脳波を指標とした聴覚情報処理過程に関する基礎及び応用研究
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(2) 要. 旨. 本 研 究 は 大 き く分 け て ,二 つ の 研 究 か ら な る .第 二部 は 聴 覚 情 報 処 理 過 程 に お け る 時 間 的 側 面 に つ い て の 基 礎 研 究 で あ る .第 Ⅱ 部 は 聴 覚 情 報 処 理 過 程 を 反 映 す る事 象 関 連 電 位 を 指 標 と した 応 用 研 究 で あ る 。 第. (event‐ related. I部 ,研 究 1は 事 象 関 連 電 位. potential:ERP)を 指 標 と し. た 聴 覚 情 報 処 理 に 関 す る研 究 で あ つ た 。聴 覚 誘 発 成 分 で あ る. representationに. Nl成 分 と ,neural. お け る高 次 な 情 報 処 理 を反 映 す る ミス マ ッチ 陰 性 電 位. (Mismatch Negativity:MMN)に つ い て ,検 討 す る も の で あ つ た .一 定 間 隔 で 呈 示 され る聴 覚 刺 激 が 稀 に 入 力 され な い 事 態 (刺 激 欠 落 )に 対 して も. MMNは. 観 察 され る た め ,聴 覚 情 報 を 自動 的 に 統 合 す る メ カ ニ ズ ム で あ る 時 間 統 合 窓. (temporal window of integration:TWI)と 一 方 .刺 激 の 欠 落 が 惹 起 させ る あ る .研 究. MMNと. 1‐. Off‐. 呼 ば れ る機 構 が 検 討 され て い る. .. ERPは Nl成 分 の Off反 応 で あ る と い う主 張 も. 1で は 刺 激 欠 落 事 態 に お け る. ERP反 応 に つ い て 検 討 す る こ とで. ,. Nlの 成 分 の 違 い と機 能 的 な 役 割 を 検 討 す る も の で あ つ た .実 験 操. 作 と して ,聴 覚 刺 激 の 呈 示 率 を 操 作 す る こ と に よ つ て ,パ ル ス 状 の 刺 激 の 間 こ え 方 を 主 観 的 に 変 化 させ た .刺 激 の 呈 示 間 間 隔 が 短 く な る と ,パ ル ス 状 の 刺 激 は つ な が り を 持 っ た 連 続 音 と して 知 覚 さ る 。 連 続 音 と して 知 覚 され る 条 件 を 連 続 音 系 列 ,呈 示 間 間 隔 が 長 く ,つ な が りが 知 覚 され な い 条 件 を 断 続 音 系 列 と呼 ぶ .本 実 験 は 刺 激 の 呈 示 率 を. 80‐. 5 Hzま で 設 定 し ,そ れ ぞ れ の 条 件 下 で 刺 激 を. 欠 落 させ ,そ の 時 点 で 惹 起 され る. ERPを. 測 定 した .結 果 ,連 続 音 系 列 に 挿 入. され た 欠 落 ,す な わ ち 連 続 音 の 区 切 れ は 高 振 幅 の 陰 性 電 位 を 出 現 させ た .ま た 連 続 音 の つ な が り知 覚 が 薄 れ る. 50 Hz条 件 以 降 で は 線 形 に 頂 点 潜 時 が 遅 延 した. 一 方 ,明 らか に 繋 が り を感 じ させ な い れ なかつた 。5. ,. 20‐ 6。. 7 Hz条. Hz条 件 で は 欠 落 に 対 す る ERPは. 件 で は潜 時 の遅 延 が認 め ら. 出 現 しな か つ た .こ れ ら の 反. ..
(3) 応 は ,刺 激 の 欠 落 で は な く ,定 常 的 に 入 力 され る聴 覚 刺 激 の 一 過 性 の 音 圧 変 化 が 引 き 起 こ した 現 象 で あ る 可 能 性 が 考 え られ た .そ こ で 研 究. 1‐. 2で. は ,刺 激 の. 持 続 時 間 を 呈 示 間 間 隔 の 半 分 の 長 さ に な る よ う操 作 した .す な わ ち 呈 示 間 間 隔 が 長 い 条 件 で は 刺 激 の 持 続 時 間 も長 く ,間 隔 が 短 い 条 件 で は 刺 激 の 持 続 時 間 は 短 く な る よ うに 設 定 した .入 力 情 報 の エ ネ ル ギ ー は 条 件 間 で 一 定 と な り,呈 示 間 間 隔 が 長 い ほ ど欠 落 に お け る 変 化 量 が 多 く な る よ うに 操 作 され た .結 果 ,80. Hz条 件. と. 40 Hz条 件 で は 高 振 幅 の 陰 性 電 位 が 出 現. 陰 性 電 位 が 認 め られ た .こ れ ら の 結 果 よ り ,研 究. 1‐. し ,そ れ 以 下 で は 低 振 幅 な. 1,お. よび. 1‐. 2に. お け る反. 応 は 刺 激 の 物 理 的 な 音 圧 変 化 に 基 づ か れ た も の で は な い こ とが 示 され た .ま た. ,. 潜 時 の 遅 延 の 有 無 よ り ,連 続 音 系 列 に お け る 区 切 れ と ,断 続 音 系 列 に お け る 欠 落 に 対 す る 反 応 は ,そ れ ぞ れ 異 な る 連 続 音 系列 の 区切 れ は. ERPで. あ る こ とが 示 され た .す な わ ち. ,. Nl成 分 を 惹 起 させ ,後 続 刺 激 の 入 力 に 従 い 潜 時 が 遅 延. す る も の で あ っ た .一 方 ,断 続 音 系 列 の 欠 落 に 対 して. MMNが. 惹 起 され ,こ ち. ら は 潜 時 の 遅 延 は 認 め られ な か っ た 。 こ れ ら の 結 果 よ り刺 激 欠 落 に 対 す る 反 応 は. MMN特. いより. 有 の も の で あ る こ とが 示 され た 。 ま た ,Nl成 分 と の 振 る 舞 い の 違. MMNが. 示 す 聴 覚 情 報 処 理 と して. TWIの. 過 程 が 示 唆 され た .先 行 研 究. で は ,あ る 程 度 の 時 間 を 超 え て 呈 示 され る 刺 激 は 統 合 され な い た め ,欠 落 が 生 じて も. TWIが 保 持 す る情 報 は 変 化 せ ず ,MMNが. 本研 究 では の. TWIの 時 間 長 に 関 連. 150ms程 度 の 時 間 長. と. 惹 起 され な い と主 張 され た. .. して ,Nl成 分 の 潜 時 の 遅 延 が 確 認 され た .こ. Nl成 分 の 遅 延 の 関 係 を 検 討 す る 必 要 が あ る .す な わ. ち ,刺 激 オ ン セ ッ トに 伴 う TWIの 形 成 や ,変 化 した 刺 激 が 含 ま れ る 合 過 程 に 伴 い 入 力 情 報 の 不 応 期 が 生 じ ,そ の 結 果 と して 遅 延 が 認 め られ た 可 能 性 が あ る .そ こ で 研 究. 2で. TWIの 照. Nl頂 点 潜 時 の 線 形 な. は ,入 力 情 報 の 不 全 と ,そ の. 要 因 に つ い て 検 討 した 。 第. I部 ,研 究. 2‐. 1で は ,研 究 1で 得 られ た 結 果 が 課 題 依 存 に よ る も の か ど う.
(4) か を 明 らか にす る もの で あ っ た. Pass市 e listeningか. .先 行 研 究 で は Nlを. 生 じ させ る 課 題 で は. ,刺 激 に 注 意 させ る も の が 一 般 的 で あ る が ,MMNを. 指標. と した 研 究 で は 非 注 意 状 態 を想 定 して い る た め ,実 験 環 境 が 異 な り ,結 果 が 課 題 に 依 存 した 可 能 性 が あ る .そ こ で 研 究. 2‐. 1で は 刺 激 に 対. して 注 意 を 向 け る よ. う教 示 した .結 果 ,研 究 1と 同 様 の 結 果 が 得 られ ,課 題 依 存 で は な い こ と が 認 め られ た .研 究 もの で あ つ た e 成分である に 戻 る反 応. MMNの. 2‐. 2で. は 欠 落 事 態 が 生 じ させ る反 応 の 特 異 性 に つ い て 検 討 す る. SSRが 生 じ る よ うな 定 常 的 な 刺 激 呈 示 で は. SurrOund Response(SR)が (rebOund)が. ERPに 持 続 性 の DC. 生 じ ,刺 激 オ フ セ ッ トで. 得 られ る .そ の. reboundで. SRか. 得 られ た 電 位 変 動 と. 関 係 に つ い て 検 討 した .欠 落 刺 激 に 対 して 得 られ た Omission‐. 幅 の high‐ pass ilter通 過 前 の デ ー タ に つ い て. ら基 線. MMNと reboundに. ,. MMN振. つ い て検 討. した 。 結 果 ,陰 性 電 位 は filterの 設 定 に か か わ らず 惹 起 され ,reboundは さ ら に 遅 い 潜 時 で 確 認 され ,MMNが 認 め られ な い 条 件 で も こ れ ら の 結 果 よ り両 者 の 関 係 は 認 め られ ず い こ とが 明 らか と な っ た .そ こ で 研 究. 2‐. reboundは. 観 察 され た. .. ,ERPは SRの 影 響 す る も の で は な. 3に お い て ,刺 激 欠 落 ,さ. ン セ ッ トを 含 ま な い 周 波 数 が 変 化 す る 条 件 を 用 い て ,照 合 過 程 と. らに刺 激 オ. TWIの 形 成 に. 伴 う入 力 情 報 不 応 期 に つ い て 検 討 した 。 連 続 音 と して 知 覚 され る入 力 の 不 全 に つ い て ,Steady‐ State. Response(SSR)の. 減 衰 を 指 標 と した .そ の 理 由 は ,Nl. 成 分 は 見 か け 上 観 察 され な く な る 可 能 性 が あ る た め で あ る .ま た ,SSRを 指 標 とす る こ とで. ERPの. 振 る舞 い と 分 け て ,入 力 情 報 に 対 す る逐 次 処 理 に つ い て. 検 討 が 可 能 で あ る .結 果 ,刺 激 欠 落 ,周 波 数 変 化 そ れ ぞ れ の 条 件 で は 惹 起 した が ,よ り早 い 潜 時 で た課 題 で は. SSRの 減 衰 が 認 め られ な か っ た .研 究. SSRの 減 衰 に 関 係 帯では. SSRの 減 衰 が 確 認. N1/MMN. され た 。 さ ら に ,注 意 を 向 け 2‐. 2と 同 様 に. ERPの 振 幅 は. し な か つ た .以 上 の 結 果 よ り ,Nlの 不 応 期 が 見 られ る 潜 時. SSRの 減 衰 が 認 め られ た 。ま た ,オ ン セ ッ トを 含 ま な い 周 波 数 が 変 化 す.
(5) る 事 態 に 対 して も 同 様 の 結 果 が 得 られ た た め ,TWIの 照 合 過 程 に よ つ て ,入 力 情 報 に 対 す る 処 理 の 不 全 が 生 じ る こ と が 示 され た .SSRの. 減 衰 は transient. detectorが 駆 動 す る 事 態 や ,刺 激 に 注 意 を 向 け た 事 態 で は 生 じな い こ とが 示 さ れた. .. こ れ ら の 結 果 よ り ,非 注 意 状 態 に お い て. TWIに 蓄 積 され た 情 報 が 照 合 され る. 潜 時 帯 で は 逐 次 入 力 へ の 不 全 が 生 じ る こ とが 示 唆 され た .一 方 ,刺 激 に 注 意 を 向 け た 注 意 駆 動 型 の シ ス テ ム で は 入 力 の 不 全 は 生 じな か っ た .我 々 の 日常 生 活 で は ,本 稿 研 究. 1や 研 究 2の よ う に 逐 次 入 力 され る 情 報 に つ い て ,前 注 意 段 階. で 照 合 シ ス テ ム が 駆 動 して い る .注 意 を 向 け て い な い 刺 激 や ,無 視 を 求 め られ た 刺 激 に つ い て も逸 脱 検 出 や ,照 合 ,弁 別 過 程 が 駆 動 して い る .こ れ ら の 前 注 意 段 階 に お け る 自動 的 な 聴 覚 情 報 処 理 を 指 標 と した 応 用 研 究 に つ い て 第 Ⅱ 部 で 論 じる 。 本 稿 第 Ⅱ 部 は ,自 然 風 景 に 引 き 付 け られ る 人 の 注 意 に つ い て 事 象 関 連 電 位 を 用 い て 検 討 す る応 用 研 究 で あ つ た .自 然 風 景 を 眺 め る こ と に よ つ て 治 癒 力 や ス ト レス か ら の 回 復 が 促 進 され る現 象 は 多 々 報 告 され て い る .こ の よ うな 効 果 の 生 理 学 的 基 盤 を 検 討 す る 手 法 と して プ ロー ブ 刺 激 法 が あ る .視 覚 刺 激 と して. ,. 自然 要 素 を 有 す る暖 炉 の 炎 を 用 い ,プ ロー ブ 課 題 と して 聴 覚 弁 別 課 題 を 遂 行 さ せ. ,プ ロ ー ブ 課 題 に 対 す る ERPよ. り ,炎 に 引 き 付 け られ る 人 の 注 意 に つ い て. 時 系 列 の 効 果 を 検 討 した .本 研 究 は 指 標 と して 聴 覚 誘 発 成 分 の を反 映 す る. P3成 分 ,自. 指 標 と した .計 測 は. 動 的 な逸 脱 弁 別 過 程 を反 映 す る. 5分 間 の セ. ッシ ョン を. Nl成 分 ,注 意. MMN/N2b(N2)成. 分を. 6セ ッ シ ョ ン 実 施 し ,重 ね て 行 動 指. 標 と主 観 評 価 を 計 測 した .結 果 , 自動 的 な 弁 別 過 程 を 反 映 す る. N2成 分 の 振 幅. に の み ,セ ッ シ ョ ン 進 行 に 伴 う低 下 が 認 め られ た .一 方 ,行 動 指 標 や. Nl,P3. 成 分 は 顕 著 な 変 化 は 認 め られ な か っ た 。 主 観 評 価 よ り眠 気 の 増 大 が 見 られ , α 波 の 増 大 も認 め られ た が ,実 際 に 睡 眠 状 態 と な っ た 参 加 者 は 認 め られ な か っ た. IV. ..
(6) 以 上 の 結 果 よ り ,炎 が 奪 う注 意 は 前 注 意 過 程 に お け る 自動 的 な 弁 別 処 理 で あ る こ とが 明 らか と な つ た .さ ら に 参 加 者 は 課 題 を 遂 行 し な が ら リ ラ ッ ク ス した 可 能 性 が 示 唆 され た .自 然 風 景 は 自動 的 な 注 意 を 引 き 付 け る こ と に よ つ て , ヒ ト が 暴 露 され て い る数 多 く の 刺 激 に 対 す る反 応 を 弛 緩 させ ,よ り快 適 な 状 態 に 近 づ け る 可 能 性 が 示 唆 され た. .. 本 稿 全 体 を 通 して ,ヒ トの 前 注 意 過 程 を 反 映 す る. MMN/N2b成. 分 を検 討 す る. こ と に よ つ て ,聴 覚 情 報 処 理 に お け る 自動 的 な 処 理 に つ い て 検 討 され た .特 に 第. I部 で は ,欠 落 刺 激 が 惹 起 させ る. MMNの. 特 異 性 が 示 され ,TWIの 特 性 に つ. い て 先 行 刺 激 と比 較 照 合 され る 過 程 で 生 じ る ,入 力 信 号 に 対 す る反 応 の 不 応 期 が 示 され た .第 Ⅱ 部 で は , 日常 生 活 で 感 じ られ る 自然 風 景 の 効 果 に つ い て の 生 理 心 理 学 的 な 基 盤 に つ い て 検 討 した .結 果 , 自然 風 景 は ヒ トの 自動 的 な 注 意 過 程 を 引 き 付 け ,ス ト レ ス か ら の 回 復 と 関 連 す る 事 が 示 唆 さ れ た 。 今 後. MMN/N2b成. 分 を 指 標 と して. ,. ,. 日 常 生 活 に お け る 刺 激 入 力 か ら neural. representationが 生 じ る ま で の 過 程 ,す な わ ち 注 意 と意 識 に つ い て 解 明 され る こ とが 望 ま れ る. .. V.
(7) 目. 蓼こ(I) 頁. 序論. 1. 聴覚情報処理 と注意 聴覚器 聴覚 の音高知覚 時間分解能 時間的積分 eempOrJ htegration) 脳波と聴覚情報処理 聴覚情報処理 の 指標 となる脳波 聴覚刺激入 力に関連 したERP成 分 聴覚情報 の変化検 出 に関連 したERP成 分 注意 とMMN 注意 と注意 の切 り替え関連 したNl,MMN成 分 MMNと N2(N2b)成 分 高次認知機能 とMMNの 発 生源 MMNと Nl順 応説 Adaptation/Fresh aミ、rents mode: 脳波を指標 とした聴覚情報処理時間 問題点と本研究の 目的. 1-1。. 1-2。 1-3。 1-4。 1-5。 1口 6.. 1-7. 1‐ 8。. 1-9。. 1-10。 1-11。 1-12。 1-13。 1-14。. 1-15. 1-16。 1… 17.. 1. 2. 4 6 7. 10 11. 13 14 18 19. 20 21. 23 23 24 29. Tユ. 第 2. 部 脳波を指標 とした聴覚情報処理 における基礎研究 31 研究 1-l ERPに よる検討 2-1由 1。 2‐. 1-2。. 2-1-3。 2-1-4。 2由 2。. MiSmatch NegaJvity(MMN)の 丁WIと Omission― MMN Of卜 Nl反 応 目的. 方法. 2-2-1.実 験場所 ,及 び状況 2-2口 2。 2-2-3。 2-2-4。 2-2-5。 2-2-6。 2-2-7。 3 4. 2 2. 結果 考察. 実験参 加者 刺激呈示装置 刺激 手続き 脳波計測 結果処理. 特徴. 31 31. 34 36. 37 37 38 38 38 39 39. 40 40 43.
(8) 目. 次 (I) 頁. 研究 1-2刺 激エネルギーを統制 した実験. 3. 方法. 4‐ 3。. 4-4。. 方法 結果 考察. 61 61. 63 63 65 65 65 68. 研究2-2同 期的反応 について. 69. 5-1。. SustJned Responseと rebound現 象 について. 69. 5-2.. 方法. 71. 5. 5-2-1。 5-2-2。 5-2-3。. 5-3. 5‐ 4。. 6 6-1。. 6-2.. 実験場所 ,及 び状況 手続き 分析. 6-4。. 72. 72 74. 研究2-3不 応期とSSRに ついて. 76. 硼 と関連 した ERPと SSR. 76. 方法. 77 77 77. 実験場所 ,及 び状況 実験参加者 6‐ 2-3。 刺激呈示装置 6-2-4.刺 激 6-2-5。 手続き 6-2-6。 結果処理 6-2-7。 SSRの 算 出方法 結果 考察 6-2-2。. 6-3。. 71 71. 結果 考察. 6-2-1。. 7. 6 5. 4-2。. 研究 2… 1の 目的. 4 5. 4-1-4。. ERD/ERS. 4 5. 4-1-3。. SSRを 指標 とした硼 研究. 4 5. 4-1-2。. 3 5. 研 究 2-1同 期 的 反応 を指標 とした研 究 4-1-1。 SSRと は. 4. 3 5. 3-3。 3-4。. 3 5. 実験参加者 刺激呈示装置 3-2‐ 4。 刺激 3-2-5。 手続き 3-2-6.脳 波計測 3-2-7.結 果処理 結果 考察 3-2-3。. 2 5. 3-2-1.実 験場所 ,及 び状況 3‐ 2-2。. 50 2 5. Loudness summa饉 onと Omlsslon‐ MMN. 3-2。. 2 5. 3-1。. 50. 研究 1と 2に ついての総合論議. 78 78 78 78 78. 79 82 84.
(9) 次 (Ⅲ ) 頁 第 Ⅱ部 脳波を指標 とした聴覚情報処 理における応用研究 8 90 研究3聴 覚研究 の応用 8‐ 1口. 1。. 8口 1-2。. 8-1‐ 3。 8-1-4。 8口 1-5。. 8-1-6。 8‐ 2。. 背景 人の生活と炎 炎に関する心理学的研究 聴覚研究 の応用 Dua:Task Paradig!m. プロープ刺激 法 と関連 したERP. 方法. 8-2-1.実 験期間及び場所 8-2‐ 2。. 実験参加者. 8-2-3.実 験環境と状況 8-2-4。 8-2-5。 8-2‐ 6。 8‐ 3。. 結果 8-3由 1。 8-3-2。. 9-1。 9-2。 9口 3.. 9-4。 9口 5。. 92. 93 94 96 96 96 97. 98 99 99 100 100 101. 考察. 第 I部 ,第 I部 についての総合論議. 111. 8-3-4。. 9. 課題の成績 生理指 標 ERP 生理指標 αパ ワー値 課題 中 の主観 的評価. 91 91. 106 107 108. 8-3-3。. 8-4。. 実験装置 実験刺激及び手続き 生理反応と分析方法. 90. 第 二部 のまとめ 時間統合窓の役割 不応期が示すresetメ カニズム 第 Ⅱ部まとめ 全体 のまとめ. 111. 112 113 116 118.
(10) 1。. 序論. 1口 1。. 聴 覚 情 報 処 理 と注 意. 本 稿 に お け る聴 覚 情 報 処 理 と は ,気 圧 の 変 動 が 音 波 と して 人 の 聴 覚 器 に 達 し て か ら (感 覚 入 力 ),刺 激 に 対 して 心 理 的 ,生 理 的 な 反 応 (出 力 )を 示 す ま で の 過 程 と す る 。聴 覚 情 報 処 理 の 初 期 選 択 反 応 の 大 部 分 は 不 随 意 的 に 行 わ れ て い る 。 な ぜ な ら ば ,視 覚 系 は 網 膜 に よ り情 報 入 力 を 行 う が ,観 察 者 が 目 を 背 け れ ば 情 報 は 入 力 され な い .瞼 を 閉 じれ ば た ち ど こ ろ に 暗 闇 を 見 る こ とが 可 能 で あ る 一 方 ,耳 に は 随 意 的 に 感 覚 遮 断 の 機 能 を も つ 瞼 の よ うな 蓋 は 備 わ っ て い な い しか しな が ら ,走 行 す る 電 車 の 車 内 や ,カ ク テ ル パ ー テ ィ ー 会 場 の 雑 踏 の 中 で. .. .. ,. 不 必 要 な 雑 音 は 意 識 的 に 聞 か な け れ ば ,な ん ら気 に な ら な い .あ る 程 度 の 騒 音 下 で も ,会 話 す る こ とが 可 能 で あ る .ヒ トの 聴 覚 系 は 入 力 情 報 を 選 択 す る こ と が 可 能 で あ る と 言 え る 。こ の よ うに 処 理 対 象 を 選 択 す る機 能 を 我 々 は 「選 択 的 注 意 」 と呼 ぶ .雑 踏 の 中 ,騒 音 を 気 に せ ず に 会 話 が 可能 と な る の は 対 象 者 に 選 択 的 注 意 を 向 け て い る か ら で あ る .だ が しか し ,我 々 は 常 に 注 意 の 矛 先 を 選 択 して い る わ け で は な い .集 中 して 課 題 に 取 り組 ん で い て も ,外 部 か ら の 刺 激. ,. 例 え ば 自分 の 名 前 を 呼 ば れ る と ,我 々 は 集 中 状 態 か ら脱 し ,首 を 振 り向 き ,刺 激 の 発 生 源 に 注 意 を 定 位 す る .興 味 深 い 点 は ,課 題 と 関 連 して い な い 刺 激 に 対 して も反 応 が 可 能 で あ る と い う こ とで あ る. .. 本 稿 で は こ の よ うな 刺 激 駆 動 型 の 自動 的 な 取 捨 選 択 機 能 に 関 して ,特 に 聴 覚 の 自動 的 な 注 意 機 能 の 指 標 と して 用 い られ る脳 波 ,及 び 事 象 関 連 電 位 に よ つ て. ,. 処 理 の 時 間 的 側 面 に つ い て 検 討 を 行 う 。 さ ら に 聴 覚 情 報 処 理 を 反 映 す る事 象 関 連 電 位 に よ る応 用 研 究 も紹 介 し ,総 合 的 な 議 論 を 行 う も の で あ る. ..
(11) 1‐. 2.聴 覚 器. … …… ポ…. 図. 1…. 1. 聴 覚:1器 の 禅,〕 置を牙■ケ.. 聴覚系. ….内 鷺嚢. Bear,ConnOrs and Paradiso(2007)よ. り1転 載. .. (auditory System)の 構 造 は ,ま ず 外 界 に 突 出 して い る 耳 介 (pinna:. ラ テ ン 語 で 翼 )が 広 範 囲 の 音 源 に 対 し ,情 報 を 収 集 す る 。 集 め られ た 音 波 は 外 耳 道 (auditory Canal)を 通 じ ,頭 蓋 骨 の 中 に あ る鼓 膜 に 到 達 す る 。 鼓 膜 は 耳 小 骨 (ossicle)を 振 動 させ. window)を. 振 動 させ. (tympanic membrane). ,耳 小 骨 は 次 に 卵 円 窓. (oval. ,卵 円 窓 の 振 動 が 蝸 牛 (cochlea)に 伝 え られ る .蝸 牛 の 中. は 液 体 で 満 た され ,液 体 の 運 動 は 聴 覚 受 容 細 胞 の 反 応 を 引 き 起 こ す 。 蝸 牛 は カ タ ツ ム リ状 の 構 造 を し ,長 さ い る (図. 1‐. 1参 照. )。. 32 mm,直 径 役 2mmほ. 蝸 牛 内 の 液 体 は 基 底 膜 を 振 動 させ. どの 管 が. 2回. ,有 毛 細 胞. 半巻 かれ て. (hair cell)の. 反 応 を 場 所 的 符 号 化 に よ つ て ひ き お こ す 。 そ の 原 理 と して ,基 底 膜 は 底 部 か ら 先 端 部 に 伸 び ,底 部 は 硬 度 が 高 く ,先 端 部 ほ ど 柔 らか に た わ む 機 能 が あ る .高.
(12) い 音 は 基 底 膜 の 硬 い 部 分 を振 動 させ る が ,エ ネ ル ギ ー は 消 費 され て 先 端 部 ま で 振 動 は 伝 播 しな い 。 一 方 ,低 い 音 は エ ネ ル ギ ー が 消 失 す る前 に先 端 部 に達 す る (図. 1¨. 2参 照. )。. こ の 固 有 振 動 に 基 づ い た 共 鳴 現 象 の 最 大 とな る部 位 に よ つ て 音. 波 の 周 波 数 が 選 択 的 に神 経 的 に符 号 化 され る (図. 1‐. 3参 照. )。. 有 毛 細 胞 にお け る. 神 経 発 火 は脳 幹 を通 じて ,MGN(内 側 膝 状 体 )を 経 由 して ,聴 覚 野 へ と投 射 さ れ る 。 有 毛 細 胞 は外 有 毛 細 胞 と内 有 毛 細 胞 に 分 け られ る が ,多 く の 情 報 は 内 有 毛 細 胞 に よ つ て 脳 に 伝 え られ る 。 一 方 ,外 有 毛 細 胞 の 機 能 は 明 らか とな つ て い ない. .. 1)瀞 購. 戯朧. 4揺 七 書鷺‖ = 1曇. 織. ヽ 轟轟:畿 く畿場 雌 饉鍮鱗. l編鋏. t■. 図. 1‐. 2.基 底 膜 の 構 造. .. 締 1懸 大臓働議幅畿蕪し機鱗戦数. Bear,Connors and Paradiso(2007)よ. 云澤 り車 輿 ..
(13) 特機薗渡難 掛牛. フ神 一. 1‐. 3.基 底 膜 と特 定 周 波 数 と の 関係 .Bear,Connors and Paradiso(2007)よ. り転 載. 1‐. / / 〆静鼈. 図. .. 3.聴 覚 の 音 高 知 覚 聴 覚 系 が 扱 う音 波 の 情 報 は 大 き く分 け て ,3種 類 あ る 。 強 度 (intensity)と. 周波数. (frequency)と 位 相 (phase)で あ る .強 度 は 音 波 を 刺 激 と して 知 覚 で. き る か ど う か と い う意 味 で ,よ り根 源 的 な 要 素 で あ る 。 周 波 数 は 強 度 と密 接 な 関 係 が あ り ,人 の 可 聴 域 を超 え る と強 度 を 増 して も 知 覚 す る こ と も 不 可 能 で あ る 。 こ の よ う に 強 度 は 情 報 と して 根 源 的 で あ りな が ら ,周 波 数 に よ つ て 強 い 影 響 を 受 け る 。 こ の よ うな 聴 覚 情 報 は , ど の よ うに して 大 脳 新 皮 質 に お け る神 経 表 象 を 形 成 し ,意 識 的 な 音 の 情 報 と な る の か ,明 らか と な っ て い な い 。一 方 で 聴 覚 情 報 は 単 純 な 音 波 で 記 述 す る こ とが で き ,先 の. 3種 類 ,す. ,. な わ ち 強 度 と周. 波 数 と位 相 に よ つ て 情 報 を 単 純 化 す る こ とが 可 能 で あ る 。 ま ず ,聴 覚 情 報 の 強 度 に つ い て の 符 号 化 機 構 を 述 べ ,音 高 知 覚 の モ デ ル に つ い て 記 述 す る 。 音 の 強 度 の 情 報 は 神 経 細 胞 の 発 火 の 頻 度 と発 火 す る 細 胞 数 の. 2つ. の方 法 で相.
(14) 互 関 連 的 に 符 号 化 され る .基 底 膜 の 振 動 は 入 力 情 報 が 大 き け れ ば ,そ れ だ け 広 い 範 囲 を 振 動 させ ,結 果 多 く の 細 胞 を 活 性 化 させ る .ま た ,そ の 振 動 の 強 度 が ま せ ば 細 胞 の 発 火 頻 度 も増 幅 す る .知 覚 上 の 強 度 は こ の. 2つ. の 機 構 に 依 存 して. い る と考 え られ る .次 に 純 音 に 対 す る音 高 知 覚 に 関 す る 代 表 的 な モ デ ル を 紹 介 す る .ま ず ,最 有 力 な モ デ ル で あ る 場 所 説 (place theOry)は. ,内. 耳 に お け る基. 底 膜 の 場 所 に よ つ て ,周 波 数 分 解 され た 聴 覚 情 報 が 有 毛 細 胞 の 神 経 発 火 を 経 て 場 所 ご と に 対 応 して 配 列 され た. 1次. ,. (tonOtopy/. 聴 覚 野 の 当該 す る神 経. tonotopic organization)を 発 火 させ る と い う も の で あ る .視 覚 な ど の 他 の 感 覚 器 官 と比 較 的 類 似 した 機 構 と して 一 般 的 に 理 解 され て い る 。 しか し な が ら ,複 合 音 に 対 す る tonotopic organizationを 説 明 す る た め の 新 しい 理 論 を 追 加 す る 必 要 が あ る。も う. 1つ の モ デ ル と して 時 間 説 (temporal theory)が あ り,こ ち. らは 神 経 発 火 の 時 間 パ タ ー ン に 基 づ い た 音 高 知 覚 で あ る .あ る神 経 は 刺 激 の 特 定 の 位 相 に 対 して 発 火 す る 傾 向 が あ る .す な わ ち ,あ る刺 激 に 対 す る神 経 発 火 と 引 き 続 き 生 じ る神 経 発 火 は 刺 激 周 期 の 位 相 と同 じ周 期 で (phase 相 固 定 )生 じ る .こ の. 10cking:位. phase lockingの 周 期 に よ つ て ,刺 激 され た 情 報 の 周 波. 数 を 同 定 す る も の で あ る 。 しか し神 経 細 胞 は が 出 来 な く な る .こ の た め ,5000. Hz以. 5000 Hzを. 越 え る と同 期 す る こ と. 上 の 音 高 に 対 す る弁 別 が 時 間 説 で は 説. 明 で き な い .一 方 で ,メ ロ デ ィ な ど を 伴 う音 高 知 覚 は. 5000 Hz以. が 悪 く な る こ とか ら ,こ ち らは 場 所 説 と の 一 致 が 見 られ る 総 合 的 に は ,排 他 的 で は な く ,5000. Hzま. 上 で急 に成 績. .. で は 時 間 説 に よ る神 経 発 火 の 時 間. パ タ ー ン を 有 効 に 活 用 し ,そ れ よ り高 い 音 に は 場 所 説 に 基 づ い た 処 理 を 有 効 に 活 用 して い る と い う考 え が 定 説 と な っ て い る .そ の 他 の モ デ ル と して パ タ ー ン 認 識 モ デ ル も あ る .周 波 数 分 析 が 行 わ れ た 後 ,そ れ ら の パ タ ー ン を 認 識 す る こ とで 複 合 音 を 知 覚 す る と い う も の で あ る .こ の モ デ ル は 倍 音 成 分 よ り ,基 本 周 波 数 を 求 め る も の で あ る が ,全 て の 実 験 結 果 を 説 明 す る に は 至 ら な い (Mather,.
(15) 2006). こ の よ う に ,蝸 牛 の メ カ ニ ズ ム で あ る周 波 数 分 解 に 関 して は 十 分 確 立 され て い る が ,表 象 と して 知 覚 され る 状 態 で あ る tonOtopic organizationに 関 して. ,. 完 全 な 解 明 に は い た つ て い な い .さ ら に ,位 相 は 音 源 定 位 や 奥 行 き の 知 覚 に 重 要 で あ る が ,現 在 で も 同 様 に 明 確 な 解 明 に は 至 ら な い. .. 単 純 な 刺 激 と明 解 な 感 覚 器 を 持 つ 聴 覚 情 報 処 理 過 程 が ,依 然 と して 明 らか と な っ て い な い 背 景 と して ,聴 覚 情 報 に は 一 過 性 の 神 経 の 発 火 の み で は な く ,よ り時 間 情 報 を 含 ん だ. dynamicな. 処 理 が 必 要 で あ る側 面 が あ る .こ れ ら の 問 題 は. 時 間 分 解 能 と い う領 域 と して 研 究 は 進 め られ て い る. 1‐ 4。. .. 時間分解能. 聴 覚 系 の 時 間 分 解 能 は temporal resolutionや temporal acuityと 呼 ば れ ,時 間の変化 や. gapの. 検 知 ,ま た 周 波 数 な ど の 変 調 を 検 知 で き る 能 力 が 時 間 分 解 能. と呼 ば れ る .一 方 ,検 出 や 弁 別 を 向 上 させ る た め ,情 報 を 時 間 的 に加 算 す る 能 力 は temporal integrationや. temporal summationと. 呼 ば れ る .入 力 され た 刺. 激 が 単 発 か ,双 発 の も の か の 弁 別 課 題 で は ,ISIが 数 μ sで も 間 に 含 ま れ た. gap. を 検 知 す る こ とが 可 能 で あ る .し か し ,そ れ は 純 粋 な 時 間 分 解 能 で は な く ,刺 激 の 振 幅 ス ペ ク トル の エ ッ ジ の 検 出 で あ り ,正 確 な 値 を 出 す た め に は ,刺 激 の 呈 示 され て い る 時 間 以 外 は 背 景 マ ス ク を か け た り,刺 激 に ホ ワ イ トノ イ ズ を 用 い た りす る 必 要 が あ り ,こ れ は 視 覚 の 空 間 周 波 数 に 対 す る研 究 に 用 い る 手 法 と も 良 く似 た 手 続 き を 必 要 とす る. 2つ の 自色 雑 音 刺 激 の. .. うち , ど ち ら に. gapが 含 ま れ て い た か 2AFC(強 制. 肢 選 択 )に よ つ て 弁 別 させ た と こ ろ ,gapが. (Plomp 1964;Penner 1977).ま IS12‐. た ,大 小. 2‐. 2. 3 msに 弁 別 閾 が 求 め られ た. 2種 類 の ク リ ッ ク の 順 番 の 弁 別 で は. 3 msに 弁 別 閾 が 求 ま っ た (Ronken 1970).以 上 の 結 果 よ り ,聴 覚 系 の 純.
(16) 粋 な時 間弁別 閾 は. 2‐. 3 ms程 度 で あ る と い え る が ,刺 激 や 課 題 に 依 存 す る 部 分. が 多 い .解 決 方 法 と して ,時 間 分 解 能 を 線 形 シ ス テ ム で モ デ ル 化 す る た め に 時 間 的 変 調 度 伝 達 関数. (TMTF:temporal modulation transfer function)と. い う. (Viemeister,1979).こ れ は 振 幅 変 調 の 変 化 の 検 出 閾 を 関 数. 手 法 が 考 案 され た. と して 測 定 す る も の で ,変 調 周 波 数 を 時 間 に 換 算 す る こ と に よ り ,時 間 分 解 能 が 求 ま る 。 こ の 手 法 に よ つ て ,複 合 音 に 対 す る 個 々 の 純 音 成 分 の 加 算 シ ス テ ム が モ デ ル 化 され 得 る が ,1000. Hz,す な わ ち l msで. は 検 出 で き な くな る とい う. 結 果 の よ うに ,部 分 的 に しか 明 らか と な つ て い な い .ま た ,中 心 周 波 数 に 依 存 し ,1000. Hz以. 上 の 高 い周 波 で は. 2 ms程 度 の 持 続 時 間 が あ る と ,大 小 2種 類. の 刺 激 の 順 番 の 弁 別 が 可 能 と な る .持 続 時 間. 16 msを 超 え る と 音 高 が 知 覚 され. 音 高 に よ る 弁 別 が 生 じ る こ とが 示 唆 され て い る. .. Shailer and Moore(1983)は 狭 い 帯 域 幅 を も つ ノ イ ズ に gapを 挿 入 ろ ,200. Hzを. 中 心 周 波 数 と した ノ イ ズ に 対 して は. と な る の に 対 し ,8000. Hzを. ,. 22 ms程. 中 心 周 波 数 と した 場 合 ,3. msに. 度の. した と こ. gapが. 絶対閾. 閾 値 が 求 め られ た. .. こ の 結 果 よ り ,高 い 周 波 数 を 手 が か りに 検 知 で き る 能 力 と は 異 な る 検 出 機 構 の 存 在 が 示 唆 され た. .. 以 上 の 結 果 よ り,聴 覚 情 報 の 時 間 積 分. (temporal summation)に. は平滑化す. る よ うな 機 能 が あ り ,時 間 窓 を移 動 平 均 し ,そ の 中 で 時 間 加 算 を 行 う よ うな モ デ ル が 提 案 され た (Viemeister,1979)。. ま た ,マ ス キ ン グ の 原 因 と して 神 経 活. 動 に 変 換 され る 際 に ,非 線 形 の 圧 縮 を 仮 定 す る モ デ ル な ど ,様 々 な モ デ ル が 提 案 され た が ,す べ て の 時 間 分 解 能 に 関 す る 現 象 を 説 明 で き る も の で は な か っ た 。. 1‐ 5。. 時 間 的 積 分 (temporal integration). 刺 激 の 検 出 閾 を刺 激 の. durationを 操 作 して 検 討 した と こ ろ ,durationが 長. い 刺 激 に つ い て 閾 値 は 下 が る と い う現 象 が 一般 に 報 告 さ れ て い る 。 こ れ は.
(17) temporal integration(時 間 積 分 )と 呼 ば れ て い る .刺 激 duration 200 msか ら. 500 msに. か け て ,刺 激 の 検 出 閾 は エ ネ ル ギ ー の 総 量 に 依 存 し ,聴 覚 系 の 積 分. 時 間 の 定 数 と閾 値 を越 え た エ ネ ル ギ ー の 積 に よ つ て 表 現 され た .500 の. durationを 持 つ 刺 激 は 持 続 時 間 の 影 響 を 受 け な い こ とが 示 され た 一方. 15‐. ,Green,Birdsall and Tanner(1957)は. 200 msで. は検 出 閾 は一 定 で そ れ 以 外 の. 検 出 閾 の d'よ り. ms以. 上. .. duration. durationよ り高 い 検 知 能 力 で あ る. こ と を 示 した .こ の 時 間 幅 は 後 述 す る temporal integrationに お け る 統 合 機 能. (temporal window of integration:TWI)と. msの. 関 連 す る こ とが 示 唆 され ,15‐. 200. 積 分 能 力 に つ い て は 同 様 な シ ス テ ム で 行 わ れ て い る こ とが 示 唆 され る 。. 200‐ 500. msで. の 持 続 時 間 の 影 響 は ,積 分 時 間 の 定 数 に 基 づ い た 処 理 様 相 が 仮. 定 され る 。こ の よ うな 短 い 時 定 数 で の 処 理 と ,長 い 時 定 数 で の 処 理 様 相 の 変 化. ,. あ る い は 異 な る 処 理 過 程 は 兼 ね て よ り論 争 が あ っ た が ,1991年 の Viemeister と. Wakeieldの. 主 張 が 定 説 と な り現 在 に い た る. Viemeister and Wakefield(1991)は. .. 処 理 の 時 定 数 に 対 して ,短 い も の と 長. い も の を 組 み 合 わ せ て 処 理 して い る こ と を 示 し ,こ の 理 論 に multiple looks. modelと 持つ. 名 づ け た .彼 ら の 実 験 で は ,100. msの ISI(inter stimulus interval)を. duration10 ms刺 激 を 呈 示 した .刺 激 が 1つ よ り,刺 激 が 2つ 呈 示 され る. 条 件 で は temporal integrationが 生 じて 閾 値 は 下 が る .こ の 刺 激 対 の. ISIに ノ. イ ズ を 挿 入 して ,同 様 な 閾 値 の 測 定 を 実 施 した と こ ろ ,ISIの ノ イ ズ の 強 度 は 検 出 閾 に 影 響 しな か っ た (図. 1‐. 4参 照 ).こ. の 結 果 よ り,時 間 的 積 分 が 生 じ る よ. うな 長 い 時 定 数 を 持 っ た 処 理 に お い て ,短 い 時 定 数 に よ る 処 理 を 組 み 合 わ せ て 時 間 的 積 分 が 生 じ る こ と を 示 した .こ の 短 い 時 定 数 の 処 理 を 'look'と 名 づ け. ,. 複 数 の lookを 選 択 的 に ア ク セ ス して 処 理 に 使 用 して い る モ デ ル を 主 張 した 。こ の 実 験 で は ノ イ ズ 以 外 の 信 号 を 選 択 的 に ア ク セ ス した こ と に な る. ..
(18) L ■ ■ 一 “ 一 ﹂饉 麟 “ , ¨ 一麟 ︻L 瞳. □. 20. 40. 6日. 日0. 10■. 1密 tn. Tl■ e. ■s. Fig。. 1‐ 4。. Viemeister and Wakeield(1991)で. 用 い られ た 刺 激 の 例. Moore(2003)は multiple looks modelの 役 割. .. と特 徴 に つ い て 以 下 の よ うに. 論 じた .ま ず 第 1に temporal integrationは energy integrationな ど の 単 純 な. summationや 貯 蔵 メ カ で は な い .次 に STEP(spectorO口 temporal excitation pattern)と して 3次 元 空 間 で 情 報 を 表 象 す る .3次 元 と は 表 象 上 の 周 波 数 と時 間 と出 力 強 度 に よ る 表 現 で あ る .そ の 値 (looks)を 選 択 的 か つ 高 次 な 様 相 で 検 出 や 弁 別 ,同 定 処 理 を 強 調 す る .こ れ ら の 情 報 は. templateと. して 判 断 に 使 用. STEPと. 再 認 を行 う 。 さ. され る 。 言 語 音 に つ い て は 長 期 記 憶 か ら呼 び 出 され た. ら な る 処 理 シ ス テ ム と して ,文 脈 を 形 成 す る .こ れ ら の 処 理 は 先 行 刺 激 ,後 続 刺 激 の 影 響 を 受 け ,Perceptual. grouping,周 辺 刺 激 へ の Adaptation,周. 波数. 変 化 の 検 出 ,聴 覚 情 報 の 歪 み の 補 正 に 役 立 て る ,と 主 張 した .さ ら に そ の 前 段 階 と して ,感 覚 器 レ ベ ル で 周 波 数 応 答 の 異 な る band‐ passフ イ ル タ ー を か け そ の有 毛細 胞 の情報 は. sm00thデ バ イ ス に よ つ て ,low‐ passフ. い は sliding temporal integratorに 分 解 能 の 限 界 を示 す. STEPで ある. .. ,. ,. ィ ル タ ー ,あ る. 寺間 よ つ て , 平 滑 化 され る が , こ の 機 能 力`日. と い う生 理 的 基 盤 が 説 明 され て い る .し か し な が ら. ,. 表 現 され た 情 報 を どの よ うに 処 理 して い る の か ,未 知 の 部 分 が 多 い に.
(19) 1‐. 6.脳 波. と聴 覚 情 報 処 理. 聴 覚 情 報 は 時 々 刻 々 と 入 力 され る .入 力 され た 情 報 は 蝸 牛 の 有 毛 細 胞 に よ つ て ,各 周 波 数 の 選 択 的 な 応 答 に 変 換 され る .聴 覚 情 報 に お け る 周 波 数 とは 音 波 の 時 間 的 周 期 で あ る た め ,非 常 に 短 い パ ル ス で な い 限 り ,必 ず 時 間 情 報 が 含 ま れ る こ と と な る .す な わ ち ,聴 覚 情 報 を 処 理 す る た め に は ,時 間 が 含 ま れ た 情 報 が 必 要 と な る .蝸 牛 レ ベ ル で 処 理 され た 情 報 は 再 び 周 波 数 帯 域 に 分 解 され て い な い ,複 合 音 と して. bindingす. る 必 要 が あ る .ま た. bindさ. れ た 情 報 は ,言. 語 の よ うに objectiveで 高 次 な 処 理 を 行 う場 合 に は ,よ り長 い 時 定 数 を 持 っ た 情 報 と し て 扱 う必 要 が あ る. memory)と. .感. 覚 受 容 器 レベ ル で は 感 覚 記 憶. して 保 持 され る こ とが 示 され て い る 。 しか し. (sensory. ,neural. representationに お け る 一 次 貯 蔵 と して の 役 割 と ,処 理 方 略 は 明 らか と な っ て いない. .. こ の よ うな ,1次 貯 蔵 を 仮 定 した 聴 覚 情 報 処 理 の 研 究 に は 現 在 ま で に 大 き く. 2つ に 分 け る こ とが 可 能 で あ る .1つ. は 行 動 指 標 に 基 づ く研 究 で あ り ,も う. 1. つ は 生 理 指 標 に 基 づ い た 研 究 で あ る 。 後 者 は しば しば 前 注 意 状 態 で の 聴 覚 情 報 処 理 も検 討 され て い る .な ぜ な ら聴 覚 は 視 覚 と異 な り,全 方 位 性 を も つ た 逸 脱 情 報 の 検 出 を 可 能 と し ,そ れ は 非 注 意 な 状 態 で も 生 じ る た め ,生 存 競 争 に 有 利 に 働 く機 能 で あ る か らで あ る .生 物 に と つ て 根 源 的 に 有 利 な 機 能 で あ りな が ら 一 方 で 選 択 的 注 意 も駆 動 す る た め ,注 意 機 能 そ の も の を 明 らか に す る 上 で も. ,. 前 注 意 的 な 処 理 は 重 要 で あ る と考 え られ て い る .し か し な が ら ,課 題 に 依 存 じ た 違 い が 大 き く ,必 ず し も 生 理 指 標 に よ る 非 注 意 状 態 で の 特 性 と ,行 動 指 標 に よ る 特 性 は 一 意 しな い こ とが あ る た め ,各 研 究 間 で の 合 意 は 得 られ な い も の も ある. .. 10.
(20) 1‐ 7。. 聴 覚 情 報 処 理 の 指 標 と な る脳 波. 1日 7‐ 1。. 脳 波 ,事 象 関 連 電 位. 人 の 頭 皮 に 設 置 した 探 査 電 極 と ,耳 柔 (耳 た ぶ )や 鼻 の 尖 端 に 設 置 した 基 準 電 極 と の 電 位 差 (電 圧 )を 計 測 す る と ,数 μVか ら ,数. mvの. 電位 変動 が記録. され る .電 位 変 動 は 陽 性 ,陰 性 へ と 不 規 則 か つ リ ズ ミカ ル に 変 動 し ,時 系 列 に 波 を 描 く .観 察 され た 電 位 変 動 が 脳 電 図. (EEG;electroencephalogram),あ. い は 我 々 が しば しば 日常 会 話 で 用 い る ,脳 波 と呼 ば れ る も の で あ る. る. .. 頭 皮 上 で 観 察 され る脳 波 の 電 源 は ,大 脳 皮 質 を 構 成 す る様 々 な 神 経 細 胞 の う ち ,皮 質 表 面 に 樹 状 突 起 を 伸 ば す 錐 体 細 胞 に お け る シ ナ プ ス 後 電 位 で あ る と さ れ る .(そ の 他 に も低 振 幅 で あ る が ,脳 幹 に お け る反 応 や ,皮 質 下 の 反 応 も記 録 され る ).神 経 細 胞 の 電 気 活 動 は 多 様 で あ り ,複 雑 か つ ラ ン ダ ム 様 で あ る 為 ,互 い の 活 動 は 打 ち 消 され る 。 しか しな が ら ,配 列 方 向 の 等 し い 多 数 の 神 経 細 胞 群 が 同 期 して ,一 斉 に 活 動 した 場 合 ,頭 皮 上 よ り記 録 が 可 能 と な る .そ の 中 で も ,あ る刺 激 や 認 知 活 動 に 関 連 した 神 経 細 胞 が 同 期 して 活 動 す る こ と に よ り,ラ ン ダ ム な 脳 波 か ら 「事 象 に 関 連 した 電 位 変 動 」 を観 察 す る こ とが 可 能 で あ る. .. 例 え ば ,無 音 状 態 か ら音 刺 激 を 与 え る と ,聴 覚 に 関 連 した 脳 部 位 が 反 応 し. ,. 一 斉 に 活 動 す る .こ の 反 応 は 振 幅 が 小 さ い た め ,通 常 は ラ ン ダ ム な 波 形 に 埋 も れ て しま う .し か し ,後 述 す る加 算 平 均 処 理 と い つ た 信 号 検 出 の 手 順 に よ つ て 反 応 の 抽 出 が 可 能 と な る .得 られ た 反 応 は 聴 覚 刺 激 に 関 連 した 電 位. , と い う意. 味 で 聴 覚 性 事 象 関 連 電 位 と呼 ば れ る 。 他 に も 光 刺 激 に 関 連 した 電 位 を 視 覚 性 事 象 関 連 電 位 と呼 ぶ よ うに ,我 々 の 脳 波 は 外 界 か ら の 刺 激 ,あ る い は 個 体 内 で の 認 知 活 動 に 関 連 して ,特 異 的 に 反 応 す る 。 こ の 脳 波 に 見 られ る 反 応 を 総 じて 事 象 関 連 電 位 (ERP:event related potential)と. 11. 呼 ぶ .事 象 関 連 電 位 の うち ,特.
(21) に 外 界 か ら の 刺 激 に ,あ る い は そ の 刺 激 の 物 理 的 特 性 に 依 存 して 惹 起 され る 反 応. ,外 因 性 成 分 (exOgenOus component)は. 一方. ,主. 誘 発 電 位 と呼 ば れ る こ とが 多 い 。. に 認 知 活 動 に 依 存 し て 反 映 され る 反 応 は ,内 因 性 成 分. component)と. (endOgenOus. 呼 ば れ る .こ れ ら ,外 因 性 と 内 因 性 に 関 して ,成 分 の 厳 密 な 切. り分 け は 困 難 で あ る た め ,本 稿 で は 総 括 的 な 呼 び 方 と して 事 象 関 連 電 位 を ,個 々 の 成 分 に は 一 般 的 に 呼 称 され て い る 呼 び 名 を 使 用 す る 事 象 関 連 電 位 は 観 察 され る 部 位 や 極 性 (陰 性. .. ,陽 性 ),潜 時 に よ つ て 規 定 され. る .そ れ ら は ,呈 示 され る 刺 激 の 質 や 認 知 活 動 ,観 察 され た 母 集 団 の 特 徴 に よ っ て 対 応 付 け られ ,成 分 と して 同 定 され る .成 分 の 同 定 に は ,実 験 条 件 と統 制 条 件 の 波 形 を 差 分 し ,実 験 条 件 に お い て の み 操 作 され た 認 知 活 動 を 反 映 す る. ERP成 分 を ,差 分 波 形 よ り同 定 す る 引 き 算 法 と い う方 法 も あ る .し か し ,気. を. 付 け な け れ ば な らな い の は ,実 験 操 作 ,あ る い は 入 力 刺 激 や 認 知 活 動 に 対 して. ,. 事 象 関 連 電 位 は 一 対 一 の 対 応 を しな い こ とが あ る .視 覚 刺 激 が 入 力 され な くて も ,視 覚 誘 発 電 位 は 惹 起 され る .例 え ば ,視 覚 誘 発 電 位 の 一 種 で あ る ラ ム ダ 反 応 は , ヒ トが 夢 を 見 て い る 時 に も観 察 され る こ とが 示 され て い る .特 異 的 と い う記 述 と は 矛 盾 す る よ うで あ る が ,事 象 関 連 電 位 は 異 な る成 分 が 重 な り合 っ て 観 察 され る 事 が 多 い た め ,成 分 の 同 定 は 慎 重 に 行 う必 要 が あ る. 1口 7口 2。. .. 加算平均. ヒ トの 覚 醒 中 の 頭 皮 か らは ,基 本 的 に. 20 Hz帯 域 で 周 期 性 の な い. β波 が 観 察. され る .事 象 関 連 電 位 は , β波 に 埋 没 す る 形 で 惹 起 され る .そ こ で ,信 号 抽 出 の た め に は 刺 激 と無 関 連 の ラ ン ダ ム ノ イ ズ を 除 去 しな け れ ば な ら な い .事 象 に 関 連 した 活 動 は 位 相 が 同 期 す る .す な わ ち ,あ る 潜 時 に お け る反 応 は ,陰 性 方 向 か 陽 性 方 向 に 一 定 で あ る た め ,事 象 の 開 始 時 点 を オ ン セ ッ トと して ,数 十 回 ほ ど波 を加 算 す る と ,同 期 した 反 応 は 増 強 され る .^方. 12. ,ノ. イ ズ は位 相 が揃 わ.
(22) な い ,す な わ ち 極 性 が ラ ン ダ ム で あ る た め ,オ ン セ ッ トで 加 算 す る と ,減 衰 す る .こ う して 得 られ た 加 算 波 形 を ,加 算 した 回 数 に よ つ て 平 均 す る 処 理 が 加 算 平 均 処 理 で あ る .カ ロ算 平 均 処 理 に よ つ て 我 々 が 扱 う こ と の で き る. ERP波. 形 が抽. 出 され る .ERPの 部 位 情 報 や 振 幅 ,あ る い は 潜 時 か ら ,頭 皮 上 分 布 や 電 流 発 生 源 が 求 め られ る 。. 1‐ 8。. 聴 覚 刺 激 入 力 に 関 連 した. 聴 覚情報 が (Liegeois‐. 応. 1次. ERP成 分. 聴 覚 野 ま で届 くの に要 す る時 間 は. Chauvel,Musolino,&Chauvel,1991).こ. (ABR:auditory brainstem response)と. 従 っ て 発 生 源 が 特 定 さ れ る .続 い て. responseが 聴 覚 皮 質 で 生. 10‐. 10 ms程. 度 で あ る. の初 期 成 分 は聴 性 脳 幹 反. 呼 ば れ ,脳 幹 部 の 聴 覚 系 の 経 路 に. 50 ms程. 度 の 中期. じ ,そ の 後 ,後 期 成 分 と して 潜 時. middle latency. 50 ms以. 降の反応. へ と 繋 が る .後 期 成 分 よ り後 の 反 応 に は 覚 醒 レ ベ ル や 知 覚 に 対 応 した 影 響 を う け る .人 の 精 神 活 動 の 指 標 とな る の は ,一 般 的 に こ の 最 も代 表 的 な 聴 覚 事 象 関 連 電 位 の 成 分 に. 50 ms以 降 の 成 分 で あ る. .. Nl成 分 が あ る .Nlは 100 ms付 近. で 前 頭 正 中 部 の 頭 皮 上 で 最 大 振 幅 に 観 察 され る聴 覚 誘 発 成 分 で あ る .こ れ ら は. 6種 類 の 皮 質 上 ,異 な る成 分 に 分 類 す る こ と が 可 能 で あ る .ま ある. ず ,聴 覚 皮 質 で. supratemporal planeよ り発 生 す る 成 分 .つ ぎ に 関 連 した 側 頭 ,及 び 後 頭. 皮 質 が 発 生 させ る成 分 .運 動 系 ,及 び 前 運 動 系 皮 質 よ り発 生 させ る 成 分 .後 述 す る mismatch. negativity成 分 .処 理 陰 性 電 位 (prOcessing negativity:PN)の. 側 頭 成 分 と ,最 後 に そ の 前 頭 成 分 の. 6種 類 で あ る 。特 に 最 初 の 3種 類 は `true'. Nl成 分 と され ,刺 激 の 物 理 的 あ る い は 時 間 的 な 側 面 及 び 被 験 者 の 状 態. (覚 醒 な. ど)に 依 存 す る .他 は 刺 激 で は な く ,刺 激 が 呈 示 され る 条 件 に 依 存 す る も の で あ り ,こ れ ら は. true Nlに 重 畳 す る形 で 惹 起 され る .特 に 最 初 の 聴 覚 皮 質 よ り. 観 察 され る 成 分 は Heschl's gyriの. 1次 聴 覚 野 の 広 い 部 分 よ り発 生 す る こ と が. 13.
(23) 知 られ る .ま た 刺 激 強 度 が 増 す と ,振 幅 は 増 大 し ,波 形 の 傾 き は 急 峻 に な る 特 徴 を持 つ 。 この. Nl成 分 は 求 心 性 の 外 因 性 成 分 で あ る .認 知 活 動 と 関 連 す る 処 仮 定 され ,刺 激 の 物 理 的 な 側 面 の 一 過. 理 と して ,transient detector systemが. 性 の 変 化 に 鋭 敏 に 反 応 す る と され る .ま た ,こ れ は 刺 激 の 開 始 時 (onset)と 終 了 時 (offset)に お け る 即 時 的 な エ ネ ル ギ ー の 変 化 と して 捉 え る も の で あ る .一 方. ,よ. り認 知 的 な 側 面 と 関 連 し た 成 分 に. ne gati宙 ty(MMN)が. 4番. 目 の 成 分 と され る. mismatch. あ る .こ ち ら は 認 知 活 動 を 反 映 した 内 因 性 成 分 で ,刺 激. の よ り ,抽 象 的 な 変 化 に 対 し て も ,反 応 す る こ と が 知 られ る (総 説 と し て. Nttatanen&Picton,1987;May&Tiitinen,2010).以. 1‐ 9。. 聴 覚 情 報 の 変 化 検 出 に 関 連 した. 下 に 詳 細 を記 述 す る. ,. .. ERP成 分. 事 象 関 連 電 位 に 聴 覚 情 報 の 変 化 検 出 に 関 連 した 成 分 が 二 つ あ る こ とが 明 らか に され て い る .そ れ ら は 外 因 性 成 分 (誘 発 反 応 )と 内 因 性 成 分 と に 分 類 され 前者 は. Nl(N100)成. 分. ,後. 者 は ミス マ ッチ 陰 性 電 位. negativity)と 呼 ば れ る .Nl成 分 と は 聴 覚 刺 激 が 感 覚 器 て か ら約. 50¨. ,. (MMN:mismatch (耳. ,鼓 膜 )に 到 達. し. 100 msの 潜 時 で 頭 頂 部 優 位 で 陰 性 に 現 れ る ,外 因 性 の 聴 覚 誘 発 電. 位 で あ る .MMNは. 聴 覚 に お い て 特 異 的 な ,自 動 的 な 変 化 検 出 を 反 映 した. 成 分 で あ る .MMNは. ERP. 標 準 刺 激 の 反 復 呈 示 中 に お い て ,弁 別 可 能 な 変 化 刺 激 の. 出 現 を オ ン セ ッ トと して ,潜 時 100‐ 250. msの 陰 性 シ フ トと して 見 られ る .MMN. は 刺 激 に 対 して 注 意 を 向 け て い な く て も ,ま た ,顕 在 的 に 変 化 に 気 付 い て い な く て も ,更 に 変 化 を 無 視 す る よ うな 課 題 を 与 え られ て も ,惹 起 され る .以 上 の 理由より. MMNの. 役 割 と して 自動 的 な 変 化 検 出 信 号 が 聴 覚 皮 質 か ら発 信 され. ,. 前 頭 の 注 意 切 り替 え の ト リガ ー と な る仮 説 が あ る .ま た ,マ ス トイ ド (乳 様 突 起 )で 極 性 が 反 転 す る 特 徴 を 持 つ. (1995)に. (Giard et al.,1990).Kropotov et al。. よ る 手 術 中 の 患 者 の 側 頭 皮 質 か ら直 接. 14. MMNを. 計 測 した 研 究 に よ り. ,.
(24) ERP responses. Subtractlon Waves. Deviant. /. ︵ > 3 5 0coわめ. 図. 1‐ 5。. ′ shndad. ume(m5). MMNの. 模 式 図 .マ ス トイ ドで の 極 性 反 転 が 見 られ る 。 逸 脱 刺 激 の 波 形. か ら 標 準 刺 激 に 対 す る 波 形 を 引 く と純 粋 な al。. ,1990よ. MMNは 意 関連 の. MMN成. 分 が 抽 出 され る (Giard et. り).. 聴 覚 に 特 有 で ,注 意 と は 独 立 して 惹 起 す る こ とが 確 認 され た .ま た 注. N2と P3と. は 構 造 的 に 異 な る こ とが 明 らか に な つ た .し か し ,視 覚. を感 覚 器 と した Visual mismatch negativityが 報 告 され つ つ あ り (総 説 と して. Naatanen,Paavilainen,Rinne,&Alho,2007),今 後 , こ ろ で あ る .図. 1‐. 5は Nl成 分. と. MMN成. よ り検 討 が な され る と. 分 の 波 形 ,及 び ,引 き 算 法 に よ つ て. 得 られ た ミ ス マ ッ チ 陰 性 電 位 の 模 式 図 を 示 す 慣 例 的 に 上方 を 陰 性. .な お , ERPを. ,下 方 を 陽 性 に 示 す こ とが 多 い .従. 図 示 す る場 合. っ て ,潜 時 100‐. ,. 150 ms. に か け て ,上 方 ヘ シ フ ト して い る 電 位 変 動 が ミ ス マ ッチ 陰 性 電 位 で あ る 通 常 ,MMNは. ,. .. Nlに 重 畳 す る形 で 観 察 され ,(Scherg,Vttsar,&PiCton,1989;. Lang,Nyrke,Ek,Aaltonen,Raimo,&Naatanen,1990)純. 粋 な内因性 成 分 と し. て 観 察 す る に は ,外 因 性 成 分 Nlを 引 き 算 法 に よ つ て 取 り除 く こ と が 必 要 と な り 単 体 の 成 分 と して 切 り分 け は 困 難 で あ る. 15. .. ,.
(25) 能 を反 映. が て な し. しか し. ら ,先 行 研 究 に よ りNlと. い る こ とが 示 され て い る. MMNは. 機 能 的 ,解 剖 的 に は 独 立 した 機. (Naatanen,1990;Naatanen,1992).. 以 下 に Rinne(2001)に よ る 分 類 を 基 に ,Nl成 分 とMMNの 違 い を 記 す まず. ,Nlは 単 一 の 刺 激 で 惹 起 す る が ,MMNは. 成 され る ,あ る種 の 文 脈 が 必 要 で あ る. .. 先 行 す る刺 激 系 列 に よ つ て 形. (Sams,Hamalainen,Antervo,. 1985;Naatanen,Paavilainen,Alho,. Kaukoranta,R)einikainen,&Hari′. Reinikainen,&Sams,1989;Korzyukov et ale,1999).Nlは 刺 激 の 物 理 で の 変 化 を 検 出 す る 一 方 ,MMNは. レベ ル. 先 行 刺 激 か らの 刺 激 の 逸 脱 の 程 度 を検 出 す. る (Nttatanen(&Picton, 1987).Saarinen,Paavilainen,Schoger,Tervanie]mi,. and Naatanen(1992)は. 上 昇 系 列 ,及 び 下 降 系 列 の 刺 激 系 列 を 作 成 し ,稀 に 系. 列 を 逆 転 させ る こ とで MMNが 惹 起 す る こ と を 示 した. .. 小 さ な 変 化 に 対 して も 有 意 に 反 応 す る が ,Nlの 振 幅 は 物 理 的. 次 に ,MMNは. 変 化 量 が あ る程 度 多 く な い と有 意 に 増 強 しな い (Sams,et al。. Naatanen,1992)。. Nlは 物 理 的 な 刺 激 強 度 や 周 波 数 次 元 の 増 加 に した が つ て 振. 幅 が 増 大 す る の に 対 して ,MMNは か にな って い る. MMNは. ,1985;. 微 細 な 変 化 に 対 して 感 度 が 高 い こ とが 明 ら. .. 刺 激 の 物 理 的 変 化 量 に よ つ て 振 幅 が 増 減 す る .す な わ ち ,先 行 刺 激. に 対 す る相 対 的 な 変 化 量 の 絶 対 値 に 依 存 す る. (Naatanen,1992).し. は 刺 激 の 物 理 量 の 増 減 に 対 し正 の 相 関 関 係 を 示 す. Krasnegor,&Pollack,1966).先. か し ,Nl. (Rapin,Schimmel,Tourk,. 行 刺 激 に 対 して 音 量 が 低 下 す る な ど ,エ ネ ル. ギ ー が 小 さ い 方 向 へ 変 化 した 際 ,Nlの 振 幅 は 減 少 す る が MMNは 惹 起 され. MMNの Nl成. 振 幅 は変 化 の 量 の絶 対値 に相 関 す る 分 とMMNは 発 生 源 が 異 な る. ,. .. (Scherg et al.,1989;Sams,Kaukoranta,. Hamalainen,&Naatanen, 1991;Cs6pe,Pantev,Hoke,Hampson,&RIoss, 1992;Huotilainen,1lmoniemi,Lavikainen,Tiitinen,Alho,SinkkOnen,et al。. 16. ,.
(26) 1993;Tiitinen,Alho,Huotilainen,111■ oniellrli,Sirrlola,&Nttatanen, 1993;. Levanen,Ahonen,Hari,McEvoy,8ι Sallrls,1996;Korzyukov et al。 ,1999; 諸 説 あ る 力S,. Rosburg,Haueisen,&Kreitschmann・ Andermahr,2004)。 潜時. 100 msぐ ら い で 前 頭 優 位 で あ り ,上 側 頭 回 (STG;Supra temporal gyrus). が 発 生 源 で あ る と され る 。 一 方 質. Nlは. 前 頭 優 位 で ,STG,及. ,MMNは. (ACC;Anterior cingulate cortex)が. び前部帯状皮. 発 生 源 と し て 示 唆 さ れ て い る (図. 1‐. 6). (Waberski,Kreitschmann‐ Andermahr,Kawohl,Darvas,Ryang,Gobbele,et ま た 前 頭 前 野 の 活 動 も報 告 され て い る. al.,2001;Tamakoshi,&Yagi,inpress)。 が. ,後 ほ ど 詳 細 を 記 述 す る 。. 図 1‐ 6.LORETA法 を 用 い た MMNの 発 生 源. .上 段 は 早 い 潜 時 帯 で の 右 半 球 (right. Superior Temporal Gyrus:x=60,y=‐ 32,z=15)の 遅 い 潜 時 帯 に お け る ACC. 活 動 を 示 し ,下 段 は よ り. (Anterior Cingulated Cortex:x=‐ 3,y=45,z=‐. の 活 動 を 示 す 。 Tamakoshi. and Yagi(in press)よ. 17. り引 用. .. 6).
(27) 最 後 に ,Nlは 刺 激 の 特 徴 次 元 に ダ イ レ ク トに 反 応 す る 刺 激 駆 動 型 で あ る の に 対 し,MMNは 表 象 レベ ル で 統 合 され た イ ベ ン トと して 処 理 を 行 う こ とが 挙 げ ら 1見 る. (Nhatanen,&winkler,1999)。 Naatanen,Paavilainen,Tiitinen,Jiang,. and AlhO(1993)は 複 雑 な 音 列 を 呈 示. し ,受 動 的 に 聞 く ブ ロ ッ ク と弁 別 課 題 を. 交 互 に 行 つ た .学 習 フ ェ ー ズ の 初 期 段 階 で は MMNは 惹 起 し な い が ,試 行 が 進 む に つ れ ,MMNの 惹 起 が 見 られ る 。こ の こ とか ら学 習 に よ る長 期 記 憶 へ の 情 報 の 移 行 を 示 唆 した .こ の 結 果 よ り ,MMNは 情 報 の エ ン コ ー デ ィ ン グ ,も し く は 長 期記憶保持や言語習得. (Naatanen,1999)の. 指 標 とな る. 以 上 の 分 類 よ り ,よ り刺 激 駆 動 型 な 外 因 性 成 分 で あ る も 同 様 に 刺 激 特 性 に よ つ て 惹 起 す る が ,そ の 成 分 は. .. Nl成 分 に 対. Nlと. し ,MMN. 比 較 す る と ,よ り高. 次 な 内 因 性 処 理 が 含 ま れ て い る と考 え られ る .以 前 は 内 因 性 成 分 と外 因 性 成 分. ERP成 分 で あ る が ,MMNは. と い う呼 び 方 で 分 類 され た. た め ,新 た に 自動 的 過 程 と い う呼 び 方 が 広 く用 い られ た これ ら. MMN研. そ の 両 方 の成 分 を含 む .. 究 で 得 られ た 知 見 か ら ,聴 覚 系 に お け る 自動 的 な 処 理 に つ い. て ,高 次 な 処 理 が 行 わ れ て い る こ とが 示 唆 され て い る .以 下 ,刺 激 入 力 後 と い う早 い タ イ ミ ン グ で の 活 動 で は あ る が ,高 次 処 理 を 反 映 す る 関 して よ り詳 細 に 解 説 す る. 1‐. 10。. 注意 と. MMN成. 分に. .. MMN. 注 意 に 関 連 した. ERP成 分 は ,Nl成. 分 の 増 大 とい う形 で ,最 初 に 効 果 が 報 告. Nl成. 分 の 振 幅 が 増 大 す る と い う報 告 で あ る. さ れ た .選 択 的 注 意 に よ っ て. (Hillyard,Hink,Schwent&Picton,1973).そ 波形か ら. 200 ms. の 後 の 研 究 に お い て ,得 られ た. Nl成 分 を 引 き 算 法 に よ つ て 取 り除 き ,内 因 性 成 分 を 抽 出 した 結 果. 処 理 陰 性 電 位 (prOcessing negativity)や と呼 ば れ る ,潜 時. 150 msか. ら. 500 msに 18. ,Nd波. ,. (negative difference wave). か け て の 緩 や か な 陰 性 成 分 が 示 され.
(28) た 。 こ の 分 析 に よ り ,Nlの. 振 幅 増 大 で は な く ,他 の 成 分 の 重 畳 した 結 果 で あ. る こ と が 示 唆 され た .こ れ ら の 成 分 は 選 択 的 注 意 を 反 映 す る. ERP成. 分である. が ,更 な る 分 析 で ,課 題 に 関 連 して い な い ,す な わ ち ,選 択 的 注 意 に 因 ら な い 先 行 刺 激 との 不 一 致 の成 分 が. MMNで. (mismatch)に. ある. よつ て 生 じる. ERP成. ,. 分 が 発 見 され た .こ. (Naatanen,Gaillard&MantySalo,1978).刺. 激 に対 し. て ,注 意 して い な く て も ,あ る い は 課 題 に 関 連 して い な い 刺 激 変 化 に 対 して も 反 応 す る た め ,注 意 に 因 ら な い 潜 在 的 な 処 理 を 反 映 す る と 言 え る .因. MMNは. み に 刺 激 に 注 意 す る事 態 で は. MMN振. 幅 は 影 響 を 受 け ず ,MMNに. N2や P3が. で 注 意 に 関 連 した 成 分 で あ る. 現 れ る .Kropotov,Naatanen,. Sevostianov,Alho,Reinilainen and Kropotova(1995)に 接. MMNを. 計 測 した 研 究 か ら も ,MMNは. 1‐. H.注. (2000)に. ERP成. Nl,MMN成. よ る と ,前 頭 で 記 録 され る. 続 く こ と か ら側 頭 部 位 に お け る. 分である. N2,P3と. .. 意 と注 意 の 切 り替 え と関 連 した. Rinne et al。. よ る側 頭 皮 質 か ら直. 聴 覚 に 特 有 で 注 意 と は 独 立 して 惹 起. す る こ とが 確 認 され た .さ ら に ,注 意 に 関 連 した は 異 な る こ とが 明 らか に な っ た. 重 畳 す る形. MMNは. 分. MMN活. 動 は側 頭 の活 動 に. 前 頭 へ と注 意 の 切 り替 え.の ト リガ ー 信. 号 と して 発 生 す る も の で あ る と した (し か し の か の 断 定 は で き て い な い ).ま た ,前 頭 の. sourceが 三1つ あ る の か 移 動. MMNは. した. い くつ か の 関 連 領 域 と の 相. 互 関 係 が あ り ,被 験 者 が 注 意 を 必 要 と され る課 題 を 遂 行 して い る と き の 小 さ な 課 題 無 関 連 な 聴 覚 刺 激 に よ つ て 自動 的 注 意 の 切 り替 え が 起 こ る と き 惹 起 す る と した. .. さ らに. Opitz et al.(2002)に よ る と frOnt‐ centralの 聴 覚 処 理 ネ ッ トワ ー ク. は 自動 的 な 注 意 の 切 り替 え を 反 映 して い る と した 。 こ の 実 験 で は. 3レ ベ ル の 逸. 脱 度 の 違 い で ど の よ うな 違 い が 計 測 され る か を 目的 と して ,全 て の 逸 脱 で 両 半. 19.
(29) 球の. STGが. 活 動 し ,逸 脱 度 合 い に お け る 顕 著 な 逸 脱 と 中 程 度 の 逸 脱 で 右. IFG. (inferiOr frontal gyrus)が 活 性 した と い う結 果 が 得 られ た 。 ま た 側 頭 の 活 動 は 潜時. 110 ms付 近 で 逸 脱 度. MMNの. み しか 惹 起. と も に 惹 起 され ,初 期 潜 時 が. MMNと Nl. 付 近 で 逸 脱 度 と相 関 が 見 られ た .ま た 小 さ な 音 響 変 化 な ら しな い が ,顕 著 な 場 合 は 大 き な の 重 畳 で ,後 期 成 分 が が. MMNニ. Nlが. MMNで. あ る と して い る .こ れ ら の 結 果 を ま と め ,IFG. ュ ー ラ ル ネ ッ トワ ー ク の 一 部 で あ る と した .ま た. に 損 傷 が あ る 場 合 振 幅 が 減 少 した が ,聴 覚 皮 質 由 来 の れ な か っ た (Alho et al.,1994)。. MMNは. Sato(2002)の. これ らの 実 験 結 果 か ら. 実 験 か ら注 意 関 連. MMNの. 前頭 前野. Nlで は そ の 影 響 は 見 ら MMNが. 注 意 の ト リガ. ー で あ り,Nlは 注 意 に 関 連 した 成 分 で あ る こ とが 明 らか に な っ た また. 150 ms. と振 幅 に 相 関 が み られ ,前 頭 の 活 動 は 潜 時. Fzに. .. お け る振 幅 は. schizophrenic群 よ り healthy群 の ほ うが よ り陰 性 に シ フ トして い た が ,マ ス トイ ドで 記 録 され た 電 位 は 両 被 験 者 群 と も 同 じで あ る と い う結 果 が 得 られ た. .. Alho et al.(1994)に よ る DLPFC(dorsolateral prefrontal cortex)1隕 傷 j者 と 健 康 な 被 験 者 を 比 較 した 実 験 に よ り ,Nl成 分 と frOntalの 活 動 は 独 立 した も の で あ る と した .こ の よ うに い う研 究 も あ る. 1‐. 12.MMNと MMNに. MMNは. MMNは. 異 な る発 生 部 位 か ら の 電 位 の 重 畳 で あ る と. .. N2(N2b)成 分. 続 いて. N2b成 分 が 注 意 状 態 に お け る逸 脱 刺 激 に よ つ て 惹 起 され る. 早 い 受 動 的 な 聴 覚 刺 激 の 変 化 検 出 の 指 標 と な る が ,MMNよ. 時 に 見 られ る. N2波. り後 の 潜. は タ ー ゲ ッ トが 顕 著 な と き の 注 意 配 分 の 指 標 と な る (Potts,. Dien,Hartry‐ Speiser,McDougal&Tucker,1998)。 果 を 反 映 して い る と示 唆 され る .す な わ ち する. .. N2bは 注 意 に 関 連. した. top‐. MMNは. down効 果 の 影 響 20. N2は 注 意 の. top‐. down効. 刺 激 駆 動 で ,MMNに. 後続. と ,課 題 関 連 の 刺 激 逸 脱 に よ.
(30) っ て 惹 起 す る も の で あ る と した と. (Nagy,Potts and Loveland 2003).ま た. MMN. 後頭 部 にお 頭頂‐. N2bは 頭 皮 上 電 位 マ ッ プ で 区 別 す る こ とが 可 能 で ,N2bは. い て 最 大 振 幅 で ,マ ス トイ ドで 極 性 反 転 し な い (Alho et al。 ,1986)。. 発 生源 は. 聴 覚 皮 質 の 外 で 広 範 囲 に 広 が る (Sussman et al。 ,2002).. 1‐. 13.高. 次認知機 能 と. MMNは. MMNの. 発 生源. 側 頭 皮 質 の み か ら 発 生 し て い る の で は な く ,ACC(anteriOr. cingulate cortex:前 部 帯 状 皮 質 )か ら の 発 生 も示 唆 され て い る 。 さ ら に 右 側 頭 に優 勢 な 前 頭 発 信 源 も 存 在 す る 。 Dueller. et al.(2003)に よ る と ,MMNは. 側. 頭 か ら前 頭 間 の ネ ッ ト ワ ー ク に お け る 前 注 意 処 理 の 相 互 作 用 に よ つ て 発 生 す る こ と が 知 られ る 。 価 IRIで は 音 高 逸 脱 事 態 で 右. STG(superior temporal gyrus). 野 の 活 性 が 見 られ る 。 逸 脱 の 度 合 い に お け る 比 較 ,す な わ ち 逸 脱 刺 激 が 識 別 困 難 か 識 別 容 易 で あ る か と い う条 件 間 で は 右 前 頭 前 野 (prefrontal)に お け る. IFG(inferior frontal gyrus;BA 44/45)と. 46)の 活 動 の 違 い が 明. MFG (middle frOntal gyrus;BA. らか に され た 。ま た 逸 脱 の 程 度 に 関 わ らず 左 右. 右 IFG野. 右 STG野. 左 STG野. 図. 1‐. 7.Opitz(2002)の. 実 験 で 見 られ た 発 生 源. 21. .. IFGが 活.
(31) 動 した .ERPで は 早 い 潜 時 の し ,そ れ と 平 行 して 右 を 示 す の は 140‐. STGが. MMN(90‐ 120 ms)の 活 動 す る 。MMNの. 170 msの 遅 い 潜 時 の. MMNで. 右. 振 幅 が 逸 脱 に 関 連 して 増 加. 振 幅 と逸 脱 度 合 い が. U‐ shape. IFGの 活 動 パ タ ー ン と似 て い. た .こ れ ら は 遅 い 潜 時 の 処 理 は 逸 脱 の 識 別 に 関 連 した. IFGの 活 動 に よ る も の で. 感 覚 記 憶 痕 跡 と入 力 聴 覚 情 報 と の 弁 別 に 影 響 し ,STGに お け る 変 化 検 出 プ ロセ ス にお け る と. IFGに. top‐. down操 作 に 関 連 が あ る と した .以 上 の 結 果 よ り MMNは STG. 関 連 し ,IFGは 刺 激 評 価 に 関 連 して い る と 結 論 付 け られ た 。そ れ ぞ れ. の発 生源 を図. 1‐. 7に 掲 載 す る 。 Deouell,Bentin,and Giard(1998)の 実 験 に よ. る と ,両 耳 分 離 で 周 波 数 変 化 逸 脱 を 右 耳 ,左 耳 ,両 耳 と呈 示 して した と こ ろ ,MMNは. MMNを. 全 て の 条 件 で 右 半 球 前 頭 に お い て 左 側 同 一 部 位 よ り大 き. か っ た .右 耳 呈 示 に お け る 惹 起 は 両 側 と も等 質 に 前 頭 に. sinkが. あ り ,source. は 逆 側 の マ ス トイ ドに 強 い 傾 向 に あ つ た .対 照 的 に 左 耳 呈 示 は 前 頭 に り ,側 頭. 比較. sinkが あ. sourceは 右 半 球 全 体 で 強 か つ た .ま た 低 音 逸 脱 条 件 の 方 が よ り MMN. を 惹 起 させ ,そ れ は 左 側 刺 激 呈 示 時 に の み 見 られ た .右 半 球 に お け る 前 頭 発 生. MMNの. 優 位 性 は 高 次 注 意 シ ス テ ム の 反 映 と示 唆 され た (Giard et al.,1990;. Naatanen et al., 1997). こ れ ら の 研 究 は ,MMNの 特 性 を 生 か した 聴 覚 情 報 処 理 や ,そ の 時 間 的 側 面. ,. 入 力 情 報 の 一 時 貯 蔵 の 時 間 窓 に つ い て 現 在 も進 め られ て い る .ま た ,睡 眠 ス テ ー ジの初期 段 階や. REM期. で も惹 起 され る の で ,睡 眠 研 究 に 用 い られ て い る. ま た ,新 生 児 や 乳 幼 児 で も観 察 可 能 で あ る た め ,発 達 研 究 に も使 用 され て い る. .. .. さ ら に 昏 睡 状 態 か ら の 回 復 の 指 標 と して 臨 床 研 究 の 役 割 も あ る .し か しな が ら. ,. 直 接 保 持 され た 情 報 を 観 察 す る こ と は 出 来 ず ,か な らず ,mismatchが 生 じ る 事 態 を 設 定 し ,間 接 的 な 指 標 の 変 化 に つ い て の 考 察 と な る 。. 22. ,.
(32) 14.MMNと Nl順 応 説. 1‐. MMNが. 発 見 され て か ら現 在 ま で ,MMN研. 究 が 蓄 積 され る 一 方 で ,繰 り返 し. Nl成 分 の 順 応 (stimulus speciic adaptation)に 一 部 で あ る と い う主 張 が あ る .MMNは 対 して. よ つ て 惹 起 され る. 内 因 性 の 高 次 な 認 知 機 能 の 反 映 と され. Nlは 外 因 性 の 求 心 性 活 動 の 反 映 と され る .し か し ,MMNの. 次 な 機 能 を 仮 定 せ ず ,よ り低 次 す な わ ち 機 能 ,及 び モ デ ル に 対 す る 問 題 点 が ま ず ,複 数 の 標 準 刺 激 が な い と. Nl成 分 の ,. 反 応 を高. Nl機 能 で 解 釈 で き る と し,MMNの. May and Tiitinen(2010)よ. Memory traceが 形 成. り報 告 され た. .. され な い .し か し行 動 指. 標 を 想 定 す る と ,複 数 必 要 と い う の は 矛 盾 して い る と い う指 摘 で あ る .こ れ は 後 述 の Adaptation/Fresh afferents modelに. traceモ. 繋 が る 考 え で あ る 。ま た ,Memory. デ ル で は 多 く の 機 能 的 に タ イ プ の 異 な る 細 胞 が 必 要 と な る .こ れ は 注. 意 に 依 存 す る amplificatory cellsと 注 意 に 依 存 しな い computational cellsが そ れ ぞ れ 必 要 と な る 。 permanent 入 力 が 生 じ ,computational. feature detector systemに 刺 激 の 繰 り返 し. cellsの 活 動 と の 照 合 に よ つ て 生 じ る 電 位 が. で あ る 可 能 性 が あ る 。 ま た ,MMNを. MMN. 抽 出 す る 手 段 で あ る ,波 形 同 士 の 単 純 な. て い る .そ れ ぞ れ に 対 す る機 能 や 神 経 細 胞 が 引 き 算 が 問 題 で あ る と も述 べ られノ 異 な る 可 能 性 が あ る た め ,減 算 法 の 適 用 は 不 適 切 で あ る と い う考 え で あ る .ま た ,MMNは が. 生 理 学 的 な 基 盤 が な く ,大 脳 新 皮 質 よ り直 接 計 測 され た 例 も あ る. (Kropotov et al.,1995),Nlを. れていない. .そ. こで. ,よ. 発 生 させ る神 経 細 胞 と の 切 り分 け は 確 認 さ. り単 純 な モ デ ル で 現 象 を 説 明 す る た め の 主 張 が. Adaptation/Fresh afferents modelで あ る. 1‐. .. 15.Adaptationノ Fresh afferents lnodel 繰 り返 し 呈 示 さ れ た 刺 激 ,す な わ ち 標 準 刺 激 は. させ. ,そ. の 結 果 と し て ,Nl振. Nl活 動 に Adaptationを. 幅 は 減 衰 す る .一 方. 23. ,稀 な タ イ. 生 じ. ミン グで入 力 さ.
(33) れ る 逸 脱 刺 激 に 対 し て ,Adaptationが 生 じて い な い た め ,逸 脱 刺 激 に 対 す る. Nl成 の. 分 は 強 調 され る .そ の 結 果 と して 引 き 算 処 理 で 認 め られ る の は ,求 心 性. Nl活 動 の 差 異 で あ る とす る モ デ ル で あ る .こ. に対 す る. Nlと. の モ デ ル に 対 して ,標 準 刺 激. 逸 脱 刺 激 に 対 して 惹 起 され る 波 形 が 異 な る理 由 が 求 め られ る が. 発 生 源 を 切 り分 け る こ とが 出 来 な い た め ,Nlの り Adaptationと. Memory baseは. 変 容 と して 解 釈 す る べ き で あ. 相 互 排 他 的 で は な い と主 張 され て い る .こ れ. Nlは 異 な る と い う主 張 は い く つ か あ る が ,決 定 的 な 切. に 対 して ,MMNと. 分 け と して ,刺 激 欠 落 に よ つ て も. MMNは. 惹 起 す る と い う点 が 挙 げ られ て い る. 刺 激 の 入 力 が な い た め ,求 心 性 の 活 動 は 生 じ な い た め ,Nlは そ の た め ,欠 落 に 関 連 した. Memory traceモ. 1‐ 16。. MMNは. り. 惹 起 され な い. 異 な る神 経 細 胞 群 の 活 動 の 反 映 で あ り. .. .. ,. デ ル の 根 拠 と して 主 張 され て い る (Yabe et al.,1997).. 脳 波 を 指 標 と した 聴 覚 情 報 処 理 時 間. 脳 波 を 指 標 と した 聴 覚 情 報 処 理 の 時 間 側 面 を 明 らか とす る た め. TWI. (temporal window of integration)が 数 多 く研 究 され て い る 。 Cowan(1984) は. 2種 類 の 感 覚 記 憶. 一 つ 目 を 200‐ 300. と い う枠 組 み に よ つ て ,聴 覚 情 報 の 時 間 的 側 面 を 説 明 した. ms程 度 の ま だ 分 析. .. され て い な 感 覚 記 憶 痕 跡 と して ,も う一. つ は 数 秒 に 及 ぶ よ り長 い 聴 覚 情 報 の 記 憶 と して 分 類 した 。 こ れ らは そ の 後 ,脳 波 ,事 象 関 連 電 位 を 指 標 と した 研 究 で よ り明 らか に され て い つ た 。 以 下 に 概 要 を示 す. 1‐. 16‐. 1。. .. TWI(Temporal Window of lntegration). 聴 覚 情 報 は 日常 生 活 に お い て ,時 々 刻 々 と変 化 して 止 め 処 無 く入 力 され る. .. 我 々 の 聴 覚 機 構 は 環 境 音 を 知 覚 表 象 す る に あ た り ,入 力 情 報 を ,あ る 時 間 範 囲 で 区 切 りを つ け ,「 object」. と い うま と ま っ た 情 報 と して 処 理 す る 必 要 が あ る. 24. .. ,.
(34) そ の た め ,temporal. window of integration(TWI)と. 呼 ばれ る一 時 貯 蔵 庫. (buffer)に 蓄 え て か ら ,ま と め られ た 情 報 を 処 理 し て い る と考 え られ て い る この. TWIは ,そ の 長 さ が 2種 類 仮 定 され て い る 。30 ms程 度 の 短 い TWIと 200. ms程 度 の 長 い TWIで. あ る .2種 類 あ る の か ,同 じ も の が. の か 明 らか と な つ て い な い が ,multiple. looksモ. わ け て い る 可 能 性 が あ る .こ れ ら を 長 い. TWIよ. 1口. 16‐. .. 2。. TWIに. 2つ. の側 面 を有 す る. デ ル に 従 う と ,2種 類 を 使 い. り以 下 に 紹 介 す る. .. 200 ms程 度 の TWI 関 す る研 究 に 用 い られ る 指 標 と して. MMNが. ある. (Naatanen,1990;. Yabe et al., 1998; Winkler, Sussman, Tervaniemi, Horvath, Ritter, &. Naatanen,2003).非. 注 意 状 態 に お け る 欠 落 刺 激 に 対 す る 自動 的 な 反 応 は 制 約. が あ り ,刺 激 間 間 隔 が. 150 ms程 度 で な け れ ば ,MMNは. こ とで あ る (Yabe et al。 い刺激 間間隔 で も. ,1998).時. MMNを. 明 確 に 惹 起 され な い. 間 弁 別 の 訓 練 を した 音 楽 家 な ど は ,よ り長. 惹 起 させ る が ,非 音 楽 家 で は 刺 激 間 間 隔 が. を超 え る と も は や 惹 起 され て い た. MMNを. 200 ms. 観 察 す る こ とは 不 可 能 に な る. (Atienza et al., 2003;Risseler,Altenmuller,Nager,Kohlmetz, &Munte, 2001).Tervaniemi et al.(1994)は tone pairの. 二 音 目 が 欠 落 した 場 合 ,SOA. MMNを. 惹 起 し な い こ と を 発 見 した 。 Takegata,. Roggia and Winkler(2005)は 2音. に よ り音 列 パ タ ー ン を 形 成 す る tone pair. が. 140 ms以. 内 で な けれ ば. を 用 い て ,先 行 刺 激 ,後 続 刺 激 を そ れ ぞ れ 変 化 させ た 場 合 の に つ い て ,刺 激 間 間 隔 (ISI:inter stimulus interval)を は. MMNの. 操 作 し検 討 した 。結 果. ISIが 400 msの 条 件 で は 先 行 ,後 続 ,そ れ ぞ れ の 刺 激 に 対 して. 起 され て い た が ,ISIが. 220 msで. が 変 化 した に も 関 わ らず ,MMN成 研 究 にお け る. 200 ms前. 振 る舞 い. MMNが. 惹. 呈 示 され た 条 件 で は ,先 行 ,後 続 両 方 の 刺 激 分 は 一 つ の み 観 察 され た 。 こ れ ら の. 後 の 情 報 の ま と ま りは ,「 single unit」. 25. TWIの. と呼 ば れ る こ と.
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