幼児の気質と母親の育児感及び育児ストレスとの関係に関する研究
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(2) . 北海道教育大学紀要 (教育科学編) 第52巻 第2号. 4 年 2月 平 成1. l 52 i i ty of Edu嫌t on) Vo Journalof Ho l山岡do UniveIsi on (Educat . .2 , No. Feb 1ma 1 : y ,. 2002. 幼児の気質と母親の育児感及 び育児ストレスとの関係に関する研究. 戸 田 須恵子 北海道教育大学釧路校教育心理学研究室. はじめに. )は 生ま れ つ き 持 っ て い る 性 格 特 徴 と して 考 え られ, 自 己評 価 の で き な い乳 幼 児期 を 気 質(Temperament )の 中 心 に 研 究 さ れ て き た. 気 質 の 研 究 と して 最 も よく 知 られ て い る の は 四)omas ch(1968 r , & Bi , Chess. ニューヨーク縦断的研究である. 彼等は, 縦断的研究から9つのカテ ゴリーを提唱した (活動水準:身体運 動の活発さ, 周期の規則性:睡眠・排他などの身体機能の規則正しさ, 接近/回避:新しい刺激に対する最 初の反応, 順応性:環境変化に対する慣れやすさ, 反応強度:泣く・笑うなどの反応の現れ方の激しさ, 気 分の質:親和的行動・非親和的行動の頻度, 気の散りやすさ, 注意の持続性と固執性:特定行動の持続性, 敏感さ:反応の閥値) . 特に子どもの行動特徴を活動水準, 周期の規則性, 接近/回避, 順応性, 反応の強 f五cu l ld) t chi 度, 気 分 の 質 の 側 面 か ら測 定 し, 子 ども を 扱 い にく い 子 ども (Di , 扱 い や す い 子 ども(賦asy lnt i ld)と ld), 中 間 的な 子( ld) e chi ermed at chi , エ ン ジ ンが か か る の が 遅 い 子 ども(S1ow‐to‐warm-up chi 分 類 して い る‐ 彼等の研究をもとに, Ca r eyらによって乳幼児の気質に関する質問紙が開発さ れ現在広く使 lna1 用さ れている. 質問紙 は生後4‐8 ヶ月 の乳児用 質問紙(RITQ:Revi re sed1応云ant Temperament Questiol Carey &. : Todd lard, ler Temperament Scale Ful 1 78 McDe汎t t , 9 )と 1-3 才 の 幼 児用 質問 紙(TTS. i 1n 血 h 顕 IS l & Cmey 1 ) Mcpe浜tt , , 984 , (BSQ: Be a ora tye Questo・. )と 子 ど Mcpe頃tt i狂ey ,& C ,1975. もの年齢によって分かれている. しかし, 乳幼児の気質の測定は母親に記入してもらうため, 観察者から見 in t た 行 動 と 相 関 が 低 く 信 頼 性 や 妥 当 性 が 問 題 と さ れ て き た‐ 例 え ば, Hube靴, Waches ters ‐Maf , Pe ,& iabni )は気 質 につ い て 検 討 した結 果, 社 会 性 (Soc Gを ty)の み ニ ュ ー ヨ ーク 縦 断 的研 究 と 一 致 し 1982 t建 ( 虹・do. ていたことを報告している. このような問題を抱えながらも現在も乳幼児の気質研究には上記に挙げた質問 紙が広く使用されている. 日本においても日本語に訳さ れ気質研究で使用さ れている. 994 )が乳幼児期の行動特徴の 1 さて, 日本での気質に関する研究としては菅原・島・戸田・佐藤・北村( I E も TQ)及び幼児用質問紙(TTS)を使用している. 彼等は, オリジナルのRITQ及び四rsを日 研究で乳児用( 本語に翻訳し, 質問紙の妥当性を検討した結果, オリ ジナルの9特性に関しては, 日本でそのまま使用する ことに対して問題があることを指摘している. 彼等はオリジナルの分類の基準となる9特性を使用しないで, 98 ) もRITQとBSQを使用して乳幼児の気質を測 19 独自に因子分析によって7因子を抽出している. 水野 ( 定 して いる‐ 気 質 は9 特性 に基 づ い て 扱 い にく い子, 扱 いやす い 子, エ ン ジ ンがか か り にく い 子, 中 間 的な. 子とオリ ジナルに沿って分析 し, 気質と育児ストレスとの関係を研究し, 気質的に扱いにくい子どもを持つ 母親ほど育児ストレスが高いことを報告している‐ 菅原らや水野はRITQを使用して乳児の気質も測定し, 幼児の気質との関連性も検討し, どちらも乳児期の気質と幼児の気質とは関係があることを報告している. 従って, 菅原らが使用し た門rsと水野が使用 したBSQは殆ど似ており, どちらも9特性から幼児を4 タイ )で抽出された7因子の項目を使用して質問紙を プに分類するようになっている. 本研究では菅原ら( 1994 17.
(3) . 戸. 田 須恵子. 作成した. 又, 戸田( 200 0 )は幼児の気質と育児ストレス及び母親の養育態度との関係を研究し 幼児の感 , 情的な気質, うつ的な気質, 未熟/頑固な気質が育児ストレスと正の相関が認められたことを報告している . 戸田の研究は, 幼稚園に通っている幼児を対象にしており, そのため幼児 でも低年齢用のCar らの質問紙 ey とは異なる. とは言え, 水野( 98 19 )や戸田( 2000 )の研究から気質と育児ストレスとは関係があることが推 測 で き る. 又, 菅 原 o北 村 ・ 戸 田・ 島・ 佐 藤 o 向井( 199 9 )は, 乳幼児期の気質と11年後の子どもの問題行 動 と の 関係 を 研 究 し, 気 質 と そ の後 の猛xt l繍ingな 問 題 行 動 と 関係 があ る こ と を 報 告 し て お り, 気 質 が ema. その後の行動特性の原点であることを示唆している. 近年, 母親が育児に関して不安を持ち, 相談室を訪れるケースが増加してきている 以前は自分の母親に . 相談したり, 近所の子育て経験者などとの交流によって子育てにつ いていろいろな意見とか情報を得ながら 子育てをしていた. しかし, 現代社会では, 家族形態も殆どが核家族であり 近所との交流は殆どなく 仕 , , 事を持たない母親は当然家に閉じこもることになる. 特に, 子どもが小さい程その傾向が見られる 実際 ‐ , 母親から育児の情報はどこから得るのかという質問に対して, 本からと答えるものが殆どであった 特に初 . めて子どもを持った母親にとって本は唯一頼りになる情報源であり 我が子が教科書どおりに育っているか , どう か で一 喜 一 憂 しな が ら育 て て いる の である こ のよ う な 状 況 で はス ト レス が生 じや す いの で はな い かと .. 考えられるが, 悩みや不安を解決しなが らの子育ての過程は又, 母親として成長する過程でもあると言われ る. 柏木o若松( 94 19 )は, 幼児を持つ母親を対象に育児感と母親感につ いて研究している. 多くの母親は , 育児に対して肯定的な感情を持ちながらも, 育児に対する否定的感」 情も持ついわ ばアン ビバ レントな心理状 況にあり, 又, 職業を持った母親の方が肯定的育児感を持っており, 専業主婦の方が育児に対する否定的感 情 が 強 いと い う 結果 を 出 し て いる. こ れ は, 職 場 と家 庭 との 切 り 替 え 職 場 で のコミ ュ ニケー シ ョ ンな どに ,. よって育児ストレスを解消している母親に反して, 多くの専業主婦は子どもを持つ他の主婦との交流が少な く, 時には一日中家庭で子どもと向き合っており, 育児に対する不安やストレスを増加させていることが示 唆される. このような現象は, 核家族や少子化現象といった社会の変化に随伴しているように思われる . このように母親の育児不安やストレスの大小は, 母親が子どもをどのような子として見るかに影響がある のではなかろうか. 即ち, 母親が子どもを育てる過程で育児をどの程度煩わしいと思うのかということと関 連がありそうである‐ 例えば, 幼い我が子が泣いている時, その泣きがうるさく神経にさわればいらいらし それがスト レスとなり, そのような母親は泣きを沈めようと子どもを虐待するという方向に進む可能性もあ る. 又, そのような母親は子どもを否定的に見ている傾向があるのではないか 水野( 99 8 )が報告してい 1 . るように, 幼児を扱いにくい子 (否定的評価) と見る母親はストレス度も高くなることが考え られる さら ‐ に, 水野の研究では, これらの関係は子どもとの分離不安や母親役割感とも関連性があることを報告してお り, 他の変数との関連性は, 育児スト レスを持つ 母親がどのような特徴を持った母親であるか推測すること ができる. 例えば, 自分は何かしたいのだが子どもが母親から離れないか ら何もできないと強く思えばそれ がス ト レス と な っ て いく 可 能 性 が高 い こ とが 予 測 でき る の で はなか ろう か .. 以上の先行研究から本研究の目的は, 幼児の気質と母親の育児感及び育児ストレスとの関係を検討するこ とである. 仮説としては, 幼児を否定的に見たり, 子どもとの分離不安が高い母親ほど育児ストレスが高く , そのような母親は伝統的な母親の役割感を持っているであろう ‐ 方. 法. 被験者:市が企画した母親講座に出席した母親36名である しかし 1名は無回答項目が多かったためデー ‐ , タ分析からはずした. 母親の年齢は平均3 1才 (範囲25一39才) 9ヶ月 (範囲1 3ヶ月~ , 幼児の年齢は平均24 . 1 8.
(4) . 幼児の気質と母親の育児感及び育児ストレスとの関係に関する研究. 7人 (一 人 っ 子 20人, 2 人 - 8 人, 3 人 - 6 人, 4 49ヶ月, 男 児15名, 女 児20名) . , 幼 児 の き ょ う だ い は1. 人-1人) であった. 又, 母親の殆どは専業主婦であり, 5人が週2日程度パートで働いていた. 働いてい 0時間と比較的短時間であった. 従ってその時間は子どもは託児所, 保育園, 幼稚園 る時間数は週4時間~1 な どに 預 け られ て い た.. 手続き:釧路市 が母親のために 「子育て学習」 として1才半~4才半の子どもを持つ母親を対象に講座を企 画した‐ この企画は, 毎週1回, 9回に渡っていろいろな講座が開かれ, その中の一回が, 「幼児の発達心 理の基礎」 講座で筆者が担当 した. 質問紙は講座の開講前に母親に配布し, 筆者の講座の時に回収した. 質問紙:質問紙 は気質と母親の心理に関する質問の2種類からなっている. 幼児の気質に関する質問は62項 l 4 )の研究で使われたTTS (Todd 199 r Temperament scale) 日 e 目から構成さ れている. 質問紙は菅原ら( 本語版を利用 した. この剛rsは本来97項目から構成さ れているが, 菅原等が因子分析を行い, 7因子 (合計 62項目) を抽出しており, 各因子は, オリ ジナルの気質のカテ ゴリー分類とはやや異なる項目から構成され ている. 本研究では, 回答者の人数が少なく, 因子分析は不可能であるため, 菅原等の7因子をカテ ゴリー と して そ のま ま 使用 す る こと に した (1. 見 知 らぬ人 o場 所へ の恐 怖, 2. フ ラス ト レー ショ ン e ト レ ラ ン. 3‐ 周期の規則性, 4. 視聴覚的敏感さ, 5. 反応の激 しさ (反応強度) , 注意の持続性と固執性, 7. る の6段階評定である. 味覚。触覚的敏感さ) . 回答は1 「ほとんどない」 ~6 「ほとんどいつもそうであ 」 ス,. 6 2,28 尚, 菅 原 等 の 因 子 分 析 結 果 と 各カ テ ゴリ ー の 内 容 を 見 て 項 目02 , , 33 ,23 ,25 , 2, 7 ,13 ,22 , 05 ,08 , 04 ず しも菅 は必 れ 逆 転項 目 した らの 点 を逆 転 34 . こ , 59 , 60は分 析 時 に得 , 55 ,56 ,51 , 54 , 42 ,43 , 44 ,35 ,36. 原らのものとは一致していない. 又, 母親の育児感に関する 質問紙は27項目から構成さ れている. 20項目は 0)か ら抜 粋 して い る. 回 答 は 0 水 野(1 9 98)の 研 究 か ら抜 粋 し, さ ら に, 7 項 目 は戸 田 の 研 究(20 1 「全く な い」 2 「た ま に あ る」 3 「時々 あ る」 4 「よ く あ る」 の4 段 階評 定 とな っ て い る. 又, 分 析 時 に. 5分 程度である. は項目9,19は得点を逆転した. 回答時間は約1. 結果及び考察 1. 気 質 につ い て Tabl e 目こはカ テ ゴ リ ー別 に 各 項 目 得 点 が 示 して あ る. カ テ ゴリ ー 「見知 らぬ人 o 場 所 へ の 恐 れ」 で は,. 得点が高いほ ど人見知りがなくなっていることを示している. 項目35を除いて他の項目は3以上であり, 対 象者の子 どもは殆ど人見知りをしないということを示している. このことは, 子どもは人なつっこく 社交的 傾 向 を持 っ て い る と い う こと で あ ろ う. カ テ ゴリ ー 「フ ラス ト レー シ ョ ン o ト レラ ンス」 で は, 比較 的 得点 7% は2 才 未 満 の が 低 い 項 目 が 多 い‐ 子 ども はあ ま り じ っ と して い な い と い う こ と で あ ろう. 参加 者 の65 . 子 ども を持つ 母 親 で あ る か ら, 年 齢 的 にま だ 落ち 着 き が な い の は無理 か らぬ ことで あ ろ う. カ テ ゴリ ー 「周. 6の得点が低い. 昼寝をする時間が日によって異なるようである. 他の項目は得点が 期の規則性」 では項目3 高く, 睡眠や食事の生活習慣が確立しつつあると言える. カテ ゴリー 「視聴覚的敏感さ」 ではどの項目も得 点が高く, 子ども達は視聴覚が敏感なようである. カテ ゴリー 「反応の激しさ」 では項目得点が比較的高い‐ 子どもは何か自分に都合の悪い事が発生した場合, 行動とか声で反応するようである. しかし, このカテ ゴ 51である. この 事 は, こ のカ テ ゴリー 内の 項目 内容 が グルー プと してま とま っ リ ー の 信 頼度係 数 は低く α =‐. ていない事を示している. 例えば, 項目50が他の項目とは少し異なる内容であり, 初めて見るものをすみず みまで調べることが ジタバタする行動と同一の反応行動としてグルー プ化されると考えられるかどうかとい う疑問がある. このような質問項目のまとまりのなさがα係数の低さにつながったといえる. 今後, 内容を 検討する必要があろう‐ カテ ゴリー 「注意の持続性と固執性」 においては, どの項目も得点が高い. つまり, 19.
(5) . 戸. 田 須恵子. Tabl el. 幼児の気質における項目得点 1. 見 知 ら ぬ人・ 場 所へ の 恐 れ NQ. 03 .. 得 点(SD). 94 α =. 項. 目. .. 4 26(1 67 ) . . 3 06(1 70 ) . .. な れな い場 所 に初 め て 行 っ た 時で も機 嫌 がよ い . 初 め ての 人 にあ ず けよ う とす る と いや がる.. 1 4 .. 6 4 34( 1 7 ) . .. 初めての場所を探索する時, 活発に動きまわる.. 15 . 24 .. 3 83( 1 81 ) ‐ . 4 14(1 91 ) . .. 知 らな い大 人 に遊 ん で も らう 時 も. に こ にこ して い る .. 29 .. 3 20( 1 84 ) ‐ .. 知らない大人にも, すぐに話しかける (声をかける) .. ‐ 38 .. 2 77( 1 86 ) . . 3 54( 1 70 ) ‐ .. 初 め ての 場 所 で は最 初の 数 分 間, 用 心 深く な る . 家 の外 で, 初め て の 大人 と も気 軽 につ きあ う.. 48 .. *0 5. *3 5. 家 に初 め て きた 客 に近 寄 っ て いく.. 3 66( 1 95 ) . .. 自分 の家 で は, 知 らな い 人 がそ ばにき て も最 初 か ら平 気で あ る .. *5 5. 4 83( 1 ) 58 . .. よ そ の子 どもに初 め て会 っ た時 は, そ っ ぽを 向 いたり 母 親 に しが みつ い た り して し り ごみ す る.. *5 6. 4 51( 1 63 ) . .. 初 め て の人 に は15分 た っ て もま だ警 戒 し て い る.. *6 0. ‐. 69( 1 53 ) 4 . .. 初 め ての 場 所 (ベ ビーカ ー ・ 遊 びの コ ー ナー 等) に入 れる と 親 が そ ばにい て も , こ わ がる.. 61 ‐. 4 09(1 84 ) . ‐. 新 しい 環境 に も, 10分以 内で な れる.. ‐. .. 2. フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス NQ. 得 点(SD). 83 α =. 項. 目. 06 . 07 .. 3 23( 1 42 ) . . 3 09(1 56 ) ‐ ‐. 欲 しい もの や やり た いこ と を数 分 間待 たさ れ て も がま ん して待 て る . 服 を着せ て も らう 時, じ っ と して いる.. 11 . 20 .. 2 83( 1 ) 50 . ‐ 2 69( 1 43 ) . ‐. 食 事 を待 つ 間, じ っ と座 っ てい る.. 21 ‐ 37 ‐. 2 86( 1 57 ) . ‐ 3 34( 1 66 ) . .. 40 ‐ 46 .. 3 97( 1 38 ) . ‐ 3 40( 1 ) 72 . .. 47 . 57 .. 3 03(1 62 ) . ‐ 2 17( 36 1 ) . .. お な か が す いて い て も- 食 事 が 準備さ れる の を機 嫌 よく 待 つ . 顔 をふ く 間, 身 を よ じ っ た り 顔 をそ む けたり しな い で お と な しく ふ かせ る . いや が らず に服 の 脱 ぎ着 をさ せ る. して はい けな い事 を しよ う と した 時, 言 い聞 か せ れ ば聞 か せ れ ば や める . 髪 をと か した り 爪 を切 っ たり し てい る 間, じ っ と して いる . 顔 をふ いて いる 間, 機嫌 よく して い る. お 風 呂の 中 で は じ っ と 静 か に して いる .. 3. 周 期 の 規 則 性 NQ. 得 点(SD). α =.76 項. 目. 01 . 18 .. 4 97( 1 12 ) . ‐ 3 83( 1 44) . .. 19 ‐ *2 8 ‐. 4 66( 1 ) 45 ‐ . 3 71(1 74 ) . .. 昼 寝 や夜 に 寝 か し つ け られる 時 機嫌 が よ い.. *3 6. .. 2 2 9( 1 49 ) . .. 昼寝したがる時刻が臼によって3 0分以上もずれる.. 39 .. 4 51( 1 52 ) . .. 1 日の 中 で, 最 も 活動 的に なる 時間帯 は一定 し て い る .. .. 4 6( 1 46 8 ) ‐ .. 朝, 目を覚ます時刻がその日その日で1時間以上もずれる.. 49 ‐ 53 .. 4 29( 1 38 ) ‐ ‐ 4 11( 1 81 ) . .. 食 事 時間 に は空腹 に な っ て いる.. *4 4. 2 0. 毎 晩 だい た い きま っ た 時刻 に眠く な る. 食 事 の 時に 食 べ る 量 は, 毎 日 ほとん ど 同 じ で あ る . おや つ を欲 しがる 時刻 は, 日 によ っ て ま ちま ち で 1 時間以 上 もず れる .. 寝 床 に入 っ て か ら眠るま での 時 間 は一 定で あ る.
(6) . 幼児の気質と母親の育 児感及び育児ストレスとの関係に関する研究. α =‐77. 4. 視 聴 覚 的 敏 感 さ. 目. NQ. 得 点(SD). *0 8. ‐ 12 ‐. 00(1 21 4 ) . ‐ 4 26(1 56 ) . .. 部 屋 の 中 で物 音 が して も して いる 事 を 続 ける.. 16 ‐. 21 4 63(1 ) . . 5 17(1 10 ) ‐ ‐. 母 親 が部 屋 へ 入 っ てく る と, 遊 び を中 断 して 母 親 の 方 を見 る.. *2 7. 33 4 06(1 ) . . 4 89(1 08 ) ‐ ‐. 誰 か側 を通 る と, 遊 びをや め てそ ち らを見 る.. *4 2. 17( 1 34 5 ) ‐ ‐ 94 ) 5 23(‐ ‐. 電 話の ベ ルや ドア の チ ャイ ム が 鳴る と 食 べる の をやめ て 音 の した方 を見る. 他 の子 ども たちの遊 ん で いる 声 が聞こえる と, している 事をや め てそち らを見る.. 5 34(1 06 ) ‐ .. 電 話 の ベ ルや ドア の チ ャイ ム が 鳴る と 遊 びをや め て音 の した方 を見 る. ・. ‐ 41 ‐. . 45 .. 52 ‐ 62 ‐. 項. 誰 か側 を 通 る と, 食 べる の をや め て そ ち らを見 る. 自動 車 のク ラク ショ ンや ドア の ベ ルが 聞 こえ て も気 に しな い で絵 本 を 見続 ける. 外 か ら突 然 大 きな 音 が 聞 こ え て も, オ モ チ ャ で の遊 びを続 ける.. 5. 反 応 の 激 しさ (反応 強度) NQ. 09 . 17 .. 得 点(SD). 2 0( 61 4 1 ) ‐ . 4 5 4( 1 36 ) . .. *2 3. ‐. 4 26(1 44 ) . .. 30 . 3 1 . ‐. 91( 1 56 ) 3 ‐ . 66 3 31(1 ) . ‐. *3 3. .. 3 40( 1 82 ) . .. 50 ‐. 4 46(1 ) 15 . ‐. 51 α =‐ 項. 何か失敗をした時は, 強い反応を示す (泣く・じだんだ踏む) . 自分の思い通りにならないと激しく反応する (泣き叫ぶ・金切り声) . お 気 に いり のオ モチ ャ で遊 ん で いる 時 は, 声 を か け られて も無 視す る (気 が つ か な い).. 遊 びがうま く いかな いと, 泣い た り 金 切 り 声 をあ げたり す る. 取 乱 したり 泣い たり する 時, 足 を バ タ バ タ さ せ たり 腕 を振 回 したり す る.. 好きなテレビ番組を見ている時は, 親に呼ばれても最初の1回は無視する (気が つ か な い).. 初 め て 見る ものが あ る と, 立ち 止 ま っ て す みず みま で調 べる.. 6‐ 注 意 の 持続性 と 固執 性 NQ *0 2. 得 点(SD). 目. 64 α =‐ 項. 目. 4 51(1 42 ) ‐ ‐ 5 00(1 24 ) ‐ ‐. 静 か な 活動 の 間, 落 着きな く 身 体 を動 か す.. *0 4. 4 ) 14(1 56 . . 4 66(1 33 ) . .. お 気 に入り のオ モチ ャ でな ら10分 間以 上 も続 けて遊 ぶ.. *2 2. 00(1 61 ) 4 . ‐ 09(1 3 80 ) . ‐. 他 の子 どもたち と 遊 ぶの は, せ い ぜ い 5 分位 で す ぐ別 の と ころ に行く.. 14(1 40 4 ) . . 3 48 ) 54(1 . .. テ レ ビを 見 て いて も10分 も しな いう ち に別 の 活動 にうつ る.. ‐. ‐ io . .. *2 6. ‐. *3 4. ‐. *5 4. ‐ 58 .. 親 と の 遊 びに集 中す る の は, せ い ぜ い 1 分 間 ほ ど であ る. 運動 を 続 ける の は, せ いぜ い 5 分 位であ る‐ 新 しいオ モチ ャ や 遊 びで も 1 時間 も しな いう ち にあ き る. 新 しく 覚 え た技 能 を10分 間以 上 や り 続 ける.. 7. 味覚 ・ 触 覚的 敏感さ NQ. 得 点(SD). 75 α =. 項. 目. * 13 ‐ *2 5 ‐. 4 89( 1 49 ) ‐ ‐ 4 57(1 54) . .. 32 ‐. 4 20(1 97 ) ‐ ‐ 4 06(1 73 ) . .. 服 が濡 れる と 気付 き, す ぐに替 え て も らいた が る.. *4 3. *5 1. 6( 1 4 1 40 ) ‐. 快・不快を問わず, においは無とんちゃくである.. *5 9. 4 77(L24 ) 」. ふ だ ん 食 べ て いる 食 べ物 の 味や 固さ の 違 い に 無と んち ゃ く で ある.. ‐. ‐ ‐. 牛 乳 のタイ プや ジ ュ ース の 種 類 が違 っ て も, 味 の 違い に は気 ずか な いよ う だ. 暑 い日 で も寒 い日 で も, 気 温 の 違 い に 気 付かな い. 汚 れて も, い っ こ う に気 に しな い.. *は逆転項目 21.
(7) . 戸. 田 須恵子. 子どもは何かをする時には集中してやる傾向が見られるということであろう. カ テ ゴリー 「味覚・触覚的敏 感さ」 においても得点は高く, 味覚や触覚が十分に発達していることを示していると言える. このように項 目の得点によって子どもの発達もかなり推測できる. Tab l e2. 気質カテ ゴリー別得点とグループ別分散分析結果 カ テ ゴリ ー. l‐ 見知らぬ人・場所への恐れ. 得 点 (SD). F(3 31 ) ,. 2‐ フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス. 3 92(1 36 ) . ‐ 3 06(‐ 96 ) .. 3. 周期の規則性 4. 視聴覚的敏感さ. 4 14(. 88 ) . 4 75(‐ 73 ) .. 5 .70. 5. 反応の激しさ (反応強度) 6. 注意の持続性と固執性. 4 01(. 77 ) . ) 79 4 14(. .. ‐63 7 ‐63. 7. 味覚o触覚的敏感さ. 42(1 4 05 ) . ‐. 12 77 .. 19 ‐62. p. Post hoc test. ***. 3 1 2>4 , , 4 1>31>2 ,. **. 4 1>3 ,. ***. 2 1>3 , 4 1>3 2 , ,. 11 90 O . ‐52. N =35*p<.05. ** < 01 p ‐. *** < 00I p .. Table2 は7 つ のカ テ ゴ リ ー の 平均 得 点 が 示 して あ る. . 各 カ テ ゴ リ ーの 得 点 はい ず れ も高 い. 幼 児 の 平均. 年齢が24 9才であり, この年齢としては十分に発達していると考えることもできるが, しかし, 約66%が2 . 才未満であることを考えれば, 親は子どもの気質に対して比較的肯定的に見ていることが推察される. これ らのカ テ ゴリーに対して性差が見られるのか一要因分散分析を行っ たがいずれのカ テ ゴリーにおいても有意 差は認められなかった. 次に, この6 2の気質項目に対して, 被験者間で特徴が見られるかどうかクラスター 分析 を 行 っ たと ころ(平 方 ユーク リ ッ ド距 離) , 4つ の グルー プに分 け られ た. 第 1 グルー プ は17名, 第 2 グ ルー プ は11名, 第 3 グルー プ は5名, 第 4 グルー プ は2名 か ら成り 立 っ て いた 各 グル ー プの 人 数 に 大きな . 隔たり があり 問題 で はある が, 7 つ のカ テ ゴリ ー に お いて こ の4 グルー プ間 で有 意差 が 認 め られる か一 要 因 分散 分 析 を 行 っ た. 有 意 差 が 認 め られ た カ テ ゴリ ー に 対 してSche様eによ るPos tを 行 っ た (Tabl t hoc tes e. 2) . カテ ゴリー 「見知らぬ人・場所への恐れ」 において有意差が認められた. 多重比較の結果, 第4グルー プの 得 点 が 他 の グルー プよ り 最 も 低 か っ た (3 5 60 3 03 12). 即 ち 第 4 グルー プ の 幼 児 は他 1 - - - . . ‐ , 1432 ,2 ,4. の幼児より見知らぬ人・場所に対して恐れを持つことがわかった. このカテ ゴリーは人見知りの発達とも関 連があると思われる. そこで各グループの幼児の年齢を調べて見ると, 第4グルー・ プの幼児の年齢は平均 18 5ヶ月で最も低く, 「見知らぬ人・場所への恐れ」 の得点が低かっ たことでは理由の一つとして年齢が考 . え ら れ る. カ テ ゴ リ ー 「フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン o トレランス」. に対しても有意差が認められた. 多重比較の結. 果, 第3 グルー プ は第 4, 第 1 グルー プと 比 較 して 有 意 に 得点 が低 か っ た (冬3 90 3 66 2 14 ) - - ‐ . . ‐ 又, 第 ,1 ,3 2 グルー プ は第 1 グル ー プよ り 有 意 に 得 点 が 低 か っ た(1 3 66 2 39) ‐ - ‐ . . 第 3 グループや第2グループは他 ,2 の グルー プと 比 較 して フ ラス ト レー ショ ンに対 して 耐 性 が 低 いと 言え る カ テ ゴリ ー 「周 期 の 規則 性」 にお .. いても有意差が認められ, 多重比較の結果, 第3グループは, 第4, 第1グループより得点が低かった (冬 5 22 4 50 3 38) - - . ‐ ‐ . 第 3 グループの幼児 は第4, 第1グループの幼児より睡眠や食事などの生活習慣が ,1 ,3 まだ確立されていないと言える. カテ ゴリー 「視聴覚的敏感さ」 「反応の激しさ」 においては有意差は認め られなかった. カテ ゴリー 「注意の持続性と固執性」 においても有意差が認められた. 多重比較の結果 第 , 3, 第 2 グルー プ は第 1 グルー プよ り 得 点 が低 か っ た( 4 3 23 1 59 3 80 ). 即 ち, 第 1 グルー プ は第 3 - - ‐ . . ‐ ,3 ,2. 及び第2グループの幼児より持続性や固執性が高いと言える. カテ ゴリー 「味覚・触覚の敏感さ」 において も有意差が認め られた‐ 多重比較の結果, 第3及び第2グループは第4, 第1グループより有意に得点が低 か っ た(4 5 42 5 08 74 3 3 30) - - - - ‐ ‐ . ‐ ,1 . 第 4 及 び第 1 グルー プの 幼 児 は第 2 及 び第 3 グルー プの幼 児よ り 味 ,2 ,3 22.
(8) . 幼児の気質と母親の育児感及び育児ストレスとの関係に関する研究. 覚・触覚がより敏感であると言える.. 霧見知らぬ人・場所への恐れ 璽フラストレーション・トレランス. 国周期の規則性 圏視聴覚的敏感さ 圏反応の激しさ 圏注意の持続性と固敏性 2. 3. 母親の類型. Figurel.. 幼児の気質に基 づく母親の類型. こ の よ う に グ ル ー プ 間 で の 特 徴 をFig ー口el に示した. 各グループの特徴として, 第1グループは全体的. にどのカ テ ゴリーに対 しても得点が高いという特徴が見られた. 各グループの年齢を比較すると第1グルー 8ヶ月で最も高かった. 2才半くらいになるとこれらの気質特徴は安定する方向に プの幼児の年齢は平均30 ‐ 変化していくと言える. 従来, 一般に気質は生物学的な (身体的機能) 要因から評価されていることを考え ると, 特に乳幼児期では年齢から見た気質の発達的変化を検討することも必要ではなかろうか. 第2グルー プ は 「フ ラ ス ト レー ショ ン・ ト レラ ンス」 の 得 点 が 他 のカ テ ゴ リ ー と 比 較 して 最 も低く, 「見 知 らぬ 人 ・ 場. 所への恐怖」 得点もやや低い. 即ち, このグループの幼児は物事に対して じっと待っていたり, 我慢するこ とができない幼児達である‐ 第3 グルー プ は, 他 のカ テ ゴリ ー と比 較 して 「見知 ら ぬ人 o 場 所 へ の 恐れ」 の 得 点 が 最 も高く, 「フ ラ ス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス」 の 得 点 が 低 いと いう 特 徴 が 見 られる. 即 ち, 見 知 ら. ぬ人・場所への恐れはなく人なつっ こい一方, 物事に対してはじっと待っていられないという気質特徴が見 られる. 又, 第 4 グループは 「見知らぬ人o場所への恐れ」 の得点が非常に低いという特徴が見られる‐ 即 5 ち, 見 知 らぬ人 ・ 場 所 に 対 して, 非 常 に怖 がる と いう こ と で あ る. この グルー プ の幼 児 の 平均 年 齢 は, 18 . ヶ月 と 人 見知 り をす る 時期 であ る の で得 点 が当然 低く な る と 考 え られ る が, フ ラス ト レー ショ ン・ ト レラ ン. スに対しては得点が高いことから, この グループの特徴は年齢の低さからくるのではなく臆病な幼児という イ メ ー ジ が浮 か ぶ. このよ う に各 カ テ ゴリ ー は グルー プ間で そ れ ぞれ 特 徴 が見 ら れた が, これ らのカ テ ゴ リ ー 間の 関係 は どう か, 相 関 分析 によ っ てそ の 関係 を 見 たの がTabl e3 で あ る. カ テ ゴ リ ー 「フ ラ ス ト レ ー シ ョ ン ・ ト レ ラ ン ス」. 01 )と正の 01 ) 「味覚o触覚的敏感さ」 ( 0 5 )「注意の持続性と固執性」(p<. は, 「周期の規則性」( p<‐ p<. 05) 相 関 が 認 め られ, 「反 応 の 激 しさ」 と は負 の相 関が 認 め られ た(p<. . フ ラス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス. が発達し, 日常生活にも規則性が見られ, 持続性のある幼児は, 対人及び対物的出来事においてジタバタす るような激しい行動はしないと言える. 又, カテ ゴリー 「視聴覚的敏感さ」 と 「反応の激しさ」 とは弱いな 0 ) がらも負の相関が認められた( 5 p<. . 視聴覚に敏感な幼児ほど対人・対物的出来事に対して激しい行動は 23.
(9) . 戸. 田. 須恵子. Tab l e3. 気質カ テ ゴリ ー間 の相 関 カ テ ゴリ ー /. 2. -. 1324. 1 2. 3. -‐ 0916 3356* ‐. 3. 4. 5. -‐ 1517 1225 ‐. -- 0076 * -. 4217 -‐ 1493. 0526 .. -. 3458*. 4 5. 6. - - 0542 ‐. 7. -. 0593. ** .4953. ** .4295. 2011 ‐ 0914 .. 2581 ‐ 0951 ‐. -‐ 1603. -‐ 0951 ** ‐4481. 6 7 鱒. N =35. *p< 05 .. ** < 01 p ‐. 1 見知 らぬ人・ 場所へ の 恐 れ. 5反応の激しさ. *** < 001 p ‐. 2 フ ラス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス. 6注意の持続性と固執性. 3周期の規則性 4視聴覚的敏感さ. 7味覚・触覚的敏感さ. しないという関係である. カテ ゴリー 「注意の持続性と固執性」 と 「味覚・触覚的敏感さ」 と正の相関が認 められた( 01 ) p<. . 注意の持続性や固執性と 味覚や触覚の発達とが関連があるという結果は, 医学的に脳の 働き と 味覚と は深 い 関係 があ る こ と がわ か っ て いる の で そ れ を実 証 した と 言え よ う さ らに これ らのカ , . , テ ゴリ ー と 年 齢 と の 関係 を見 た と こ ろ, 「フ ラ ス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス」 に お い て 正 の相 関 が 認 め られ. た( 40 0 5 ) r=. . 即ち, 年齢が低い幼児を持つ 母親ほど子どもはすく フ ラ ス ト レー ショ ン状 態 に陥 る と ,p<. 答 え て い る. 又, 「注 意 の持 続性と 固 執 性」 に つ い て も 正の相 関 が 認 め られ た( 49 01 ) r=. . 即 ち, 年齢 , p<‐. が低い幼児を持つ母親ほ ど子どもは注意の持続性が低いと答えており, 発達的見地から見てもうなづける . 又, 「味覚・触覚的敏感さ」 においても正の相関が認められた( 56 001 ) r=. . 即ち, 年齢の低い幼児を ,p<. 持つ母親ほど子どもは味覚・触覚が敏感でないと答えている‐ このような3カ テ ゴリーにおいては幼児の年 齢によって母親の評価が異なるものの, 母親は幼児の気質を評価する際に身体的機能の発達 (年齢) を考え て 評価 し て いる こと が推 測 できる.. 2. 母親の育児感及び育児ストレスにつ いて Table4は母親の育児感及び育児ストレスに関する項目得点が示してある カテ ゴリー 「母親の分離不安」 . 2「子どもと離れていると楽しめない」 が最も得点が低い. 即ち, 母親は子どもと離れていても では, 項目1 子 どもの こと を 心 配 する こ と はなく 楽 しむ 傾 向 があ る という こ と で あ る カ テ ゴリ ー 「子 ども にと っ て の分 .. 離必要感」 につ いては, 母親はいずれの項目も高い得点を示しているのでこれらの事は子どもにとって必要 だと感じているのであろう‐ 回答者の子どもの年齢は平均2 4 9ヶ月である. 最低年齢は1 3ヶ月でありまだ母 ‐ 親との分離が難しい時期でもあると考えられるが, 母親は, 自分のやりたい事 (例えば この母親講座を受 , けたりすること) を可能にするため に, 母親から離れることも必要だと考えているのかもしれない カテ ゴ ‐ リー 「伝統的母親役割感」 については全体的 に得点が低い. このカテ ゴリーは得点が高いほど伝統的な母親 の役割感を示すということであるから, 本研究の結果は, 専業主婦で家を守り 子どものために犠牲を払い , , 家事・育児に勤しむという伝統的な母親感にとらわれない現代的母親感を持っていると言える カテ ゴリー . 「育児ストレス」 について見ると, 項目2 3「子どもを育てる事が主人との争いを生じさせている」 と項目2 5 「私自身の自由な時間なのに, 自分の時間とは感じられない」 の2項目において得点が低く これらの事柄 , か ら はあま り ス ト レス を感 じな いと いう こと で ある このカ テ ゴリ ー‘ の 中で, 項目21 「育児 ノイ ロ ー ゼ にな .. る母親の気持ちが何となくわかるような気がすることがある」 の得点が高く, 母親自身そのような思いにと らわれた経験があるので得点が高くなったのではなかろうか. 2 4.
(10) . 幼児の気質と母親の育児感及 び育児ス トレスとの関係に関する研究. Tabl e4.. 母親の育児感に関する項目得点 80 α =.. 1. 母親の 分 離不 安 (6項 目) 01 .. 99 ) 2 69(. ‐. 05 ‐. 2 63( 1 09 ) ‐ ‐ ・. .. .. 08 ‐ 12 .. 2 06(‐ 80 ) ‐ 9 1 7 4 ( 8 ‐ ) .. 18 .. 95 ) 2 49(‐ ‐. 子 ども と離 れ て いる 時, 子 ども を 抱 いた り して や れな い こ と をさ び しく 思 う. 子 ども を預 けて 外 出 した 時, 母 親 がそ ばにい て や らな いの で, さ び しい の で はな い か と 気 に な る こ と が あ る‐. 子 どもか ら離 れて いる と, 子 どもの い ろ い ろな こ と が 気 にか か る (お 腹 をす か し て い な い か, さ び しが っ て はい な いか と 気 になる) 。 子 どもか ら離 れて い ると, とて も孤 独で, 子 どもの こ と を恋 しく 思 う. 子 ども と離 れ て いる と 楽 しめな い. い つ も子 ども を 自分 の 目 の届く と ころ に 置 いて お き た い. 76 α =‐. 2. 子 ども に と っ て の 分 離必 要 感 (5項 目) No .. 04 ) 2 54(1 ‐ .. 13 .. 97 3 14(‐ ) .. 14 ‐. 3 63(. 69 ) .. 15 ‐. 92 ) 03(. 3 ‐. 16 ‐. 29(. 89 ) 3 ‐. ベ ビー シッ タ ーや 保 母 は育 児の ベ テラ ンな の で, 彼 女 たち に預 け られる こ と は子 ども に と っ て よ い経 験 にな る と思 う. 離 れる とき 泣 い たり して も, 上手 に相 手 を してく れる 人 がい れ ば, 子 ども は数分 もた て ばケロ ッ と して 遊 び始 め, 楽 しい ひ とと き を 過 ごす と 思う. 子 ども は, 保 育所・ 託 児所 ・ 幼 稚 園 で過 ごす こと によ っ て, 家庭 で は得 られな い よ う な 経 験 を する と 思う. 子 ども のた め に は, 母 親 で あ る 自分 と離 れて, あ る 一 定 の 時 間 を過 ごした方 がよ い と 思 う.. 母 親 以 外 の 他 人 と過 ごす こと は, 子 ども に と っ て 必要 な こ と だ と思 う. 73 α =‐. 3. 伝統 的母 親 役割 感 (5項 目) No .. .. ・. 10 . 17 .. 24 2 37(1 ) . ‐ 86 ) 1 83(‐ .. 19 .. 81 ) 1 57(‐ ‐. 20 .. 2 04 ) 57(1 ‐ ‐. 女 性だか らと い っ て 家庭 に 閉 じこ もるので はなく, 自分 の視 野を広 げるため にも, 働 い たり, 外 で の活 動 に参 加 したい. 経済 的 に ゆ とり があ れ ば, 子 ども を預 けて ま で 働く 必 要 はな い と思 う. 「子 どもを育 て, 家 庭 を守 る の が 女 性の 責 任 で あ る」 と いう 考え に 賛成 で あ る. 信 頼 して 子 ど もを預 け られ る 人 が いれ ば, 仕 事 (パ ー ト) を 持 っ た り, 習 い 事 を し て み た い と 思 う.. 自分 の楽 しみ はがま ん して で も, で き るだ け子 どもの そ ばに いて やり たいと思う.. 4. 育 児 ス ト レ ス (11項 目). 得 点(SD). 目. 項. 得 点(SD). ,. 目. 項. 得 点(SD). 11 .. 目. 項. 得 点(SD). NQ. α =‐83. 項目. NQ 02 ‐. 09) 2 86( 1 ‐ .. 03 ‐. 2 96 ) 71(. ‐. 04 ‐ 07 ‐ 21 ‐. 94 2 63(‐ ) . ( 8 8 2 5 7 . ) ‐ 3 09( 1 01 ) ‐ ‐. 子 ども に必 要 以 上 に厳 しく あ た っ て しま う こ と があ る. 育 児の 自信 が なく な る こと があ る. 育児ノイ ロ ー ゼ になる 母 親の 気持ち が 何 となく わ かる よう な気 がする ことがある‐. 22 ‐ 23 ‐. 2 71( 1 10 ) . . 75 ) 1 71(‐ ‐. 子 どもの 要 求 に沿う た め, 計画 を変 えな けれ ばな らな い. 子 ども を育て る 事 が, 主 人 との 争 い (口論) を 生 じさ せ て い る.. 24 ‐ 25 ‐. ) 2 09(‐ 85 ‐ 89(‐ 83 ) 1 ÷. 子 ども は大 人 の会 話や 話の 邪 魔 をす る. 私 自 身 の 自 由 な 時間 な の に, 自分 の 時間 と は感 じられな い‐. 26 ‐. 95 ) 2 49(. ‐. 子どもの世話の為に, 家事, 仕事, 家族, 趣味, 外出などが妨害される.. 27 .. 90 ) 2 80(‐ ‐. 子 ども は, 公 衆の 場 所 でき ちん とす る の は難 しい‐. 自分 の 視野 が 狭く な っ たよ う に 感 じる こ と があ る. 子 ども に時 間 が かか り, 自 分 のや り たい こと が でき なく な っ て しま う とあ せ る こ と が あ る.. *は逆転項目 25.
(11) . 戸. 田 須恵子. Tab l e5. 育児感カ テ ゴリー別得点とグループ別分散分析結果 カ テ ゴリ ー. 得 点(SD). F( 3 31 ) ,. l.母 親 の 分 離 不 安. 2 ‐39( .69). 14 45 .. 2‐子 どもに と っ ての 分 離 必 要感 3.伝 統 的母 親 役割 感. 3 13( 65 ) . . 1 98( 67 ) . ‐. 12 81 ‐ 8 30 .. 4.育 児 ス ト レ ス. 2 57) ‐50( .. 10 .72 N =35. Table5には各カテ ゴリーの平均得点が示してある .. * < 05 p .. p. Pos t hoc test. ***. 32>4 3>12 , ,. 3 1>2 , 3>4 3 2>1 , ***. 132>4 1>2 ,, ** < 01 * ** < 00I p ‐ p .. これらの得点から見た全体的な母親像は子どもを少. しでも自分から分離させる必要があると感じ, 伝統的な母親 になる事は考えない 育児ストレスは少し持っ , て いる と い っ た 母親 像 が 描 かれる よう で あ る. 次 に, 育 児ス ト レス か らの 母 親 の 特徴 を 見る た め に カ テ ゴ ,. リー 「育児ストレス」 の項目得点を加え てストレス総合得点を算出し, その合計得点から高 中 低の3グ , , ルー プ に分 け (第 1 グルー プ10名, 第 2 グルー プ15名 第 3 グル ー プ10名) 4つ のカ テ ゴ リ ー を 従 属 変 数 , ,. として一要因分散分析を行った. 有意差が認められた場合は Sche掻eによ って多重比較を行った その結 , . 果, カ テ ゴリ ー 「育児ス ト レス」 の み に有 意差 が認 め られ た (F( 1 33 )=110 54 001 ) ‐ ‐ 多 重 比較 の結 果, , ,p<‐ 第 1 グルー プ は第 2, 第 3 グルー プよ り 有 意 に 得 点 が低 か っ た(1 78 2 1 55 3 16) - - - ‐ . ‐ . 即 ち, 第 1 グルー ,2 ,3 プの母親 は他の グルー プの母親よ り育児 に関 してあま りス ト レス を感 じていな いよう である 他のカテ ゴリー .. についてはグループ間で有意差は認められず他のカテ ゴリー得点は比較的差のない得点であっ た そこで . , 育児感 全 体か ら母親 の 特 徴 を見る ため に, 4つ のカ テ ゴリ ー を基本 に し てク ラス タ ー 分 析 (平 方ユーク リ ッ ド距離) を行 っ た. そ の 結 果4つ の グルー プ に分 け られ た (第 1 グルー プ16名 第 2 グルー プ10名 第 3 グ , , ルー プ6名, 第 4 グル ー プ3名) グル ー プ間 に 人 数 のア ン バ ラ ンス が見 られ る が 各カ テ ゴ リ ー を従属 変 . ,. 数として一要因分散分析を行っ た. 有意差が認められた場 合にはSche掻eによって多重比較を行った 結果 . はTab l e5 に示 してある. 表か ら分 かる よ う にす べ て のカ テ ゴリー で有 意 差 が 認め られ たの で, Sche団eによ. る多重比較を行った. その結果, カ テ ゴリー 「母親の分離不安」 につ いては第4グループは第3及び第2グ. 得. 4. 点 3.5. l l …. 1 1 ‐. --. 一… …潮壷. … … : =. ‐ … …. 盤母親の分離不安 圏子どもにとって分離必要感 国伝統的母親役割窓 図育児ストレス 1. 2. 3. 4. . 育児感に基づ〈 母親のの類型. Figure2. 26.
(12) . 幼児の気質と母親の育児感及び育児ス トレスとの関係に関する研究. 3 39 2 35 - ルー プよ り 得 点 が 低く, 第 3 グループは第1及び第2 グルー プよ り 得点 が 有 意 に低 か っ た (3 - . ‐ , ,2 グルー プ は第 3 及 び第 1 グ 1-2 39 ) .23 . . カ テ ゴ リ ー 「子 ども に と っ て の 分 離 必 要 感」 につ いて は, 第 2 , 1 ゴ 2 38 ) 3 44 3 50 ルー プよ り 得 点 が 有 意 に低 か っ た (3 - - - . ‐ . カ テ リ ー 「伝 統 的母 親 役 割 感」 につ い て は第 . ,2 ,1 4 グルー プ は第 3 グループより得点が有意に低く, 第2グループは第3及 び第1グループより得点が有意に 1 33). 第 1 及 び第 4 グループの母親はあまり伝統的な母親の役割意識 1 65 63 2 32 2 低 か っ た (3 - - ‐ - ‐ . . . ,4 ,2 ,1 は持 っ て いな い こと が 分 か っ た. カ テ ゴ リ ー 「育 児ス ト レス」 につ い て は, 第 4 グルー プ は他 の グルー プよ 2 2 30 86 41 - - り得点が有意に低く, 第2 グル ー プ は第 1 グルー プ よ り 有 意 に得 点 が 低 か っ た (1-2 . . ‐ ,牛 ,3 ,2 1 48). 又, こ れ らのカ テ ゴ リ ー で 性 差 が あ る か どう か 分 散 分 析 を 試 み た が どの カ テ ゴ リ ー に 対 して も 有 意 . 差 は認 め られな か っ た. Tabl e6.. カ テ ゴリ ー. 母親の育児感におけるカテ ゴリー間の相関 1. 1. 母親の分離不安 2. 子どもにとっての分離必要感. 2. 3. 4. ー‐ 1148. * ‐3781. 2257 . 2155 .. -. 1333. 3. 伝統的母親役割感. 0263 ‐. 4. 育 児 ス ト レス * < 05 p ‐. ** < 01 p .. *** < 001 p ‐. こ れ らの 結 果 か ら, 各 グル ー プ の 母 親 の 特 徴 を 示 した の がFi gu1e2 で あ る. 第 1 グルー プ で は伝 統 的な. 母親の役割を意識することなく, 子どもにとって母親との分離が必要であると感じているといった傾向が見 られ, 他 の グル ー プよ り 育児 ス ト レス が高 い母親 であ る. 第 2 グルー プの母 親 は, す べ てのカ テ ゴリ ー にお い て平均 得 点 が2 と3 の 間 に 集 中 して い る ことか ら, この グルー プの 母親 は何 事 にも ほ どほ どにとい っ た 傾 向 を持 つ 母親 像 がイ メ ー ジさ れる. 第 3 グループの母親は, 子どもとの分離に最も不安を持つと同時に, 子 どもにと っ て母 親 と分 離 する こ と が 必要 だ と感 じて いる と い っ たア ン ビバ レ ントな 感 情 を 持 っ て いる母 親 達. である. 第4グループの母親は, 子どもにとって母親と分離する事が必要であると感じ, 子どもとの分離に は殆ど不安を持たず, 伝統的な母親の役割意識も持たず, 育児ストレスも殆ど持たない母親といった特徴を 持 っ て い た. いわ ゆる 現 代 っ 子 的母 親と い っ た感 じがす る. さ らに, グルー プ別 で 子 ども の年 齢 を見 る と, 25ヶ月, 2 22 3ヶ 月, 3 24ヶ月, 34 7ヶ月) 第 4 グルー プの 子 どもの 年 齢 が 最 も高 か っ た (1 ‐ ‐ ‐ . ‐ . 幼児の年齢が 高く な る に従 っ て 育児ス ト レス が低く な る と は考 え られな い. 育児ス ト レス と して 挙 げた 質 問 項 目が3 才 ご. ろになると不適切なものとなるのか今後の検討課題と言えよう. カ テ ゴリ ー 間 の相 関 を 見 る た め に相 関 分 析 を 行 っ た. そ の 結 果 はTabl e6 に 示 して あ る. 表 か らわ か る よ. うに有意な相関が認められたのは母親の分離不安と伝統的母親役割感との間に正の相関が認められただけで あ る( 05) p<‐ . 即 ち, 子 どもと 離 れ る こ と につ いて 不安 の 高 い母 親 ほ ど伝 統 的な 母 親 の役 割 を 意 識 して いる という こ と で, この 結果 は仮 説の 一部 を実 証 した‐ そ の他 のカ テ ゴリ 間に は有 意な 関係 は認め られなか っ た.. 又, これらのカテ ゴリーが年齢と関係があるのか相関分析をおこなったがいずれも有意な関係は認められな か っ た. 即 ち, 母 親 が 持 つ ス ト レス を含 め た育 児 感 は年 齢 に は関係 な い こと が明 らか にな っ た.. 3. 幼児の気質と母親の育児感との関係について 気質と育児感との関係を見るために相関分析を行った(Tab l e7) . 表を見てわかるように, 殆どのカテ ゴ リー間で有意な関係は認められていない. 関係が認められたのは 「周期の規則性」 と 「伝統的母親役割感」 との間に負の相関( 0 5 )が認められたことである. 睡眠や食事などの身体的機能が不規則的な幼児の母親 p<‐ 27.
(13) . 戸. 田. 須恵子. Tab l e7. 幼児の気質と母親の育児感との関係. 母親の分離不安 蕎 綴 喜喜 餐統養母璽 育児ストレス 見知らぬ人・場所への恐れ フ ラ ス ト レー ショ ン・ ト レラ ンス. 1174 -‐ -. 1016. 0132 . 2379 .. 周期の規則性 視聴覚的敏感さ. -. 0659 0915 .. 0976 . 2831十 ‐. 反応の激しさ. -.0304. 注意の持続性と固執性 味覚・触覚的敏感さ 十p<.10. * < 05 p ‐. ** < 01 p .. 1538 ‐ -. 2366. -. 1339 -. 0227. * -. 3733 - - 0484 .. 0033 ‐ 1605 ‐. .1059. -.0127. 0029 ‐. .0224. ‐0044. .0296. - -‐0472. -‐0458. .0403. - -.0567. -.0017. *** < 001 p ‐. は伝統的な母親役割感が強い母親である. 他のカテ ゴリーにおいては有意な相関は認められなかった. 特に 育 児ス ト レス と は関係 が ゼ ロ に近 い こ と が 数字 か ら読 みと れる. こ れ らの 結 果 は, 幼 児 をネ ガ テ ィ ブ に見 て. いる母親は伝統的な母親の役割を固執するだろうという仮説を支持しているが, 育児ストレスとの関係は仮 説を支持しなかった. 気質と育児感との関係をさらに詳しく見るために, 育児感から分類した4グループに よって, 気質と育児感との関係を見た. 第1グループは育児ストレスが他のグループより高いグループであ る が, そ の 育 児ス ト レス は気 質の 「周 期 の 規則 性」 と 正 の相 関 が 認 め られ た(r=‐ 015) 59 . 又, 「伝 統 , p<. 的 な 母 親役 割 感」 は 「フ ラ ス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス」 と負 の相 関(r= -‐ 033 )が 認 め られ, 「反 53 , p<. 応 の 激 しさ」 と は正 の相 関 が 認 め ら れ た (r=. 70 002 ) . こ の グル ー プ は幼 児 の 睡 眠・ 食 事 な どの 身 体 , p<. 的 機能 が規則 正 しい ほ どそ れ が 母親 に はス ト レス とな る とい っ た奇 妙 な 関係 が見 られ る. 又, 幼児 の フ ラス. トレーショ ンが生じた時の耐性や自分に都合の悪い事が生じた時激しい反応をす ,る行動は母親の伝統的な母 親 役 割感 の 強さ と 関係 があ る と いう こ と で, こ れ は幼 児 の気 質 (フ ラス ト レー シ ョ ン・ ト レラ ンス や 人 や物. への反応の激しさ) を否定的に見てい‐ る母親は伝統的母親役割感が強いという仮説を支持している. 第2グ ル ー プで は 「見 知 ら ぬ人 ・ 場 所 へ の 恐 れ」 と 「育児ス ト レス」 と 負 の相 関 が認 め られ(r= -‐ 75 012 ) , , p<. 「反応 の激 しさ」 は 「母親 の 分 離不 安」 と正 の相 関 が認 め られ た(r=‐ 75 013 ) . 即 ち, こ の グルー プは, ,p<.. 幼児の人見知りが強い程母親はストレスを持つ という関係であり, 分離不安が強ければ幼児も激しく反応す るといった関係が見られる. 又, 「見知らぬ人9場所への恐れ」 と 「育児ストレス」 との関係は, 「幼児をネ ガティ ブに見る母親は育児ストレスが高い」 という仮説を支持している. 第3グループではいずれも有意な 相関は認められなかっ た. 第4グループは, 「周期の規則性」 は 「伝統的母親役割感」(r=-‐ 9 9 0 44 ) ,p<‐ 及 び 「育 児 ス ト レス」 (r= -. 99 044 )と 負 の相 関 が 認 め ら れ た. こ の グル ー プ は最 も ス ト レス が 低 い , p<.. 母親群であっ たが, その育児ストレスの強さは幼児の睡眠・食事など身体的機能の不規則性と関係があり, 第1グル」 プとは逆の関係 である. このグループにおいても仮説を支持している. 以上の結果から, 気質と 母親の育児感との関係には, 伝統的母親役割感がかなり介在 していることが相関分析から推測 できる. 以上の結果をまとめると, 本研究の目的は, 気質と育児感及び育児ストレスとの関係を明らかにすること であり, ネガティ ブな気質は育児ストレスと関係があり, 又そのようなネガティ ブな気質は伝統的母親役割 感と関係があるだろうと予測した. 結果は, 全体として見た場合に仮説は一部支持されたが育児ストレスに 関しては仮説を支持しなかった. しかし, 育児感に基 づいてグループ分けをしてグループ ごと にその関係を 見た場合仮説を支持する結果であっ た. だが否定的 に評価された気質(肯定的, 否定的) と育児ストレス (高, 低) と の 関係 は グルー プ で 一 致 してい な い. 特 に, 第 1 グルー プのよ う に逆 の 関係 が 見 られ て い る.. 全体としての結果とグループで見た結果から見て育児ストレスに関してはどのようなストレスかで個人差が 2 8.
(14) . 幼児の気質と母親の育児感及び育児ストレスとの関係に関する研究. 大きいのではないかと考える‐ 個人差に関しては今後の検討課題であろう. このような本研究の結果から今後検討していく 点として質問紙の問題が挙げられる. 一つ には, 質問紙の 質問項目に問題があったのではなかろうか. 信頼度係数は一部を除いてそれほど低いものではなかった‐ し )の因子分析結果から幼児の気質特徴として採用 したことが妥当で 199 4 かし, 気質のカテ ゴリーは, 菅原ら( あ っ たか疑 問 で あ る‐ 彼 等 が 示 した 因 子 か らで はなく, オ リ ジナ ルの 9 特 徴 に基 づ く 測 定 によ っ て 気質 を再. 検討する必要があろう. そうすれば, 本研究で行った得点の低い場合にネガティ ブな気質として処理するの ではなく, オリ ジナ ルの9特徴から評価された気質特徴がより明確に示され, 育児ストレスとの関係が見ら れるのではないだろうか. もう一つの問題点は, 母親の育児感の質問項目で, 特に育児ストレス を直接測定 して いる か どう か で あ る‐ 各 項 目の 質 問で そ の 事 実 があ っ たと して も 母親 がそ れ をス ト レス と して感 じる か. どうかとは別の問題で はないだろうか. 今後育児ストレスの研究をする場合, 個人差の問題と質問項目及び 回答の仕方を検討して質問紙 を作成する必要があるのではないだろうか. 現在, 育児ストレスに関する相談 が増加している と言われるが, 本研究では育児感から見た第1グループの母親のス トレスが高い傾向を示し た. しか し, 他 の グルー プの ス ト レス はそ れ ほ ど高く な い. 本 研 究の 対象 者 は市 の 企画 した 子育 て に 出席 し. た母親達であり, 子育てに積極的に関わっている少数の母親達であった. さらに被験者の数を増やして育児 ス ト レス に関 す る 研 究 を進 め る 必要 があろ う.. 引. 用. 文. 献. ionna塵e:Pediatri cs t Temperament Quest SC 1 978) Rev i i D dt ・ C 羅ey W.B‐ on of lnfa1 s , , . .( , & Mc e t ,. 739 61 ‐ ‐ , 735 C ) Assessing temperamentin one‐to three‐year‐old 19 84 D i , S‐C‐ Fロnard .( , W‐B , & :鱈ey , W. , Mc evtt 9 205‐217 i ゴ ビ ogy c Psychol en‐ Journm of pe南iatd chad ・ , , ly temperament: le study of ear ) Ti 1982 J i P, & Gandow, M‐ h , T‐D‐ Hube鷲, N‐C‐ ‐( , Martn, ‐ , Wac s 53 571‐600 1d DeveloP1 li 脱leasure・ 比 l ent m Lent and conceptua ssues ‐ ‐ Chi , ,. ) 「親となる」 ことによる人格発達:生涯発達的視点から親を研究する試み 発 199 4 柏木恵子・若松素子( 83 達 心 理学 研 究,5 ‐ ‐ ,72. 998 ) 乳児期の子 どもの気質o母親の分離不安と後の育児ストレスとの関連:第一子を対象にし 1 水野里恵 ( 65 た乳 幼 児期 の 縦 断的 研 究, 9 ‐ . ,56. 4 99 ) 乳幼児期に見られる行動特徴‐日本語版RITQお 1 菅原ますみo島悟o戸田まり・佐藤達哉o北村俊則( よ びTTSの 検 討). 323 教 育 心 理 学 研 究,42 ‐ . ,315. t 1 9 99 ) 子どもの問題行動の発達:Ex e rnを 菅原ますみ・北村俊則・戸田まり・島悟o佐藤達哉o向井隆代( 2 0 4 5 1年間の縦断的研究から 発達心理学研究,1 ‐ 丘z i ‐ ngな問題傾向に関する生後1 ,3 ty ldQ 〕ood‐ New York Universi i遁du額i ty in early chi lind ) Behavi A, & Chess Thomass ora ‐(1963 ,S , ‐ Press‐. 2 000 ) 母親の育児ストレスと幼児の気質及び養育態度との関係について 戸田須恵子(. 北海道教育大学紀要. 45 (教育 科 学 編) ‐ . ,2 , 35. この研究に ご協力してくださいま したお母様に心よりお礼を申し上げます.. (釧路校教授) 29.
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