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「木材を活用した学校づくりの可能性と留意点」(3)

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Academic year: 2021

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(1)

ヒノキ間伐材のストランドボード

間伐材を使う

(2)

旧大多喜町立老川小学校

木の教育に生かす

(3)

中国産リブ材

OSB

リブ材

(4)

旧木造校舎の床板を天井に 福島・岩江小

旧木造校舎の階段親柱を活用 青森・名川中

旧木造校舎の階段床板を活用 福島・社川小

(5)

木のパーゴラ

よしず・緑のカーテンによる教室の日照調整

(6)

木の学校づくりの意義

1.

豊かで健康的な教育・生活環境の実現-木材の特性による教育的効果

心理・情緒・健康・快適な室内環境

2.

木の学校は環境教育、地域学習の教材-植える、見る、作る、参加する

3.

地域の風土・文化との調和-地域景観の、木造文化の継承

4.

環境負荷の低減-温暖化防止 炭素の固定化-森林吸収、都市の森

5.

森林の整備・保全 木材資源の好循環 -地域材の活用

伐る

→植える→育てる→伐る→・・・ の原動力は

使う

6.

地場産業の振興、地域経済の活性化

7.

地域の大工技術を活かす-建築技術の普及、継承

8.

木材調達に関する地域間の連携をつくるきっかけとなる

9.

地域住民の参加による地域のシンボルとなる学校づくり

学校は地域の関心事。木の学校づくりは木材活用の推進力となる

→老朽化対策における木の活用は目に見えて効果が実感できる

(7)

森林の公益的機能=多面的機能

• 生産機能 木材、キノコ等

• 水源涵養機能

• 国土保全機能 土砂災害防止

• 生物多様性の保全 陸上の動植物の8割が森林に

• 地球温暖化防止 1億トン/年

(8)

1.経済的効果

(1)木材関連産業の振興

地域で生産される木材を循環的・持続的に利用することにより、当該地域の幅広い産業の 持続的な振興・発展と雇用の確保・創出に寄与する効果が期待できる。

(2)他産業の振興

木材の利用は、木材関連産業の振興のみならず、畜産業や醸造業、観光など、木材利用 と関連が薄いと思われるような産業の振興にも少なからず貢献しているケースがある。

(3)域内経済循環の強化

山村地域において、これまで域外からの調達に依存していた原材料やエネルギーを域内 で生産される木材や木質バイオマスエネルギーで代替することで、域外へ流出していた所 得(資金)の一部が域内にとどまり域内で循環し、域内に新たな所得を生み出すことが期 待できる。

(4)国や地方財政への貢献

地域住民に最も密着した行政主体である市町村や財産区が所有する森林については、木 材の販売による収入や地元の小中学校等の建築用材としての利用を通じた財政への貢 献が大いに期待し得る。 木と建築で創造する共生社会実践研究会(A-WASS)、2015.6 Ⅰ

(9)

2.地球環境保全効果

(1)炭素の貯蔵を通じた地球温暖化の防止

建築物や家具などの形で木材を多くかつ長期間にわたって利用し、社会全体で炭素の貯 蔵量を増やすことは、伐採後に適正な植林等を行い再生した森林が大気中のCO2を吸 収し続ける限りにおいて、地球温暖化の防止に大いに貢献する。

(2)化石資源の節約・代替を通じた地球温暖化の防止

木材には、燃料として燃やしても、その木材が大気中から取り込んだ炭素を大気に戻す だけであり、結果的に大気中の炭素の量を増やすことがない、「カーボン・ニュートラル」な 性質を有する。

(3)環境汚染の低減・環境浄化

身の回りに合成樹脂(プラスチック類)製品があふれている現代の生活を見直し、これら を極力木材製品、とりわけ無垢の木材製品に置き換えることで、環境汚染の低減効果が 期待できる。

(4)森林の整備・保全への寄与

木材を持続的に利用することは、その供給源である森林の所有者に収益(所得)をもたら し、森林の手入れ・管理や造林等の整備・保全への投資を促すことを通じて、当該森林が 有する多面的な機能の維持・発揮に資する。 木と建築で創造する共生社会実践研究会(A-WASS)、2015.6 Ⅰ

(10)

3.アメニティ(快適環境・娯楽)効果

(1)快適・健康・安全な環境の創出

木材は、その調湿性能、熱を伝え難い性質、目に優しい年輪模様の揺らぎ、フィトンチッドと いう香り成分、衝撃吸収力などにより、私たちの生活環境を快適なものにしてくれている。

(2)娯楽・楽しみ(愉しみ)の提供

木材は、その加工性の良さなどから日曜大工の主要な材料となっており、日曜大工を趣味 とする多くの人たちに余暇の楽しみ(愉しみ)や娯楽を提供している。 木と建築で創造する共生社会実践研究会(A-WASS)、2015.6 Ⅰ

(11)

4.社会・文化的効果

(1)伝統的な文化、技術・技能の継承・発展

木材は、我が国の伝統的な建築・工芸等の文化の中心をなす資材であり、それぞれの地域 で育まれた多種多様な樹材種の木材が、それぞれの地域の気候風土や土地利用などに適 した使い方の工夫や建築様式を生み出すなどして、多様な建築文化を花開かせてきた。

(2)新たな文化や技術の開発・創出

近年、木材は、新たな加工技術等と組み合わされることにより、従来にない建築様式を生み 出し、これまで考えられなかったような用途・製品の原料に用いられるようになっている。

(3)地域景観の維持・保全、地域への誇り・愛着の醸成

京都など「古い町並み」を有する地域を中心に、木造建築物群が美しく落ち着いた町並み景 観の形成に中心的な役割を果たすとともに、住民の地域への愛着や誇りの醸成にも寄与し ている。

(4)ものづくり等の教材の提供(教育効果)

木材は、子どもにとっても比較的加工が容易である(かと言って容易過ぎることもない)ことな どから、初等教育における「ものづくり」の基礎的な教材として、極めて有用な資材である。

(5)地域社会のレジリエンス(強靭性)の向上

山村地域において、これまで域外からの調達に依存していた原材料やエネルギーの一部を 域内で生産される木材や木質バイオマスエネルギーで代替することで、域外に多くを依存し ていたこれら物資等の調達先が多様化され、経済情勢の変化や災害等に対して強靭な地域 づくりに寄与することが期待できる。 木と建築で創造する共生社会実践研究会(A-WASS)、2015.6

(12)

公立小中学校の木造化比率

216万㎡/1億6千万㎡

(13)

平成24年度 文部科学省

(14)

木造化の発意を躊躇させる理由

1.コストが高いのではないか

材の集め方、使い方、生物材料の扱い方

流通材の活用

2.防火・耐火の法規制

面積区画-最初から木造を目標として設計を進める

3.耐久性がないのではないか

木の特性を理解した設計、メンテナンス- 予防保全

4.どう進めてよいかわからない

材料調達と品質確保-時間、発注方法

→木材活用の意義、効果について共通理解を深め、目標を明確にする

→木材に関する情報流通-川上、川中、川下

→地域の山、製材能力を知る

(15)

木材活用の特色

一時に大量の木を使用する、材径・材寸が大きくなりがち

木は生物材料である リードタイムが長い

伐採時期、森林組合の施業計画、

乾燥、加工、

単年度予算に対し、伐採時期、集材期間、乾燥・加工期間が必要

→ 間に合わせではできない

木の建築が禁止されていた時期がある

→木の理解、ノウハウが失われている 設計者がいない

木の建築づくりの社会システムが失われている

2009年 森林・林業再生プラン

2010年 公共建築木材活用促進法

2014年 木造校舎JIS3301の改訂

(16)

日経アーキテクチャー150525

(17)

■木の建築づくりの留意点

①コスト縮減の設計

・無理のない材の選択-地元材、流域材、県産材、国産材、輸入材

・無理のない用い方、構造形式-純木造、混合構造

・一般流通材、規格材・定尺材 材径、材寸

・歩留りの向上-端材の活用、はね率の縮小

→工期の確保

・地域の大工技術-金物の抑制等

・ディテールの統一、繰り返しの利用-施工性の向上、工期短縮

・プレカット工法、

・適材適所の使用

・計画的建設‐地域の能力を把握する 地域間連携

・材を使い切る-カスケード利用‐木質バイオマス ゴミを宝に

32

(18)

秋田県能代市における一連の学校木造化

0 50 100 150 200 250 300 350 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 建設単価(千円 / ㎡ ) 床面積あたり納材材積(m3/㎡) 第五小学校H7 崇徳小学校H8 東雲中学校H12 常盤小中学校H16 浅内小学校H18 二ツ井小学校H22 第四小学校H22 二ツ井小学校H22 常盤小中学校H16 崇徳小学校H8 33 浅内小学校H18

(19)

② 防火に関する条件の検討・確認

1.防火性能、法規制

・敷地の広さ

・防火に係る地域区分

・準不燃、燃え代設計、

・防火区画と学校運営や地域利用のゾーニング等との整合

2.木造か内装木質化か

→木造とする場合、始めからそのつもりで計画を進める、

地域の能力を確認しながら

3,000㎡の木造が可能に

木造3階建て校舎が可能に

(20)

③ どう進めるかー地材地建

地域の山、地域の力を予め知り、最初から体制を整えて

木の種類、量、性能、伐採 森林組合、林業との連携

地域の乾燥・製材・加工能力 JAS工場の有無、集成材工場の有無・能力

民間技術の活用-地域との連携

• 行政(施策)、発注者(首長)、設計者、施工者、木材供給者、木材生

産者の連携

→川上・川中・川下を結ぶ

検討・実施の体制を整える-設計者(意匠、構造)、木材コーディネーター

無理をしない-地域間連携

• 自然素材、木の特質に応じた性能・品質確保、設計監理、材料調達、

維持管理方法

• 地域の木、製材情報を提供し、品質を見極める木材コーディネータ-

• 行政(施策)、発注者(首長)、設計者、施工者、木材供給者、木材生

産者の連携

→川上・川中・川下を結ぶ

思いつき、間に合わせで、木の建築づくりはできない

参照

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