度
3.62%
■「期ずれ」がない場合とある場合の利回り比較
※期ずれの仕組み ※下線斜体は当社推計値
H25年度
「期ずれ」なし(本体利回り) -6.83% 7.54% -0.26% 2.17%
9.9% ?
年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度
4.05%
H18年度本体利回
りがH20年に適用
H19年度本体利回
りがH21年に適用
H20年度本体利回
りがH22年に適用
H21年度本体利回
りがH23年に適用
H22年度本体利回
りがH24年に適用
H23年度本体利回
りがH25年に適用
H24年度本体利回
りがH26年に適用
「期ずれ」あり 1.40% -4.37% -3.43% 5.53% 0.34%
H26年
3.10% -3.54% -6.83% 7.54% -0.26% 2.17%
9.9%
H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年
4.05%
H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度
1.40% -4.37% -3.43% 5.53% 0.34%