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アナログ符号の誤り訂正法

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Academic year: 2021

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(1)

従来,誤り訂正に関する研究は,デジタル信号を中心 に行われてきた。これは,原理的にアナログ信号の完全 なノイズ除去が困難であることが原因であると考えられ る。しかし,アナログ信号の情報量はデジタル信号に比 べて多いという特徴がある。このため,アナログ信号は デジタル信号に比べて少ないビット数でデータを,記憶, 送信することが可能となる。また,デジタル信号には, 量子化ノイズの問題や,不可逆圧縮をする際にノイズが 混入するという問題もある。このため,アナログ信号の ノイズの訂正が可能ならば,その応用範囲は広いと考え られる。 このような背景から,本論文では,アナログ信号を用 いて信号を記憶や送信する際,誤り訂正を行う方法を提 案する。これにより,アナログ信号による通信や記憶の 応用範囲が広がると考えられる。本論文により提案する 方法によれば,アナログ信号に対するパルス状ノイズは, デジタル信号と同様に訂正可能であることが示される。 1. ま え が き 従来,誤り訂正に関する研究は,主として,デジタル 信号を対象に行われてきた。これは,原理的にアナログ 信号の完全なノイズ除去が困難であることが原因である と考えられる。しかし,アナログ信号には,一度に送れ る情報量がデジタル信号に比べて多いという利点がある。 このため,アナログ信号をデジタル信号に変換すると データ量が増えてしまうという問題が発生する。また, この変換を行う際,量子化ノイズが混入したり,データ 量を減らすため不可逆圧縮を用いるとノイズが増すとい う問題もある。 また,別の観点から見ると,通信路の信号や記憶デー タは,アナログ信号であるにもかかわらず,デジタル信 号を送るためにその通信能力の一部のみを利用している ことになる。この利用されていない能力を利用すれば, より多くの情報が使用できる可能性があり,より高性能 な誤り訂正を実行できる可能性がある。 このような背景から,本論文では,アナログ信号を見 直し,アナログ信号を利用することによりデータを高密 度に伝送することを検討する。その際,ノイズの混入が 問題となるが,パルス状ノイズについてはデジタル信号 と同様に誤り訂正が可能であることを示すとともに,そ の性能を述べる。 従来,アナログ信号に対する誤り訂正の可能性につい ては,文献 1) に述べられており,誤りビット数を仮定す ることによって,誤り訂正が可能であることが示されて いる。 また,デジタル信号に対する誤り訂正法は,古くから 議論されてきた。特に,BCH 符号を用いた方法が,誤り 訂正能力が優れた方法である2) 。BCH 符号は,多値信号 に対して拡張されており3) ,この方法の延長上にアナロ グ信号に対する誤り訂正法があると考えられる。 本論文では,このアナログ信号に対する誤り訂正方を 提案する。本方法による誤り訂正法によれば,デジタル

アナログ符号の誤り訂正法

水 谷   光 *

Error Correcting Method for Analog Data

Hikaru MIZUTANI*

When we send the data or store the data, we can not avoid to be mixed the noise with the original data. But it seems that the analog error correcting method are not turn to practical use. In this paper, I present the analog data correcting method using modified BCH coding theory. Applying this method, we can send and store analog data with high reliabil-ity.

Vol. 39, No. 1, 2005

*電気電子メディア工学科 助教授 平成 16 年 10 月 13 日受付

(2)

信号に対する BCH 符号に対して,誤り訂正を行うため の冗長ビットが少なく,信号の使用効率が良いという特 徴がある。 また,誤り訂正のためのハードウエアを考えた場合, BCH符号を応用した方法では,かなり複雑な回路が要求 される。実装上,ハードウエアは簡単に実現できること が望ましい。本論文では,実装を容易にするため,符号 の効率を多少犠牲にしてでも,高速に誤り訂正を実行で きる方法も述べる。 デジタル信号に対する誤り訂正法では,このような目 的のために,多数決素子復号法が提案されている。多数 決素子復号法においては,閾値素子のみを用いて誤り訂 正を行うことが可能である。ここで,閾値素子とは,入 力値の和が,ある閾値を超えれば 1 を出力し,そうでな けれは 0 を出力する素子である。本論文では,この多数 決素子複合法をアナログ信号に適用する方法についても 述べる。この方法で復号に利用する素子は,ニューラル ネットワークにおけるニューロンと同様の働きであり, ニューラルネットワークによる実装も考えられる。 2. BCH 符号のアナログ信号への拡張 2.1 デジタル信号に対する BCH 符号2) BCH 符号を拡張したアナログ信号に対する誤り訂正方 法を述べる前に,デジタル信号に対する BCH 符号を用 いた誤り訂正方法を述べる。BCH 符号は,誤り訂正法の 中で,高性能な方法の一つである。 まず,送信あるいは記憶する n 個の信号列を, dd0d1... dn1 (1) とする。本章では, 送信する信号はデジタル信号である から,dk 0 1 である。 ここで,x を形式的な変数とし,この送信信号を dd0x0d1x1... d n1xn1 (2) と表現する。 ここで,受信側で誤り訂正を実行するためには,送信 信号 S に拘束条件が必要である。BCH 符号では,(2) 式 で表現された送信信号を,生成多項式 G で割り,余り が 0 となる符号を使用する。ただし,この計算はガロア 体上で行う。BCH 符号は巡回符号を用いるため,(xn 1) mod G0 を満たすように G を決定する必要がある。た だし,mod は,余りを表現する演算子である。また,生 成多項式の x の次数は,log2(n1)t となる。ただし,n は信号長,t は誤り訂正可能なビット数である。例えば, n15, t2 の場合, G(x4x1)(x4x3x2x1) (3) を生成多項式として使用できる。ここで,生成多項式の 次数が 8 次であることは,誤り訂正を行うために必要な 冗長ビットが 8 ビットであることを意味する。 次に,受信側で誤り訂正を実行する方法について述べ る。ここで,受信側で受け取った信号を ReS とす る。ee0x0e1x1... e

n1xn1は,通信路で加わったノ イズである。ここで,信号は全てデジタル信号であるか ら,ノイズもデジタル信号であり,ek0 1 である。そ して,誤りのビット数が t 以下であることから,e0... en1 は,t 個以下の 1 を含み,それ以外は 0 と仮定できる。こ こで,1 である,要素をeg1... egt とすれば,前式は, と書き換えることができる。 ところで,受信信号を生成多項式 G で割った余りを Rrとすれば, で表現できる。ただし,この計算も,ガロア体上で行う。 そこで,(xkmod G)|for k0, n1 をあらかじめ計算して おき,前式を満たすgk|for k1, t を求めることができ れば,誤り位置を決定でき,e を求めることができる。 2.2 BCH 符号のアナログ信号への適用 本章では,アナログ信号の誤り訂正法について述べる。 アナログ信号の誤り訂正の可能性については,文献 1) に述べられているが,実際の手法については述べられて いない。また,多値信号に対する誤り訂正方法が提案さ れており,この方法を拡張することによりアナログ信号 に対して応用できると考えられる。 本章では,信号長 n15,誤り訂正可能ビット t2 を 例として,誤り訂正の具体的な方法を示す。 ここで,扱う信号がアナログとなるため,前章と異な り,信号を da0a1... a14 とする。ここで,akは実数である。 RmodG R modG  r k t xk ( g ) 1

e  xk k t g 1

(3)

xを前章と同様,形式的な変数とし, da0x0a1x1... a14x14 と表現する。 次に,送信信号は,デジタル信号の場合と同様,生成 多項式 G で割り切れる符号のみを使用する。 そこで,生成多項式を決定する必要があるが,巡回符 号を使用するため,x1510 を割り切れることが必要と なる。 そこで,x1510 を因数分解すると, (4) となる。ただし,

acos(2 p/15)sin(2 p/15)i (5) である。よって,前式の因数分解の結果から適当な数の 因数を選んで,生成多項式を作成することとなる。ただ し,生成多項式の係数は実数となる必要がある。ここ で,選択する因数の数については,後ほど議論するが, 本例題の場合最低 4 個必要である。そこで,生成多項式 として G(xa6)(xa7)(xa8)(xa9) x43.574 x35.165 x23.574 x1 (6) とした。つまり,送信信号 S は,G で割った余りが 0 と なる符号を使用する。 さて,受信信号 R は,送信信号 S にノイズ e が加算 され,RSe となる。ここで,e はノイズであるが,2 ビットのみに誤りが発生したという条件から, es1xg1s2xg2 (7) と表現できる。ただし,g1, g2は誤りの位置を示す整数で あり,s1, s2は誤り量を示す実数である。アナログ信号の 誤り訂正では,デジタル信号の場合と違い,その大きさ も求める必要がある。 ここで,受信信号 R を G のそれぞれの因子で割った 余り Siを計算すると, SiR mod (xa i)s1aig1s2aig2 (8) となる。 次に,xg1と xg2を解とする y の方程式 (xg1y)(xg2y)y2s1ys20 (9) を考える。 前式に skx jgkをかけ,y に xgkを代入することによって sk(x( j2)gks1x(( j1)gk )s2xjgk)0 (10) が得られる。ここで,前式に k1 を代入した式と,k2 を代入した式を加え,x に a を代入すると, S2js1S1js2Sj0 (11) が得られる。ここで,S6, S7, S8, S9は,R から計算可能な ので,前式に j6 を代入した場合と,j7 を代入した場 合は,すべての係数を決定することができる。つまり, この 2 個の式から,s1と s2を計算できる。 これらのことから,以下の方法で,誤り訂正が実行さ れる。 (1) 受信信号から,

SiR mod (xai)|for i6, 9

を計算する。 (2) S9s1S8s2S70 S8s1S7s2S60 を解いて,s1, s2を得る。 (3) y2s1ys20 を解いて,2 個の解 y1, y2を求める。ここで,yka gk ら,誤り位置 g1, g2を得る。 (4) S6s1a6g1s2a6g2 S7s1a7g1s2a7g2 を解くことにより,s1, s2を得る。 (5) es1xg1s2xg2 より,e が得られる。 本方法による誤り訂正法は,デジタル信号に対する BCH 符号の誤り訂正法と比べて,以下の特徴がある。 (1) 生成多項式の次数が少ない。このことから,誤り 訂正を行うための冗長ビットが少なくて済む。 (2) デジタル信号に対する BCH 符号を用いた誤り訂 正法では,誤り位置を計算するために,計算時間が必要 x x k k n 15 1 1     ( α )

(4)

である4)。しかし,本アルゴリズムでは,t2 の場合に は,方程式を解くことによって,誤り位置を検出できる。 2.3 例題 本章では,前章で示した誤り訂正の具体例を示す。例 として,送信信号 S を,以下のように与える。 S2 x14x132 x11x102 x8x7 2 x5x4119.8053 x3310.6768 x2 310.6004 x120.0637 (12) この信号に,通信経路で以下のようなノイズが与えられ たとする。 e2x10x3 (13) この結果受信側では,以下の受信信号 R を受信すること になる。 R2 x14x132 x113 x102 x8x7 2 x51 x4118.8053 x3310.6768 x2 310.6004 x120.0637 (14) 受信側では,誤り検出,誤り訂正を実行するため,ア ルゴリズムのステップ 1 を実行する。この結果 S61.6909830.9510565 i (15) S70.19098302.319836 i (16) S80.19098302.319836 i (17) S91.690983 e0.9510565 i (18) を得る。次に,ステップ 2 を実行すると, s10.19098300.08503111 i (19) s20.66913060.7431448 i (20) となる。ステップ 3 を実行すると, g13, g210 を得る。さらに,アルゴリズムのステップ 4 を計算する ことにより, e2 x10x3 (21) を得ることができる。 2.4 一般的な信号長のアナログ信号への適用 第 3 章では,n15, t2 の信号に対する誤り訂正法を 示したが,このアルゴリズムを拡張して,他の信号に対 する誤り訂正法を示す。 まず,本誤り訂正法を利用するためには,生成多項式 を決定する必要がある。この,生成多項式は,xn10 を 割 り 切 る こ と が 必 要 で あ る 。 ま た , 送 信 信 号 を 実数とするために,係数は実数でなければならない。 そ し て , 誤 り 訂 正 ア ル ゴ リ ズ ム を 実 行 す る た め に , を因数として含む必要がある。 次に,アルゴリズムを一般に n ビットの信号に対して, tビットの誤り訂正を行うように書き換えると,以下の ようになる。 (1) 受信信号から, SiR mod(xa i)|for ip,p2 t1 を計算する。 (2) を解いて,sk|for k1, t を得る。 (3) を解いて,n 個の解 yk|for k1, t および誤り位置 gk|for k1, t を得る。 (4) 例えば, を解くことにより,sk|for k1, t を得る。 (5) より,e が得られる。 3. 多数決素子復号法のアナログ信号への応用 多数決素子復号法を用いた誤り訂正法は,BCH 符号を 用いた誤り訂正法と比較して,その訂正能力は劣るもの の,そのアルゴリズムが単純で,装置化が容易であると いう利点がある。多数決素子復号法の誤り訂正回路は閾 値素子を利用して実現することが可能であり,そのハー ドウエア構造は簡単である。 アナログ信号に対する誤り訂正方法を述べる前に,従 来使用されている,デジタル信号に対する多数決素子復 e  s xk k t k g 1

Sp j sk p j j t k t k     α( )g |  ,  1 0 1

for yt yt k k t k    1 0

σ Sp j t kSp k j j t k t        σ 1   1 0|for 0, 1

(x k p ) k t     α 1 1 2

(5)

号法を用いた誤り訂正方法を述べる。 3.1 多数決素子復号法3) 本章では,デジタル信号に対する多数決素子復号法の 実例を述べる。例えば,15 ビット信号中の 5 ビットを冗 長ビットとし,10 ビットを信号とすれば,1 ビットの誤 りを訂正が可能である。 まず,送信する 1 個の信号列を, S[d0d1... d14] t (22) と表現する。 ここで,受信側で誤り訂正を実行するためには,送信 信号 S に拘束条件が必要である。ここでは,行列 H を と表現し, H S0 が成り立つ符号を送信する。ここで,H は,15 行 15 列 の行列であるが,ガロア体上の演算においては,ランク が 5 であり,S は 10 次元空間上の点となる。つまり,10 ビットの信号が送信可能となる。 次に,受信側で誤り訂正を実行する方法について述べ る。ここで,受信側で受け取った信号を Re S とす る。e[e0e1... e14] t は,通信路で加わったノイズである。 ここで,信号はすべてデジタル信号であるから,ノイズ もデジタル信号であり,ek0 1 である。そして 誤り のビット数が 1 以下であることから,[e0... e14] t は,1 個 以下の 1 を含み,それ以外は 0 となる。 ここで,H R をガロア体上で計算すれば,H S0 を用いて, を得る。ここで,以下の計算により e1を得ることができ る。 まず,p1sgn(s0s11s142) を考える。ただし, sgn(x)1|if x0 sgn(x)0|if x0 である。 ここで,s0, s11, s14は,e1e2e4を含んでいるので,e0, e1, e4のどれかが 1 ならば,p11 となるが,そうでなけ れば,p10 となる。 同様にして,p2sgn(s0s7s13), p3sgn(s0s5s10)を考 えれば,e0, e2, e8のどれかが 1 ならば,p21 となり,e0, e5, e10のどれかが 1 ならば,p31 となる。 よって,e0sgn(p1p2p32)により,e0を計算するこ とができる。同様の方法によって,他のエラービットも 計算することができる。 3.2 多数決素子復号法のアナログ信号への適用 本章では,前章で述べた多数決素子復号法をアナログ 信号へ適用する方法を検討する。 ここで,前章で述べた方法をそのままアナログ信号へ 適用することはできない。なぜならば,ガロア体におけ る演算では,H のランクが 5 であるが,実数における演 算では,ランクは 15 となる。よって,送信信号に,冗 長ビットが 15 ビット必要となり,信号を送信すること ができなくなるのである。 そこで,本論文で提案するアナログ信号に対する多数 HR ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕  e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e 0 1 2 4 5 8 10 1 2 3 5 6 9 11 2 3 4 6 7 10 12 3 4 5 7 8 11 13 4 5 6 8 9 12 14 0 5 6 7 99 10 13 1 6 7 8 10 11 14 0 2 7 8 9 11 12 1 3 8 9 10 12 13 2 4 9 10 11 13 14 0 3 5 10 11 12 14 0 1 4 ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e ⊕⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕ ⊕                                             e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e e 6 11 12 13 1 2 5 7 12 13 14 0 2 3 6 8 13 14 0 1 3 4 7 9 14                                                      s s s s s s s s s s s s s s s 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 H 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 00 1 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1                                                

(6)

決素子復号法を述べる。 [ケース 1(1 ビット訂正)] 始めに,9 ビット信号中の 5 ビットを冗長ビット,4 ビットを信号ビットとし,1 ビットの誤りを訂正する方 法を示す。 まず,送信あるいは記憶する 9 個の信号列を, S[d0d1... d8] t (23) と表現する。受信側で誤り訂正を実行するため,送信信 号 S に拘束条件が必要である。ここでは,行列 H を と表現すれば, HS0 が成り立つ符号を送信する。ここで,H は,6 行 9 列の 行列であるが,ランクが 5 であり,S は 4 次元空間上の 点となる。 次に,受信側で誤り訂正を実行する方法について述べ る。ここで,受信側で受け取った信号を ReS とする。 e[s0g0s1g1... s8g8] t は,通信路で加わったノイズであ る。ただし,g0, ..., g8は誤りの位置を示す 2 値であり,そ のうち 1 個が 1 となり,他は 0 である。また,s0, ..., s8 誤り量を示す実数である。 ここで,HR を計算すれば,HS0 を用いて, となる。ここで,非線形関数 f ( ) を以下のように定義 する。

f (x)1|if EPx or xEP f (x)0|if xEP and EPx

ここで,EP は,微小のノイズである。この関数を用 いることによって, g0sgn( f(s1)f(s4)1.5) g1sgn( f(s1)f(s5)1.5) g2sgn( f(s1)f(s6)1.5) g3sgn( f(s2)f(s4)1.5) g4sgn( f(s2)f(s5)1.5) g5sgn( f(s2)f(s6)1.5) g6sgn( f(s3)f(s4)1.5) g7sgn( f(s3)f(s5)1.5) g8sgn( f(s3)f(s6)1.5) と計算される。 [ケース 2(2 ビット訂正)] 同様に 25 ビット信号中の 17 ビットを冗長ビット,8 ビットを信号ビットとし,2 ビットの誤りを訂正する方 法を示す。 この場合,送信信号を作成するために,行列 H を H 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 00 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 00 1 0 1 0 0 0 0 0                                 HR              e e e e e e e e e e e e e e e e e e s s s s s s 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 3 6 1 4 7 2 5 8 1 2 3 4 5 6                                         H 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 1                    

(7)

と定義し, HS0 が成り立つ符号を送信する。ここで,H は,20 行 25 列 の行列であるが,ランクが 17 であり,S は 8 次元空間上 の点となる。 次に,受信側で誤り訂正を実行する方法について述べ る。 ケース 1 と同様に, 受信側で受け取った信号を ReS とする。 e[s0g0s1g1... s24g24] t は,通信路で加わったノイズであ る。ただし,g0, ..., g24は誤りの位置を示す 2 値であり, そのうち 2 個が 1 となり,他は 0 である。また,s0, ..., s24 は誤り量を示す実数である。 ここで,誤り訂正を実行するために,HR[s1... s25] t 定義する。ここで,p0f(s1)f(s6)f(s11)f(s16) を考える と, p03 or 4|if g01 p00 or 1 or 2|if g00 となる。なぜならば,s1, s6, s11, s16には,それぞれ g0の項 が含まれているため,g01 ならば,p04 となる。ただ し,もう 1 ビットの誤りがあるので,その相互干渉に よって,p0が 4 より小さくなることがある。しかし,p0 を計算する過程で,他のビットは多くても 1 度しか使用 していないため,他の 1 ビットのエラーの干渉は 1 カ所 だけであり,p0は,3 より小さくなることはない。 また,g00 の場合には,他の 2 ビットに誤りが発生 するが,同様に,p0を計算する過程で,他のビットは多 くても 1 度しか使用していないため,他の 2 ビットのエ ラーの干渉は 2 カ所であり,p0は,2 より大きくなるこ とはない。 これらのことから, g0sgn( f(s1)f(s6)f(s11)f(s16)2.5) となる。同様に他のビットも計算できる。 3.3 一般的な符号長の場合 前章では,9 ビット信号中の 5 ビットを冗長ビットと した場合や 25 ビット信号中の 17 ビットを冗長ビットと した場合について述べた。一般には,信号ビット数 n, 誤り訂正可能ビット数 t が与えられた時,それに対応す る行列 H が与えられることが望ましい。 現在,H を求めるアルゴリズムを検討中であるが,一 般的な場合に求める方法は見つかっていない。 しかし,n が nm2 (m は整数)という条件を満たす 場合に限り,H を作成する方法を発見した。この方法に よれば,H は,2 tm 行 m2 列となる。 Hを縦 2 t 個,横 m 個の m 行 m 列の小行列に分割し, それぞれを Hijとする。さらに,Hijの p 行 q 列の要素を hijpqとすれば,hijpqは,以下のように表現できる。 if i1, jp then hijpq1

if i1, (((i2)( j1)p)mod m)p then hijpq1

else hijpq0 この方法で符号を作成した場合,2 t (m1)1 ビットの 冗長データが必要である。 4. まとめ 本論文では,アナログ信号に対する誤り訂正方法を示 した。 従来,デジタル信号に対する誤り検出や訂正はその実 用性から盛んに研究されているが,アナログ信号に対す るそれは,あまり行われていない。しかし,記憶する信 号や通信する信号は元来アナログであり,アナログ信号 をそのまま使用できれば,その通信量を増大することが 可能である。このことを実現するためには,アナログ信 号の誤り検出,訂正を行うことが重要となると考えられ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 00 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 00 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0                                

(8)

る。また,アナログフラッシュメモリーなどのアナログ の記憶媒体に本方法を用いることも考えられる。 本論文で示したアナログ信号に対する誤り訂正法は, デジタル信号に対する BCH 符号に対して,誤り訂正を 行うための冗長ビットが少ないという利点がある。 また,本論文で示した多数決素子決定方を応用したア ナログ信号に対する誤り訂正法は,BCH 符号を用いた方 法と比較して,アルゴリズムが簡単であり,そのハード ウエア化も簡単であるという利点をもつ。 しかし,本論文では,微小ノイズに対する影響を考慮 していない。実際の信号には,微小ノイズや歪みの影響 で微小な誤りは必ず発生すると考えられる。このため, このことを視野に入れた解析が必要である。また,本論 文で示した符号の効率を検討することや,他の条件に対 する符号の作成方法を検討することも今後の課題である。 文   献 1) 熊沢逸夫,小川英光:疑似双直交性理論によるア ナログ符号の対雑音安定性の評価,IEICE Trans. A J72-A, 2, pp. 406

2) Peterson W. W.: “Encoding and error-correction proce-dures for the Bose–Chaudhuri Codes”, IEEE Trans. Inf. Theory, IT-6, pp. 459–470 (1960)

3) 岩垂好裕:符号理論入門,昭晃堂 (1992)

4) Chuen, R. T.: “Cyclic decoding procedures for Bose–Chaudhuri–Hocquenghem codes”, IEEE Trans. Inf. Theory, IT-10, pp. 357–363 (1964)

5) 水谷 光: BCH 符号のアナログデータへの適用, 電子情報通信学会技術報告,NLP97(1998 年 3 月)

参照

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