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マダコのエキス成分に関する研究(II) : 四級アンモニウム塩基と核酸関連物質

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Academic year: 2021

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(1)マダコC))エキス成分に関する研究(Ⅱ) -四級アンモニウム塩基と核酸関連物質浅 Studies. on. 元. 野. Extract. Octopus. the. Ammonium. Quaternary. 一*. Bases. and. (Ⅱ) Nucleic. Acid. Compounds-. Relating. Motokam. AsANO. S U二M班ARY As. 1.. qtlaternary. (905-122ヲ血g/100g) (119-196mg/loo首) Trigonelline As. 2・. bases. ammOnium ,. in octopus. in octopus. in the relati王1g COmpOtlnds inosine (38-138mg/100g), (36-52mg/loos), nucleic. 3.. acid. the was. wete. extraction more. found. and. of nueleic. relating than. extractant. effective. extract,. hypoxanthine(. determined. acid. は. し. glycine. (52二・149mg/100g) confirmed. and. ,. betaine homarine. determined.. extract. same. acid. ( 7mg/100g) For. extract,. muscle TMAO. TMAてtrai:i-o・7zhg/loo首) ( 6 -15mg/loo首)were ,. trigonelline and discovered firstly. was. pedal. from stlbstances boiling water.. が. ADP(6 9. -24mg/loo首),AMP adenine -15mg/100g)and. octopus. muscle,. perchloric. き. マダコ・エキス中の四級アンモニウム塩基については,鴻巣ら1)2)はグリシソ・ベタイ ンは多量存在するがβ-アラニソ・ベタインは認められないとし,福島8)はまたホマ1)ソ の存在を認め定量している.また森ら4)ほコl)ソについて,全コ1)ソとしては少量存在す るが,遊離コリソとしてほ痕跡程度とした。トリメチルアミン・オキサイド(TMAO)と トリメチルアミン(TMA)についてほ,古くほ著者ら5)の報告があり,最近では原田 ち6)の広汎な報告があるo 更にヌクレオチド,ヌクレオシド,プリン塩基,及びビリミジン塩基などを含むいわゆ る核酸関連物質についてほ,古くHenze7)ほヒポキサンチンの存在を述べており,森沢8) ほOctopus. octopodiaエキス中に,グアニン,. キサンテン,アデニソ,ヒポキサンチソ,. グアニジン,シトシソなどの存在を報じているo. また武,大塚9)は定量値ほ記していない. がマダコ・エキス中に,アデニン,アデノシン,. イノシソ,ヒポキサンチンの他,少量の 新井ら10)はミズダコ足筋肉中のATP,. 3′-CMP,. 5′-CMP,. 5′-AMPが存在すると述べ,. Aロp, AMPの定量を行った。 *. 家政学教室(°ept.. of王iome. Economics).

(2) 200. 浅. 野. 元. ∼. 本報ではマダコ足筋肉の熱水抽出エキス及びHCIO4抽出エキス中の四級アンモニウム 塩基類と核酸関連物質vt-ついて検討した.. 実験試料,実験方法及び結果 Ⅰ. 実. 験. 材. 料. 第一報と同じく相模湾産のマダコ. Vulgaris. (Octopus. Lamarck)で採描直後の活タ. コ又は新鮮なものを用いた(第1表)0 第1表 入. 手. 月. 日I. ダ. マ. 匹. 数. 試. コ. l. 料. 体重(kg). 1982.. 6.18. 1. 1.20. 1982.. 8.18. 1. 1.00. 四級アンモニウム 塩基試料. 1982.ll.. 2. 1. 1.40. 1982.12.. 6. 1. 3.00. 6.15. 1. 0.64. 1983.. 8.. 8. 2. 1. 08. 核酸関連. 1983.. 9.. 2. 1. 1. 20. 物質試料. 1983. 10. 24. 1. 0.96. 1983.. ペーパー・クロマトゲラ7ィーによる四級アンモニウム塩基の予備的検索. ・T a. ペーパー・クロマトグラフィー用試料液の調製. これはアミノ酸定量用エキスの調製法と同じであるo即ち,新鮮なマダコ足筋肉を2cnt 角位に切りろ紙上で附着水分をとるoそれを更に細切し100gを秤取し,蒸留水100m8と 共にフラスコに入れ,還溌冷却器をつけて煮沸水浴中で15分間抽出するo抽出液は冷後遠 心分離(5000rpm,. 15分)するo上清液を別にとり,残法に更に蒸留水100耕eを加え加. 熱抽出し,抽出液は遠心分離する.すべての上清液を合せ,これに無水EtOH800mCを濃 拝し乍ら加え, 80%. EtOH濃度とし,これを一晩冷蔵庫に静置後,上清をサイホンでと. り,残連ほ遠心分離し,沈殿にほ更に80%. EtOH40m8を加え遠心分離する。この処理を. 2固くり返す.上清液をすべて合せ,減圧濃縮して. EtOHを除き,濃縮液をクロマトグ. ヲフィー用試料液としたo ・b. ペ-パー・クロマトグラフィー. ・標準品としてグリシソ・ベタイン塩酸塩(東京化成),ホマリン塩酸塩(Aldricb,97%), TMAO (東京化成)を用い,展開溶媒としてn-BuOH:酢 コ.) I/'塩酸塩(片山化学), 酸:求(4. :. 1. :. 5V/V)を用いた。タロマトグラムの発色にはDragendorff試薬を噴. 霧した。試料液にほいくつかの成分が混在し,タロマトグラム上で重なるため,相互の区 別をし易くするために,最初は試料液を原線上一線に濃くスポットして展開し,クロマト グラムの一部をとり発色させ,その呈色状態をみて,残りの未発色のタロマ1トグラム恕.

(3) マダコのエキス成分に関する研究(Ⅱ). 201. Rfにより3つのZoneに分仇各Zoneを更に熱水抽出し濃縮して朗々にスポットし, 展開し,. Dragendorff試薬で発色させ・標準品のスポットと比較した.その結果ペーパ TMAOほ確認されたが,. ー・タロマトグラム上では・グリシン・ベタイン・ホマリン,. コリソとか・後述のトリゴネ1)ソなどほペーパー・クロマトグラフィーでは確認出来なか った(第2表)0 第2表. 四級アンモニウム塩基のペーパー・クロマトグラフィー 展開溶媒n-ブタノール:酢酸:求(4: Rf. :5. V/V). 億. 合. 化. 標. 晶. グ1)シソ・ベタイン ホ. 1. リ. マ. ン. TMAO. l. 試. 料. 0.35. 0. 34. 0. 41. 0. 42. 0.58. 0. 59. グリシン・ベタインの定量. Ⅲ a. 試料液の調製1). 75meEtOHと共にホモジナイズし,ホモジネ-トを遠 タコ足筋肉50gをとり細切し, 10分)するo残遁を100m8の66%(Ⅴ/V) EtOHで2回同様に抽出し, 心分離(5000rpm・ 遠心分離するo上清をすべて合わせ,冷蔵庫に一晩放置する.これを遠心分離した後,ら 液を減圧濃縮して約50m8にする.これを30hCの--テルと共に振り脱脂する。この操作を 5回くり返すoその後水層をポ1)エチレン容器に入れ密栓して-20oCのフリーザー中に 使用時まで保存する。 b. グリシソ・ベタイン定量法1). 定量法はFriedman フィー法1)と,. Focht,. らの方法を修正した鴻巣らの報告によるイオン交換クロマトグラ Schmidtらのライネッケ法11'を用いて定量したo即ち,凍結し. ておいた上記試料液を冷蔵庫中で解凍後, 容する.この内5muをとり,. Dowex. 100m8の定容フラスコに移し,蒸留永を加え定. SOW-Ⅹ12カラム(H'形,. 40c珊)に入れるoカラムを少量の水で洗浄後,. BOO-400mesh,. 1.2×. o・7HClを30mC/hの速さでカラムに涜し,. その洗出液を10m8宛集める.グリシソ・ベタインの溶出が終わるまで展開をつづける.グ 1)シソ・ベタイソは通常60-80番フラクショソに出てくるが,溶出は温度によって僅かに 影響を受けるので,その都度55番以後の各フラクショソを次の方法でチェ.,クする.即ち, 各フラクショソから1wCをとり試験管に入れ,それに同量のアンモニウム・ライネッケト溶液を加えて紛2時間水浴中に入れておく.ライネッケ塩の沈殿は0.05野のグ1)シソ. ベタインでも肉限で確かめられるoグリシソ・ベタインの陽性フラクショソとその前後数 本のフラクショソを集め減圧濃縮の後,蒸発乾固させて過剰のfIClを除く。残達を少量 CG400カラム(OH-塗, 200-400mesh, の水にとかし,この溶液をAmberlite. 1.0×.

(4) 浅. 202. 野. 元. 一. 10c忽)に通し,プロリソを除く。プロ1)ソほライネッケ塩として沈毅し,大量のプロリン の共存はグリシソ・ベタインの値を高くすることが知られている。カラムを水で洗い,プ ロl)ソを除去した通過液と合ゎせて50m8に定容するoその5m8をとり, 50u容ビーカーに 入れこれを10-15分氷洛中で冷却する. 5mCのアンモニウム・ライネッケ-ト溶液を各ビ ーカーに絶えず揖拝し乍ら滴下する.ビーカーを氷洛に入れたまま冷蔵庫中に一晩放置す るo一時に一個宛ビーカーを冷蔵庫からとり出し,ゆっくり廻し乍ら母液とライネッケ塩 結晶とを離し,中等孔径の熔融ガラスつきのるつぼで吸引ろ過する.ビーカーと結晶を2 mCのエーテルで3回洗浄し,過剰のエーテルをとばす.るつぼに70%アセトンを5劫8宛3 回加えてライネッケ塩結晶を溶解し, 25m8の定容フラよコに入れ, 70%アセトンで定容す るoこのaliqtlOtをガラス・セル紅とり,. 70%アセトンをreference. solutionとして525. nmで吸収を読む(吸光度A)。又純水をreference solutionとしてreagent 吸収を読む(吸光度B)o標準グ7)シソ・ベタイ./量(形)と補正した読み(吸光度A-. blankの. B)から予め作製した標準曲線を用いてグリシソ・ベタインを定量した。 実験結果. c. 実験結果ほ第3表に示す。 第3表 料*. TMA,. グリシソ・ベタイン(mg/100g. 月. 945 ±36. 11. 月. 905±19. 12. 月. 1227 ±39. *. Ⅳ. マダコ足筋肉申のグリシン・ベタイン wet. muscle). 第1表1982年試料. TMAOの定量. 試料液の調製. a. タコ足筋肉50gを50mEの水と鄭こ水冷し乍ら5分間ホモジナイズする.かゆ状のホモジ ネ-卜を20m細水を用いてビーカー軒こ移し・. 120m紬10%三塩化酢酸(TCA)を添加,時 々撹拝し乍ら放置し, 1時間後に遠心分離(5000rpm, 10分)する。残撞を更に100m85 形 TCAで3回抽出し遠心するo上清を合わせ・ 5%TCAを加えて500m8に定容する.こ のaliquotをとってTMA,. 定. b. 量. TMAOを定量した.. 法. TMA定量は佐々木・藤巻法12',橋本,岡市針'に準じて行なったo即ち,まず上述 の試料液や試薬塀, 25mC容分液ロートを予め30oCの貯卵器に入れて置くo. 5m8の試料液. -(TMA-Nとして2-20rを含む)を25u容のシ1)ソダー塾分液.,-ほ入れ,これに 1m地中性ホルムアルデヒド液(市販HCHOにMgCO3を加えて脱酸ろ過し,これを水 で1. Sk希釈)I 16必のトルエン(無水空硝で乾軌及び25%KOH3m権藤如し紛100 回振返する。その後30oC紅5分放置し・分離したトルエン層をとり,これ紅1 gの無水 :.

(5) 203. マダコのエキス成分に顕する研究(Ⅱ). 芭硝を加えてよく振り,トルエン層を脱水乾燥させる。. 5m8の0.02%ピタt)ソ酸試薬の入. っている別の共栓試験管に前述の脱水トルエソ液を注如し,発色したピクl)ソ酸の黄色度 を島津UV-180分光光度計の410nmで測定し,予め作製した標準曲線よりTMA量を 算出した。 0・5u. TMAOの定量ほBystedtらの方法14)によった.即ち,前述の試験液20m8をとり, 25m8定容フラスコに移し,. の10%TiC13を加え,. 2時間放置する.その後飽和KNO3溶. 液数滴を加え,過剰のTiC13と反応させるo約5-10分後ピンク色が消失するoこの脱 色した液に5%TCAを加えて定容する。生成したTMAを前述の方法と同様ピクレート TiCl3還元した場合の全TMA量. として比色定量する.試料液中の最初のTMA量と, を沸定し,その差をとればTMAO量が判る. c. 実験結果. 実験結果は第4表に示す。. 試. Ⅴ. 料. 第4表. マダコ足筋肉申のTMA,. TMA. mg/100g. wet. TMAO皇 TMAO. muscle. wet. mg/loos. 1982年6月. I. 0.7±0.1. l. 105.8±1・7. 1682年8月. I. trace. [. 130. 4±2・. 1982年11月. I. trace. [. 149・ 2±0・ 9. 1982年12月. t. trace. l. 52. 2±0. 7. muscle. 8. ホマリン,トリゴネリンの定量. ホマ1)ソについてほ福島3)がすでにその定量を試みており,本報の予備的ペーパー・ク ロマトグラフィーでも認められた。そこで東京大学農学部水産化学研究室に依壊して高速 液体クロマトグラフィーによるホマ1)ソの定量を行なったoその際ホマ1)ソ以外に新たに トリゴネリソの存在も判ったので,トリゴネジソの定量も行なった。 a 試料液の調製 試料液としてほペーパー・クロマトグラフィー用試料液とほぼ同様の熱水抽出試料液を EtOH濃度としてタンパク質を沈殿除去し,タコ足 調製した。即ち,熱水抽出液を80% 筋肉1gよりのエキス分が1mC中に溶解する如く調製して試料液とした.文一部の試料液 100#Cと共紅ホモジナイズして・ ̄遠心分離(5000 紘,タコ足筋肉50gを氷冷下10%HC104 10分)するo上清は別にして,残連を更に5%HC104100m8で2回,氷冷下でホモ KOHで中和し, ジナイズし,遠心分離してすべての上清液を合わせる.これを5N. rpm,. HCIO4. をカ.)ウム塩として沈殿させ遠心分離し,上清液を減EE濃縮して50幼こ定容し試料液とし た。 b. 高速液体クロマトグラフィーの分析条件. 日本分光のTRI. ROTAR-SR. 2型高速液体クロマトグラフを使用。.

(6) 野. 浅. 204. カ. ラ. ム・'whatman. partisiト10SCX. カラム温度:40oC 動 相:0.05M. 流. 速:. 検. 出:254nm. 1.. 一. (0.46×25cn). (pH3.0). NH4H2PO4. 移. 元. Om8/min. 実験結果. c. ホマリソ及びトリゴネリソの定量結果を第5表に示す。 第5表. マダコ足筋肉中のホマリンとトリゴネワン (単位はmg/100g wet mtlSCle). 料. 試. 汰 熱. 1982年6月. 熱. Ⅵ. 水. HC104. リ. マ. ン. トリ. ゴネリ. 二水 出. 189. 12. 196. 15. 抽. 出. 137. 6. 抽. 出. 119. 7. 抽 1982年8月. ホ. ン. 核酸関連物糞の定量 核酸関連物質の中にほ,ヌクレオチド,ヌクレオシド,プリン塩基,ビリミジン塩基を. 含めているが, Ⅴと同様高速液体クロマトグラフィーにより定量した。 a. 試料液の調製. 試料液もⅤと同様熱水抽出試料液とHC104抽出試料液を調製使用した。 b. 高速液体クロマトグラフィーの分析条件. 日本分光のTRI. ROTAR-SR2型高速液体クロマトグラフを使用。. ヌクレオチドの場合, カ. ラ. ム:. whatman. partisiト10SAX. (0.46×25cm). カラム温度:40oC 動 相:LA) 0.01Mリソ酸(pH2.85) KH2PO4 (B) 0.75M (pH4.40). 移. 5分間㈲を流し,それから30分後に(B)が100%となるようにgradient elutionを行なう.更にATPが溶出するまで約5分間(B)を流す. 速: 1.5mWmin. 流. ヌクレオシド,塩基の場合, カ. ラ. ム:日本分光のFinepak. カラム温度:40oC 移 動 相:(A). 4mM. (追) 60%. KH2PO4. SIL. C18. (pH5.8,. (0.46×25cm) 1%MeOH含有). MeOH. LA)を8分流し,その後27分後に(B)が77%となるように. gradient. ellltion.

(7) 205. マダコのエキス成分に関する研究(Ⅱ). を行な・う。 流. 速: 1.如才/min. c、実験結果 実験結果は第6真に示す。 第6表. 試. 料. 抽出法. マダコ足筋肉中の核酸関連物質 (単位はng/100g. ATP. ADP. AMP. wet. mtlSCIc). イノシソ. ヒポキサ. 1983年6月. 熱. 水. 6. 38. 42. 9. 1983年6月. 熱. 水. 9. 41. 52. 10. 1983年8月. 熱. 水. 8. 60. 42. 15. 1983年8月. HCIO4. 138. 36. 15. 24. 論. アデニソ. ンチン. 7. 議. まずグリシソ・ベタインについては,鴻巣らはマダコに821-1434mg/100gも存在する と報じており,本報第3蓑の定量値(905-1227mg/100g)も概ねこれと近い値となった (回収率101.5%)o thyl. グ1)シソ・ベタインほ浸透圧調節に関与するだろうといわれ,又me・. donorとして働らく。魚揮より無背椎動物に多い.又爽快な甘味をもつので,軟体. 動物や甲鼓類の呈味成分の一つとして考えられているo. β-アラニソ・ベタインは認められ. なかった。. 背椎動物中には極めて少なく無背堆動物中に比較的多量に存在するベタインの一つであ るホマ1)ソは,イカ,カニ,ウニ,ホヤ,ゴカイ,海藻などにみられる.福島はマダコに ホマリソ59mg/100gの存在を示したが,本実験では129-190mg/100gもの存在が判っ た。ホマ1)ソほ淡水産にはみられず,海産にみられることからベタインと同じく主として 浸透圧調節に関与するものと考えられている。又ホマリン定量の時に,微量のトリゴネリ ソの存在が発見された。ト1)ゴネ1)ソはこれまでエンドウ,コーヒー,トマト,陸上植物 の種子,じゃがいも,大豆などの他に,ウニ,クラゲに見出されているが,マダコ筋肉中 に見出されたのは今回が最初であり,比較生化学的に非常に興味深い. 次にTMA, TMAOであるが,これらについては1954年著者5)ほ女川産マダコ足筋肉 中に, TMA. 1.2-3.5mg/100g,. TMAO55.7-80.8mg/100gという定量値を報告してお. り,最近原田ら6)ほマダコ筋肉でTMA.2.1mg/100g,. TMAO. 182.1mg/100gを定量し. TMAO52.2-149.2mg/100gという定量 ている。今回本報でほTMAO-0.7mg/100g, 値を得た。 TMAOほこれまた浸透圧の調節に関与するといわれ,特有の甘味と弱い苦味. をもつ皇味成分の1つとされたこともあったが,現在では海産物の皇味との関連はあまり ないと考えられているo コリソについては森ら4)は遊離コリソは痕跡で,全コリソとして47mg/100g存在した.

(8) 野. 浅. 206. 元. 一. としているo本報の予備的ペーパー・クロマトグラフィーではコ1)ソ・スポットを認めず, エキス中の遊離コ1)ソは殆んど痕跡的で呈殊には殆んど関係ないものと考えとくに定量し なかった。. 核酸関連物質についてほ,古くHenze7)は微量(約0.03%)のヒポキサンチンの存在 0.Octopodia. を報じ,又森沢8)は. エキス中にグアニン,アデニン,キサソチソ,ヒポ. キサンチン,グアニジン,シトシソなどの存在を報告しているが定量値の記載ほない。 更に武,大塚ら9)は同じくマダコ・エキス中にアデニン,アデノシン,イノシソ,ヒポ. キサンチン,及び少量の3′-CMP,. 5′-CMP,. 5しAMPが存在すると述べているが定量値. の記載ほなく,エキスにnucleotidaseを作用させた緩も基殊に変化がなかったことから, 核酸関連物質はタコの臭味を決定する成分ではないと述べている。最近新井ら10)はミズダ ADP 43. 5mg/100g, AMP 6. 9mg/100gの定量値をあ 202mg/100g, コ足筋肉中にATP げている。これは非常に新鮮な試料を迅速に処理したものと考えられる。. 著者も可及的新鮮な試料を用いたが,定量値として熱水抽出でほADP6-9mg/100g, AMP. 38-60mg/100g,イノシソ42-52mg/100g,ヒポキサンチン9. 抽出ではADP24mg/100g,. -15mg/100g,. HCIO。. AMP138mg/100g,イノシソ36mg/100g,ヒポキサンチン. 15mg/100g,アデニン7mg/100mgという値を得た。 論. 結. (1)マダコ足筋肉エキス中には四級アンモニウム塩基として,グ1)シソ・ベタイン(9051227mg/100g),. TMA. (trace-0. 7mg/100g),. TMAO. (52-149mg/100g),ホマリン. (119-196mg/100g)及びトリゴネリン(6-15mg/100g)が存在する。タコ・エキ ス中のトリゴネリソの存在は今回初めて見出されたものである。 ADP (2)同エキス中の核酸関連物質として, (6-24mg/100g),. AMP. (38-138mg/100. g),イノシソ(36-52mg/100g),ヒポキサンチン(9-15mg/100g),及びアデニソ (trace- 7 mg/100g)が認められた。 (3)核酸関連物質の抽出にほ熱水抽出より 謝. HCIO4抽出の方が有効と考えられる。. 辞. 高速液体クロマトグラフィーによる分析をお引受け下さった東京大学農学部鴻巣章二教 揺,渡辺勝子氏,実験に協力された山本はるみ,栗田千春,鈴木美智代,菊地素子の諸氏 に深謝いたします。 引. 1) 2) 3) 4). 用. 文. 献. Tetsuhito Hayashi : Buu・ Jap・ Soc・ Sci・ Shoji Konosu, Eiichi Easai Bull. Soc. Sci, Fish : Jap. Shoji Konosu, 福島 清: Bull. Jap. Soe. S°i. Fish 28, 909 (1962) 森高次郎,鴻巣章ニ 宮川昭次: Bull. Jap. Soe・ Sci・ Fish. Fish. 41,. 27, 194 23, 282. 743. (1975). (1961) (1957).

(9) 207. マダコのエキス成分に関する研究(Ⅱ) 5) 6). 7) 8) 9) 10) ll) 12) 13) 14). Vo1. Agr. Res. 浅野元一,佐藤春雄: TohoknJ. 原田勝象 山田金次郎,出利菓徹:水大研報 M.. Henze. 森沢. 武 新井健一: R.. : Zeit.. chem.. physiol.. 285 (1926) 清:京医紀 恒子,大塚-止:栄養と食塩. L.. Bull.. Focht,. F.. Jap. Soc.. Sci.. fI. Schmidt. :. XLIII,. 477. Vol. No.4.. Fish. Soc.. ∫.Bystedt,. Aas. 冗. W,. 32, 174. J. Agr.. 佐々木林治郎,藤巻正生:日鼻化 橋本芳郎,岡市友利: Bull. Jap. L. Swenne,. 18. Sci. :. (1954). 191. (1905) 286. (1965). (1966). Food.. 27, 420. 5 No.3.. 20(3), 115 (1972). 4, 546. chem.. (1956). (1953) Fish. (1957). 23, 269. ∫.Sci・ Food. Agr.. 10, 301. (1959).

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