は じ め に
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は入院
患者の約 20%に合併するといわれており1),世界的に
も予後良好とは言えない。集中治療領域においてはと くに頻度が高く2),腎機能代替療法(renal replace-ment therapy:RRT)を必要とする AKI はとりわけ
予後が不良とされる3)。AKI 患者の背景が多岐にわ たっていること(高齢者が多いこと,糖尿病,慢性 腎臓病,心血管系合併症などさまざまな合併症をもっ た患者が多くなっていることなど),AKI に対する根 本治療が確立されていないことが主な原因である。 RRT は AKI に対する補助療法として施行され,施 行条件の違いが予後に影響を及ぼすかどうかについ て多くの検討がなされてきた。RRT の血液浄化量, modality(持続か? 間歇か?)に関してはある程 度のコンセンサスは得られている。2019 年の最新 の総説において循環動態の不安定な AKI 患者に対 しては持続的腎機能代替療法(continuous renal re-placement therapy:CRRT)が望ましいが,予後に ついては間歇的血液透析(intermittent hemodialy-sis:IHD)に対する CRRT の有意性は認められない, と結論されている4)。また,RRT の開始時期は近年
総 説
急性腎障害に対する腎機能代替療法における至適血液浄化量
最もホットな問題であるものの,いまだ議論の余地 がある。こういった流れの中で,日本初の AKI のガ イドラインである AKI(急性腎障害)診療ガイドラ イン 2016 が出版された。このなかには AKI に対す る RRT に関してもいくつかの clinical question(CQ) が設けられている5)。本稿では AKI に対する RRT に関して,至適血液浄化量について概説し,現在世 界的に流行している新型コロナウイルス(COVID-19) 感染に合併する AKI に関しても少し解説を加える。Ⅰ.持続的腎機能代替療法(CRRT)に関する
外国のエビデンス
CRRT において血液浄化量は血液透析液量+限 外濾過液量であり,持続的静静脈血液濾過(continuous venovenous hemofiltration:CVVH)では限外濾過 液量,持続的静静脈血液透析(continuous venove-nous hemodialysis:CVVHD),持続的静静脈血液濾 過透析(continuous venovenous hemodiafiltration: CVVHDF)では血液透析液量+限外濾過液量と定義 される。CRRT の浄化量が最初に注目されたのは, 2000 年のイタリアで施行された Ronco らの無作為 化比較試験(randomized controlled trial : RCT)でりんくう総合医療センター腎臓内科1),和歌山県立医科大学腎臓内科2) 根木茂雄1),大矢昌樹2),重松 隆2) 論文受付 2020 年 4 月 22 日 同 受理 2020 年 9 月 28 日 連絡先 根木茂雄 〒 598-8577 大阪府泉佐野市りんくう往来北 2-23 キーワード 急性腎障害,腎機能代替療法,血液浄化量
要旨:急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は入院患者,とくに集中治療室の重症患者における重大な病態の一つ である。腎機能代替療法(renal replacement therapy:RRT)のめざましい進歩にもかかわらず,RRT を必要とする AKI の予後はいまだ不良である。そして AKI に対する持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy: CRRT)において至適血液浄化量はいまだ不明である。いくつかの単施設での検討で高用量の CRRT が予後改善につ ながることが報告され,AKI に対して高用量な CRRT が望ましいと考えられていた。しかしながら,血液浄化量を多 くしても予後改善にはつながらないことが二つの大規模無作為化比較試験により実証された。一方,わが国においては 海外とは異なり低用量の CRRT が標準であるが,低用量の CRRT と世界標準 CRRT との検証はなされていない。本稿 では AKI に対する RRT に関して至適血液浄化量について概説する。
ある6)。彼らは CVVH が必要な AKI 患者 425 例を 血液浄化量で 3 群(20mL/kg/h 群,35mL/kg/h 群, 45mL/kg/h 群)にランダム化して検討した。主要 評価項目の生存率(CVVH 中止 15 日後)は 20mL/ kg/h 群,35mL/kg/h 群,45mL/kg/h 群においてそ れぞれ,41%,57%,58%で,20mL/kg/h 群が他の 2 群に比し有意(p=0.007,p=0.0013)に短かった。 35mL/kg/h 群,45mL/kg/h 群において有意差(p=0.87) は認めなかった。Ronco らの報告以降,AKI に対 する血液浄化量として少なくとも 35mL/kg/h が望 ましいとされ,“sepsis dose” として認識されるよう にもなった。その後,AKI に対する CRRT の血液浄 化量を検討した RCT はいくつか報告されたが7 〜 9), 症例数が少なく,血液浄化量の増加が予後改善につ ながるかという疑問に対して結論がでるまでには至 らなかった。しかし,これらの論争は,2008 年, 2009 年に発表された二つの多施設大規模 RCT10,11) により決着がつくこととなった。一つめの RCT は 2008 年に米国において実施された the Veterans Affairs/National Institutes of Health Acute Renal Failure Trial Network(ATN)study である10)。1,124 例の AKI 患者を血液浄化量で強化群(n=563)と 通常群(n=561)にランダム化して主要評価項目と して 60 日全死亡率,副次評価項目としては院内死 亡率,腎機能回復率を検討した。強化群では循環動 態が安定している患者は週 6 回の血液透析(hemodi-alysis:HD),循環動態が不安定な患者に対しては 35mL/kg/h の前希釈の CVVHDF,あるいは週 6 回 の sustained low-efficiency dialysis(SLED)を施行 した。一方,通常群は循環動態が安定していれば週 3 回の HD,循環動態が不安定であれば 20mL/kg/h の CVVHDF,もしくは週 3 回の SLED を施行した。 60 日全死亡率は強化群,通常群でそれぞれ 53.6%, 51.5%と有意差を認めなかった(p=0.47)。院内死 亡率,腎機能回復率についても両群間で有意差を認 めなかった。二つめの RCT は Randomized Evalu-ation of Normal versus Augmented Level Renal Replacement Therapy(RENAL)study で, 豪 州 とニュージーランドで施行された11)。対象は 1,508 例の CRRT を必要とした AKI 患者で,血液浄化量 で高用量群(40mL/kg/h),通常用量群(25mL/kg/ h)にランダム化して,主要評価項目(90 日全死亡率), 副次評価項目(28 日全死亡率,ICU 死亡率,院内 死亡率,腎機能回復率,など)を検討した。90 日 全死亡率は高用量群(n=721),通常量群(n=743) でそれぞれ 44.7%,44.7%と有意差を認めなかった (オッズ比 1.00,95%信頼区間:0.81 〜 1.23,p=0.99)。 また,28 日全死亡率に関してもそれぞれ 38.5%, 36.9%(オッズ比 1.07,95%信頼区間:0.87 〜 1.32, p=0.52)と群間で有意差を認めなかった。しかしな がら,この二つの大規模 RCT の血液浄化療法の mo-dality において違いがあることに留意すべきである。 ATN study は CRRT と間歇的腎代替療法(intermit-tent renal replacement therapy:IRRT)を含めた 検討であったのに対して,RENAL study は CRRT のみを対象としていた。この 2 つの大規模 RCT の結 果を踏まえ,Prowle らは AKI に対する CRRT の血 液浄化量としては 40mL/kg/h 以上は有益ではなく, 20mL/kg/h 以下は避けるべきで,20 〜 25mL/kg/h が望ましいとしている12)。さらに,2012 年の Kidney Disease : Improving Global Outcomes(KDIGO)の AKI 診療ガイドラインにおいても AKI に対する CRRT の浄化量として 20 〜 25mL/kg/h を推奨して いる13)。また,CRRT の血液浄化量に関してメタ解 析も報告されている14,15)。上述した 6 つの RCT6 〜 11) (n=3,185)を対象とした 2016 年のコクラン共同計画 のメタ解析において,血液浄化量の増加(浄化量≧ 35mL/kg/h)が予後改善や腎機能回復に関して有益 な結果をもたらすとは言えず,低リン血症のリスク が増加すると結論している14)。一方,2018 年に Wang らは 7 つの RCT(n=3,682)を検討した15)。この検討 はコクラン共同計画のメタ解析と異なり,IRRT 施行例 も対象としていた。高用量群(処方量:35 〜 48mL/ kg/h)と標準量群(処方量:20 〜 25mL/kg/h)間 で主要評価項目の 28 日全死亡率,60 日全死亡率とも 有意差を認めなかった。しかしながら,副次評価項目 である腎機能回復率(28 日)に関して,高用量群で 透析依存率が高かった(relative risk:RR 1.15,95% 信頼区間:1.00 〜 1.33,p=0.05)。さらに超高用量 (65 〜 100mL/kg/h)と高用量の CRRT を比較した RCT も 6 編報告されているが(表 1),死亡率に関 していずれも有意差を認めなかった16 〜 21)。
Ⅱ.間歇的腎代替療法(IRRT)に関する外国
のエビデンス
AKI に対する CRRT の浄化量を検討した RCT は 少なくないが,IRRT に関してはわずか 3 編10,22,23) しかない。Schiffl らは RRT を必要とした AKI 患者 160 例を連日 HD 群,隔日 HD 群にランダム化して 14 日全死亡率を検討した22)。連日 HD 群(n=74)で 28%,隔日 HD 群(n=72)で 46%と連日 HD 群で 有意に(p=0.01)死亡率が低かった。また,腎機能 回復までの期間も連日 HD 群(9±2 日)で隔日 HD群(16±6 日)に比し有意に(p=0.001)短かった。 しかしながら,本検討は不適切なランダム化,隔日 HD 群の浄化量が極めて少なかった(週あたりの Kt/Vが 3.0±0.6)こと,など問題点も指摘されている。 また,ATN study においても IRRT は強化群では 週 6 回の HD(Kt/V:1.32±0.37),標準群では週 3 回の HD(Kt/V:1.31±0.33)が施行されていた10)。 しかしながら,ATN study は CRRT も施行されて おり,ランダム化に問題があり,純粋に IRRT の浄 化量を検討した研究とはいえない。Hannover Dialy-sis Outcome study は 7 つの ICU の AKI 患 者 157 例を強化 SLED 群,標準 SLED 群にランダム化して 14 日生存率,28 日生存率,28 日腎機能回復率を検 討した23)。強化 SLED 群(n=81)では BUN 値が 90mg/dL 未満,標準 SLED 群(n=75)では 120 〜 150mg/dL を維持できるよう施行した。14 日生存率, 28 日生存率はそれぞれ 70.4% vs 70.7%(p=0.97), 55.6% vs 61.3%(p=0.47)と有意差を認めず,腎機 能回復率も群間で差がなかった(60% vs 63%, p=0.77)。このように,AKI に対する IRRT の至適 浄化量を検討した大規模研究はないが,KDIGO の AKI 診療ガイドラインは Kt/V が 3.9/ 週を推奨し ている13)。
Ⅲ.日本における AKI に対する CRRT の浄化量
わ が 国 の ICU に お け る AKI に 対 す る RRT の modality は CRRT が主流であり,全体の 80%を占 めている24)。日本の AKI に対する CRRT の標準的 な血液浄化量は 15 〜 20L/ 日程度である。しかし この量は医学的なエビデンスに基づいたものではな く,保険適応上認められている血液浄化量で決定さ れているのが現状である。日本の ICU 入室患者の 平均体重を 60kg とすれば,10 〜 15mL/kg/h に相 当し,海外の推奨量(20 〜 25mL/kg/h)の約 1/2 となる。日本の標準量を海外の推奨量と比較検討し た RCT はなく,2 つの観察研究が報告されている のみである25,26)。Fujii らは CVVHDF を施行した AKI 患者 131 例を後ろ向きに検討した25)。浄化量の 中央値が 16.7mL/kg/h で,これより多い浄化量を高 用量群(n=62),少ない群を低用量群(n=69)とし て予後(院内死亡率,ICU 死亡率),生存者における 透析依存率を検討した。予後,透析依存率ともに両 群で有意差を認めなかった。Uchino らは Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care(JSEPTIC)trial のデータと the Beginning and Ending Supportive Therapy(BEST) for the kidney studyのデータを後ろ向きに比較して, 日本における低用量の CRRT の効果について検討し た26)。JSEPTIC trial,BEST kidney study の浄化 量はそれぞれ 14.3mL/kg/h,20.4mL/kg/h(p<0.001) と日本における CRRT の浄化量は有意に少ないもの の,予後に関しては,ICU 死亡率,院内死亡率はそ れぞれ 46.1% vs 55.3% (p=0.003),58.6% vs 64.2% (p=0.070)と低用量 CRRT でも予後悪化をきたさな かった。また,退院時生存者間での透析依存率は 11.3% vs 14.5% (p=0.39)と両群間で有意差を認めな かった。しかしながら,両群間で浄化量だけでなく, 年齢,Simplified Acute Physiology Score(SAPS)Ⅱ などに差があった。また,CRRT のモードに関して も,日本では CVVHDF が最多(71.1%)で次いで表 1 超高用量の血液浄化量を検討した RCT
著者 発表年 文献No 国 対象 (解析後)症例数 modalityRRT standard-volume high-volume outcome Ghani RA 2006 16 マレーシア (単施設) 臓器障害を伴った sepsis or septic shock 33 CVVH 35mL/kg/h 100mL/kg/h 30 日,45 日,50 日 生存率:両群で有 意差なし Boussekey N 2008 17 (単施設)フランス AKI 合併のseptic shock 19 CVVH 35mL/kg/h 65mL/kg/h 28 日 mortality:両群で有意差なし Zhang P 2012 18 (単施設)中国 AKI 合併の sepsis 280 CVVH 50mL/kg/h 85mL/kg/h
28 日,60 日, 90 日 mortality: 両群で有意差なし Joannes-Boyau O 2013 19 フランス, ベルギー, オランダ (18 の ICU) AKI 合併の septic shock 137 CVVH 35mL/kg/h 70mL/kg/h 28 日 mortality:両群で有意差なし Park JT 2016 20 (2 施設)韓国 AKI 合併の sepsis 212 CVV- HDF 40mL/kg/h 80mL/kg/h 28 日 mortality:両群で有意差なし Chung KK 2017 21 (7 施設)米国 septic shock と AKI を合併した 熱傷患者 33 CVVH 20 〜 35mL/kg/h 70mL/kg/h 28 日 mortality: 両群で有意差なし
CVVHD(23.6%),CVVH(5.2%)であるのに対し て,世界では CVVH が標準的(52.8%)で,CVVHDF (34.0%),CVVHD(13.1%)と差があった。二つの 検討は後ろ向き研究であり,質の高い前向き研究に より日本の低用量の CRRT が世界標準量に比し死 亡率悪化,高い透析依存率につながらないかどうか 検証する必要がある。
Ⅳ.処方量(prescribed
dose)と実施量(de-livered dose)
CRRT において処方量(prescribed dose)と実 施量(delivered dose)は異なることを認識してい る臨床家はそれほど多くない。処方量とは CRRT に携わっている救命医や腎臓内科医が CRRT 開始 時に設定する血液浄化量であり,実施量とは実際に 施行された血液浄化量と定義される。理論的には処 方量は補充液量+透析液量+除水量,実施量は(補 充液量+透析液量+除水量)×(濾液中の尿素窒素 濃度 / 血中尿素窒素濃度)となる。実施量が処方量 のどの程度なのかは報告により異なるものの,おおよ そ 70 〜 90%とされる(表 2)。最大規模の RCT であ る RENAL study11)において実施量 / 処方量(%) は強化群,標準群でそれぞれ 84%,88%で,また ATN study10)においては 89%,95%であった。処 方量と実施量を検討したのは Venkataraman ら27), Vesconi ら28),Claure-Del Granado ら29), な ど が あげられる。処方量と実施量の解離が生じる要因は 患者に関連する因子と治療に関連する因子の二つの タイプに分類できる30)。患者に関連する因子とし ては尿素産生率,尿毒症性物質の分布,AKI 患者 における volume overload などが考えられる。一方 治療に関連する因子として重要なのは,CRRT 施 行のバスキュラーアクセスとしてのカテーテル,浄 化膜の性能低下で,それ以外にも治療の中断(回路 凝固による中断,CT などの検査や手術などの処置 による中断)も実施量に影響を及ぼす。実施量は処 方量より少なくなることを踏まえ,KDIGO の AKI 診 療 ガ イ ド ラ イ ン に お い て AKI 患 者 に お け る CRRT の浄化量 20 〜 25mL/kg/h を達成するため に は 25 〜 30mL/kg/h の 処 方 量 が 必 要 で あ り, CRRT の中断を最小限にすることが必要である13), と明記されている。また,2020 年の最新の総説に おいて Ronco らは AKI に対する CRRT の浄化量は 20 〜 25mL/kg/h が望ましく,この量を達成するに は処方量と実施量の違いを認識して多めの処方量が 必要である,と結論している31)。Ⅴ.COVID-19 と AKI
新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)によって 引き起こされる急性呼吸器疾患(coronavirus dis-ease 2019 : COVID-19)が 2019 年 11 月に中華人民 共和国湖北省武漢市で発症し,その後中国全土に広 がり,世界的流行に拡大した。COVID-19 は呼吸器 疾患であるが,重篤化すれば AKI を合併すること 表 2 CRRT における処方量と実施量 著者 発表年 文献 No modality 処方量(mL/kg/h) 実施量(mL/kg/h) %(実施量 / 処方量) Ronco C 2000 6 CVVH Group1:2:3=32.4±5.3: 57.6±7.1:71.9±9.2(L/24h) Group1:2:3= 30.9±6.2:55.7±8.2: 68.2±9.3(L/24h) 全例が少なくとも 85%以上 Venkataraman R 2002 27 CVVHD,CVVH,CVVHDF 24.46±6.73 16.55±5.41 68 Saudan P 2006 7 CVVH,CVVHDF ultrafiltration CVVH: CVVHDF=25±5:24±6 dialysis dose CVVH: CVVHDF=0:18±5 記載なし CVVH:CVVHDF=87±11:83±16 Tolwani AJ 2008 9 CVVHDF 標準量:高用量= 20:35 median 標準量:高用量= 17:29 median 標準量:高用量=74%:79% (実施量 / 処方量が 80%以上 であった割合) Palevsky PM 2008 10 CVVHDF 標準量:高用量=21.5±4.3:36.2±3.8 標準量:高用量=22.0±6.1:35.8±6.4 標準量:高用量=95±35:89±39 Bellomo R 2009 11 CVVHDF 標準量:高用量=25:40 標準量:高用量= 22±17.8:33.4±12.8 標準量:高用量= 88±34:84±27 Vesconi S 2009 28 CVVH,CVVHD, CVVHDF 34.3(27.3 〜 42.9)median 27.1(22.1 〜 33.9) median 79 Claure-Del Granado R 2011 29 CVVHDF 30.2(25.3 〜 35.8)median 22.3(16.6 〜 28.3)
が少なくない。5,449 例の COVID-19 感染者を対象 としたニューヨークの多施設の後ろ向き観察研究に よると,AKI の頻度は 36.6%,RRT を必要とした 頻度は AKI 患者の 14.3%であった32)。また,院内 死亡率は AKI 合併患者では 34.8%と非 AKI 合併患 者の 5.6%に比し有意(p<0.001)に高かった。Shao らは 2020 年 6 月 20 日までに報告された AKI と CO-VID-19 に関する 40 の検討をメタ解析した33)。症例 数は 24,527 例と 2020 年 8 月末の時点では最大規模 であり,AKI の合併頻度は 10%(0.5 〜 49.3%),院 内死亡率は AKI 合併患者では非 AKI 合併患者に比 し有意に高かった(63.1% vs 12.9%,p<0.01)。この 解析には含まれていないが,AKI の合併頻度が最も 高かったのはフランスのボルドー大学の 4 つの ICU における検討(n=71)であった34)。18 歳以上の重 症の COVID-19 患者 71 例を対象としており,AKI の合併率は 80%(n=57)で,このうち 18%(n=10) が RRT を必要とした。このように AKI 合併頻度が 報告によりかなり差があるのは対象患者の重症度が 異なることに起因するものと考えられる。日本での AKI と COVID-19 に関する大規模な検討はまだ報 告されていない。
お わ り に
AKI,とくに RRT を必要とする AKI 患者の予後 はいまだ良好とは言えない。AKI に対する RRT の 浄化量に関しては,多くしても予後改善にはつなが らないことが大規模 RCT にて実証された。しかしな がら,日本の低用量の RRT が世界標準となり得るの か,大規模な検討で検証されることを期待したい。 利益相反の申告: 重松 隆:講演料(協和キリン株式会社,小野薬 品工業株式会社,キッセイ薬品工業株式会社) その他の著者において開示すべき利益相反はない。 文 献1) Susantitaphong P, Cruz DN, Cerda J, et al : World incidence of AKI : a meta-analysis. Clin J Am Soc Nephrol 2013 ; 8 : 1482-93.
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Shigeo Negi1), Masaki Ohya2), Takashi Shigematsu2)
The optimal dose of renal replacement therapy in acute kidney injury Department of Nephrology, Rinku General Medical Center1)
Department of Nephrology, Wakayama Medical University2)
Acute kidney injury(AKI)is one of the most serious conditions among hospitalized patients, particularly for criti-cally ill patients in the intensive care unit. Despite significant advances in dialysis technology, the mortality in pa-tients with AKI severe enough to require renal replacement therapy (RRT)remains unacceptably high. Several single center studies have revealed that high intensity CRRT is associated with improved mortality. Since then, it has been thought that intensive CRRT should be desirable for patients with AKI. However, two large multicenter randomized controlled trials have shown that higher doses of continuous RRT(CRRT)for AKI do not lead to im-proved survival. On the other hand, in Japan, patients with AKI usually receive lower doses of CRRT. To date, stud-ies have not verified whether significant differences in survival result from the CRRT dose used in Japan versus the international standard dose. We discuss the optimal intensity of CRRT in critically ill patients with AKI.
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