「摂食嚥下・栄養・褥瘡・薬剤」の関連と問題を考える -地域医療を中心に-
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(2) 第 28 回日本医療薬学会年会. 239. 23-6-S12-2 栄養・褥瘡の関連<実は全て自分ごと> 塚田 邦夫. 1. 1:医療法人社団研医会高岡駅南クリニック. 褥瘡は寝たきりの方等に持続的な圧迫が原因で発症する。寝たきりになると食欲が低下し栄養摂取不良となるが、不足した分は筋肉を 分解して生命維持に使われる。また寝たきりの方では筋肉を使わないため、廃用萎縮で筋肉が減っていく。このように筋肉が減少する と骨が相対的に突出し、体重による圧迫がより骨の突出部に集中して褥瘡が発症する。 誰もが最後は寝たきりになることから、褥瘡は自分自身、あるいは自分の大切な人に発症する可能性の高い疾患である。褥瘡ができる メカニズムを詳しく知ることで、より早くに発見でき、予防することも可能になる。自分事としてぜひ正しい知識をつけてもらいたい。 褥瘡は骨の突出部に発症するが、実は見ることのできる皮膚よりも皮下組織での損傷がより強いので、皮内出血程度でも触ると皮下に. 電動ベッドの背上げ時や体位変換時などの介護をおこなう時、体に横方向の力が加わる。これがずれ力であり、持続的な圧迫と同様に 褥瘡発症要因である。ずれがおこるような姿勢は、安楽ではなく苦痛を伴う姿勢である。したがって介護をする時、型どおりの姿勢管 理ではなく、個別に安楽を目指して姿勢を整えることが大切である。 圧迫やずれはある程度避け得ないことであるが、褥瘡発症を決定づけるのは、栄養不足である。カロリーはキズが治る力であり、たん. シンポジウム. 硬結が触れる。これは今後急速に褥瘡が悪化する徴候であり、直ちに対応する必要がある。 . ぱく質はキズが治るための材料である。褥瘡の治療においては、毎日しっかりとたんぱく質を摂取することが必要である。 さらには、寝たきりにしないことが褥瘡予防に重要である。年を取って筋肉が減り筋力も低下した状態をサルコペニアと呼ぶが、サル コペニア対策と褥瘡予防は極めて類似する。下半身を強化する立ち上がり運動と、日頃からカロリーとたんぱく質摂取を心掛けること が重要である。また食べられる口に調整し、摂食嚥下能力を高めることも望まれる。 以上のように、皮膚の発赤および皮下の硬結は褥瘡発症早期の危険徴候であり、食事量の低下や水分摂取量の減少、意識状態の低下な どは褥瘡を発症しやすい状態である。このような状況を発見したら、直ちに医師か訪問看護師に知らせ、褥瘡早期治療および褥瘡発症 予防を開始することが重要である。. 1979 年 群馬大学医学部卒業 1979 年 東京医科歯科大学第2外科入局 1988 年 東京医科歯科大学第2外科助手 1988-1990 年 米国クリーブランドクリニック 結腸直腸外科臨床研究医 1991 年 富山医科薬科大学(現:富山大学)第2外科に移籍 1997 年 高岡駅南クリニック院長 現在に至る. ▲ TOP.
(3) 第 28 回日本医療薬学会年会. 240. 23-6-S12-3 服薬時におけるとろみ調整用食品の使用実態及び汎用とろみ調整用食品が錠剤の崩壊に及ぼす影響 富田 隆 1 、幸田 幸直 2 、工藤 賢三. 1. 1:岩手医科大学薬学部、2:つくば国際大学医療保健学部. 嚥下障害を有する高齢者及び患者が食物や飲料を摂取する場合、誤嚥を繰り返すことで誤嚥性肺炎を発症する危険性が高くなる。その ため、嚥下障害を有する高齢者及び患者には、誤嚥を予防するために嚥下補助食品として、とろみ調整用食品が使用されている。とろ み調整用食品は、食物や飲料などに添加して簡便にとろみを付ける食品のことで、嚥下障害を有する高齢者が入居している介護施設、 嚥下障害を有する患者が入院している医療施設で汎用されるようになってきた。現在では、食物や飲料の摂取時に加え、内用薬の服用 時にもとろみ調整用食品が使用されているが、服薬時におけるとろみ調整用食品の使用実態は明らかにされていない。また、これまで に、食物や飲料の摂取時における嚥下補助食品としてのとろみ調整用食品の有用性については十分に検討されてきたが、とろみ調整用 食品が内用薬服用時の薬物動態に及ぼす影響については十分に検討されているとは言い難い。. 性錠剤や口腔内崩壊錠の崩壊に影響することが明らかになった。これらの事実は、とろみ調整用食品で内用薬を服用した場合、とろみ 調整用食品が内用薬の薬効発現に影響を及ぼしている可能性を示唆するものであることから、服薬時に安易にとろみ調整用食品を使用 することに注意が必要である。 そこで、介護保険施設を対象にアンケート調査を実施して、服薬時におけるとろみ調整用食品の使用実態を明らかにするとともに、介. シンポジウム. 近年、とろみ調整用食品を使用して速崩壊性錠剤を服用した患者の便中に未崩壊の錠剤が観察されたこと、とろみ調整用食品が速崩壊. 護保険施設の高齢入居者がとろみ調整用食品で服用している内用薬の種類を調査した。また、これまで検討されてこなかった素錠や各 種コーティング錠についても、とろみ調整用食品が崩壊に及ぼす影響を明らかにした。 さらに、とろみ調整用食品に添加されている増粘多糖類そのものが速崩壊性錠剤や口腔内崩壊錠の崩壊に及ぼす影響を検討し、錠剤服 用時におけるとろみ調整用食品の使用上の注意点について新たな知見を得たので報告する。. 1992 年 昭和大学薬学部生物薬学科 卒業 1994 年 昭和大学大学院薬学研究科博士前期課程 修了 1995 年 名城大学薬学専攻科 修了 1999 年 筑波大学医学研究科生物系専攻 単位取得退学 1999 年 筑波大学附属病院 薬剤部 2013 年 医療法人清風会ホスピタル坂東 薬剤部 部長 2016 年 岩手医科大学 薬学部 准教授 2018 年 岩手医科大学 附属病院 副薬剤部長 現在に至る. ▲ TOP.
(4) 第 28 回日本医療薬学会年会. 241. 23-6-S12-4 薬剤師が地域医療の専門職となるために 小原 道子. 1,2. 、林 秀樹. 2,3. 、生木 庸寛. 1,2. 、福田 英二 4 、杉山 正. 2,3. 1:ウエルシア薬局株式会社、2:岐阜薬科大学薬学部地域医療薬学講座、3:岐阜薬科大学薬学部実践社会薬学研究室、4:埼玉県白岡市地域包括支援センターウエルシアハ ウス. 現在の日本は総人口 1 億 2693 万人となり、65 歳以上高齢者人口は 3459 万人、総人口に占める割合も 27.3 %となった。今後日本の総 人口は 2029 年から 1 億 2000 万人を下回るが、65 歳以上の高齢者は増え続け 2042 年に 3935 万人のピークを迎える。65 歳以上の高 齢者を含む夫婦及び独居世帯は 2015 年のデータでは 65 歳以上を含む世帯全体の 56.9 %にも上る。これらの世帯に薬剤師 30 万人が 在宅訪問しようとすると 1 人の薬剤師が 46 世帯を担当することになり、この数値は他の業務を考えると非現実的と言わざるを得ない。 地域では多くの社会支援機能が存在しており、医師や看護師などの医療支援をはじめケアマネ、ヘルパー、民生委員などの生活支援、 或いは行政支援等がこれらの超高齢社会を横断的に支えていくことが必要である。その中で薬剤師は「薬の専門家」として多くの薬学. 況の確認など、ほかの職種には出来ない業務により、利用者から信頼を寄せられている薬剤師は増加していると感じている。では薬剤 情報を豊富に持つ我々薬剤師は、調剤室から地域に出かけた時、利用者の現状をどのくらい知ったうえで薬剤師業務を行っているのだ ろうか。或いは薬剤師は利用者本人にどのくらいの関心を持って寄り添っているのだろうか。昨年の発表では「どのようにお薬を飲ん でいますか?」と題して、利用者の服薬状況に関心を持つことを提案した。今回はさらに進んで、利用者やその家族・地域に目を向け. シンポジウム. 的観点から利用者の QOL 向上に寄与することが出来る。例えば疑義照会や重複投与の確認、薬剤の効果検証や副作用の確認、服用状. る必要性を考察する。そして、日常の地域にある実際の事例を参考に、我々薬剤師が地域支援者や利用者の QOL を高めるうえで見落 としがちなポイントをご紹介する。私たち薬剤師が「薬の専門職」ということ以上に「薬と暮らしの専門職」へと変わっていくこと、つ まり、公衆衛生を含む地域医療のプロフェッショナルとなることを改めて考えてみたい。医療状況が病院医療から在宅医療、キュアか らケアへと変わっていく中で、薬剤師の教育が4年制から6年制へ変わっている。その一方で、薬剤師の役割がその変化に対応してい るかと言えば、残念ながらまだ十分ではないと感じる。今回の発表がその一助となれば幸いである。. 1989年 3月 東北薬科大学(現:東北医科薬科大学)薬学部卒業 1989年 4月 仙台赤十字病院薬剤部入局 1993年 9月 シーガル入社 2009年11月 ウエルシア関東株式会社(現:ウエルシア薬局株式会社)入社 2017年 9月 岐阜薬科大学薬学部 地域医療薬学講座特任教授 現在に至る. ▲ TOP.
(5) 第 28 回日本医療薬学会年会. 242. 23-6-S12-5 摂食嚥下・栄養・褥瘡・薬剤の関連を考える- 地域医療を中心に倉田 なおみ. 1. 1:昭和大学薬学部社会健康薬学講座社会薬学薬学部門. . シンポジウム. ▲ TOP.
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