22
国際通貨制度改革 と通貨発行特権
有 馬 敏 則
1 は じ め に 1971年8月 の ア メ リカに よ る ドル の 金 交 換 性 停 止 に よ り,戦 後 の ブ レ トン ・ ウ ッズ体 制,す な わ ち 金 為 替 本 位 制 は 崩 壊 した。 そ の 後 為 替 レー トの 調 整 は 「ス ミソ ニ ア ン合 意 」 に よ って 行 わ れ た が永 続 せず,国 際 通貨 制 度 そ の もの の 再 建 も依 然 と して 議 論 され て い る と こ ろで あ る。 国 際 通 貨 制 度 再 建 の 作 業 は,IMF理 事会 に よ る問 題整 理 か ら始 ま り,1972 年7月 に そ の 作 業 を 行 う場 と してIMF総 務 会 に 「20力国委 員 会 」 が 設 置 され た 。 この 場 で の 討 議 は2年 近 くに わ た った が,1973年2月,3月 にか け て の主 要 国 通 貨 の 変 動 相 場 制 移 行,同 年 末 か らの オ イ ル ・シ ョッ ク等 々 に よ り,世 界 経 済 情 勢 は 大 きな 混 乱 に 陥 り,迅 速 な 国際 通 貨 制度 再 建 は 困難 とな った 。 この20力 国委 員会 で の全 体 的 な 合意 は 「新 制 度 」 と して,安 定 的で 調 整 可 能 な平 価 制 度 を 目指 して い た が,上 述 した 状 況 の下 で 「新 制 度 」 を 実 施 す る まで に は,相 当 長期 間 が 必要 で あ る と考 え られ,「 当面 の措 置 」 を実 施 す るた め の IMF協 定 改正 を主 と して提 言 す る こ と とな った 。 この 「当 面 の措 置 」 の ため の協 定 改 正 案 の検 討 は1974年10月,暫 定 委 員 会 に 引 き継 が れ,1976年1月 の 「キ ン グ ス トン会 議 」 で 協 定 改 正 案 の 実 体 に つ い て 合 意 に達 し,各 国 は こ の協 定 改 正 案 を 批 准 しつ つ あ る と ころ で あ る。 と ころ で 世界 経 済 の混 乱 下 で将 来 構 築 され るべ き国 際 通 貨 制 度 に つ い て 合 意 の得 られ て い な い部 分 が 多い 。 した が って,本 稿 で は,将 来 の あ るべ き通 貨 制 度 を従 来 あ ま り試 み られ なか った 「国 際 的 な通 貨 発 行 特 権」 の 観 点 か ら考 察 し国際通貨制度改革 と通 貨発行特権 23 て い きた い。 この 場 合 (1)国 際 的 通貨 発 行 特権 はだ れ が 所 有 し て い る のか 。 (2)国 際通 貨 の発 行 量 とそ の配 分 はだ れ が 行 うのか 。 (3)国 際通 貨 発 行 に よ る利 益 の分 配 は,ど の よ うに 行 わ れ るの か。 2) と い う諸 問 題 が 生 じて くる。 以 下 の考 察 で は これ らの諸 点 を 念頭 に置 きつ つ 議 論 して い くこ とに した い。 ∬ 国際収支調整に関する観点 国 際 通 貨制 度 改 革 に つ い て は,枚 挙 に い と まが な いほ ど多 くの提 案 が お こな われ て い る。 そ こで調 整,流 動 性,信 認 の内 で も っ と も根 本 的 重 要 性 を もつ 国 際 収 支 調 整 の側 面 か ら代 表 的 な も のを 選 ん で み る と次 の提 案 が 挙 げ られ る。 (1)金 本 位 制 度 (2)固 定 相 場 制 度 ㈲ 肇 動相 場 制 度 (4)最 適通 貨 地 域 論 まず(1)の金 本位 制度 につ い て は,リ ュエ フ(J.Rueff)や ハ イ ル ペ リン(M. 3) A.Heilperin)が 代 表 的 で あ ろ う。 主 張 の 骨 子 と し て は ドル,ポ ン ド残 高 の 金
Monetary Problems of the International Economy, Univ. of Chicago,1969. R. A. Mundell, Monetary Theory, Goodyear Publishing Co.,1971.
拙 稿,「 国 際 的 な"Seigniorage"の 問 題 」 『六 甲 台 論 集 』 第19巻1号 1972年4月 。 一 「通 貨 発 行 特 権 と 世 界 中 央 銀 行 」 『彦 根 論 叢 』 第164・165号 人 文 科 学 特 集 第30 号 合 併 号,1973年11月 。 一 「通 貨 発 行 特 権 と 国 際 通 貨 制 度 」 『彦 根 論 叢 』 策169・170号 人 文 科 学 特 集 第31 号 合 併 号,1974年11月 。 一 「国 際 的 通 貨 発 行 特 権 の 一 考 察 」 『金 融 ジ ャ ー ナ ル 』1975年3月 号 。 一 「国 際 的 通 貨 発 行 特 権 と 多 国 籍 企 業 」 『同 志 社 商 学 』 第27巻5号,1976年3月 を 参 照 。 2) 則 武 保 夫 「国 際 通 貨 体 制 の 現 状 」 『国 際 通 貨 体 制 の 長 期 展 望 』 世 界 経 済 研 究 協 会 編, 至 誠 堂,66-73ペ ー ジ,1972年11月 。
24 に よ る償 還 のた め に 金 価 格 を 引 き上 げ,各 国 は 自国 の 価格 標 準 を決 定 し,無 制 限 の 金 見 換 を 保 証 す る。 した が って 金 平 価 も固定 され る。 また 国 内通 貨 発 行 を 金 準 備 に リン ク させ る。 よ って 新 産 金 が 不足 す れ ば物 価 や コス トが下 落 し,金 生 産 の利 益 が 増 し て新 産 金 の 増 加 を 招 来 し,国 際 流 動 性需 要 を 満 た す こ とが で き る とす る。 た しか に 通 貨 に 対 す る信 認 は 強 い が,国 際 収 支 の 調 整 面 か らは 賃 金 ・物 価 の下 方 硬 直 性 や,黒 字 国が 金 を 不 胎 化 した 場 合 の 調 整 機 能 の低 下,新 産 金 供給 の不 安 定 性,金 の偏 在,国 内均 衡 優 先 の考 え方 が 定 着 しつ つ あ る こ と を 思 う と き,金 本 位 制 度へ の復 帰 は 困難 であ ろ う。 と ころ で 古典 的 金 本 位 制下 に お い て は,金 平 価 と 自由金 市 場 の存 在 に よ り, 金 貨 の額 面 と コス トの 間 に 差 が生 じな い の で通 貨 発 行 特 権 の問 題 は生 じな い。 しか し金 本 位 制 下 に あ って も通 貨発 行特 権 に よ る利 益 が発 生 す る とい う議 論 が あ る。 つ ま り何 らか の原 因 で 金 の 限 界 生 産 費 が 上 昇 し,金 価 格 の 引 き上 げが 行 わ れ た とす る。 金 の生 産 者 は 保 有 して い た 金 の 評 価 益 と年 々生 産す る金 に対 し て"pure rent"を 得 る。 これ は 金 が 貨 幣 であ り,そ れ を生 産 す る人 に 帰 属 す る 利 益 で あ る か ら通 貨 発 行特 権 に よ る利 益 が あ る と い うもの で あ る。 しか し これ は金 の生 産 の た め の コス トで あ り,金 価 格 の 引 き上 げ に よ る物 価 の名 目的 騰 貴 が 引 き上 げ 分 に 一 致 す れ ば 消 失 して し ま う性 質 の も の で あ る。 (2)の固 定 相 場 制 度 に は 変 動 幅 を認 め な い厳 密 な 固定 相場 制 と,あ る一 定 の変 動 幅 は 認 め,基 礎 的 不 均 衡 が生 じた と きに は変 更 を認 め る 「調 整 可 能 な釘 付 け の 相 場 制 」 が 考 え られ る。 前 者 の 場 合 は 為 替相 場 変 動 に よ る リス クは な く信 認 は 強 いが,調 整 面 か らは,金 本 位 制 度 以 上 の 犠 牲 を 強 い られ る。 金 本 位制 下 に お い て さ え金 平 価 と金 現 送 点 間 に お け る変 動 幅 は 発 生 す るの に 対 し,前 者 の場 合 は全 く変 動 の余 地 が な いか らで あ る。 した が って この 相 場 制 を 採 用 す る こ とが
World Mo刀etary Reform, Stanford Univ.,1963. PP.320-328.
W.A. Heilperin, The Case for Going Back to Gold, in H. G. Grubel, ed., idid., PP.329-342.
4) H.G. Johnson, Equilibrium under Fixed Exchange, Amcr'can Economic Rev∫ θτσ, May,1963. .
国際通貨制度改革:と通 貨発行特権 25 で き る のは,全 世 界 が 単 一 の 通 貨 地 域 に統 合 され る場 合 で あ ろ う。 こ の場 合, 通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 は,国 内 の 場 合 と同 様 に,通 貨 発 行 に伴 う諸 経 費 を 除 け ば 大 部 分 が 発 行 者 の 手 に は い る こ とに な る。 さて 後 者 の 「調 整 可 能 な釘 付相 場 制」 は戦 後 の ブ レ トン ・ウ ッズ体 制 で 示 さ れ る場 合 を 考 え る と容 易 に理 解 で きる。 調 整 面 に お いて は 金 本 位 制 と同 様 に, 対 内 均 衡 よ りも対 外 均 衡 に ウ ェイ トが 置 か れ て きた 。 しか し金 本 位 制下 で は み られ な か った 種 々 の金 融 協 力 が こ の制 度 の下 で 行 わ れ,調 整 面 に お い て有 利 な 状 況 を創 り出 した 。 しか し基 軸 通 貨 国 が 金融 節度 を 守 って い る間 は順 調 に運 営 され て いた も の の,通 貨 発 行 国 の 特 権 を基 軸 通貨 圏 が 自由 に使 い 自国 内 の経 済 運 営 を優 先 させ,金 融 節度 を顧 慮 しな い大 幅 な 国際 収 支 赤 字 を続 け る よ うに な る と,国 際 通 貨 危 機 を まね き,つ い に ブ レ トン ・ウ ッズ体 制 を 崩 壊 させ る こ と に な った。 基 軸 通 貨 国 アメ リカ は,崩 壊 の原 因 は 調 整 過 程 の非 対 称 性 に あ る と 主 張 して い る。 す な わ ち ドル を使 用 して ア メ リカ以 外 の 諸 国 は 為替 市場 に大 幅 な 介 入 が で き るが,ア メ リカ に と って は ドル 以 外 に 国 際 通 貨 が 存 在 しな い た め,大 規 模 な公 的 介 入 が 難 し く基 礎 的 不 均衡 の是 正 は,他 国 の ドル に対 す る平 価 変 更 実 施 の と き のみ 可 能 で常 に受 動 的 で あ る とい う もの で あ る。 た しか に 民 間 取 引 の決 済 が ドル を 通 じて 行 わ れ る限 り,ド ル は唯 一 の国 際 通 貨 と して 存 在 し,ま た 唯 一 の 介 入通 貨 で あ り,各 国 の為 替 市 場 へ の公 的 介 入 が 「対 称 的 」 に な る こ とは不 可能 で あ る。 これ は ア メ リカが 通 貨 発 行 特 権 を 持 って い る こ とに 付随 す る非 対 称 性 とい え るだ ろ う。 した が って 調 整 に つ い て の対 称性 を確 保 す るた め に は,ド ル 以 外 の通 貨 が 必 要 とな って くる。 と ころ で ブ レ トン ・ウ ッズ 体 制 下 に お い て ドル が,い っか ら通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 を 得 る よ うに な った か を 明示 し て お くこ とが 必 要 で あ ろ う。 ドル 債 務 に 対 しで100%金 準 備 を 保有 して い る場 合 は,そ れ だ け の金 が 担 保 と して 他 の 用 途 に 使用 され る こ とな く保 有 され て い る ので 通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 は隼 じ な い。 し たが っ て ドルが 金 準 備 を 超 過 して 海 外 に 流 出 しは じめ た1960年 よ り, ア メ リカ は通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 を 得 る よ うに な った とい え るだ ろ う。 つ ぎに ③ の 変 動 相 場 制 論 者 の主 張 につ い て考 え て み よ う。 固定 相 場 制 の も と
26 で は 国 際 収 支 が不 均衡 に な った場 合,そ の国 は財 政 ・金 融 政 策 や 対 外 取 引 規 制 に よ って 均 衡 の 回 復 を は か りつ つ,雇 用 ・物 価水 準 の変 動 を通 じて不 均 衡 是 正 を 目指 す こ とに な る。 そ して そ の 調 整 期 間 中 は バ ッフ ァー と して の対 外 準 備 に 頼 らざ るを えな い 。 しか し賃 金,物 価 の下 方 硬 直 性 の た め赤 字 国 で の デ フ レは 失 業 を生 じさせ,黒 字 国 で のイ ン フ レは 次 の 段 階 で 容 易 に 収 拾 しえ な くな る可 能 性 が大 き い,ま た 調 整 期 間 が 長 期 に な りや す く,平 価 変 更 が 遅 れ が ちに な り, 固定 相場 を通 じて 当事 国 の影 響 が他 国に 伝 わ り,他 国 が 対 内均 衡 を 追 求 す る う え で 大 きな 障 害 とな る。 また投 機 的 な動 きが 一 方 的 とな り,通 貨 不 安 を 拡 大 さ せ る と変 動 相場 制 論者 は批 判 す る。 さ らに 変 動 相 場 制 の も とで は,為 替 相 場 の変 動 を通 じて 国際 収 支 不 均 衡 を 是 正 す るの で,固 定 相 場 制 の難 点 を解 決す る こ とが で き,各 国 が 国際 収支 に影 響 され る こ とな く金 融 財 政 政 策 を 対 内 均 衡 の た め に 用 い る こ とが で き る よ うに な る と変 動 相 場 制 論 者 は 主 張 す る。 し か し為 替 相 場 の絶 え ま ない 変 動 は為 替 リス クを 増 大 させ,貿 易 や 資 本 取 引 を阻 害 す る。 また 変 動 相 場 制 下 に お い て は,国 内物 価 が 騰 貴 し て も為 替 相 場 の 下 落 に よ り調 整 され る だ け で,物 価上 昇抑 制 の た め の 金 融 政策 の 節 度 は 失 わ れ,イ ン フ レを助 長 させ る こ とに な る。 投 機 につ い て も,信 認 を失 えば 為 替 相 場下 落 を 強 め る方 向 に 作用 し,固 定 相 場 制 下 よ りも必 ず し も安 定 的 であ る とは い え な い 。 また 為 替 相 場 が 下落 して も,輸 入需 要 の価 格弾 力性 に疑 問が 生 じて い る現 在 必 ず し も国 際 収 支 改善 を もた らす とは い え な い状 況 で あ る。1973年 以 降,変 動 相 場 制 に 移 行 し た 大 部 分 の諸 国 の 為 替 相 場 が し ば し ば 「過 大 な是 正 (over correction)」 に 当面 す る の も経 済 の 大 きな 攪 乱 要 因 で あ る。 噛 とこ ろで 自由に 変 動 す る為 替 相 場 制 の も とで は,相 場 の た え まな い変 動 に よ り国際 収 支 はつ ね に 均 衡 す る ので,公 的 機 関(各 国 の 通 貨 当 局)は 介 入通 貨 や 準 備 通 貨(天 災 そ の他 の場 合 に 備 え る予 備 的 動 機 の 準 備 通 貨 を 除 い て)を 必 要 と しな い で あ ろ う。 した が っ て公 的 機 関 に 対 して は,自 由変 動 相 場 制 下 に お い て 通貨 発 行 特権 に よ る利 益 は生 じな い とい え るだ ろ う。 しか し民 間 取 引 に と も な う決 済 通 貨 は,民 間 が 独 自の判 断 で 保 有 す る。 ドルを 保:有す る民 間 の 経 済 主
国際通貨制度改革 と通貨発行特権 27 体 が 多 い 場 合,こ れ は 財 ・サ ー ビス や 証 券 の 輸 出 に よっ て確 保 され,ア メ リカ は 民 間 に 対 して変 動 相 場制 の下 に お い て も,い ぜ ん として 通 貨 発 行 特 権 に よ る 利 益 を手 に入 れ る こ とがで き る ので あ る。 ま た政 府 が 介 入 す る屈 伸 変 動 相 場 制 に お い て は,い ぜ ん と して 介 入 通貨 が 必 要 で あ り,公 的 機 関 に 対 して も,民 間 部 門 に対 して も,通 貨 発 行特 権 に よる利 益 を得 る ことが で き る。 ワイ ダ ー ・バ ン ドや ス ライ デ ソ グ ・パ リテ ィ,ム ー バ ブ ル ・バ ン ド等 々 の場 合 も同 様 の こ とが い え るだ ろ う。 5) つ ぎ に(4)の 最 適 通 貨 地 域 給 はM.フ リ ー ドマ ン(M.Friedman)やJ.ミ ー の ド(J.Meade)等 に 始 ま る伝 統 的 な 変 動相 場 制 の議 論 に対 して,そ の盲 点 を鋭 7) く衝 くもの と して,R.マ ンデ ル(R. Mundell)に よ り問題 提 起 され た。 す な わ ち 国 際価 格 体 系 が 固定 相 場 制 と賃 金 物 価 の下 方 硬 直 性 の た め に,そ の 自然 な 役 割 を機 能 す る こ とが 妨 げ られ,各 国 に お い て 対 内 均 衡 と対 外 均 衡 の 矛盾 が生 じる とき に は,対 外 均 衡 の調 整 手 段 と して 変 動 相 場 制 を採 用 す るのが もっ と も 望 ま しい と い う変 動 相 場 制 論 者 に 対 して,ど の よ うな小 国 で もす べ てそ れ ぞれ が,ひ とつ の通 貨 地 域 を 形 成 し,他 国 通貨 との 間 に変 動 相 場 制 を採 用 す る よ り も,そ れ らの 国 を通 貨統 合 して 「通 貨 地 域 」 を形 成 し,域 外 通 貨 に対 して 変 動 相 場 制 を適 用 した 方 が 望 ま しい とい うもの で あ る。 最 適 通 貨 地 域 に 分 け る規 準 は,労 働 や 資 本 の 移 動 性,国 民経 済 の 開放 性 の程 度,輸 入 の 多 様 化 等 々,諸 学 者 に よ り数 多 く提 案 され て い るが,な お初 歩 的 か つ 断 片 的 に過 ぎず,そ の接 近 法 も様 々で まだ 体 係 的 理 論 を 構 成 す るに は 至 って う い な い 。 と こ ろ で キ ン グ ス トン 合 意 で も み ら れ る よ う に,当 面 は 変 動 相 場 制(フ ロ ー
5)M.Friedman, The Case for Flexible Exchange Rates, in his Essays in Positive Economics, Univ. of Chicago Press.1953, pp.157-203.
6) J.E. Meade, The Case for Variable Exchange Fates, Three Bank∫R⑳ ガθω, NO.27, Sep.1955, PP,3-27.
7) R。A. Mundell, A Theory of Optimum Currency Areas, American Economic Review, vol 51. no.4Sept.1961, PP.657一 一一664.
28 ト)が 是認 され て い るの は,国 際 通 貨 体 制 が 今 後 も不 安 定 性 と大 規 模 な 為 替 投 機 に 直 面 す る可 能 性 が 予 想 され て い るか らで あ ろ う。 しか し変 動 相 場 制 が 国 際 通 貨 制 度 の 中 に定 着 した とは い え な い だ ろ う。 固定 相 場 制 は 金 為 替 本 制 の 機 構 中 に 組 み 込 まれ て い た が,変 動相 場 制 は金 為 替 本 位 制 崩 壊 の あ とに実 現 した 為 ラ 替 制 度 にす ぎな い とい え るか らで あ る。 そ れ は い わ ば 国際 通 貨 制 度 の混 乱 期 の 産 物 で あ る。 そ して 流 動 的 な 国 際 情 勢 か らは,リ ー ジ ョナ リズ ムが 台頭 しつ つ あ り,世 界 は 数 個 の通 貨 地 域 に ブ ロ ック化 さ れ る可 能 性 も大 き く,「最 適 通 貨 地 域 」 の理 論 も,ま す ます 現 実 性 を 帯 び て くる よ うに な り,そ の整 備 が 急 が れ る。 また 通 貨 発行 特 権 に よ る利 益 は 「通 貨 地 域 」 内に おい て,い ぜ ん と して存 在 して い る こ とは い うまで もな い で あ ろ う。 皿 信認 と流動性に関する側面 (1)金 為 替 本 位 制 つ ぎ に国 際 流 動 性 の量 と信 認 の 関 係 を金 為替 本位 制 の モ デ ル を使 っ て考 え て ユの み よ う。 まず 世 界 は 多 くの国 か ら構 成 され て お り,そ の うち の一 国が 通 貨 発 行 国 で世 界 は 固定 相 場 制 で あ る。 そ して 各 国 は 次 の よ うな ル ー ル に従 って金 本 位 制 か ら金 為 替 本 位 制 へ 移 行 した とす る。 ① 他 の 諸 国が 持 っ て いた 金 を 通 貨 発 行 国 に 集 中 す る。 ② 通 貨 発 行 国 は金 と 引換 えに 通 貨 債 務(currency obligation,金 為 替 と 同 じ,以 下COと 略)を 他 の諸 国 に発 行 す る。 また 準 備 は 金 だ け を 保 有 し,通 貨 発 行 国 の 債 務 は要 求 さ れ れ ば,金 と克 換 され る。 そ し て債 務 に は 低 い 利 子 が 支 払 わ れ る6 ③ 他 の諸 国 は 金 と同 様r.COを 支 払手 段 と して 受 容 す る。 ④ 通 貨 発 行 国 は 最 低 金 準 備 率 の下 で金 準 備 を上 回 るCOを 発 行す る。 ⑤ 工 業 用 以 外 の新 産 金 は,す べ て 一定 の 固 定価 格 で,通 貨発 行 国 に集 中 さ 9) 小 野 ・西 村 編 『国 際 金 融 論 入 門 』 有 斐 閣,1975年,189一 一190ペ ー ジ 。
10) H.G. Grubel, The International Monetar:Y System, Penguin Books,1969, PP.128- 131.
国際通貨制度改革 と通貨発行特権 29 れ る。 以上 の仮 定 の 下 で 図1は 次 の よ うに 説 明 され る。 初 期 の 金 ス トックOGo/ OPoは 最 低 金 準 備 率 に な る。 た とえ ば100億 ドル の金 ス トッ クが あ り,最 低 金 準 備 率 が25%な らば,400億 ドル ま でCOを 発 行 す る こ とが 可 能 で,総 額500億 ドル の国 際 流 動 性 供 給 が 可 能 とな る。 した が って金 ス トック に比 例 してCOも 増 加 す る。 図 の縦 軸 は対 数 目盛 な のでBE線 とAF線 は平 行 に な る。t:期 か ら 何 らか の理 由で 新 産 金 の 増 加 率 が 低下 した とす れ ば,潜 在 的CO供 給 能 力 線 も 勾 配 が ゆ るや か に な って くる。 金 と通 貨 債務 (対 数 目盛) (図 1) 1 !71 F '
、/riHi
恥…
ユ/イ
i
G・
1・
{ii
O to P / P2 ノ ∠ r潜 在 的通 貨 債 務 I P 1 3 0潜 在 的通 貨債 務 … 2 1 金 … … I i o tl t2 t3 t4 t DD線 を 国 際 流 動 性 に 対 す る世 界 需要 線 と し,通 貨 発 行 国 のCO発 行 に よ り 満 た され て い くもの とす る。 最 低 金 準 備 率が 一定 の下 では 点Hよ りも右 側 で 潜 在 的CO供 給 能 力 を 上 回 り, COへ の信 認 が 揺 らぎだ す 。 そ こで 全 世 界 で協 議 して 最 低 金 準 備 率 を 引 き下 げ,潜 在 的CO供 給 能 力 をFP2線 まで 引 き上 げ た と す る。 しか し世 界 の 国 際 流動 性需 要 を満 たす た め にCOを 供 給 し続 け る と,点 1で 潜 在 的CO供 給 能 力線 を上 回 り,信 認 の一 層 の低 下 を 招 来 す る。 潜 在 的C O供 給 能 力 以 上 のCOが 発 行 され 続 けれ ば, COか ら金 へ の見 換 が殺 到 し,金為替 本 位 制 は崩 壊 す る であ ろ う。
30 ば,金 為替 本位 制 は崩 壊 す る こ とに な る。 した が って 金 為 替 本 位 制 下 の 通貨 発 行 特 権 に よ る利 益 は,潜 在 的CO供 給 能 力 の 範 囲 内 にCO発 行 を 抑 え つ つ,信 認 の確 保 に努 力 す る場 合 に 得 られ る とい え るだ ろ う。 戦 後 の ブ レ トン ・ウ ッズ体 制 に お い て は,ア メ リカ の 国 際収 支 赤 字 に よ り国 際 通 貨 が供 給 され て きた 。 しか しそ の 赤 字 が 許 容 され る範 囲 を超 過 す れ ぽ,国 際 通 貨 の信 認 が 低 下 す る。 そ こで 許 容 され る範 囲 内 で の通 貨発 行 をす れ ば,国 際 流 通 性 に対 す る需 要 を 満 足 させ る こ とが で きな い。 これ は通 常 「流 動 性 ジ レ ン マ(liquidity dilemma)」 とい われ て い る。 しか し 絶 え まな い ア メ リカの 国 際 収 支 赤 字 の下 で は,ド ル 不 安 が 頻 発 し,1958年 以 降 国際 流動 性 不 足 が 実 際 に 顕 在 化 した ことは あ ま りな か った とい え る。 (2)ド ル 本 位 制 の キ ン ドル バ ー ガ ー(C.P. Kindleberger)に よれ ば,強 力 な 経 済 力 に 裏 付 け され た ドル は,金 の 裏 付 け が な くて も十 分 に 国際 間 に流 通 す る こ とが で き る。 ふ た つ 以 上 の 国 際 通 貨 が あ れ ば,そ れ らの 固定 した 価 格 で の転 換 に 疑 問 が 生 じ た場 合 に 信 認 が 問題 とな る。 したが っ て ドル を唯 一 の国 際 通 貨 とす れ ぽ 問題 は な くな る とい う もの で あ る。 しか し国 内通 貨 に 国 際 通 貨 の 機 能 を 持 たせ る こ と は,国 内優 先 の政 策 を ア メ リカが と る限 り,各 国 が そ の 好 ま し くな い影 響 を受 け る こ とに な る。 国際 流 動 性 は 十 分 供 給 で き るで あ ろ うが,不 換 紙 幣 を各 国 が 受 容 す る か とい う信 認 の問 題 が い ぜ ん と して存 在 す る。 戦 後 の ブ レ トン ・ウ ッズ体 制 にあ って は,金 を 除 い て 事 実 上 ドル が唯 一 の 国 際 通 貨 で あ った 。 ポ ン ドも国 際 通 貨 の 役 割 を 担 って い た が,あ くまで も ドル に リン ク し,ド ルに 従 属 した 立 場 に おい て で あ った。 しか し世 界 経 済 に お け る ア メ リカ の優 位 が,絶 対 的 な もの か ら相 対 的 な もの へ と低 下 す る に した が っ て, 唯 一 の 国際 通 貨 と して の責 任 と負 担 は 耐 え難 い もの とな り,1971年8月,国 際 通 貨 と し ての 制 度 的 責 任 で あ った ドル の金 交 換 性 を一 方 的 に放 棄 した こ とは 既 述 の とお りで あ る。 そ して,ド ル本 位 制 と して 出 現 した ス ミソニ ア ン体 制 が1
10) C.P. Kindleberger, The Dollar System,ハlezv England Economic R⑳iew, Sep, 1970.
国際通貨制度改革:と通貨発行特権 31 年 余 で崩 壊 した こ とか ら も,こ の体 制 が いか に 不 安 定 な もの で あ るか の 例証 と な るで あ ろ う。 そ れ は ドル の持 つ 通 貨 発 行 特 権 に 基 づ く非 対 称 性 に よ り,国 際 収 支 調整 の負 担 が,ア メ リカ以 外 の 諸 国 に しわ寄 せ され る か らで あ る。 1973年,世 界 の主 要 通 貨 は 全 面 的 に変 動 相 場 制 に移 行 したが,世 界 経 済 を 円 滑 に 運 営 す るた め に は,そ れ を 媒 介 す る 国 際通 貨 が いぜ ん と して必 要 で あ る。 金 交 換 とい う国 際 通 貨 の 制 度 的 責任 を放 棄 した後 で も ドル が 国 際 通 貨 と して 使 わ れ て い る こ とは,ド ル に全 面 的 に代 替 で き る通 貨 が ない とい う消 極 的 理 由 か らで あ る。 しか し消極 的理 由 に して も,ド ルが 国 際 通 貨 発 行 に よ る利 益 を 引 き続 き享受 し,し か も基 軸 通 貨 国 と して の負 担 は,変 動 相 場 制 に よ って 免 が れ て い る こ と は 事実 で あ る。.この意 味 か らす れ ば,ア メ リカは 変 動 相 場 制 に よ って大 きな利 益 を挙 げ る こ とが で き,非 常 に 都 合 の よい 状 態 で あ り,一 連 の通 貨会 議 に お い て変 動 相 場 制 の継 続 化 を主 張 して い る背 景 も理 解 で き るで あ ろ う。 と ころ で変 動 相 場 制 が 完 全 で 自 由な もの で あ れ ば 国 際 流動 性 の増 減 は生 じな い。 国際 収 支 の不 均 衡 は す べ て 為 替 相 場 の 変 動 に よ り吸 収 され る か らで あ る。 しか し現 行 の変 動 相 場 制 下 で は 爆 発 的 な 流 動 性 の 増 加が 生 じて い る こ とに 注 目 しな け れ ぽ な らな い 。 固 定 相 場 制 が採 用 され て い た1970年 末,世 界 の準 備 総 額 は,932億SDR(外 貨 準 備454億SDR)で あ った もの が,1976年 末 で は2,222億 SDR(外 貨準 備1,604億SDR)と 激 増 し て い る の で あ る。 これ は 変 動 相 場 制 が 各 国 で 自由 に管 理 され,こ れ に乗 じて ア メ リカが 国 際 通 貨 供 給 を 継 続 的 に 増 加 させ た か らで あ ろ う。 それ が 世 界 的 イ ン フ レを 助 長 して い る と も い え るだ ろ う。 こ こに も ドル本 位 制 の イ ン フ レ体 質 が 現 れ て お り,何 らか の 方法 で 国 際 流 動 性 の 管理 の 回復 が必 要 と な る の で あ る。 (3)多 数 国基 軸 通 貨 制 この 案 で は金 ・ ドル本 位 制 は流 動 性 の 供 給 を 特定 国 の 通貨 で あ る ドル に大 き く依 存 して い る ので,そ れ を 軽 減 す るた め,主 要 国 の通 貨 当局 が漸 進 的に 保 有 外 貨 を多 様 化 し て,必 要 な 国 際 流 動 性 の増 加 率 を主 要 国 間 の協 定 に よ って 決 め よ う とす る。 そ の場 合,自 国通 貨 を他 国 の通 貨 当 局 に よ り保 有 され る主 要 国 は,
32 外 国 保 有 の 自国通 貨 の運 用 に 便 宜 を 与 え,対 外 公 的 債 務 残 高 に金 価値 保 証 な い し為 替 保 証 を与 え る こ と,ま た 通 貨 当局 は 一 通 貨 か ら他 通 貨 へ の 急激 な切 りか え に よ る混 乱 を生 じさせ ない よ うに 相 互 に 対 外 準 備 の構 成 に つ い て,調 整 を 図 る よ う取 り決 め る必 要 が あ る と して い る。 主要 国 の 通貨 が基 軸 通 貨 とな り,各 々が 新 しい 国 際 金 融 セ ン タ ーに な る とい うこ とは,長 い期 間 に お い て は ドル の独 占的 な 地 位 を 奪 うこ とに な る。 とい う の は世 界 の 運転 資金 は量 的 に一 定 して お り,ト リフ ィン(R.Triffin)は これ を 総 準 備 の5%な い し10%と 予 想 して い る。 した が って 主 要 国 通 貨 を 運転 資金 と して 各 国 が保 有 す る と,そ れ だ け ドル保 有 ほ 削 減 され,ア メ リカの 通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 が減 少 す る こ とに な る。 主 要 国 は通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 を 得 る こ とが で き る よ うに な るが,通 貨 を発 行 す れ ばす るほ ど信 認 の 低 下 と 自国経 済 の不 安 定 性 が 増 大 す る。 した が って主 要 国通 貨 当局 は通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 の大 き き と,貸 手 の 危 険 の 増 大 を比 較 す る こ とに な る。 現 在 まで の と こ ろ, 後 者 の方 が 大 きい と,主 要 国 は判 断 して い る よ うで あ る。 金 と見 換 で きな い 国 際 的 紙 幣 制 の下 で は,国 際通 貨 の減 価 を 防 ぐもの は 何 も な い。 多 数 国基 軸 通 貨 制 の場 合 に お い て,金 融 節 度 を守 らなけ れ ば,国 際 的 規 模 で の主 要 国通 貨 の ポ ー トフ ォ リオ ・セ レ ク シ ョンが 行 われ るだ ろ う・ そ して 通 貨 の信 認 の高 低 に よ り,各 通 貨 発 行 国 の受 け と る通 貨 発 行 特 権 か らの利 益 も 異 な る で あ ろ う。 金 との 見換 が で きな い 国 際通 貨 は,強 力 な 国際 的監 視 と管 理 が 必要 で あ る。 (4)SDR本 位 制 SDRは1970年 か ら3年 間 に わ た って 合 計93億1,480万SDRが 各 国 に配 分 さ れ た。 しか しそ れ 以来 今 日まで 新 た な配 分 は 見 送 られ て い る。SDRそ れ 自 体 に は価 値 が な く,参 加 国 の一 般 的 受 領 性 や 受 領 義 務 に よ って 支 え ら られ,そ れ に よ り価 値 を与 え られ て い る。SDRの 場 合 通 貨 発 行 特 権 は 加 盟 各 国 の 合意 の下 に 行使 され る。 しか し現 状 で は発 行 量 も少 な く,介 入 通 貨 と して ドル が用 い られ,ド ル の 通貨 発 行特 権 を な くす こ と はで きな い 。 真 の 意 味 のSDR本 位 制 に近 づ け る た め に は SDPの 民 間 保 有, SDRの
国際通貨制度改革 と通貨発行特権 33 貿 易 決 済 へ の 使 用,SDR使 用 に よる為 替 市 場 介 入, SDRと 金 との 交 換 性 付 与,SDRの 復 元義 務 の廃 止 等 々 の積 極 的 施 策 が 必 要 で あ る。 またSDR本 位 制 を実 現 させ るた め に は,SDRを 実 体価 値 の あ る もの に リン ク させ 信 認 を た か め る こ とが大 前 提 で あ る。 そ の一 方 法 と して は,金 価 格 引 上 げ の 評価 益 をI MFが 集 中的 に管 理 し,そ れ を 準 備 にSDR券 を 発 行 す る こ とが 考 え られ る。 しか し現状 で は先 進 国 の利 害,開 発 途 上 国 援 助 とSDRの リン ク問 題 とい った 大 きな 懸 案 が存 在 して い る。 IV 分配 に 関 す る 側 面 通 貨 発 行 特 権 に よ る 利 益 の 分 配 方 法 は,グ ル ー ベ ル(H・G・Grubel)セ こ し た が えぽ 理 論 的 に3方 式 が 考 え られ る。 簡 単 化 の た め に 国 際 通 貨 を 発 行 す る世 界 中央 銀 行 が存 在 す る と仮 定 す る こ とに しよ う。3方 式 とは 次 の よ うな もの で あ るo (1)自 由市 場 方 式(free market solution) (2)中 央 政 府 方 式(central goverment solution)
(3)需 要 型 方 式(demand type solution) (1)の自由市 場 方 式 は発 券 銀 行 が 通 貨 を発 行 し て,貸 付 ・投 資 収 益 を 得 る と と もに,預 金 者 に利 子 を支 払 う とい うも ので あ る。 た とえ ば 一 国 内 に お い て 多 数 の発 券銀 行 が 存 在 す る と仮 定 す る。 各 発 券 銀 行 は 自行 の 発 行 す る通 貨 を 大衆 に 保 有 させ るた め に預 金 に対 し て,い ま まで 以 上 の利 子 を 支 払 うよ うに な るだ ろ う。 競 争 が 激 し くなれ ぽ な る ほ ど,支 払 わ なけ れ ば な らな い 利 子 は 高 くな る。 も し競 争 が 完 全 で 自由参 入 が 認 め られ るな らば,超 過 利 潤 ゼ ロの 水 準 で 利 子 支 払 い が 行 われ る だ ろ う。 この とき の利 子 支 払 い は 通 貨 発 行 特 権 か らの利 益 の 社 会 的移 転 す な わ ち分 配 と して考 え る ことが で き る。 これ と同 様 に 世 界 中 央 銀 行 は,金 や 各 国通 貨 の払 い込 み を受 け る と と も に,国 際 通 貨 を 発 行 し,そ の 貸
11) H.G. Grubel, The Distribution of Seigniorage・from International Liquidity Creation, in R. A. Mundell and A. K. Swoboda, eds., ibid, PP.269-282.
34 付 ・投 資 収益 を得 る。 そ して,そ の収 益 を 銀 行 運 営 費(予 備 費 を 含 め る)と 預 金 者 へ の利 子 支 払 い に分 配 しよ うとい うもの で あ る。 この 方 式 の 利 点 は世 界 中 央 銀 行が 中立 的 金 融 媒 介 者 と し て行 動 で き る こ とで あ る。 この方 式 に近 い もの として トリフ ィン案 を 挙 げ る こ とが で き る。 そ れ に よれ ば 各 国 は改 革 され たIMFへ の 預 金 とい う形 で,金 また は 各 国 通 貨 を払 い 込 み, 国際 通 貨 を得 る。IMFは そ の 通 貨 を 貸 付 や 投 資 に 充 当 し,得 られ た利 益 を預 金 残 高 に した が っ て加 盟 国 へ 分 配 す る とい う もの で る。 この方 法 は ケ イ ン ズ の の r貨 幣 論 』 の超 国 家 銀 行 案 に 類 似 の構 想 で あ る とい え る だ ろ う。 また マ ン デル も 同様 の意 見 を 持 って い る。 まず第1に 諸 国 は 自国 の金 準 備 を 中 央 銀 行 に集 中 す る こ とを 同 意 す る と と もに,世 界 中央 銀 行 はそ れ に対 して金 証 券 を 発 行 し,各 国 中 央 銀 行 は それ を 準 備 と して保 有 す る。 これ は世 界 中 央 銀 行 に 対 す る信 用 を 得 るた め の もの で,信 認 が全 く欠 け て い る と100%の 準 備 が 必 要 で あ り,信 認 が 全 面 的 に 存在 す る場 合 に は 準備 は不 必 要 で あ る とす る。 い ず れ に して も世 界 中 央 銀 行発 足 当 時 は 高 い準 備 率が 必 要 と され る。 た とえ ぽ% の 準 備 で ス タ ー トす れ ば%の 金 が 稼 得 資産 た とえば ドル と代 替 で き る,そ して ドル か らの 受 け 取 り利 子 を金 証 券 に利 子 と し て支 払 う。 信 頼 が 増 加 す れ ば 準 備 率 も よ り低 下 し,世 界 通 貨 に対 す る利 子支 払 い も増 加 し,世 界 通 貨 も よ り多 く 保 有 され る よ うに な る だ ろ うとす る。 この 議 論 で は,各 国 が金 の集 中管 理 には た し て 同意 す るで あ ろ うか が 問 題 で あ る。 戦 争 や イ ン フ レの 危険 が な くな る ま で各 国 は金 を で き るだ け 自分 の 手 も とに 置 くこ とを 望 む で あ ろ う。 さ らに 問題 に な る の は,現 行 の莫 大 な ドル 残 高 の 解 消 を 図 るの は ど うす れば よいか とい うこ とで あ る。 また この 方 式 は 巨 額 の 資 産 を 世 界 中央 銀 行 が管 理 ・運 営 しな けれ ば な らず,技 術 的 に も 困難 な 面 が あ
12) R.Triffin, Excerpts from, Gold and the Dollar Crisis, in H. G. Grubel, eds., '6'♂,P.39.
13)J.M. Keynes, A Treatise on Money, Macmillan,1934.(鬼 頭 仁 三 郎 訳 『ケ イ ン ズ 貨 幣 論 』 同 文 館,1934年)
国際通貨制度改革 と通貨発行特権 35 り,投 資 資金 を ど う運 用 す るか に よ り,不 公 平 が 生 じ る難 点 もあ る。 (2)の中央 政 府 方 式 は,一 国 の中 央 政 府 方 式 を 世 界 的 に適 用 し よ う とす る もの で あ る。 す なわ ち 中央 政 府 は,新 た に通 貨 を 発 行 す る こ とに よ り公 共 財 を購 入 す る。 また 合 理 的 な 政 府 は 有 効 性 と公平 さ の垂 準 の下 に,支 出水 準 と様 式 お よ び,そ の 支 出 を 保 証 す る合理 的 な課 税率 を決 定 す る。 これ と同様 に,世 界 中 央 銀 行 に 対 して,世 界 的 公共 財 の購 入 や 国 際 的所 得 配分 を行 わせ よ うとす る も の で あ る。 前 者 と して は 世界 司 法 裁判 所 や 世 界 の社 会 福 祉 のた め の費 用 に あ て よ ら う と す る 意 見 が あ り,後 者 と し て は ス タ ン プ 案(M.Stamp)やUNCTAD ラ 案 が あ る。 これ は 通 貨 発 行特 権 に よ り新 たに 発 行 した 国 際 通 貨 を 発 展 途 上 国 に 与 え て 世 界 的 な所 得 の 再 配 分 を し ょ うと す る もの で あ る。 そ して 発 展 途 上 国 は,国 際 通貨 を 国 際決 済 に使 用 し,先 進 国 は そ れ を 自国 の 準 備 と して 保 有 し, 国 際 貿 易 は さ らに い っそ うの拡 大 をす る こ とが で き るだ ろ うとす る。 しか し この方 式 は世 界を イ ン フ レ傾 向に す る危 険 が お お い に あ る とい え る だ ろ う。 ③ の需 要 型 方 式 は,各 国 が 長 期 的 通 貨 需 要 に 対 す る平 均 に 比 例 して通 貨 発 行 特 権 か らの利 益 を享 受 す べ きだ とす る もの で あ る。 つ ま り,発 行 され た 国際 通 貨 を長 期 的通 貨 需 要 の平 均 を 基 準 と して 各 国 へ 配 分 す る。 各 国 は それ を 国際 収 支 赤 字 解 消 のた め に 使 い,あ る と きは 国 際 収 支 黒 字 の も とで受 け とる。 しか し 平 均 す れ ぽ 最 初 の発 行 額 を 維 持 して い る よ うに す る。 こ うす れ ば 各 国 間 の実 物 17) 資 源 の移 転 は 生 じない で あ ろ うとす る。 ケイ ンズ の 「国 際清 算 同盟 案 」 や ク オ ー タ の拡 大 を 通 じて 各 国 の 準 備 を 増 加 させ よ うとす る提 案 は,こ の方式に基づ い て い る とい え るだ ろ う。 しか し ク ォー タの 算定 に つ い ては 各 国 の利 害 が か ら み,い ろい ろ と困 難 な 問 魎 が 含 まれ て い る。
15) M.Stamp, The Stamp Plan-1962 Version, in H. G. Grubel ed., fδノ4, nn.80- 89.
16) U.N., International M伽etarッ ム ∫ues and'ゐe Developing Countrie∫,1966. 17) J.M. Keynes, Proposals for an International Clearing Union, in H. G. Grubel, ed.,'み ∼♂, PP,55-79.
36 以 上 の3方 式 の 中 で(3)の需 要 型方 式 は資 源 の移 転 に 中立 的 な影 響 を与 え る適 当 な 配 分 基 準 を 決 定 で き るな らば,世 界 に課 税 す る こ とが で き る世 界 政 府 が 存 在 しな い こ とか ら くる問 題 を有 効 に解 決す る で あ ろ う。 通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 の分 配 は,一 国 の 利 益 に 偏 す る こ とな く,世 界 的 な視 野 か ら決 定 す べ き も の で あ る。 V 国際通貨制度改革の方向 と課題 国 際 通 貨 問 題 に 関 して は 本稿 で も区 分 した よ うに 調 整,信 認,流 動 性 ア プ ロ ー チが あ る。そ の 中 で も っ とも重 要 な も のが 調 整 の問 題 で あ る。1信認 の 問 題 は, 調 整 が 円滑 に 行 わ れ て い るか ど うか とい っ た心 理 的 な反 映 で あ る とい え るだ ろ う。 また 流 動 性 問 題 が 解 決 す る と調 整 問 題 も解 決 す る とは い え な い が,調 整 問 題 が 解 決 す る と,流 動 性 問 題 も解 決 され る よ うに な る とい え る の で は な いだ ろ ユの うか 。 しか し国 際 収 支 の調 整 を どの よ うに して 行 うか とい う こ とは,各 国 の利 害 が鋭 く対 立 す る問 題 で あ る。 国際 通 貨 制 度 改 革 の論 議 の 中 で 国 際 収 支 調 整 の 問 題 は,1960年 代 後半 か らい っそ う重 要 性 を 増 し て きた 。 そ れ は 将 来 に お け る流 動 性供 給 に つ い て はSDR の創 出 に よ り,一 応 解 決 を み た もの の,ア メ リカの 主 要 国 に対 す る貿易 収 支 悪 化,平 価 変 更の 遅 れ,そ れ らに 付 随 した 均 衡 破 壊 的 な 資 金 移動 が 著 し くな った か らで あ る。 これ らの状 況 に 対 処 す るた め 為 替 相 場 制 度 の 弾 力 化 が 急務 とな っ て きた 。 そ して1971年 以 降 為 替 相 場 の 弾 力 化 を は じめ とす る改 革 が 進 む 中 で, 全 般 的 な通 貨 制 度 改 革 も討 議 され て きた 。 しか し1973年 末 の オ イ ル ・シ ョ ック に よ り一 時 挫 折 を した が,1974年6月 の20力 国 委 員 会 の 報 告 書 に もみ られ る よ うに,将 来 の改 革 へ の骨 子 は ほほ ぼ ま とま って い る とい うこ とが で き る。 そ こ に お い て は将 来 の通 貨 制 度 の基 本 とな る為 替 相 場 制 度 は,安 定 的 で あ るが 調 整 可 能 な 平 価 を基 礎 と し,そ の うえ で為 替 相 場 機 構,国 際 収 支 の 調 整 過 程,国 際 収 支不 均衡 の決 済,流 動 性 の管 理 と準 備 資 産 に つ い て,か な り具 体 的 に 明 記 す 18) 滝 沢 健 三 「困難 な 調 整 問題 の合 理 的 な 解決 」 『東 京 銀 行 月報 』1977年3月,2-3 ペ ー ジ。
国際通貨制度改革 と通貨発 行特権 37 る と と もに,均 衡 破 壊 的 資 本 移動 に対 す る 国際 的協 調,開 発 途 上 国へ の開 発 援 助 とSDRの 配 分 との リン クに つ い て も検 討 され て い る。 主 要 な 点 と して は 黒 字 国,赤 字 国 とも に適 切 な平 価 変 更 を 迅 速 に行 うこ と, 為 替 変 動 と市 場 介 入 制 度 を よ り対 称 的 な もの にす る こ と,不 均 衡 の決 済 で は 準 備 通 貨 国 を 含 め て,す べ て の 国 の義 務 を対 称 的 に し,交 換 性 を 導 入 して 完 全 な 資産 決 済 を 行 う こ と,等 々で あ る。 しか し各 国 の対 称 性 を実 現 させ るた めに は 民 間 市 場 を 含 む,国 際 決 済機 構 の 画 期 的 な変 更 が必 要 とな っ て くる。 なぜ な ら,公 的 機 関 が そ の 取 引 決 済 に つ い て どの よ うな方 法 を用 い る に し て も,民 間 取 引 が ユ ー ロ ダ ラ ー市 場 や ニ ュー ヨ ー ク金 融 市場 等 を通 じて ドル を使っ て決 済 され る限 り,ド ル の 基 軸通 貨 と して の地 位,そ し て ア メ リカ の通 貨 発 行 特 権 に よ る利 益 は存 在 す る の で あ る。 新 SDRや ケイ ンズが 考 えた バ ン コール とい った 新 しい 国 際 通 貨 が 市場 で取 引 さ れ な い 限 り,民 間取 引 に はい ず れ か の国 民 通 貨 が 使 わ れ ざ るを え な い。 現 在 の 状 況 で は交 換 性 は停 止 され て い る とは い え,少 な くと も当面 の 間 は ドルが 民 間 取 引 の決 済 通 貨 と し て機 能 を 続 け るで あ ろ う。 なぜ な ら,ド ル に 代 るべ き充 分 な通 貨 が まだ 出現 し てい な い か らで あ る。 真 の意 味 で の 国際 通 貨 が 創 出 され な い 限 り,ア メ リカの 通 貨 発 行 特権 に対 抗 す る唯 一 の方 法 は,ヨ ー ロッパや 日本F の通 貨 に関 して 巨 大 で 自由 な 市場 を 作 り出す こ とで あ る。 自国 通 貨 に つ い て の 為 替 制 限 を 全面 的 に 撤廃 し,外 国人 の 自国 通 貨 保 有 を全 く自 由に し,国 際 金 融 市 場 の 育 成 に 力 を 注 げ ば,ド ル 以外 の通 貨 も国 際 通 貨 と して 成 長 す る こ とは可 能 で あ る。 しか し どの 国 も現 在 の とこ ろ 自国 通 貨 を 国 際 通 貨 と して 育 て る政 策 を とろ う と して い な い。 す な わ ち ヨー ロ ッパ 諸 国 と 日本 は 事 実 上 の ドル本 位 制 の継 続 を 暗黙 の うち に支 持 し てい る とい うこ とに な る。 とこ ろでIMFが 目指 して い る 「安 定 的 で 調 整 可 能 な平 価 制度 」 の早 期 の実 現 は期 待 す る こ とが で きな い 。 な ぜ な ら各 国 間 の イ ン フ レ率 の 格差 が 大 き く, 国 際収 支 の大 幅 な不 均 衡 が 根 強 く存 在 して い る状 況 で は,当 分 の 間,変 動 相 場 制 を採 用 せ ざ るを え ない か らで あ る。 しか し,変 動 相 場 制 下 で ア メ リカが 通 貨 発 行特 権 を乱 用 し,ド ル に よ る対 外
38 決 済 を 増 加 させ る と,ド ル相 場 は下 落 す る。 しか も,ア メ リカが 相 場 の 下 落 を 放 置 す る と,ド ル に対 す る信 認 が揺 ら ぎ,ド ル離 れ な どの投 機 的 動 き も加 わ っ て,ド ル の極 端 な 過 小 評 価 とな り,そ の反 面,他 国 は極 端 な過 大 評 価 を 強 い ら れ る。 そ の結 果,他 国 の輸 出 産 業 に 大 きな打 撃 を 与 え る こ とに な る。 他 方,ア メ リカに 為 替 相 場変 更 の 主導 権iがな い とい う非 対 称 性 は,変 動 相 場 制 下 で も依 然 と し て残 って い る。 した が って,赤 字 国 が 国 際競 争 力 を強 化 す る た め,極 端 な 自国 の為 替 相 場 下 落 政 策 を と った り,黒 字 国 が 同 様 の 目的 で,自 の 国 の相 場 上 昇 の抑 制 を 行 うと ドル は 過 大 評 価 を 余 儀 な くされ る。 したが っ て,IMFが 変 動 相 場 を 監 視 す るな ど,国 際 的 管理 を す る こ とに よ り,こ の非 対 称 性 に よる圧 力 を 緩 和 す る努 力 が 必 要 で あ る。 しか し ア メ リカが ドル の 国 際 的管 理 を容 認 す る とは 思 わ れ な い し,他 国 もそ れ が 可 能 で あ る とは 考 え て い な いで あ ろ う。 しか し各 国通 貨 間 の相 場 安 定 性 維 持 は各 国 共 通 の要 望 で あ ろ う。 そ の た め に は,国 際 的 に管 理 可 能 な新 基 軸 通 貨 の創 設 が 必 要 とな る。 しか もそ れ は,金 と の 全 面 的 な,あ るい は部 分 的 な交 換 性 を持 った 超 国家 通 貨 を中 心 とす る新 しい の 国 際 金為 替 本位 制 の構 想 で なけ れ ば な らない だ ろ う。 さ らに 通 貨 発 行 特権 に よる利 益 を一 国 だけ が 享 受 す べ き も ので は ない 。 通 貨 発 行 特 権 に よ る流 動 性 の量 とそ の分 配,国 際 通 貨 の信 認 と 国際 収 支 の調 整 を 考 察 す る場 合 は,特 定 国 が 利 益 を 独 占 す る こ とな く世 界 全 体 と して 国際 貿 易 や 資 本 取 引 が 円 滑 に 行 わ れ,世 界経 済 が 全 体 と して,成 長 を確 保 す る よ うな方 向 が 望 ま しい 。 そ し て ど の よ うな 国 際 通 貨 が 将 来 発 行 され る よ うに な る と して も,信 認 を 得 られ な け れ ぽ 「絵 に 書 い た 餅」 で 実 際 の 役 に 立 た な くな る。 また どの よ うに 良 質 の国 際 通 貨 が 創 出 され て も,そ れ の み で 国 際 収 支 調 整 の 問題 が解 決す る とは 19) 竹 内一 郎 「跛 行 ドル 本位 制 の ゲー ムの ル ー ル」 『東京 銀 行月 報 』1977年, 一15ペ ー ジ。 20) 則 武保 夫 「め ま ぐ る しい最 近 の 金 問題 」 『世 界 経 済評 論 』1975年4月 号, 一 ジ。 3月,12 6-10ぺ
国際通貨制度改革 と通貨発行特権 39 い え な い で あ ろ う。 新 しい通 貨体 制 を構 築 す る際 に は,調 整 ,信 認 と流動性, 分 配 に 関す る,金 問 題 も含 ん だ 総 合 的 な考 察 が 要 求 され るの で あ る。 そ して 国際 通 貨 制 度 改 革 は,世 界 各 国 の 経 済 と政 治 の 関 連 に お い て成 立 した 従 来 の通 貨 制 度 を 新 しい 現 実 の 要 請 に 従 って再 構 築 す る終 りの な い作 業 で あ る とい え るで あ ろ う。 〔参 考 文 献 〕
(1)G.N. Halm ed., Approaches to Greater Flexibility of Exc'∼απg2 Rα ごe5, Princeton Univ. Press,1970.
(2) P.B. Kenen ed,, International Trade and Finance, Cambridge Univ. Press,1975. (3)G.N. Halm, A Guide to International Monetary Reform, D. C. Health and Company,1975.
〔4)G,P. Verbit International Monetary Reform and the I)eveloping countries, Columbia Univ. Press,1975年. (5)鈴 木 浩 次 編 『国 際 流 動 性 論 集 』 東 洋 経 済 新 報 社,1964年 。 (6)則 武 ・藤 田 編 『現 代 金 融 論 の 新 傾 向 』 東 洋 経 済 新 報 社,1974年 。 (7)藤 岡 真 佐 夫 『転 換 期 の 国 際 金 融 』 金 融 財 政 事 情 研 究 会,1975年 。 (8)榊 原 英 資 『ユ ー ロ ダ ラ ー と 国 際 通 貨 改 革 』 日 本 経 済 新 聞 社,1975年 。 (9)竹 内 ・荒 木 共 著 『国 際 通 貨 入 門 』 日 本 関 税 協 会,1976年 。 ⑩ 藤 岡 真 佐 夫 監 修 『新 し いIMF』 外 国 為 替 貿 易 研 究 会,1976年 。