1
論 文】 UDC :614.
841.
41 :691.
71 日本 建 築 学 会 構 造系 論 文 報 告 集 第 395 号・
昭 和 64 年 1 月鋼 梁
一
柱部 材
の
加 熱 時
構
面
内弾
塑
性
ク
リ
ー
プ変
形
挙
動
に
関
す
る
研 究
’
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員古
右
安岡
金
村
田
部部
福 次 郎
*健
武
和
児
* *雄
** * 猛** * *、
中
* * * * * §1.
序 火災に より加 熱さ れつ つ t 軸 荷 重と曲げモー
メ ン ト荷重とを 同 時に受ける鋼 梁
一
柱 (steelbeam−
column )部 材 の変形 挙 動に関 する資料は, 鋼 構 造 骨 組の構 造 面の耐 火 設 計 を 合 理的に行う上で必要な情 報の一
つ で あ る。 ま た, 鋼 構 造骨組の 耐 火 設 計に お ける終 局 状 態を500
°
C
以 上 の高 温 時で構 造 体が崩 壊 する よ うな高 応 力 状 態に設 定する場 合に は,
材 料 的な面か ら は高 温で の詳 細 な応 カー
ひずみ関 係を考 慮す る必要が ある こ との ほかに,
高 温で顕 著に現れる クリー
プひずみの影 響を評 価す る 必 要が あると予 想さ れる。 高温ク リー
プ 現象 を 考 慮 して鋼 柱の火 災 時 挙 動 を 調べ た研 究 例と して は最初に, 筆者等の研究 1} やEggwertz
ほ か の研究Z) を挙 げることができ る。
これ らの研 究は,
構造 用 鋼材の高温時の第一
期ク リー
プ特 性が十 分に明ら かでは ない時期に行わ れ た もの で あ り, 高 温ク リー
プ デー
タ を大胆に 仮 定して偏心圧 縮 荷 重 を受ける鋼 柱の変 形 挙 動を解 析 的に調べ,
耐火 設計におい て高温 ク リー
プ の影 響を考慮す る こ と の重 要性を論じてい る。
筆 者 等は その後,
構造 用鋼材の 高温で の各 種の ク リー
プ 実験 を 系 統 的に行い,
高 温での鋼材の詳 細な ク リー
プ デー
タ を得る と と も に,.
非 定 常 温 度 下での鋼 材の高 温 力 学モ デルを提 案し た3}−
5)。
さ ら に,一
定温度・一
定 偏心軸 荷重下の鋼柱の クリー
プ変 形 挙 動 実 験 を行い,
部 材レ ベ ル での高 温ク リー
プ挙 動 を 実 験 的に調べ たG}・
η 。 ま た,
こ の研究で は, 実験結 果に基づ く詳 細な鋼材料デー
タ を組み込 ん だ数 値 解 析 法 により,
高 温 時で ク リー
プ崩壊に至る鋼柱の実験 挙 動 を 精 度 良く シ ミュ レー
トでき ること も示 し た。
一
方,
非定常加 熱を受け る鋼梁一
柱 部 材の挙 動 を 取り 扱っ たもの には,
Anderberg ほ か が行っ た中心・
偏心 圧 * 東 京 工 業 大 学 教 授・
工博 *1 熊本大 学 教 授・
工 博 * 牌 東 京 工 業 大 学 助 教 授・
工博 *ilt 熊 本 大 学 助 手・
工 修 i# # 韓 国 慶 北大 学校 講師・
工 博 (昭 和 6Z年ll月18日原 稿 受理} 縮 柱の研 究S 〕がある。 こ の研究では鋼柱の加 熱 実 験 例 を 有限要 素 法 解 析に よ り シ ミュ レー
ト し,
数 値 解 析 結 果に よっ て実 験 挙動 を ほ ぼ説明で き るこ と が報 告され て い る。 こ の ように鋼 柱の弾塑性クリー
プ熱変形挙動に 関する 既 往の実 験 的・
解 析 的 研 究で は,
実 験 資料の蓄 積 と熱 変 形 挙 動の数値解析 法の妥 当性の検証が主な成果と なっ て い る。 し た がっ て,
偏心 圧縮荷 重を受け る鋼 柱の弾 塑 性 ク リー
プ崩 壊 挙 動の 特性 や, 数値 計 算に よ り鋼 柱の高 温 時挙動が大 略予測で き ること等は既に示さ れて い る。 し か し ながら現 時 点で は, 鋼 構 造 骨 組の耐 火 設 計に役 立つ 資料を得るよ うな系 統 的で分 析 的な研 究が十 分に行われ て い る訳で は な い。 た と え ば,
鋼 梁一
柱の熱 変 形 挙 動に 及ぽす,
鋼 材の応 カー
ひずみ関 係の劣化の影響,
鋼 材の 高 温ク リー
プの影 響,
骨 組 中の梁部 材の熱膨張によ る鋼 梁一
柱 部 材の押し出しの影 響な どに関す る分 析を鋼 梁一
柱 の細 長 比や軸 力 比や曲げモー
メ ン ト荷重をパ ラ メー
タ と して系 統 的に調べ た研 究を見いだ すこと はで き ない。 本研 究は, 鋼 構 造 骨 組の耐 火 設 計に役 立つ 鋼 梁一
柱 部 材の高 温 時 挙 動に関 する一
資 料を得ること を目的と す る もの で あ り,
筆 者 等が提案し た鋼 材の高温力学モデル を 組み込ん だ数 値 解 析 法9}を用い て,
鋼 梁一
柱 部材の熱 間 挙 動を系 統 的に調べ , 特に高温 ク リー
プの影 響に着目 し て,
各 種の 要 因の影 響 分 析 を試み た もので ある。
な お,
本 論 文で は研 究 対 象 を 鋼 梁一
柱 部 材の基 本 的な 構 面 内挙 動に限 定し, 鋼 構 造 物に特 有な曲 げね じ れ座 屈 や局 部 座 屈の影 響は考 慮 し ない ことにす る。 鋼 梁一
柱部 材の熱 問で の曲 げねじ れ座 屈 等の構 面 外 変 形の影 響や 局 部 座 屈の影 響 等につ い ては続 報で あ ら た めて取り扱うこ とにする。
§2.
鋼梁一
柱 部 材の高 温 時 挙 動の検 討 方 法 鋼 構 造 骨 組が火 災で加 熱さ れる と,
梁 部 材の熱 膨 張に よ り柱部 材の一
端が水 平 方 向に押 し出 され,
柱にせ ん断 力が加わ る。
こ れ は鋼 構 造 骨 組の典 型 的な熱 応 力 挙 動で あ り, この場 合 15e〜
200℃ 程 度の比 較 的 低い鋼 材 温 度 で も柱部材の柱 頭,
柱 脚 部 分に降 伏域が生 じ ること が あ一
121
一
る
。
こ の よ うな挙 動 を経た後に,
鋼 材 温 度が 500℃ 以 上の高 温にな ると, 鋼 材の機 械 的 性 質は劣 化 するので鋼 構 造 骨 組の耐 荷 力 も 減 少し,
外 荷 重に耐え られ な く な り 骨 組の一
部ある い は全 体に崩 壊が生じ る場 合が ある10)。
最 初に述べ たところの加 熱さ れた梁 部 材の熱 膨 張に起 因 する骨 組の非 弾 性 挙 動は,
過 大な外 荷 重を受けて起こ る骨 組の非弾性 挙動 とは事情が異な っ ており,
梁 部 材の 熱 膨 張つ ま り自己ひずみに起因す る もの で あ る。 自己ひ ずみ に よっ て生じ る応 力は, 単純塑性理論に基づ く骨組 の極 限 解 析で求め ら れ る崩 壊 荷 重に はまっ た く影 響 を及 ぼ さない性 質 を持っ てい る の で, 高温時の鋼構造骨組の 崩 壊 挙 動に対し ても 同様に, 梁 部 材の伸 びによ る熱 応 力 の影 響ば小 さいと思われる。
この ことは高 温 時の鋼 構 造 骨組の強度 設計を考え る場合に は熱 応 力を考慮する必要 は ほ と んど無いこと を意 昧し て お り, 部 材レベ ルで得ら れ る耐 力 資 料 を 利 用して実 行で き るこ と を示 唆してい る。 以 上の 考 察に基づ き, 本論 文で は まずFig.
1
に示すH
形 鋼 断 面 梁一
柱 部 材モ デルB1 ,
B2
を 対 象に して,
以 下に説 明するよ うな 三種 類の検 討 を加え, 梁 部 材の押 し出しの無い場 合の部 材レ ベ ル での分 析 を行 う。 こ こで,Fig.
1
(A
),
(B
}のB
ユは部 材の両 端に曲r
M
l
L
(
1
P‘
θIpM
(
」−
.
ー
θ σrc=
0.
3σyRT一
旧
十一
僭
ip
IP
回
(B
)國
Fig.
1 H形 断 面 を持つ 鋼 梁一
柱の例 題IpM
(
MP
ー
H−
200x200x3x12 (C
)』
Wa(T)π
、斗
M θ2
駁
M
(
ip
ip
(A)画
(B)國
Fig.
2 水 平 押し出しを受ける鋼 梁一
柱の例 題一
122
一
1
、ユ
似
げモー
メ ン ト荷 重 を受ける例で あり,B2
は一
端の み に 曲 げモー
メ ン ト荷 重 を 受け る例である。
また図 中の, P は部 材 端に加わ る軸 方 向 荷 重,M
は曲 げモー
メ ン ト荷 重,
θ は材 端回転 角を表し てい るc,
ま た,Fig.
ユ (C
) は断 面 内の残 留 応 力 分 布 を 示し て おり,
残 留 応 力の最 大 値 σ.。 はフ ラン ジの外 端に生じ るもの で,
本 諡 文で は常 温で の鋼 材の降 伏 応 力σ y。T の 0.
3倍を用い た。 (1) §.
5で は,一
定 温 度・一
定 軸 荷 重 状 態で の BLB2
モ デルの曲げ モー
メン トM 一
材端回転 角θ関係を調 べ る。
こ れ は高温度での 鋼梁一
柱の 荷 重変形関係を高温 ク リー
プを考慮し ない で調べ , 耐荷力の 目安を得る もの で あ る。
(2 ) §.
6
で は,B1 ,
B2
モ デル に一
定 軸 荷 重P ,
一
定 曲げモー
メ ン ト荷 重M
が加わ りつ つ,
鋼 材 温 度T
がFig,3
のu −TYPE
の よ う に漸 増変化す る場合の挙動 を 調べ る。
これ は,
漸 増 温 度 状 態で の鋼梁一
柱の挙動に おける高温ク リー
プの影 響の程 度を調べ るもの であ る。 (3
) §.
7
で は, §.
6
で取 り扱っ たBl
,B2
モ デル の う ちの若 干 例に つ き,Fig.
3に示す 三種 類の 部 材温度 上 昇 速 度 下で の挙 動 を 求める。
こ れ は, 鋼梁一
一
柱の漸 増 温 度 状 態で の挙 動に及ぼす 温 度 上 昇 速 度の影 響の程 度 を 調べるもの であ る。
次に,
§.
8では Fig.
2に示す Dl,
D2 モ デルを用い て,
鋼 梁一
柱部材に 及ぼ す梁 部 材の押 し出し現 象の影 響 を調 べ る。 こ の例題 は 二体の鋼梁一
柱を直列につ ないだ もの で あ り,
軸 方 向 荷重P
と 曲 げモー
メ ン ト荷重 M が 加 わ る ほ かに,
接 合節点A
に梁材の 押し出し を想 定 し た水 平方 向の変位 肱 を加え るもので あ る。
最初に考察し た よ うに,
鋼 梁一
柱の高 温 時 崩 壊 挙 動に及ぼす 梁 部 材の押 し出しの影 響は小さい と予 想 されるが,
弾 塑 性クリー
プ 挙 動でその こと を示し た研 究 例は見 あた ら ない の で本 論 文で は若 干 例の検 討を行 うことにする。
§3.
建 築構 造 用 鋼 材の高 温 時の材 料 特 性 こ こ で は,
鋼梁一
柱 部 材の変形 挙 動 解 析に用い る構 造 用鋼 材の高温時の材 料 特 性につ い て若干の考察 を行っ て お く。
600 T(℃ ) 300、
《ダ
髴
翼 N’
z
6
鑑
副
諍
Y2
〈
eg
「グ
OO 60 120 180 t ( 町1inu 竜∈.
5) Fig.
3 鋼 梁一
柱 部 材 温 度の時 刻 歴1
、
5 ⊥ CtYRT1.
o 0.
5 OO O 10 20E〆EVRT 30 Fig
.
4一
定 温 度 下での鋼 材の応 カー
ひずみ関 係 3.
1 応カー
ひずみ関係 本 論 文で は,
文 献9)で提案した鋼 材の応 カー
ひずみ関 係 式を用い る。Fig.
4
は鋼 材ss
41 とSM
50の一
定 温 度 下で の応 カー
ひずみ関 係 を 同 式に より求 めたもので あ る。 こ の 図の縦軸は常温の降伏応 力 σ yRT で無 次 元 化し,
横 軸は降 伏ひずみεsitT の比で表してあり,破 線はSS 41,
実 線はSM
50を そ れ ぞ れ示してい る。
こ の 図か ら,
鋼材は300
℃ 程度の 温度に な ると降 伏 棚が徐々 に消 失し て曲線形の応カー
ひずみ関係に変 化し,
600℃ で は 20DC の 場合の半分 弱 まで応 カー
ひずみ関 係 が劣 化 するこ と な ど が分か る。
ま た, 400℃ か ら500℃ におい ては,
降伏後 直ち に か な りの ひずみ硬 化 を示し て おり,
これ を完 全 弾 塑 性 材 料で近 似 する こ.
と は適 当で は ない と思われ る。
SS
41 とSM
50の応 カー
ひずみ関 係の間には,
400℃ で若 干 差 異 が 見ら れ るもの の,
ほ か の温度で は ほ ぼ一
致 してい る。
し たがっ て,
SS 41 とSM
50の常温時の 降 伏 応 力 度 σyRT の違い を考 慮し た修正細長 比 λが同一
な 鋼 梁一
柱 部 材で あ れ ば,
高 温時で も そ の挙動は ほ ぼ一
致 す ることが予 想さ れ る。
3.
2
高 温クリー
プひずみ高温ク リ
ー
プひずみ を評 価 する式と して,
文 献 (3,4
) で提 案さ れている次 式 を用い る。
ε。=
10
°/ 「+b・
acX” d・
teT+ノ・
……・
・
……・
…・
・
…
(1}ここで
,
εc (% )は第一
期ク リー
プひずみ,
T (°
K
) は絶 対 温 度, σ (kg/mmZ )は 応 力,
t (分 )は時間で,
a,
b,
c,
d,
e お よ びf
は定 数である。
Fig.5
は,一
定温度500
℃ で各 種の応 力 比σ/σ。nT を 受け る鋼材の ク リー
プひずみ の時 刻 歴を式 (1 )により 求め た もの である。
ク リー
プひずみ は常 温 時の降 伏ひず み εyR ,の比で表し て,
SS
41 を 破 線でSM
5bを実線で 示、
して あ る。
この 図 よ り,
同一
の 応 力 比 状態ではSM
50
はSS
41 に比較し て大き な クリー
プひずみを 生 じ る こと が分か る。 し た がっ て,
軸 力比などの荷 重 条 件が同一
の鋼 梁一
柱の挙 動に及ぼ す高温 ク リー
プの影 響は SM 50のほうがSS
41
より大きい と予 想され る。
15 彑 EyRT 10 5 0 0 120 240 360 セ (minutes ) Fig.
5一
定 温 度,
応 力 下で の鋼 材の ク リー
プひ ず みの時 刻 歴 な お,
本研究で は常 温 時の 降 伏 応 力 としてSS
41に はσyRT=
2.
49 (t/cmz >,
SM
50に は (靹丁=
3.
57 (t/cm2 ) を 用い,
常 温 時の弾 性 係 数に はERT=
2100 (t/cm2 )を 用い た。
§4
.
H 形 鋼 断面 の高温 時 のM 一
Φ関 係 ここ で は鋼 梁一
柱 部 材の断 面レベ ル の基 礎資料を得る ために,
高 温 状態で軸力P
と曲 げモー
メ ン トM とを 同 時に受け る Fig.
1,
(c
)のH
形 鋼 断 面の曲 げモー
メ ン トー
曲率関係 (M 一
φ関係 )を調べ た。
M 一
φ関係の計算
は平 面 保 持 を仮 定 しk 断 面 分 割 法で 行い,
一
定 温度 T・一
定 軸 力P 状態で断 面の曲 率 φを 漸増し, つ り合い を満たす断 面 平 均 軸ひずみ EN と曲 げ モー
メン トM
を繰 返 し計 算に よ り求め た。H
形鋼 断 面の板 要 素の中心線方 向に 断 面 分 割 を行い,
フランジー
枚を40分 割,
ウエ ブー
枚 を20分割と した。
また残 留 応 力 σ.は常 温 時に弾性 係 数ERT
で除 し て断 面 内に存 在する初 期ひずみ εr と して計算に考慮し た。
なお, こ こ で は高 温ク リ
ー
プは考慮 し ない。
4
種類の常 温 時の軸 力 比 PIP .=O.0,0.2,0.3,0.4
に対 し,
4種 類の断 面温度 T;
20,
400,
500,
600℃ の 場合の M一
Φ関を求め, そ の結 果をFig.
6に示 す。
同 図’
の縦 軸は常 温 時の軸 力P
を考 慮 し た常温時の全 塑 性 モー
メ ン トMpc で 無 次元化 して あ り,
横 軸 は φρ。=
M.fEI
の比で表 してある。
こ こ で,
El は常 温 時の 断 面 剛 性で あ る。 い ずれの 軸 力 比の 場 合 も400℃ ではSS
41はSM
50
よ り も小さ めの 値 を 示す が,
500℃ お よ び600°
C
で は 両者は ほ ぽ一
致 してい る。 なお,
高 温 時のM 一
Φ閧係は な め ら かに降 伏し, 続い て 直ちに硬 化す る形に な り, 常 温 時に見 ら れ る よ う な明 瞭な降伏 棚的な塑性流れ域は存 在し ない。 し た がうて,Fig.6
の結 果か ら,
軸 力と曲げ モー
メ ン トを受け る断面のM −
¢ 関 係の降 伏 現 象の相 関 図を作 成す る た め に は,
何 らか の仮 定が必 要である。一 123
一’
ま た
,
常 温 時の 軸 力 比が O.
3− O.
4 で 断 面 温度が 600℃ の場 合で は, 常温 時の軸力 比が 0.
Oの場合に比較 し て,
曲 げモー
メ ン トの抵 抗が著し く低下 す ること が 分 か る。
こ の ことは常 温 時の全 塑 性モー
メン トMpc
を基 準 値に用い て 設 計す る場 合に は,
常温時で の 軸 力比PIPv
が大きい場 合ほど高 温 時には危 険 側に な ること を 意 味し てい る。
1.
5 ⊥ Mpc1.
0 O.
5 o』
Oo 1.
5 ⊥ Mpc1、
0 0.
5 o・
OG 1.
5 ⊥ Mpc1.
0 05 e.
D 5 Φ/ΦP、 1° 0 1・
5 M Mpc1.
o o.
5 oo 5 Φ/Φpc 10 0 s Φ/鰍 10 5 Φ /ΦP− o Fig.
6 H形 鋼 断 面の M一
φ 関 係 §5.一
定 温 度・一
定 軸 荷重 状 態の 鋼 梁一
柱 部 材のM 一
θ関係 こ こ で は,
§.
2
で述べ た ようにFig.
1に示す鋼 梁一
柱 部材の解析例B1 ,
B
2の一
定温 度・
一
定 軸 荷 重 状 態で の材 端 曲 げモー
メ ン トM と材 端 回 転 角 θとの関 係 を求 める。 そ して,
断 面 温 度の上 昇に伴 う鋼 材の応 カー
ひず み 関 係の劣 化が,
鋼 梁一
柱 部 材の耐 荷 力の低下に及ぼす 影 響を調べ る。 計算 例に は,
Fig.
1の例 題B1 ,
B2 そ れ ぞ れに対して,
二種 類の鋼 材SS
4ユとSM
50,
三種類の細 長比λ=
20,
30,
40,
三種 類の常 温 時 軸 力比 P /Py
= O.
2,
0,
3,
0.
4,
部 材 温 度に は最 高 600℃ か ら低い 方へ50
℃ きざみ に400DC
程 度まで の一
定 温 度 を設 定し た。
鋼梁一
柱 部 材の数 値 解 析 法に は文 献9)で示し た一
次 元有限 要素法に よ る複 合 非 線 形 解 析 法 を用い,一
部材を 材 長方 向に40
分割し,
部 材 断 面は§.
3と 同 様の分 割 と し た。
計算は変 位 制 御 法で行い, 目的の一
定鋼 材温度T
で所 定の軸 力 P を加え た後, 材 端回転 角θ を漸 増さ せ て対応する材 端 曲 げモー
メ ン トM
を求めた。 な おこ こ で は,
高 温ク リー
プひずみ は計算に考 慮し ない。 解 析 結 果の う ち, Fig.
7に軸 力 比P
/Py=
0.
3の場 合 のM 一
θ関 係を,
Fig.
8に変 形 図 を,
Fig.
9
に 全例の曲 げモー
メ ン トの最 大 値を示 し た。
Fig.
7の縦 軸の 曲げモー
メ ン トは,
常 猛での全 塑 性 モー
メ ン トM
ρ ,で無次元 化し,
横 軸の材 端 回 転 角はM
. c を常 温の鋼梁一
柱部材の 弾 性剛性で除し た epcの比で表 し た。 1.
5M 呶 トo o.
5 OD o1.
5M 賑 レ0 c5 oo O 5 1.
5 ⊥ Mpc1.
O 0.
5 o.
0 10 15 0 e/epc 15 M Mpc1.
o o.
5 5 10 15 0 日/epc o心 2e o le 10 20 0 e/ePt e/epe Fig.
7 鋼梁一
柱の M一
θ関係 5 10 15 e/ep・
10 20 e /転一 124 一
Fig
.
7から分か るよ うに,一
端 曲 げモー
メ ン トを受 け る B2 の 方が両 端 曲げモー
メ ン トを受ける B1 よりも 粘り強い挙 動を示 す。 また,
いずれ の場 合 も断 面 温 度が 高い程,
ま た細 長 比が大きい程 M一
θ関 係は低 下し,
同一・
の細 長比 λ,
軸 力比 PIPy では,
SS 41 (破 線 )の方IpM
.
(
M(
M(
圃
SM5
。 λ・30
1p
Ip
言
50505 匹 α ー11
,
22需
一
50505 σ 2a P/Py=0・
3↓
PM(
♀
1
:
き
.
5四
20
(℃)國
SM5 。 X・30 P/Py・
。・
3 Fig.
8 鋼 梁一
柱の変形 図 がSM
50
(実 線 )よりも若 干粘り強い挙動を示し て い る。さ らに
B2
の よ うに,
常 温で全 塑 性モー
メ ン トM
. を超え て粘 り強い 挙 動を示す鋼 梁一
柱 部 材で も,
鋼 材 温 度 が 500℃ か ら600
℃ に な る と,Fig.
7の よ うに細長 比が30程 度で は脆い挙 動 を示す 場合が あ り,
両 端に曲 げモー
メ ン トを受け るB
ユの場合と同様の設計上 の配 慮が必 要とな るこ とに注 意す る必 要が あ.
る。
こ の こ と はFig.
8の変形図に も表れてお り,
B
2
の場 合の断 面 温 度20
°
C
で は曲げモー
メ ン ト荷 重が加わ る側 の材 端に変 形 が 集 中す るの に対 して,
断 面温度 600°
C
の場 合に は大きな変形は部材の中央 寄りに生じてお り,
両 端 曲 げモー
メ ン トを 受け るBl
の挙動 と似 通っ て い る。
Fig.
9の縦 軸の最 大 曲げモー
メ ン トは,B
1の場合は Fig.
7で▽印を付けて い る常 温の曲 げモー
メ ン.
トの耐 力Mv
を用い,
B 2 の場 合は常 温で の全 塑 性モー
メ ン トM
.。 を用い て無 次 元 化 し て い る。 また, Fig.
9の横 軸は 修正細 長比 λ=
λ/λ。 (こ こ で λe は限 界 細 長 比 )で表し てい る。
図 よ り 鋼材温 度 400°
C
か ら450°
C
で はSS 41 の最 大 曲げモー
メ ン トはSM
50の そ れ を下 回る が,500
℃ か ら600
℃ で はSS
41
とSM
50
の最 大曲げモー
メ ン トは ほ ぼ一
致 してい る。
ま た,
常 温 時の軸 力 比や細 長 比が大 きいほ ど常温時のM
。 。やMv
か らの低 下が著 しい こと が分か る。こ こ で
,
塑 性設 計で用い る 過 荷 重 時荷重係 数の値を文
献 11>に示さ れ て い る 1,
65と仮定す る と,
常 温 時で外 1.
0譱
1.
o箭
e5 °5 ゜ 僧210 ⊥ 晦 es ゜ 男2 03o.
4 e.
o o・
sI o’
t 0104 10最
o.
5 03 10 譱 C5 ぴo ° ‘ °・
sx c21e ⊥ 呶 a5 co ao °5x °2 °・
コ ゜‘ °5T °』
2 Fig.
9 鋼 梁一
柱の高 温 時の最 大 耐 力 03 04 05 天 0.
3 04051一
125
一
10 ⊥ θ卩c 5 0010 100 200 300 400 500 600 T〔
°
C) 10 ⊥ θPこ 5画
SM50 λ=30PIPy =O.
3一
一
一
一
eep−
eepc M/M▽=
α6 0,
4 00 10 θ 飯 5 00100 200 3DO 40Q 100 200 300 400 500 600 T (’
C〕 e θpc 5國
SM 50 入≡
30P /Py=
o・
3一
一
一
一
e叩一
eepc 0 500 600 0 100 T(°
C) Fig.
10 鋼梁一
柱の θ一
T 関 係 200 300 4eo 500 600 丁1℃ ) M・
(
o.
6MワiP
M(
’
iP
M・(
M層
o.
4M▽
σ …,
.
…炉
250‘国
C} 1・
350【℃.
一
300 400.
層
.
圏
.
350圏
一
400 1450500 : 443 1517 : 丶 : 3.
.
卩
.
: … M(
[亟]
SM50
λ
=
30 M・
(
O・
6Mpc P P/Py=
0・
31pM・ (
0・
4Mpc 300(’
C) 350400450503(
▽「
ふ
M α M(
M.
(
0・
2Mpc・
350(℃ ) 4004505ee・
549[
B2]
SM50
λ=30
P/Py
=
O.
3 Fig.
11 鋼 粱一
柱の変形図iP
Ip
3so{℃]2
量
8
蕁
98S72
k
。
lo 1 400{’
C).
急
き
8
.
1
認
m]」
.
, 0 2 荷 重に対 し て ぎ り ぎ り に設 計 され た部材の場合,
鋼材 温 度の上 昇に よ り耐力 が常 温 時の O.
6 倍まで低 下 すると 強 度 的な 問 題が生 じ るこ とに なる。
こ の温度はFig.
9か ら分か る よ う に.
細長 比に よっ て かな り異なり,
450℃ か ら600℃ の間で変 化す ること が分かる。§
6.一
定 外 荷 重,
漸増温度状 態での鋼 梁一
柱の 変 形挙 動 こ こで は,
Fig.
1に示す鋼 梁一
柱部材に一
定の軸 力P
および一
定の 曲げモー
メ ン ト荷 重M
が 同時に加わ っ た 状 態で,
部材温度T
が徐々 に上 昇する場合の 変形 挙 動 を求める。
そ して, 温度に よる鋼 材の応 カー
ひずみ関 係 の劣 化および高 温ク リー
プ 現象が鋼 梁一
柱の変 形 挙 動に 及ぼす 影 響 を調べ る。
計算 例に は,
Fig.
1の例 題 Bl,
B2 そ れ ぞ れ に対して,
二種 類の鋼 材SS
41お よ びSM
50,一
種 類の細 長比 λ=
30,
三種 類の軸力 比P
/Py=
・
O.
2, 0.
3
,0.
4,
三種 類 の曲 げモー
メン ト荷重比 (B1 に対 し て はM
/Mv
=
O.
2,
0
.
4, 0.
6,B2
に対 して は MIM . =O.
2,
I
O.
4,
0.
6),鋼 材温度は 120分間に 0℃ よ り600℃ まで線 形に上 昇 す るFig
.
3のU −TYPE
を設 定し た。
計 算は所 定の軸 力P
お よ び曲げモー
メン ト荷 重躍 を 加えた後,
こ れ ら の外荷重を一
定に維 持し た状態で鋼材 温 度T
を 上昇させ る方 法で行っ た。 な お,
0℃ か ら 20℃ までの材料特性は20℃ の値 を用いた。
また
,
高温 ク リー
プの影 響を調べ る た めに,
すべ て の 例題で高 温ク リー
プひずみ を考 慮す る弾 塑性ク リー
プ解 析 と考 慮し ない弾塑性解 析の両 方 を行っ た。
計 算 結 果の う ち
,Fig,
10に軸 力 比P
ノ」Pu
・
O.
3の場 合 の材 端回 転角 θの温 度 歴 を ,Fig.
11に軸力 比P
/Py =
一
126
一
4 虹
e。p, e・・
可
2 1 1 O O 300 400 500 600 300 400 500 600 T(℃) T(
°
C〕 4 堅 eep 3 2 1 4eepceep 3 2 1 0 0 300 400 500 600 300 400 500 600 T(℃} T(°
C) Fig.
12 鋼梁一
柱の θ一
T関 係に及ぼす 高 温クリー
プの影 響 600 丁Cr (℃} 騨DO 40Q 3°260eTcr (
°
C} 50D 400 3°亀
、
2 6DO Tcr (°
C) 04 0.
6 M/M▽ 500 40e 1°°6
、
2600Tcr 〔°
C) soe 400 300 0.
4 0・
6 02 M/Mpc 0.
4 0.
6 M/Mv Fig.
13 鋼 梁一
柱の崩 壊 温度 Q4 06 M /MpcO.
3
の 場 合の変 形 図を,
Fig.
12に弾 塑 性ク リー
プ 解 析 に よ る 材 端 回 転 角 θ。pc と 弾 塑 性 解 析 によ る 材 端 回 転 角 θ。ρ との比 θ。pc/θ。p の温度歴 を,
Fig,
13に は加 熱さ れ た 鋼 梁一
柱 部 材の崩 壊の おこっ た温 度T。
。
を示し た。
Fig.10
で は弾塑性 解析の結果 θ。ρ を破線で,
弾塑性 ク リー
プ解析 結果 θ。ρc を 実 線 で示 してい る。
解 析 結 果 は, 部 材 温 度が 300℃ 以 上に な る と変形 が徐々 に増 大 し,
450℃ 以 上の温 度で外 荷 重に耐え ら れ な く な り崩壊 する挙 動 を示し てい る。
また,
曲 げモー
メン ト荷 重が大 き い ほど崩 壊する温 度は低く な る こ と や, 実 線と破 線と の差で表 される高 温ク リー
プの影 響は部 材 温 度が450°
C
以 上で顕 著に な る ことなど が分か る。Fi9.
11の変 形 図 か ら,
593°
C 程 度で崩 壊す る B2 の例など
は, 両 端 曲 げ モー
メ ン ト荷 重 を 受 けるB1
の変 形に近い こと が分か る。
Fig.
12は Fig.
10の実 線 θθ
ρσの値 を破ec
eeρの値で除 し た e。pc/θ。p の温 度 歴であり, 高 温ク リー
プひずみ の影 響を表 し た もの で あ る。
こ の図に よる と,SM
50の 場 合は SS 41の場 合よりも 高 温ク リー
プの影 響が大きい こと,
常 温 時の軸 力比が大きい場 合ほどクリー
プの影 響 に よる変形が大き くな る傾 向が ある こと,
500℃ 以上の 高 温度で はe
。pa/θ。ρ が2〜
3程 度になっ て おり,
こ の 温 度域で は高温 ク リー
プ現象が鋼梁一
柱 部材の変形に及ぼ す影 響は相 当に大きい こ と などが 分 か る。
Fig.
13の崩 壊温度は,
曲げモー
メ ン ト荷 重比 M /Mv,
M
/M
. を横 軸に,
軸 力 比PIPy
をパ ラ メー
タ に し て表 して い る。 同 図の実 線は高 温クリー
プひずみ の影 響 を 計 算に考 慮し た弾 塑 性ク リー
プ解 析の結果 Tcr.
。
ρ。
であ り,
破 線は考 慮 し ない弾 塑 性解析の結 果T
,r,
.ep で あ る。
崩 壊 温 度は曲 げモー
メ ン ト荷 重 比 が大きい ほど,
ま た常 温 時の軸 力 比が大きい ほ ど低く な る。Fig.
13によ る と,
鋼梁一
柱の崩 壊温度の 高温 ク リー
プの影響に よ る低下は 5〜
15℃ 程 度で あり,
本 例の よ う な漸 増 温 度下での崩 壊 温 度に及ぼす高 温ク リー
プの影 響は小さいと言え る。
§7、
鋼 梁一
柱 部 材の弾 塑 性 ク リー
プ変 形 挙 動に及 ぼ す 温度上昇 速 度の影 響 §6.
では鋼梁一
柱 部 材の温度 時 刻 歴とし てFig.
3のu −
TYPE
の み を用い た。し
か し,
耐火被覆さ れ た鋼部材 の温度 時 刻 歴は火 災 室の温度 時 刻 歴,耐火被覆材の性 能, 鋼 部 材の熱 容 量などに影 響 を受け る ので,
鋼材の温 度 上 昇速 度もい ろい ろ な場 合が考え られ る。
こ こ で は温度 上 昇速度の違いが鋼 梁一
柱の弾塑性ク リー
プ挙動に及ぼ す 影 響 を調べ る。
計算 例に は,Fig.
’
1の 例題B1
,B
2そ れ ぞ れに対し て, 高温 ク リー
プの影 響が比較的 大きいSM
50
材,
部材の 細長 比 λ= 30,
軸 力比PIPy
=O.
3,
曲げモー
メ ン ト比 は MIMv , MIMpc=
O.
2, 0.
4, 0.
6を 設定し た。
鋼 部 材 温 度 の 時 刻 歴 は Fig.
3 に 示 す F,
u,
s−
TYPE の 3種 類を用い る。
U・
TYPE は §6.
で用いた温 度時 刻 歴 で あ り,
F−
TYPE は60分 間で 600°
C に,
S・
TYPE
は180
分 間で600
°
C
に 上昇す る もの で あ る。
し た がっ て,
温 度 上 昇 速 度 はF ・
TYPE
でT =:
10一
127
一
10 ⊥ ep⊂ 5 oo100 200 300 400 500 600 了(℃ ) 10 ⊥ epc 5 Oo
圃
5M 50 λ=
30PIPv=
O・
3一
幽
”
eep−
eep匸 M/Mpc昌
O・
6 SUF「
ρ
100 200 300 400 500 1iOO T(℃ ) Fig.
14 鋼 梁一
柱の θ一
T関 係 5 壓 eep 4 3 2 1 5 壓 eeP 4 3 2 1 o o ヨOO 400 500 600 300 400 500 600 τ(℃ 〕 T(℃) Fig.
15 鋼 梁一
柱の θ一
T’
関 係に及ぼ す高温 ク リー
プの影 響(℃ノ分)
,U −TYPE
で T;
5 (℃ /分),
S
−TYPE
で T=・10/
3
(℃/分)と な る 。 解 析 結果 と して,Fig.
14に例 題B1
,B
2の材 端 回 転 角 θ の温 度 歴を,
ま たFig,
15にB1 ,
B
2の弾 塑 性ク リー
プ 解 析 結 果 θ。p。 を弾 塑 性 解 析 結 果 e。ρ で除し た もの の 温 度 歴を示 し た。 Fig.
14か ら,
当 然の こと な が ら 温 度上 昇が 遅い ほ ど同一
温度での変形量 が大き く な り,
わ ずか つつ で は あ る が部 材 温 度上昇が遅い ほど崩 壊 温 度は 低く な るこ と が分か る。 ま た Fig.
]5か ら,
部 材 温 度 上 昇 速 度の違い による変 形 量の 差は,
500℃ 以1
二で急 激に 大き く な ること が 分 か る。
§8.
梁の押し出しを受け る鋼 梁一
柱の変 形挙.
動 こ こ で は,Fig.
2に示す例題Dl
,D
2を用い, 加 熱 さ れ た梁材の熱 膨 張に よ る押 し出し が鋼 梁一
柱 部 材の変 形 挙 動に及ぼ す影 響 を調べ る。
§2,
で述べたよ うに,
梁 の熱 膨 張は自己ひずみ の一
種であり,
単 純 塑 性理論に基 づ く極限 解 析に よる崩 壊 荷 重には影 響 を 及ぼ さ ない。 し か し, 本 論 文の鋼 梁一
柱 部 材の変 形 挙 動 解 析には変 位と 軸力に よ る二 次 効 果が考 慮され て お り, 熱 変 形の影 響が まっ た く無いとは言え ない ので,
数 例につ きそ の影 響 度 を調べ る。
火 災加熱を受ける鋼構造 骨組の熱 応 力挙 動は, 梁部 材 と柱部材の相互作用 とい う側 面が強く表れ る の で,
柱 部 材 だけを単 独に取り出した計 算モデル で こ の挙 動 を 厳 密 に表すこ と は困 難で ある。 こ こ で は,
柱 部 材だ けで構 成 され る単 純な計 算モ デル により,
梁 部 材の押し出し を受 け る柱 部 材の挙 動を 近 似的に表現 す ること に し,Fig.
2 に示す解 析モ デルD1 ,
D
2を考 案 し た。
こ の例は 2本 の鋼 梁一
柱 部材を直列につ ないで構 成し たもの で あ り,一
定の外 荷 重P ,M
を加え た状 態で部 材 温 度 T を 上 昇 さ せつ つ,
梁材の押し出 しに相 当する水 平 変.
位 Wa(T) をA
点に加え る もの である。
監 (T )は部 材 温 度 丁 の 1e2epc
5 Oo100 200 300 400 500 6QO T (°
C) 10 皇 ep⊂ 5 Oo100 200 300 400 500 600 TC“
C) Fig.
16 水 平 変 位を 受 け る 鋼 梁一
柱の θ一
T閧係一
128
一
関数と し
,
次式で表す。 既(T
>=k ・
α(T)・
L…・
・
…一
・
・
……一 一 ・
・
・
・
…
(2) こ こ で,k
’
は定数,
α(T
)は鋼 材の伸び率,
L
は柱 長 と す る。 本 例で はk=0.
O,3.0
の二種 類を用いた。
鳶=
0.
0
は梁の水 平方向押し出し が ない場 合であ り,k=
3.
0 は柱 部 材 長L
の 3倍の長さ を持つ 梁 部 材の 自由 熱 膨 張 量 をA
点の水平強制 変位と し て加え ること に対
応す る。 なお,鋼 材はSM
50,
細 長 比 λ=30,
軸 力 比P
/Py
=0,
3,
曲 げモー
メ ン ト比 M 〃Mv , MIM ρc・
=
O.
2, 0.
4, 0,
6, 部 材 温 度 歴はU ・
TYPE
を 用い る。
解 析 結 果の う ち, Fig,
16 に A 点の 回転 角 θ の温 度 歴 を,
Fig.
17 に変 形 図の例を, Fig.
18に上下 梁一
柱 部 材の A 点 側の材 端 曲 げモー
メ ン トMu,
職 の温 度 歴 を示 す。 Fig.
16の実 線は h=
3.
0の場 合,
破 線は k=
0,
0の場 合の結 果を示し て い る。
実 線は, 梁の押 し出し の影 響に よっ て比 較 的に低い温 度 状 態か ら破 線よ り大き な値に なっ て い る。
しか し, 柱が不安 定にな り崩 壊する挙動は 両 者ともほとんど同じ時 点で起っ てい る。
こ の ことは, 梁 材の押し出 しは比 較 的 低い温 度 域での鋼 梁一
柱 部 材の P 回 . P2MC
°
C} o100200300 Fig.
17 水 平変 位 を 受ける鋼 梁一
柱の変 形図 國 変 形 量には か な り影 響 を 及ぼ す が, 高 温での崩 壊 挙 動に 及ぼ す影 響は小さいこ と を示し てい る。
Fig.
17の 変 形 図か ら, 梁 部 材の水平方 向の押し出し に より鋼 梁一
柱 部 材に はせ ん断 形の変形が生 じ,
崩壊 時 に は外 荷 重 P,
M に よる変 形が それ に重なっ て現 れ る こと が分か る。
Fig
.
18の材 端 曲 げモー
メ ン トの 図か ら は,
比 較的
低 い温度か ら梁一
柱 部 材は非 弾 性 挙 動を示すこ と や,
崩 壊 時に は部材の曲 げモー
メ ン トは初 期 状態の 曲げモー
メ ン ト値まで劣化して いること な ど が分か る。 §9.
結 び 本 論 文では,
鋼 構造建 築 物の耐火設 計に必要な鋼 梁一
柱 部 材の高 温 時 挙 動に関す る一
資料を得る目 的で, 高温 時の建築 用 鋼材の応 カー
ひずみ関係の劣化,
高温ク リー
プひずみの発 生,
お よ び梁 部 材によ る鋼 梁一
柱 部 材の押 し出し な どの影 響の分 析に着 目し たい くっ かの数 値 解 析 を試み た。
こ れ ら の解 析 結 果や導か れ た結 論は以 下の よ うに要 約さ れ る。
(1 )一
定 温 度,一・
定 軸 荷 重 状 態で の鋼 梁一
柱 部 材の M一
θ関 係を調べ,
常温時の軸力 比 や細 長比 あ るい は鋼 材 温 度 な ど がM 一
θ 関 係の最 大曲げモー
メ ン トの 低 下に 及 ぼ す影 響を示し た。
(2 ) 常 温 時で は粘り強い挙 動 を示す一
端 曲 げモー
メ ン ト荷 重を受ける鋼 梁一
柱 部 材で も,
高温時に は応 カー
ひ ずみ関 係が劣 化する ため最 大 曲 げモー
メ ン トが低 下 する とと もに,
M一
θ関 係の形 状 その もの も両 端 曲 げモー
メ ン ト荷 重を受け る場 合と類 似し た比 較 的 脆い挙 動を示す よ うに な る場 合がある。 (3
)一
定 外荷重,
温度上 昇 速度5
(℃ノ分〉の漸 増 温・
度 状態の鋼 梁一
柱 部 材の挙 動解析 結果 よ り,
高 温ク リー
プの影 響はSS 41に比 較 して SM50
の場 合が大き く表 れ ること,
常温時の軸 力比 が大きい場合ほど高温 ク リー
プの影 響に より変 形 量は大き く な る傾 向がある こと,
500℃ 以上の温度 域で は θ。p,/θ。p が 2〜
3に達す る の で, この温度 域で は高 温ク リー
プ現 象が鋼 梁一
柱の変 形に及 Mu,
LMpc 1.
O 0.
5 o.
o一
〇、
5一
1.
0 0100 Mu.
LMPC 1.
0 200 300 400 500 6QO T(℃ ) O.
5 0、
0一
〇.
5一
10 0100 200 300 400 500 600 T(℃ ) Fig,
18
水平 変 位 を 受け る鋼 梁一
柱の曲げモー
メン トMu,
M,の温 度 歴一
129
一
ぽ す影 響は か な り大きい こと などが示され た。 ま た
,
高温 ク リー
プの影 響に よ る鋼梁一
柱の崩 壊 温 度 の低 下は本例の場合 5〜15
℃ 程 度と なっ て お り,
本 解 析例に関する限り崩 壊温度に及ぼ す高温クリー
プの影 響 は小さい。
(4)一
定 外 荷 重,
漸 増 温 度 状 態で の鋼 梁一
柱 部 材の 挙 動に及ぼ す温 度上昇 速 度の影 響は,
部 材 温 度が 500℃ 以上に な っ た時 点で大き く表れ る ようになる。 (5 )二本の鋼 梁一
柱部材を直列につ な ぎ,
中央の接 合点 に水 平 方 向の強 制変位を加え る解析例に よ る検 討の 結果, 鋼 梁一
柱 部材の挙動に及ぼ す水平方 向押し出しの 影 響は,
変形量 その もの に は比較的低い 温度域か ら大き く現れ る が,
高温時で崩 壊 挙 動が起こる時 点では,
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11) 日本 建 築 学 会 :鋼 構 造 塑 性 設 計 指 針,
昭 和51年 7月,
第 1版 第 2刷.
一一130−・
一
SYNOPSIS
UDC:614.841.41:691.71
A
STUDY
ON
IN-PLANE
ELASTO-PLASTIC
CREEP
BEHAVIOR
OF
STEEL
BEAM-COLUMNS
AT
ELEVATED
TEMPERATURES
byDr. FUKUJIRO FURUMURA, Professorof Tokyo Insti:
tute of Technology, Dr. KENJI MJGITA, Professor of
Kumamoto University,Dr.TAKEO AVE, Associate fessorof Tokyo Instituteof Technology, TAKESHI OKABE, ResearchAssociateof Kumamoto University,
and Di.WHA JUNG KIM, Associate Professor of Kyung
,
Pook University(KOREA},
Membgrs of.A,I.J,
Numerical studies on the elasto-plastic crhep thermal
deformation
behavior
of steelbeam-coiumns
at elevatedtemperatures are carried out togetinformation
for
thefire
safetydesign
of steelframes.
The combined nonlinear analysis method by the one-dimensional finiteelement technique isadopted to
simu-late
thebeam-column
behavior,
in which the mechanical model of steel material atcontinuously varying tempera+ture proposed
by
F.
Furumura
in
Ref.
5)isused.The slenderness ratio, the axial
load
ratio, and the moment load ratio of steelbeam-columns
are selected foranalytical