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-第3学年
図画工作科学習指導案
1 題 材 「ほって、けずって、ひらめいて」 2 題材観 ○このような子どもたちを 本学級の子どもたちは、粘土を使って表す造形活動に関心が高く、休み時間には自分の好きな ものを作ったり、遊んだりと意欲的に取り組んでいる。3年生での題材「カラフルねんどのお店 へようこそ」では、紙粘土を主材料に自分のお店に並べる品物をつくっていった。白い紙粘土を 自分の表したい感じに合う色につくりかえたり、品物にあわせて形を組み合わせたりできた。色 を工夫したり形をつくりかえたりすることで自分の表したい感じを表すことができると気づいて いる。また、紙粘土の特性を知り、まるめる、ねじる、つまみ出すなどの加工の仕方にも少しず つ慣れてきている。しかし、粘土を使って立体に表す活動において自分の表したい感じ(表現主 題)を意識して練り上げながらつくる活動は経験が少なく、作品を見直していくための観点にも 気付いていない。そこで、本題材のストーリーから発想を広げ、工夫しながら製作していく活動 は価値があると考える。また、土粘土という素材に充分にふれさせ、その特性を生かして、手先 の巧緻性をはぐくむことができる点からも本題材は意義深いといえる。 ○このような題材をもとに 本題材は、土粘土を主材料とした素材の特徴を生かし、ストーリーから生まれてくる自分なり のイメージを大切にしながら、表現方法を工夫して立体に表していく活動である。その中で、イ メージを具体化していく発想力や形の構成力、創造的な技能を培うことをねらいとしている。 ○土粘土は、粘性が強く柔らかいため加工がしやすく、この期の子どもの発達段階に適した素材 である。感触を味わうだけで、どんな感じに作ろうかと期待や思いがふくらむ題材である。ま た、「冒険の森」をイメージすることで作品へのこだわりや個性が生まれてくると考えられる。 このことから、興味関心を高め、意欲的な活動が継続する題材である。 ○粘土を掘ったり削ったりする活動から粘土の感触を味わい、自分のつくりたい「秘密の城」の イメージを表現していく本題材は、材料のもつ特徴を吟味したり、大きさや形などの構成を工 夫したりといった発想力を伸ばすことができる。さらに、観点をもとに見直し、練り上げなが ら自分の作品を工夫していく活動は、構想力を高めることのできる題材である。 ○主材料である土粘土のさわり心地を十分に味わい、自分の表したい感じになるように、試した りつくりかえたりしながら加工の仕方を追求できる題材である。また、手先だけでなく、手の ひら全体や掻き出しべらなどの道具を自分の表したい感じにあわせて取り入れていくことは創 造的な技能を伸ばすことにもつながる題材である。 ○このような手立てで 本題材の指導にあたっては、自己の思いを豊かに表現させるために学習過程の各段階に、あた ため活動を位置づける。 「発想・構想段階」では、土粘土の素材体験をしたあとで「冒険の森」の動物たちを守る「秘 密のお城をつくろう」というストーリーを設定し、そこから自分だけの「秘密の城」のイメージ 作りをさせる。「どんな形で」「どんな組み合わせで」といった造形要素につながるキーワード を学習プリントに書き込ませ〔あたため活動〕、表現の見通しをもたせていく。 「表現Ⅰ段階」では、粘土の技法パネルや参考モデルを生かしながら〔あたため活動〕、粘土 の固まりを削って大まかな作品をつくる。 「表現Ⅱ段階」では、自分の表したい感じになるように形の構成、表現方法などを工夫させる。 そのために作品を鑑賞し合い、「ほらあな」「階段」「高い塔」などモデルとなる部分を提示した り、それらを組み合わせ参考作品を提示したりして工夫の観点に気付かせる〔あたため活動〕。 「鑑賞段階」では、作品としてのおもしろさや美しさを充分に感じ取らせたい。そのために見 て「どこに展示するか」を話し合ったり、「みんなのお城で遊んでみよう」と実際に作品で遊ぶ 活動〔あたため活動〕を取り入れることで友だちの作品のおもしろさや工夫の観点をとらえさせ るようにする。2 -3 目 標 ○土粘土の感触を味わいながら、自分なりの表現方法を試し、意欲的に造形活動に取り組もうとす る。 (造形への関心・意欲・態度) ○土粘土の感触や「冒険の森」のストーリーから想像を広げ、表したい感じになるように自分なり の表現方法を構想する。 (発想や構想の能力) ○自分の表したい感じになるように手やへらなどの用具を工夫して使い、掘る、削る、つなげる、 穴を開けるといった表現技能を高めることができる。 (創造的な技能) ○自分や友だちの作品のおもしろさを感じ取り、そのよさを味わう。 (鑑賞の能力) 4 本題材の計画(全6時間) 段階 配時 主 な 学 習 活 動 指導上の留意点 1 土粘土の特性を知り、自分の表したい感じについて 話し合い、つくりたいもののイメージをふくらませる。 発 (1) 土粘土をさわって遊び、その感触を味わう。 ○土粘土を自由にさわったり 想 ○土粘土での様々な加工の仕方を試しながら発想を 用具を使って試したりする ・ 2 広げること 素材体験の場の設定 構 時 (2)「冒険の森」のストーリーを聞き、自分がつくり ○「秘密の城をつくろう」と 想 間 たい城のイメージをつかむ。 いう意欲を高め、イメージ 段 ○秘密のお城」のイメージをキーワードになる言葉 をつかむための「冒険の森」 階 に置き換えながら具体的にイメージすること のストーリー提示 (3) 「冒険の森」にある「秘密の城」の設計図をかく。 ○イメージやアイデアを明確 ○イメージスケッチで自分のつくりたい城の形や構 化するための図工ノートへ 成などイメージを明確化し、構想を練ること の書き込み 2 「冒険の森」の中にある、自分が表したい「秘密の ○表現方法と活動の見通しを 表 城」をイメージしながら表現の方法を工夫して大まか 立てるための参考モデル作 現 1 な作品をつくる。 品の提示 Ⅰ 時 ○粘土の固まりを掘って、削ってつくりながら表し ○自分の表したい感じと工夫 段 間 たい感じにあう表現方法を見つけ、創造的な技能 点を図工ノートへの書き込 階 を身につけていくこと み ○技法パネルや参考モデルを見ながら、自分の作品 ○へらや手先を使った技法を に生かしながらつくること 整理したパネル掲示 2 3 さらに表したい感じがよく表れるように全体の構成 ○自分や友だちの作品を振り 時 を見直し、へらなどの使い方を工夫して付加表現して 返り、工夫点や課題をつか 間 いく。 む交流の場の設定 表 ( (1)前時までにつくった作品を鑑賞し、表したい感じ 現 本 と表現方法について話し合う。 ○工夫の観点をより明確につ Ⅱ 時 ○友だちの作品から参考になる表現方法を見つけ工 かむための部分モデルと新 段 1 夫の観点をつかむこと しい発想を生み出すための 階 / (2)表したい感じがよく表れるように、練り上げなが 参考作品の提示 2) ら付加表現をしていく。 ○掘る、積み上げる、つなげるなどの技能を駆使し ○「よさ」と「課題」を観点 全体の構成を工夫すること に図工ノートへの書き込み 4 できあがった「秘密のお城」を交流し合い、「冒険 の森」の楽しさを味わう。 ○児童の作品で遊び、おもし 鑑 1 (1)友だちの「秘密のお城」で遊び、作品のよさやお ろさを味わうための場の設 賞 時 もしろさを話し合う。 定 段 間 ○友だちの作品の工夫点に気づくこと 階 (2)作品を再び鑑賞し、自分や友だちの作品カードに ○お互いのよさを伝えあうた よさを書き込む。 めの鑑賞カード ○活動や作品を振り返り、満足感を味わうこと
3 -5 本時の目標 ○「秘密のお城」をイメージしながら意欲的に表現する。 (造形への関心・意欲・態度) ○「秘密のお城」の表したい感じにあうしかけ(階段、トンネル、迷路など)を選択したり、組み 合わせたりして発想する。 (発想や構想の能力) ○表したい感じになるように粘土の表現技能(掻き出す、模様をつける、つまみ出すなど)を試し ながら高めることができる。 (創造的な技能) ○自分や友だちの「秘密のお城」のおもしろさを感じ取る。 (鑑賞の能力) 6 本時指導の考え方 本時指導にあたっては,つかむ段階で前時学習を振り返り、作品を見直すことで本時のめあて をつかませる。つぎにあたため活動として、表したい感じになるような表現方法を交流しあい、 工夫の観点に気づかせる。さらに、それを自分の作品にどう生かすか思考し、表現活動の見通し をもたせる活動を位置づける。具体的には、工夫点を整理するための造形モデル(城のしかけモ デル)やそれらを組み合わせた参考作品を提示し、思考のヒントにさせる。あらわす段階では、 見通しをもとに技法を試したり、副材料を付け加えたり、形をつくりかえたりしながら表現を練 り上げさせていく。あじわう段階では、「秘密のお城」を紹介し合いながら友だちの作品のよさ やおもしろさに気づかせ、次回への意欲につなげる。 7 展開 段階 主 な 学 習 活 動 指導上の留意点 1 前時の学習を振り返り、本時学習のめあてをつかむ。 ○図工ノートの振り返り ○自分の作品を見直し、活動の見通しをもつこと 「うまくいっているところ」と「困っていること・悩 つ ・高いかべがあるのでがんじょうにみえるよ。 んでいること」について見直させ、課題をつかませる。 か ・もっと迷路みたいに入り口を工夫したいな。 む め あ て 自分が表したい感じになるようにいろいろなしかけを工夫して「秘密のお城」 をつくろう。 2 友だちの作品をもとに工夫の観点を話し合い、表したい あ 感じがよく伝わる表現方法を試行しながらつくる。 ○部分モデルの提示 た (1) 友だちの作品のしかけや参考作品の組み合わせから効 工夫の観点をつかむ た 果的な表現方法について話し合う。 (階段、柵、トンネルなど) め ○工夫の観点をつかみ、しかけを新たに発想したり自分 ○参考作品の提示 活 の表現につけ加えたりすること 形の構成を組み合わせるこ 動 ・この通路は、粘土をけずって階段のようにしてみよう。 とによって新しい発想を取 ・高い壁には穴を開けて、小枝で目隠しをしよう。 り入れさせる。 (2)表したい感じにあわせて形の構成(しかけ)や表現技 法を試しながらつくる。 ○副材料の準備 ○形の構成、表現技法、用具、材料を表したい感じにあ 小枝や小石、麻ひもなど森 うように適切に取り入れ表現を練り上げること のイメージに合うものを自 あ ・窓のように穴を開けるにはへらを回してくりぬこう。 由に選択させる。 ら (予想される子どもの活動)→ → わ す 空 間 の 構 成 し か け : ト 装 飾 の 工 夫 穴を開けたり ン ネ ル や 階 : 小 枝 や 木 高さを変えた 段 な ど の ア の 葉 な ど の りしてつくる イデア 副材料で あ 3 本時学習を振り返り、作品のよさについて交流しあう じ ○自分の作品を見つめ直し、表したい感じと本時の工夫 ○振り返りの場の設定 わ 点を明らかにしながら満足感を味わうこと ろくろに掲示し、回転させながらいろいろな角度で う ・ 敵から守るために小枝などを使って柵を作ったら森とのカモフラージュができたよ。 見られるようにする。
4 -〈板書計画〉 「ほって、けずって、ひらめいて」 めあて 自分の表したいい感じになるようにいろいろなしかけを工夫して「秘密のお城」をつくろう ○どんなお城ができた かな? ○こんな工夫をしたよ ○組み合わせていくと ○今日の学習をふり 子どもの 子どもの けずって つないで 児童参考 児 童 参 考 返って 作品A 作品B 作品A 作品B ・工夫したところ 子どもの 子どもの 児童参考 児童参考 作品C 作品D くりぬいて 目かくしして 作品C 作品D ・次の時間がんばり たいこと ○もっと「秘密」な感 ○ためしながらつくって じにするには? みよう! 〈ストーリー「冒険の森」〉 〈参考作品〉 あたたかい日ざしがふりそそぎ、さわやか な風がふくこの美しい南の島の東がわには、「ぼ うけんの森」という動物たちの楽園が広がって いた。その森では、小さな動物たちが木の実を 集めたり、すみかをつくったり、いっしょに遊 んだりときょう力しあって、毎日なかよくくら していた。 そんなある日…。 「ぼうけんの森」をこわすヤツがあらわれた。 そいつの名は「レッドサタン」赤い悪魔という 名前の魔物だった。 動物たちはこの「レッドサタン」のこうげき ※気づかせたい視点 から身を守るために、「ぼうけんの森」に「ひ 動物たちが遊べる場やゆっくりくつろげる温泉な みつのお城」をたてることにした。ど空間を広くとって工夫した。壁に穴を開け、そこ 動物たちはどんなお城がいいかちえをしぼっ に木の枝を差し込み、取り外しができるようにして た。何日もみんなで話し合い、こんな意見を出 いる。枝などの自然材を効果的に活用している。色 し合った。 のちがう粘土を組み合わせて木の実をつけた。 ○相手がすぐに入りこめる城はあぶないよ レッドサタンとなかまが入れないようにし なくっちゃ! ○お城がすぐに見つかったら困るよ。森の中 にかくれるようにつくろうよ。 ○相手を早く見つけられるような高い場所が ひつようだね。 ○こっちもこうげきに備えていろいろなしか けをつくっておこう。 ○もし入ってきても、まよったり、おくまで 進めない工夫がいるね。 動物たちは、せっけい図を完成させ、さっそ ※気づかせたい視点 く「ひみつのお城」をつくり始めた。 敵が攻めにくいように全体を迷路のように構成し 動物たちが安心してくらせる「ひみつのお城」た。トンネル、でこぼこ道、階段などアイデアを練 をこの手でつくってみよう!もしもあなたが動 って構成している。また高い塔やそこからつるされ 物のリーダーだったらどんなお城をつくり出 たロープなど実際のストーリー場面をイメージして し、動物の仲間たちを守りますか? つくっている。