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図書館資料分類の研究

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図 書 館 資 料 分 類 の 研 究

A S t u d y o f t h e C l a s s i f i c a t i o n o f M a t e r i a l s i n L i b r a r y

- 目 次

-1

昭和初期わが国の整理法 - その主観性 一.分類法 ・日録法の過主観性の指摘 - 世論 的批判 1. 御大典 と図書館- 文部省に望む-2.図書館 と実用 3.図書館見聞記 4.整理法 (とくに分類 ・日録)の実情 二.当時の分類法-の批判- 図書館界 ≡.当時のわが国の分類法

E

海外諸分類の研究 ・絃介 と図書館界 -.当時の図書館界 二.諸分類法の研究 1. 諸分類法の研究 2. Richardsonの分類法 3. Sayers,W.C.Berwick 4・ DeweyのDecimalClassificationD.D.

C.

5,国際十進分類法ClassificationDecimal UniverselleC.D.U. 6・ CutterのExpansiveClassification展 開分類法E.C. 7.L.C.,議員図書館分類法 8・ S.C.,BrownのSubjectClassification 9.

静 chuKaimingAlf,。d,馬宗栄など 10.Mann ll.ボ ー トソBorden 三.研究 ・紹介 と分類標準化-の道

わが国分類法の標準化

-.NipponDecimalClassificationN.D.C.

Masao Shimizu

二.N.D.C.育成1\のし.Y.L.の努力 三.N.D.C.への協力 と成果 四.N.D.C.に対す る批判 1. 国内におけ るN.D.C.批判 2.N.D.C.に対する国外か らの批判 3. D.C.側か らの抗議に対す るN.D.C.側 の回答 4.日本十進分類規定及び解説 とN.D.C.の 標準化 Ⅳ 図書館資料の整理 - 分類

昭和初期 わが国の整理 法

-

その過主観 性

-、分 類法 ・・日緑法 の過 主観性 の指 摘 - 世 論 的 批 判 明治期か ら大正年代を経 て、昭和初期 に至 るわ が国の図書館で使用 していた整理法は、関係者の 努力 に もかかわ らず、いかんなが ら多 くの批判に さらされ続けていた。そ して、それが図書館の本 質の究明 と共に一気に爆発 し顕在化 したのが昭和 のは じめ、昭和3年秋のことであった。 昭和の新 しい時代を迎え国民の歓喜の中に御大 典が持たれ、それを串念 して多 くの事業が成 され た。その中で文化国家-の-大躍進を図ろ うとし た文部省は、わが国の図書館を倍増 しようと決意 したのであった。 これは、まことに快挙 と言 うべ きものであった。 しか し、 この事業に対 して世論は残念 なが ら厳 しい対応を示 し、図書館発展についての基本的な - 75

(2)

-指摘がな されている。その例 として、(1)「御大典 と図書館 - 文部省に望む」 (大阪毎 日新聞社説、 昭 3.ll.1)、(2)「図召 館 と実用」 (同大毎社 説、昭3.12.3)、及び(3)「図書館見聞記」 (土岐 善麿)な どが見 られ る。 1. 御大典 と図書館 文部省に望む -大阪毎 日新聞社は社説 (昭和3・11.1)に 「御大 典 と図書館」を掲げ、文部省に対 し希望を述べ、 報導校閲 として従来余 り見 られなかった図書館論 を展開 している。すなわ ち、 「御大典の記念事業 として全国いた るところに図 書館が新設 され る。従来四千であった全国の図書 館数が、今一年の中に忽 ち八千にのぼ る。一躍倍 加である

と紹介 してい る。 しか しなが らこの事業に対 し て若干の危供の念を表 明す る。すなわち、 怜 春釆これら新設図書館の設立にあたる人 々は 既設の ものをめ ぐり、経営者の意見を尋ね、か く あるべ きもの、か くな さんとす るものの設計図を 速かに頭裏に措 き上げ ようとした。 しか し中には 全 く途方に暮れて しまった人 々も少な くない。そ れほどわが国の図書館界の現状は混沌 として捉 え るにむづか しく、一種の迷路を形成 していると言 って も差支えないほ どである

。」

とし、わが国の図書館についての当時の状況 を、 混沌 として捉え難 く迷路状を示 しているとしても、 差支えない とさえ評 している。 しか らばその迷路 の打開はいかに可能 であるかについて も、 「何がゆえに、いかに して、 どこに迷路が作 ら れているのか、迷路の解剖 と表示は数行の文字 で 言いつ くす ことは、 もちろん至難であるが、大 ざ っばにこれを見 ると、指導者 ・経営者に人がない こと、数十年の因襲が もつれ合い、 これを合理的 にほ ぐし戻す ことは今や至難で、すでに人力を超 越 しているか、或は まさに超越せん としている。 これ らのために、現在の図書館は国民の生活 とは 交渉甚だ薄 く、両者の間には大 きな溝ができてい ること、 しか して迷路はすなわちその溝の後方に 横たわ っているのが認め られ るのである。」 とす る。 国民の生活 と図書館の間に蒲があ り、 その溝の後方になお迷路が横たわ っているとし、 しか もそq)上迷路の解 明 も不可能であると断言す る。わが国の この実情は他の諸国 と比較 して ど う であろ うかについて も、 「これを米国をは じめ欧洲諸国の実例に放 して み る。図書館は何れ も国民の心的生活 に とって、 或は進 んで物的生活において も大学 に勝 るとも劣 らぬ教育機関 として活躍 しているのである。設備、 分析、石垣的活動、利用率、いずれ もわが国の眠 っているような図書館 とは比較すべ くもない

。」

と、彼我の比較に よ りその間に大差のある点を 指摘 し、 さらには、 「特に うらや ましいのは、デューイ氏の十進分 類法 である。」 と、図書館資料の分類、特に分類法について言 及す る。 しか もそれが欧米諸国でどの ように使用 されているか、 また どの ような効用が認め られ る のかについて も、 「米国は もちろん、その他諸国の著名な図書館 も、多 くこの単一の分類法 に よってい るがため、 すべての書籍は、図書館を異 にす るも番号を全 く 同一に している。従 って各図書館は有無容易 に相 通 じうるばか りでな く、読者は一瞬 に して求め る ものに行 き当 り、いかなる新刊書 もどの部門に入 るべ きかの疑惑がない。」 とし、デューイの十進分類法の使用 に よ り、便 宜を受けている点を とり上げている。言外に標準 化 された

D.

D.

C.

の効用を指摘 してい る。 これ に対 してわが国の実情は と言 えば、 「我国図書館の病弊 の一つは ここで もある.欧 米の例 とは正反対に、各図書館 とも独特に して、 多 くはむ ら気な分類法を もっている

」 とい うの が実情であ り、分類法が きわめて主観的 である。 従 ってここに課題が存在す るとい う点を とり上げ ている。 したが って図書館資料の利 用 ・活用がい か ように影響 され るかについて も述べ、 「従 って、いったん入庫 された書籍は容易 に利 用者の手に届かない。従 って利用 されない。 いか に有利 に利用 され るか よりも、いか に多 くの蔵書 を有す るかが、今 も各図書館の誇 りで、従 って死 蔵 である。が、死蔵 された幾十巻 よ りも、活用 さ れ る一巻が勝 ること蔑何であろ う。 」 と、図書資料の分類の主観性が図書死蔵 とい う 結果にな りかねない点 を率直 に認めている。 しか も、

(3)

「ところが、理窟は この通 り簡単 に して著明で も、 これ らを実行に移す ことは容易 ではない。」 として、 この事の困難性を指摘す る。特 に大規 模 で従業員の多い大図書館な ど万事好都合である と、一般は思われ るであろ うが実際 の状況は ど う であろ うか と言えは、 「蔵書幾十万の大図書館ほ ど、実用的に動員 し、 または根本か ら改造す ることは人力を こえ る仕事 とな る。」 のが実態 であるとの立場か ら、論 を進めて、 「従 って、毎 日数十巻づ ゝ入庫 され る書物は、 非合理的でむ ら気な分類法に よって、大図書館の 書庫の どこかの隅に積み上げ られ .新分類名の上 に新分賃名が重ね られて、その間に何の連絡 もな い各群の図書は、恰 も血管 に よって、繋がれてい ない無数の こぶの如 く、既 に合理的 メスを拒むま でに病弊が進4/でいるのである。」 と、わが国の図書館の もつ ところの分類面での 不都合 さを まず指摘 し、 これが合理的に解決 され る方途が、殆 ど存在 しないかの ような見解が示 さ れている。 この事は重大である。 とくに、一 国の 教育ひいては文化の進展を左右 しかねない図書館 実情についての、冷静なす るどい観察であると言 え よう。 「民衆が 自発的に心を開拓す るのは、図書館に よる外はない。そ こにのみ国民的真の文化の開花 が期待 され る。 しか もわが国図書館界の現状は以 上の通 りである

。」

このためには、 「今や真に書物を愛 し併せて国民の心を知 る偉 大 に して天才的な指導者が必要である。その人の 出現な くしては、 もはやすべてを建て直 しがたい ほ どに、すべてが余 りに混沌 としている

。」

とす る。大 きな希望を天才的指導者の出現 に、 その夢を託 している。 この時、文部省は どの よう な方針を持 ち、指導を進めて行 こ うとしているで あろ うか。効果的な方策を待望 しなが ら論 をすす め る。 「文部省は、近 く全国の佳良図書館を表彰す る とい う。 何を良否の標準 とす るであろ うか。 また、 lこわか 俄に倍加せん とす る各地の図書館に向 って、如何 なる指導方針を もっているであろ うか

。」

とと問いかける。そ してさらに、 「数は図書 と図書館においては多 くを語 らない。 しか らば、文部省の意図の中に、少な くもこの機会 にわ が国図書館事業の前途に向 って、なん らかの 曙光 を投げかけ る何物かの片鱗 な りとも認めたい ものであ る。」 と述べ、切角の御大典記念 の大事業に対 して、 希望 をまずかかげている。 2. EgI書館 と実用 大阪毎 日新聞社説 - (昭3.12.3)に 「図書館 と実用」が掲載 された。 これは社説 「御大典 と図 書館」か ら1ケ月後であった。 この社説は、まず r西洋文化の輸入につれ、図 書館 ・博物館 ・美術館な ども、な くてはな らぬ も の として、方 々に設け られ るようになったけれ ど も、西洋 においては 日常民衆 に よって盛 んに利用 され 、その実生活 とは、 き り離す ことので きない 必要物 となっている

」 と実情を述べ る。 これに反 して 「わが国では、 まだ何 とな く文化 的陳列棚の装飾物か、 もしくは、一種の畷 つぶ し の娯楽機関に過 ぎない ように思われてな らない

とし七い る。 これでは文 明の利器が多 くの人 々に 利用 され、 「民衆一般の生活内容を豊富に し、 カ ムフ ォタプルな ものにこれを民衆化す る

」 こと とは縁の遠い ものであると嘆 く。 図書館については紙面を多 くあて、多面的に こ れが活用 を図 りつつある欧米の例をあげて、 「図書館な ども、近時西洋 では、だんだん と学 問のための図書館か ら、実生活のための図書館 に 変化 しつつあ る.即 ち図書館の使命 として、一部 少数者の、高遠に して精到な学問の研究 に従事す る学者のために も、役立たねはな らぬ こ とは無論 であ るが、それ と同時にさらに、多数民衆の 日常 生活 のために、実際の生 きた役にた とうとしてい るのである

。」

と図書館の実用化-の動向を紹介す る。そ して さらにニューヨーク市の公立 図書館を例 に とり、 最近 の憤 向を具体的に述べ る。 「近 ごろ 目にたつ現象は、実務関係者 に よって の利用の著 しい増加である。読者の半分 は、銀行 家、輸出業者、店員、販売人、会計人等 の、いわ ゆ る実務家で、商業案内、政府報告書、入港税お よび関税規則、石炭や重油の積込場所、各地の市 -77

(4)

-況、生産の状態、外 国為替、外国の労働状況等に 関す る書物や報告書が最 も多 く利用 され」ている と、利用者の実情を述べている。 したが って、 この よ うな利用者の もつテーマ ( 題 目)は、さまざまであるが、 「イン ドにガソリンを売 りこむには、またサ ン ト・ドミンゴで砂糖 を作 るには、 どうしたらいい か とい うようなことか ら、イランスヴアールの金 鉱問題にまでお よんでいる。」 として、図書館利用の盛況を具体的に紹介 し、市 民の心に訴えようとしている。 さらに、館内の各 所、各室の利用の状況を も、ごく簡略ではあるが 案内 し、その実情を知 らしめようとす る。 「その美術室でも、 もはやただ芸術のための芸 術の殿堂ではな く、宝石商や、織物図案家などが、 毎 日お しかけては、スペイン人の着物の模様 とか、 室内装飾 とか、現代 ドイツやフランスの家具類 と かを研究す る場所になっている。」 と紹介 し、 さらに 「地 図室には、動産商人、航 海業者、技師、広告業者、大洋横断飛行家などが、 また二十 ヶ国以上の特許登録が全部 ファイル され ている

」 と述べ、 さらに、 「化学技術室には、発 明家や特許樺理士などが つめかけている。 また一定の 日に開 く読者会議 に は館員 も出席 して、いろいろ読者の質問に答える ことになっている

。」

この ような図書館利用の状況か らして

「1年 の入館者は全体を通 じて、四百万人にのはるとい うことである。 ことに最近の施設 として、最 も歓 迎 されているのは、複写 カメラの利用である。 こ れは他のいずれの複写機 よりも、迅速に してかつ 正確であるとい うので、数字の複写を必要 とす る 統計家、音譜の複写を必要 とす る音楽家などには、 殊のほか重宝が られ、政府の報告書類を、なるべ く早 く手に入れ ようとす る銀行 ・会社の需要 も極 めて多 く、15年前 ごろには複写の需要1ヶ年500 通に過 ぎなかったのが、複写カメラの使用以来、 俄かに増加 し、昨年の ごときは9万80通以上に も 及んだ。」 とその盛況を報 じている。さて以上の ような状 況に比較 して、わが国の実情は どうであるかを反 省 し、わが国の図書館事業についての再考察の要 を述べ、 「この ような民衆的利用率、 または積極的活動 に比較す ると、わが国の図書館のごときは、まる で眠っているの も同様である。 いかにその数が多 く、その蔵書が多 くとも、 これでは民衆の実生活 とは、何の交渉 もない。 しか も、いかに してその 施設を実用的 に し、 自発的に自己の心を開拓 して ゆ こうとす る民衆を、積極的にひきつけ、利用 さ せ ようか とい うような新工夫に至っては、てんで 念頭にないらしい。」 と実情を述べて、民衆に対 しての魅力ある経営 を訴えている。そ してさらに、 「こんな状態では、御大典記念の図書館がいか に増加 して も、その各 々の蔵書の数がいかに増加 して も一般文化の向上には、全然無意義であろう。 モ リソソ文庫や、 ゾソJIル ト・コレクシ ョンの保 有 も、結構なことには相違ないが、図書館 と民衆 の実生活 とを、いかに して結びつけ るか も、時代 の切なる要求でなければならぬ。わが国の図書館 事業 も、更始一新の岐路に臨んでい るのである。」 としている。11月3日の社説の内容を、一歩進 め、かつ具体的に記述 し、ひろ く世の豪 をひらこ うとして呼びかけている。 3.図書館見聞記 土岐善麿の 「図書館見聞記」が、東京朝 日発行 読書標第26号 (昭3.ll)に掲載 された。東胡調 査部長であ り、同社の図書館の主宰を している氏 の見聞記である。 したがって、図書館のユーザー としての立場 と、また図書館関係者 としての見解 とを加味 していると見 られ る。 「最近参考に調べたいことがあって、ある公立 図書館-行 って・・・・・・受付の人に、こ うい う種類の ものを見たいのですが、 と言ったら、カー ドをお しらべにた りましたか と言 う。僕は恐縮 して、カ ー ドは僕には聖物なので・・・・・・と言った ら、先方 も 苦笑 して、そ して快 く種 々な便宜をはかって くれ た。」 と書 き出 し、カー ド検索について、 「図書館-行 って、カー ドが難物だなどといえ た義理ではない。カー ドで調べるのが一番早道な わけだが、 どうもこれが僕には不向 きで閉 口する。 毎 日、勤め先の書庫へは自由にはいれ るので、調 べたいことがあれはす ぐそこにはい り込んで、直

(5)

接書物 にあ う。必要 な ものを、手 あた りまか せに 引 き出 して くる。」 とカー ドに よる検索が困難であ る点を、あらか じめ紹介す る。今 日か らすれば、当然困難な事情 が明確 に存在 しているわけであるが。 「もっとも僕の属す る書庫にあって も、書物の 整理上、カー ドは作 ってあるが、カー ドの検索 と い うことは、 よほ ど技能を要す ることで、一 日が か り、半 日がか りで、 カー ドのひ きだ しはか りひ っ くり返 して、それだけに疲労田燈 して、実物 に は遂に逢えずに しま うことが一再 ではない

。」

と実情を訴えている。 しか らば、なぜ検索が困 難 であ り、 よほ どの技能がない とな らないのか、 ひ き出 しはか りひっ くり返すのであろ うか。 これ について、 「カー ドの検索上一つの障害 とい うべ きは、公 立 図書館の問に、 このカー ドの様式が一定 しない ことだ。国立 図書館 としての上野は、なに しろ 日 本 で出版 され る書物 とい う書物が、 ことごとく収 納 され ている性質上、カー ドの様式 も、おのずか ら別種の もの とな ることは当然だが、その他のす べての公共図書館が、皆お よそ この国立 図書館に な らって、公民教育 とい う目的の簡易 であるべ き 使命にそわ ない ようになっている事情はないか。 しか も更に、 これ らの公共図書館が また、各 自各 様の様式を とって、その間にほ とんどなん らの連 絡がない。」 と公 共図書館の間に、カー ドの様式が一定 しな い。上野の (国立)図書館の様式が、 自ら別種の もの となることは当然であろ うが、その他の公共 図書館は各館各種の様式である。 「そのために、一つの図書館-行 きつけた もの はいい として、第二、第三 と調べ物のためにゆ き まわ る必要の起 った場合、 カー ドの検索か らして まず考究 しな くては、 希 望 の書 物 にゆ き当 らな い ような ことがある。読書子の能率上、 まことに 遺憾な ことと言わなければならない。 これがひい て一国の文化の進展上、 どれほ どの損失 とな るか は論ず るまで もないであろ う

。」

と図書館で使用す るカー ドの様式の、主観化が いかに不都合 ・不合理 であるかを訴え、 これが一 国の文化の進展 に悪影響を与 える点を指摘 してい る。 この件 につ十、ては、図書館関係者の会合で も、 しば しは問題化す る。 しか しなが ら、委員付託 く -らいの扱 い となって しま う。 この実情は、嘆かわ しい ものであるとす る。 「カー ドの統一 とい うことは、是非 もっと具体 的 な考究問題 として一刻 も早 く解決 して もらはな けれ ばな らない。」 としてい る。その上 に、米国の図書館におけ る この間の事情を紹介 し、かつわが国で実施可能 な 策を述べている。 「アメ リカなどでは、書物が出版 され る度 に、 各種必要なカー ドが統一的 に作製 され、それがそ れぞれの図書館に供給 され るか ら、係員 は、それ をカー ド箱 に整理すればいいことになっている。 従 って、各地方の図書館が皆同一の様式に よって、 同一 の書物 を分類す ることになるとい う話 だが、 日本 では、そ こまで進 まないまで も、図書館当事 者の問の連絡に よって、幾分は統一のい とく一ちが 得えれ るか と思 うのだ。」 としている。 4. 整理法 (とくに分類 ・目録 )の実情 上 記の3例は、わが国の図書館事情を よく表現 \ して、多 く訴えてい る。中で も、わが国の図書館 で実施 された、図書館資料の整理法につ いて、当 時の事情を具体的に しか も理解 し易 く記述 してい る。 大毎社説の 「御大典 と図書館」にあっては、 と くに分類法 について述べ、米国をは じめ欧米にお け る図書館は、等 しくデューイMevilDeweyの 十進分類法(D.D.C.)を使用 し、しか もこの標準化 されたD.D.C.に よ り統一 されて、図書館資料が 好都合に整理 されている点が紹介 されている。 これにひ きかえて、わが国での図書館では、そ れぞれの図書館がそれぞれに都合の よい分類法を いわ ば勝手 に使用 している。そのために、全国図 書館 で、資料整理 は全 く雑然た る状況を呈 してい て、手の施 しょうもない実情であると訴えている。 欧米が、 D.D.C.とい う標準化 された分類 に よ り、好都合に整理 されているのに比較 して、わが 国の分類が全 く標準化に縁遠 く、主観的 な分類 に よって気 ままに整理 されているのが、その大 きな 要因 であ る。 -

(6)

79-この事情が、彼我の図書館の機能に影響 し、か つ図書館の効用に も、甚大にかかわっているとい う点を指摘す る。 同大毎社説の 「図書館 と実用」は、欧米での実 情につ き、図書館を市民の生活に密接に連関 させ て、み ごとに実用化 している情況を、例をあげて 詳 しく記述 している。 わが国は、欧米のこの ような実情に比較 して、 遥かに見劣 りがす る。 まるで眠ってでもいるかの ような図書館活動の実際であるとし、魅力のある 図書館経営を強 く希望す る。御大典記念に図書館 数の増加等を徒 らに図 ることよりも、図書館を民 衆の実生活 と密接に関連す るものにす るような試 み こそ大切で、その方向-進む ように強 く希望 し ている。 このことは、その裏には、勿論、既述の図書館 資料整理を、言外に前提 とす る。利用 し易 い図書 館を考えていることは言 うまで もない点である。 以上の両社説は ともに大毎の ものであ り、両者 の間には約1ケ月の時間の差を見 るが、内容は既 述の通 り相互に補完 し合 うものである

「御大典 と図書館」 (社説)中の 「現在の図書館は国民の 生活 とは交渉甚だ薄 く、両者の間には大 きな溝

が存在す ること、及び 「しか して迷路は、すなわ ちその溝の後方に横わ っている- -

」 とす る点は、 この間の事情を よく説明す るもの と言えよう。 土岐善暦の 「図書館見聞記」は、図書館を常時 活用する立場か ら、 また図書館関係者 としての、 率直な見聞記である。特に、カー ドによって、図 書館資料の検索並びに利用をする身 として、当時 の図書館の、 とくに 目録 カー ドの改善につ き、遠 慮がちなが ら図書館員の自覚にまつ と述べている。 この点は特に注 目したい。 カー ド日録の主観性が、わが国の図書館実情で あ り、その ことが欧米の図書館事情 と大 きく異 っ ていることか ら、土岐善麿の 「カー ドは難物」 と い う表現 も出て来 るわけである。 しか も、 目録を もっともっと客観化す るために、標準化すべ きで あるとの声 もあが るわけである。 しか しその声が あが るものの、いつの問にか時の流れに消えてい く点の指摘など興味ある点である。 と同時に当時 の館介の泥沼化 した様想が思いや られる。 以上、三論文か ら、当時のわが国の図書館が、 欧米の状況に比較 して、遥かに後進的であった点 が知 られ る。 しか も、その状況は、手に負えぬ も の、望みなきもので さえあると評 され る。 中で も、 とくに分校や 目録などの、標準化が全 く見 られず、過主観的分析や 日録が まか り通 って いる事情が詳 しく述べ られている。 これが、大毎を して 「今や真に書物を愛 し、併 せて国民の心を知 る、偉大に して天才的な指導者 が必要」 と言わ しめた ものであろ う。 この ような 指導者の出現がな くしては、すべてを建て直 しが たいほど余 りにも混沌 としていた といの うが、昭 和初期の実情であった。そ して、その時期に、御 大典記念行事が展開 され ようとしていたのである。 世論は、図書館数 も大切であるが、図書館の質 の向上を含めて、わが国図書館界の徹底的な、反 省 と革新を希望 していた もの と言え るであろ う。 二 、当時 の分 類法 につい ての批 判 - 図書 館 界 世論的批判は、図書館資料整理その中でも特 に 分類や 目録などの主観性が、わが国にあっては余 りに も顕著である.そのために、図書館利用の低 迷化、図書館の発展過程におけ る量的 ・資的両面 にわたる遅進性 も見 られ る。 しか もこれ らは極限 に近いと警告 されている。 そ して、その結果、図書館の奉仕的機能、 とく に分類法や 日録法な どの抜本的改革 による客観性 の付与 と、天才的指導者の出現-の期待が叫ばれ ている。 元来、図書分類 について、Hulmeは 「図書館に 含 まれたる知識を発見す るための較桟的時間節約 法」であると言 っている。 またSayersも、 人生 と分類の効用を、"Amanualofclassification forLibrarians&bibliographers"の中で関連づ け、 「人生は分析を軽視す るにはあ ま りに短かす ぎる」 とさえ言い切 っている。 せ っか く期待 して、図書館を訪れ て くるユーザ ーに対 して、図書館を生涯ず っと愛好 して くれ る 利用者になって貰えるか、それ とも図書館 とまる で無縁の人に追いや って しまうか、その岐路に立 つ重要因子 として、資料整理 とくに分類法などが 問題 となる。いわば図書館利用の初歩的段階の状

(7)

況を左右す る大切な関門 として、 これを位置づけ ることがで きると言えよう。 この ような点か らす れば当時の実情は慨嘆すべ きものであった と言え よう。 この ような事情の もとで、分頬や 日録法等の研 究に墓誌の深い加藤宗厚は、その当時、わが国の 分類法について所論を発表 している。即 ち昭和3 としよかん 年、青年図書館員聯盟 (L.Y.L.)税関誌 「箇研究」 に、 「図書館研究第一号を視 る」(Vol.1pp.228 -235)を よせている。 その中で、 「我 ガ国ニオイテ-未ダ後進 ノ図書 館 ヲ指導スべキ標準分析表 -ナィ。読者-大 イニ 之 ヲ受 ケテ 日本図書館協会 ノ議題 トシテ盛 ソニ分 類表 ノ統一 ガ叫,(レテイル、然 シナガラコレ-恐 ラク不可能事デアラウ」 と当時の図書館界の実情 を述べ る。 されは と言 って、分類表の標準化は安易になさ れ るべ きではない。わけて も、図書館の同業者間 の話 し合いなどで、分類の標準化など図 られ るべ きではない点を強調 している。 デューイの十進分析法の

D.

C.

や カッターの展開 分類法の

E.

C

.

、議会図書館分類法

LC.

などの、今 日の盛況が見られ るのは、決 して数図書館の協定 ではない

。D.

C.

、E.

C.

LC.

など、それぞれの発 案者達の努力に よって、この事が成 った もの とし て、 「其 ノ使用-強制デ′、ナクテ、輿望、発現デ アル」べ きであると説 く。そ して、遺憾な事には 「我国ニ- 自他共 二許 ス

D.

C.

モナク

、E.

C.

モナク、

LC.

モナイ」と結論づけている。 標準分類法の制定は、実は強制ではな く、 自ら 愛 され利用 され る、質的に高度なものであるべき である。 しか も、その実現には、相当な困難性が 伴 うものであると指摘 している。図書館が奉仕機 関 として把捉すべ き奉仕校能の、質的発展に対 し て、 もう一つ敏感ではなかった ところの、昭和初 期頃の関係者 としては、格調高い卓見であると言 える。 す す 島 ま さち 鈴木賢祐 と共に、LY.L.のいわゆ る三大tool (即ち

N.

D.

C.

、N.

C.

.

、N.

S.

H.

など)の完成につ いて、その理論的な基礎づけに功績のあった、す ぐれた会員の面 目が躍如 として示 されている。 三、 当時 の わが国の分 類 法 わが国での、近代図書館にあっては、初期の図 書分類法は、分類 目録のためにつ くられた もので あった.そ して分類 としてほ、帝国図書館の八門 分析表がまずあげ られ る。即 ち、

l

神学 ・宗教

Ⅰ哲学 ・教育

皿文学 ・語学、 Ⅳ歴 史 ・伝記 ・地誌

Y政治 ・法律 ・経済 ・社会、 Ⅵ数学 ・理学 ・医学

Ⅶ工学 ・兵学 ・美術 ・諸芸 ・産業、Ⅷ事愛 ・類書 ・叢書、等 となっている。 一万、十進記号をもつ書架分類表のは しりは、 湯浅吾郎に よる京都府図書館の分類法 (明治31年) であ る。即 ち、 000叢書 ・辞書、 100哲学 ・教育、 200宗教 ・神道、 300社会 ・産業、400法政 ・経済、 500理学 ・工学、 600医学 ・衛生、 700美術 ・工 芸、 800文学 ・語学、 900歴史 ・地誌、等 々であ る。 さらに、後の公共図書に影響を与えた ものに、 佐野友三郎の手になる山 口図書館の分類表がある. 000絵記、 100哲学 ・宗教、 200教育、 300文学 ・語学、 400歴史 ・伝記 ・地誌、 500政治 ・法律 ・経済 ・社会、 600数学 ・理学 ・医学、 700工学 ・兵学、 800美術 ・諸芸、 900産業、等 となって いる。 この特故が、帝国図書館の八門分類表 を基礎 と し、 これに十進記号を加えた もの とされ る:・この ことは、両表の対照によって も明瞭である。 当分析については、その百区分が、一応県立図 書館長協議会で、1919年に、公共図書館の標準分 析表 に指定 されたのであった。 しか しその後に開 設された府県立市立図書館は、それぞれ これに よ らず 、各館独 自の分類法 をつ くって使 用 した。 したがって予期 した ような分類表利用の達成は無 理であった ようである。 以上か ら知 られ るように多種多様な分類法に よ って、それぞれの図書館運営が図 られて居 った。 そのため標準化 された分類が まだその誕生を見て いなかったのであるo この ことは、図書館のユT ザ-を慨嘆 させ るに充分な ものであった。既述の 大毎社説に適確に表現 されていた ような世論の批 判的実情 も、 この ような図書館事情か ら招来 され た ものとも言え よう。 この ような実情は、実は多 くの分類法 について ー

(8)

81-それ等を研究 しようとす る、気風を生むのに好都合 となった。海外か らは、D.C.をは じめ、、E.C.、L.

C.

など多 くの分類法が紹介 され ている。 この紹介 の盛況は、結果的には社会教育 ・学校教育の両面 で、図書館が見直 された こと、並びにその存在の 認識が高め られつつあった点 を示す もので もあっ た 。 明治中葉以来、大 日本教育会をは じめ、各道府 県の教育会にそれぞれの附属図書館が設置 された こと、そ してそれ らが各道府県での中央図書館の ような有力な公共図書館- と発展す る気運な どを 生み、明治末から昭和初期にかけこの事情が由著で ある。近代的な公共図書館を得 ることが出来 るよ うになった事情を示 しているものである。 わが国の府県立 図書館創設には当時、大 き く三 つ の契機 が類型的 に見 られ る。 それ は、(1)皇室 に関す る記念事業、(2)教育会中心に創設が推進 さ れ る.(3)教育会がつ くった図書館を基礎 とす るも の、等である。 基本的に地方の図書館例 としての、長野県立 図 書館の場合を見 よう。当館の場合には上記の(1)(2) (3)の諸条件を兼備す る。即 ち明治23年 「信濃教育 会 二書籍館 ヲ創立 スル ノ件」が提案 され、同25年 6月24日信濃教育会図書館、同40年6月15日信濃 図書館開館を経 て、昭和3年9月長野県立 図書館 の設立 を見た。 これ らは、終始信濃教育会の協力 がその背景 となっている。 この長野県立 図書館 と 信濃教育会 との関係の例は、全国各地 の公共図書 館設立 に見 られ るものである。 これは、図書館事 莱-の関心の高揚が、全国各地 に見 られたその契 機づ くりの原因 となった ものであると言いえられ よう。

海外諸分類 の研究

・紹介 と図書館界

- 、当時 の 図 書 結 界 大正12年の関東大地震に よ り、わが国の東京を 中心 とした鰐東方面の図書館界は大被害を蒙 って し まった。館界の中核は と りあえずその中心を関西 方面に移動せ ざるをえなかった。そ して、大阪が その新 しい中心的役割をはたすに至 った。 幸運 に も内外の大規模な援助を得 て、関東は急 速 な復興を果た した。そのためまた東京 に復帰す ることを得た我が国の図書館界は、再 び活動 を開 始 したのであった。 この大 きな災害 は、結果的に は関西及び関東を中心 とす る、双方の図書館界の 発展 に対 し時な らない大 きな刺激的契機 となった と言 えよ う。 特に、当時の対図書館界の世論の批判に対 して 図書館の実務に当た っていた関係当事者の心中は、 察す るに余 りあ るものであった。 日本図書館協会 をは じめ、各種の協議会な どが、 これを厳粛に受 け とめた ことは言 うまで もない。特 に、若 い図書 館従事者の反応 も、 また見 るべ きものがあった。 大阪を中心 とし、全国各地に会員 を もつ青年図 書館員聯盟

L.

Y.

L は、既述 した ような手 きび しい 批判の渦巻 く中で誕生 したのであった。その結成 が昭和2年、その後約20年に及ぶ活動が開始 され た。LY.L.創立 の事情、な らびにその活動の概要 については、筆者が既 に(S 44)「読書科学」に 詳細に論述 しているところである2. LY.L.が先導役を勤めてのわが国の若い図書館 員の努力は図書館界 の面 目を、一新す るものであ った。注 目されて よい点である。 これはわが国の 図書館学の発展史上 に も、大 きな足跡を残 した も のであ ると言え よ う。 特 に、図書館資料整理 に対 して、中で も資料整 理 toolの開発について、大 きな功績が認め られ よ う。そ してその中で も、分類法の標 準化に よる日 本十進分類法の開発ヾーさらには 日録法、件名標 目 表 についての同様な努力 と成果は、大 き く注 目さ れ る。 その中で、分類法 については最初 の成功である だけに、その意義 も特に大 きい もの と言 え よう。 二 、諸 分 類 法 の 研 究 1. 諾分類法の研究 海外におけ る諸分類法は熱意 を以 て研究 され、 結果は詳細 に発表 された。 この ことは、新 しい分 類法の誕生 に対 しては もち論、その法 を育成 して 標準分類法 を発展 させ るに も、大 きな便益が与え られた ことを も意味す るものである。

(9)

Richardsonの分類法をは じめ、Sayers,W.C. Berwick、Deweyの十進分類法 DecimalClassi

-ficationD.D.C.、国際十進分類法CIssification decimaluniverselleC.D.U.、Cutterの展開分類 法・ExpansiveClassificationE.C.、議員図書館 分類法L.C.、 Brownの SubjectClassification S.Q.につづいて裏開明 ChiuKaimingAlfred、 Mann、Borden な どの分穎法の研究 ・紹介等 々、 幅広 くしか も徹底的な検討が、当時の年若い図書 館員の手によ り、中で もLY.L.の会員 な どが中 心 となってすすめ られ る結果 となった。

2. Richardsonの分類法

ErnestCushingRichardsonの ←Classification3」 TheoreticalandPracticalを、 「分析法 ノ理論及 実際」 として、加藤宗厚がLY.L.機関誌 「監研 究」(Vol.1)にとり上げている。 とくに理論分類 と図書の分類の相違を明らかに しようと試みてい る。

第⊥部では科学の順序Theorderorthesciences

,

第二部では図書の分類法TheClassificationof booksを述べ、学の順序、図書の分類での類順序 の問題を重視 している。即 ち図書の分析は科学の 順序 とは逆 で、事物の順序を追究す る人の心の過 程 、すなわち一般か ら特殊- と、包含性の大 きい ものか ら小さいもの- と及ぶべ きであるとす る。 当時図書館学の分野では、当書は必読書である とされ、Sayersも最 も権威ある書 と評 した。この 書は しか も1900∼ 1901に舌った るTheNewYork StateLibrafySchoolAssociationAlumniLec -turesでの講義案 の集録になる著書であったので ある。

Richardsonの 「Classirication-1876-1ま さ9

26

,

LibraryJournalVol.51,No.21.を鈴木賢祐が、 「分析 ノ過去五十年」 として とり上げている。 Richardsonはこの中で、過去 50年は分類理論発 展の歴史ではな くて、む しろ応用進歩の歴史であ

ると位置づけているのである。 3. Sayers

IW.

C.Berwick

Richardsonと同様に Sayersも、LY.L では 甚だ重要祝 して研究を進めた ものである。Sayers については、Anintroductiontolibraryclassiri

-cation1918.の巻尾にある英国図書館協会の、図 書館員検定試験の分類法に関す る問題を とりあげ て、加藤宗厚が、 「分類法 ノ問題」を団研究Vo1. 2に と り上げている。 さらに加藤宗厚は、 「分類学 卜議院図書館分校 法」の中で、Sayersの分類学の業績である、「The grammarofclassification1908.Ashortcourse inpracticalclassification1913.Cannonsof classification1915.Anintroductiontolibrary classification1918.Amanualofclassification 1926.」などにふれている。そ して 「議院図書館分 類法Amanualofclassificationforlibrarians &bibliographers,1926.」について詳細 に論 じて

いる。 Sayersの分析概論について も、加藤宗厚は研究 成果を、 「分類概論」 (Vol.4)をは じめ、 「分頬 概論下Ⅱ」(Vol.4)、 「分塀概論下Ⅲ」(Vol.5)、 「分校概論下Ⅳ」(Vol.5)、 「分析概論下V」 (Vol.5)、 「分類概論下 11」(Vol.6)、 「分類概 論下

」(Vol.6)などを、 「匿慨 究」に発表 して いる。 鈴木賢祐 も、Sayersの "AmanualofClassifi -cationforlibrarians

&

bibliographers1926廿の 第3部である分類の実際作業を、 「分類 の実際作 用上」(Vol.3) 「分析 ノ実際作業下」(Vol.3)と して、 さらに同書Ch.芯Ⅷせ 「図書館管理の分

額」

(Vol.3)として発表 している。 Sayersは分類の理論的原則をまず規定 し、つぎ にRichardsonに従い図書 分類は知識の分類 に準 拠すべきであることを述べ、図書の具体性に鑑み、 且つその適用を容易ならしめ る条件を論ず る。そ して この原理により近代図書館分規の分析を試み たのであった。彼が分類の規準 として揚げたのは、 まず、一般規則7ヶ条名辞関係2、総煩及び形式 細 目関係1、記号及び索引関係4の計14ヶ条であ った。 4, DeweyのDecimaIClassification.D.D.C. メビル ・デューイのDecimalClassification

,

D.D.C.は、図書分類 史上不朽の名を残す もので あるとされ る。 デ ューイが彼のD.C.づ くりに参考 としたのは、 St.LouisPublicLibraTyのHarrisの分頬 と、N. -83

(10)

-Y.ApprenticeLibraryのSchwarzのHarrisの 分類 である、 と彼は述 づ てい る。 この点 か ら

、D.

C.はH-arrisを通 じて.Baconの学 の分 類 に関 与 してい る点 が知 られ よ う。 間宮不二雄 は、 「M.Dewey十進分類法 ノ説 明 下導言上」 (田研究Vol.3)「同中」(仝 Vol.3)、 「同下」 (仝 Vol.3)として、 「M.Dewey十進 分類法 の説 明 と導言 附

W.

S.Bisco年代記号法及 CR.01in図書 記 号法 」 を訳 出 している。

さらに、間言 は"Dr.MerilDewey

&

hisDeci -malClassification.Influenced uponNipponese Libraries.June.1932.byMamiyaFujio"(デュ ーイ博士 卜彼 ノ十進分類法ガ 日本 図書館界 二及 ポ シタ影響) を発表 (団 研究Vol.6)して い る.そ の中には、わが国の図書館に対す るDeweyの影 響及び 日本語に よる1 D.C.分穎関係参考文献15等 の掲載がな され てい る。 さらに、鈴木賢祐は論文「D.C.第十二版」(盟 研究Vol.2)を も発表 してい る。HenryBertlett VanHoesenの 、"TheTwelfthEditionorthe DeweyDecimalClassification.LibraryJournal

53.1027-1030.Dec.1928"を原本 とした もので あ る。 デ ューイのD.C.が 、極めて優れた ものであ っ たのは、彼の分類に対 しての見識が他 に比を見な い ものである点 を指摘 出来 よ う。 デ ューイに よれ は、彼 自身分類 には理 論的一貫 性を 目的 としなか った とい う。余 りに理 論的に計画 された ものは、 か えって完全 な る理 解 を困難に し、応用 して も千 人 中 よ うや く一人が 、実際的 に駆使す ることがで きる くらいであろ うと してい る。実は この辺 に特 色を見 るが、同時にDeweyのD.C.に弱点 が あ るのではないか とされ るのもこの辺に原因があ る であろ う。 D.C.につ い ては多 くの長所が認 め られ よう。 例 えば、①表 が単純 で あるので、理解 ・記憶 ・使 用 に便利。②伸縮性 に富み、図書館の性質に よ り 粗表 ・精表 のいずれ を使用 して も綱 で一致。③経 験 に即 した名辞。④ 助 記性に富む。⑤無限の展開 に耐 え うる。⑥不断 に成長。⑦記号が単純 で国際 的。記録 し易 く、記憶 し易い。⑧相関索引を もつ。 ⑨多 くの図書館、文 献分類に使用 され る。等 々多 くの点が挙 げ られ よ う。 しか しなが ら、反 面、機械的 で人 為的 、非論理 的、区分の不均合、欧米本位的、学 問の分類上 旧 式で名辞が古 い。重要 な新主題挿入 の余地がない。 分節番号が長 い.等 々q)短所の指摘 も出来 るであ ろ う。 5.国際十進分類法 Classification Decimal UniverselleC.D.U. Classificationdecimaluniverselle.C.D.U.国 際十進分類法 を、武 田虎之助が紹介 し、 「本邦業 界 二於 ケル既 刊分類表 こ対 スル定説 -、海外版 ノ モ ノ-、D.C.、LC.、E.C.、S.C.・- ・・・- 国内 デ - N.D.C.ヲ支援 スル老 ガ多 イ」、 しか し「C.D. U.ノ全貌-マダ措 キ出サ レティナイ」 として、C. D.U.の現況紹介か ら解説に入 ってい る。 1895年、 ベルギーの プラッセルで、全世界 の書 誌的資料関 係で国際 会議が もたれた。 そ こで国際 書誌学会 ・国際書誌学局が設立 され 、全世界 の図 書 ・文書の 目録づ くりのためには詳細 な分類表 が 必要 とな った。 しか もそれは、①十 進分類法 であ ること。(診ア ラビア数字 で本法頬番 号が作成 され てい ること。③十進法の原理 の無限大 に拡大 可能。 等 々の理 由に よ り選 ばれたDeweyのD.C.が採 用 と決定 したのであった。 この様 な事情の もとに出来上が ったのが、C.D. U.である。科学論文の詳細な索引、及び排列上の 有用性が認 め られて行 った。C.D.U.は1929年に は42ヶ所 で しか も

1

0,000の機関 に於 て使用 され た。わが国では当時、台北帝 国大学 図書館 な どで 使用 (武 田虎之助 の勤務校) され て いた。 アカデ ミックな研究 には不可欠 な ものであった。 6. Cutterの ExpansiveClassification展開分 至頁法 E.C.

Cutterの "TheExpansiveclassificationBy CharlesAmmiCutter(Transactionsandpro -ceedingsortheSecondInternationalLibrary Conference,heldinLondon,July13-16,1897.

London1898-Pf!84-88抄録)が、 「カ ッター著 展開分析法説 明」 として鈴木賢祐 に よって紹介 さ れてい る。

図書分類法一般 を研究す るものの、是非一読せ ねばな らない---殆ん どすべての代表的 な文献

(11)

に.・・・・・・・・引用 されていると、L.Y.L.の箇 研究が

(Vol.4)紹介す る。元来、E.C.の「Expansive」

とは、知識の全ての分野を含む別 々の表が、第1 表か ら順次発表す るように構成 されてい る事をあ らわす ものである。 第1部は、第1表及至第6表か ら成 り、第2部 は第7表 か らな る。 この表はCutter自身 が、 額 の排列につ き理 由を明 らかに し、一般 に主題の進 化の線に沿 って排列 されている。 これは最 も理論的な分類法であ ると評せ られて いるものである。木表記号は、A.GeneralWorks

,

B.Philosophy,Br.Religion,E.HistorialSci -ences,班.Socialsciences,L Sciencesandarts,

R.Usefularts,V.Recreativearts(W.Fine arts),Ⅹ.Language,Y.Literature.な どである。 木表 に対 しては、多 くの長所 ・短所が挙げ られ よう。論理的、学究的、各科排列近代的、図書館 の実際に立脚、助記性、無限の展開に堪 え る、一 国関係の主題が一 ヶ所に集め得 る、記号が単純な どの長所が認め られ る。 このために、わが国では このE.C.が高 く評価 されていたのであった。 反面、E.C.に対 して、未完成であるとか、区分 が不均合であ り記号が記録 ・記憶 ・排架な どに困 難である、等 々の短所 もあげ られた。 と くに、記 号の件 についての指摘は、E.C.をこのまま採用す ることに対 して大 きな欠であ り、一種の警告 とも 言えるほ どであ った。

7

.L.C.

議員図書館分芙頁法 加藤宗厚 は、 「Sayers分類学 卜議員団分類法」 (EB研究Vol.4)を訳述 している

.

「議員図書館 分煩法Amanualofclassificationforlibrarians &bibliographersCh.

1

1

」の中で、(a)図書館 卜其 ノ分析法、(b)木表 ノ簡単 ナル説 明、(C)批評及評価、 などを紹介 している。 LC.は、増訂が可能のため表は最新式で、各類 の分冊発行や、廉価 で入手 できる点、印刷 カー ド の印刷 に好都合などのため、公共図書館 ・学校図5 書館で よ く利用 されていた。 8. S.C.Brown

SUbjectClassification 四大分類表 (D.C.、E.C.、L.C.、S.C.) 中、 最後 に現 われたS.C.は、 英 国近 代 図書館の父 と

も称せ られ るJamesDuffBrown (1862-1914)

に よって成 った。

鈴木賢掛 ま、"Library classification and Cataloguing1912Ch.Ⅵ"を 「分類 卜目録作成」

(団研究Vol.3)として紹介 している.

9.Chiu KaimingAlfred蓑開明、馬宗栄など

ChiuKaimingの "ClassificationinChina. LibraryJournal,'52:409-417.1977"が、鈴木 賢祐に より、 「支那 ニオケル分額法」(圏研究Vol. 1) として紹介 されている。 ちゆうかいみん 裏開明の 「Harvard大学 `漢和文庫 '分 類 表 」 と共 に、わが国での漢籍の取 り扱 いにつ いての示 唆が与 えられた。 彼は、漢和文庫分類表の中で、分類総 員を、経 学校 (100-999)、哲学 ・宗教類 (10(氾-1999)、 史地類 (2000-2999)、 社会科学額 (4000-4999)、 言語 ・文学類(5000-5999)、美術類(6000-6999)、 自然科学類 (7000 -7999)、農林工芸類 (8000 -8999)、叢書 ・日録類 (9000-9999)とす る。 馬宗栄MaTung一ung(L.Y.L.会員東京帝大卒) は 「中華民 国清華学校 旧籍五部分析法」 (圏研究 V91.2)を発表、分校 を、経部、史部、学部、集 部 、叢書部 とす る。 10.Mann 山 口三郎は、MargretMannを研究 し、"Intro

-ductiontoCataloglngandtheclassificationor booksCh.Ⅸ"を もとに して、 「図書 日録編纂及図 書分類概論」 (団研究Vol.5)を発表 した。

ll.ポー ドン Borden

Bordenの "Borden,William Alanson:Out -linesoraschemeorClassification:Aplan foundedontheDecimalClassificationandto beusedinconnectionwithit.LibraryJournal,

γol.53.127-128.Feゎ.1.1928."は、鈴木賢祐に よって訳述 され、 「東洋及 ビ其 ノ他 ノEB-使用 ス べキ分類表 ノ梗概 - 十進分析法 ヲ根拠 トシ同法 卜関聯 シテ使用 スベキー方案 - 」 として発表 (圏研究Vol.1)された. その中で、 「東洋人-新図書館精神 二 日醒 メッ ツアル ノダカラ彼 ラノタメ二、 ワガ至上 ノア メ リ -85

(12)

-カノ分類法 ノ ミナラズ、彼等 の要求 ニピック リト 当テ散 マル ヨウニ改修サ レクモノヲ、準備 シテヤ ラネバ可愛 ソウ」 としてい る。 この事 については、LY.L.? Bulletinで、L Y.L.の幻燈会開会の辞の中で、鈴 木 賢 祐 は 、 rWilliam Alanson Borden...Library Jourmalの本年2月1日号に書いてある 「F東洋 及 ピソノ他 ノ国 二適用 スベキ分類表 ノ概概 』トイ ウ文 ノ中二、 F準備 シテヤラネバ可愛 ソウダ 』 ト イウノデア リマス。私 - コレヲヨソデ少カラズ療 二触 リマシタ。-・-

-

F偉 ソウナ事 ヲイイナサ ン ナ、 日本 ニ- コソナ立派ナ分類表 ガア)I,ノダゾ 』 トBorden氏 ノ前 二叩キツケラレル ヨウナモ ノ-、 今 ノ トコロ残念 ナガラ日本 こそナイノダカラ」 と 述べて残念が っている。 鈴木賢祐の、 「Dewey十進分類法 トBorden案 - 特 二日本国 ノ立場 カラ- 」 (団研究

Vo

l.1) は、 アル ファベ ッ ドをD.C.に組 み合せ る事を広 義のボー ドソ案 と見な して、Bordep案 を、「ワガ 国在来 ノ十進記号表 ノ短所 ヲ補 ィ、D.C.ヲ日本的 二駆使 シウル方案」 と評 している。 三、 研 究 ・紹 介 と分 類 法 標 準 化 へ の道 以上、当時の図書館関係者に よる、各種分類表 の研究 とその成果 を見た。 これ らは、 この後の 日 本十進分類N.D.C.の案 出 ・提示 さらに育成に対 してまで、重要な契機 を与 えている。 この点は特 に指摘 されなければな らない点であろ う。 わが国の分類法の標準化-の動 きは、 さきに指 摘 した世論の厳 しい批判 と相 まって、大 き く前進 させ られた こと、ならびにLY.L.の結成 、及び 比較的少壮の図書館員 に よる研究 ・実践が華 々し く展開 された こと等か らも、容易に理解 しえ られ るところ と言え よう。 もち論、 この気運は、 さらに 目録法や件名漂 日 表の標準化を も促 し、 ます ます気鋭の青年館員 の 活躍が展開 され るに至 ったのであるが。 以上のべた ような、各分類表研究状勢下にあっ て、わが国の図書館や ユーザーに対 して好適な分 類表 の出現 に対す る期待感が、 ます ます高揚 され て行 ったのであった。 この様な状況下 にあ って、海外での図書館学 の 研究に便ず る諸資料や、それ らを活用す る研究者 な らびに実践者な どが、気 ら くに集合 し研究 し合 え る場、半はアカデ ミック、なかはサ ロン的気風 を持 った場 の設定 もよ うや く実現 した ことか ら、 上述の動 向は増幅 されて行 ったのであった。

わが国 におけ る

分類法 の標準化

-、NipponDecima一C一assification

N.D.C.

好適な分類法 出現-の期待の中に、森清の 「和 漢図書共用十進分類表案」が発表 (眉研究

Vo

l.1.

PP1

2

ト ) された。森清は、現代のわが国の図書 館界で、ただちに と りかか らなければならない急 務 とす ることは多 々ある。 しか しその中で重要 な ことは何であるかを指摘 し、分類法 は 「我国 ノ立 場 カラ立案 シ然 モ共通的 二使用 シ得ル標準図書分 類法」でなければならない事をあげている. (盟 研究

Vo

l.1) 森清の、 「和漢図書共用十進分類表案」 (団研 究

Vo

l.

1

.PP.1

2

1

-1

6

1

,1

9

2

8

)

は、この様に館界 で標準分析表が渇仰 されている時に、折 よ く公表 された ものであ る。 森はわが国に標準分類表がなければな らぬ諸点 を とりあげている。当時は過去50年間に生 まれた わが国の図書館は、ほとん ど基準 とすべ き軌道の 上 に経営 されてはいない。そのため各館は、個 々 の設立者 もしくは経営者の もっている主観的立場 か ら、経営は 自由勝手 に計画 され、そ して実施 さ れているのが現状である。6 そのために、 「今 ヤ 5000ノ団 5000種 ノ経営上 ニヨッテ居ル」、 この結果、Aの図書館に出入 し そ こでの経営方針を よく会得 した ところのユーザ ーが、た また ま他のB館-行 った とす る。その際 には、 「初心者 卜同様 ノ立場 ニオカ レテ、既 二得 夕知識-殆 ソ ドナ ンラ役 ニタタナイ」 もの となっ て しま う。 さらに、・元来図書館ほ ど、各館で共通性をいろ いろな面 で持 って貰いたい ものはないのが実情で ある。従 ってゆ くゆ くは、各館の相互相助を活発

(13)

に し、やがては 「Interloansystemニマデ

進マナ

ケ レバナラヌヨウ運命付 ケラ レテイル -モ不拘、 各独立 シタル体系デ、即 チ極論 スルナ レパ、排他 的組織 ノ上 二立脚 シテ居 タノデ-、到底此 ノ理想 ノ実現 -愚 カ、今 日既 二目録 ノ交換 ニヨル、彼此 相互的便宜 ヲ計ル コ トサ-手軽 ニ-行 -ナイ状態」 になって しま うとしている。 この事情は、ただ単 に利用者側だけの問題に と どまらない。図書館従事者について も言 えること である。館員がか りにA館か らB館-移動 した と す る。上記 と全 く同様な結果 を生む とい うことに なって しま う。 「人物経済 -勿論 ノコ ト、従業員 モ或一 ヶ所 二 精通 シク老 卜錐 ドモ、他 二道 ヲ求 メル ノガ億劫」 (匿研究Vol.1)となって しまい、結局は、 「馴 レタ処 デ不満足 ナガラ落付 カネバナラナイ」(ibid.) ような状態 になって しま う。そ こで、そのために 今 日までに分類表 については、標準分叛表 となす べ きものを種 々考究 して来たのであるが、それ ら の殆ん どすべてが共通的でな く、個 々の利便 を主 として構成 されている観があると言える。 わが国では、帝国図書館分類表 が、比較的早期 に制定 された。かな りの利用者 もあったわけであ るが、今 日では、 「ソレニ含 マ レテイル標 目ノ不 足 ト、記号 ノ複雑 卜理論的展開 ノ上 こ、色 々ナ障 害 ガ伴 り結果、新 シイ団デ-余 1)歓迎サ レナ クナ ック様 デアル」 (EB研究Vol.12)と してい る。 (実は この帝国図書館の八門分類 にも各種の欠点 もあ り、余 り芳 しくなか った ようであ る。) 米国の事情は、 「Cutter氏 ノ創案 ニナル Expan-siveClassificationガア リ、アメ 1)カ議員団分類 表 ガア リ、又 イギ リスニ- BrownノSubject classificationナ ドガア ツテ

(ibid.Vol.1) 図 書館の種類 ・目的に より、適当な ものを選択利用 してい る。 しか し、 これ らのいずれ もが 「我国文 そ の ま まあてIi 献 ノ整理 二其侭当散 メ難 イ」従 って切角の好材料 即 ちD.C-.、E.C.、L.C.、S.C.な ども 「即効的役 ニ-立 タナイ」 (ibid.Vol.1) としている。 わが国で も、十進分類 DecimalClassification 形式を とって作 られた分類表 はかな り多 い。 しか しそれ らはただ外観だけの便宜、すなわ ち十進記 号だけを適用す るものであって、 「D.C.ノ根本タ ル助記的精神 ヲ汲マナイ似 テ非 ナルモノデア ッテ、 所謂 F似而非 』十進分析表 卜云 夕べキモノ」であ る (ibid.寸01.1). なおDewey分類表 は、 「ソ レニ相関索引 ヲ付セル コ トニ依 リテ、利用効果 ガ 増大 」 しているわけであ る。 しか し我が国の分類 表 では、殆んどが分穎体系だけで、索引を伴 って いない。 そのため、扱 う人が変 るたびに、 また同 一扱 者で も、時に よっては 甲乙置籍場処を異に し た よ うな不便 さを釆 している。であるか らして、 分短 にはなるべ く詳細 な索引の必要性が叫ばれる。 分類記号法について も、従来行われた ものにア ラビア数字だけ、 ローマ文字或は数字 と文字の組 合せ などある中で、 「数字専用 ノ代表的 ナモノ-DeweyDecima

H

そ して文字だけなのは 「Cutter ノExpansive」 また 「両者併用 ノモノニ- Con-gress及ビ Brown,Subjectナ ドガアル」 (ibid.)、 としてい る。 当時の分類学者達に とっては、元来、分類はす べて数学 ・文字併用が最適 であるとい う方向-向 っていた ようであった。 しか し彼の発表 した もの は、一般 図書館用の立場 に立 って立案 した もので ある。その 目的を達成す る点か らみれば、記号は 「最 モ記憶 シ易 ク、且 ツ世界的共通符号デアル数 字専用 ノモノ」 (ibid.)であ る とす る。か くして、 「基本項 目」、 「第一要 目表」、 「細 目表 」、 「助 記表 」な どをあわせて発表 した。 (ibid.箇研究 Vol.1)、分頬表案はひとまずまとまったのであっ た。 当時の事情について よく述べているところの、 「N.D.C.日本十進分類法 第7版」は、その版の 序説 の ところで分類表 の説 明を している。即 ち、 N.D.C.の生 い立 ちにつ いて述べ、 「は じめ F和 漢共用十進分類表案 』の標題で、EB研究に当時の 会員 であ る森清が発表 し、それを翌年 F日本十進 分類法 」と改題 して、間宮不二雄 の手で刊行 され たのであ る。素案は稔表が僅かに3べ⊥ジであ り、 索引 が350項 目とい う簡略 な ものであった。 しか しなが ら十進法の しくみが、十分生か され ている 点 において、まだ索引が附せられ ているな ど、わ が国におけ る分叛法 としては まさは画期的 な もの と言 え よ う。」 (日本十進分類法N.D.C.第七版 序説 P.ll)、と高い評価を与 えているのである。 この 日本十進分類法N.D.C.は実は記号法 とし ては、米国のMevilDeweyの手 にな る十進分類 -

(14)

87-法D.C.(D.D.C.)に従 っている。 そ して、主題 の配列順位については、デューイの十進分類法

D.

C.よ りも、理論的にす く・れたCharlesAmmi Cutterの展開分額法Cutter'sExpansiveclassifi -cation,E.C.に よっているのである。 したがって これは

LC.

とも近 い ものであると言え よう。綱 以下の区分については、D.C.、LC.その他多 くの 分類を参考に して成 った (N.D.C.の第7版 序説 「分類表の説明」の中、P.12に記述 され ている。) ものであるとされている。 D.C.を採用するとい うのは、当時 としてみれば 世界的傾向であった。 これにあえて抗 した姿勢を とったN.D.C.の支持者、及び従来国内での分析 の主観化を相互に指摘 しながらも、 とうていそこ か ら脱皮す ることが出来な くて、苦悩 していたわ が国の図書館界、これ らの双方か ら、 これを改善 しようとす る声が出たのは、首肯 され るところと 言えるであろ う。 二、N.D.C.育成 へ の LY.L.の努 力 青年図書館員聯盟会報LY.L.Bulletin 6th year.P.9によれは、昭和8年9月2日、L.Y.L. の理事会 (第9回)において、N.D.C.調査委員 会設置 (仙田理事の提案)の議案が提出され審議 された。 そこでは、N.D.C.はし.Y.L.が支持 して普及を 計 ってお り、従 って事実上聯盟公認の 「図書分類 表」でもあるのである。しかし、正式に公認を うけ た ものではない。従ってこの委員会の名称は

N.

D.C.「研究委員会」と呼称を改めた。そ して委員 10名以内、人選は本部一任 (同会報 の6thyear によれは、条件 として 「委員中に編者 としての森 氏 と熱心なる利用者 として加藤氏、仙 田氏はぜひ 入れ ること」 としている。) と決定 したのであっ た。 同第十回理事会では、N.D.C.研究委員会 の委 員 として森清以下10名一 岡田健歳 (北海道)、 佐藤膳雄 (東北)、加藤宗厚 (関東)、村上清造 (北陸)、 目黒加- (近致)、横井時重 (近畿)、 堀 口貞子 (南海)、神津武夫 (山陽)、森清 (山 陰)、多田光 (四国)、以上の10名- に委嘱状 を出す こと、及び振興策は来会者の意見に より、 実行可能な面か ら漸次着手す ること、出版法に対 しては、不 日、本部か ら内務省-提出す ることな どが決定 された。 よって、 10月20日LY.L.理 事員 の中島猶次 郎名を もって、委員候補者に委嘱依頼状の発送が 成 された。文面の中に、 「(1)N.D.C.研究会組織 及方法、(2)右研究会 二対スル御希望、及 ビ御気附 1点」が加えられたのであった。 N.D.C.を購入 した先に対す る案内状 (ibid. Bulletin7thyearPP.9-10)も発送 された。そ れには、 「日本十進分類法研究会」が、青年団員 聯盟内に設立 された ことを報 じている。 さらに、 「(1)同法中改良スべキ事項及細 目ノ展開、(2)同法 実施上 二対 スル疑問 ノ相談、(3)其他同法 二関 スル ますます ー切 ノ件」な どを調査 し、同法を して益 々社会の 進運に伴わ しめ る。それ と同時に、同書の改版の 参考に資 し、併せて同法の実施を容易に し、且つ N.D.C.分類 を採用 した図書館の相談所 とす る。 またそれ ら図書館相互の連絡にも資す る等 々とい う諸 目的をめざして、す ぐ実行に移 され るように したのでご協力、ご利用をいただ きたいと呼びか ける。 そ して、 「今後 日本十進分類法 中、改良改正ス べキ点、細 目分類表 ノ御希望井 どこ同法 ノ実際利 用上 二対 スル疑問、又 ワ御意見及同法 二関 シ御気 付 ノ事 ワ細大 トナク-・・-・御通告下サイマス レバ 同研究会 二於 ケル研究対象 トナシ、御希望 ニヨリ テ ワ、直接御回答モ中上ル筈-・--今後共-・・・・ -御支援 ニヨツテ同法 オシテ更 二一段 卜完全ナモノ ニ仕上ゲテ参 リタイ」 (LY.L.Bulletin 7th year.) としてい る。 さらに 日本十進分類法N.I).C.に対す る、訂正、 追加の件が議せ られた。昭和9年3月、N.D.C. 研究委員会消息によれば、 「森清氏 ノ手 ニヨツテ 作 ラレク私案 F日本十進分類法使用者手引 :其1

E

I

及 F OIO団学 ノ分類 ノ訂正 ・展開細 目表案 Elが各 委員間に配附 された。そ してまた特 に、N.D.C. 100類の精神科学 (哲学 ・宗教)の所 に対す る会 員の意見が広 く問われたのであった。 昭和9年4月、L.Y.LBulletinに よれは、N.D. C.研究委員会の手になる0炉の最終案が決定 したO よって圏研究 Vo1.7に掲載 し、第1類 の研究案 が森委員の手にな り、各委員配布 となった。 さら

(15)

に、N.D.C.研究委員 会提 出の 「日本十進分類法」 次版改訂案第2回が、団研究 Vo1.7に発 表 され た。 LY.L.Bulletin8tllyearに よれ は、N.D.C. 委員会報告では、第3版を至急発行す る必要が生 じた。 よって、森清の手 に よる総表 o類か ら2類 まで及び農学部関係が2月10日に審議 された。残 りは2月16日夜10時 までかか って検討 し、それで も確定不可能な数 ヶ所は編纂者森清に-任 して、 ひ とまず全表 を終 ること、及 びN.D.C.第3版 は、 遅 くて も本年4月末には発行の予定 であ る等 と報 告 されて いる。

昭和10年5月

、LY.

L.

Bulletin8tbyear

(

P.

38)に よれば、N.D.C.刊行以来7ヶ年、 3回改 訂、増補第3版完成 ももう旬 日を出ない筈である。 さらにまたLY.L.がN.D.C.を公認 した点 、及 び推薦 しつつあることを も報ず る。 そ して、 さら には 「総会 ヤ大会等 デ統一 ヲ希望 スル百 ノ議決 そ、 - ツノ実行 ニ-如 カザル コ トヲ如実 二示 シ」た と も述べているのである。 なお愉快なるニュースとして、四国大会では、 「四国四県にオケル団 ノ分析法 ヲ日本十進分析法 (森活編) ニ統一 ノ件」が上捉 された こと、及び これは恐 ら く数年前に旧分析 に よる数万の蔵書を N.D.C.に改 めた

○ 図書館か らの提案 であろ う としてい る。 また8万を所蔵す る神戸市立図書館 がN.D.C.化す る事 にな って、着 々進行 中である。 これ らN.D.C.への協 力に対 しLY.L か ら大 い に感謝す るとも報 じている。 また、 コー ド作製について も、N.D.C.研究委 員会関係報告 として、第3版 も発表ずみなので 目 下その コー ドを森清氏が立案作成中である。「コ ノ完成- N.D.C.ノ普及化 ノ上 二拍車 ヲ加-ルモ ノ」 として、 コー ド作成を述べ る。 LY.L.BulletinlothyearP.18に よれ は、N. D.C.研究委員会は所期 の 目的を遂行 したので、委 員会を一応廃止す る。将来必要 に応 じ再建 も考慮 しているとい うこととなった。 福士、神津、加藤、 目黒、森、村上、岡田、多 田、仙田等 で組織す るN.D.C.研究委員会 も、大 きい成 果を得て解散を見た。そ して各委員に対 し て、LY.Lの理事員首席か ら謝状が発せ られたの であった。 「第11回総会報告の件」が、昭和12年8月、L Y.L.Bulletinlothyeariこ報告 された。他の三委 員会即 ち,(1)仮名問題常置委員会、(2)基本的参考 図書編纂委員会、(3)協会案 日録法委員会等 と共に、 N.D.C.研究委員会 にあ っては、一応 その 目的 を 達成 したので廃止す る旨が掲載 されてい る。 「兵庫県 ノN.D.C.」 について も, また会報 に 紹介 されている. (L.Y.L.Bulletin9thyearP. 12) 三

、N.D.C.

への協力 と成果

.多 くの協力が、N.D.C.に よせ られ て いる。 ま ず村上清道の、 「N.D.C.494F薬学 」ノ `分 日' 変更及展開細 目表案共 ノ他 ニッイテ」 (LY.L. 箇研究Vol.3)がある。学校図書館協議会薬学専 門部会で昨年賛成を得た ものを、N.D.C.の編 者 である森清の意見を参考 に して、改訂展開 した も のであ る。 シラキ ウス大学の電気工学部卒 で、General ElectricCo.に就職 していた渋谷市郎が、骨子案 をつ くり編者森清が、 これ に基づ き按配 して作成 した ものが、 「N.D.C.540電気工学及電気工業細 目展開案」である. これが、盟研究Vo1.3に公 表 された。 「N.D.C.化学及衛生 ノ部展開細 目案 N.D.C.、 430化学、499衛生学、519衛生及都市工業、570 化学工業 ノ部) (i-bid.Vol.3)、及び柳二郎の、 「N.D.C.221溝洲ノ地理区分改訂私案附 :満州地 方記号索引

(ibid.Vol.16)等 も見 られ る。 「N.D.C.490医学綱展開細 目案(1)」及 び 「同細 目案(2)」は京都医大の赤昇軍次郎氏の好意に よ り 同大教授数名の校閲を得、 また多 くの助言 をえて 発表 (ibid.Vol.9)された とす る。 森氏の、 「N.D.C.770演劇 ノ部展開細 目案」 も 再版では 「日」 まで しか掲げなか った ものを、 さ らに進めて、発表 (ibid.Vol.5)してい る。 以上か らす ると、森清を中心 として、村上、柳 をは じめ多 くのLY.L.会員 及 び、LY.L.とは直 接 には無関係 と見 られ る渋谷市郎、その他大学薬 学部会や医学部の教授などの力強 い、 しか も高質 な協力を得ているように見受け られ る。 この ように して、 「日本十進分類法」次版改訂 - 89

図 書 館 資 料 分 類 の 研 究 A   S t u d y   o f   t h e   C l a s s i f i c a t i o n   o f   M a t e r i a l s   i n   L i b r a r y ‑ 目 次 ‑ 1 昭和初期わが国の整理法 ‑ その主観性 一.分類法 ・日録法の過主観性の指摘 ‑ 世論 的批判 1

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