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のウランを解体することであり イラン側がかなり譲歩した形となっている 両者の主な公約内容は以下の通りであり 2014 年 1 月 20 日より履行された イラン側の公約 濃度 5% を超える高濃縮ウランの製造停止 製造済みの濃縮度 20% のウランの解体 稼働する遠心分離機の種類と数量を制限 アラー

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2014 年 5 月 20 日

第 72

72

72 号

72

日本によるイラン・

日本によるイラン・

日本によるイラン・

日本によるイラン・サウジアラビア

サウジアラビア

サウジアラビア

サウジアラビア間

間の

の関係改善の

関係改善の

関係改善の取り組み

関係改善の

取り組み

取り組み

取り組みの必要性について

の必要性について

の必要性について

の必要性について

~日本主導のペルシャ湾

日本主導のペルシャ湾

日本主導のペルシャ湾

日本主導のペルシャ湾浄化

浄化

浄化プロジェクトの提案

浄化

プロジェクトの提案

プロジェクトの提案

プロジェクトの提案~

主任研究員 川﨑宏樹 【要旨】 <図 1>中東の地図 (出所)総務省・統計局 1.イランの核開発 1.イランの核開発 1.イランの核開発 1.イランの核開発問題問題問題問題に関する暫定合意に関する暫定合意に関する暫定合意に関する暫定合意 2013 年 11 月 25 日に、イランと国連安全保障常任理事国及びドイツとの間で、イランの 核開発問題に関する暫定合意を締結した。合意内容は、欧米が経済制裁を一部緩和するの と引き換えに、イランが 5%を超える高濃縮ウランの製造停止や保有している濃縮度 20% イランの核開発問題に関する暫定合意に端を発して、中東における各国の政策に変化 が生じてきている。今後、最終合意に至れば、欧米とイランとの関係の改善・発展が予 想される。従来米国と親密な関係を築いてきたサウジアラビアやイスラエルは、この合 意を前提にして、今後米国とどのように付き合っていくべきか、試行錯誤を重ねている ものと思われる。 核開発に関する協議は、イランと主要6カ国(国連安全保障常任理事国+ドイツ)と の間で行われたものであり、日本はその協議には参加していない。中東諸国、特にイラ ンとサウジアラビアとの信頼醸成を目的とし、中東諸国と中立的な立場にある日本が、 まずは両国の利害が一致すると考えられる環境という枠組みで貢献していくべきであ る。

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のウランを解体することであり、イラン側がかなり譲歩した形となっている。両者の主な 公約内容は以下の通りであり、2014 年 1 月 20 日より履行された。 【イラン側の公約】  濃度 5%を超える高濃縮ウランの製造停止  製造済みの濃縮度 20%のウランの解体  稼働する遠心分離機の種類と数量を制限  アラーク重水炉の建設を凍結  主要核関連施設への国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れ 【欧米側の公約】  イランの在外金融資産(推定 1,000 億ドル)のうち 42 億ドルの凍結解除を含む総額 約70 億ドル規模の制裁緩和  貴金属・自動車・石油化学製品の禁輸を一部緩和  今後6 カ月間新たな制裁を停止  イランが合意内容に違反した場合は再び制裁を実施 <図 2>イランの核施設 (出所)各種レポート、報道をもとに CIPPS 作成 イランでは、保守強硬派のアフマディネジャド大統領に代わり、穏健派のロウハニ大統 領が 2013 年 8 月に就任し、ロウハニ大統領にとって第一の公約である「経済制裁の解除」 の実現に向け、欧米との信頼関係を築く戦略を進めている。一方、欧米側は、イランの核 兵器保有を阻止するという大きな目的があり、米国のシェールガス革命によって、石油の 自給・輸出が可能となりつつある背景から、中東問題から可能な限り手を引きたいという 前提を取り始めているとも言えよう。また、オバマ政権にとっては、シリア、エジプトな

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ど中東外交が不振に終わる中、イランの核問題を交渉で解決することで威信回復したい、 という意図もある。 この暫定合意の位置づけは、イラン核問題の最終的解決に向けた「第 1 段階」として、 双方が 2014 年 1 月 20 日からの 6 カ月の間にとるべき措置を示したものであり、信頼関係 を築いて、本格的な交渉を進める環境を整える意味合いが強い。 交渉期限の 7 月 20 日までの合意を目指し、4 月までに 3回に渡って交渉が行われている。 最終合意の締結に向けて双方は前向きに協議しているが、イランの核開発をどこまで認め るかで見解の隔たりがあるようだ。イラン側は、平和利用が目的であると主張しており、 ウランの濃縮活動の権利や、プルトニウムの抽出が懸念されているアラークに建設中の重 水炉などの問題で双方の対立は続いている。4 月の協議後の会見でも、「重要な分野で溝が 残る」ことを双方が認めており、今後の協議の行方について引き続き注目していく必要が ある。 2.暫定合意に対 2.暫定合意に対 2.暫定合意に対 2.暫定合意に対するするするする反応反応反応反応 (1) 歓迎・支持派 米オバマ大統領は暫定合意について、「歴史的な合意」でありイラン核問題の包括的解決 に向けた重要な一歩だと評価した。また、イランではロウハニ大統領のみならず、イラン 国民も経済制裁の解除に対する期待を高め、同大統領の戦略を支持した。 日本は今回の協議には参加していないが、岸田外務大臣がイランのザリフ外相と事前に 会談した。会談において、核兵器を保有する意図はないとするイランの立場を評価し、「解 決に向けて全ての関係者が真摯に協議することが重要である」との認識を共有し、両国に よる共同声明を発表した。日本としては、核兵器保有国を増やさないという核不拡散の追 求と、石油・天然ガスの供給源であるペルシャ湾岸地域の安定化によるエネルギーの安定 供給を期待していることがうかがえる。 (2) 反対・強硬派 暫定合意に対する反対・強硬派として、イスラエル、米国議会、サウジアラビアが挙げ られる。 イスラエルのネタニヤフ首相は、今回の暫定合意について、「歴史的な合意ではなく、歴 史的な過ち」と激しく反発しており、今後の交渉においてイランが核兵器保有を断念した との確証が得られなければ、イスラエルが武力行使に踏み切る可能性も示唆している。 また、米国議会にも反対派の議員が多い。米国にはユダヤ系の団体が数多くあり、イス ラエルに協力的な政治家への多額の選挙資金提供を通じて、米国議会においてイランに対 する制裁の緩和に強く反対する姿勢を示している。2014 年 3 月には、議会の上下両院の全 議員の約90%もの議員がオバマ大統領に書簡を送り、イランが暫定合意の公約に不実行や、 最終合意に達しなかった場合には、追加の制裁措置を直ちに講じるべきだとして、議会と の協議を求めた。 米国と親密な関係にあったサウジアラビアは、米国がイランとの間で秘密外交を実施し ていることに衝撃を受けたと指摘し、米国の中東政策を非難した。また、核兵器を開発・

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購入する可能性があることも示唆しており、米国のイランとの関係を見極めながら戦略を 見直すといった慎重な姿勢である。 3. 3. 3. 3.中東における外交関係中東における外交関係中東における外交関係の変化中東における外交関係の変化の変化 の変化 (1) サウジアラビアと米国の揺らぐ関係 イランと主要 6 カ国との核に関する暫定合意以前から、中東と米国との政治関係に変化 が生じてきていた。まず、安定が続いていたサウジアラビアと米国との関係であるが、エ ジプトを巡って、両国の対応に食い違いがあり、関係が揺らぐ要因となった。また、2013 年 10 月には、サウジアラビアは、国連安全保障理事会の非常任理事国に選出されたが、そ れを辞退した。パレスチナ問題やシリアの内戦終結に国連が機能を果たしていないことが 理由とされたが、総合情報庁長官のバンダル王子は、「安保理入りの辞退は、国連ではなく、 米国に対するメッセージだ」とコメントしており、米国の中東政策を批判した1。イランと 主要 6 カ国との暫定合意でも、米国がイランと妥協の方向に舵を切っており、最終合意に 至れば協調路線を歩む可能性が高いため、サウジアラビアと米国とは依然として緊迫した 関係にあり、今後のサウジアラビアの外交を注視していく必要がある。 (2) イランと欧米との関係改善 一方イランは、ロウハニ大統領がイランの新年に合わせた演説で、核問題解決に向けた 交渉について「核合意による対イラン制裁の解除を目指す」と述べ、全力を尽くすことを 表明した。これに対して、主要 6 カ国も新年の祝意を表明しており、イランの孤立的な立 場は改善している。演説では、「経済成長の年にする」ことも強調しており、物価上昇率の 抑制、国民の生活改善、通貨リアル暴落の回避等、経済政策に力を入れていくためにも、 欧米との関係改善は不可欠となる。 (3) 中東諸国間の関係変化 サウジアラビアとイスラエルとが歩み寄りを見せていることも大きな変化である。イス ラエルが、国交のないサウジアラビアやクウェートと、国交樹立を視野に秘密対話を行っ ていることを、イスラエルのリーベルマン外相が公表した2。サウジアラビア、クウェート の両国は否定したが、それが事実だとすればイランに対する包囲網を構築する意図がある ものと見られる。 また、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの3カ国が、カタール の「内政干渉」を理由に同国に駐在する大使を召還するとの共同声明を発表した。これは カタールが、ムスリム同胞団を支援し続けることに強い不満を示したもの。更には、サウ ジアラビアはカタールに対して、ムスリム同胞団との関係を断つこと、アルジャジーラ放 送を閉鎖すること、カタールにある米国の2つのシンクタンクを追い出すことを要求し、 受け入れなければ陸海封鎖をすると発言した3。湾岸諸国内の外交秩序においても、様々な 異変が起きている。 1 2014年 4 月 16 日の各種報道によれば、バンダル王子は 4 月 15 日に「健康上の理由」でサウジアラビ ア総合情報庁長官の職を辞した。 2 2014年 4 月 15 日付け各種報道による。 3 ハフィントン・ポスト(米系オンライン専門ニュースサイト)による。

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(4) 中東諸国が協働で取り組めるテーマ ペルシャ湾を挟んだ中東湾岸諸国の外交関係は複雑であり、常に対立の構図が存在して いるが、各国が課題であることを認識し、協働で取り組めるテーマがあれば、関係改善の 糸口になるのではないだろうか。そのようなテーマの一つに環境問題がある。中東におけ る両大国であるイランとサウジアラビアが、取り組むべき長期的かつ具体的な課題として、 ペルシャ湾の汚染防止と浄化があり、このテーマを両国の信頼醸成措置として有効活用で きないだろうか。 4. 4. 4. 4.ペルシャ湾の汚染の状況ペルシャ湾の汚染の状況ペルシャ湾の汚染の状況 ペルシャ湾の汚染の状況 ペルシャ(アラビア)湾は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレー ン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンに囲まれた細長い形状の湾で、水域面積は約 26 万平方キロメートルである。ホルムズ海峡を通じてオマーン湾、アラビア海に繋がって いるが、海峡は幅約 30 キロメートルと狭く外海との水の交換が行われにくい環境にある。 ペルシャ湾は汚染が相当深刻化していると言われているが、その要因は様々である。ま ず自然要因として、半閉鎖的な海域であり外海との水の交換が行われにくいため、汚染物 質が滞留・蓄積しやすく、底質汚染が発生しやすい環境にある。人工要因としては、石油 関連の汚染が最大の問題である。湾岸戦争では、原油の流出や油井の炎上によって生態系 に多大な被害が生じ、環境破壊が進んだ。また、タンカー等の事故による石油の流出、油 井からの漏えいや石油生産設備からの含油排水による海洋汚染等、石油や天然ガスといっ た化石燃料が豊富なペルシャ湾ならではの問題がある。また、湾岸諸国の近年の急速な経 済発展に伴い、人口の増加と工業化、都市化が進み、工業排水や生活排水の流入、沿岸地 域の埋め立て、開発、下水流入等が、陸から発生する汚染原因となり、汚染を進めてしま っている。油井火災による大気汚染物質や都市の自動車排気ガスも、ペルシャ湾の汚染原 因となっている。 ペルシャ湾を囲む湾岸諸国の人々にとって、清浄な水を安定的に確保していくことは非 常に重要であり、その汚染防止と浄化は、ペルシャ湾を挟んだ両大国であるイランとサウ ジアラビアの双方が、協働で取り組んでいく必要がある課題であると考えている。湾岸諸 国の人々の食料の供給源となり、更に海水淡水化装置を通して水の供給源となっているペ ルシャ湾の浄化は、両国にとって政治経済枠組みを超えた環境問題として重要なテーマに なるはずである。 5. 5. 5. 5.環境維持の観点からペルシャ湾の浄化プロジェクトの必要性環境維持の観点からペルシャ湾の浄化プロジェクトの必要性環境維持の観点からペルシャ湾の浄化プロジェクトの必要性 環境維持の観点からペルシャ湾の浄化プロジェクトの必要性 日本は中東各国と友好関係を築き維持しており、日本がイラン、サウジアラビア両国の 間を取り持つことで、両国の関係を改善の方向に進め、日本の中東への関与を強めること ができないだろうか。 具体的には、歴史的に中東諸国と良好な関係を築いてきた日本が主体となって、ペルシ ャ湾の浄化をプロジェクトとして立ち上げ、両国を主要メンバーとし、ペルシャ湾の汚染 改善を進めていきたい。調査・提案に関しては、外部専門家の意見を取り入れる。

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ペルシャ湾に関する情報は多くないが、日本の専門家へのヒアリングを行った結果、採 水装置の利用や衛星を利用した海底の地形分析、海洋データに基づく将来的な気候予測等、 技術を駆使することで様々なデータを取得できることが確認できた。 但し、政治経済ではなく環境というお互いの利害関係が共通するテーマであっても、イ ラン、サウジアラビアの両国が協議を行うのは容易ではないと考えている。まずは、両当 事者を同じテーブルに着かせるためにできるだけテーマを絞り込み、両者の利害が一致す るポイントを探し出しながら、ペルシャ湾汚染浄化の調査を提案することが重要であると 考える。 6.まとめ 6.まとめ 6.まとめ 6.まとめ このような国際共同プロジェクトが奏功すれば、世界のエネルギー資源供給地域である 湾岸諸国が政治的・社会的に安定し、エネルギー安全保障の確保に留まらず、経済界が将 来有望な市場へ進出する際のリスクを低減させることもできるだろう。 これまで、日本の当該地域への関与は、石油・天然ガス供給地域対応に限定されており、 その対応もイスラエル・パレスチナ、イランの核開発、スンニ派とシーア派の対立といっ た個々の問題を抱え、制約条件を理解した上で、それらの連立方程式の同時解を求めなけ ればならない難しさがあった。 日本が全ての問題に取組めるわけではないが、財政問題に苦しむ米欧が当該地域への関 与の度合いを引き下げる可能性がある中、環境問題を突破口とした日本の関与につき、今 まさに論ずることが求められていると言えるだろう。 以上

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