数学科(数学Ⅰ)学習指導案
指導者 ○○○ ○○○ 平成○○年○○月○○日 ○曜日 ○時限 実施学級 第○学年○組○○名(男○○名、女○○名) 場 所 ○○○○○○ 1 単元名 数学Ⅰ 4章 図形と計量 3節 三角形への応用(四角形の面積を求める) 2 単元設定の理由 ○ 単元観・題材観 図形と計量における目標は、三角比の意味やその基本的な性質について理解し、三角比 を用いた計量の考えの有用性を認識するとともに、それらを事象の考察に活用できるよう にすることである。そこで、三角形への応用を1つの単元として設定する。 本節の前半では、正弦定理、余弦定理、三角形の求積公式を学習させ、これらを線分の 長さや角の大きさを求めるために用いることができるようにする。後半では、正弦定理や 余弦定理などの活用場面として、四角形の面積を求める問題を取り扱う。四角形の面積を 求めるためには様々な三角比の性質を活用して多くの手順を踏むことから、この内容は基 礎的・基本的な知識・技能が身に付いている生徒にとっても難しいものである。しかし、 問題解決することを通して、既習内容を基に論理的に考えていく力を高めさせることがで きる。そして、解決過程を表現することを通して、数学的に表現する力を高めるとともに 表現することのよさを実感させることができる。 ○ 生徒観 本クラスで、三角比の値と既習の公式の適用に関する確認テストを行ったところ、得点 率の平均は 87.5%であった。このことから、基礎的・基本的な知識・技能は十分身に付い ているととらえることができる。しかし、授業アンケートの結果を見ると、多くの生徒が 解き方や答えだけに重点を置いており、解き方や答えが間違っていると、「自分は無駄なこ とに時間を費やした」など、それまでの問題解決の過程すべてを否定的にとらえる傾向が ある。また、問題が解ければよい、最終的な答えを求められればよい、という気持ちが強 く、自分の考えを表現することに意識が向いていない。表現することは、他者とコミュニ ケーションをとったり、学習を振り返ったりする際に有効であるが、その重要性について は理解していないのが現状である。実際に、証明問題や記述問題を苦手としている生徒が 多く、「計算はできるが解答が書けない」という課題がある。 ○ 指導観 指導に当たっては、最初に正弦定理、余弦定理、三角形の求積公式を確実に習得させた い。次に、生徒がこれらの定理・公式を活用して計量する問題を、論理的に解決し、解決 過程を数学的な表現を用いて記述できるようになることを目指す。そのために、小問作成 シート(ワークシートⅠ)と根拠シール(付箋)を用いる。小問作成シートを用いて、解 決過程が複雑な問題を細分化させ、明らかにしなければならない事柄を「○○を求めよ」 という小問の形にさせ、スモールステップで問題を解決させる。また、問題解決の着眼点、 立式の根拠、小問間の関係を根拠シールに記述として明確化させる。その後、自分の解答 を見直し、表現内容を改善していく活動を仕組む。 本節の後半に四角形の面積を求める学習を3時間設定する。1時間目では、一般的な四 角形の面積を求めることを通して、小問作成シートと根拠シールの用い方を理解させ、解 決過程の構築の仕方を学習させる。2時間目では、円に内接する四角形の面積を求めるこ とを通して、自力で解決過程を構築させ、小問間の関係や立式の根拠などを明確化させる。 そして、根拠シールを貼った小問作成シートを参考にして解答を作成させる。解決過程を 1枚のシートにまとめることで、どのようにして結論に至ったのかを容易に振り返ること ができ、「なぜ○○を求めなければならないのか」という根拠を自分なりに説明できるよう になると考える。3時間目は発展問題の解答を小問作成シートや根拠シールを用いずに作成させる。他者の解答の検討や自分の解答の書き直しを通して、自分が用いた表現をより よい表現に改善させる。 なお、解決過程が複雑な問題を解決する学習内容は、一部の習熟の低い生徒にとって困 難であると予想される。そこで、①公式プリントを配布する、②スライドを用いて考え方 の方向性を示す、③個別に考える時間で机間指導を徹底する、という支援を行う。 3 単元の目標 ○ 正弦定理・余弦定理・三角形の求積公式が図形の計量の考察に有用であることに気付き、 活用しようとする(関心・意欲・態度)。 ○ 正弦定理・余弦定理・三角形の求積公式を用いた計量を行うための数学的な見方や考え 方を身に付け、面積を求めるための必要条件を考察できる(数学的な見方や考え方)。 ○ 三角形の決定条件が与えられたとき、三角形の残りの要素を求め、求める過程を数学的 に書き表すことができる(表現・処理)。 ○ 正弦定理・余弦定理を三角形の決定条件と関連付けて理解し、基礎的な知識を身に付け ている(知識・理解)。 4 指導計画・・・・・・・・・単元の時間配当 ○ 正弦定理・・・・・・・・・・2時間 ○ 余弦定理・・・・・・・・・・2時間 ○ 三角形の面積・・・・・・・・2時間 ○ 空間図形と三角比・・・・・・1時間 ○ 四角形の面積・・・・・・・・3時間(本時2/3) 5 本時 (1) 本時の目標 円に内接している四角形の面積を求める問題の解決過程を構築できる。また、小問作成 の着眼点、小問間の関係、立式の根拠を自分なりに説明できる。 (2) 指導上の留意事項 本時の目標を達成するために、小問作成シートと根拠シールを用いる。本時で用いる円 に内接する四角形の面積を求める問題は、複数の辺の長さや角の大きさを順に求めて四角 形の面積を求めるという解決過程が複雑な問題である。さらに、余弦定理と2次方程式を 関連付けて考えて辺の長さを求めるような、生徒にとって難しい問題を内包している。し かし、自分で解決過程を構築させたいので、「何が分かれば解決できるか」、「条件を整理し て求められるものは何か」という発問で小問作成を促す。小問を自分で作成することで、 具体的な数値を求められなくても、問題を解決するための事柄を自分で見出し、その順序 を整理できるようにする。 余弦定理を用いて2次方程式を立てて、辺の長さを求めることは生徒にとって初めてで あるので、方程式を立式できない可能性が高い。そこで、問題解決に用いる2次方程式を 提示して、それを解釈させることで、なぜ2次方程式を立てて解決しなければならないの かを根拠シールに自分なりにまとめさせる。次に、教師の説明を参考にして、根拠シール の内容を改善させることで、余弦定理に2次方程式を活用する考え方をよりよい記述とし て明確化させる。記述として明確化したものは、新しい考え方を定着させたり、学習後に 振り返ったりするときに有効に働く。この場面だけに限らず、自分で重要だと感じたとき や、シートⅠを他者と比較するときに、数学的な表現を用いて自分の考えを具現化させ、 積極的に根拠シールを貼らせたい。 (3) 教材 ワークシートⅠ≪小問作成シート≫、ワークシートⅡ、付箋≪根拠シール≫(各自黄色 大 10 枚、黄色小 10 枚、赤 10 枚)、パソコン、プロジェクタ
(4) 学習指導過程 学習活動及び内容 導 入 1 前 時 ま で の 学 習 内 容 を 振 り 返 る。 ・三角形に帰着した求積方法。 ・ 根 拠 を 明 ら か に し た 小 問 作 成 及 び立式。 2 円 に 内 接 す る 四 角 形 の 性 質 を 確認する。 展 開 3 本時の学習内容を知る。 4 円 に 内 接 し た 四 角 形 の 面 積 を 求 め る た め の 解 決 過 程 を 構 築 す る。 (1) 条件を整理する。 (2) 小問を作成して、根拠シールを 貼る。 【生徒が作ると予想される小問】 ・△ABC の面積を求めよ。 ・△ACD の面積を求めよ。 ・AC の長さを求めよ。 ・∠ADC の大きさを求めよ。 (3) 小 問 を 解 決 し て 解 く 順 序 を 整 理する。 5 余 弦 定 理 を 用 い て 2 次 方 程 式 を 立 て て 、 辺 の 長 さ を 求 め る 方 法を理解する。 (1) 問題を把握する。 (2) 提示した式の意味を読み取る。 円 に 内 接 す る 四 角 形 に お い て 、 向 かい 合 う2 つ の内 角の 和 は180°である。 下図ではα+β=180° 四角形 ABCD が円に内接しており、 ∠ABC=60°のとき、四角形 ABCD 指導上の留意点 教 材 時間 配当 学習 形態 前 時 ま で の 学 習 内 容 を 振 り 返 ・ 根 拠 を 明 ら か に し た 小 問 作 成 及 円 に 内 接 す る 四 角 形 の 性 質 を ○ 前 時 で 用 い た シ ー ト を 振 り 返るように指示する。 ○ 前 時 で 作 成 し た 小 問 や 根 拠 シ ー ル の 内 容 を プ ロ ジ ェ ク タで提示する。 ○ な ぜ 円 に 内 接 す る 四 角 形 の 向かい合う内角の和は180° になるのかを考えさせ、生徒 に発表させる。 ○ 円 周 角 と 中 心 角 の 関 係 に 気 付かない場合は、左図の点線 部分を図に書き込む。 ○ 生 徒 の 発 表 を 証 明 と し て ま とめる。数学A でも学習する ので、ここでは簡単に証明す る。 パ ソ コ ン ・ プ ロ ジ ェ ク タ 5分 一斉 円 に 内 接 し た 四 角 形 の 面 積 を 求 め る た め の 解 決 過 程 を 構 築 す 小問を作成して、根拠シ ールを 【生徒が作ると予想される小問】 小 問 を 解 決 し て 解 く 順 序 を 整 余 弦 定 理 を 用 い て 2 次 方 程 式 を 立 て て 、 辺 の 長 さ を 求 め る 方 提示した式の意味を読 み取る。 ○シートⅠを配付する。 ○前時に用いた根拠シールを 再利用していいことを告げ、 問題の構造が似ていること に気付かせる。 ○図を書かせて条件を整理さ せる。 ○三角形の求積公式を提示す ることで、△ACD の面積を 求めるためにはAD の長さ、 またはsin∠ACD の値が必要 なことに気付かせる。 ○生徒からsin∠ACD の値が必 要だと意見がでたときは、三 角形の求積公式と照らし合 わせて考えたことを評価し、 sin∠ACD の値は数学Ⅰの範 囲では求めることができな いことを説明して、全員に AD の長さを求めるように促 す。 ○小問を矢印でつながせ、解答 に書く順序を整理させる。 ○早く解けた生徒には追加問 題を与える。 ○△ACD を図から抜き出して 提示し、「AD の長さを求め よ」という小問を提示して解 かせる。 ○ 多 く の 生 徒 が 求 め ら れ な い 15 分 10 分 一斉 個人 一斉 円 に 内 接 す る 四 角 形 に お い て 、 向 かい 合 う2 つ の内 角の 和 が円に内接 しており、AB=8、BC=5、CD=3、 ABCD の面積を求めよ。 ワ ー ク シ ー ト Ⅰ ・ 付 箋 学習 形態 評 価 規 準 一斉 一斉 個人 一斉 AD の 長 さ を 求 め る こ と に 気 付 き 解 決 過 程 を 構 築 で き た か ( 数 学 的 な 見 方・考え方)。
【 こ の 時 点 で 作 成 す る と 予 想 さ れ る根拠シールの例】 (3) 余 弦 定 理 に 2 次 方 程 式 の 考 え 方 を 活 用 す る こ と を 自 分 な り の 表 現 方 法 で 根 拠 シ ー ル に ま とめる。 【改善後の根拠シールの例】 6 友 達 と 比 較 し て 、 根 拠 シ ー ル を増やす。 7 シ ー ト Ⅰ を 参 考 に 、 シ ー ト Ⅱ に解答を作成する。 と予想される。そこで、次の 式 を 提 示 し 、「 こ の 式 は 一 体 何を表しているのか」と発問 し、考えを根拠シールにまと めさせる。 7𝑥= 𝑥𝑥+ 3𝑥− 2 ∙ 𝑥∙ 3 ∙ 𝑐𝑜𝑠120° ○ 実 際 に 今 ま で の 解 き 方 で 解 いてみせて、AD の長さを求 められないことを確認し、2 次 方 程 式 を 立 て て 解 決 す る 方法を説明する。 ○ 先 ほ ど ま と め た 根 拠 シ ー ル の内容を付加・修正させ、よ りよい内容に改善させる。 ○ シ ー ト Ⅰ を 友 達 と 見 比 べ さ せ、友達の根拠シールを参考 にして、新たな根拠シールを 作成させ、自分の解答を振り 返らせる。 ○ シ ー ト Ⅰ か ら シ ー ト Ⅱ へ 根 拠 シ ー ル を 移 動 さ せ な が ら 、 「何を書いて、何を書かない べきか」を考えさせる。 5分 13 分 グル ープ 個人 根 拠 シ ー ル に 自 分 な り の 表 現 方 法 で 記 述 し 、 友 達 と 見 比 べ る こ と で 根 拠 シ ー ル を 増 や す こ と が で き た か ( 表 現・処理)。 ま と め 8 本時の学習を振り返る。 ・ 細 分 化 し て 考 え 、 根 拠 を 明 確 化 することのよさ。 ・シートⅠとシートⅡの関係。 ○次回は直接解答を作成して、 そ れ を 改 善 し て よ り よ い 解 答を作成することを告げる。 ○ 追 加 問 題 は 宿 題 に す る こ と を告げる。 2分 一斉 余弦 定 理を 使 う。 2次 方 程式 を 立て る 。 ワ ー ク シ ー ト Ⅱ
小問作成シートⅠ
月 日( )
○年( )組( )番 氏名( )
四角形
ABCD が円に内接しており、AB=8、BC=5、CD=3、∠ABC=60°のとき、四角形 ABCD の面積を求めよ。
問題
○
図
小問
小問
四角形ABCDの面積を求めよ。
小問
小問
小問
小問
ワークシートⅠ
解答作成シートⅡ
月 日( ) ○年( )組( )番 氏名( )
【根拠シール】 【解答】