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なぜアレルギーは増えているのか?

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Academic year: 2021

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なぜアレルギ

は増えているのか?

末廣 豊

大阪乳児院 Susan Prescotがによると, 人々の生活様式が西欧 化(Westernized, の和訳であるが, 西欧諸国に申し 訳ないので, 生活様式の近代化の方が適切か)してぎ たことにより体内で炎症が起きやすくなっているとい う。すなわち, うつ病, 動脈硬化, 炎症性腸疾患, 関 節リウマチ, 糖尿病, そしてCOPDや気管支喘息など のアレルギー疾患が 地球規模で増えている という エビデンスが世界中で報告されている。2011年に出版 された同じくPrescottt専士の著書には, 地球規模で気 管支喘息 アレルギー感作 乳幼児のアナフィラキシー が著しく増加しているというグラフが掲載されている。 では, 8本のアレルギー疾患の実態はどうであろうか。 文科省2が平成16年と25年に小• 中・高等学校を対象 に行った調査結果によると, 日本では気管支瑞息は横 ばい, アトビー性皮膚炎はすでに滅少しかけていると 報告されている。しかしながら, 食物アレルギーは倍 近くに増えているし, 驚くべきはアナフィラキシーが 4倍近くにものすごい勢いで増えているという数字が 公表されている。なぜアレルギー疾患は増えてきたの か, 人のアレルギーに関する遺伝子は地球ができて以 来約40億年, 全く変化はしていないはずである。 その理由として一番最もらしいのは , 感染症が滅っ たから, 人間を取り巻く細菊叢(腸佐細菊を含めて) が変わってきたから(抗生物質などのために善玉産が へって, 悪玉茜がふえたから, variabilityが減少した からなど), 1989年の衛生仮説に端を発するこの説を 支持する証左は沢山あり, Nature, Scienceを始め優 れた論文が沢山発表されてきた3。また 人類の設計 図, DNAは発生以来不滅であるが, エピジェネティッ クな変化(メチル化, アセチル化, あるいは逆に脱メ チル化, 脱アセチル化)する化学物質がわれわれを匪 む環境中に溢れてきたということであろう4, 5。抗生 剤, 解熱剤, 防腐剤, 着色料さらには可塑剤などの中 受付け:平成29年4月13日 にそのような作用をする化合物が兎境中に溢れてきた ということになる。 つぎに, Advanced Glycat10n Endoproducts (AGEs)がわれわれの環境中に増加し てきたため, ヒトの体内にalarminが増加し, Th2反

応が起こったり, ILC2(innate lymphoid cell 2)

細胞が動員されたり, 上皮細胞からIL-25, IL-33, TSLPが放出されTh2反応が促進されたりすることで, いわゆるアレルギー反応が活性化されるという説が JACIの2月号に掲載された6。1970年ごろから, 米国 系のfast foodチェーン店がものすごい勢いで売り上 げを伸ばしている。砂糖, とくに果糖の売り上げがう なぎのぼりの様で, アレルギー疾患の増加とパラレル であることからもうなずけるという。人々の体的で

AGEsレベルが上昇し, alarminが増加し, innate

1mmumtyやTh2反応が起こりやすくなり, その結果 炎性疾患が増加しており, その一環としてアレルギー · 疾患が増加しているという。 他にもアレルギー疾患が増加している根拠となるエ ビデンスがいくつかあげられている。 しかしながら今さら, アレルギーを減らすだけのた めに, たとえばLPS(Lipo-Polysaccharide) が多く て, バイ菌だらけの江戸時代に逆戻りして 平均寿命 が40歳台なんて社会は, 皆さんは敬遠されるに違いな い。この現代の長寿や清潔社会を享受しながら, いか にアレルギーを制圧するか 人類への挑戦である。 文 献

1. Susan Prescott. Early-life environmental determi­

nants of allergic diseases and the wider pandemic of inflammatory non-communicable diseases.J Al­

lergy Clin Immunol 2013; 131: 23-30.

2. https://resemom.jp/article/img/2015/03/18/23561/ 97833html

3. アランナ・ コリン著, 矢野真千子訳。 あなたの体は9割

が細菌微生物の生態系が崩れ始めた. 河出習房新社.

(2)

-237-済生会中津年報 27巻 2号 2 0 1 6

4. Salam M瓜Zhang Y and Megum K. Epigenetics and childhood asthma: current evidence and future research directions. Epigenomics. 2012; 4: 415.

5. Yang IV and Schwartz DA. Epigenetic mechanisms and the development of asthma. J Allergy Clin Imm unol 2012; 130: 1243-55.

6. Smith PK, Masilamani M and Sampson HA. The false alarm hypothesis: Food allergy is associated with high dietary advanced glycation end← products

and proglycating dietary sugars that mimic alarmins. J Allergy Clin Immunol 2017; 139: 429-37.

参照

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