ウルトラファインバブル水の国際輸送
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(2) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. ではないと結論付けた。一方、この報告に反論す る形で Jadhav and Barigou[4]は、UFB が“gas-filled bubbles”であるとする実験結果を報告した。彼ら は、3 つの手法で生成した UFB 水について、11 種 の物理的・化学的手法を用いて液中のコンタミネ ーションの有無を検証した結果、生成された粒子 群は確かに“gas-filled bubbles”、すなわち気泡で あると結論付けた。このように、学術的には UFB の存在そのものについて活発な議論が行われて いる。 相反する報告が行われ、ともすれば混乱を招い ている原因の 1 つとして、 「標準」となる UFB サ ンプルが存在しない問題が挙げられる。Table 1 に主な UFB の生成方法をまとめた。表から明ら かなように、付随する物理的・化学的な現象が全 く異なっていても、生成した粒子群は一様に 「UFBs」として扱われてきた。異なる手法で生成 された UFB に対して、研究者が種々の測定値を 報告する現状では、UFB に関する科学的に統一し た結論を得るのは困難であると考えられる。 この問題を解決する手段の 1 つとして、試験所 間比較(Interlaboratory comparison)が考えられる [5]。一例として、代表的なナノ粒子であるポリス チレン粒子については、同一サンプルを各国研究 機関に配分して行う「一斉配布型試験」[5]が行わ れ、装置の性能評価や校正が広く行われている[6]。 UFB においても、複数研究機関での同一サンプル を用いた研究は、矛盾の無い統一した知見を得る ために有効であると考えられる。 試験所間比較のためには、一か所で生成したサ ンプルを各機関に確実に輸送する必要がある。実 験室内での UFB の保存安定性についてはこれま でにも報告されている[7]。しかし、輸送を伴う保 存安定性については筆者らの知りうる限り報告 されていない。ISO によって UFB に関する規格 化が積極的に進められている現状を鑑みると、今 後は日本国内のみならず、国を跨いだ試験所間比 較がますます行われるものと考えられる。 そこで本研究では、UFB の安定性に及ぼす国際 輸送の影響を実験的に検証した。日本~ドイツお よび日本~カナダ間の飛行機輸送が UFB の安定 性に及ぼす影響を PTA(Particle Tracking Analysis) を用いて評価した。粒子個数濃度と粒子径測定に 加え、輸送中の衝撃加速度と温度を測定し、輸送 による UFB 不安定化原因について検討した。最. 186. 後に、輸送した UFB 水を各機関の粒子測定装置 で測定した、装置間比較結果を報告する。 Table 1. UFB generation methods.. Method. Proposed principle. Ref.. Electrolysis. NaCl aq. electrolysis. [8]. Membrane. Nano sized membrane. [9]. Pressurized dissolution. Supersaturation. [10]. Swirling liquid. Strong shear. [11]. Ultrasound. Ultrasonic cavitation. [12]. 2. 実験方法 2.1 UFB 水の生成 超純水製造装置うるぴゅあ(KE0119, Komatsu Electronics Co. Ltd., Japan)を用いて、水道水から 超純水を製造し、UFB の分散媒として用いた。本 装置は、脱イオン処理、複数のフィルター(活性 炭・限外ろ過膜・逆浸透膜)処理を行い、処理水 を装置内の密閉タンクに保存するシステムを採 用している。保存タンク内の超純水中に存在しう る微量有機物は光触媒と紫外線ランプによって 常時分解されている。製造された超純水の全有機 炭素濃度(TOC)は 50 μg L−1 以下、電気伝導度は 0.01 mS m−1 以下に保たれていた。後述の PTA 装 置(NanoSight LM10)を用いて測定した超純水中 の粒子濃度は 1 × 107 particles cm−3 以下だった。 この超純水中に UFB 発生装置 Ultrafine GaLF (FZ1N-02, IDEC Co., Japan)を用いて UFB を発 生させた。UFB 生成に用いたガスは、孔径 10 nm の中空糸膜フィルター(KIC-T6, Kitz Micro Filter Co., Japan)でろ過した実験室内の空気を用いた。 運転終了後約 3 h サンプルを装置タンク中に静置 し、サンプリング前にマイクロバブルを浮上分離 した。本装置は加圧溶解式[13] による UFB 発生 方式を採用している。加圧溶解式は、最も多く報 告 さ れ て い る UFB 発 生 方 式 の 1 つ で あ る [12,14,15]。 2.2 Particle Tracking Analysis(PTA) Particle Tracking Analysis(PTA)装置 NanoSight (Malvern Ltd., UK)を用いて粒子個数濃度 N お よび粒子径 d を測定した。解析ソフトウェアは NTA3.2(Dev Build 3.2.16, Malvern Ltd., UK) 、測定 パ ラ メ ー タ は Camera Level: 12 、 Detection Threshold: 5 で統一した。Camera Level は Gain と Shutter speed を、Detection Threshold は画像解析に. Japanese J. Multiphase Flow Vol. 35 No. 1(2021).
(3) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. おいて「粒子」として判別する最小の輝度値を決 定するパラメータである。これらのパラメータが 測定値に及ぼす影響については文献[16]に詳しく 述べられている。 PTA 測定は動画撮影と撮影した動画の画像解 析から成る。本研究では各 60 s の動画を 5 回撮影 し上記パラメータで解析した。また、1 サンプル について 1 回測定を行った。PTA 装置の計測至適 濃度範囲を超える高濃度サンプル (> 2 × 109 particles cm−3)については超純水を用いて適宜測 定に適した濃度(< ~10 × 108 particles cm−3)に希 釈して分析した。個数濃度の希釈に対する線形性 は良好であった(R2 > 0.97) 。また、個数頻度分布 は希釈によって変化しなかったため、希釈が UFB の安定性に及ぼす影響はなかった。なお筆者らの 研究によって、本研究で用いた装置で発生させた UFB の安定性に溶存ガス濃度が及ぼす影響は無 いと明らかになっている[17]。 UFB 発生装置が置かれている慶應義塾大学矢 上キャンパスには NanoSight LM10、輸送先のハ ンブルク工科大学には NanoSight NS300 が設置さ れている。それぞれの装置の仕様と装置間比較に ついては 3.4 節で議論する。 2.3 動的光散乱法(DLS) カナダ・ダルハウジー大学において、Zetasizer Nano ZS(Malvern Ltd., UK)を用いて UFB の光散 乱強度基準粒子径分布を得た。本装置は動的光散 乱法(Dynamic Light Scattering: DLS)を採用して おり、レーザー散乱光強度の時間変化から光散乱 強度基準の粒子径分布を得る[18]。本装置の散乱 角度は 173°、レーザー波長は 633 nm である。自 己相関関数の解析には解析ソフトウェア (Zetasizer Software, Malvern Ltd, UK)の非負拘束 付最小二乗法(NNLS)法[19]を用いた。 2.4 国際輸送 Fig. 1 に輸送試験に参加した研究機関の位置お よび保有する粒子測定装置を示す。本研究では、 慶應義塾大学:KEIO(日本・横浜) 、ダルハウジ ー大学:DAL(カナダ・ハリファックス) 、ハンブ ルク工科大学:TUHH(ドイツ・ハンブルク)の 3 機関間での輸送を試みた。 まず、UFB 発生装置のある KEIO にて、UFB 水 を生成し、装置運転終了約 8 h 以内に PTA 装置 NanoSight LM10 で分析した。輸送するサンプル は 30 mL ガラスバイアル(SV-30, Nichiden Rika. Glass Co. Ltd., Japan)中に分取した。ポリプロピ レン製スクリューキャップの内側にブチルゴム シーリングを取付け、バイアル内の圧力変化をで きるだけ防いだ。なお、飛行中の機内圧力は 75 kPa 程度であることが知られている[20]。複数本 輸送したサンプルバイアルうち、輸送先機関で分 析しないものは開栓せず KEIO にそのまま持ち帰 った。輸送終了後、KEIO にて PTA 装置 NanoSight LM10 で分析した。 輸送しない UFB 水の母液は清浄な高密度ポリ エチレン(HDPE)タンクに入れ、KEIO 実験室内 に室温(23 ± 2 °C)で保存し、NanoSight LM10 で 経時変化を測定した。なお、筆者らが別報で報告 した通り、バイアル中に保存したサンプルと HDPE タンク中に保存したサンプルについて、個 数濃度および粒子径の経時変化は統計的な有意 差が見られないことを確認している[21]。 TUHH, Hamburg, Germany. DAL, Halifax, Canada. - PTA (NanoSight NS300). - DLS (ZetaSizer). KEIO, Yokohama, Japan - UFB generator (GaLF) - PTA (NanoSight LM10). Fig. 1. World map showing the locations of the institutes: KEIO, DAL, and TUHH.. 本研究では複数機関での UFB 輸送および測定 を行ったため、Table 2 のような輸送履歴コード を定義した。一例として、KEIO で生成した UFB 水を DAL へ輸送し、DAL で測定した場合のコー ドは「J-C-C」となる。なお、UFB 発生装置の所 在機関である KEIO で静置保存した UFB 水(輸 送なし)については「J-J-J」とした。 Table 2. Transportation code.. Code. Generation. Destination. Characterization KEIO. J-C-J. KEIO. DAL. J-C-C. KEIO. DAL. DAL. J-G-J. KEIO. TUHH. KEIO. J-G-G. KEIO. TUHH. TUHH. J-J-J. KEIO. KEIO. KEIO. 混相流 35 巻 1号(2021). 187.
(4) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. Table 3 に輸送条件を示す。各 UFB 水の初期濃 度の平均値±標準偏差(te ≤ 8 h)と UFB 生成日 も併せて記した。全 2 回の輸送試験の内、最初の 輸送(KEIO~DAL)ではバイアル内全てを UFB 水で満たし、気相のない状態(Fully-filled)で輸送 した。この際の液体積は約 33 mL である。2 回目 の輸送(KEIO~TUHH)では、バイアル内に 15 mL の UFB 水を入れた条件(Half-filled)でも輸送 した。Half-filled ではバイアル上部に気相(空気) が存在するため、振動によって液流動が起きる。 Table 3. Transportation conditions.. Initial N Date of. [×108. generation. particles. Number. Code. of vials. Filling. cm−3] 2019-1018 2019-1126. 16.6 ± 0.6. 26.6 ± 1.4. J-C-J. 5. Full. J-C-C. 5. Full. J-G-J. 3. Full. J-G-J. 3. Half. J-G-G. 3. Full. J-G-G. 3. Half. KEIO~DAL 間輸送は容量約 70 L のキャリー ケースに、梱包したバイアルを入れ、筆者らが全 行程を運搬した。KEIO~TUHH 間輸送は、バイア ルと一緒に後述の加速度測定装置もキャリーケ ースに入れ輸送した。この輸送では、KEIO と東 京国際空港(HND)間、日本国内の一部輸送を輸 送業者(Yamato Transport Co., Ltd., Japan)に依頼 した。なお、具体的な輸送スケジュールは 3.2.2 節 の Table 4 に記した。いずれの輸送も飛行機搭乗 中はキャリーケースを預入荷物とした。 2.5 加速度測定 加 速 度 測 定 装 置 ( G-MEN DR100, SRIC Co., Japan)を用いて KEIO~TUHH 間輸送中の衝撃加 速度と温度を測定した。加速度測定装置をサンプ ルバイアルと一緒に容量 68 L、質量約 20 kg のキ ャリーケース(Samsonite International S.A., US)に 入れ輸送した。 本装置の加速度測定範囲は 1~100 G(1 G = 9.8 m s−2)であり、分解能は 1 G である。 本装置は MEMS(Micro Electro Mechanical System) センサーを搭載し、X-Y-Z 軸方向の加速度測定が 可能である。3 軸の合成値を代表値とし、測定間 隔は 60 s とした。. 188. 2.6 実験室での振とう試験 Fig. 2 に示すような装置を用いて、UFB 安定性 に及ぼす液流動の影響を検討した。細胞培養用振 とう装置(T-22S, Thomas Scientific LLC, US)を用 いて UFB 水の入った 30 mL バイアルを 2 Hz、ス トローク 40 mm で振とうした。振とう方向の加 速度は 0.8 G であった[22]。 Fully-filled と Half-filled の状態でバイアルを振とう台に固定し約 15 h 振 とうした。Fully-filled 及び Half-filled の充填方法 で振とうさせない条件(振とう装置隣の実験台上 に静置)を対照サンプルとした。実験室内の温度 は 25 ± 1 °C に空調管理した。各条件につき 3 本 のバイアルを使用したため、合計 12 本のバイア ルについて、振とう後の個数濃度および粒子径を NanoSight LM10 で測定した。振とう前のサンプ ル中の個数濃度は 7.88 ± 0.58 × 108 particles cm−3、 算術平均径は 90.1 ± 1.8 nm であった。. Shaking direction Fully-filled 30 mL glass vial. Half-filled 30 mL glass vial. Shaking incubator. Fig. 2 Schematic of the experimental setup for the shaking test. 3. 結果と考察 3.1 DAL への輸送:Fully-filled・手持輸送の影響 Fig. 3 に UFB 安定性に及ぼす KEIO~DAL 間 往復輸送の影響を示す。Fig. 3(a)に示すように、 日本で静置保存した UFB 水(J-J-J)中の UFB 個 数濃度 N は時間とともに減少した。図中、J-C-J の プロットとエラーバーはそれぞれ輸送した 5 本 のバイアルの平均値と標準偏差を示す。これらの 値から求めた CV 値は 5.9%であり、バイアル間 の再現性は良好であった。輸送が終了した 11 日 目(te = 11 days)には、J-J-J の UFB 個数濃度は生 成 3 h 後と比較して 56.9%減少した。対して、輸 送した J-C-J の UFB 個数濃度は 60.2%減少した。 よってわずかではあるが輸送によって個数濃度 が減少したと言える。. Japanese J. Multiphase Flow Vol. 35 No. 1(2021).
(5) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. 20. N [×108 particles cm−3]. Key. 15. Sample code J-J-J J-C-J. UFB generation date: 2019-10-18. 10 5 0. -5. (a) Median diameter d50 [nm]. 500. 0. 5 10 15 20 25 Elapsed time te [day]. Key. 400. Sample code J-J-J J-C-J. 30. 35. d90 d50 d10. 300 200 100 0 -5. (b). 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. Elapsed time te [day]. N [×107 particles cm−3]. 12 Key. Code. 10. te [day]. J-J-J. 0.13. 8. J-J-J J-C-J. 11 11. Fig. 3(c)に、個数濃度分布に及ぼす経過時間と 輸送の影響を示す。個数濃度は輸送の有無にかか わらず時間とともに減少し、te = 11 days の粒子径 分布はほぼ一致した。生成 3 h 後の 90 nm 付近の ピークは 160 nm 付近までシフトした。約 155 nm を境に、これより粒子径の小さい UFB 数は大き く減少し、粒子径の大きい UFB 数は増加した。 これらの事実は、粒子の凝集によって個数濃度 が減少した可能性を示唆している。筆者らは最近、 異なる温度(4, 25, 55 °C)において UFB 水を静置 保存し、UFB の長期的な凝集挙動がポピュレーシ ョンバランスモデルによって予測できる、すなわ ち個数濃度の減少及び粒子径の増加は主に凝集 に起因すると結論付けた[21]。Fig. 4 に粒子径分 布および個数濃度から計算した UFB 体積分率の 経時変化を示した。図から明らかなように体積分 率はおよそ一定であった。この結果も、個数濃度 と粒子径の変化が凝集である仮説を支持する。な お現時点での PTA 法の粒子サイズ測定精度では 単一 UFB 同士が合一したのか、凝集体(クラス ター)なのかの区別はできない。この点に関して は当該論文中[21]でも議論したように、複数の研 究グループによって UFB はクラスターとして存 在している可能性が指摘されている[23,24]。 Volume fraction [×10−4 vol%]. Fig. 3(b)に、個数基準の累積 50%径(メディア ン径)d50 の経時変化を示す。図中のエラーバー上 端および下端はそれぞれ 90%径 d90 と 10%径 d10 を示す。保存時間の経過とともに分布幅(d90−d10) は広くなった。te = 11 days には d50 は 170.3 nm ま で増加した。J-C-J は、J-J-J よりもわずかに広い 分布幅を持ち、d50 は一致した。. 8 Key. 7 6 5. UFB generation date 2019-10-18 (DAL) 2019-11-26 (TUHH). Code: J-J-J Stored in HDPE tank. 4 3 2. 1 0 0. 6 4. 5. 10 15 20 25 30 Elapsed time te [day]. 35. Fig. 4 Volume fraction of UFBs in the dispersion as a function of elapsed time since UFB generation.. 2 0. (c). 0. 100. 200 300 400 Diameter d [nm]. 500. Fig. 3 Effect of transportation between KEIO and DAL on the stability of UFBs. (a) Number concentrations and (b) median diameters as a function of time. (c) Number concentration distributions of UFBs.. 以上の実験結果から、バイアル中に気相が無い 条件では安定に UFB を輸送できると分かった。 飛行機輸送は UFB 個数濃度をわずかに減少させ たが、粒子径分布にはほとんど影響を及ぼさなか った。なお、物理的・化学的な外乱がなければ UFB 水は輸送の有無にかかわらず同様の経時変化(個数 濃度および粒子径)を示すと考えられる。. 混相流 35 巻 1号(2021). 189.
(6) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. 190. 目の輸送試験で用いた UFB(2019-11-26 製造)に ついても体積分率はおよそ一定だったので、個数 濃度の経時変化は凝集に起因すると示唆された。 Fig. 5(c)の Half-filled についてピークが変化せず に個数濃度が大きく減少した原因は明らかでな いが、 液流動と凝集については 3.3 節で議論する。. N [×108 particles cm−3]. 30. Key. Code J-J-J J-G-J J-G-J. 25 20. Filling —. Fully-filled. Half-filled. UFB generation date: 2019-11-26. 15 10 5. 0 -2. (a) Median diameter d50 [nm]. 500. 0. Key. 400 300. 2 4 6 8 10 Elapsed time te [day]. Code J-J-J J-G-J J-G-J. 12. Filling. 14. d90 d50 d10. —. Fully-filled Half-filled. 200 100. 0 -2. (b). 0. 2 4 6 8 10 Elapsed time te [day]. 5 N [×107 particles cm−3]. 3.2 TUHH への輸送:充填条件・業者輸送の影響 3.2.1 PTA による個数濃度と粒子径測定 Fig. 5 に KEIO~TUHH 間往復輸送結果を示す。 本輸送試験では、30 mL バイアルを UFB 水で完 全に満たした条件(Fully-filled)の他に、バイアル 中に 15 mL の UFB 水を入れ空気相が存在する条 件(Half-filled)でも輸送を行った。Half-filled 条 件では振動によって液が動き、振動の大きさによ っては乱流になると考えられる[25]。 Fig. 5(a)に、UFB 個数濃度に及ぼす輸送および サンプル充填方法の影響を示す。3.1 節での結果 と同様に、静置保存した UFB 水(J-J-J)中の個数 濃度は時間経過とともに減少し、te = 13 days には 生成 8 h 後と比較して 62.5%減少した。Fully-filled 条件で輸送後(J-G-J)の個数濃度は 65.9%減少し た。一方、Half-filled 条件では個数濃度は 84.6%減 少し、3 つのバイアルについて個数濃度の CV 値 は 35.5%となった。Fully-filled 条件での CV 値は 2.7%であったため、個数濃度の減少度合いに関し てバイアル間のばらつきが大きくなったと言え る。 Fig. 5(b)に d50 の経時変化を示す。3.1 節での結 果と同様に、保存時間の経過とともに粒子径は増 加し、分布幅は広くなった。輸送終了日には、d50 は 181.9 nm まで増加した。輸送後の J-G-J は充填 方法にかかわらず日本で保存した J-J-J よりもわ ずかに広い分布幅を示した。 Fig. 5(c)に個数濃度分布に及ぼす輸送および充 填方法の影響を示す。Fully-filled 条件(J-G-J)と 静置保存条件(J-J-J)では個数濃度分布はおおよ そ一致したが、ピーク付近の濃度は輸送によりわ ずかに減少した。一方、Half-filled 条件ではピー ク位置は他の分布と変わらず 130 nm 付近に存在 したものの、幅広い粒子径(d = 50~300 nm)に わたって個数濃度は大きく減少した。 以上の実験結果から、まず 3.1 節での輸送結果 の再現性を確認した。すなわち、Fully-filled 条件 での輸送は、静置保存条件と比較して個数濃度を わずかに減少させるものの、粒子径分布幅やピー ク径はほとんど変化しなかった。一方、Half-filled 条件では、ピーク径はおおよそ一致するものの、 静置保存と比較すると平均して 40%程度個数濃 度は低下した。加えて、輸送後の個数濃度のばら つきは CV 値で 30%以上であり、バイアル間のば らつきが大きくなった。Fig. 4 に示した通り、2 回. Key. 4. Code J-J-J J-G-J. 12. 14. Filling —. Fully-filled J-G-J Half-filled Elapsed time: 13 days. 3 2 1 0. (c). 0. 100. 200 300 Diameter d [nm]. 400. 500. Fig. 5 Effect of filling method on the stability of UFBs during transportation between KEIO and TUHH. (a) Number concentrations and (b) median diameters. (c) Number concentration distributions at te = 13 days.. Japanese J. Multiphase Flow Vol. 35 No. 1(2021).
(7) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. Temperature. 60 Acceleration [G]. Japan. Acceleration. Germany Airplane. 30. Japan Airplane. 25. 50. 20. 40 15 30 10. 20. Temperature [℃]. 70. 5. 10 0. 0 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. Elapsed time te [day]. Fig. 6. Acceleration and temperature during transport between TUHH (Germany) and KEIO (Japan).. 3.2.2 加速度と温度測定 Fig. 6 に TUHH-KEIO 間往復輸送中の加速度 と温度データを示す。UFB 生成後 3 日間は KEIO にて静置保存したため、加速度測定は 4 日目から 行った。図中、灰色の区間は飛行中を示している。 Table 4 に大まかな輸送スケジュールを示す。表 中の「HND」、「DXB」、「HAM」は国際航空運送 協会(IATA)空港コード[26]を示している。KEIO -東京国際空港(HND)間の日本国内輸送の一部 を輸送業者(Yamato Transport Co., Ltd., Japan)に 依頼したため、4.9 < te < 7.4 days および 11.5 < te < 12.3 days のデータは輸送業者による輸送・荷役・ 保管に由来するものである。それ以外の輸送は筆 者らが行った。 Table 4. Transportation schedule.. Elapsed time te [day] 3.0-7.4 7.4-8.0 8.0-8.4 8.4-10.2 10.5-10.6 10.6-11.0 11.0-11.4 11.4-13.0. Origin KEIO HND DXB HAM TUHH HAM DXB HND. Destination HND DXB HAM TUHH HAM DXB HND KEIO. 輸送中の平均温度は 19.0 °C であった。本輸送 ではドバイ国際空港(DXB)を経由空港として計 4 回飛行機に搭乗した。飛行中は全区間で温度が 低下し続け、最大温度勾配は−7.5 °C h−1 であった。. また、往路のハンブルク空港(HAM)積下時(te = 8.4 days)に最低温度 4.7 °C を記録した。このよ うに、輸送中の平均温度は室温に近かったが、実 験室内よりも激しい温度変化にさらされている と分かった。なお、2.2 節で報告した通り本研究 で使用した UFB には溶存ガス濃度変化は影響を 及ぼさなかったため、主要な不安定化要因ではな いと考えられる。これは、筆者らの研究[17, 21]で 報告した事項である。 衝撃加速度について、筆者らが輸送業者に受け 渡すまでの区間(te < 3.5 days)での最大加速度は 11.8 G であった。一方、全区間中の最大値 52.8 G を業者による輸送中(te = 5.4 days)に記録した。 飛行中の衝撃は小さく、平均 1 G 以下であった。 飛行機離陸前後に 20~45 G 程度の加速度が測定 されており、スケジュールとの比較から空港での 預け入れ荷物チェックイン後~飛行機への積込 作業にかけての衝撃と考えられる。石川ら[27]は、 飛行機搭載のための専用コンテナを空港内で輸 送する際に 35~65 G 程度の衝撃が加わると報告 しており、本研究のデータともおおよそ一致する。 したがって飛行中よりも空港での積込や陸上輸 送時の衝撃が 10 倍以上大きいことが明らかにな った。 3.3 実験室での振とう試験 液流動が UFB 安定性に及ぼす影響をより明確 化するため、実験室内で振とう試験を行った。試 験結果を Fig . 7 に示す。図から明らかなように、 UFB 水が流動する条件(Half-shaken)では、他の. 混相流 35 巻 1号(2021). 191.
(8) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. 条件と比較して個数濃度が減少し、数平均径は増 加した。また Fig. 7(c)に示した通り、個数濃度分 布は Half-shaken のみ右にシフトした。一方、Halfshaken 以外のサンプルについては個数濃度、粒子 径ともに差はなかった。したがって液流動が起き ると UFB の凝集が促進され個数濃度が減少する と示唆された。. (a). (b) Key. N [×107 particles cm−3]. 5. Sample HDPE-tank Full-Static Full-Shaken Half-Static. 4 3. Half-Shaken. 2. Elapsed time: ~15 h. 1 0. (c). 0. 100. 200 300 400 Diameter d [nm]. 500. Fig. 7 Effect of 15-h shaking on the stability of UFBs: (a) Number concentrations; (b) mean diameter; (c) Number concentration distributions.. 192. 以上、輸送中の加速度と温度測定結果および実 験室内での振とう試験より、Half-filled の UFB 個 数濃度が、Fully-filled よりも減少したのは輸送中 の衝撃によって液が流動したためであると考え られる。流動する分散媒中でのコロイド粒子の凝 集挙動については速度論的解析がいくつか提案 されている。一例として、Smoluchowski は層流中 でせん断凝集するコロイド粒子の個数濃度変化 dN/dt について式(1)を提案している[28]。 dN 2 (1) = − N2 γ ̇ d3 dt 3 ここで、γ ̇ はせん断速度である。衝撃によって引 き起こされたであろう液流動と凝集速度の定量 的な評価は現状難しいが、定性的には凝集速度は せん断速度に比例して増加すると理解される。本 研究においては、衝撃によってバイアル中の液に 流動が起き、静止液中よりも凝集が促進されたと 考えられる。 3.4 粒子測定装置の比較 3.4.1 動的光散乱法 (DLS) Fig. 8 に、DAL での DLS 測定の結果を示す。 DLS 測定は Fig. 3 に示したサンプルを使用し UFB 生成後 11 日目に行われた。すなわち、Fig. 3(c)で示された分布(J-C-J)とおおよそ同程度時 間が経過している。DLS はサンプルからの光散乱 強度が十分得られないと測定ができないが、300 kcps (kilo-count rate per second) 以上の光子量を計 測し、安定した DLS 測定ができた。PTA は画像 解析によって得られた 1 個 1 個の粒子の拡散係数 に基づく個数基準の粒子径分布を与えるのに対 し、DLS は液中に分散した粒子群について光散乱 強度基準の代表粒子径を与える。DLS の粒子径は ISO 規格にも記載されている Cumulants 法の他、 光散乱強度の自己相関関数について解析アルゴ リズム(CONTIN/NNLS/Marquardt ほか)を用 いて初めて得られるものである[18]。このため DLS によって得られる粒子径分布は解析アルゴ リズムによっても、解析条件によっても本質的に 異なる[17]。したがって、PTA と DLS のデータの 直接の比較はできないが、DLS より得られた分布 は 148~171 nm の間にピークを持ち、PTA の測定 結果(Fig. 3(c))とおおよそ一致した。Malvern 社 Zetasizer シリーズのソフトウェアに搭載されて いる解析アルゴリズムは NNLS 法を基にしたも のとされ、比較的狭い分布を与えるようである。. Japanese J. Multiphase Flow Vol. 35 No. 1(2021).
(9) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. したがって、PTA で得られた分布(Fig. 3(c))よ りも DLS の見かけの分布が狭いのはこのためで ある。なお、個数濃度に関して、現状 DLS では個 数濃度既知の単分散粒子群を基準にした比個数 濃度測定法のみ知られ[29]、個数濃度絶対値の測 定はできないため、PTA との個数濃度の比較はで きなかった。 30 Key. Bottle no.. Intensity [%]. 25. 1 2 3 4. 20 15. 5 Generation date: 2019-10-18 Elapsed time: 11 days Sample code: J-C-C. 10 5. NanoSight NS300 で測定した J-G-G である。どち らも Fully-filled 条件で輸送し、UFB 生成からお よそ 13 日後に測定した。したがって、両サンプ ル(J-G-J と J-G-G)は同程度の個数濃度と粒子径 分布を持つと予想された。 Table 5 に個数濃度測定結果および 2 つの NanoSight システム仕様を示す。Fig. 9 に 2 つの 装置で測定した個数頻度分布を示す。これまでの 輸送試験結果から、2 機関で同日に測定した UFB 水の個数濃度はおおよそ 10%以内で一致するは ずである。しかし、表から明らかなように個数濃 度は一致せず、LM10 の方が約 5.9 倍大きな値を 示した。また、2 つの個数頻度分布はおおよそ一 致したが、LM10 は 135 nm 付近に、NS300 は 155 nm 付近にピークを持つ分布を与えた。. 0. 100 Diameter d [nm]. Fig. 8 Intensity based size distribution of UFBs transported to DAL. Table 5. Comparison of the NanoSight systems. Institute. KEIO. TUHH. NanoSight system. LM10. NS300. Camera type. sCMOS. sCMOS. Laser wavelength λ [nm]. 405. 642. Laser power [mW]. < 70. < 50. Field of view [μm2]. 100 × 80. 100 × 80. Software version. NTA3.2. NTA3.2. “Concentration Upgrade”. W/O. W/. UFB transportation code. J-G-J. J-G-G. 9.08. 1.54. Number concentration N [×108 particles cm−3] Particles per frame Np [particles] Conversion factor f [×107 cm−3]. 10. 1000 Number frequency [%]. 10. Key. 8. Code J-G-J. System LM10. J-G-G. NS300. UFB generation date: 2019-11-26 Elapsed time: 13 days. 6 4 2 0 0. 100. 200 300 Diameter d [nm]. 400. 500. Fig. 9 Comparison of the frequency size distribution measured by the different NanoSight systems (LM10-KEIO, NS300-TUHH). 個数濃度不一致の原因を検討するために、まず PTA 装置における個数濃度計算方法を確認する。 式(2)に個数濃度計算式を示す。 N = f Np. 46.1. 21.8. 1.97. 0.706. 3.4.2 Particle Tracking Analysis (PTA) UFB 測定において最も用いられている PTA 装 置の 1 つである NanoSight シリーズの試験所間比 較を行った。比較に使用した UFB 水は Fig. 5 で す で に 報 告 し た J-G-J と TUHH に 輸 送 し. (2) ここで N は個数濃度、Np は視野 1 フレームあた りに検出された粒子個数(particles per frame)で ある。係数 f によって Np から N へと変換する。 よって f は物理的には検査体積の逆数と考えられ る。NanoSight システムにおいては、測定データ として出力される PDF ファイル中に N と Np の値 が記載されている。なお、PTA 装置製造会社は f の値を報告していないため、本研究では N と Np の値から式(2)を用いておおよその f 値を計算した。 NS300 と LM10 で個数濃度の値が異なるのは、. 混相流 35 巻 1号(2021). 193.
(10) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. (a). (b). が分かった。Maguire et al. [6]はポリスチレンラテ ックス粒子の一斉配布型試験を行い 12 の異なる NanoSight システムについて個数濃度とサイズの 測定結果を比較した。彼らは個数濃度測定につい て最大 300%以上の真値との誤差を報告したが、 製 造 会 社 が 有 償 で 装 置 ご と に 行 う “software correction”[6]と称される「Concentration Upgrade」 を実施し、誤差を 10%程度まで改善できたと報告 した。KEIO では保有するソフトウェア(NTA3.2) に対してこの導入を行っていない。一方、TUHH が購入した NS300 には予めこの導入が行われて いた。LM10 の f 値の方が NS300 の f 値より約 280%大きいため、 「Concentration Upgrade」を実施 すれば本研究においても装置間の誤差が改善す る も の と 考 え ら れ る 。 Fig. 11 に Malvern の Application Note[30]に記載されたポリスチレン標 準粒子の個数濃度計測データ例を示す。図から明 らかなように「Concentration Upgrade」の導入によ り個数濃度の過大評価の是正ができるとされる。 詳細な議論は現在筆者らが執筆中の別報に譲る が、NanoSight シリーズを用いて測定したデータ を使用・参照する際に注意すべき点である。なお、 「Concentration Upgrade」が実施されたソフトウ ェ ア で 出 力 し た PDF フ ァ イ ル に は 、 「Concentration (Upgrade)」と表示される。 10 Key “Concentration Upgrade”. N [×108 particles cm−3]. Np と f が次の 2 つの理由で異なるためであると考 えられる。 1. NS300 のレーザーは長波長(λ = 642 nm)か つ最大出力が小さい(< 50 mW)ため、散乱 強度の弱い粒子を検出しにくく Np が小さい。 2. Np から N に換算する係数 f が異なり、LM10 の f 値は NS300 の 2.8 倍である。これは 「Concentration Upgrade」の有無に起因する。 1 点目について、2 つの装置は同じ sCMOS カ メラ、撮影設定(Camera Level)を使用している。 しかし、レーザー波長と出力が異なるため、画面 上の散乱強度が異なる。粒子径 d がレーザー波長 λ に比べて小さい Rayleigh 散乱領域では、散乱光 強度は d6 に比例し、λ4 に反比例する。また、散乱 光強度は入射レーザー強度に比例する。したがっ て、長波長・低出力のレーザーを搭載した NS300 では散乱強度の弱い粒子が検出されにくく、Np を 過小評価したと考えられる。Fig. 10 に示したよ うに撮影した動画のスクリーンショットを比較 すると、LM10(Fig. 10a)の方が、NS300(Fig. 10b)よりも多く散乱光を検出している。結果と して、LM10 が検出した Np は NS300 の約 2 倍で あった。また、レーザー波長の影響により、個数 頻度分布(Fig. 9)において NS300 は小さい粒子 (d < ~150 nm)を過小評価したと考えられる。な お、NanoSight システムにおいては製品購入時に レーザー波長を選択できるため、NS300 であって も 405 nm レーザーを搭載することは可能である。. Before After. 8 6 4 2. Data taken from Malvern Application Note: AN150430NTAConcMeasUpgrade. 0 4. Fig. 10 Screenshots showing scattered lights from UFBs: (a) sample code J-G-J, measured by LM10; (b) sample code J-G-G, measured by NS300. Scale bars are 20 μm. 2 点目の係数 f に関して、2 つの装置の比較か ら、同じ解析ソフトウェアバージョン(NTA3.2, Dev Build 3.2.16)を使用していても「Concentration Upgrade」の有無によって f 値が大きく異なること. 194. 6. 8 10 12 Camera level [–]. 14. Fig. 11 Effect of “Concentration Upgrade” on the number concentration measurement of 100 nm standard polystyrene beads. Data points were taken from the Malvern Application Note [30]. 以上のように、2 つの PTA 装置で個数濃度が異 なったのはレーザーに起因する物理的な原因と、 ソフトウェアに起因する原因があると示唆され た。筆者らが知りうる限り、データ間の互換性や. Japanese J. Multiphase Flow Vol. 35 No. 1(2021).
(11) 混相流 Japanese Journal of Multiphase Flow Advance Publication by J-STAGE. 変換方法については報告されていない。このため、 PTA を使用した文献や過去のデータを参照する 場合、特に個数濃度の絶対値を必要とする際には 注意が必要であると考えられる。 4.. 結 言. 超純水中に発生させたウルトラファインバブ ル(UFB)を飛行機で輸送し、国際輸送が UFB 安 定性に及ぼす影響を検討した。輸送の有無に関わ らず、生成後の時間経過とともに個数濃度は減少 し、粒子径は大きくなった。飛行機輸送中の加速 度は平均 1 G 以下であったが、陸上の輸送・荷役・ 保管中に最大 50 G 以上の加速度を記録した。サ ンプルを入れたバイアル中に気相があり衝撃で 液が流動する条件では、静置保存と比較して UFB 個数濃度は 40 %程度減少した。バイアルを液で 完全に満たし、気相をなくして輸送すると 10 % 程度の減少にとどまった。輸送の有無に関わらず UFB は凝集し、凝集速度は液流動によって促進さ れると示唆された。輸送したサンプルを用いて、 国外 2 機関との UFB 計測結果比較を行った。 Malvern 社 NanoSight シリーズを用いた個数濃度 比較において注意すべき点が明らかになった。粒 子径は DLS、PTA の装置間でおおよそ一致した。 謝 辞 本 研 究 は JSPS 科 研 費 JP17H03447 お よ び JP20H02508 の助成を受けた。計測機器(NanoSight NS300、Zetasizer Nano ZS)の使用や輸送手配に協 力頂いたハンブルク工科大学混相流研究科 Michael Schlüter 教授、ダルハウジー大学プロセス 工学・応用科学科 Adam Donaldson 准教授、Adel Al Taweel 非常勤教授ならびに同大学土木・資源 工学科の Heather Daurie 氏に感謝の意を表する。 Nomenclature d : diameter [m] d50 : median diameter [m] f : conversion factor [cm−3] N : number concentration [particles cm−3] Np : number of particles per frame [particles] te : elapsed time since UFB generation [s] Greek letters γ̇ : shear rate λ : laser wavelength. [s−1] [m]. 参考文献 [1] ISO 20480-1:2017, Fine Bubble Technology — General Principles for Usage and Measurement of Fine Bubbles — Part 1: Terminology, International Organization for Standardization, Geneva (2017). [2] Yasui, K., Mechanism for Stability of Ultrafine Bubbles, Japanese Journal of Multiphase Flow, Vol. 30(1), 19-26 (2016) (doi:10.3811/jjmf.30.19). [3] Alheshibri, M. and Craig, V. S. J., Differentiating between Nanoparticles and Nanobubbles by Evaluation of the Compressibility and Density of Nanoparticles, J. Phys. Chem. C., Vol. 122(38), 21998-22007 (2018) (doi:10.1021/acs.jpcc.8b07174). [4] Jadhav, A. J. and Barigou, M., Bulk Nanobubbles or Not Nanobubbles: That is the Question, Langmuir, Vol. 36(7), 1699-1708 (2020) (doi:10.1021/acs.langmuir.9b03532). [5] Shirono, K. and Tsugoshi, T., Overview of the Proficiency Test and Its Statistical Methods, BUNSEKI, Vol. 4, 152-160 (2014). [6] Maguire, C. M., Sillence, K., Roesslein, M., Hannell, C., Suarez, G., Sauvain, J.-J., Capracotta, S., Contal, S., Cambier, S., El Yamani, N., Dusinska, M., Dybowska, A., Vennemann, A., Cooke, L., Haase, A., Luch, A., Wiemann, M., Gutleb, A., Korenstein, R., Riediker, M., Wick, P., Hole, P. and Prina-Mello, A., Benchmark of Nanoparticle Tracking Analysis on Measuring Nanoparticle Sizing and Concentration, J. Micro Nano-Manufacturing, Vol. 5(4) 041002 (2017) (doi:10.1115/1.4037124). [7] Nirmalkar, N., Pacek, A. W. and Barigou, M., Interpreting the Interfacial and Colloidal Stability of Bulk Nanobubbles, Soft Matter, Vol. 14(47), 9643-9656 (2018) (doi:10.1039/c8sm01949e). [8] Zhu, J., An, H., Alheshibri, M., Liu, L., Terpstra, P. M. J., Liu, G. and Craig, V. S. J., Cleaning with Bulk Nanobubbles, Langmuir, Vol. 32(43), 11203-11211 (2016) (doi:10.1021/acs.langmuir.6b01004). [9] Kukizaki, M. and Goto, M., Size Control of Nanobubbles Generated from Shirasu-PorousGlass (SPG) Membranes, J. Membr. Sci., Vol. 281(1-2), 386-396 (2006) (doi:10.1016/j.memsci.2006.04.007). [10] Kobayashi, H., Maeda, S., Kashiwa, M. and Fujita, T., Measurement and Identification of Ultrafine Bubbles by Resonant Mass Measurement Method, Proc. SPIE 9232, International Conference on Optical Particle Characterization (OPC 2014), 92320S (2014)(doi:10.1117/12.2064811). [11] Ebina, K., Shi, K., Hirao, M., Hashimoto, J., Kawato, Y., Kaneshiro, S., Morimoto, T., Koizumi, K. and Yoshikawa, H., Oxygen and Air Nanobubble Water Solution Promote the Growth. 混相流 35 巻 1号(2021). 195.
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