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被服の損傷に関する研究 : 引張り強度について

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(1)Title. 被服の損傷に関する研究 : 引張り強度について. Author(s). 池田, ヨシエ. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 17(1): 15-24. Issue Date. 1966-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6504. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 17巻 第1号. 北海道教育大学紀要 (第二部C). 昭和41年9月. 被 服の 損傷 に関す る研究 -. 引張り強度 について. 池. 田. ヨ. -. エ. シ. 北海道教育大学函館分校被服研究室 Yoshi i ing e IKEDA : A Study on lnjur esof C1oth ion 一 0n Strength of Tens. 序 前回において, 屈曲摩擦による損傷過程の変化から, 糸の構成, 及び組織状態が屈曲摩擦 に対す 抵抗力に直接影響することを知っ た。 更に損傷度合を具体的に調 べる手段と して, 光の透過量に. っ てあらわ し, その一部も報告した。 今回は強さを示す外力に対する抵抗力として, 最もみ じかであると思われる引張力による破壊現 を, 試片の切断時における荷重と, それに対応 しておこる伸張との関係で示される荷重伸度曲線 あらわ し, その曲線の形状から材料の性質, 並びに試料の形態を明らかに して被服損傷の実体, び破壊にいたる過程を究め, ひきつづき引張り強度と摩擦強度に対する損傷状態を比較検討した の で あ る。. 材 料 な らびに方法 1, 供. 試. 材. 料. 材料 は前 回 と 同 様 木 綿, 絹, 羊 毛, レー ヨ ン, ア セ テ ー ト, ナイ ロ ン, ビ ニ ロ ン, カ シミ ロ ソ の. 壁と し, いづれも平織で未染色のものを使用 した。 厚さ, 密度等の諸元は表1の如くである。 表1 試. 試. 織 方. 料. 料. 糸 密. 厚さ. 経. mm 植. 物. 繊. 維. 木. 動 物 瀞 一撃 人 造 繊 維 ・一 一 … 十. 半 合. 成. 成. 繊. 繊. 維. 維. 綿. .. レ ー ヨ ン アセテート. 平 十. ” - 織 …. 元. 諸. の. 0,25. 51. 滋. 養. 0,1 5 - 0,21. 度. /C に 緯. 備. 考. 24,5. 5 ‐ 1 呈. 3 4 - 40,5. 1 9,5、 - ~ 23 j. 43. 43. ポ リ アミ ド系. セルローズ系 rr. ナイ ロ ン. 0.08. ビ ニ ロ ン. 0,24. 33,5 ・. 26. ポ リ ビ ニ ル ア ル コー ル系. カ シミ ロ ン. 0,22. 26. 22. ポリ アク リ ル 系. ・.

(3) . 被服の損傷に関する研究 2,. 方. 法. 引張り力に対す る抵抗力を強度として測定したが, 抗張力測定の方法は簡単で, 材料の 一端を固 定し, 他端に累増する重量を加え, 材料が切断される時の重量によって示さ れ, その際, 同時に切 断時の伸 びも知ることができる。 しかも, 累増する引張力 とそれに対応 しておこる伸 びとの関係を 曲線と して自記できるショ ッパー型引張試験機を使用 した。 この自記 した荷重伸度曲線すなわち縦 軸に荷重 をとり, 機軸に伸度をとっ て, 両者の相互 関係を曲線と してえがかしめたものか ら, 引張 り抵抗力及 び損傷過程等の, 変化の推移を明らかにするこ とを試みた。 各織物にあたえた引張力の影響と組織変化, 及び損傷過程をみる為に, 各試料とも縦横布別にそ れぞれ3段階に分けて損傷試料を作っ た。 この試料を作るにあたり予備実験で各試料の切断時にお. :等分 したものを各段階の荷重差とした。 ける重量を最終段階と し, これを3 63b) の実 験にも使用 した筆者の 組織の変化は顕微鏡及び写真により比較観察 し, 更に前回 (19 プリング式マイクロメー 測定にはス 考案による装置で光の透過量によっ ても検討した。 なお厚さの タ ー を 使 用 した。. 実. 結. 験. 果. えた変化は次 の様になっ 各試料の引張り力に対する切断荷重, 切断強度と伸度, .及び組織にあた た。 表 2. 木. 綿 絹. 羊 レ. ヨ. ー. ア セ ナ. テ. イ. ビ. ー. ニ. ロ. 力 ・ シ ミ ロ. 1. 2. 3. 4. 38,4. 37,6. 36,6. 35,5. 29,9. 29.6. 29. 28.5. ア セ ナ ビ カ. ヨ. ー. テ ー. イ ニ シ ミ. ロ ロ ロ. 1. 28,7. 3. 12 ,2. 12,5. 8. 22,8. 22,3. 22. 21,6. 20,8. 21,9. 5. ト. 18. 1 7.8 ‐. 17.7. 17,6. 16. 174. 7. 22,2. 21,2. 21. 20.7. 20,4. 21.1. 6. ン. 26,9. 26,3. 26,1. 25.6. 25. 25,9. 4. ソ. 30,2. 30. 29,6. 29.2. 27,4. 29,3. 12,5. 12,5. (kg). 横布引張力による切断荷重 数. 回. 絹 レ. 36,0. 27,3. 、 ソ. 綿. 羊. 32,1. 12,6. 料. 木. 順 位. 毛. 表 3 試. 平均値. 12・6. ン. ロ. 数. 回. 料. 試. (kg). 縦布引張力による切断荷重. 平均値. 順 位. 4. 5. 15,8. 15,5. 15,1. 16 ,1. 16.3. 15,9. 15,9. 15,8. 16,0. 5. 9.. 9.. 8,7. 8.5. 8 ,9. 8. 1. 2. 17.9. 16,3. 16,1. 4. 毛. 9,4. ン. 14,7. 13,8. 13,3. 13,3. 13. 13.6. 6. ト. 13. 12,6. 12,5. 11,8. 11,6. 12,3. 7. ン. 20,1. 19.I. 19. 17. 16.1. 18,3. 3. 23. 21,8. 21,6. 21.6. 21.4. 21,8. 1. 20,4. 20.4. 20. 20,7. 2. ン ソ. 21,4. 21,2.

(4) . 池. 田. ヨ. シ. エ. 以上の数値そのままでは試料の糸の太さ, 密度, 布の厚さ等そ れぞれ違う為端的に比較できない ので, 単位断面積強度, 及び織糸当りの強度に換算 し, これを比較数とした。 表4 試. 料. 単 位 断 面 積 強 度. 縦. 切断強度 kg/厚 さ2 (則1) 横. 単 位断面積 強度 及び伸度 絹. 羊毛. 576. 1464. 185. 973. 395. 3297. 450. 605. 131. 604. 279. 2859. 378. 428. 7. 1. 6. 4. 6. 1. 5. 4. 256. 816. 表5 試 切. 木綿. 料 断. 強. 度. 縦. 切断荷重 kg/糸 密 度(本) 横. 位 蟹. レ ー ヨ ン ア セ テ ー ト ナイ ロ ン ビニ ロ ン カ シミ ロ ソ. 木綿. 織糸当りの切断強度 絹. 羊 毛 レー ヨ ン ア セ テー ト ナイ ロ ン ビニ ロ ン カ シミ ロ ン. 0,235. 0.251 0.160. 0,216. 0,143. 0,163. 0,257. 0,375. 0,217. 0,174 0,134. 0,232. 0,178. 0,141. 0,279. 0,313. 5. 8. 6. 2. 1. 7. 2. 1. 4 4. 3 6. 7 8. 3. 5. 1, 組 織 の 変 化 原形を対照に鏡検 した試料間の損傷過程における状態を述 べる。 なお単位断面積強度は表4に示. す如く縦横布共, ナイ ロンが1位で羊毛が8 位と同位のものが多い が, これに対 し糸当りの強度で は表5の如く, 1位カシミロ ソ, 2位ビニロ ン, 4位木綿が同位であとは各縦横布共不同である。 各試料の組織変化は次の様になっ た。. 木綿は布面に毛羽 立ちがめだち, 糸の撚りが強くかかっているが, 太さは不同である。 表2, 表 3の縦横布切断荷重に示す通り縦布では1位,横布は4位で,表4の如く単位断面積強度では5位と. 7位, 糸当り強度は表5の如く両者共4位となっ ている。 叉損傷機構変化を段階別にみると, まず ま殆ん どみうけ られない。次の段階でし 縦布の第1段階では経糸がややのびてはいるが,撚りの戻りも. だいにのびがめだち, 糸がやせて 一部は経糸が切断され, 緯糸に経糸の波状のあとをく っ きりと残 したまま, その周囲の組織も乱れをみせている。 しかし撚りの状態は変化がみられない。 第3段階. の切断箇所は, 若干凸凹になっ て糸が切れているが, 切れ先はバラバラと不揃いで繊維がちぢれか らみ合い, 切れ口は自然に細くなっ ている。 次に横布の第1段階では, 糸がのびて細くなりかけ, 糸間がやや開いているが, 大きい組織のくずれはみられな い。 第2段階は, 糸が更に細くなり, の びがめだち, 一部にはのびの為に糸の撚りがとれて繊維が脱落 し, 今にも切れそうな個所がある。 全体的にみれ ば原形よりも羽立ちが少なくなっ た様である。 切断箇所は経糸より真直に並び, 糸の 切れ口は筆状に先 の方が細くなり, 撚りは殆 ど戻っ ていない。. 網の切断荷重は表2, 表3に示す如く縦布で3位, 横布では5 位になっ ており, 単位断面積強度 は表4の通り縦横布共2位で非常に優位といえよう。 鏡検によれば木綿と違い絹は, 長繊維の為, 繊維, 糸の配列が揃っ ており, 撚りは殆 どかかっ ていない。 糸の太さは不同であり, 布面に毛羽立.

(5) . 被服の損傷に関する研究 ちはみえない。 損傷機構状態は,初めの段階は糸,組織共変化はなく原形と同 じであるが, 第2段階 になると, 糸ののびの為にやせが少し出ているが全体として殆 ど変らない。 切断間際まで組織の乱 れはなく, 切れ口は一時にスポンときれず数段に分かれた形で, ぼかされたように切れている。 横 布の場合も縦布と同様組織の乱れはないが, 緯糸の丸みがなくなり平滑なお しつぶされ た 様 子 を. 示している。 第2段階では, -部経糸のみが大きく波状に移動 し組織が乱れているが, 糸自体の変 化は少なく, 緯糸が数本の繊維のみでかろう じて連 らなり, 今にも切れそうになっ ている箇所もあ る。 縦布より切断際が長くのびて一直線上に並び, 同時に切断されたのではなく数段にわかれて切 れ た よ う に な っ て い る。. 羊毛は木綿と同様, 短繊維で紡績 したものを使用 しているが, 組織点は木綿より疎で, 糸の撚り もあまく,太さの不同も目立つ。 羊毛の切断荷重は表2, 表3, 単位断面積強度は表4の如く,全部. 8 位で最下位である。 損傷過程の第1段階では, 一部 に大きい経糸のゆがみがあり糸にのびもみえ る。 第2段階は糸がのびひっ ぱられた為糸につれがでて, 撚り が戻っ てバラ バラ になり 一部切断さ. 才むもつれあっ ている。 第3段階では糸の脱落が目立ち, 切断付近の組織はゆがみ, 糸のもつれが激 しい。 切り口は撚りのかかっ たものと, 撚りのとれた糸とがからみあって乱れている。 横布の第1. 段階は; まず緯糸の丸みが失せて糸のやせがみえ, 糸間が広くなっ ているが撚りの変化は少ない。 第2段階では糸が更に細く, 撚りのかかりもあまくなっ てきているが脱落はみられな い。 縦布のよ. うな切断間際での脱落はないが, 撚りが戻り, もつれて一本 一本の繊維の区別がつきにくくなっ て い る。 切 れ 口 は ナイ フ で 切 っ た よ う に な っ て い る。. レーヨンの切 断 強 度は 表4の如く3位を示 しているが, 伸度は木綿と同 じく試料中最下位であ る。 鏡検によれば今までの天然繊維と異なり, 全く毛羽立ちのない真っ 直 ぐにのびた太さの均 一な. 糸」 なーだらかな組織をもっ ている。.損傷過程の第1段階では原形と少しも変化がみら -れない。 次の 段階では やや経糸の細りがみえ, 糸間も開きかげんになっ ているが, 糸の丸みはう しなわれていな い。 第3段階では組織を少しもくずさずに甚切断間際で揃って切 れ, ちょう ど針金を並 べたように. 堅い感 じにみえ る。 横布の第1段階は緯糸が少 しのびた為に糸間が開いたが, 組織の乱れは 殆 ど みうけられない。 次に一部緯糸ののびによるゆがみができ, 叉繊維数本でかろう じてつながっ てい る等, 組織の乱れがある。 切断箇所は縦布 と同様揃っ て切れているが, 数箇所に糸のつれがきわだ ち, 切れ口は針を折っ たように並んでいる。. アセテー トの切断荷重, 及び切断強度は表2, 表3, 表4の如くい づれも羊毛についで下位に属 する。 レーヨンと同様人造繊維独特な堅さ, 冷たさがあり, 偏平で均 一な糸で組織され, 特にアセ. テートは経緯糸にかけた張りの違いによる経糸の屈曲度の強さか ら山高が目立つ。 損傷過程の第1 段階は経糸の立体的な山高な状態がのびの為に低くなり, なだらかに変っ てきているが乱れはみ ら れない。 第2段階ではのびの為に上から軽く圧 しつけ られた様に, 更になだ らかになり, 糸の太さ が増したようにみえる。 なお糸のつれ, 切断はみられない。 第3段階の切断箇所は, 切り□が立体. 的に糸が交互に同じ位置で揃っ て切れているが, 切断箇所付近の組織のくずれは少 しもない。 機布 は縦布に比 べ, 緯糸がさほ ど屈曲が強くなく平滑な状態で, 原形と比較 してその変化はあまりみら れない。 第2段階では数箇所に糸のつれがで, 糸がのびて細くなっ ており, 一部には糸の切れや繊 維数本でつながっ ているところもある。 経糸のゆがみや, 山高な波状もはっ きりとみえている。 切. 断箇所付近の組織の変化はなく, 一直線上に並んで切れているが, 切れ口は不揃いである。 ナイロンは他の試料と比較 して非常に薄い布を使用 しているが, 糸の細りがきわだち, 素直な撚 りのない糸で織られている。 切断強度は表 4の如く他の試料を大きく離 して1位を示 し, 伸度もか なり大きい傾向をも っ ている。 損傷過程の第1段階は原形との比較でその変化はみられないが, 第.

(6) . 池. 田. ヨ. シ. エ. 2段階で経糸が一部ひきつれて組織が波状になっ て乱れてきたが, 他は殆 ど影響がない。 第3段階 の切断箇所付近は糸のひきつオ の為に, 布もゆがんで組織もくずれている。 切断箇所では凸凹で不. 揃いに切れ, その切れ先が丸く太くなっ ている。 横布の第1段階の場合も縦布と同じく原形と変ら ないが, 第2段階になると緯糸がのびて糸間が少 し広がっ てき, 叉一部に糸のつれの為に布が凸凹 にゆがんでいるところもあるが, 糸の太さは変らない。 第3段階の切断箇所付近で糸のひきつれに よる組織の乱れがみえる。 切断箇所では糸が並んで揃って切れているが, 切れ先は縦布と同様 太く 丸 い 球 状 にな っ て い るo. ビニロンは木綿に似た組織をもっ ているが, 糸の撚りがよくかかり組織点も多く, 叉伸度は表4 の如く, ナイ ロ ンと同程度ののびをもっ ている。 損傷過程の第1段階は経糸がのびた為, やや細く なり丸みもなくなっ ているが,.組織の乱れはぜんぜんみられない。 第2段階では糸のやせがでて糸 間の広がりもみ られるが, 撚りの戻りはない。 第3段階の切断箇所付近に経糸の乱れがみえ, 一部. ポツンと切れているところも あるが, 糸の撚りは変 らずそのままかかっ ている。 切断箇所は糸がい りみだれて切れている。 横布も縦布と同様, 糸のやせがみえているがそ ,の他は変化がみられない。 第2段階で緯糸がブッ スリと切れている所もあるが, 緯糸がのびて細くなっ ている程度で周囲の 組 織の乱れはみられない。 第3段階の切断箇所付近に糸の乱れが若干みえるが, そのきわは 不揃いで バラ バ ラ に 切 れ て い る。. カツミロンの切断荷重は表2, 表3の如く縦横布共2位で上位を示 し, 伸度では試料中一番のび をみせている。 鏡検による原形は, 素直な繊維に撚りがよくかかっ て, 糸も太く丸みもよく でて織 られている。 縦布の損 傷過程の第1段階では糸ののびの為に糸間が広まっ てきているが組織は殆 ど 変化 していない。 第2段階では糸の丸みが失われ, 糸ののびが更に増 し, やせが目立つが 布につ , れはなく, 組織は原形と比較 して変化がない。 第3段階の切断ぎわで乱れがみえ, 切断箇所は不揃 い に な っ て 切 れ て い る が, ナイ ロ ンよ り 更 に 顕 著 に, 切 れ た 先 が 太く 丸 い玉 を つ け た よ う に な て っ. いる。 横布の第1段階は縦布と殆 どおなじであり, 第2段階では糸が細く なり やせて撚りもいく , ぶん戻っ てあまくなり, 一部緯糸の切断の為に組織のくずれもみえる。 第3段 階では切断箇所付近. の糸にひきつれがあり, 切 断 箇 所で糸は揃っ て切れ, その切れ先は縦布より太く, 丸い玉になっ ている状態が目立たない。. 2, 荷重伸度曲線 切断時の荷重伸度のみでは, その過程の状態は明確にされないが, 荷重と伸長の変化する曲線か ら, 比例限界点, 弾 性 限界点, 降伏点等の状態によっ て損傷過程経過を明らかにすることができ る。. 各試料縦横布の第1図荷重伸度曲線に示す如く, それぞれの比例限界点の位置において 縦横布 ,. 軸 で かこ む 形 は レー ヨ ン,ア セ テ ー ト は縦 横 布 共 縦 型 矩 形 で, 木 綿 と ビ ニ ロ ン カ シミ ロ ソ は縦 布 で ,. 縦 型 矩 形, 横 布 は 横 型 矩 形 で あ る。 しか しカ シミ ロ ソ の 場 合 は 特 に 縦 布1 6xo 3 横 布0 2xl 4 , , ,, , ,. の非常に細長い形を している。 絹の縦布においては横型矩形, 横布では縦型矩形で 木綿などと , は全く反対の矩形型をな している。 羊毛は縦横布共横型矩形であり, ナイ ロンの横布は正方形に近 い横型矩形であるが, 縦布は正方形をな している。 縦布においては一番高い比例限界点をも てい っ る の が ビニ ロ ン, つ い でカ シミ ロ ン, 絹 と 同 位 で つ づ き 横 布 で は絹 が 最高 で 2 位 が ビ ニ ロ ン , , ,. レー ヨ ン と つ づ い て い る。 一 番 低 位 の も の は 縦 布 で 羊 毛 つ い で ア セ テ ー トと な り 横 布 で は カ シ , , ミ ロ ソが 最下 位 で, つ ぎが 羊 毛 と な っ て い る。. 弾性限界は直線的傾向を 示し, 弾性限界をこえれば一定の荷重増加に対 して伸長変形は増加し , すこ しづつその傾斜の方向を変えて いく。 弾性限界点 は縦布において絹が一番高い位置を示し 力 ,.

(7) . 被服の損傷に関する研究 第1 図. 綿. ………… 縦 布. ノ ′ 7 ′ ′ ′ ′ ′ ‘ /. 一一一 横 布. lo. g) 縦 軸 - 荷 重 (k 機 軸 - 伸 度 (%). 0 5. ‘ , , , ′ / ′ ′ ′ ′ 〃 / / ′. O. 度 曲 線. 荷 重 伸. 実 員 ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. 0 2. 羊 毛 ′ ′′ ′ ′ ′ / ′ - ′ ′ ′ ′ ′. o. 2o. lO. ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. lo. o. z o. 2 o. . Z O. lo. >O. レーヨン ′ ′/ ノ ′ ノ ′ / ′ ′ ノ ノ / ′ / ′ ′ ′ ′. o. 0 2. ′ ′′′ ′′ ′ ′ /′ ノ′ / / / / ′. 0. 0 2. ユo. アセテート. l o. 1 o. 1 0. lo. 〇 う. 2〇. ユO. 0. 。 う. カシミロン. 0 2 ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ . ′ ′ ′ ′ ’ ′ ′ 1. / ノ ノ ′ ′ / ′ ′ ′ ′ ′ ′. 〇. . l o. ′ ′′ ′ ′ ′. ノ ′ ノ ′. 2 0. 2 o. ,. O ヲ. ビニロン. ′〆′ ・ ′′ ノ ノ ′ /. 0 2. 2 0. 0 5. oo. 4o. (20). ュo. 0 2. 0 う. 。 を.

(8) . 池. 田. ヨ. シ. エ. シミ ロ ソ, ビ ニ ロ ン が 同 位 で こ れ に つ づ い て い る。 横 布 は ビ ニ ロ ン が 最高 で, つ ぎ が 絹, 少 しの 差. でカシミロンとつづいて高い位置を保っ ている。 縦横布共一番低い限界点を示しているのが羊毛, つ い で ア セ テ ー ト と な っ て い る。. 材料の引張り抵抗力 と伸度の程度を示す降伏点から, 曲線の破壊にいたる過程は流動過程を多く. もっ ている。 比例限界点と同様に降伏点の位置において縦横軸でかこむ形をみると, 縦 横布共縦型. 矩 形 の も の が 絹,レー ヨ ン, ア セ テ ー トで あ り, ナイ ロ ンは 縦 横 布 共 横 型 矩 形 で あ る。 カ シミ ロ ソ,. ビニロン, 羊毛, 木綿は縦布で縦型矩形で横布は横型矩形と, いづれも比例限界と似ている形を し ているが羊毛だけはこれと違っ ている。 降伏点は縦布において ビニロンが最高で, ついで絹, 木綿 と つ づ い て お り, 横 布 も 最 高 が ビニ ロ ン, つ ぎが カ シミ ロ ン, 絹, レー ヨ ン と な っ て い る。 最低 は. 縦横布共羊毛である。. 第1図に示す荷重伸度曲線は直線, 凸線, 凹線に分け られる。 まず直線とみなされるものが ビニ. ロ ンと ナイ ロ ンの 縦 横 布 で あ る。 凸 線 を え が い て い る の が ア セ テ ー トの 縦 横 布及 び絹, レーヨ ン. の横 布とカツミロソの縦布である。 凹線では木綿と羊毛の縦横布及び絹, レーヨンの縦布及びカ シ ミロンの横布とそれぞれ分け られる。 3, 光 の 透 過 量 損傷機構の過程変化を具体的にみる為に, 光の透過量 の指数を グラフであらわすと第2図の如く. である。 木綿が試料中透過量が9ルクスで最も少ないが, 縦布の透過量が第1段階と第2段階の差 と, 横布の第1段階と第2段階の差が共に1ルクスと同じ値を示している。 叉縦布と横布との比較. 0と 非常 において, 縦布の方が0 ,5ルクス多くなっ ている。 絹は特に横布の2段階で透過指数が17 に大きい値を示 し, 第1段階との差のひらきが目立つ。 縦布の透過指数も高く いづれも1 位を示 し. レクスと一番大きいが,縦布の第1段階 ている。 羊毛は試料中縦布の第1段階と第2段階の差は2 ノ .5 と第2段階の差と, 横布の第1段階と第2段階の差は殆 ど変らないことは木綿と似ているが, その 透 過 量 は 大 で あ る。 レーヨ ン は ナイ ロ ンに つ ぐ透 過 量 の 大 き さ を も っ て い る が, 原 形 と の 比 較 で は. あまり変化がなく, 縦横布共第1段階では透過量が等しく, 第2段階で横布か1ルクス多くなっ て いる。 アセテートは木綿と同 じく, 縦横布の各段階毎の差が共に1ルクスの同値で, 光の透過指数. も第2図の如く似ているが, 木綿と反対に横布の透過量が大きく なっ ている。 ナイロンは試料中26. 2 0 0. . 12E 没F 貴 巨 費F 皆 IE 貴F 皆 1段=轡 2. 16 0 0 14. 12 0. }-. 大 円. i .. 羊 毛. 第2図. レーヨン. 光. の. 透. アセテート. 過. 指. ナイロン. 数. ビニロン. カシミロン.

(9) . 被服の損傷に関する研究 ルクスと, とびはなれて大になっ ているが, 縦横布の透過量は第1段階で原形と殆 ど変らず差が少 0ルクスで木綿につ ない。 叉縦横布の透過指数も, 第2図の如く 最低である。 ビニロ ンは透過量が1. 5と最高であり, 横布の第1 いで少いか, 特に横布の第2段階における透過指数が第2図の如く17 段階と第2段階の透過量 の差 は絹についで大きい。 カ シミロソは縦布の第2段 階と横布の第1段階 の透過量が同じく, 横布の第1段階と第2段階の透過指数の差は第2図に示す如く47で, 大きい傾 向 を も つ。 考. 察. 1 ) ナイロンが, 使用 した他の試料の約3倍もの非常に大きい引張り強度を示 したのは, なんと ( いっ ても繊維自体の粘弾性的な物性の強さと, しかも長繊維でよく引き揃えられ, 伸度も経緯糸共, 平均 したの びをもっ ており, 糸と しても機械力学的な強さをもっ ている為である。 叉羊毛が引張り 強度の最下位なのは, 特に短繊維で, 糸は太いが撚りがあまく柔らかで, 太さも不同であり, しか. も組織が粗なので脱落がはげしいものと考え られる。. 2 ( ) 木綿の縦布と ビニロ ンの横布における切断荷重が最も大きいのは, 布の厚さと糸密度の積に. 比 例 す る 為 で あ る。 叉 羊 毛, ア セ テ ー トに つ い て は, 特 に 質 的 な 弱 さ か ら, こ れ らの こ と が う ちけ され たものと態 、は れ る。. ) カ シミロ ソの糸当りの切断強度が1位を示したのは, 糸自体が太く充実 し, 撚りがよくかけ ( 3 られているためで, 伸度も試料中1位である。 叉羊毛が第8位で弱いのは, カ シミロ ンと糸密度が まっ たく同 じなのに もかかわらず糸の太さが不均一で不揃い, 撚りもあまく 糸の滑落があることに. 起因する。. 4 ( ) 試料間の損傷過程における機構変化状態に大差がないのは, 質的な繊維の状態変化よりもさ. きに, 糸自体の構成に引張り力がまず影響を及ぼし, 糸がのびて細くやせて脱落 し, しだいに組織 がくずれる等と 同じような傾向をもっ て変化 してゆくためと考えられる。. 5 ) 絹の切断箇所は数段にわかれ, ぼかされたように切れており, アセテートは比較的揃っ て切 ( れているが, 前者の場合, 繊維が細い為に数本の繊維をたばねた状態に力が加わっ て切断されてい る為であり, 後者は強度が低く, 太さが均 一で, 1本が切断されると, その張力がその点で他の 繊 維 に 移 る も の と 考 え られ る。 な お, ナイ ロ ン, カ シミ ロ ン等 の 切 断先 が 丸 い 玉 状 に な っ て い る の. は, ピリングと同じく繊維の質的な強さの為, 切断時の余力に起因するものと思われる。 6 ) 荷重伸度曲線の比例限界において, 縦型矩形になっ たのは, 糸が引張られ, 屈曲が小で, 密 ( に組織されている為であり, 横型矩形になっ たのは, 逆に糸がゆるやかに屈 曲が大きく, 粗に組織 さ れ て い る 為 と 考 え られ る が, ア セ テ ー トの 縦 矩 形 に つ い て は 考 察 に く る しむ。 カ ツミ ロ ンの 縦 布. において, のびが少く荷重が大きいのは, 繊維と糸が太く, 撚りがかかっ ている為で, 横布の荷重 が小でのびが大なのは, 特に糸が太く 撚りのかかりが少なくなっ ている為である。 ナイ ロンの縦布 の正方形, 及び横布の正方形に近い横型矩形なのは縦横布共伸度が似かよい, 叉糸の太さも同じく 密 度 も 等 しい こ と に よ る も の と み た。. ( 7 ) 比例限界点が高いのは, 糸の撚りのかかり具合, 糸, 繊維の太さ, 組織の粗密度等が, 荷重 に対 しての変化のバランスがとれることに起因するであろう。 縦布では ビニロ ンが, 横布では絹が 最高なのは, 前者は糸が太い上に撚りがよくかかり, 更に組織が密である為と, 後者は繊維自体は 細いが, 質的な強さと密度が大なる為と考え られる。 叉最低は縦横布共羊毛になっ ているが, これ. は短繊維で, 糸は太いが柔らかで, 組織も粗であることに起因する。 8 ( ) 絹の縦布と ビニロ ンの横布において弾性限界が高いのは, 両者共繊維自体の質的 な強さ, す (22).

(10) . 池. 田. ヨ.,シ ・エ. なわち繊維を構成する単位結晶粒子間に滑りの現象が起きにくい為と, 組織が密で撚り:もよくかか り, 且叉ビニロンの伸度は表4の如くのびが大なる為と思われる。 弾性限界点の低いのは縦横布共. 羊毛で, これは 非常に組織が粗で, 糸の撚りもあまく, 少しの荷重に対 してもすぐ伸び脱落をおこ す為と考えられる。 ( 9 ) ビニロンの降伏点が縦横布共最高なのは, 分子間 の結晶化, 配向度が大きく, しかも太い糸 で密に織られていることによるもので, 叉羊毛が組織, 質の両面からみて最下位であることもうな づ け るo. q アセテート, 絹, 及びレーヨンの機布の荷重伸度曲線が凸線を示すのは, がいして荷重に対 q する組織の変化の比が繊維の実質の変化の比より小な為である。 したがっ てこれが凹線を示す場合. はその比が逆に大なることで, 直線なのは比率かおうむね等 しい為と考えられる。 ◎ 損傷過程の変化による透過量の指数が, 絹, ビニロ ン, カシミロ ソの横布における第2段階. が大な傾向を示したのは, 絹の場合, 横布で経糸が大きく波状にづれて, 緯糸が数本の繊維のみで か ろう じて 続 い て い る 為 で, ビ ニロ ン, カ シミ ロ ソ は 糸 が や せ 糸 間 が 広 ま っ て い る の で, 緯 糸 の損. 傷形態が, 経糸の損傷形態より光を透過 しやすい形になっ ているのであろう。 叉羊毛の縦布におけ る第2段階の透過指数が大き いのは経糸に伸びとゆがみがあり, 叉繊維数本でつながっ ている箇所 があることに起因す る。 ナイ ロ ンの場合, 縦横布共原形と殆ど変らない透過指数を示 しているが, これは経緯糸の組織に変化が起きないためである。 び. 結. 1 , 荷重伸度曲線において, 比例限界は糸・織物の両組織により決 定され, 弾性限界点を含めた 降伏限界は, 繊維の本質と糸・織物の両 組織が有機的に作用 したも のであり, あと切断までの 曲線 は殆 ど繊維の本質によっ て決定される。. 2. 外力に対する抵抗力と して, 引張り力において, 糸の構成状態の影響が最も大であり, 平面 摩擦力については布の厚さが, 屈 曲摩擦力には糸と組織の状態がそれぞれ加味される。. 3, 摩擦強度, 引張り強度共に強いものがナイ ロン, 絹, ならびに レーヨンと, いづれも同じ傾 向を示している。 特にナイロンはどちらにおいても次位を大きくひきはな し, 驚異的である。 叉こ れ ら の 強 度 の 低 いも の は 共 に 羊 毛, ア セ テ ー ト で あ る。. 4, 荷重伸度曲線の降伏点の位置の決定は, ビニロン, 絹, 等からあきらかに示される如く, 繊 維の質と組織の相乗積による。. 5, 弾性限界内における最大応力は, 材料を安全に保持する範囲で変形 しても原形に戻るもので ある。 すなわち弾性限界点の高いものほ ど良質である。 6, 繊維及び糸の強度内容は, おもに繊維については, , 分 子の結晶性と方向性が大きく支配 し, 糸の強度内容は, 糸が作られる過程に主と して起因するも のであり, 織物はこれら繊維, 紡績法,. 組織等いろいろの因子が互に交絡するから, 織物強度の本質を物性物理的 にあきらかにするのはき わめて至難である。 なお, この実験に使用 した人造繊維の試料は, 前回と同様日本化学繊維協会の御好意により提供. されたもので厚く感謝する。. 文 田中道一・弓削 治: ( 1957 ). 献. 被服材料の耐用限界に関する実験的研究, 家政学会誌 8,3 6一3 9 , (23).

(11) . 被服の損傷に関する研究 繊維物理学, 第3版 丸善, 東京, 6 1955 池田ヨシエ: ( ) 被服の損傷に関する研究, 北海道学芸大学紀要, 第2部 6 ,75~8 1 963a) 被服の損傷に関する研究, 北海道学芸大学紀要, 第2部 14 池田ヨシエ: ( ,17~28 4 1 1963b) 被服の損傷に関する研究, 北海道学芸大学紀要, 第2部 1 池田ヨシエ: ( , 13~2 1962 ) 繊維学会編: (. (24).

(12)

参照

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