※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修(聴覚障がい教育に係る研修)」における授業実践として作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。 聴覚障害教育部門 小学部第6学年 自立活動学習指導案 1 題材名 「みんなで協力して考えよう」 2 指導観 ○ 本学級は、3名で構成されている。音声、指文字、手話等を併用しながらやりとりを行ってい る。教室内では、デジタル補聴援助システムを使用し、聴覚を活用することができている。 学校生活では、小学部の最上級生として委員会活動や児童会活動に意欲的に取り組み、自分た ちの役割を果たすことができている。これまでの自立活動の学習を通して、自分の聞こえ方や話 し方について少しずつ意識をもてるようになってきた。 児童の個別の実態を以下に示す。 人間関係の形成 コミュニケーション A 児 ・かかわりの少ない人や初めてのことに対 しては消極的で、分からないことを質問し たり確認したりすることは少ない。母親や かかわりの多い教師には、自分が納得する まで尋ねることができる。 ・発音が不明瞭で聞き間違い等がある。指 文字や手話を用いると内容を正しく理解す ることができる。 B 児 ・読書が好きで、一人で集中して読むこと ができる。集会等のレクリエーションで は、積極的に友達と関わりながら楽しむこ とができる。 ・音声による表出は少なく、指文字で表現 することが多い。自分から友達や先生に話 しかけることは少ないが、相手の話の内容 を理解し、応答することができる。 C 児 ・感情のコントロールが難しい時は態度で 表すことがある。達成感を味わったり、物 事の見通しがもてたりすると感情をコント ロールすることができる。 ・状況に応じた内容を話すことが難しい場 合もあるが、自分の話を受け止めてもらえ ることが分かると状況を理解して話すこと ができる。 ○ 本題材は、特別支援学校学習指導要領解説 自立活動編「3 人間関係の形成 (3)自己へ の理解と行動の調整に関すること」「6 コミュニケーション (4)コミュニケーション手段 の選択と活用に関すること」の二つを関連付けて構成した。 本題材では、自分の意見を友達に分かりやすく伝えたり、友達の考えを取り入れたりしながら より良い考えをつくることをねらいとしている。そのために、提示された問題の答えを友達と協 力して導き出すことができるようにしている。クイズや推理問題を解くことを好む児童にとって 意欲的に活動することができる題材である。答えを導き出す過程では、「個人→集団→個人」と 活動形態を変化させることで、友達との考えの相違点に気付きながら、自分の考えを深めること ができる。また、全員の考え(情報)を共有しなければ答えを導き出すことができない状況を設 定しているため、自分の考えを分かりやすく伝えたり、友達の考えを受け入れたりする必要性が 生じる。更に、問題の答えを導き出した達成感とともに、友達と協力することの良さを味わうこ とができる。これらは、今後、コミュニケーションを積極的に図りながら、周囲とのかかわりを 広げていく上でも、大変意義深いと考える。 〇 本題材の指導に当たっては、自分の考えを友達に分かりやすく伝えたり、友達の考えを受け入 れたりしながら、児童が主体的に活動できるように進めていく。 そのために、第一次では、暗号を解く活動に取り組ませる。その際、発表方法の文型を表した 文字カードを提示したり、伝えたいことを文字や絵で表現させたりすることで、友達に分かりや
※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修(聴覚障がい教育に係る研修)」における授業実践として作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。 すく伝えることができるようにする。また、全員の考えを板書し、友達の考え方を取り入れて次 の問題の答えを考えさせることで、協力して暗号を解くことができるようにする。第二次では、 推理問題を解く活動に取り組ませる。その際、一人一人が出した答えを手掛かりにして新しい問 題を全員で解かせることで、児童が協力することができるようにする。また、全体を通して、友 達の考えの良さについて発表させることで、様々な考え方があることに気付くことができるよう にする。 3 指導目標 ○ 自分の意見を友達に分かりやすく伝えることができる。 ○ 友達の意見を取り入れながら、友達と協力して問題解決することができる。 4 指導計画(全2時間) 第1次 「みんなで協力して暗号を解こう」・・・・・・・・・・・・・・・・1時間 第2次 「みんなで協力して推理してみよう」・・・・・・・・・・・・・・・1時間(本時) 5 本時 (1)本時の目標 〇 友達を意識して自分の考えを伝えることができる。 〇 自分の考えを伝え合いながら協力して問題を解くことができる。 〇個別の目標 A児 〇 相手の顔を見て、自分の考えを伝えることができる。 〇 友達の考えを聞いて自分の考えに取り入れながら、友達と協力して答えを考えることが できる。 B児 〇 友達を意識して、自分の考えを分かりやすく友達に伝えることができる。 〇 友達の考えを聞いて自分の考えとの違いに気付き、友達と一緒に問題の答えを考えるこ とができる。 C児 〇 友達を意識して、自分の考えを友達に伝えることができる。 〇 友達の考えを受け入れながら答えを考えることができる。 (2)本時の指導観 本時では、推理問題を解く活動を通して、友達の考えを取り入れながら協力して問題解決する ことをねらいとしている。 導入では、探偵になって協力して推理問題を解くという場面を設定することで、学習意欲をも つことができるようにする。また、学習の流れをボードに提示することで、活動の見通しをもつ ことができるようにする。展開では、友達の考えを聞くときの観点を提示することで、自分の考 えとの相違点に気付くことができるようにする。各自が出した答えから、導き出した暗号を基に 推理問題を解かせることで、自分の考えを伝えるとともに友達の考えを受け入れることができる ようにする。終末では、友達の考えで参考にしたところを発表させることで、友達と協力して考 えた良さに気付くことができるようにする。 (3)教材・教具 ①学習の流れボード ②学習のめあてカード ③スライド教材 ④ワークシート ⑤文型カード
※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修(聴覚障がい教育に係る研修)」における授業実践として作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。 (4)展開 学習活動・内容 指導者の支援及び留意事項 評価 教材・教具 1 始めのあいさつをする とともに、本時の学習内 容を知る。 ・本時の学習の見通しを もつこと めあて みんなで協力して推理問題 を解こう。 2 友達と協力して暗号を 解く。 ・自分の考えを友達に伝 え、友達の意見を受け 入れること 活動手順 (1)一人で問題を解く。 (2)答えと理由を発表する。 (3)友達の考えを聞いて2問目の 問題を解く。 (4)みんなの答えを出し合って推 理問題を解く。 3 学習を振り返り、友達 の考えの良さを知る。 ・自分の意見との違い に気付くこと 〇 補聴援助システムのマイクで呼名を行うこ とで、補聴器、人工内耳の聞こえの状態を確 認することができるようにする。 〇 架空の人物からのメッセージをスライドで 提示し、協力して推理問題を解かなければな らないことを伝えることで、学習意欲をもつ ことができるようにする。 〇 学習の流れボードを提示することで、活動 の見通しをもつことができるようにする。 〇 前時で解いた問題のルールを想起させるこ とで、新しい問題を解くことができるように する。 〇 発表することが難しい場合は、文型カード を提示し、手がかりにさせることで、発表す ることができる。 〇 友達の考えを聞くときの観点を ボードで 提示することで、友達の考えの良さや自分の 考えとの違いに気付くことができるようにす る。 〇 一問目で友達の出した答えをヒントにさせ ることで、二問目に一人で取り組むことがで きるようにする。 〇 全問題の答えを組み合わせて推理問題を解 くことを説明することで、協力して取り組む ことができるようにする。 〇 友達に伝わりにくい場合は、文字や絵を描 いて説明させることで、友達と協力して問題 を解くことができるようにする。 〇 スライドで推理問題の答えを提示すること で、比較しながら自分たちで答え合わせがで きるようにする。 〇 友達の考えで参考にしたこと発表すること で、自分と友達の考えの相違点や友達の考え の良さに気付くことができるようにする。 評価(1) 評価(2) ① ② ③ ④ ⑤ 6 評価の観点・評価 評価(1) 評価(2) A児 伝えようとする相手の顔を見て文型を手 掛かりに、自分の答えと考えた理由を音 声や手話で伝えることができる。 友達の考えをうなずいたり、相づちを打っ たりしながら聞き、自分の考えを友達に伝 えることができる。
※ 本指導案は「福岡県教育センター長期派遣研修(聴覚障がい教育に係る研修)」における授業実践として作成されています。 教育センターホームページの「長期研修報告書:平成 30 年度:各研修報告書」と併せて御覧ください。 B児 話始める前に友達に話すことを伝えてか ら、自分の答えと考えた理由を指文字や 手話で伝えることができる。 友達の考えを聞いて自分の考えとの違いを 発表するとともに、自分から友達とかかわ りながら答えを考えることができる。 C児 友達が自分に注目をしていることを確認 してから、自分の答えと考えた理由を音 声や手話で伝えることができる。 友達の考えで参考にしたことを発表すると ともに、友達と話し合いながら答えを考え ることができる。 7 座席表 黒板 T TV C 児