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1. 平成 17 年度組合税制改正前のクロスボーダー集団投資ストラクチャーの PE 課税問題 Pre-A 投資運用業者が 代理人 PE とされる場合の国内法の外国法人への源泉地国課税 平成 14 年 4 月 24 日付日本証券投資顧問業界から国税庁照会文書 我が国の投資顧問業者を利用した非居住者及び

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Ⓒ2008 United Partners Inc.

海外のプライベート・エクイティ・ファンドのPEを巡る税制

平成20年3月21日(金)

〒102-0083

東京都千代田区麹町1-7 フェルテ麹町ビル4F ㈱ユナイテッド・パートナーズ会計事務所 代表取締役 西村 善朗 (nishimura@unitedpartners.jp)

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Ⓒ2008 United Partners Inc. All rights reserved

1.

平成

17年度組合税制改正前のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Pre-

A投資運用業者が「代理人PE」とされる場合の国内法の外国法人への源泉地国課税

平成14年4月24日付日本証券投資顧問業界から国税庁照会文書「我が国の投資顧問業者

を利用した非居住者及び外国法人の本邦内の有価証券投資に係る現行の所得税法、法人

税法及び租税条約の取扱いについて」

【ファンド・マネージャー課税】(P244-247、P396-401) 事業所PEを有しない 外国法人 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者 投資一任契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PE (条件1)投資の事業性(○) And (条件2)投資運用業者の契約締結権限の常習性(○)①投資運用業者が「代理人PE」とみなされる。②事業性所得である事業所得(法法138一前段)「事業所得」について「代理人PE」に帰属するものについ て日本(所得源泉地)で総合(40%)課税される。

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事業所PEを有しない 外国法人 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者 投資一任契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PEに該当せず (条件3)投資の事業性(×) 【製造業を営む外国法人が単発的に株式投資する場合】 Or (条件4)投資運用業者の契約締結権限の常習性(×) 【投資一任契約を通じて株式投資していても】 (条件1)+(条件2)を同時に満たす場合以外の場合①投資運用業者が「代理人PE」とみなされない。 ↓ ②事業性所得である事業所得については課税なし。 + 投資性所得である有価証券の譲渡所得(法法138一後段)「譲渡所得」について「PEのない」外国法人は、25%/5%ルール に該当する株式譲渡所得によるものを除き日本(所得源泉地) で課税されない。

1. 平成17年度組合税制改正前のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Pre-

B 投資運用業者が「代理人PE」とされない場合の国内法の外国法人への源泉地国課税

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事業所PEを有しない 外国法人 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者 (独立代理人) 投資一任契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PEに該当せず (条件)外国法人が独立代理人条項を持つ租税条約締結国 の居住者である場合(単独要件) ↓ ①投資運用業者が「独立代理人」とみなされる。 (代理人PEとみなされない) ↓ ②事業性所得である事業所得については課税なし。 + 投資性所得である有価証券の譲渡所得(法法138一後段)「譲渡所得」について「PEのない」外国法人は、25%/5%ルー ルに該当する株式譲渡所得によるものを除き日本(所得源 泉地)で課税されない。

1. 平成17年度組合税制改正前のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Pre-

C 投資運用業者が「独立代理人」とされる場合の租税条約上の外国法人への源泉地国課税

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事務所PEを有しない 外国法人(LP) 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者(GP) 任意組合・投責組合・LPS契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PE (条件1)投資の事業性(○)-常に共同事業性あり And (条件2)投資運用業者(GP)の契約締結権限の常習性(○△×)①投資運用業者(GP)が「代理人PE」とみなされる。FUND居住地が日本の場合は「組合PE」(○)とみなされる。 【所基通164-7:恒久的施設を有する組合員の判定】P242②常に、事業性所得である事業所得(法法138一前段)「事業所得」について「代理人PE」又は「組合PE」に帰属するもの について日本(所得源泉地)で総合(40%)課税される。「代理人PE」又は「組合PE」ある外国法人に対する組合事業利益 の分配時に、20%の源泉所得税が課税される。

1. 平成17年度組合税制改正後のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Post-

A 投資運用業者が「代理人PE」とされる場合の国内法の外国法人への源泉地国課税 組合PE

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事務所PEを有しない 外国法人(LP) 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者(GP) 任意組合・投責組合・LPS契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PE (条件3)投資の事業性(○) 【外国法人は常に共同事業性あるとみなされる】 Or (条件4)投資運用業者(GP)の契約締結権限の常習性(○△×) 【左Structureの場合には、GPの常習性(○)の可能性大】(条件1)+(条件2)を同時に満たす「代理人PEあり」の場合にしか該 当しない そこで ①投資運用業者(GP)が「代理人PE」とみなされるが、平成 20年度改正後GPが「独立代理人」として取扱われる場合、 「代理人PE」に該当しない。 しかし依然として FUND居住地が日本の場合は「組合PE」ありとみなされる。 【所基通164-7:恒久的施設を有する組合員の判定】P242 ②常に、事業性所得である事業所得(法法138一前段) 「事業所得」について「代理人PE」又は「組合PE」に帰属するものに ついて日本(所得源泉地)で総合(40%)課税される。 「代理人PE」又は「組合PE」ある外国法人に対する組合事業利益の 分配時に、20%の源泉所得税が課税される。

1. 平成17年度組合税制改正後のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Post-

B 投資運用業者が「代理人PE」とされない場合(「独立代理人」とされる場合)の国内法の外国法 人への源泉地国課税(平成17年税制改正+平成20年度税制改正後) 組合PE

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事務所PEを有しない 外国法人(LP) 【日本】 【海外】 TARGET COMPANY (内国法人株式) 投資運用業者(GP) (独立代理人) 任意組合・投責組合・LPS契約 居住地国課税 源泉地国課税 代理人PEに該当せず (条件)外国法人が独立代理人条項を持つ租税条約締結国の居住 者である場合(単独要件) 【平成20年度改正後条約締結国以外の居住者でも同様の特権が認 められるようになる】 ↓ ①国内法により投資運用業者(GP)が「独立代理人」とみなされる。 (代理人PEとされない)FUND居住地が日本の場合は国内法で「組合PE」ありとみなされ るが、租税条約上「組合PE」概念がないため、条約締結国の外国 法人については、「組合PE」がPEとして認定されることはない。 (プリザベーションの原則の適用範囲の問題) 【所基通164-7:恒久的施設を有する組合員の判定】P242 + 任意組合等を成立させる契約である場合、租税条約の事業所得 条項に規定する「他方の国にある恒久的施設を通じて当該他方 の国において事業を行う場合」に該当するから、「組合PE」、「事 務所PE」は認定される可能性が高い(日本ガイダント・高裁判決 参照P394)。

1. 平成17年度組合税制改正後のクロスボーダー集団投資ストラクチャーのPE課税問題

Post-

C 投資運用業者が「独立代理人」とされる場合の租税条約上の外国法人への源泉地国課税 (平成17年税制改正+平成20年度税制改正後) 組合PE? ②常に事業性所得である事業所得(法法138一前段) 「事業所得」について「事務所PE」に帰属するものについて日本(所得源泉地)で総合(40%)課税 される。 「事務所PE」ある外国法人に対する組合事業利益の分配時に、20%の源泉所得税が課税される。

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オランダ法人(匿名組合員) 【日本】 【オランダ】 日本ガイダント㈱ (営業者+内国法人) 匿名組合契約 居住地国課税権なし? 源泉地国課税権なし? 事務所PE -オランダ側P383

2. 所得の種類の特定に関する国単位の首尾一貫性と優先性

匿名組合分配金(その他所得)→国内源泉所得を構成しない 匿名組合分配金(事業所得)-オランダ側 【本事案の概要】 ¾日本国内において多大な利益が見込まれるため、日本国内で課税されないことを目論んで日本子会社を「営業者」、オランダ法人を「匿名組合員」として匿名組 合契約を締結した。 ¾匿名組合契約により、匿名組合分配金が損金に算入されて、日蘭租税条約23条(その他所得)により日本子会社は所得源泉地国である日本の課税を免れる。 源泉地国は、居住地国の課税がないことを理由として課税することはできない(OECDモデル租税条約第21条コメンタリー・パラグラフ3)。 ¾オランダ国内法上、本件匿名組合は、プライベート・LPSに相当する。日本ガイダント㈱はGP、オランダ法人はLPとみなされる。オランダ法人が匿名組合を通じて 行う事業活動拠点は日本におけるPEである。日蘭条約5②(恒久的施設)、8条(事業所得)により、オランダ法人の匿名組合所得に関して日本で課税される。 ¾日本でも、オランダでも匿名組合分配金が課税されないことになった。

平成19年6月28日付東京高裁判決「日蘭クロスボーダー匿名組合分配金の所得分類につい

てその他所得とされた事例について」

【日蘭TKストラクチャー課税】(P354-395)

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内国法人(匿名組合員) 【ドイツ】 【日本】 (仮)ドイツ・ガイダント㈱ (営業者+ドイツ内国法人) 非典型的匿名組合契約 居住地国課税 源泉地国課税

2. 所得の種類の特定に関する国単位の首尾一貫性と優先性

平成19年6月28日付東京高裁判決「日蘭クロスボーダー匿名組合分配金の所得分類につい

てその他所得とされた事例について」

【参考:日独TKストラクチャー課税】(P125-137) 事務所PE 匿名組合分配金(事業所得) 【日独租税条約】 ¾日独租税条約において「典型的匿名組合」と「非典型的匿名組合」とに区分して取扱いが規定していない。ドイツ国内法は、非典型的匿名組合の所得の種類は、 「事業所得」、ドイツ側から日独租税条約を読む場合には第7条(事業所得)条項が利用される。 ¾日本側から日独租税条約を読む場合には、日独租税条約第10条(配当)? ¾日独租税条約第10条(配当)第8項 匿名組合員が匿名組合員として(典型的匿名組合契約に基づいて)取得する所得に対しては、当該所得が生じた締結国に おいてその契約国の法令に従って租税を課すことができる。ただし、当該所得の起因となった支払金が支払者の課税所得の決定にあたって控除されるものであ る場合に限る。

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2. 所得の種類の特定に関する国単位の首尾一貫性と優先性

平成19年6月28日付東京高裁判決「日蘭クロスボーダー匿名組合分配金の所得分類につい

てその他所得とされた事例について」

【日蘭TKストラクチャー課税】( P354-395 ) 租税条約の適用にあたり、第一に検討すべきは、「所得の 種類」である。本件所得の種類は「事業所得」でなく「匿名組 合の分配所得(その他所得)」である。本件匿名組合契約は、 「匿名組合」であり、任意組合のような共同事業性、組合PE は存在し得ない。日蘭租税条約23条により、日本に課税権 はない。 本件組合は匿名組合契約であるとされても、匿 名組合員が営業者の経営判断に影響力を行使 することができる業務執行参加型の「非典型的 匿名組合契約」であり、日本に共同事業を根拠 とする組合PE又は事業所PEを有する(実質課 税原則Ⅱ)。 営業者である日本ガイダント㈱を事務所PEとみ なして事業所得を総合(40%)課税するのが妥 当である。 東京高裁 本匿名組合契約の締結の大きな目的が税負担の回避にあ るとしても、本件契約は、「匿名組合」であると認めざるを得 ない(処分証書の法理)。 匿名組合でなく、任意組合契約であると事実認 定して、営業者である日本ガイダント㈱を事務 PEとみなして事業所得を総合(40%)課税する のが妥当である(実質課税原則Ⅰ) 。 東京地裁 裁判所の判断 課税庁の主張

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2. 所得の種類の特定に関する国単位の首尾一貫性と優先性

(1) 市場経済・私法上の契約を前提とする課税原則

‡ 基本的に私法に基づいて行われる市場取引に対して、国家が課税を及ぼすという大前提がある(P388)。 ‡ 市場取引において当事者が選択した私法上の取引形態、法形式を尊重するから、明文規定の定めのな い租税回避否認(私法を無視して課税関係を考えること)は否定される。 ‡ 当時者の選択した私法上の取引形態を明文の根拠なく課税上読み替えることも否定される(P231)。

(2) 「事実認定による否認」と「租税回避の否認」

‡ 現実に行われた取引に関して、「事実認定」と「法解釈」を行い、「認定された事実」を課税要件に当ては めることにより課税処分が行われる。 ‡ 「事実認定の否認」は事実認定における作業である。 ‡ 「租税回避の否認」は「法解釈」と「事実認定」に関連する作業である。 ‡ 事実認定は、慎重に、あくまでも私法上の事実認定・契約解釈の原則に従って行われるべきである。 ‡ 課税庁による事実認定・法律構成の「創造」のようなことが行われれば、それは租税法律主義に反する ものであり納税者の予測可能性を奪う点で、納税者の権利が害される。 ‡ 当事者の表示した法形式を無視する事実認定・法律構成を行うことが認められるのは、そのような表面 的な法形式が不存在ないし無効であるような「仮装行為」が存在する例外的な場合に限られると解すべ きである。

租税法における事実認定と租税回避否認【中里実教授・論文参照】

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2. 私法上の契約を尊重した課税が行われる場合の射程範囲の確認

(3) 日本ガイダント判決の租税法的な意義

1) 市場経済・私法上の契約を前提とする課税原則

‡ 本件資金をNG社に提供するに当たり、G社とNG社においてどのような方法を採用するかは、両当事 者間の自由な選択に任されている。

2) 「事実認定による否認」と「租税回避の否認」

‡ 本判決は、「租税回避の否認」と「事実認定による否認」に両方に言及している。 ‡ 当事者間に匿名組合契約を締結するという真の合意がある場合には、それにも関わらず、匿名組合契 約を締結する主な目的が税負担を回避することにあるという理由により当該匿名組合契約の成否を否 定するには、その明文規定が必要であるところ、法人税を課税するに当たってそのような措置を定めた 規定は存在しない(租)。 ‡ 当事者間に匿名組合契約を締結するという真の合意がある場合には、直ちに、当該匿名組合契約の成 立を否定することはできない(租)。

租税法における事実認定と租税回避否認【中里実教授・論文参照】

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2. 所得の種類の特定に関する国単位の首尾一貫性と優先性

2) 「事実認定による否認」と「租税回避の否認」(続)

‡ もっとも、契約上、匿名組合契約が存在する場合でも、実際の当時者間の法律関係、事業状況、経営実 態等が契約書の記載の外観と異なるのであれば、匿名組合ではないという判断をする余地があることは 当然である(事)。 ‡ 本件の全証拠を精査しても、G社とNG社との間における真の合意が、G社とNG社との間において匿名 組合を組成するという方法以外の方法によって本件資金をNG社に提供することであるとか、G社、NG 社との法律関係や事業状況等が本件契約書に定められたものとは異なるものであるという事実を認め るに足りる証拠はない(事)。

3) 結論

‡ G社は、租税の負担を回避することを主要な目的としてNG社との間において匿名組合契約を締結した のであり、匿名組合契約における出資者の投資の秘密性を享受することを目的として、NG社との間に おいて匿名組合契約を締結したものでない。NG社も経営の自由度を求めてG社と匿名組合契約を締結 したものでない。 ‡ 税負担を回避する目的から本件資金をNG社に提供する方法としてG社とNG社との間において匿名組 合を組成するという方法を採用することが許されないとすべき法的根拠はないと言わざるを得ない。 ‡ 本件契約の大きな目的が税負担の回避にあるとしても本件契約は匿名組合と認めざるを得ない。

租税法における事実認定と租税回避否認【中里実教授・論文参照】

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平成19年6月22日付東京高地裁判決「民法上の投資組合を実質的に商法上の匿名組合と認

定して投資運用利益の所得分類を雑所得とされた事例」

( P86-97 )

3. パス・スルー課税の前提である共同事業性不存在‐「事実認定による否認」(参考事例)

1) 市場経済・私法上の契約を前提とする課税原則 ‡ 本件会員が本件規約に基づきAクラブ(任意組合)に資金を提供するに当たり、本会員とAクラブにおいて どのような方法を採用するかは、両当事者間の自由な選択に任されている。 2) 「事実認定による否認」 ‡ 本判決は、「事実認定による否認」のみに言及している。 ‡ 契約上、形式的には、任意組合契約が存在する場合でも、実際の当時者間の法律関係、事業状況、経 営実態等が契約書の記載の外観と異なるのであれば、任意組合ではないという判断をする余地がある。 ‡ 本件の証拠を精査したとき、次の理由により、投資事業の主体はA社であり、「共同事業性」は認められ ず、本件会員は単なる出資者であったと認めるのが相当である。 ① 出資金の運用状況(投資判断に関する合議制の欠如、米国A社がBack Office業務を契約もなく 行っていた) ② 運用益の分配状況(運用損益の再投資及び分配に関する総会開催無く、A社経営上層部の判断 で分配されていた) ③ 本件会員の投資姿勢(国税の調査官に「Aクラブの投資活動には、実質上、一切関与しておらず、 ただ出資しただけである」と述べていた) ‡ A社を営業者、本件出資金を匿名組合員とする匿名組合員とする匿名組合契約が成立して、本件所得 は、当該匿名組合に基づく利益の分配によるものと認められる。

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3. パス・スルー課税の前提である共同事業性不存在‐「事実認定による否認」

2) 「事実認定による否認」(続) ‡ 当事者の表示した法形式を無視する事実認定・法律構成を行うことが認められるのは、そのような表面 的な法形式が不存在ないし無効であるような「仮装行為」が存在する例外的な場合に限られると解すべき である。 ‡ 本件会員は、 「典型的匿名組合員」であり、共同して営む立場にない単なる 出資者である。本件投資 行為を会員が行った株式投資行為と評価することはできず、本件所得は営業者A社に対する出資の消 極的対価と解するのが相当である。 ‡ 本件所得は「株式等の譲渡による所得」とは言えないから「株式等に係る譲渡所得等」には該当しない。 ‡ 共同して営む立場にない単なる 出資者である本件会員が営業者から受ける利益の分配は、「雑所得」 に該当すると解するのが相当である。 ‡ 改正通達は、所得税法の正当な解釈を示しており、本件所得を雑所得とすることは改正通達の遡及適 用とは言えず、正しく解釈された所得税法を本件に適用することは事後法の遡及適用には該当せず、法 的安定性を該当するものでない。

平成19年6月22日付東京高地裁判決「民法上の投資組合を実質的に商法上の匿名組合と認

定して投資運用利益の所得分類を雑所得とされた事例」

( P86-97 )

参照

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