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廃棄物環境教育再考 : 環境経済学における「効率性」概念をてがかりに

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(1)

会系教

科教育学会

『社会系教科教

育学研究』第16

号 2004

(pp.1-12)

廃棄物環境教育再考

一環境経

学に

ける

「効

率吐

」概

をてがか

りに−

A Reconsideration of Environmental Education on Waste Management

一Based on the Concept of "Efficiency"

in Environmental Economics

1。は

じめに

(問題意識)

環境問題は匚

汚染と廃棄物の視点でとらえるこ

とでひ

とつなが

りの

問題と

して考察することが

能となる

」1

経済学的な問題である

。この

ことに

して社会科教

育においては

,環境に関わる社会

のシス

テム

を特に経済

的な側面か

ら適切に捉える

ことが重要であるとの指摘かおる

。2

しか

し,

日本の学校教育の理論や実践の中には

,環境問

題を経済学的に考えた

,環境問題の解決方法

経済学的に考えようとするものが極めて少な

」3

もまた事実である。

従来の社会科環境教育においては

,例

えば汚染

や廃棄物の問題は

一般に

「 ̄

環境容量を超

えた廃棄

物の

排出による

自然環境

(生態

系)の破壊

」とし

て捉えられることが

多か

った

。4

それゆ

え,その

対応も

,汚染物質や廃棄物

を環境に排出

しな

いこ

とをも

って問題の解決と

してきた

社会科環境教育における経済学的な視点の重要

性について指摘

したものに

,山根栄次や猪瀬武則

らの

手による研究が・

ある

。山根はその重要性につ

いて

,端的に次の

ように述べ

ている。

(市場経済システム

と経済的によ

り豊かな生

をしたいという人々の欲求を否定

しない

:注筆

者)保守主義的環境教育は

,児童

・生徒が環境問

題の

現状を客観的に認識す

ると共に

,基本的には

市場経済を基本と

した経済システムの中で

,個

の環境

問題を解決す

るための最

も経済

的で効果

効率的

・公平な方法

,特に環境政策を追究

してい

(下線部

:筆者)という授

業として具体化され

ことに

」5

環境

対策

を経済

的に考

える

際の

とな

る価

な概

念に

,山根の

指摘す

る匚

効率

」が

ある

水 

山 

光 

(京

都教

育大

学)

効率

(性)

」は

,環境

問題への対応

を複数の主体

や選択肢間の選択

・調整と

して捉えるに

あだって

重要な概念である

。効率の視点がないと,環境

問題への

対応は

,いきおい価値対立

をともなった

あれ

かこれかの二者択

一へ

となってい

く。

しか

,これ

まで効率哇の追求

(あるいは効率

的であること)は

,環境悪化の原

因の代名詞でも

あるように扱われ

,よい印象は持たれ

てこなかっ

。6

えば次の

ような教科書記述がある

経済成長に

りくら

しは豊かにな

りま

したが

逆に失ったものも少なくあ

りませんで

した

(中

略)すべてに効率性を優先

した都市では

,都市の

緑が失われ

,雑木林やため池など,里山の

自然も

失われ

,多くの

生物が

姿を消

しま

した

」7

これ

らにおいては

,匚

効率」は経済成長と同義

とされ

,か

つ自然

(環境

)と対立

した概

念となっ

ている

。確かに,環境か経済か

という大きな枠組

で対応策を考えることは重要だが

,環境も経済

もともにそこそこに両立することのできる第3の

択枝

を考えることも方法論的に重要である

もち

ろん効率歐

だけで環境問題対策のすべては

語れない

。それは例

えば,ペ

トボ

トル

・リサイ

クルの効率化

をいくら考

えても

,ペ

トボ

トルそ

ものの生

産量

を減

らさな

い限

,ごみ

となるペ

トボ

トルが減

らないことからも明らかである

,だか

らといって効率的な対策

を考

えること

に意義が

ないわ

けではない

。ペッ

トボ

トルそのも

を減

らす対策にも当然

さらに具体的なオ

プシ

ンが

あり

,そこでは効率的であることが欠かせな

。つま

り,環境問題への

対応に

おいては

,制度

や経済体制といったマク

の組み

合わせが必要なのである。

ロな視点とミク

ロな視

−1−

(2)

しか

,ミク

ロな

レベルでの環境問題への対応

を具体的に考えさせる授

業を論

じた論文は少ない

ちなみに

,ミク

ロな環境経済的知識

を組み

込んだ

具体的な授

業は猪瀬によって紹介され,8

提案さ

れた

。9

猪瀬の提案する授業は,中学校社会科公

民的分野での

『環境学習』における匚

外部不経済

論に

よる授

業構成と

,それに基づく汚染問題に関

る費用便益分析

,限界分析の実践」と

して提示

され

ている

O猪瀬は架空の湖の汚染浄化問題に関

する費用と利益を生徒に分析させる

。そ

して,

「 ̄

これによって

,費用便益分析,限界分析などの

経済概念が

,生徒に

『解決策』

を導き出させる上

,有効な分析概念であることを提

示する

ことが

できた

」10

している。

本稿はこの猪瀬の実践もふま

っつ,汚染では

く廃棄物

を対象に

して

,環境問題対策における

効率」の重要性に

,よ

り直接的かつ視覚的にせ

まることを目指すもの

である。

2。環境経済学と

「効率」

2. 1

.学

習指導要領における効率

まず

,現学習指導要領に匚

効率」概念が

どの

うに位置

づけられているか

を見ておこう

。学習指

導要領に関連

して効率概念が現れ

るのは

,中学校

公民的分野匚

(2)国民生活と経済

」の中の匚

私た

ちの

生活と経済

」が最初である。しか

し,そ

こではあ

くまでも市場経済における価格の働きの

理解に中心があって

,環境問題対策としての効率

性まで考

えているわ

けではな

。11

また,環境と

経済

とのかかわ

りを直接扱う項

目匚

イ国民生活

と福祉」においても

,環境と経済との関わ

りがミ

ロに捉えられ

ことはない。

高等学校公

民科

,政治

・経済匚

(2)現代の経済

では

,効率哇

は経済的な選

択や胤思

決定に

おける

目標

して

,か

つ匚

平肬

や公正さとの

間の

矛盾

対立を調整す

ることが要請され

ている

」12

もの

して,中学校よ

り一段高

いレベル

で捉

えられ

てい

Oしか

,これは

あくまでも一般的な匚

市場経

済の機能と限界

」としてであ

り,外部不経済

を内

部化するための環境対策における効率性という点

にまで応用され

るものでないことは

,中学校にお

ける場合と同様である。つま

り具体的には

,環境

−2−

問題対策と

しての環境税についてまでは言及

され

ても

,税額はい

くらが適

当かま

では追究

され

ない。

本研究はこのような効率哇

,環境問題対策と

つな

げて

,その意

義を考

えようとするものである。

2.環境経済学における効率性の認識

環境経済学において効率壯の概念は

,具体的に

は次の

3点において表れ

(1)効率的排出水準

ごとによらず環境被害

を出さないことは理想

では

あるが

,そのためにかかる費用も莫大

となる。

こで

「何も対策を施さない場合」と

「 ̄

完全な

対策

を施

した場合

」の間に

ある効率的排出水準

えることになる

。今,汚染物質排出量

を横軸に,

費用

を縦紿にとると

,図

1に示す

ごと

く,排出量

(<

)であれば被害の限界費用

(M

D)

は少な

くなるが

,削減の限界費用

(MA

)は増

大する

(>

)であれば削減費用は少な

なるが

,被害の費用は増大

し,結果的に総費用は

二つの限界費用が均等化す

a十

bよ

りも過大

なる

。したがって,総費用を最小化す

る効率的な

排出水準は

,二つの

限界費用が均等す

るところと

なる。

費用

W

0 el e*

図1

的排

e2

水準

排出量

(2)限界削減費用

(限界費用

)の

均等化

環境汚染物質排出削減のための費用は

,当然の

ことながら汚染物質排出主体それぞれ

によって異

なる

。今,限界

削減費用の異なる二つの

主体

を仮

定すると

,排出量を

まで減らすのに,主体工

(MA

)においては

a十

b十

c十

d十

eの

,主

(MA

)においては

a十

cの費用がかかる。

ここで,二つの

主体の

限界

削減費用が均等化する

(3)

ころ

(e1十e2

=2

で削減

を再

配分す

,主体工

削減

量は

a十

b,

主体

2の

削減

量は

a十

c十

f十

gと

り,

削減費

e十

h分

らす

ことが

,両者

を合わ

せた

削減

費用

は最

とな

同様

ことは

限界

つい

ても

(限界

均等

化原

費用

2  

e  

2 

限界

削減

用の

均等

排出量

(1)

や(2)

は環境に関す

る総費用

削減と

しての効

率吐について述べ

ている

。それに対

して環境に関

する総便益増大化と

しての効率も考

えられ

(3)便益

・余剰の

最大化

人々は

環境の

質が改善するとその便益

を受ける

「人に便益を与えるには

,その人にその人が価値

を認める何か

を与えれ

ばよく

,彼があるものに価

を認めるか

どうかは

,彼がそれ

を手に入れるた

めに犠牲

を払おうとするか

,支払意思を見せるか

どうかで判断することができる

。」13)

こうした価

値や便益についての考え方によ

,環境の価値

それ

に対す

る支払意思額

で計れ

るとすれば

,それ

は需要曲線に

よって表す

ことが可能となる。

f面キ各

p 0 ql qe q2

図3

消費者余剰

・生産者

余剰

−3−

通常

,需要曲線は右下が

りの曲線と

して表現さ

。この

とき,商品の価格

pに対

して需要量

が決ま

,価格と需要量の積は実際の支払額

とな

。また,価格

pと需要曲線とで囲まれた領域は

純便益を表

,厂

消費者余剰」と呼ばれる

。この

便益を社会全体で集計

したものが消費者余剰であ

。この

ように

して

,環境の価値す

なわち便益を

消費者余剰」という概念を用いて表す

ことがで

きる。

価格と需要曲線によって消費者余剰の概念が導

かれたように

,価格と供給曲線か

ら生産者余剰の

概念もまた導かれ

。この

とき,生産のための総

費用が供給曲線よ

り下の領域

で示され

るのに対

,総収入は価格

pと生産量

qの積と

して示され

生産者余剰は価格

pと縱軸,供給曲線で囲まれた

部分

となる

。ここでの生産者余剰は

良好な環境

生み

だすための費用と

して捉

えることができる

こうした需要と供給の関係から総余剰

を導

くこ

とができる

。この

総余剰は

,財と

しての環境の費

と便益

を集計

したものである

,財の生産量が

(<

)の

とき,消費者

余剰も生産者余剰もq

ときよりも小さくなる。

したがって総余剰も小さくなる。逆に生産量が

q2

ときは,価格よりも需要量が下回るので消

費者余剰はその分マイナスに

,また価格よ

りも生

産費用が上回るの

で生産者余剰もその分マイナス

になる

。したがって,総余剰もq

ときより小

さくなる

。す

なわ

ち,匚

市場均衡

とパ

レー

ト最適,

余剰最大化が同等である」14

ことが

示され

。そ

の意味で効率的なの

である。

この

ように

,消費者余剰

,生産者余剰という概

を用いることで

,環境に関わる社会全体の

利益

を分析することが

可能となる

次節では

,以上の考察

を基本

としつつ,環境

経済学が明らかに

してきた他の知見との整合性や

校種ごとの

発達段階

を考慮

した

,環境を捉える概

と知識の仮説的な全体像

を示す

(4)

3。 環境を 捉える 基本 的概念 と知識

3. 1 . 環 境を 経済学 的にとら える 概念 と学習 レベル

基 本 的 概 念 と 具 体 的 概 念 L1 L2 L3

1.環 境問題 環境 質, 環境質 水準,環境 被害 2.環 境経 済学 と資源経 済学 環境 経済学, 資源経済学 ② 3.環 境問題 と外部性 外部性, 外部効 果, 外部不 経済,私的費 用と社会 的費用 の乖離 効率的 資源配分 4.私的財 と公 共財 私的財 (排 除性, 競合性 ), 公共財( 非排除性, 非競合性) フ リー ライ ダー, 市場 の失 敗, ⑧ 共有地 の悲劇, 所有権

1.環 境汚染 の被害 被害, 被害関数 ⑩ 2環 境被害 の類型 1)汚染物質 による類型 1)非累 積型VS累 積型, 局地 型VS非 局地型, 点 源型VS非点 源型, 安定 型 VS偶発型 2)汚染 物質 によ らない環境破 壊 ③ 2)限 界被 害関 数 から 見た 類型 限界概 念 1)限 界被害関数 から見 た環境 破壊(限 界被害,限 界被害関数) 2)限 界削減費用 関数 から見た類型( 限界削 減費用, 限界削減 費用関数) ⑩ 3.限 界費用 の均 等化 均等化, 限界費用 の均等化, 社会的総費 用 ⑥ 4.効 率的排出 水準 効率, 効率的水準 ⑩

1.環 境改善 の便益 環境 の価格,便益, 被害,支 払意思額,受 取意思 額 ⑨ 2.環 境の価値 1)価値と利用 環境 の価値 ・利用 価値vs非利用 価値 ④ 2)価値の評 価 価値 の評価 ・支払 意思額( 間接 的方法, 直接的方法) ⑤ 3.余 剰 D 消費者余剰 2)生産者余剰 支払意 志額,需要 曲線,消費 者余剰(消 費者 の便益) 生産費 用, 供 給曲線,生産 者余剰(生 産者 の便益) ⑩ 4.グッ ズとバッズ グッズ, バ ッズ ⑩ 5.総 余剰 消費者 余剰,生 産者 余剰,総 余剰, 価格均 等化原理, 費用 便益 分析 ⑥ 詣 応 へ 1.外 部不経 済 外部不 経済 と社 会的費用 の内部化 ⑩ 2.制 度 的 アプ ロ ー チ 直接 規制, 経済 的手段(課 徴金, 補助金, 排出許可 証制度) ⑩ 3.自 主 的 アプ ロ ー チ 自 主 的 アプ ロ ー チ ( 注:L1 は 小 学 校 レ ベ ル ,L2 は 中 学 校 レ ベ ル,L3 は高 等 学 校 レ ベ ル を 想 定 し て い る) 3。2. 環 境 を 経 済 学 的 に と ら え る 知 識 レ ベ ル1 (LI ) 小 学 校 段 階 で 求 め た い 知 識 ①  環 境 問 題 は, 排 出 物 が ま わ り の さ まざ ま な 環 境 の 質 を 引 き下 げ , 人 間 お よ び そ の 周 囲 の 環 境 に 被 害 が 引 き起 こ さ れ る こ と に よ って 発 生 す る。 ②  資 源 を 経 済 活 動 に 用 い た 結 果 , そ の 経 済 活 動 が ど の よ う に 自 然 に 影 響 を 及 ぼ し 返 す か, ま た そ れ へ の 対 応 はど う す れ ば よ い か を , 経 済 的 に - 4 −

調 べ ることがで き る。

③ 環 境 の質 の低下 は被害を及 ぼす。 環境 の被害

は汚 染物 質の違 いに よって分 類す るこ とがで き

る。 被害 の型 の違い はそ の費 用 のあり ように も

影響 を及 ぼす。

④ 環 境 には利用 す ること によって生 ま れる価値

と利 用 しなくて も含 ま れる価値 かおり, そ れら

はさ らに(現 在の価 値・将来 の価値・潜 在的 な

(5)

価値)

(存在価値

・利他

的な価値

・遺産と

して

の価値

)などに分けられる

⑤ 

環境の価値は間接的,直接的に様

々に推計

ている

レベ

ルエ

点は

,環境

を捉

える

ため

と価

方に

目す

る必

要の

ある

よび

環境

を価

ける

ため

これ

多大

力が

され

てき

を知る

とに

ある

レベル2

(L2

)中学校段階で求めたい知識

⑥ 

環境問題は

,ほとん

どの場合,何

らかの

外部

不経済と関係

してお

,外部不経済においては

社会的費用と私的費用が乖離

している

⑦ 

外部性が存在す

る市場では

,効率的な資源配

分は達成

されない。

⑧ 

財には私

的財と公共財があ

,私

的財は

(排

除性

,競合性)を持ち,公共財は

(非排除性

非競合性)を持つという特色がある

。環境は公

共財に含まれ

。公共財にはフリー

ライダー

(ただ乗

り)とよばれる現象が存在

,市場の

失敗が発生する。

⑨ 

環境の改善は便益の増加をもたら

,環境の

悪化や費用は便益の減少

をもたらす

。支払意思

額は環境に対する需要であ

,需要曲線によっ

て示すことができる。

⑩ 

環境に対す

る支払意志額が生産費用を上回っ

とき

,消費者余剰が発生する。望ま

しい環境

の価格がその

生産費用

を上回るとき

,生産者余

剰が発生する。

⑩ 

費者余剰と生産

者余剰の合計

(総余剰

)は

需要と供給が

均等化するとき

,最大となる。

⑩ 

社会的費用と私的費用の乖離は

,社会的費用

を内部化す

ることに

よって解決が試み

られ

てい

る。

⑩ 

環境被害は

,統制による直接規制や

,経済的

因に依拠する経済的手段によって軽減するこ

とができる。

レベル

2の

点は

,環

問題

を外

不経

て捉

える

こと

,な

らび

に環

問題へ

策に

ける匚

」概

気付

ことに

ある

レベル3

(L3

)高等学校段階で求めた

い知識

⑩ 

公共財には

「共有地の悲劇

」とよばれ

る現象

が発

生す

。共有地の

悲劇

は所有権の設

定によっ

て回避することが

できるが

,所有権の設定は問

題を引き起

こす

ことが

ある。

⑩ 

被害は被害

関数

して測定す

ることができる

⑩ 

環境問題は

,限界被害費用

と限界

削減費用の

関数

として捉えることができる

。また

,環境被

害はその限界被害関数

および限界

削減費用か

類型化する

ことができる。

⑩ 

対象が複

数ある時

,限界費用を均等化するこ

とによって

,社会的総費用

を削減

しなが

らよ

多くの排出を削減することができる

⑩ 

効率的排出水準は

,限界被害費用と限界削減

費用とが均等するところに決ま

,総

削減費用

と総被害の

均等化によって決まるの

ではない

⑩ 

負の環境財の需要

と供給は第

4象

限で交わ

価格絶対値が小さいときは供給>需要

とな

価格絶対値が大きいときは供給<需要

となる

つま

,一般のグッズ

(正の財

)の場合

とでは

価格の大小

と財の量の

関係が逆になる

⑩ 

自主的ア

プロ

チの導入は

,税の導入如何に

関わ

らず

,汚染物質排出量の削減のための汚染

者の費用負担を少な

くすることが

できる。

レベル

3の

点は

,環

問題

への

策に

おけ

る匚

」概

理解

を深め

こと

,お

よび

有権の

設定

,制

的方

自主

的方

,環

境経済

学の

こと

成果

を知

を用

いて

とに

多様

ある

対応

策が

えら

4。環境経済学

を組み込んだ廃棄物環境学習モ

これ

までの考察

と知識の整理をもとに

,ごみ

事例と

して

,効率的な対応策について考察す

る廃

棄物環境学習モデルに

ついて考えよう

。ここでご

問題

を取

り上

げるのは

ごみ

が廃

棄物問題にとっ

て本質的な問題であ

りなが

,大気や水質の汚染

などの領域に比べて

,対応の遅れが課題

となって

いるか

らである。15

ごみは経済的に考えると

,それ

自身が負の公共

であって外部不経済

を発生させる

。その外部不

−5−

(6)

経済は

,多くの産業系

・事

業系廃棄物によって一

般市

民が外部不経済

を被ると同時に

,その一般市

民が

一般市

民に

して外部不経済

を発生す

ると

いっ

た複雑な構造にな

っている。16

また

,ごみ

(負の

財)は,古紙の

ように有償

り引きされ

ない限

りその

処理に費用がかかる。

通常,正の財

(グッズ)の供給

と需要は上図の

うに

表現

され

るが

この関係を負の財

にあてはめると

グラ

フは第四象限

において下向きと

なる17)

えばごみ

を商

価格

して考

える

,0

価格は負となり

ごみの引き受け手

ごみ

を受け取る

ためには補償

を受

ける必要かおる

その

場合

,負の価

(補償の

受取

り)

が低ければ需要は

さく,高けれ

量 

イ而

p  

p 

﹃・

袋あ

たりの

ぎ苑

理費用

QE

処理され.

たゴミの湎

Q2

図5 

ごみ処理サー

ビスの需要

と供給

消費

者は

ごみ

一袋の

価格

けれ

ごみ

しか

さず

,価

多くの

ごみ

を出

ごみ

総余剰=消費者余剰(Ap1D)

の価

1(

*)

ときに

生産者余剰(p1

CF

D)

=A

D 

図4 

・負の財の需給

需要は大きい

。同様に,ごみの発生者

(供給者)

,負の価格

(補償の支払い)が高けれ

ばごみ

ししか出さす

(供給せず

,価格

(補償の支払

い)がゼ

ロに近ければ

多くのごみ

を出す

(供給す

)ことになる

。18

このよ

うに

,ごみ

一般のグ

(正の財)の場合

とでは

,価格の大小と財の量

の関係が逆になる。

そこで

,ごみ

を負の財ではなく,ごみ

処理サー

ビス

という正の財と

して考

える

。具体

的には

一袋

あた

りの

ごみ処理費用

,すなわ

ちごみ袋一袋の値

段はいくらであるべきかを考

える

すると

,消費者

(ごみ処理サー

ビス需要者

)の

ごみ

袋に対す

る需要曲線を右下

,ごみ

処理サー

ビス提供者の供給曲線を右

上りとする見慣れた図

が描ける

ごみ

袋の価格が

p2

(<

)のときには

供給側にと

って採算の合う供給量はQ1

である

,ごみ処理サー

ビス提供者は

ごみ

を放置するわ

けには

いかないので

,サー

ビスをQ2

まで供給す

ことになる。その結果,

総余剰

=消費者余剰

(Ap2H

生産者余剰

(p2CF

G)

G………②

①②

いずれの場合も価格が

ときの総余剰

Eより小さく

,ごみ処理サー

ビス提供者の余

剰の

総和

(社会的余剰)は

,ごみ袋の需要と供給

一致する価格

とき最大

(A

E)となる

なおごみ袋が無料のときには総余剰はさらに小

さく

,定額制の場合には

,費用負担は排出量に関

りなく変わ

らないので排出削減のインセンティ

ブは働かず

,無料の場合と同様の結果となる。

京都市

を例にとると

,ごみ袋は無料なの

で,ご

排出量は過大とな

っている。また,処理に見合

うだけの価格は

一袋250

円/4kg

(2000

年)とい

う計算結果が出て

いる19

ごみ

袋の

有料化によっ

ごみの発生量

(ごみ

袋の需要量)を減ら

,総

余剰

を大き

くすることができると同時に

,ごみ袋

の値段も下げることができる。

また

ここでの

ごみ

の排出量と費用

との関係

を,

縱軸

を費用

,横軸をごみ排出量として表すと,ご

みの排出を未然に防ぐための限界削減費用

(M

)は右

下が

り,ごみ

処理のための限界費用

-6−

(7)

(MC) は右 上 がり の曲 線 とな る。 この と き斜 線

部b は総 削減 費用を, 斜線部 a は総処理 費用を 表

O  用 す  費 0 e * 図 6 効 率 的 排 出 水 準 量 今, 少 量 の ご み の排 出 で も 環 境 に 甚 大 な 被 害 を 与 え る場 合 に は, そ れ だ け処 理 費 用 も か か る と 考 え ら れ る の で 曲 線 (M C) は左 に, 少 々 の ご み の 排 出 で も そ れ ほ ど 環 境 に被 害 を 与 え な い と 考 え ら れ る場 合 に は, 曲 線 は 右 に 移 動 す る 。 そ の場 合 , 前 者 に お い て はb > a, 後 者 に お い て は b < a と な る こ と が 多 い と考 え ら れ る 。 い ず れ に し て もM ACとM Cが 交 わ る 交 点Eが 存 在 し , そ の と き の ご み 排 出 量 e*は 処 理 費 用 と 削 減 費 用 の 総 費 用 を 最 小 化 す る 効 率 的 な排 出 水 準 と な っ て い る 。 次 節 で は, こ れ ら の 知 識 を も と に, 中 等 ( 中 ・ 高 等 ) 学 校 段 階 を 対 象 と し た学 習 過 程 モ デ ル を 示 す 。

5。 学習指 導過 程モデ ル

(下表 中, 特 に太線で 囲った部分( 二コ は高 等学校 の みの, それ以 外 は中学・高 校共通 の学習部分 を示 す)

学 習 内 容 指 導 者 の活 動 ( ○ 発 問 ・ @ 説 明 ) こ ど も か ら 引 き出 し た い 知 識 ・ 予 想 さ れ る 活 動 資 料

ご み と は 何 か ○ ご みと は何 か。 ○ こ れ ら は ご み か , 資 料 ① を も と に し て 考 え よ う 。 ○ あ らた めて ご み と は 何 か 。 ・ 捨 て ら れ た も の, 廃 棄 物 ・ ご み の よ う な ご み で な い よ う な も のを 出 し 合 い , ご み と は 何 か に つ い て 考 え る。 ① .「廃 棄 物 」 と は 厂生 産 物 」 に対 す る 相 対 的 な 概 念 で あ る 。 ・ 「 ̄生 産 物 」 に 対 す る 相 対 的 な 概 念 で あ る こ とを 踏 ま え た 上 で , 目 的 を 終 え て 処 理 さ れ る べ き も の と し て の 使 用 価 値 的 側 面 を 確認 す る 。 ご み 問 題 と は 何 か ○ ご み問 題 と は 何 か。 ・ ご み が多 す ぎ る こ と, 多 す ぎ る こ と に よ り 最 終 処 分 場 が 不 足 し て い る こ と。 ・ ご みが 環 境 に 有 害 な 影 響 を 与 え て い る こ と。 ② ○ ご み は な ぜ 過 大 に な る か 。 ○ 匚費 用 」 の 視 点 か ら 考 え て み よ う 。 ・ 生 産 が 拡 大 し て い る か ら。 生 産 が 拡 大 す れ ば, 必 然 的 に ご み は出 る。 ・ 必 然 的 な 排 出 と は 別 に , 包 装 材 の よ う な ご み に な る も の が 増 え て い る か ら。 ・ ご みは い く ら 出 し て も た だ で 処 理 し て く れ る ( も し く は 費 用 が か か っ て い て も そ れを 意 識 し な い ) か ら。 ○ ご み処 理 に は ど れ く ら い の 費 用 が か か っ て い る か 。 ○ 資 料 ③ の 一 般 廃 棄 物 に お け る ご み 排 出 量 と ご み 処 理 費 用 の 推 移 か ら 分 か る こ と は 何 か 。 ・ 日 本 全 体 や 身 近 な 自 治 体 の デ ー タを 調 べ る。 ・ 日 本 人 1 人 あ た り の 一 日 平 均 ご み 排 出 量 は 約1132g/ 人 ・ 日 (2000 )。 ご み 処 理 費 用 は18700 円 / 人 ・ 年 (2000 ) で , そ の量 に は あ ま り変 化 が な い。 ・ ご み 排 出 量 の 増 加 率 よ り も ご み 処 理 費 用 の 増 加 率 の 方 が は る か に 大 き い 。 ③ ④ ○ こ こ ま で の 問 題 点 を ま と め て みよ う。 ・ ご み問 題 の 原 因 の一 端 は ご み処 理 費 用 に あ り, そ こ で の 最 も 大 きな 問 題 は消 費 者 が ご み 処 理 費 用 の 問 題 に 直 面 し て い な い こ と に あ る。 -7−

(8)

ご み を め ぐ る 背 景 ② ご み 排 出 に よ る 環 境 汚 染 ○ 汚 染 が 小 さ い と き, 汚 染 が 大 き い と き , そ れ ぞ れ の 「 削 減 努 力 」 と 匚被 害 」 の関 係 は ど う な る か。 ・ 汚 染 が 小 さ い と き, 被 害 の 程 度 は小 さ い が , さ ら に 汚 染 を 少 な く す る に は大 き な 努 力 を 要 す る 。 ・ 汚 染 が 大 き い と き に は , 少 し の 努 力 で 大 き く 汚 染 は 改 善 す る こ と が で き る が, す で に 存 在 す る 多 く の汚 れ を 取 り 除 く の は大 変 。 〈限 界概 念〉 ・ ス ポ ー ツを し た 後 の 最 初 の 一 杯 の 水 は す ご く美 味 し い が , 2 杯 目 , 3 杯 目 と美 味 し さ が 減 っ て い くo ・ 1 日 の 無 駄 な 時 間 を 減 ら す の は, 1 時 間 位 は簡 単 で も, そ れ以 上 は な か な か 減 ら せ な い 。 等 @ こ の 「現 状 よ り さ ら に 1 単 位 分 増 減 し た」 努力 と被 害 の 増 減 を 「 限 界」 と い う 。 ○ 限 界 概 念 を 他 の 日 常 場 面 に あ て は め て み よ う 。 く限 界 被 害 と 限 界 削 減 費 用 〉 ○ 縦 軸 に 厂費 用 」, 横 軸 に 「( 汚 染 ) 量 ] を と っ て , 追 加 の 1 単 位 の「 削 減 費 用 」 と 「 被 害 」 の 関 係 を グ ラ フ にし て み よ う 。 ○ グ ラ フ の 交 点 よ り 下 の 部 分 は 何 を 意 味 す る か 。 ○ グ ラフ の交 点 e*よ り 汚 染 量 が 大 き い と き , あ る い は 小 さ い と き , 総 費 用 は ど う な る か 。 ○ 一 般 的 な 関 係 と し て ま と めて お こ う 。 ・ 汚 染 量 が 増 え る ( 減 る ) と 限 界 削 減 費 用 は 減 少 す る ( 増 大 す る )。 し た が っ て , 限 界 削 減 費 用 (M AC) は 右 下 が り の 曲 線 に な る。 ・ 汚 染 量 が 増え る( 減 る) と限 界 被 害 は増 大 す る( 減 少 す る)。 し た が って , 限 界 被 害 (MD ) は 右上 が り の 曲 線 に な る。 ・ 被 害 の費 用 と削 減 費 用 の 総 費 用 を 示 し て い る。 ・ い ず れ の 場 合 も, 交 点 が e* の時 よ り 総 費 用 が 大 き く な る。 ⑤ ・ 総 費 用 は 二 つ の 限 界 費 用 が等 し い と き 最 小 とな る。 (限 界 費 用 均 等 化 原 理) 関 数 と し て の処 理 ○ 少 量 の汚 染 で は 被 害 が 発 生 し な い と き , 限 界 被 害 曲 線 (MD ) はど のよ う に描 け るか 。 ○ わ ず か な 汚 染 で も甚 大 な 被 害 が 発 生 す る と き , 限 界 被 害 曲 線 (M D) は ど の よ う に 描 け る か 。 ○ こ の と き , 限 界 削 減 費 用 と 限 界 被 害 の関 係 は ど う な る か。 ・ グ ラ フ は横 軸上 に 原 点 を と っ て 右 上 が り に描 か れ る 。 ・ い わ ゆ る「 ̄閾 値 」 が 存 在 す る ・ グ ラ フ は縱 蚰上 に 原 点 を と っ て 右 上 が り に描 か れ る 。 ・ 均 衡 点 e*が 発 生 せ ず , 限 界 削 減 費 用 の み多 大 な も の と な る場 合 が あ る。 ・ 限 界 削 減 費 用 も多 大 で 均 衡 点 e* が 発 生 す る 場 合 で も , 被 害 が 甚 大 と な る こ と が 予 測 さ れ る 場 合 は , 均 衡 点 e* ま で の 削 減 で す ま せ る と い う こ と に はい か ず , 結 局 , 限 界 削 減 費 用 は 上 の場 合 よ り , さ ら に 多 大 と な る だ ろ う。 ⑥-1 ⑥-1 ⑥-2 /͡丶 段 階 2 w ご み 問 題 認 識 費 用 と 効 率 ご み の費 用 ○ ご み を 厂費 用 」 の 側 面 か ら考 え よ う 。 自 治 体 の ご み 処 理 に 関 す る 費 用 と は ど の よ う な も の か 。 ○ こ れ の 費 用 は ( 排 出 に 至 る ま で の) 排 出 削 減 費 用 と ( 排 出 後 の) 処 理 費 用 に 分 け る こ と が で き る。 ど の よ う に 分 か れ る か 。 ・ 広 報 の 費 用 , ご み ス テ ー シ ョ ン設 置 の費 用 , 不 法 投 棄 の 監 視 費 用 , ご み の 運 搬 費 用 , 処 分 の 費 用 な ど 【 ご み の 排 出 に よ る 環 境 汚 染 を 削 減 す る 費 用 】 = 広 報 の費 用 , ご み ス テ ー シ ョ ン設 置 の 費 用 , 不 法 投 棄 の 監 視 費 用 な ど 【 排 出 さ れ た ご み を 処 理 す る 費 用 】 = ご み の収 集 費 用 , 運 搬 費 用 , 処 分 の 費 用 な ど 限 界 費 用 ( 処 理 費 用 ) ・ 限 界 削 減 費 用 ( 予 防 費 用 ) 限 界 費 用 均 等 化 ○ 縦 軸 に 匚費 用 」, 横 軸 に 匚ご み 排 出 量 」 を と る と , 限 界 費 用 ( 処 理 費 用 ) や 限 界 削 減 費 用 ( 予 防 費 用 ) は ど の よ う な グ ラ フ に な るか 。 ○ 排 出 源 が 複 数 あ る と き の, 限 界 ( 処 理 ) 費 用 ・ 限 界 削 減 費 用 は ど う 考 え れ ば よ い だ ろ う か。 ・ ご み 排 出 量 が 増 え る ( 減 る ) と 限 界 削 減 費 用 は 減 少 す る ( 増 大 す る )。 し た が っ て , 限 界 削 減 費 用 (M AC) は右 下 が り の 曲 線 に な る 。 ・ ご み排 出量 が 増 え る ( 減 る) と 限 界 費 用 は 増 大 す る ( 減 少 す る )。 し た が っ て , 限 界 費 用 (MC ) は 右 上 が り の 曲 線 に な る 。 本 文 図 2 参 照 ・ 複数 の 排 出 源 の 限 界 費 用 , 限 界 削 減 費 用 を 均 等 化 す る こ と に よ っ て , 社 会 的 総 費 用 を 削 減 し な が ら よ り 多 く の 汚 染 物 質 排 出 を 削 減 す る こ と が で き る 。 8 −

(9)

総 費 用 効 率 的 排 出 水準 ○ 総 費 用 は ど の よ う に 表 さ れ る か 。 ○ ご み 排 出 削 減 の 努 力 を 全 く せ ず , ご み 処 理 の み を 行 う と す れば , 総 費 用 は ど う な る か。 ○ 総 費 用 が も っ と も 少 な く な る 点 を 考 え よ う。 ・ 横 軸 と限 界 費 用 曲 線 , 限 界 削 減 費 用 曲 線 に 囲 ま れ た 部 分 と な る。 ・ 排 出 量 はBaU, 総 費 用 は a 十b 十 c と な り , 多 大 と な る 。 ・ ご み 排 出 量 が e*よ り も多 い と き , 少 な い と き と も に , 総 費 用 は 過 大 と な る 。 し た が っ て , 限 界 費 用 と限 界 削 減 費 用 が均 等 に な る と き, 総 費 用 は最 小 と な る。 ⑦ ○ 総 費 用 が 最 小 で あ る と い う こ と は 何 を 意 味 す る だ ろ う か。 ・ 総 費 用 が 最 小 で あ る点 は, あ る 程 度 の ご み排 出 を 認 め る こ と に ほ か な ら な い 。 た とえ 総 費 用 は 最 小 化 で き な く と も, ご み 排 出 量 を 削 減 す べ き だ と い う 考 え 方 も 成 り 立 つ 。 へ 段 階 3 卜/ ご み 問 題 認 識 便 益 と 余 剰 ご み 処 理 と し て の ご み 処 理 サ ー ビ ス の 費 用 と 便 益 @ 今 度 は , も う 一 つ 主 体 を 増 や し, 匚ご み 処 理 サ ー ビ ス] を 考 え よ う 。 ○ ご み を 減 ら す の に は ど う す れ ば よ い か 。 ○ ご み 処 理 サ ー ビ ス に 定 額 を か け る とい う の は ど う か。 ・ ご み処 理 サ ービ ス の 価 格 を 高 く す れば よ い 。 ・ 指 定 袋 以 外 で ご みを 出 し て は い け な い こ と に す れ ば よ い 。 ・ ご み を多 く 出 し て も出 さ な くて も費 用 が 同 じ で は, 誰 も ご みを 減 ら そ う と は し な い ので は な い か 。 ・ 実 際 に は今 で も ご み 処 理 サ ー ビ ス に は 税 金 と い う か た ち で 定 額 が か け ら れ て い る 。 た だ そ れ が 見 え に く い だ け だ 。 ご み 処理 サ ー ビ ス の 需 要 と供 給 ご み 処理 サ ー ビ ス の 便 益 @ 具 体 的 な サ ー ビ ス と し て ご み 袋 の 有 料 制 に つ い て 考 え て み よ う 。 ○ 右 の 語 句 群 を , ご み処 理 サ ー ビ ス の 「 需 要 」 と 匚供 給 」 に 関 連 す る も のに 分 け て みよ う。 ・ 需 要 =指 定 ご み 袋 の 購 入 者 , 消 費 者 , わ た し た ち ・ 供 給 = 市 役 所 ( 清 掃 局 ), ご み 収 集 業 者 , 指 定 ご み 袋 の 販 売 者 く縦 軸 を ご み 袋 の 価 格 , 横 蚰 を 処 理 さ れ た ご み の 量 と し た と き に , 〉 ○ ご み袋 を 賈 う 人 た ち の ご み 袋 購 入 量 と 価 格 ( 支 払 意 思 額 ) と の 関 係 は ど の よ う に 表 現 で き る か。 ○ 上 の関 係 を ご み 処 理 サ ー ビ ス の 需 要 と 考 え て グ ラ フ に す る と ど う な る か 。 ○ グ ラ フ は 何 を 意 味 す る か 。 ・ ご み 袋 の 価 格 が 高 け れ ば ( 低 け れ ば ) ご み 袋 の 購 入 量 を 減 ら す ( 増 や す )。 し た が っ て ご み ( 環 境 汚 染 ) は 減 少 す る ( 増 大 す る)。 ・ 右 下 が り の グ ラ フ と し て 書 け る 。 ・ グ ラ フ は 消 費 者 に と っ て の ご み処 理 サ ー ビ ス の 需 要 曲 線 で あ り , 限 界 便 益 曲 線 で も あ る 。 ⑧ ご み処理 サ ー ビ ス の 費 用 ○ ご み 袋 の提 供 者 ( ご み 処理 サ ー ビ ス の 供 給 側 ) の 行 動 と ご み 袋 の 価 格 と の 関 係 は ど の よ う に表 現 で き るか 。 ・ ご み 袋 の 値 段 が 安 け れ ば , よ ほ ど 優 秀 な 提 供 者 し か 市 場 に 残 れ れ な い 。 し た が っ て 全 体 と し て の処 理 量 も 少 な くな り , そ の 分 汚 染 量 も 少 な い 。 ・ ご み 袋 の 値 段 が 高 け れ ば , よ り 多 く の サ ー ビ ス 提 供 者 が 市 場 に 参 入 で き る。 し た が って 全 体 と し て の 処 理 量 も増 大 し, そ の 分 , 汚 染 量 も増 大 す る 可 能 性 が あ る 。 ○ 上 の関 係 を ご み処 理 サ ー ビ ス の 供 給 と 考 え て グ ラ フ に す る とど う な る か 。 ○ グ ラ フ は 何 を 意 味 す る か 。 ・ 右 上 が り の グ ラ フ と して 書.け る。 グ ラ フ は サ ー ビ ス 供 給 者 に と っ て の ご み処 理 サ ー ビ ス の 供 給 曲 線 で あ り , 限 界 費 用 曲 線 で もあ る。 ⑧ ○ ご み 袋 の価 格 が p* の と き , ご み 処 理 に か か っ た 総 支 出 ( 総 収 入 ) は ど の よ う に 表 さ れ る か 。 ゜ p *χ q * -9−

(10)

消 費 者 余 剰 ○ ご み袋 の 価 格 が p* の と き , 消 費 者 の 余 剰 (総 便 益 一総 支 出 ) は グ ラ フ の 中 で は ど の よ う に 表 せ ば い い の だ ろ うo ・ 価 格 p* と消 費 者 のご み 袋 需 要 曲 線 で 囲 ま れ た 部 分 ⑧ 生 産 者 余 剰 ○ 価格 が p*の とき, ご み処 理 サ ー ビ ス生 産 者 の 余 剰 は グ ラ フ 中 に ど の よ う に 表 せ ば い い の だ ろ う。 ・ 価 格 p* と 生 産 者 の ご み処 理 サ ー ビ ス 供 給 曲 線 で 囲 ま れ た 部 分。( 総 収 入 一総 可 変 費 用 ) ⑧ 総 余 剰 ( 社 会 的 余 剰 ) ○ 総 余 剰 = 社 会 的 余 剰 ( 消 費 者 余 剰 十 生 産 者 余 剰 ) は ど の よ う に表 さ れ るだ ろ う 。 ・ 需 要 曲 線 , 供給 曲 線 と縦 軸 で 囲 ま れ た 部 分 。 ⑧ ⑨ iO 総 余 剰 = 社 会 的 余 剰 が 最 も大 き い の はど ん な 場 合 だ ろ う か 。       | 1)市 場 価 格 > 均 衡 価 格 の と き, 0 ご み処 理 サ ー ビ ス生 産 量 , ご み 処 理 支 出 , 消 費 者 余 剰 , 生 産 者 余 剰 , 総 余 剰 は ど う な る か ? サ ー ビ ス 生 産 量 =Q1 ご み処 理 総 支 出 ( 総 収 入) =PiOQiD 消 費 者 余 剰 =PIDA 生 産 者 余 剰 =P*CFD 総 余 剰 =ACFD し た が っ て , △ACE >ACFD 2)市 場 価 格く 均 衡 価 格 の と き, 0 サ ー ビ ス 生 産 量 は ど の よ う に な るだ ろ う か , 0 ご み処 理 サ ー ビ ス の 生 産 量 が Q2 の と き , ご み 処 理 支 出 , 消 費 者 余 剰 , 生 産 者 余 剰 , 総 余 剰 は ど う な る だ ろ う か ? 3)ご み袋 が 無 料 の と き は ど う か。 サ ー ビ ス 生 産 量 =Q2 ( な ぜ な ら, ご み 処 理 の よ う な 公 共 サ ー ビ ス に お い て は, 需 要 に 見 合 う 量 を す べ て 集 め切 ら な くて は な らな い の で ) ご み処 理 総 支 出 ( 総 収 入) =P2OQ2H 消 費 者 余 剰 = △ap2h 生 産 者 余 剰 =P2CF −FHG 総  余  剰 = △AP2H 十(P2CF −FHG ) = △ACE 一△EHG し た が っ て , ご み 袋 の価 格 が 均 衡 価 格 で あ る 場 合 ( 総 余 剰 = △ACE ) よ り △EHG の分 だ け 社 会 的 損失 が 生 ま れ る 。 ・ △EHGが 増 加 す る 分 だ け 総 余 剰 は さ ら に小 さ く な る。 ⑨ ⑨ ⑨ 限 界 価 格 均 等 化 原 理 ○ 総 余 剰 が も っ と も 大 き く な る 点 を 考 え よ う 。 ・ ご み処 理 サ ー ビ ス生 産 量 ( ≒ 環 境 汚 染 量 ) がQE よ り も多 い と き も少 な い と き も, 総 余 剰 は 減 少 す る。 し た が っ て, ご み 処 理 サ ー ビ ス 需 要 価 格 と, ご み 処 理 サ ー ビ ス 供 給 価 格 と が均 等 に な る と き , 総 余 剰 は 最 大 と な る 。 ○ 総 余 剰 が 最 大 で あ る こ と が , 社 会 的 に 最 適 で あ る こ と を 意 味 す る か。 ・ 総 余 剰 が 最 大 で あ る 点 は , あ る 程 度 の 環 境 汚 染 を 認 め る こ と に他 な らな い 。 ・ た と え ご み 処 理 サ ー ビ ス 価 格 を 高 く し て も, 環 境 汚 染 を 削 減 す べ き と い う 考 え 方 は成 り立 つ 。

ニノ

自 治 体 の 現 状 と課 題 ○ ご み処 理手 数 料 有 料 制 は現 在, ど の程 度 普 及 し て い る か 。 ○ 有 料 制 は ど の よ う に 行 わ れ て い る か。 ○ ご み処 理 費 用 はい く ら か ○ ご み袋 一 袋 あ た り で は い く ら か 。 ○ 以 上 か ら わ か る ご み 袋 有 料 制 の課 題 は 何 か 。 ○ 課 題 は 何を も た ら す か 。 @ 身 近 な 市 町 村 に お け る 有 料 化 の実 態 を 調 べて み よ う 。 ・ ご み 処 理 手 数 料 を 徴 収 し て い る 市 町 村 は家 庭 系 ご み( 粗 大 ご み を 除 く ) につ い て は42%, 事 業 系 ご み ( 同 じ く ) に つ い て は78 % で あ る(1997 年 )。 ・ し く み は大 き く は 定 額 制 と 従 量 制 に 分 け ら れ る 。 従 量 制 は さ ら に 単 純 方 式 , 二 段 階 方 式 ( 一 定 量 ま で は無 料 もし く は 定 額 で そ れ 以 上 は高 額 と な る方 式 ) な ど が 工 夫 さ れて い る。 ・ 従 量 制 の場 合 , 額 はさ ま ざ ま で さ る が , 家 庭 ご み 1 袋 (40 £あ た り 約40 ∼80 円 程 度 で あ る 。 ・ 一 般 廃 棄 物 の 処 理 費 用 の 全 国 平 均 は45300 円/トン (2000 年 ) で あ る。 ・ ご み の 比 重 を0.2 と す る と,40 j? で は8kg (40 ×0.2 ) な の で, 45.3 ×8 =362.4 円 とな る。 ・ ご み処 理 手 数 料 の 水 準 は, 社 会 的 利 益 (総 余 剰 ) を 最 大 化 す る か た ち で 設 定 さ れて い な い 。 ・ ご み 排 出 量 の適 切 な 減 量 化 に十 分 な 誘 因 が 与 え ら れ ず , こ れ で は ご み が 社 会 的 に の ぞ ま し い 水 準 に削 減 で き な い 。 ま た , 一 時 的 に 減 量 化 に 成 功 し て も す ぐ に リ バ ウ ン ド し て し ま う。 ・ 身 近 な 市 町 村 の 場 合 に つ い て 調 べて み る 。 ⑩ ⑥ ③ ④ 資 料 ①「 有 償で引 き取 られる新 聞紙, 逆有 償で引 き取 られる 新聞紙, 分別 収集 に出さ れた食 器, フ リーマ ーケット に 出された 食器・衣服, 使わず にダ ンス にし まい込 まれてい る衣 服など」。 資料 ② 廃棄物 学会編 (2003): ご み読本,p. 34。 資 料③ 環 境省編 (2003): 平 成15年 版 環境 白書。 資料 ④ 環境省 編(2003): 平 成15年版 循環型 社会白 書。 資 料 ⑩ 日引 聡 他(2002): 入門 環境経 済学,中 公新書, p.117, 資 料⑩ 日引 聡 他, 同上書, p.125. −10 −

(11)

費用

費用

資料⑤

資料⑦

e* e*

汚染量

BaU

費用

0 p 0

資料⑥-1

資料⑧

され

ミの

6。

おわ

りに

稿の

色は

以下の

2点に

1)環境

問題

を捉

えるに

あだ

っての

的な

知識

を環境

学に

おける

「効

率哇

」概

中心に

した

こと

2)

上の

率哇

いての

知識

を組み

込ん

だ社

棄物

境教

育の

ため

業モ

デル

を提

こと

稿が

した

問題ア

プロ

点は

,環

問題

対策

,経

か環

境か

,あ

いは効

か公

正か

とい

った根

な価

値観

対立

を含

二者

して

,それ

どの

値観

対立

を含

多様

で連

な選

肢間

ける効

な選

てい

点に

ある

また

本稿

,環

問題

を環

境経

的に

とら

えるための具体

的事象

して

,廃

棄物

しての

「ごみ

」を取

り上

げた

。ごみ

は社

会科

とって馴

染み

い教

ある

しか

しその

ごみ

ての

学的

認識

,小学校

以来

高校

で必ず

ごみ

しも

環境

深め

られ

学的

いる

とは

して十分

い難

。そ

認識

排出量

出足

費用

1 袋 あ た り の ゴミ 処 理 費 用 p pi p2 C  O

資料⑥-2

e*

資料⑨

0 QE 処理されたゴミのi Q2

汚染量

出量

されて来なかったか

らである

。廃

棄物やごみは汚

染と比べ

ても奥が

深く

,小学校か

ら高校にか

けて,

質を上げなが

ら何度も繰

り返

し学習する価値の

る教材である

こで今後は

,次の

3つの課題に取

り組みた

と考

えている

〈1〉効率性の視

点をごみの処理だ

けではな

発生抑制にも応

用すること。

〈2〉本授

業モデル

,効率吐

以外の視点からも

棄物対策

を考えるモデル

と組み

合わせる

こと

〈3〉中学

校ま

でをも一貫す

・高校のみ

る授

でな

業モデル

く,小学校か

を開発す

ら高等学

ること。

−n−

【註】

1)吉田文和(1998):

廃棄物と汚染の政治経済学,

岩波書店,

p.v.

2

)例

えば岩

田一彦(1991):

「社会事象のネ

トワー

クの探究と創造

,教育科学社会科教

育,

No.357,

p.l

24.佐長健

司(1998)

:ゴミ学習で進める環境教育,

明治

図書

,pp.86-87

,など.

3)山根栄次研究代表

(2000

):

「経済的視

点を取

(12)

入れ

た環

境教

育の

方策の

研究

,平成10-11

年度科

費補

果報

,p.5.

4)例

えば

,有田和

正(1996):

環境教

育と

しての

「ゴ

学習

明治

,な

ど.

)山根

次(1996),

社会

ける

環境

と経

育の

関係

「進

歩主

義的環

境教

」批判

,社

育研

究,

No.76,

p.2.

6)藤

コノエ(1995):

環境

学習

実践

ニュアル

土社,

p.128.

7)大

阪書

『中学

社会 

的分

野』

(平成13

定済

)p.7.

8)猪

武則(1994):

理的意

思決

定能

力を育成

る社会

科環

境教

育の

業構成

ンデ

ィアナ

州の

プラ

ン(EEE)

,社会

,第42

)猪瀬

武則(1994):

経済

的意

思決

定能

力を育成

る環境

学習

の授

業構

費用

便益

分析

,限界

分析

を中

にー

,社会

育研

究,

Na70.

10

)猪

武則

同上

書,

p.19.

n)文部省(1999):

中学校

習指

導要領

解説一

編pp. 134-135.

12

)文部省

(2000

):高等

学校

民科

習指導

要領

説 

民編

,p.90.

13

フィー

ドB.c.

(2002

):環境

学入

日本

社,

p.55.

14

)コル

ドC.D.

(2001)

経済

,有

閣,

p.69.

15

)廃

学会

(2003

):

新版ごみ

読本

央法

pp.24-25.

16

)寄

美(1990):

ごみ

リサ

,岩

書店

p.71,76.

17)

コル

,前

書,

p.71.

18)

19

コル

京都

ド,

局編

(2000

同上

書,

)京

pp.70-71.

市の

境,

p.15.

一工2

参照

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