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伊丹市昆虫館研究報告 第 3 号 2015 年 3 月
観察会にて未記録と思われるサシガメを採集
藻川芳彦
1)・角正美雪
2)・河合正人
1)・井上治彦
1)・年神寛
1)1)
伊丹市昆虫館友の会・
2)伊丹市昆虫館
An assassin bug (Hemiptera: Reduviidae)
was captured at a nature observation event
Yoshihiko MOGAWA
1), Miyuki KAKUMASA
2), Masato KAWAI
1), Haruhiko INOUE
1),
Hiroshi TOSHIGAMI
1)1)
ITAKON Friend Club,
2)Itami City Museum of Insects
問い合わせ先 〒 664-0015 伊丹市昆陽池 3-1 伊丹市昆虫館 e-mail: [email protected] (2014 年 10 月 15 日受理) 伊丹市昆虫館友の会(以下、友の会と記す)は、伊丹 市昆虫館(以下、昆虫館と記す)の協力を得て、毎年数 回の自然観察ハイキングを実施している。 2014 年度も 5 回実施したが、2014 年 9 月 23 日に友 の会として初めて、大阪府東大阪市の枚岡公園にて実施 した自然観察ハイキングにおいて、未記録種か個体変異 か判別できないサシガメを採集したので、ここに簡単に 報告を行う。 当日は、筆者の一人である河合を講師として観察会を 実施した。最初に、枚岡神社よこの梅林において、樹皮 についているサシガメ(図 1, 2)を観察したが、当初、 ヨコヅナサシガメであると河合が説明し、捕まえたとこ ろ、刺されるというハプニングがあった。その後、「サ シガメには、油断すると刺されることがあります」、「刺 されたところが腫脹してきます」、「どうもこのサシガメ は、ヨコヅナと似たイメージではあるが、ちょっと違う ように思う」と説明した。そこで、筆者一同相談の上、 同定するために専門家に見てもらうこととし、カメムシ 類を専門としている昆虫館の長島学芸研究員に採集した 個体を渡し、同定作業を委ねることとした。 このサシガメは、ヨコヅナサシガメと比較すると、① よく飛ぶ。②動きが俊敏である。③腹部をぴくぴくとよ く上下運動させる。④白の斑紋が体の側面全体ではなく、 後部にのみ見られる。⑤腹側に赤い部分がなかった。等 の特徴がみられた。筆者一同の考えとして、枚岡公園等 の内陸部にいきなり未記録種が現れるのは意外に感じら れ、外来種であると仮定すれば既に各地に入っている可 能性もあるのではないか、また、この時期(9月下旬) に成虫が健在で、越冬態によってはヨコヅナサシガメの 存在を脅かす可能性があるのではないか等と推論した。 図 1 飛び立とうとする未記録種と思われるサシガメ 図 2 未記録種と思われるサシガメ
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藻川芳彦・角正美雪・河合正人・井上治彦・年神寛
なお後日、昆虫館の長島学芸研究員からは、Yolinus 属という、日本にいない属・種のサシガメであり、他の 専門家にも同定を依頼しているとの回答を得た。