第 3 学 年 の 事 例
中 学 年 で 使 用 す る 新 教 材
“Let's Try!” に は , “Hi, friends!” と の 共 通 点 が
多 く あ り ま す 。「 授 業 Ⅰ 」・「 授 業 Ⅱ 」 で 扱 っ た 単 元 も , こ れ ま で は
“Hi,
friends! 1” で 指 導 し て き ま し た 。 異 な る の は 対 象 児 童 が 3 年 生 と な る こ
と で す 。 は じ め て 英 語 に ふ れ る 児 童 に 対 し て ど の よ う な 配 慮 が 必 要 な
の か , 発 達 段 階 に 配 慮 し た 指 導 を ど の よ う に 工 夫 し て い け ば よ い の か
な ど を 中 心 に , 実 践 例 を 見 て い き ま し ょ う 。
★ 実 践 と 成 果
★ 授 業 Ⅰ
I like blue. (
Let's Try! 1 Unit
4)
★ 授 業 Ⅱ
What's this? (
Let's Try! 2 Unit 8)
★ 活 動 事 例
① 友 達 と 関 わ る 楽 し さ の 中 で , 自 分 の こ と を 話 す 活 動 ② 友 達 と 関 わ る 楽 し さ を 通 し て 世 界 の 言 葉 に 親 し む 活 動 ③ 興 味 を も た せ , 英 語 で 話 す 意 欲 を 高 め る 題 材 ④ 英 語 で 歌 う 楽 し さ を 味 わ う 学 習 活 動 - 【Let's Sing】 を 通 し て - ⑤ 音 を ま ね て 語 や 表 現 を 言 い 慣 れ る 活 動 - 【Let's Chant】 を 通 し て - ⑥ 自 分 の 考 え や 気 持 ち を 話 す 活 動 - 表 現 に 慣 れ 親 し む た め の ゲ ー ム を 通 し て - ⑦ 自 分 の 考 え や 気 持 ち を 伝 え 合 う 「 話 す こ と [ や り 取 り ]」 の 活 動 1 ⑧ 自 分 の こ と を 伝 え 合 う 言 語 活 動 - 【Activity】 を 通 し て - ⑨ 絵 本 を 効 果 的 に 活 用 し た 活 動 - 読 み 聞 か せ を 通 し て 1 - ⑩ 身 の 回 り に あ る ALPHABET に 気 付 き , 興 味 を も つ 活 動 ⑪ ALPHABET に 興 味 を も ち , 文 字 の 形 を 捉 え る 活 動 1 ⑫ ALPHABET に 興 味 を も ち , 文 字 の 形 を 捉 え る 活 動 2 ⑬ 既 習 表 現 に 繰 り 返 し 慣 れ 親 し む 活 動 - 【Let's Chant】 を 通 し て - ⑭ 自 分 の 考 え や 気 持 ち を 伝 え 合 う 「 話 す こ と [ や り 取 り ]」 の 活 動 2 ⑮ 既 習 事 項 を 活 用 し な が ら 英 語 で や り 取 り を す る 言 語 活 動 - 【Activity】 を 通 し て - ⑯ 絵 本 を 効 果 的 に 活 用 し た 活 動 - 読 み 聞 か せ を 通 し て 2 -★ 提 供 資 料
( 義 務 教 育 課 の 学 力 向 上 支 援 Web に も 掲 載 し て い ま す ) 資 料 室 → 外 国 語 活 動 ・ 外 国 語 に 関 す る 資 料 → 実 践 事 例 ハ ン ド ブ ッ ク自分の考えや気持ちなどを
主体的に伝え合おうとする態度を養う外国語活動
- 友達との関わりを大切にした体験的な言語活動を通して-
佐々木絵理子 2020年度,外国語活動が小学校中学年において全面実施となり,コミュニケーションを図る 素地となる資質・能力の育成が求められる。移行措置1年目の実践では,初めて英語を学ぶ児 童に配慮し,単元計画や授業を工夫しながら,具体的な課題を設定し,友達との関わりを大切 にした体験的な言語活動を展開した。その結果,児童は英語で伝え合う楽しさを実感し,主体 的に自分の考えや気持ちなどを伝え合おうとする態度を養うことにつながった。 Ⅰ 実践の内容 1 言語活動の定義 新学習指導要領解説 外国語活動・外国語編 (平成29年7月)には,外国語教育における言語 活動とは,児童が目的や使用場面を意識しなが ら,実際に英語を使って互いの考えや気持ちな どを伝え合う活動と記されている。音声や音源 を単に繰り返し,考えや気持ちを伝え合う要素 がない活動は言語活動とは区別することとする。 2 児童の実態 【対象:追分小学校第3学年児童 48名】 対象の児童に行った事前の意識調査では, 外国語活動が始まることについて「とても楽し み」と回答した児童が65%,「少し楽しみ」が 16%と,8割以上の児童が肯定的に捉えている 一方で,「とても心配」「少し心配」と回答した 児童が19%いた。楽しみな学習として,「新し い英語を知ること」が90%,「英語で友達とゲ ームをすること」が88%,「英語で絵本を読ん でもらうこと」が83%と多かった。不安な内容 としては,「英語で話すこと」が40%,「英語で 歌うこと」「自分のことを紹介すること」が25% であった(資料1)。このことから,児童は新し い英語を知り,話せるようになりたいという思 いをもっており,外国語活動が始まることへの 期待が大きいと言える。また,絵本を読んでも らうこと,英語を聞くこと,ゲームをすること には高い関心を示しているが,その反面,人前 で英語で話すことには不安を感じていることが 分かった。 3 中学年児童の特性と外国語活動における 留意点 外国語活動の第3学年への導入は,現行の第 5学年の内容がそのまま下りてくるかのような 印象を受ける。しかし,発達の段階や他の教科 等における既習内容,生活経験の違いは大きく, 次の点に十分,配慮して指導計画を作成する必 要があると考える。 (1) 具体的なやり取りの場面を繰り返し設定 する 活動に使用する表現や文をカード等で提示 して導入するのではなく,教師とALTとの 会話やデモンストレーションの場面で,繰り 返し英語の音声を聞かせることで,「こんな 時に使うんだ」「こんな意味かな」と児童が 音声と意味を捉えられるようにし,段階的に 自分のことを伝える言語活動である Small Task につなげる。 (2) 自分のことを伝える機会を増やす どのような場面で,どの語句や表現を使う のかを意識させるために,自分のことを話す 活動を教師とのやり取りやゲームの中に意図 的に設定する。教師が意識して児童が「何度 も聞いたことがある,言ったことがある」よ うな状態にすることで,話すことへのハード ルを徐々に下げ,主体的な活動につなげる。 そして,ペアやグループなど少人数単位での 安心感を得られる雰囲気の中で,伝えたいこ とを自己決定して伝える活動を段階的に増や していく。 65 56 46 73 50 50 48 44 77 62 17 23 14 15 25 19 29 31 13 21 6 13 21 4 15 12 10 15 6 15 12 8 19 8 10 19 13 10 4 2 0 20 40 60 80 100 外国語活動がはじ まる こ と 英語を 聞く こ と 英語で話すこ と 英語で 友達と ゲームを する こ と 英語で歌う こ と 友達と 英語で話すこ と 友達と イ ン タ ビ ュ ーし あう こ と 自分のこ と を 紹介する こ と 新し い英語を 知る こ と 英語で 絵本を 読んでも ら う こ と と ても 楽し み 少し 楽し み 少し 心配 と ても 心配 % 資 料 1 外 国 語 活 動 に 関 す る 意 識 調 査(3) 友達との関わりを大切にする 低学年に比べて,仲間意識が強くなり,友 達のことを知ることや,友達と行動すること に興味をもち始める時期である。活動を共に 行い,普段一緒にいる友達の新たな一面に気 付いたり,自分のことを知ってもらったりす ることが楽しさの実感につながると考える。 (4) 音声面を中心に英語に慣れ親しませる 中学年の特性として,音声言語への柔軟さ や敏感さをもち合わせていることから,聞い た音をそのまま真似して発音し,いくつかの 単 語 を 一 つ の ま と ま り と し て 捉 え 「have a」を「ハバ」と発音するなど,体験を通し て言語を習得していくことができると考えら れる。文字と音が結び付いていない段階であ ることに十分に配慮し,英語の音声を中心に 繰り返し慣れ親しませることが重要となる。 (5) 非言語の要素を取り入れた多様な活動を 取り入れる 中学年の発達の段階においては,高学年に 比べ,動作化や劇化,リズムやメロディーを 伴った活動を取り入れることで,楽しみなが ら積極的に英語を使おうとする姿が期待でき る。 (6) Let's Try! 1 の言語材料を必要に応じ て取り扱う Let's Try! 1 は,学習が進むとともに,使 用する語句や表現が増え,児童が言語材料を 活用していけるように構成されている。しか し,移行期間においては全ての単元を網羅す ることが難しく,授業で扱わない言語材料も ある。言語材料配列表を作成し,扱わない単 元で初出となる言語材料を必要に応じて随時 取り扱い,繰り返し慣れ親しませていくこと で,自分の考えや気持ちなどを伝えたり,相 手の話したことに反応を返したりする言語活 動が円滑に行われるようにする。 4 具体的な課題の設定と言語活動の展開 外国語活動の目標である外国語による「コミ ュニケーションを図る素地となる資質・能力」 を育成するためには,児童が言語活動に主体的 に取り組むことが不可欠である。主体的に取り 組む態度を養うためには,教師が単元を見通し た具体的な課題を示し,主体的な学びを引き出 すことや,単元終末に課題を解決し目標を達成 させるために,言語活動を段階的に設定し,自 己表現活動を工夫することなどの手立てが考え られる。 児童が英語で伝え合う楽しさを十分に味わい ながら,単元終末の Activity でより主体的に 活動し課題を解決して目標を達成することがで きるように,Small Task を段階的に設定し た単元計画基本モデルを作成した(資料2)。児 童は単元の始めに具体的な課題を知り,「聞く こと」や「気付き」の活動を通して十分に英語 の音声を聞く。1単位時間で学習した語句や表 現を用いて自分のことについて話す言語活動を 毎時間繰り返すことで,「話すこと」の成功体 験を蓄積させ,主体的な活動につなげる。 (2) 単元構想シートの作成 単元を通して,児童にどのような力を付ける のかを明確にし,具体化するための手立てとし て,単元構想シートを作成した(資料3)。単元 の目標と照らして,目 指 す児童の具体的な姿
Small Task Small Task Small Task Practice Let’s Play Practice input,sing,chant, Let’s Watch and Think Let’s Play Let’s Listen Practice Let’s Play
Feedback Feedback Feedback
Activity Practice Feedback 具 体 的 な 課 題 Let’s Listen 第1 時 第2 時 第3 時 第4 時 自分の考えや気持ちを伝え合う 本当のことを伝えるコミュニケーション活動 本 時 の め あ て に 関 係 の あ る 導 入 活動の 場面設定 時間の確保 会話の提示 語句との 自然な出合い 口慣らし デモンストレーション 語句や表現の 確認 語句や表現への 慣れ親しみ 資 料 2 単 元 計 画 基 本 モ デ ル 外国語活動・外国語科 単元構想シート Let’s Try 1 Unit 4 I like blue.
・自分の好きなものを相手に伝えようとしている。 ・友達と伝え合うことを楽しんでいる。 ・間違いをおそれずに,英語を話そうとしている。 ・相手に伝えるためにどのようにしたらいいかを考えている。 単元終末の子どもの姿 自分の好きなものを紹介し合おう。 ・自分の好きなものを紹介し,友達の好きなものも知る[発表] ・友達にインタビューをして,好きなものを伝え合おう。[やり取り] ・色や食べ物,スポーツの英語での言い方を聞き,慣れ親しんで,どれか分かる ようにする。 ・色や食べ物,スポーツの英語での言い方を知り,慣れ親しむ。 ・自分の好きなものを伝える表現を知り,慣れ親しむ。 ・インタビューのために,相手の好きなものを尋ねる表現を知り,慣れ親しむ。 ・相手に伝わるようにするには,どのような伝え方がいいのか考えて工夫する。 ・Unit 1 でのあいさつを授業の warm up で継続することで,自己紹介に活用で きるようにする。 ・チャンツやゲームを取り入れ,音声に十分に慣れ親しむようにする。 ・英語で話してみようとする態度 ・英語を話して伝えることを楽しむこと,話すことへの自信 目標を達成するための具体的な課題 活動に必要な力 身に付けておくこと 〇自己紹介の仕方の導入 〇友達の好きなものを調べよう。 クラスの好きなものランキング ランキングをグラフにしよう。 学級新聞にのせよう。 ランキングを発表しよう。 〇コミュニケーションで大切なこ とへの気付き 〇友達との関わり方 必然性のある活動 自分の考えや気持ちを伝えるために(目的場面状況等) 成功体験を 味わわせる こんな活動に つながりそう
をイメージする。その姿がどのような活動を通 して達成できるのかを考え,児童の興味や意欲 を引き出す具体的な課題を設定する。その際, 児童が「やってみたい」「英語を使って〇〇し たい」と思えるような必 要 感 の あ る 目 的や場 面,状況等を設定することで,体験的に学ぶ場 とする。他の単元の学習や他教科等,学校行事 と関連付けることで,より児童に身近な学習に なると期待できる。児童に必要な言語材料を洗 い出し,自分の考えや気持ちを伝え合う言語活 動を段階的に展開することにより,負担を感じ ることなく目標を達成できると考えた。 5 友達との関わりを大切にした体験的な言 語活動の設定と工夫 自分の考えや気持ちなどを主体的に伝え合お うとする態度を育むために,友達との関わりを 通して英語に慣れ親しむことができる言語活動 を設定した授業実践を計画した(資料4)。 (1) 伝え合う必然性を生むために 事前意識調査の結果によると,第3学年の児 童は「英語で話すこと」への不安や抵抗感があ るため,児童が自分から「話したい」と思える ような活動の目的が必要であり,具体的な課題 の解決につながるように言語活動に次の工夫を 取り入れた。 ・写真やイラスト,映像資料の効果的な活用 ・授業の目標や学習内容と関連付けたデモン 資料 4 授業実 践の計画 ストレーション ・児童の生活に関わりの深い身近な場面設定 ・達成度が自覚できる成果の可視化 ・友達のことについて予想し,それを確かめ る活動の設定 ・「知りたい」気持ちを高めるインフォーメ ーションギャップの活用 (2) 「本当のことを伝える」コミュニケーシ ョンのために 決まりきったことや分かりきったことだけ ではなく,児童が本当に伝えたいことや知り たいことを伝え合うために,相手を意識した 場面の設定をする。 ・慣れ親しんだ語句や表現が生かされる活動 の工夫 ・伝え合う楽しさが実感できる場面設定 ・伝える内容を自己決定する場の保障 ・自分のことについて話すための言語材料の 精選 ・相手の言ったことに反応し,受け止める活 動の工夫 ・伝え合ったことが後の学習活動に生かされ る単元計画の工夫 6 授業の実際 (1) 授業Ⅰ
①第2単元:I like blue. (Let's Try! 1 Unit 4 ) ②内容 ・移行措置のため,本単元はUnit 1 に続 く二つめの単元である。単元計画基本モ デルと単元構想シートを基に,Unit 1で 学習した挨拶や名前の紹介と本単元の学 習内容を結び付け,「自分の好きなもの をしょうかいし合おう」という具体的な 課題を単元終末のActivity に設定した。 ・自分のなりたい色の成虫になるために, 特定の色の食べ物を食べる蝶の幼虫を題 材とした絵本“A Beautiful Butterfly” を用いて,単元を通した読み聞かせを行 い,色や食べ物などの単語との自然な出 会いと慣れ親しみを図った。教師と内容 についてのやり取りを英語でしたり,絵 本の主人公をデモンストレーションに登 場させたりする工夫により,児童が英語 に慣れ親しめるようにした。 ・毎時間のSmall Task の際,英語でやり 取りした学習を,蓄積できるワークシー トを作成し,自己紹介の場面で活用でき るようにした(資料5)。 単元 具体的な課題 友達との関わりを大切にした体験的な言語活動の例 Unit 1 世界の言葉であ いさつしよう ・世界を旅行している気分で友達とあいさつを交わす。 ・友達とあいさつを交わし合い,サインを手に入れる。 Unit 4 自分の好きなも のを紹介し合お う ・自分の好きなものを伝える。 ・友達の好きなものを尋ねる。 ・相手の好きなものを予想したり,反応を返したりする。 Unit 6 アルファベット となかよくなろ う ・友達と身の回りのアルファベット探しをする。 ・友達とアルファベットの形を体で表そう。 ・自分の姓名の頭文字を伝え合う。 ・相手が欲しいアルファベットを聞き,カードを渡す。 ・アルファベットの形を見て自分で考えた仲間分けをする。 Unit 8 クイズ大会をし よう。 ・クイズの答えを友達と一緒に予想する。 ・クイズの答えを決定し,ヒントを考える ・自分の考えたクイズを友達に出題する。 ・友達のクイズに答える。 ・相手に伝わるように表現方法を工夫する。
(2) 授業Ⅱ
①第4単元:What’s this? ( Let’s Try! 1 Unit 8 ) ②内容 ・単元終末の Activity に「クイズ大会を しよう」という具体的な課題を設定し, ヒントを考えたりクイズに答えたりする Small Task を段階的に行った。ペアか らグループへと話す対象を広げながら, 単元終末では自分の考えたクイズを出し 合った(資料6)。
・Unit 9 Who are you? の読み聞かせを 帯単元とし,本時で扱う色や動物の言い 方や“What’s this?” “It’s~.” などの表 現を用いて,児童とのやり取りを通して 確認した。
・リアクションに用いる言語材料と TPR (Total Physical Responce) をチャン ツに取り入れ,ジェスチャーを付けなが ら慣れ親しむ活動を行った。 ・「相手に配慮しながら」伝え合っている とは具体的にどのような姿なのかを話し 合わせ,児童の意見をデモンストレーシ ョンに反映させた。 ・人前で話すことに対する緊張を和らげる ために,相手との物理的な距離を縮め, より近くで友達と話すことのできる形態 を工夫した。 資料5 ワークシートを活用した自己紹介 Ⅱ 分析と考察 1 授業の分析 (1) 授業Ⅰについて 単元終末の自己紹介を行うActivity では, 児童が毎時間のSmall Task で少しずつ作成 したワークシートを友達に見せながら,自分 の好みを紹介する様子が見られた。ワークシ ートを用いることで,話す側は手掛かりとし, 聞く側は内容の理解を深めることができた。 さらに,英語での表現に戸惑う児童に聞き手 の友達がサポートをしたり,内容に対しての 反応や質問を返したりする様子も見られた。 児童の振り返りからは,「友達に自分のこと を知ってもらえてよかった」「きんちょうし たけれど,やっているうちに楽しくなった」 など,英語で自己紹介をすることができた達 成感や,友達と関わることで不安を軽減でき たことを示す記述が見られた。 (2) 授業Ⅱについて 毎時間,Small Task の時間を保障し,児 童が十分に慣れ親しんだ表現を,実際に使っ て伝え合う経験を積ませることで,無理なく 本時の Activity に取り組むことができた。 始めのうちは,たどたどしく話す児童もいた が,何回もやり取りを繰り返すうちに,徐々 に声が大きくなり,クイズを楽しみながら英 語を使おうとする姿が見られた。中間評価で 「言いたいことはあるのに,英語でどう言う のか分からない」と話す児童の様子を取り上 げ,解決の方法について話合いの時間をもっ たことで,後半の活動ではより活発に英語を 使おうとする態度が見られた。振り返りでは, 型の決まっていないクイズのやり取りを通し て,これまでの挨拶や自己紹介では得られな かった「初めて英語で会話ができた」という 達成感を得た児童が見られた。 資 料 6 ク イ ズ 大 会 の 様 子
2 児童の意識調査の結果から 話すこと[やり取り]の項目では,実践が進む につれ「とても楽しい」の割合が高まった。検 証授業Ⅱの実施後には肯定的な回答が82%に達 した(資料7)。友達へのインタビューやクイ ズを出し合うSmall Task では始め,思うよう に言いたいことが伝えられず,英語で話すこと の難しさを感じていたが,その後の体験的な言 語活動を重ねるうちに,英語での会話が続くこ とや自分の言いたいことを伝え合うことに楽し さを感じていることが分かった。また「クイズ 大会をしよう」という具体的な課題の解決後に 「楽しい」と感じる数値が上がったことから, 児童の興味・関心に合った具体的な課題の設定 や言語活動での成功体験が,英語を話すことへ の意欲の向上や自信につながったと言える。 [発表]においても,楽しさを感じる児童は増 加した(資料8)。しかし,同じ「話すこと」 の内容である[やり取り]に比べ,その推移は段 階的であった。自分のことを英語で発表するた めには,友達とは異なる単語を用いることが多 くなる。また,人前で話すことそのものに抵抗 を感じる児童も見られた。このことから,児童 の[発表]に対する不安を解消し,楽しさを感じ られるようにするためには,語句や表現の慣れ 親しみを十分に図ることと,人前で話した成功 体験を積み重ねることにより,児童に自信を獲 得させることが重要であると考えた。 48% 72% 74% 21% 10% 6% 19% 9% 11% 12% 9% 9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 10月 ( 検証授業Ⅰ) 11月 ( 検証授業Ⅱ) 12月 ( 事後調査 )
友達と英語でやり取りすること
と ても 楽し い 少し 楽し い 少し 心配 と ても心配 資 料 7 検 証 授 業 後 の 意 識 の 変 容 ① 38% 60% 68% 25% 11% 17% 12% 19% 9% 25% 10% 6% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 10月 ( 検証授業Ⅰ) 11月 ( 検証授業Ⅱ) 12月 ( 事後調査 )友達に自分のことを発表すること
と ても 楽し い 少し 楽し い 少し 心配 と ても 心配 資 料 8 検 証 授 業 後 の 意 識 の 変 容 ② 3 抽出児童の変容から (1) 児童Aについて 事前の意識調査では,外国語活動が始まる ことや新しい英語を知ることへの意欲はある ものの,英語を話すことは「とても心配」と 回答していた。活動では何を言えばよいのか 分からず途中で黙ってしまう場面も見られた。 そこで,簡単な英語でモデルを示したり,教 師や友達がサポートをしたりして,言語活動 を繰り返し行った結果,話すことへの抵抗が 少なくなり,友達とのやり取りを楽しむこと ができるようになった。調査では[やり取り] や[発表],新しい英語を知ることの変容が 大 き く ,「 不 安 で あ る 」 か ら 「 と て も 楽 し い 」 に 変 化 し た ( 資 料 9 )。 振 り 返 り に は 「外国語活動が始まる前はとても心配だった けれど,やってみたら楽しいということが分 かった」と記述していた。友達と関わる言語 活動を通して,話すことへの自信を徐々に付 け,その楽しさを感じたことが,相手に自分 の思いを伝えようする態度につながったもの と考える。 (2) 児童Bについて 意欲的に活動し,ほとんどの質問項目で 活動を楽しいと回答している。しかし,「話 すこと[発表]」の値が低かった(資料10)。 振り返りには「動物を英語で言えるように したい。他の言葉ももっと覚えたい。友達 の伝え方がよかったので私もそうしたい」 と新しい英語を知ることや自分の気持ちを 相手にうまく伝えようとすることへの意欲 が読み取れる記述が多くあり,要求水準の 高さがうかがえる。活動のねらいは十分に 達成できているものの,外国語活動の初期 段階で学習する言語材料は少なく,自分の 本当に伝えたいことと活動内容にずれが生 じたことで達成感を得られなかったのでは ないかと推察された。事後調査では「とて 資 料 9 抽 出 児 童 の 意 識 の 変 容 ① 1 2 3 4 外国語活動を する こ と 話すこ と(やり 取り ) 話すこ と(発表) 新し い英語を 知る こ と 英語で絵本を 読んでも ら う こ と 児童A の変容 10月 検証授業Ⅰ 11月 検証授業Ⅱ 12月 事後調査 と ても 不安 と ても 楽し いも楽しい」と感じていることから,学習し た言語材料が増え,本当に自分が伝えたい ことを伝えることが可能になったことによ り,英語で話すことの楽しさを感じられる ようになったのではないかと考えた。 資 料 10 抽 出 児 童 の 意 識 の 変 容 ② Ⅲ 実践のまとめ 単元計画基本モデルと単元構想シートを授業 づくりに活用し,具体的な課題の設定や,友達 との関わりを大切にした体験的な言語活動を展 開することは,児童が外国語活動に対する楽し さを実感し,自分の考えや気持ちを主体的に伝 え合おうとする態度を養うために有効であるこ とが分かった。 単元を通した言語活動の設定は有効であった が,慣れ親しみの時間の確保が難しくなった。 言語活動とゲームを合わせて行うなど,授業で 扱う活動のバランスをとりながら両立を図る必 要があると考える。さらに,学習が進むに伴い 言語材料が増えることで,「話すこと」の内容 の幅が広がり楽しさが増す一方で,不安を感じ る児童が出てくることも予想される。伝え合う 場面や形態に配慮することで,児童の不安を軽 減し,英語を用いたコミュニケーション本来の 楽しさを児童が実感できる指導方法を工夫して いきたい。 <参考文献> 大城 賢/萬屋隆一編著(2017)『中学年用 はじめての小学校外国語活動 実践ガイドブック』開隆 堂出版株式会社. 直山木綿子(2018)外国語活動・外国語科における資質・能力の育成に向けた授業づくり「初等教育資 料」平成30年7月号 株式会社 東洋館出版社. 文部科学省(2018)『小学校学習指導要領解説 外国語活動・外国語編』開隆堂出版株式会社. 文部科学省(2017)『小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック』株式会社 旺文社. 1 2 3 4 外国語活動を するこ と 話すこ と(やり 取り ) 話すこ と(発表) 新し い英語を 知るこ と 英語で絵本を 読んでも ら う こ と 児童B の変容 10月 検証授業Ⅰ 11月 検証授業Ⅱ 12月 事後調査 と ても 不安 と ても 楽し い
授 業 Ⅰ
第3学年
外国語活動学習指導案
潟上市立追分小学校 教諭 佐々木絵理子 1 単元名 I like blue. (Let's Try 1 Unit 4)
2 単元の目標 ・多様な考え方があることや,音声やリズムについて外来語を通して日本語と英語の違いに 気付き,色の言い方や好みを表したり好きかどうか尋ねたり答えたりする表現に慣れ親し む。 (知識及び技能) ・自分の好みを伝え合う。 (思考力,判断力,表現力等) ・相手に伝わるように工夫しながら,自分の好みを紹介しようとする。 (学びに向かう力,人間性等) 3 児童と単元 (1) 児童観
Let's Try! 1 Unit 1では世界の様々な国の挨拶にふれながら,友達と挨拶を交わし合う活動 を行った。初めての外国語活動を楽しみにしており,英語を聞き取ろうとしたり,まねをして 発音しようとする様子が見られた。しかし,一人で話すことに自信をもてず,恥ずかしがった り,失敗を怖がったりする児童もいる。「話すこと」をあせらせることなく,自信をもてるま で十分なinput と慣れ親しみを行う必要がある。
(2) 単元観
本単元で児童は「好きなものを伝え合う」ことを通して“I like ~”“Do you like ~?”など の英語表現に慣れ親しむ。第3学年の児童は,友達との関係が深まる発達の段階にあり,友達 と好きなものを伝え合う活動は身近で関心のある題材と言える。単元の導入段階で,世界の子 どもたちが描く虹の絵と自分たちの絵を比べ,その違いや共通点から,多様な感性や価値観, 考え方があることに気付く。単元を通しての具体的な課題は「自分の好みを含めて自己紹介を する」ことであり,前単元で学習した挨拶や自分の名前を伝えることとの関連を図りながら, 自分の事について本当のことを英語を用いて伝え合うコミュニケーション活動を展開する。 (3) 指導観 本単元では具体的な課題として自分の好きなものを友達に紹介する活動を終末のActivity に 設定する。自分の好みを伝えるために,色やスポーツ,食べ物の言い方を知り,友達と何が好 きか尋ねたり答えたりするやり取りを通して,自分の考えや気持ちを伝え合う楽しさを味わう ことができるようにしたい。外国語活動の入門期に当たることに配慮し,十分に音声を聞かせ, 少しでも「英語を聞いて分かった」「英語で話したことが相手に伝わった」という成功体験を 味わわせたい。また,友達と関わり合う言語活動を毎時間設定し,友達のことを知りたいとい う目的意識や,自分のことを伝えようとする意欲につなげたい。また,単元を通して絵本 A Beautiful Butterflyの読み聞かせを行い,色と食べ物を表す語句への自然なアプローチを図る。 4 単元の全体計画(本時4/4) 主な学習活動 絵本A Beautiful Butterfly 時間 1 多 様 な 考 え 方 が あ る こ と に 気 付 く と と も ・全編を聞き,おおまかな内 1 に,色の言い方に慣れ親しみ,好みを表す 容をつかむ。 表現を知る。 2 外来語を通して英語の音声やリズムなど日 ・ 色 や 食 べ 物 に 着 目 し な が 1 本語との違いに気付くとともに,好みを表 ら聞く。 す表現に慣れ親しむ。 3 好きかどうかを尋ねたり答えたりする表現 ・ 繰 り 返 し の 表 現 を ま ね た 1 に慣れ親しみ,自分の好みを伝え合う。 り , 色 を 英 語 で 言 っ た り する。 4 相手に伝わるように工夫しながら,自分の ・ 反 応 し な が ら 聞 く と と も 1 好みを含めて自己紹介する。 に , 内 容 に つ い て の 質 問 (本時) に 答 え た り , や り 取 り を したりする。 継 続 的 な 取 組
5 本時の計画 (1) 目標 相手に伝わるように工夫しながら自分の好み含めて自己紹介しようとする。 (学びに向かう力,人間性等) (2) 指導過程 段 学習活動 教師の指導・支援 評価(評価方法) 導 入 1 Opening ・既習の表現を用いて挨拶を行う。 (5分) 2【Let’s Sing】 ・電子教材を活用し,一緒に歌う。 ○歌 Hello Song
The Rainbow Song 3 絵本 A Beautiful Butterfly ・自己紹介をして見せ,活動の見通しをもたせる。 展 開 4【Activity 1】 ・時間内に作成できるように,かき込む情報の量 (35分) 〇ワークシートに好きなものの絵 に配慮したワークシートを準備する。 を描いて,自己紹介シートを作 ・負担を減らすため,イラストや日本語でかいて 成する。 もよいことを伝える。 ・ワークシートは読み聞かせとの関連を図り,絵 本 の 最 後 の 場 面 で 幼 虫 が 蝶 に な る 場 面 “My Beautiful Butterfly”を加え,好きな色の紹介 に活用する。 ・作業している間に児童を回り,“You like ~. That's good. Do you like ~?”などと声をか け,やり取りをする。 ・英語で何と言えばいいのか分からない単語がな いかを確認し,聞き手の理解に配慮しながらも できるだけ本当の事を伝えられるように対応す る。 5【Let’s Chant】p. 15. ② ・児童の実態に応じて教師がリズムを打ちながら 段階的な速さでチャンツを行う。 6【Activity 2】 ・ペアで練習してから,グループ内で発表をする。 〇自己紹介をしよう。 ・1回目の自己紹介が終わったところで中間評価 自分の好みを含めてグループで を行い,相手に伝わる工夫はどんなことかを全 自己紹介をし合う。 体で確認する。その後,グループを変えて再度 自己紹介を行うようにする。 A: Hello. I’m ~.
I like ~./ I don’t like ~. Thank you. まとめ 6 Feedback ○振(自分のことが伝えられたか/感じたこと) (5分) 振り返りをする。 ・絵本の主人公のペープサートを用いて,活動の 様子や明日のマラソン大会について簡単な英語 で話し,激励する。 相手に伝わるように工夫しながら自分の好みを 含めて自己紹介している。(観察・発表・振り返 り) 友達に自分のすきなものをしょ うかいしよう。 話の内容に反応しながら聞き, 質問に答えたり,やり取りをし たりしながら読み聞かせ聞く。
・Hello, I’m ~. I like ~. Do you like ~?な ど,本時の言語材料を用いて,児童に質問 したり,やり取りをしたりしながら読み聞 かせを行う。
・読み聞かせの絵本を基に作成し たMy Beautiful Butterflyを見せ ながら好きな色について紹介する。
・絵本の主人公をペープサートで登場させ,話 の内容を想起させるやり取りをしながら,自 己紹介を聞かせる。
Hello. I’m a caterpillar. I like blue. I like yellow. I like pink. I like blueberries. I like soccer. I don’t like running. Thank you.
授 業 で 活 用 し た 資 料 ( 授 業 Ⅰ )
絵 本 の 読 み 聞 か せ ペ ー プ サ ー ト
My Beautiful Butterfly と 私 の 好 き な も の ① My Beautiful Butterfly と 私 の 好 き な も の ② ペ ー プ サ ー ト の 活 用 に よ り , 絵 本 の 読 み 聞 か せ の 効 果 が 増 大 し ま し た 。 こ の 後 も , キ ャ タ ピ ラ ー が デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン を 行 っ た り , 授 業 で 児 童 を 励 ま し た り し て 登 場 し ま す 。3 年 生 の 児 童 に と っ て , と て も 魅 力 的 な 仕 掛 け と な っ て い ま す 。 児 童 が 自 分 の 好 き な も の を 紹 介 す る た め の ワ ー ク シ ー ト で す 。 絵 本 の 主 人 公 と 自 分 を 重 ね 合 わ せ る 工 夫 が 見 ら れ ま す 。 発 達 段 階 に 配 慮 し , レ イ ア ウ ト に 沿 っ て 発 表 が で き る よ う 構 成 を 工 夫 す る と と も に , イ ラ ス ト や 片 仮 名 を 用 い て 簡 単 に 記 入 さ せ て い ま す 。 紹 介 す る と き に は 「 見 せ て 」 活 用 す る こ と が で き る シ ー ト に な っ て い ま す 。
外国語活動・外国語科 単元構想シート
Let’s Try 1 Unit 4 I like blue.
・自分の好きなものを相手に伝えようとしている。 ・友達と伝え合うことを楽しんでいる。 ・間違いをおそれずに,英語を話そうとしている。 ・相手に伝えるためにどのようにしたらいいかを考えている。
単元終末の子どもの姿
自分の好きなものを紹介し合おう。
・自分の好きなものを紹介し,友達の好きなものも知る[発表]
・友達にインタビューをして,好きなものを伝え合おう。[やり取り]
・色や食べ物,スポーツの英語での言い方を聞き,慣れ親しんで,どれか分かる
ようにする。
・色や食べ物,スポーツの英語での言い方を知り,慣れ親しむ。
・自分の好きなものを伝える表現を知り,慣れ親しむ。
・インタビューのために,相手の好きなものを尋ねる表現を知り,慣れ親しむ。
・相手に伝わるようにするには,どのような伝え方がいいのか考えて工夫する。
・Unit 1 でのあいさつを授業の warm up で継続することで,自己紹介に活用
できるようにする。
・チャンツやゲームを取り入れ,音声に十分に慣れ親しむようにする。
・英語で話してみようとする態度
・英語を話して伝えることを楽しむこと,話すことへの自信
目標を達成するための具体的な課題
活動に必要な力 身に付けておくこと
〇自己紹介の仕方の導入 〇友達の好きなものを調べよう。 クラスの好きなものランキング ランキングをグラフにしよう。 学級新聞にのせよう。 ランキングを発表しよう。 〇コミュニケーションで大切なこ とへの気付き 〇友達との関わり方必然性のある活動 自分の考えや気持ちを伝えるために(目的場面状況等)
成功体験を 味わわせる こんな活動に つながりそうポ イ ン ト ① 【 単 元 構 想 シ ー ト の 活 用 】
「 単 元 構 想 シ ー ト 」を 作 成 し ,単 元 終 末 の 目 指 す 子 ど も の 姿 を 明 ら か に し た 上 で , そ の 達 成 に 向 け て 一 貫 性 の あ る 指 導 を し て い ま す 。 移 行 期 間 中 は , そ れ ぞ れ の 単 元 か ら 部 分 的 に 内 容 を 取 り 上 げ て 指 導 し た り , 他 の 単 元 と 組 み 合 わ せ て 指 導 し た り , 本 来 の 配 列 通 り に 指 導 で き な い 場 合 が 多 々 あ り ま す 。 そ の よ う な 場 合 で も 「 単 元 構 想 シ ー ト 」 を 作 成 す る こ と で , 単 元 の 目 標 達 成 に 向 け て , 課 題 や 場 面 を 適 切 に 設 定 す る こ と が で き ま す 。 日 々 の 指 導 に 是 非 活 用 し て み て く だ さ い 。 * 本 単 元 の 「 単 元 構 想 シ ー ト 」 は P 2 1 を 参 照 し て く だ さ い 。ポ イ ン ト ② 【 絵 本 の 活 用 】
絵 本 を 効 果 的 に 活 用 し て い ま す 。 導 入 で は 絵 本 “A Beautiful Butterfly” の 読 み 聞 か せ に よ り , 色 を 表 す 語 彙 や 表 現 に 親 し ま せ ま し た 。 ま た , 主 人 公 の キ ャ タ ピ ラ ー の ペ ー プ サ ー ト を 用 い た デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ン が , 活 動 の 見 通 し を も た せ て い る だ け で な く , 児 童 の 意 欲 を 大 い に 高 め て い ま す 。 1 時 間 を 通 し て 授 業 が 絵 本 の 世 界 と 融 合 し , 児 童 は , 美 し い 蝶 に 成 長 す る キ ャ タ ピ ラ ー に 自 分 を 重 ね 合 わ せ て , 自 分 の 好 き な も の を 紹 介 し て い ま し た 。 外 国 語 活 動 の 指 導 に お い て , 絵 本 は と て も 効 果 的 な 教 材 で す 。 繰 り 返 し の 表 現 等 が た く さ ん 出 て く る こ と か ら , 楽 し み な が ら 効 果 的 に 表 現 に 慣 れ 親 し ま せ る こ と が で き ま す 。 よ い 絵 本 を た く さ ん 読 ん で あ げ て く だ さ い 。 読 み 聞 か せ に つ い て は , 教 師 が 一 方 的 に 読 み 聞 か せ る の で は な く , 児 童 と や り 取 り を し な が ら 読 み 進 め る こ と が ポ イ ン ト で す 。 児 童 に 質 問 を 投 げ か け た り , 展 開 を 想 像 さ せ た り し な が ら , 絵 本 の 世 界 に 引 き 込 ん で い き ま し ょ う 。ポ イ ン ト ③ 【 ワ ー ク シ ー ト の 工 夫 】
自 分 の 好 き な も の を 紹 介 す る 「 自 己 紹 介 シ ー ト 」 を 活 用 し て い ま す 。 好 き な も の や 嫌 い な も の を , 日 本 語 で メ モ し た り , イ ラ ス ト を 描 い た り す る こ と で , 紹 介 し た い こ と を じ っ く り 考 え る こ と が で き ま し た 。 発 表 さ せ る 際 は , 児 童 が 考 え を 形 成 し た り 内 容 を ま と め た り す る 過 程 を 大 切 に し ま し ょ う 。 そ の た め に 活 用 す る ワ ー ク シ ー ト 等 は , 記 入 す る 分 量 等 , 児 童 の 負 担 に な ら な い よ う な 配 慮 が 大 切 で す 。ポ イ ン ト ④ 【「 話 す こ と [ 発 表 ]」 の 留 意 点 】
「 話 す こ と [ 発 表 ]」 は , あ る 程 度 の 緊 張 感 を 伴 う 活 動 で す 。 3 年 生 の 児 童 に 発 表 さ せ る 際 に は , 英 語 に は じ め て ふ れ る 段 階 で あ る こ と を 踏 ま え , 児 童 が 不 安 を 感 じ な い よ う に す る 配 慮 が と て も 大 切 で す 。 事 例 で は , 発 表 の 前 に 十 分 な 練 習 時 間 を 確 保 す る と と も に ,ペ ア か ら 小 グ ル ー プ へ と 段 階 を 踏 ん で 発 表 の 場 を 広 げ て い ま す 。 ま た「 最 初 は 小 さ い 声 で い い よ 」と い う 言 葉 が け も 児 童 に 安 心 感 を 与 え て い ま し た 。 自 己 紹 介 シ ー ト を 「 見 せ な が ら 」 紹 介 さ せ て い る こ と も , 大 き な ポ イ ン ト で す 。 実 物 や イ ラ ス ト を 示 し な が ら 話 す こ と は , 話 す 内 容 を 確 認 し た り 想 起 し た り で き る 安 心 感 に つ な が る と と も に , 聞 き 手 に と っ て も , 発 表 の 内 容 を 理 解 す る 助 け と な り ま す 。 相 手 を 意 識 し て 伝 え る と い う 観 点 か ら も , 実 物 や イ ラ ス ト の 使 用 は 効 果 的 な の で す 。 不 安 を 抱 え た ま ま で の [ 発 表 」 は , ト ラ ウ マ と な る 危 険 性 が あ り ま す 。 児 童 が 自 信 を も っ て 発 表 を す る こ と が で き る よ う 十 分 な 配 慮 を し ま し ょ う 。ここがポイント! 第3学年 授業Ⅰ
授 業 Ⅱ
第3学年
外国語活動学習指導案
潟上市立追分小学校 教諭 佐々木絵理子 1 単元名 What’s this? これなあに?(Let's Try! 1 Unit 8)
2 単元の目標 ・外来語とそれが由来する英語の違いに気付き,身の回りの物の言い方や,ある物が何かを 尋ねたり答えたりする表現に慣れ親しむ。 (知識及び技能) ・クイズを出したり答えたりし合う。 (思考力,判断力,表現力等) ・相手に伝わるように工夫しながら,クイズを出したり答えたりしようとする。 (学びに向かう力,人間性等) 3 児童と単元 (1) 児童観 外国語活動に意欲的に取り組んでいる。教師の指示や英語の発音を注意して聞こうとしたり, 教師の問いかけに答えようとする様子が多くの児童に見られる。これまでの授業の振り返りに は,新しい語句や表現を知ることや英語で友達のことを知ることの楽しさについての記述が多 く見られ,友達と関わる楽しさを感じながら,英語で話すことへの自信を徐々に身に付けてい ると言える。しかし,Unit 4 I like blue.で学習した Do you like ~? の表現を用いたやり取り では,その場で質問に答えることや,文章での会話をすることに戸惑い,すぐに応答できない 姿も見られた。 (2) 単元観 第3学年の最後の単元である。児童も学習に慣れ,これまでの経験を生かして活動できると 考えられる。また,クラスの友達との関係も深まっており,互いに英語でやり取りをしながら, 相手に伝わるよう工夫しようとする態度も期待できる。本単元では,新たに目の前の物が何か を尋ねたり答えたりする表現や動物や野菜を表す語を扱う。児童にとって身近な表現であり, 教師の話や,やり取りの中に自然に取り入れることで,慣れ親しみを深めたい。使用する言語 材料の中には,what,color (Unit 5)や,形を表す語句(Unit 7)のように,今年度は扱わない 語句や表現がある。それらの語句や表現にも,絵本の読み聞かせや,前時までの学習で,意図 的にふれさせておくことで,スムーズに本単元の活動に取り組めるようする。 (3) 指導観 本単元では具体的な課題としてクイズ大会を行う活動を終末のActivity に設定する。単元を 通して,様々なクイズをSmall Task として扱うことで,児童自身がクイズを出すことを意識 しながら,単元終末のクイズ大会に向けて,意欲を高めていく。文章レベルでのやり取りをす ることが困難な場合には,簡単な語句やジェスチャーの使用を許容しつつ,目の前の相手に合 わせたコミュニケーションが生まれる場面を設定する。これまでの外国語活動の経験を生かし て,自分の考えや気持ちを伝え合い,その楽しさを味わうことで,次学年での活動意欲につな げたい。 4 単元の全体計画(本時5/5)
主な学習活動 絵本Who are you? (Unit 9) 時間 1 外来語とそれが由来する英語の違いに気付き, ・全編を聞き,おおまかな 1 身の回りの物の言い方に慣れ親しみ,ある物が 内容をつかむ。 何かを尋ねたり答えたりする表現を知る。 2 身の回りの物の言い方や,ある物が何かを尋ね ・ 動 物 や 色 , 形 な ど に 着 1 たり答えたりする表現に慣れ親しむ。 目しながら聞く。 3 ある物が何かを尋ねたり答えたりする表現に慣 ・ 繰 り 返 し の 表 現 を ま ね 2 れ親しむ。 た り , 動 物 や 色 な ど を 英語で言ったりする。 4 ある物について尋ねたり答えたりして伝え合っ ・ 反 応 し な が ら 聞 く と と 1 たり,相手に伝わるように工夫しながら,クイ も に , 内 容 に つ い て の (本時) ズを出したり答えたりしようとする。 質 問 に 答 え た り , や り 取りをしたりする。 継 続 的 な 取 組
5 本時の計画 (1) 目標 ある物について尋ねたり答えたりして伝え合ったり,相手に伝わるように工夫しな がら,クイズを出したり答えたりしようとする。 (2) 指導過程 段 階 学習活動 教師の指導・支援 評価(評価方法) 導 入 1Opening ・既習の表現を用いて全体と挨拶を行う。 (5分) あいさつをする。 ・歌で数の言い方を練習し,読み聞かせの冒頭場
2【Let’s Sing】Ten Steps 面へとつなげる。 3 絵本Who are you?
・本時で児童が使用する単語を中心に作成したス ライドショーを流しながら,オリジナルのチャ ンツを行い“What’s this?”“It’s ~.”の言い 4【Let’s Chant】 方に慣れ親しませる。 ・What's this? p.31 ・やり取りでの反応に使用する表現に自作のチャ ・リアクションチャンツ ンツで慣れ親しませる。 展 開 5【Activity】pp. 32-33.自分が考えたクイズを出し合う。 ・教師のデモンストレーションを示し,クイズ大会の仕方を確認する。 (35分) 出題側と回答側に分かれ,途中 ・「みんながクイズ大会を楽しむために」を確認 で交代して行う。 し,本時のめあてを意識させる。 ・英語でのやり取りに不安を感じることも予想さ A: Hello. れる。英語の会話のみで伝えるのではなく写真 B: Hello. やイラストを示したり,表情やジェスチャー, A: This is 〇〇クイズ! 知っている英語を用いたりしてやり取りするこ Let’s start! (Let's try!) とが大切であることを伝える。
B: OK. ・次に並ぶ児童がクイズの内容を知ってしまわな
A: Hint 1. It's ~. いよう,出題場所の配置を工夫する。
Hint 2. It’s ~. ・英語で話すことへの不安を緩和するために,相 Hint 3. It’s ~. 手と近い距離で会話できるような場の設定をす What’s this? る。
B: Hint, please. (One more.) ・不正解の場合にも,続けて簡単なヒントを出す A: OK. It’s ~. ことで,できるだけ正解できるようにさせる。 B: It’s ~.
A: That’s right. (Good! / Nice!) ・活動の前半・後半の合間に,相手に配慮した点 A: Here you are. を取り上げ,後半の活動が一層ねらいに沿った (正解したらシールを貼ってあげる) ものになるようにする。
B: Thank you. Bye. ・クイズが終わったらワークシートにシールを貼 A: You’re welcome. See you. り,どのくらいクイズに取り組んだか成果を確 かめる。シールのやり取りをすることで“Hint, “What’s this?”と言いながら, please.”や“Here you are.”“Thank you.” 誌面を示したり“That's right!” などの表現を引き出す。 にジェスチャーを付けたりして, ・使用表現は“What's this?”“It's ~.”である 動作を付けながら伝え合うように が,前後のやり取りでは,児童の自然な表現を する。 認め,台本のようなやり取りでないコミュニケ ーションが図られるようにする。 6 Feedback ○振(英語を用いてクイズを出したり答えたりでき まとめ 振り返りをする。 たか。相手に意味が伝わるようにやり取りでき (5分) たか。) ・英語を使おうとしたり,相手に配慮したりする 態度を取り上げ,称揚する。 ・相手に伝わるように工夫しながら,クイズ を 出 し た り 答 え た り し て い る 。( 行 動 観 察 ・振り返りカード) ・ある物について尋ねたり答えたりして,伝 え 合 っ て い る 。( 行 動 観 察 ・ 振 り 返 り カ ー ド) いろいろなクイズを出したり答 えたりしよう。 ・絵本の絵を用いた自然な会話を通して,ある 物が何かと尋ねる表現に慣れ親しませる。 ・本時の活動の導入となるように,クイズを出 すように問いかけたり,反応を返したりする。 絵本 Who are you? の読み聞か
せを聞き,内容についての質問 に答えたり,やり取りをしたり する。 ・シルエットクイズ ・断面図クイズ ・虫めがねクイズ ・スライド(封筒)クイズ ・ポスタークイズ ・窓開きクイズ
思考ツールとしてのワークシート 児童の振り返りシート
授業で活用した資料(授業Ⅱ)
より自由な発想でクイズのヒ ントを考えるための思考ツール として活用したワークシートで す。 発達の段階に配慮し,日本語 (片仮名)で表記させています。 子どもたちはこのシートを基に, 十分に音声に慣れ親しみ,単元 終末にはシートを見ずにクイズ を出し合うことができました。 児 童 の振 り 返りシ ート は, 活 動中 に ,児童 がお 互い に シー ル を貼っ て, 友達 の 活動 を 認め合 うこ とが で きる よ うに工 夫さ れています。 ま た ,振 り 返りの 視点 が, 本 時の め あてと 整合 しています。「相手に伝わ るよ う に話 そ うとし た」 の観 点 の大 き な◎が ,児 童の 達 成感 を 表して いる ようですね。 児 童 の感 想 からは 本当 のコ ミ ュニ ケ ーショ ンを した 満 足感 が 伝わっ てき ます。☆ 授 業 Ⅰ の 「 こ こ が ポ イ ン ト ! 」 で 示 し た 事 項 と 共 通 す る 点 に つ い て は , こ こ で は 割 愛 し ま す 。
ポ イ ン ト ① 【 ク ラ ス ル ー ム ・ イ ン グ リ ッ シ ュ の 活 用 】
授 業 中 , 指 導 者 は 挨 拶 や 指 示 の 場 面 で 積 極 的 に 英 語 を 話 し て い ま す 。 既 習 の 語 彙 や 表 現 が 少 な い 3 年 生 で あ っ て も , 英 語 を 使 っ て 授 業 を す る こ と は , イ ン プ ッ ト を た く さ ん 与 え る と い う 点 で と て も 大 切 で す 。 ク ラ ス ル ー ム ・ イ ン グ リ ッ シ ュ な ど を た く さ ん 使 う こ と を 心 が け ま し ょ う 。 ジ ェ ス チ ャ ー や 表 情 を 工 夫 し , 児 童 に と っ て 分 か り や す い 英 語 を 使 う こ と が ポ イ ン ト で す 。 教 師 が 英 語 を 積 極 的 に 話 す 姿 が , 児 童 の 英 語 を 話 そ う と す る 意 欲 を 引 き 出 す の で す 。ポ イ ン ト ② 【
単 元 計 画 基 本 モ デ ル の 作 成
】
作 成 さ れ た 「 単 元 計 画 基 本 モ デ ル 」( P 4 5 ) は , 外 国 語 活 動 の 指 導 の 基 本 的 な 流 れ を 示 し , ど の 単 元 で も 活 用 で き る 汎 用 性 の 高 い モ デ ル と な っ て い ま す 。 一 つ 目 の ポ イ ン ト は , 第 1 時 か ら 単 元 の 目 標 達 成 に 向 け て Small Task を 段 階 的 に 設 定 し て い る こ と で す 。 学 習 し た 表 現 等 を 用 い て , 自 分 の こ と に つ い て 伝 え る 活 動 を 積 み 重 ね な が ら , 段 階 的 に 単 元 終 末 の ア ク テ ィ ビ テ ィ に つ な げ て い ま す 。 こ れ ま で の 外 国 語 活 動 の 指 導 で は , 単 元 の 前 半 は 「 慣 れ 親 し み の 時 間 」, 終 末 は 「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 の 時 間 」 と , 内 容 を 区 切 っ て 指 導 す る 傾 向 が 見 ら れ ま し た 。 新 し い 英 語 教 育 は ,「 十 分 な 練 習 を し て か ら で な け れ ば コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は で き な い 」 と い う 考 え 方 を 取 り ま せ ん 。 児 童 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を さ せ て み る こ と か ら 始 ま る 指 導 も 重 視 し て い ま す 。同 時 に , 単 元 の 前 半 で は 【Let's Watch and Think】 や 【 Let's Listen】 等 、 イ ン プ ッ ト の 活 動 の 占 め る 割 合 が 大 き い こ と も 大 き な ポ イ ン ト で す 。 ア ウ ト プ ッ ト の た め に は , そ の 何 倍 も の イ ン プ ッ ト が 必 要 な こ と か ら , ま ず は , 十 分 に 「 聞 か せ る 」 こ と が 大 切 な の で す 。 練 習 と 言 語 活 動 の 比 率 を 調 整 し な が ら , 自 分 の こ と を 伝 え る 言 語 活 動 を 毎 時 間 積 み 重 ね る 単 元 構 想 を 是 非 参 考 に し て く だ さ い 。 な お , 本 事 例 で は , 様 々 な 種 類 の ク イ ズ を 通 し て ヒ ン ト を 考 え た り 友 達 の ク イ ズ に 答 え た り す る 活 動 を Small Task と し て , 終 末 の ア ク テ ィ ビ テ ィ と し て ク イ ズ 大 会 を 行 う 活 動 を 設 定 し て ま す 。