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IRUCAA@TDC : 下顎埋伏智歯抜歯時に生じた下顎管を含む下顎枝部骨折の1例

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Academic year: 2021

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(1)Title. 下顎埋伏智歯抜歯時に生じた下顎管を含む下顎枝部骨折 の1例. Author(s). 瀬田, 修一; 高野, 正行; 高崎, 義人; 今井, 崇之; 藤 田, 佳子; 柿澤, 卓. Journal URL. 日本口腔診断学会雑誌, 20(2): 391-394 http://hdl.handle.net/10130/765. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 第2 0巻. 〔目口診誌. 第 2号 :3 91-3 9 4頁.2 0 0 7 ,1 0月〕. 下顎埋伏智歯抜歯時に生 じた下顎管 を含 む下顎枝部骨折の 1例 人 卓. 義. 春 ¶ 皿揮. 高 柿. 行 子. 正 佳. 野 田. 井. 高 藤. 今. 一之. 田. 修 崇. 瀬. ACa s eo fMa ndi bul a rRa musFr a c t ur eI nc l udi ngMa ndi bul a rCa na lCa us e d byExt r a c t i o no fI mpa c t e dLo we rThi r dMo l a r SHUI CHISETA,M ASAYUKITAKANO,YosHI TO TAKASAKI , TAKAYUKII M AI ,YosHI KO FUJI TA AND TAKASHIKAKI ZAWA. Abs t r a c t:Ext r a c t i ono ft hel o we rt hi r dmo l a ri st hemo s tc o mmo no pe r a t i o na to r a la ndma xi l l o f a c i a ls ur ge r ya ndge l l e r a l de nt a lc l i ni c s .Ho we ve r .be c a us ei ti sdi f f i c ul tt oho l dt hei ns t r ume nta ndke e ps l ghto ft heo pe r a t i o ns i t e .a ndt oa ppr o a c hwi t h i ns t r ume nt sduet oa na t o mi cc ha r a c t e r i s t i c ss uc l la St hi nl i ngua lc o r t e xa nda d j a c e ntt ot hei nf e r i o ra l ve o l a rc a na la ndl i ngua l ne r ve ,Wemus tdi s t i ngui s ht hi r dmo l a re xt r a c t i o nf r o m ot he rone s .The r ema ybema nyc o mpl i c a t i o nss uc ha sf r a c t ur ea nd pe r f o r a t l O nO fl l ngua lc o r t i c a lbo nea ndf o r c i ngt het o o t l li nt ot hel i ngua ls o f tt i s s ue . Wede s c i beac a s eo fa c c i de nt a ldi s pl a c e me nti nt ot hept e r ygo ma ndi bul a rs pa c edur i nge xt r a c t i o no ft hel o we rt hi r dmo l a r t ha tf r a c t ur edt hema ndl bul a rr a musI nc l udi ngma ndi bul a rf o r a me n, wi t hdl S t ur ba nc eo ft hei nt r a a l ve o l a rne r ve . Ke y wo r ds:ma ndi bul a rr a musf r a c t ur e( 下顎枝骨折) ,e xt r a c t i o no fi mpa c t edl o we rt hi r dmo l a r( 下顎埋伏智歯抜歯) , i nf e r i ora l ve ol a rne r veI n j ur y( 下歯槽神経損傷). 3 0 , 2 0 0 7 〕 〔 Re c e i ve dJ un.. 緒. 言. 下顎埋伏智歯抜 歯 は歯科 領域 の外科 的処置 と して頻度 の. 主訴 :右側下顎 の痔痛 と腫張,右下唇 オ トガイ部 の知覚 障害。. 既往歴 :特記すべ き事項 な し。. 高 い手術 であ る。 しか しその多 くは術野 を得 に くく器具 の. 004年 5月, 右 側 下顎 第二 大 臼歯 の岐 合 時痛 現 病 歴 :2. 到達性 が不 良 なため,手術 が 困難 なだけで な く,下歯槽神. を主訴 に近歯科 医院 を受診 した。 そ こでブ リッジの支 台 と. 経 や舌神経 の近接,非薄 な舌側歯槽骨,周 囲 にす う疎 な軟. なってい る右側下顎第二大 臼歯が歯周 炎のため保存不 可能. 組織 が多 い な どの解剖 学 的特徴 の ため舌側歯槽骨 の破 折 ・. と診 断 され, その抜歯 と同時 に右側下顎水平埋伏智歯 の同. 穿孔 や舌側軟組織へ の迷入 な どの偶発症発生 の可能性 もあ. 那- の歯牙移植 手術 をすす め られ同意 した ( 写真 1)。. り他 部位 の抜歯 以上 に憤重 な対応が求 め られ る。今 回われ. 5日,同院にて局所麻酔下 に右側下顎 第二大 臼 同年 5月 2. われ は,下顎水平埋 伏智歯抜歯 の際 に下顎孔 に及ぶ下顎枝. 歯 を抜 歯後,移植歯 となる右側下顎水 平埋 伏智歯 の抜 歯 を. 内側 の皮質骨骨折 を生 じ,智歯 と癒着 した状 態 で巽突下顎. 試 み る も歯冠周 囲 も含 めて骨性 癒 着が著 明であったため抜. 隙 に迷入 し,下歯槽神経損傷 を伴 った症例 を経験 したので. 歯 が難航 した。歯冠 部頬側 の骨 を削去 の うえ ター ビンで歯. 報告 す る。. 冠 部 のお よそ 3分 の 1程 度 を分割 除去 したの ち,ヘ -ベ ル 症. 例. に よ り脱 臼 を試 み たが歯が動揺 しないため,ヘ -ベ ル をマ レッ トで槌打 したところ智歯 は舌側の歯槽骨 に付着 した まま. 患者 :6 2歳,女性 。. 後 内方 の翼 突下顎 隙 に迷 入 した。 この時点で処 置 開始 か ら. 初診 :2 004年 5月 26日。. 4時間を経過 してお り,手術 を中止 して閉創 し,セ フジニル. 東京歯科大学水道橋病院口腔外科口腔健康臨床科学講座口腔外科学分野 ( 主任 :柿洋. 卓教授). Or a la ndMa x i l l o fa c i a lSur ge r y,Sui do b a s hlHo s pi t a l ,To h yoDe 7 1 t alCo l l e geDe pa r t me nto fCl l m' c a 1Or a lHe al t hSc i e nc e ,Di v i s i o no fOr a l andMa x i l l o fac i alSur ge r y,To k yoDe nt a lCo l l e ge( Chi e f : Pr o f . TAKAS HIKAKI ZAWA)2 1 9 1 8Mi s a ki c ho , Chi yo da ku. To kyo1 0 1 0 0 6 1 . J a pa n..

(3) 3 9 2. 瀬 田 ・高野 ・高l 胤 他. 3 0 0 mgを 3日分処方 して処 置 を終 了 した。翌 日右側 頬部 か ら顎下部 にかけての強い腫脹 と右側下唇, オ トガイ部の 知覚鈍麻 を訴 えたため, 同 日当科 を紹介 され来院 した。. 目口診誌. 2 0 0 7年. 得 なかった。 画像所 見 二オル ソパ ン トモ Ⅹ線 写真 で は右側 下顎枝 の 後下方 に,迷入 した智歯 とこれ と連続す る骨様不透過像 が. 現症 :. 認め られた。X線 CT検査では,左側下顎枝 の舌側皮質骨. 全 身状態 ;倦怠感あるが全身状態,栄養状態 ともに良好. が剥離骨折 し智歯 と癒着 した まま翼突下顎隙 に迷入 してい. であった。. るのが確認 された。 この骨片 には下顎孔 と下顎管の一部が. 顔貌所 見 ;右側頼部か ら顎下部 にかけての強度の灘慢性 腫脹 と発赤お よび圧痛 を認め,右側下唇 オ トガイ部の知覚 麻痔 とどリビリとした知覚異常 を訴 えた。 開口は一棟指で. ) 。 含 まれていた ( 写真 2 臨床診断 二右側下顎枝 内側皮質骨 の剥離骨折,右側第三 大臼歯の翼突下顎隙へ の迷入お よび下歯槽神経損傷。. 強度の開口障害 を呈 し,強い嚇下痛 を訴 えた。 また右側 口. 処置お よび経過 :早期 の智歯お よび骨片の摘 出が必要 と. 角部 には長時間の口角伸展 と器具 による摩擦 に よる直径約. 考 え られたが反応性 炎症が極めて強いため摘 出手術 に先立. 1c m の類 円形のび らんを形成 していた。. ち消炎処置 として入 院下 に抗生剤投与お よび患部の洗浄 を. 口腔 内所 見 ;強度 の 開 口障害 に加 えて右 側 下顎智歯 部. 行った。これにより腫張 と発赤は徐 々に改善 し抜歯中断か ら. の歯槽 粘 膜 と頬 粘 膜 の腫 張 が 著 しい た め患 部 は視 認 し. 1 4日後の 2 0 0 4年 6月,全 身麻酔下 に迷入智歯 と骨折片 の. こ. i i i. 遍 写真 1 抜 歯前パ ノラマ Ⅹ線写真. 智歯は骨性の水平埋伏歯で.周閏の骨硬化像 をみ とめる。 第二大臼歯部には歯周炎による垂直性骨吸収を認める。. i. -.

(4) 2 0巻 2号. 下顎埋伏智歯抜歯時に生じた下顎枝部骨折の 1例. A:内面像 ; 3 2×2 2×6 mm 写真 大の板状の舌側皮質骨に智歯が強固に 3 摘 出標本写真 B :外面像 ;骨片を貫通. 摘出手術. 癒着する。. する下顎管の存在を認める。. を行 って を行 った。手術 は抜歯商 よ り外斜線上の粘膜切開 ると,迷 内斜線 を明示 し,下顎枝 内側の骨膜 を剥離翻転す 塊 となっ入智歯 と遊離骨片は舌側歯肉弁 に付着 したまま一 傷 を避 けて翼突下顎隙の後内方に迷入 していた。神経の損 が,既 にるため遊離骨片 を舌側歯肉弁か ら慎重 に剥離 した てお らず遊離骨片の下顎管内に下歯槽神経血管束は貫通 し た。 このため智歯が癒 ,智歯抜歯宿の下方で断絶 しているのが確認 され また舌側歯肉弁の内上 着 した状態 の まま骨片 を摘 出 した。 し,遊離骨片 とも近接 方 していたが には前後 に走行す る舌神経が露出 次に断裂 した下歯槽神経 の縫合. 損傷 は認め られなかった。. 管束の中枢側断端が挫滅 していたため を試みたが,下歯槽神経血 断念 した。 また智歯抜歯寓の頬側 には神経束 を剖出で きず 線 を越 えて存在 し, ここか ら外斜線 にそって縦方向-伸 大 きな骨欠損が外斜 る亀裂骨折 も認め られたが とくに処置 は行 わなかった。 び 術時間 2時間 41分,出血量 は 4 0mlであった。. 手. 摘 出物所見 :摘出物 は 3 2×2 2×6mm大の板状の下顎枝 舌側皮質骨で 下顎孔 と下顎智歯が強固に癒着 していた。皮質骨面上 には ( 写真 3 ) 。 小舌 を認め骨片内には下顎管が貫通 していた. 術後 は感染. 術後経過. 5日間点滴投 予防に留意 してアスポキシシリン 1日 2gを に対 して術後6 1 2 日目よ り徒 によ り退院 し した。術後 た。 開口障害与 日目に経過良好 を行 った ところ術後約 1か月 日にはほぼ正常 手的な開口訓練 に回復 した。 また術直後 よ りオ トガイ神経領域 に強度の知覚障害 と電撃 棟異感覚 を訴 えたため当院歯科麻酔科顎顔面痛みセ ンター に.

(5) 3 9 4. 瀬田 ・高野 ・高崎,他. 0 0 7年 目口診誌 2. よる骨系統 の脆弱化 の影響 を挙げている。智歯抜歯 による 結. 下顎骨骨折 の好発年齢 につ いて Wagnerら4) は 1 7例 中 1 4. 語. 例が, また I i zukaら2) は 1 2例 中 8例が,Kr i mmelら3) は. 下顎水平埋伏智歯抜歯の際 に下顎孔 に及ぶ下顎枝 内面皮. 6例全 てが 40歳 以上 であ り, 中高年 が大半 を占めてい る. 質骨 の骨折 を生 じ,智歯 と骨片が癒着 した状態で翼突下顎. と報告 している。本例 の ような偶発症 を予防す るためには,. 隙に迷入 し下歯槽神経 を損傷 した症例 を経験 したので,そ. 解剖学的知識の熟知 とともに適切 な器具の選択や操作方法. の発生原 因や処置法 について報告 した。. が重要 とされている5-7) 。 また本例 は第二大 臼歯部へ の移植 を 目的に した智歯抜歯 時の偶発症 であった。移植歯 とす るために歯牙分割 を避 け i zuka た手術 計 画 自体 に も無 理 が あ った と考 え られ る。I. 智歯抜歯 は歯科 においては頻度の高い手術 であるが,節 剖学的特徴 と各症例 の状況 を把握 した上で無理 のない安全 な処置が求め られる。 参考文献. ら2) は 40歳 以上 で根 が 下 顎 管 と重 な る症 例 を リス ク グ ループ とした うえで,骨削去量 を最小 限にす るため に歯牙 分割 をすべ きであるとしている。歯牙移植 を 目的 とす る抜 歯 では移植歯 に対 して可及的低侵襲 な処置が求め られ るが, 自験例 は術前 オル ソパ ン トモ Ⅹ線写真 で歯根膜空 隙 の消 失 を認め,加齢 による骨の撤密化 も疑 われるため歯牙移植 の適応 とは考 え難い ( 写真 1 ) 0 抜歯時 に生 じた骨折片の処理 については歯槽骨骨折 で骨 膜が付着 している小骨片 は原則的に保存す るが遊離 した小 骨片 は摘 出す ることが多い。作 田 ら8) は骨片が比較的大 き な場合 には整復 して保存すべ きと述べ ている。 自験例 では 骨片が比較的大 き く骨膜 と一部で付着 していたが,智歯 と の骨性癒着が著 しく一体 として摘 出す る必要があった ( 写 真 3)。 また下 歯槽 神 経 血 管 束 の 断裂 も確 認 され た た め, 保存の必要性 は少 ない と判断 して整復 固定 は行 なわなか っ た。 なおわれわれの渉猟 した限 りでは下顎智歯抜歯時の偶 発症 としての下歯槽神経損傷 についての報告 は数多 くみ ら れるが,下顎孔付近での骨折 による下歯槽神経損傷 の報告 例 はみ られなか った。. 1 )wi nt e r ,G. B. :I mpa c t edMa ndi bul a rThi r dMol a r .Medi c a l Bo o kCo . , St , Lou i s ,1 9 2 9 . 2)I I Z uka , T. ,Ta nne r ,S. ,Be r t ho l d,H. ,e ta l . :Ma ndi bul a rf r a c t ur e sf o l l o wi ngt hi r dmo l a re xt r a c t i o n.I nt∫Or a lMa xSur g, 2 6:3 3 8 3 4 3 ,1 9 9 7 . 3)Kr i mme l , M, a ndRe i ne r tS. : Ma nd i bul a rf r a c t ur e sa f t e rt hi r d l . ∫Or a lMa xSur g,5 8:1 1 1 0 -1 1 1 2 . 2 0 0 0 . mo l a rr e mo va 4)wa gne r ,K. W"Ot t en,∫. EリSc hoe n,R. ,e ta l ∴Pa t ho l ogi c a l ma ndi bul a rf r a c t ur e sf o l l o i ngt w hi r dmo l a rr e mo va l .I ntJ Or a lMa xSur g, 3 4二7 2 2 7 2 6 , 2 0 0 5 . 5) 亀山嘉光,龍方孝典,鹿毛俊孝,他 ・抜歯中に誤って口腔底 5 4 8,1 9 7 8. に迷入させた下顎智歯の 1例 .松本歯学,4.4 6) 小川邦明,吉田広海,菅原 正.他 : 下顎智歯を口腔底部に 6:9 2 9 5,1 9 7 6. 迷入させていた 1症例.岩手県病医会誌,1 7) 内田 稔,高橋和夫,宇賀春雄,他 : 抜歯操作中に誤って口 2二 腔底 に迷入 させた下顎智歯の 3症例について.歯学,6 3 5 6 3 5 9,1 9 7 4. 8) 作田正義 : 抜歯時に起こる偶発症,歯界展望別冊 抜歯の臨 2 6 4 2 6 8,1 9 91. 床.医歯薬出l 嵐 東泉 pp. 9 )野間弘康,金子 譲 :カラーア トラス抜歯の臨床.医歯薬出 版,東京,pp. 8 9 9 6 ,pp. 1 2 5 -1 4 8,1 9 91 . 1 0)Li be r s a ,P. .Ro l e ,D. .Ca c ha r t .T. ,e ta l . ,I mme di a t ea ndLa t e ma ndi bul a rf r a c t ur e sa f t e rt hi r dmo l a rr e mo va l . ∫Or a lMa x Su r g, 6 0:1 6 3 -1 6 5 , 2 0 0 2 ..

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