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教 師の学習ニーズの諸相

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Ⅲ 教 師の学習ニーズの諸相

1.は じめ に

文部科学省 は,初任者研修 をは じめ として, 教師の ライフステージに合 わせた研修 を実施す るように教育委員会 に求めて きた。それに応 じ て各地の教育委員会 は,5年,10年 といった年 次研修や管理職研修,そ して教科指導 ・生徒指 導 に関わる各種のテーマ別研修 を用意 し,提供 してい る。2009年度 には さらにその上,免許 更新制度導入 に伴 う研修 を課 して きた。 しか し それ らの研修 も,受けた教師本人が学 びの実感 を持てない ようでは意味が ない。教師のキャリ ア形成 に資す るためには,そ して教育の改善 を もた らすためには,教 師の学 びの機会 をどの よ うに用意すればよいのだろうか。

神奈川大学卒業 の現職教 師 を対象 に1985年 に実施 した質問紙調査では,教師たちが強い学 習意欲 を持 っていること,教科指導や生徒指導 に関す る学習に興味 を持 っていること,そ して 大学や大学院での現職教育 を望んでいることが 明 らか になっている1)。それか らお よそ4半世 紀,学校や教 師を取 り巻 く環境は大 きく変化 し た。いま,教 師たちは, どの ような課題 を抱 え, それを解決するためにどの ような学習ニーズ を 抱 えているのか。私たちは, 自由記述 を含 む質 問紙調査 (2007年実施)2)と,その結果 に基づ いて設計 されたイ ンタビュー調査 (2008年実 施)3)をもとに,教 師が必要 としてい る学習 は どの ようなものか を明 らかに しようと試みた。

ここにその一端 を報告 したい。

河上婦志子

2.教 師 の学 習 意 識 :質問紙調査の結果 か ら (1)学習の満足度

教 師のニーズに応 える学習機会 を明 らか にす るために,質問紙 に10項 目の学習 ・研修機会 を用意 し,それぞれについて 「教職 についてか ら行 なって きた研修 ・研究は, 自分の能力形成 に どの程度役立 ちま したか。」 とい う設問 を立 て,「大 いに役立 った」か ら 「役立 っていない」

と 「参加 していない」 までの5つの選択肢 を設 けて回答 して もらった。そ して役立つ との回答 が多かった項 Hが,教 師の満足度が高い学習機 会であると捉 えてみた。

1)満足度の高い学習機会

図Ⅲか らわかるように,教師たちの満足度が 高いのは 日常的 ・非定型的な学習機会である

「先輩 か ら学 んだ こと」「個 人的 自主学習」「同 僚 との 自主学習」 の項 目に対す る,「大 いに役 立 った」 と 「役立 った」 を合 わせた 「プラス評 価 」 の比率 が, それぞれ94.4%,78.0%,59.9 0/Oである。現場 を離jtた ところで企画 された研 修ではな く, 日々の生活や仕事 に密着 し,かつ 自発的な学習機会が教師に大 きな満足 を与 えて い る こ とが わか る。分 けて も 「先輩 か らの学 び」が大 きな影響力 をもっていることが窺 える。

年齢 別 に分析 したみた ところ

,

「先輩か らの 学 び」 にプラス評価 を与 えた20代 の教 師たち は96.7%に及 んでいる。 この数値 は若い教 師た ちにとって,先輩の指導助言がいかに必要であ

(2)

図Ⅲ 「教職 についてか ら行 なってきた研修 ・研 究や学習 は, 自分の能力形成 に どの程度役立 ちま したか。」 とい う設問に対 する回答分布 (末記入 を除 く)

10 個人的自主学習 9 先輩から学んだこと 8 同僚との自主学習 7 民間研究会への参加 6 組合研修 5校 内研修 4教科別研修 ・研究 3教委 による課題別研修 2 経年研修 1初任者研修

0% 20% 40% 60% 80% 100%

□大いに役立った ■役立った □少し役立った 巳役立っていない }参加 していない

りまた有効であるかを物語 っていると言 えるだ ろう。

2)満足度の低 い学習機会

これに対 して満足度が低かったのは 「組合研 修」 (プラス評価18.1%)

,

「経年研修」 (同18.6

%)である。「組合研修」 については 「参加 し ていない」 とい う回答が39.2% もあるので,刺 用者それ 自体が少 ない といえる。 しか し同様 に

「参加 していない」 とい う回答が39.7%である

「民間研究会へ の参加」 については, プラス評 価が41.0%と,ある程度の満足が参加者 によっ て表明 されてい るので,「組合研修」 の人気 の なさが窺 えるといって よい。民間研修 には自分 の希望や判断で参加す るので,そこに違いがあ るのか もしれない。「経年研修」 は一定の勤続 年数 に達 した教師が受ける教育委員会主催の研 修である。機械的に経験年数で区切 り,義務 と

して参加 させて も,それは教師の職場環境や体 験やニーズに合致 した学習機会の提供 にはな ら

ない ことを, この数値 は示 している

「経年研修」以外 の職務上の定型的研修 であ る 「初任者研修」や 「教委による課題別研修

について もプラス評価 が40%を切 ってい る

しか し 「教科別研修 ・研究」 についてはプラス 評価が57.3%と比較的高い。教科指導 に対す る 教 師の学習ニーズは,いつの時代 に も高い とい

って よいだろう。

(2)教師の課題

教 師が 自らの課題 と感 じている事柄,それは 教師の学習ニーズの一端 を示 しているといえる

課題意識 は,問題 を乗 り超 えるための能力や努 力の必要性 についての 自覚 を示す ものだか らで ある。 またその回答の中に, どの ような支援や 条件整備 を用意すれば よいのかのヒン トを見 出 す ことがで きる。「現在,あ なたが課題 として い るこ とは どの ようなことですか。」 とい う質 問に対す る自由記述回答 の中に,教師の抱 える 課題 を拾 ってみ よう。

1)教科指導

教科 に関す る知識や教材研究の能力,あるい はわか りやすい授業の工夫や生徒主体の学習指 導 な ど,教科指導 を課題 として記述 した回答者 が多か った。 こうした課題 を抱 えている教 師は

‑ 24‑

(3)

20‑30代 に多 い傾 向が 見 られ るが,40代 に な って もよ りよい授 業 を 目指 して精進 を続 けてい る教 師が い る。

・どう生徒に基礎学力 をつけさせてい くか。生徒 に あきさせない授業をどう組み立ててい くか (発間, 指示,説明,評価)。 (36歳 ・男性 ・公立中学校)

・幅広い知識の習得 (言語を軸 とした人間の幅広い 活動領域 に関す る知識)。(46歳 ・男性 ・公立高 校)

生徒 を取 り巻 く環 境 が変化 し,生徒 の興 味 ・ 関心が多様化 し,学 習 に対 す る態度 も変容 す る 中で,広 い知識 や新 た な教材分析 の視 点 を獲 得 して,生徒 に主体性 を持 たせ る学 習方法 を開発 す る こ とに 日々苦労 してい る教 師 の姿 が 浮 か び 上 が って くる。

・最新の知識や話題が少ない。独学で習得するには 難 しい理科や 「情報」 も,時代の先端については 生徒に話 した。最先端の技術や研究などが,他の 教科 と比較 しても理科や 「情報」には必要である と考える。これをいかに自分のものとするのかが, 現在の課題である。 (33歳 ・男性 ・公立高校)

・教科指導。具体的な方法を学びたい。 日々の教材 研究は十分にしている。本時のねらいに到達する ためにどのような方法が考えられるか,具体的な アイディア (ひき出し)がほしい。 (27歳 ・男性

・小学校)

学習 の満足 度 に関す る選択肢 質問‑ の 回答 に 見 出 した,教科 に関す る研修 ・研 究へ の高 い満 足 度 は,教 師 自身の教科 に関す る学 習要 求 の現 れで あ った こ とが , 自由記述 回答 の分析 か ら推 察 で きる。

2)生徒 指導

生徒 指導 に関 して は,学 習以前 の問題 を抱 え てい るため に教科 指導 が うま くいか ない生徒 へ の対応 , あ るいは不登校 の生徒 や 問題行 動 を起 こす生徒 ‑ の対応 を課題 と してい る とい う回答

が多 く見 られ た。 そ してそれ らの生徒 には, 問 題 の あ る家庭 環境 や子 どもに無 関心 で放任 的 な 保 護者 ,逆 に過剰 な要 求 を出 して くる保 護 者 な どの問題 が付 随 してお り,守備 範 囲拡大 の悩 み と対応 の 困難 さを訴 え る声 が 聞 こえて くる。

・学習の習慣が身についていない生徒や自分ひとり で学習することができない生徒など,専門内容の 勉強や一般的な指導技術 を学ぶだけでは力 をつけ てあげられない生徒たちへの対応に苦戦 している ので,学校生活 ・家庭生活全般の指導 をどうする のかというのが課題です。 (47歳 ・女性 ・公立中 学校)

・生徒一人ひとりが もつ環境 を十分に理解 し,接 し ていかなければならない。生徒理解が教科指導 と 多 く関わっている。昔 と違い,家庭環境が ものす ごく複雑 になっている。 (53歳 ・男性 ・公立中学 校)

・生徒や保護者の要望に対 し,多面的にとらえ,本 当に欲 していることが何なのか,少 しで も理解で きるように努めています。経験 もまだ浅 く,表面 上のできごとで内容を捉えがちなのが課題です。

(27歳 ・女性 ・私立中高等学校)

回答 者 の うち12人 が特 別 支 援 学 校 の勤 務 者 であ り,特別支援 や個 別支援 の学級担 当 になっ てい る回答者 もい る上 ,普 通学級 に も軽 度発 達 障害 の生徒 が い るので,発 達 障害 につ い ての理 解 や対応 ,教 育上 の工 夫 , あ るい はそれ に関す る法律 的知識 な どの習得 を,課題 と して指摘 す る 回 答 が 見 ら れ た。 彼 ら は, 重 度 障 害 や ADHDや アス ベ ル ガ ー に関す る知 識 ・理 解 と 対応 の仕 方 ,普 通学級 の生徒 との 関係 の作 り方 ,

さ らには教員 の協 力体 制 の作 り方 を模 索 してい る ようだ。政府 の方針 や法律 の整備 と,現場 の ス タ ッフの配置や その専 門訓練 との 間 に敵歯 が 生 まれて い る こ とが窺 える。

・普通クラスに在籍 している,ADHDやアスベル ガーなどの高機能障害の生徒の理解 と職員の協力 体制。 (35歳 ・男性 ・公立中学校)

(4)

・軽度発達障害の子 との関わ り方。 (30歳 ・女性 ・ 公立小学校)

・特別支援学級の担当をしているため,小学校教諭 なみのあ らゆる教科 を指導 しなければならない。

そのため専門以外の知識 も多少必要 とされるよう になった。 (33歳 ・男性 ・公立中学校)

(3)学校 の課題

あ なた の課題 は何 か, との問 い に対 す る 自由 記 述 回答 には,教 師個 人 の課 題 とい う よ り学校 の課 題 とい うべ き問題 が垣 間見 え る。教 師 の コ ミュニ ケ ー シ ョン能力 の 向上 や協 力 体 制作 りが 課題 で あ る とい うの だ。 こ う した記 述 は 中高年 の教 師 に見 られ る。

・校内の職員が共通理解 を図れるような行事 (運動 会 ・学芸会)の精選。 (36歳 ・男性 ・公立小学校)

・職員間のコミュニケーシ ョン能力 (言語の という ことに限らず,人間関係づ くり)の向上。組織力 の向上 (生徒指導 においての組織 的対応)。 (45 歳 ・男性 ・公立中学校)

・校内における教貞間のコミュニケーション。互い に力量 を高め合 うための校内の研修体制。 (50歳

・男性 ・公立高校)

一 方現在 の学校 に は, この教 師 間の コ ミュニ ケ ー シ ョンを図 るゆ と りが ない とい う回答 もあ った。 問題 が 山積 してい るだ け に, そ の解 決 を 図 るため には, 日常 的 な人 間関係 を密 に して教 師 間の連携 や協 力 の体 制 を築 くこ とが不 可 欠 に な る。 しか し問題 が多 す ぎて,必 要 な人 間関係 をつ くる暇 が ない とい うジ レンマ に陥 って い る よ うだ。

丁 職場のコミュニケーシ ョン,人間関係づ くり」

これが今,一番不足 しています。これでは子 ども たちにいい教育がで きません。「教」がで きて も

「育」がで きるゆ とりがあ りません。ゆっ くり教 育を語る,子 どもたちのことを語るゆとりが,今 あ りません。 (44歳 ・男性 ・公立中学校)

この よ うに 日々の生 活 の多忙 さ, 時 間不 足 を 訴 え る回答 が多 い。教 科 の知 識 の充 実 や技 能 の 練 磨 ,生 徒 理解 や保 護 者 との 関係 能力 の育 成 を 自 らの課題 と して あ げ る教 師 た ち は, そ の ため の力 量 形 成 の時 間 を確 保 で きない こ とに悩 んで い る

・平均 して朝7時 に出勤,19時の退勤。 この よう な毎 日で土 日は部活動で十分 に休養 を取 ることも で きない。生徒 との関わ りを考えるとゆっ くりと 休 んでい られない現実 とどう向 き合 ってよいのか とい うことが課題です。 (48歳 ・男性 ・公立中学 校)

・あまりに時間が取れない。 自分の仕事の効率の悪 さもあるだろうが,教員の提出物や回る資料の多 きが 目につ く。私の課題は子 どもに教 える場以外 でいかに効率 よく仕事 をす るかです。(25歳 ・男 性 ・公立小学校)

・教科指導能力が不足 していると痛感 しているが, 教材研究をする時間が取れる状況ではない。職員 の仕事量の緩和が課題。(25歳 ・男性 ・公立中学 校)

・学校内における教諭の年齢構成が偏 っていること か ら来る仕事の集中と,そのことによる教材研究 のための時間の確保。 (28歳 ・男性 ・公立高校)

・英語力 (専門) を磨 く時間 もあまりな く,ます ま す落ちてい く一方です。休職制度 を利用 して2年 位,大学院等で勉強 しなお したい気分ですが,実 現は今の ところなさそ うです。(35歳 ・女性 ・公 立中学校)

・自主研修 として学習 したい気持ちがあ りますが, 日々の職務,家庭 との両立の忙 しさに追われて, で きていないのが現状です。早朝か ら深夜 まで学 校 にいて仕事 をしているので, 自分の時間が取れ ません。何 とか,時間の使い方 を工夫 してい くこ とが課題です。 (30歳 ・男性 ・公立中学校)

教 師 た ち は,教 材 研 究 や教 科 指 導 の工 夫 の た め の 時 間が , 日々の雑 務 処 理 の多忙 さに よって 奪 わ れ て い る こ とに悩 んで い る こ とが わか る。

教 科 指 導 の力 こそが教 師 た ちの仕 事 の核 心 部分 を形 成 して い る との強 い思 い か らで あ ろ う。

‑26‑

(5)

次 に,以上 の知見 を踏 まえて翌年度 に実施 し たイ ンタビュー調査 の結果 を分析 し,教 師たち の学習 ニーズ について さ らに考察 を深 めてみ よ

3.イ ン タ ビ ュ ー に み る教 師 の 学 習 ニ ー ズ (1

)

「壁」 を乗 り越 えるための学習

学習 は,その必要性が最 も高い時 に行 なわれ た場合 に効果 を発揮 す る。私 たちが イ ンタビュ ー調査 を実施 す るに際 して立 てた質問 の柱 の1 つ は,教 師 と してのキ ャリアにお ける 「壁 」体 験 を聞 くこ とであ った。 ここでい う 「壁」 とは, 教 師個 人 に とっての危機 的状 況 であ る。「壁 」

との遭遇,それは教 師 と してのキ ャリア形成 の ための重要 な局面 なのであ る。 なぜ な ら 「壁 」 に遭遇 した経験 それ 自体 が学習機会 であ り,そ れ を乗 り越 えるこ とが力量形成 につ なが るか ら であ る。「壁」 を打 開す るための苦 しみや悩 み, 試行錯誤 ,支援 や助言 ,情報収集,そ して壁 を 乗 り越 えた暁 に獲 得 した教育者 としての物 の見 方や考 え方,それ こそが教 師のキ ャリア形成上 のニーズの重要 な要素 であ る とい え よう

イ ン タ ビュ イーで あ る教 師 た ちが経験 した

「壁 」 は,比較 的経験 年 数 の浅 い時期 に遭 遇 し た生徒 との人間関係 上 の トラブルが多 い。生徒 の言動 に振 り回 され,教 師 と しての 自信 を喪失 しそ うにな り,時 には教 師 を辞 めた くなる よう な深刻 な体験 を した教 師 は少 な くない。 イ ンタ ビューか ら明 らか にな ったの は,「壁 」 の乗 り 越 えに有効 だったのが,先輩教 師たちの助言 や 指導 だ った こ とで あ る。次の語 りは,その典型 例 の 1つであろ う。

合唱祭の練習の仕方をどうするかというのを自分 のプライ ドもあって,合唱コンクールで賞を取 りた いという気持ちが先走ってしまって,生徒たちが実 質的に動 き始める前に自分がどんどん提案をして, クラスを動かしてたときに 「私たちのクラスは先生 が決めて‑」みたいなことで,女の子たちにブイッ とされたこと,ソツポを向かれちゃったことがある んですね。もっと昔。そのときに朝クラスに行 くと,

‑10人 ぐらいが一斉にプソとして,朝練 をボイコ ットされたんです。出て行っちゃった。そういう時 期が1週間ぐらいあったときにはちょっと辛かった ですね。でも先輩にア ドバイス してもらって「1人 ひとりの子 と面接 して直接11で話をして,謝る ところは謝って,やるしかねえだろ」と先輩に言わ れて。‑ (生徒‑の対応 としては)放課後呼び止め て,それで 「オレ,悪いところあったら謝るから, ちょっと言って くれ」と話をしたり,呼び止めても 軽視 して帰っちゃうのは電話 して,おうちの人に事 情を話 したり,電話口で話をしたりして,その子た ちも僕の気持ちを聞いた上で学級委員に言って学級 会を開いて,この後の練習をどうするかと。「先生 が賞を取 りたいから突っ走っちゃたけど,みんなで 話をして,やって くれ」みたいな感 じで任せて,そ jlで・・・。(男性 ・中学校 ・勤続12年)

この先輩教 師 は, 自分 が顧 問 を してい る部活 の生徒 か ら話 を聞いて事情 を察知 し,当該教 師 に助言 を与 えたのであ るが, ま さに彼が試練 の 渦 中にあ る時の支援 であ ったため に非常 に有効 な もの となった。彼 は この経験 に よって生徒 と 向 き合 う姿勢 の基礎 が 出来 た と言 う。 そ して 自 分 もまた,後輩 を見守 ろ う,必要 な助言 を して あげ よう と心が けてい る と語 った。教職 につい て2,3年 目の経験 であ った とい う

次 も∴ 悩みの実 っただ中で扱 いの糸が差 し伸 べ られた例 であ る

2年 目でした。最初の担任を持ったときで した。

学校が荒れていたんですよ。 ものすごく荒れていて, 女の子 もすごい,学校に来ないで私に背を向けた生 徒が女の子でもいっぱいいて,その子 とかなりぶつ かって,もしかしたら命的にも危ないかなという, そういった局面にさらされたのが最初のターニング ポイントです。すごく悩んで,そのときにやっぱり 周 りにいた先生のバ ックアップをもらったんですよ ね。‑40代の女性の先生。「Kさんが悩むのは,敬 師としての,そういう資質があるのよ」と言われた。

「本当に子 どもに対 して向き合っていなければ,そ こまで悩まない し,苦 しまない」と言われたときに, ちょっとほっとしたんです。(男性 ・中学校 ・勤続

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22年)

この先 輩教 師 は,普段 か ら当該教 師 と一 緒 に 学 習会 を開 い てい た こ とが別 の場 面 で語 られ て い る。 日常 的 な生 活 の 中で培 われ た相 互 理解 と 信 頼 関係 が , こ う した危機 的 な場 面 で の指 導 や 助 言 を有 効 に したの だ ろ う。彼 は この経 験 を通 して子 ど もの声 に耳 を傾 け,子 ど もか ら学 ぼ う とす る姿 勢 を もっ こ とが で きた とい う。

多 くの教 師が , この よ うに勤 務 し始 め て数年 巨=こ,生 徒 との 関係 で 「壁 」 にぶつ か り,悩 み 苦 しんで い るので は ない だ ろ うか。 この よ うな 場 合 ,先輩 の助 言 は, 関係 す る生徒 た ちの性格 と個 人 的背 景 や ク ラス の雰 囲気 を熟 知 し, また 当該教 師 自身の特徴 を知 った上 で の,個 別具 体 的 な励 ま しや示 唆 で あ る こ とが ,効 果 を発揮 し てい る とい って よい。一 般 的 な教 師 と一 般 的 な 生徒 の 関係 につ い ての一 般論 で は な く, そ の 時, そ の場 で, そ の 問題 につ い て一緒 に考 え,解 決 の糸 口 を見 出 して くれ よ う とす る先輩教 師 の姿 勢 が ,若 い教 師 を育 て てい るの だ。抱 え る課 題 か ら時空 が離 れ た ところで は な く, ま さに課 題 の渦 中 にあ って学 習 の ニ ーズが最 も高 まった時 に,指導 や 助言 が与 え られ た ので あ る。 こ う し た先 輩 た ちの支 援 に よって, 問題解 決 の突破 口 を開 き, 自信 を取 り戻 し,教 師 と しての 自覚 や 責 任 感 を強 め て い った こ とが わか る。 質 問紙 調 査 の結 果 に対 応 す る事 実 が , イ ンタ ビュー調 査 に見 出せ た とい って よい。

先 輩 の指 導 の効 果 を語 るの は現在 の教 師 だ け で は な い。1931年 に 師 範 学 校 を卒 業 した教 師 た ち に対 す る,稲 垣 忠 彦 た ちの 「教 師 の ライ フ コー ス研 究 」 の 中 で,1985年 に実 施 され た イ ン タ ビュー調 査 の結 果 に も先 輩教 師 の影 響 力 の 大 きさ と役 割 の重 要 性 が 明 らか に され て い る4)0 昔 も今 も教 師 た ち は,学校 現場 で の,教 師 同士 の, と りわ け先 輩 の,助言 や支援 に よって キ ャ リア形 成 をはか って い るの だ とい う こ とが で き

よう。

(2)日常生 活 の 中 での学 習

こ う した一種 の危 機 的状 況 ‑ の対 応 だ けで は な く, 日常 的 な業務 の合 間の ,先 輩 の指 導 の有 効 性 を語 る教 師 も多 い。

初めて担任 を持 った時に,ち ょうど3年前のこと ですが,私の隣のクラスの先生が副主任だったんで すけれども,副主任の先生は基本的には担任 を持つ ので,その先生はもうかな りベテランで,す ごいい いクラスをおつ くりになっていた。その とき40代 後半の女性の先生なんですけれ ども。 よく隣か ら見 てた りとか,ああ,こうい う話 をするとか,よく呼 んで話をするのを見て,ああ, こうい うことを言 う んだとか。 うちの職場は各学年のフロアのところに 小 さな部屋があるんです。学年職員室みたいな感 じ に使 っているので,下 まで行 くと職員室 も遠かった りするので,戻 らないでそこにいて結構情報交換 し た りとか。生徒 も近 くにいるほうが来て くれた りと か,あと話 した りで きるので。そこへ呼んで,何か あったときに子 どもを呼んでる場面 を見た りとか一 緒に問いた りして,あ,こうい うふ うに話 をするん だ とか, こうすると落ち着 くんだな とか。 (男性 ・ 中学校 ・勤続5年)

この先輩教 師 は, 自分 が生徒 と コ ミュニケ ー シ ョンを とる場 面 を後 輩 に見せ る こ とに よって, 生徒 指 導 の コツ を実 地 に示 そ う と したの だ。 当 該教 師 もまた, そ う した配 慮 を理解 して食 欲 に 学 び取 ろ う と した こ とが わか る。 次 の2つ の例 ち,学 び に食 欲 な教 師 の姿 を垣 間見 せ て くれ る。

(生徒指導 をしている先生 と生徒の場面で),そこ に何かカギがあると思って,先生はどうい う言葉 を 言って,生徒はどういう言葉 を言 って, とい うのを ずっと研究 してたんですけど,特 に今年になって思 うことは,その生徒指導 をしている場面 じゃな くて, その先生はやっぱ り違 う場面,授業であった り,そ れか ら廊下 をすれ違ったときであった り,普段の何 気ない ところでそ ういう生徒 と密 に関わっていて, その中で信頼関係が築けている上での生徒指導の場 面だったんだなとい うのを最近気づ くようにな りま した。生徒はすごくた くさんいて,先生は少ない じ

‑ 28‑

(7)

やないですか。だけどその中でもやっぱりきめ細か なしっか りと言葉をかけた り,目を配った りしてい るなというのを最近すごく感 じるようになりました。

(女性 ・中学校 ・勤続 1年)

大 学在 学 時代 か ら主体 的 に経験 の幅 を広 げ よ う と努力 してい た この教 師 は,教 職 1年 目か ら 指導 力 のあ りそ うな先輩 を観 察 し, そ こか らワ ザ を盗 み取 ろ うと してい る。

2例 日の教 師 の場合 は,最初 の赴任校 で は好 きにや れば よい と放任 されてい たため に実力 が つ か なか った との反省 を もとに,次 の赴任校 で の先輩教 師 た ち との関 わ りにつ い て以下 の よ う に語 ってい る。

もう本当に目の前にすぼらしい力のある先輩がた くさんいましたので,その先輩方に,こっちはわか らないというのを, もう隠 してもしようがないので.

わからないので教えて くださいと言って,いろいろ なことを教わ りました。本当にどの先生方 も力があ るんで,的確な指導をして くださったんですね。で すから,わからないことはどんどん聞いていこうと。

国語だったらこの先生,算数ならこの先生,理科な らこの先生って,それぞれに専門をしっか り持たれ ている先生がいまして,今思うとすごく幸せな職場 だったなと思います。 どの方 もそのことについて聞 けば,きちんとした,その当時,東京都で研究 して いる最前線 というか,そういったことを数えていた だけたので,それによって自分は刺激を受けてとい うか,学ぶことがで きました。(男性 ・小学校 ・勤 続16年)

上記 の学校 の教 師集 団は,切瑳 琢磨 す る 自分 た ちの姿 を見せ る こ とで,若 い教 師 を刺 激 し, 学 習‑ の意欲 を掻 き立 てたの だ。親 身 に助言 を 与 えて くれ る先輩 との個 別 的 な人 間関係 も重 要 だが ,学校 内 に学 びの教 師集 団が存在 す る こ と は,教 師た ちの キ ャ リア形成 に よ り有効 な影響 を もた らす こ とが わか る。

(初期に) 自分のクラスの生徒で,例 えば暴力 と

かい じめとか万引 きとかいろいろあって,そのたび に指導するわけですよね。指導 して,保護者のほう にも連絡 をしてというふ うに形は同 じようにするの ですが,例えば,隣のクラスの10年 ぐらいの経験 のある先生 と形は同 じでも,指導が生徒に入ってい くというのがやっぱ り違 うわけです よね。そこら辺 の壁 をすごく感 じて。だから,それが経験の持つ強 さなんで しょうね。・‑そんな自分の経験に関 して, 仲間内とか先輩 とかに,飲みなが らいろいろ話 をし て,またア ドバイスをもらった りとか して,またそ れを加えて自分の指導をしていきました。それが少 しずつ,少 しずつ,経験の伴った指導 というふうに なっていったんだと思 うんですけどね。(男性 ・中 学校 ・勤続10年)

放課後 の飲 み会 や, アル コールが入 って 口が ほ ぐれ た後 の忌博 の ない意見 の交換 , これが教 師 を育 て るのだ, とは よ く言 われ る こ とであ る。

しか しそれで は家庭 責任 のあ る教 師や ,夜 遅 く まで居 酒屋 にい られ ない教 師 は,相 互学 習が で きない こ とにな って しまう。 次 の語 りは,学校 内で も十分 に学 習機 会 を生 み 出す こ とが で きる とい う好例 を示 してい る。

学校の中の (20代か ら40代の)知 り合いの先生。

それ も有志で,10年 ぐらいやっていました。その ころは,さまざまな教育。輪読 をするんです。その 中で何がいいかなと,一番最初 に声 をかけた (40 代の女性の)先生が,こういうのを読 もうよって提 案 し,お互いにフリー トーク,ディスカッションを して,こうだという中で,自分の今のクラスの状況 も打ち明けなが ら,だったらこうしたらいいんじゃ ないか ということが10年間。それ もす ごく大 きか った。(男性 ・中学校 ・勤続22年)

質 問紙 調査 で教 師が 「自分 の能力形 成 に役 立 った」 と回答 してい たの は

,

「個 人 的 自主学 習」,

「先 輩 か ら学 んだ こ と」 や 「同僚 との 自主学 習」

であ ったが , イ ンタ ビュー調査 にお い て も, そ う した非定型 的 な学 びの機会 が キ ャ リア形 成 に 重要 な意 味 を もってい た と,教 師た ちは語 って い る。 日常 的 な教 育活動 の 中で, あ るい は学校

(8)

内 の研 究会 や話 し合 い の 中 で ,教 材 研 究 や 指 導 技 術 や生 徒 指 導 の ノ ウハ ウが 交 換 され ,伝 達 さ jtて い る こ と, そ れ を教 師 た ちが最 も効 果 的 な 学 習 の機 会 で あ る と認 識 して い る こ とが 明 らか に な った とい って よい 。

(3)教 科 指 導 と軽 度発 達 障 害

一 方教 師 た ち は,分野 に よって は系 統 的 で理 論 的 な学 習 の機 会 を望 ん で もい る。教 師 た ちが 受 け た い と望 ん で い る研 修 は

,

「教 科 指 導 」 と

「軽 度 発 達 障 害 」 で あ る こ とが 質 問紙 調 査 か ら 明 らか に な っ て い る。 そ れ ぞ れ 回答 者 の40%

前 後 が,「ぜ ひ受 け た い 」 を選 択 して い る の で あ る。教 科 指 導 に関 す る この 強 い学 習 ニ ーズ を 支 え る考 え方 を, イ ン タ ビュー結 果 に垣 間見 る こ とが で きた。 そ れ は,教 科 指 導 こそが教 師 の 職 業 役 割 の核 だ とい う信 念 で あ る

私たちがお金 もらっているのは教科で,中学校の 場合 は教科で採用 になるので, まずは教科のほうを しっか りやって,その次に自分のクラス,学年だ よ ね,みたいな。結構 中学校の先生です と部活が重要 とい うふ うに,私 自身 も最初は部活が, とい う気持 ち もあったんですけれ ども,やは り自分たちが何で お金 もらって, どういった意味で採用 されているの か と考 えると,やは り教科 を一所懸命教 えて,その 次にクラス,学年 をしっか り持 って,その次に部活 動その他の課外活動 を しっか り見 る,それは (最初 の 1,2年間で)す ごい教 わ りました。 (男性 ・中学 校 ・勤続5年)

やっぱ り学校 の先生って教科指導がちゃん とで き て,なんばの もんだ というところがあるので,その 教科指導が‑ 。人間性で もって きたような もので, 実は力が本当はないんです よとい うところが 自分 に あるとい うの をず っ と思 ってて。 (女性 ・中学校 ・ 勤続26年)

自 らの 地位 や所 得 の源 泉 が教 科 指 導 で あ る と い う認 識 だ けで は な く,生 徒 指 導 に も教 科 指 導 の力 ,す な わ ち授 業 力 が 欠 かせ ない とい う確 信

を もつ教 師 もい る

生徒指導 とい うのは授業力 なんです よ。授業その ものが実は生徒指導 なんです よ。 さっきもち ょっと 言いましたけ ども。だか らきちっと授業 をやってい れば生徒 は荒れません。間違いないです。で もわか らない生徒 を置いて きぼ りに して平気 なことをして いれば,必ず生徒 は荒れるんです。だか ら生徒指導 イコール授業 だって僕 は絶対思 ってるんです。 (男 性 ・中学校 ・勤続26年)

こ う した認 識 が教 師 の教 科 指 導 関 連 の学 習 ニ ー ズ を生 み 出 して い るの だ ろ う。 そ して ,教 師 た ち の 中 に は そ の ニ ーズ を満 たす た め に,日々 さ ま ざ まの努 力 を払 って い る者 もい た。 次 の語 りは そ の代 表 的 な例 で あ る

すべての子 どもたちに英語 をわか らせ ようとか, そ うい うふ うなお こが ましい考 え方はで きないんだ けど,何か を印象づけるような,そのためにはやっ ぱ り書いてある内容 についての研究 を深 くす ること によってここの部分 をどう伝 えるか。 またそれを英 語 に直 してみて,いろいろ伝 えてあげるとか,そ う い うことでいろんな角度か ら。だか ら教科書で何か いろんなことをす るとい うのをやってい く。そのた めにいろいろやってい くことによってやっぱ り楽 し い授業,わか りやすい授業 をす るとい うのは自分 に とってほ力量 アップの規則 だ と思 ってるので,それ をいろんなふ うに研究 して,いまインターネ ッ トで いろいろ調べた りとか,何かいろんなところで ヒッ トした ところで, これお もしろそ うだなと思ってい ろんな講座 を聞 きに行 った りとか,そうい うのでや ってますね。 (女性 ・中学校 ・勤続24年)

一 方 ,普 通 学 級 の 中 に増 えて きて い る とい わ れ る軽 度 発 達 障 害 の生 徒 た ちへ の対 応 に も教 師 た ち は戸 惑 い ,苦 慮 して い て , そ の 関連 の研 修 や 指 導 を受 け た い と望 んで い る

いま本校 に発達障害持 った子が普通学級で生活 を している。 これはきっと公立中高だった らなおさら 分 けてない と思 うんですね。後か らわかるとい うこ

‑ 30‑

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ともあ りますので。そ うい う生徒‑の対応,注意事 項 とか,あ とは逆 にそ ういった生徒の保護者 に例 え ば初めてそれを伝 える,疑いがあるん じゃないか と か伝 えるときはどうした らいいのか とか,医療の面 か らお話 を聞けた らいいかなとか。逆 にそ ういった 人権のテーマ もあって難 しいのか もしれないんです けれ ども,そ ういう生徒たちに実際に携わると言 っ た ら変ですけれ ども,そうい う経験 とか,そ ういっ た保護者の方に意見 を伺 うとか,す ご く難 しい と思 うんですけれ ども。ち ょっと現場の生徒 も一生徒で ちゃんとかかわ りたい と思 うけれ ども,知識が ない ので どうしていいかわか らない。なので,何 かその 辺。発達障害のアスベルガー とは, こうこうこう であるとい う説明外の部分でケース (について も知 りたい)0(女性 ・高校 ・勤続7年)

い まADHDとか,あ とは多動 とかいろいろな, アスルガーとかある じゃないですか。初めて持 っ た子 にアスベルガーの子がいま して,突然机 の中に もぐるとか。えっとか思った,対処 どうしていいか 困って しまって。そ うい うことがあったので,そ う い うことあるんだ よと。 こういったときにこうなん だよと。そ ういった もの も知 ってる先生 もい らっ し ゃるので,そういった授業 とか (を受けたい)。 (男 性 ・中学校 ・勤続5年)

軽 度 発 達 障 害 につ い て系 統 的 な学 習 の機 会 を 得 て ,基礎 的 な理 解 を もっ こ とが で きた教 師 は, そ れ を幸 運 だ った と心 か ら喜 ん で い る こ と を, 次 の語 りは示 して い る。

特別支援 とい うのは, どの範囲を押 さえているも のであって, どうい うことをきちん とやってい くこ とが これか ら必要です よなんてい うことを,本当に 系統立ててお話 しして くださった方がい らっ しゃっ た ものですか ら,そ うい うのは,入門 とい うか, こ れか らきちん と学んでいこうという立場 にあった と い うこともあったんですけれ ども,す ご くあ りがた か ったな とい うの を覚 えてい ますね。 (男性 ・小学 校 ・勤続15年)

いま問題 になってる軽度発達障害の理解 とい うの もなかなか理解で きなかった部分 を専 門の先生 に聞

くことによって,そ ういった軽度発達障害 を持 って いる子 どもたちとい うのは普通級 に必ずいるような 状況になって きている今,それ を理解す るとい う部 分ではす ご く現実に緊迫 してる,悩 んでることに関 する研修 とい うのはやっぱ りす ご く身になるとい う か, こちらが本当に教 えてほ しい,学 びたい とい う 部分での専 門的な知識はす ご くあ りがたいなと。い まの現代的課題 と言 うんですかね,教育現場の現代 的課題が即,解決 につながるような研修 とい うのは す ご くあ りがたかったな と (思い ます)0 (男性 ・小 学校 ・勤続3年)

こ う した語 りに見 る よ うに軽 度 発達 障 害 児 の 指 導 の 問題 は,教 育 委 貞 会 や 高 等 教 育 機 関 が 適 切 な研 修 の機 会 を用 意 し,教 師 た ち の戸 惑 い と 悩 み に応 え るべ き課 題 だ とい え よ う

4.教師たちの学習環境

先 輩 の指 導 や 同僚 の助 言 , 職 場 で の語 らい や 議 論 , そ して 時 間 をや り く り して の研 究 会 の 中 で ,教 師 た ち は学 習 しキ ャ リア形 成 を図 って い る こ とが , 質 問紙 調 査 か ら もイ ン タ ビュ ー調 査 か ら も明 らか に な っ た。 しか しそ の環 境 を維 持 す る こ と, そ して教 師 た ちが 望 む学 習機 会 を十 分 に提 供 す る こ とは, 必 ず し も容 易 で は ない よ

うだ。

(1) 年 齢 構 成 の 歪 み

質 問紙 調 査 や イ ン タ ビュー の結 果 ,教 師 た ち に とって最 も よい学 習 の場 は学 校 現 場 にあ る こ とが 明 らか に な っ た の だが , この貴 重 な学 習機 会 を阻害 す る要 因が あ る こ と も見 えて きた。 そ の 第 1は,年 齢 構 成 の歪 み で あ る。 調 査 対 象 の 勤 務校 所 在 地 が神 奈 川 ・横 浜 ・川 崎 ・東 京 で あ っ た こ と も関 連 して い る の だ ろ うが , 現 在 の 小 ・中学校 で は30代 の教 師 が 少 な くて50代 の 教 師 が 多 く, ま た最 近 採 用 され た20代 前 半 の 若 い教 師 が増 え て きて い る とい う年 齢 構 成 に な っ て い る よ うで あ る。 前 述 した した よ う に,

「壁 」 体 験 を もつ 若 い教 師 を支 え, 助 言 を与 え て指 導 して い た の は30代 か ら40代 の教 師 た ち

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で あ ったの だが ,現在 そ う した年代 の教 師が少 な くな って きて い る とい う

‑・教員採用の問題点がちょっとあ りまして,実は 30代後半 ぐらいがス コツと抜 けてるんです よね。

年 に30人 しか採 らなかったとい う時代があ りまし て,ですか ら50代 と20代 と,ス コンと抜けた間の 一番指導 しな くてはいけない年齢層がいまいないの で,‑年齢制限を撤廃 しまして,教員採用 をしてる んだけ ど,30代 を採 ったって結局経験年数に した ら新任 なんですね。その辺の抜けてるところがいか んせんいないんですね。本当はその彼 らが初任の若 い男,女 を指導 しな くてはいけない。一番大事 な層 がいないなと思いますね。(男性 ・小学校 ・勤続 31 午)

いま36なんですけど,大体 中堅 どころなんです ね。 自分が採用 されたのが今か ら12,3年前,一番 採用が少 ない時期で,中 ・高 と合 わせて同期が20 人弱 しかいないんですね.い まは今年度の採用 で 中 ・高全教科 で20‑ 30人で,小学校 については 1,000人規模 の採用 とい うことで,34か ら38ぐら いの世代の教員 というのは本当に同期が10何人 と いうところがあって,職場の中でやは り仕事量が多 いんですja。‑た くさんい らっしゃる年配の先輩方, それか ら大量採用で入 って くる新人,20代 の大学 出たての者が各校 に2名ずつ ぐらい必ず毎年配当さ れて くるので,その年齢の開きを中堅 どころがいろ いろな指導で もまとめなければいけない ということ で,そこに組織のシステムをつ くるというところで 悩みがあ りますね。 (男性 ・中学校 ・勤続12年)

若 い教 師 た ち に とって,年 齢 が 近 く, そ の た め抱 え る問題 や悩 み‑ の共 感 も可 能 な年齢 層 の 教 師 た ちが 学校 の 中 に少 ない こ とは, キ ャ リア 形 成 の上 で か な りの ダメー ジ にな るで あ ろ うこ とは, す で に述 べ た学 習体験 の語 りか ら も明 ら か にで あ る。 団塊 世 代 の大量 退 職 と新 採用 の大 量 入 職 。 そ の 間で両 者 を結 びつ けて教 師 の学 習 の場 を形 成 してい く主体 とな るべ き中堅教 師 の 層 が希 薄 に な って い るの だ。

(2)多忙 な職 場

先輩 た ちか らの指 導 や助 言 に支 え られ て キ ャ リア を積 み ,現 在 中堅 に な ってい る教 師 た ちが , そ の人 数 が少 ない た め に,後 輩 に同 じよ うに し てあ げた くて もで きない とい う状 況 が あ る よう だが , さ らに この 問題状 況 に拍 車 をか けて い る のが ,職場 の多忙 化 とい う現 象 で あ る。 以前 か ら教 師 の生 活 が多忙 で あ る こ とは, さま ざ まの 文 献 や調 査 で指摘 され て きた ところで あ るが , 教 師 た ちが共 に学 び合 った り,若 手 を指 導 した りす る時 間的 ・精 神 的余 裕 を失 いつ つ あ る こ と が , イ ンタ ビュー か ら も明 らか に な って きた。

ベテランの先生 と新人の先生 と,職場が一丸 とな って学校内の初任の先生 を育てていった りとか,若 い先生 を育ててい くとい う関係性ができてるところ は もちろん初任の先生 とい うのはある程度支えられ ていけるんですけれども,ベテランの先生で も本当 に厳 しい時代で, 自分のことである意味で精一杯 に なってきてるところで,さらに周 りにまで手 を伸 ば せない とい うか,そういった状況 も出て きているの を見ています。‑ベテランの先生に聞 くと,昔はこ んなじゃなかった と。本当に子 どもと向 き合 う時間 があったのに,いまじゃ本当に追い返す ように子 ど もを帰 して,子 どもには関係のないような仕事 に追 われて しまって,実際にで きな くなって きていると い うのが私 どもがすご く感 じている部分です。本当 に多忙化 していて,会議のための会議であった りと か,無駄 と言 っちゃいけないのか もしれないんです けど,すご く子 ども以外のことで時間を取 られるこ とが多 くなって きているのかなと。先ほどの保護者 の件,対応 とか もあ ります し,本当に毎年毎年,普 たす ぐに変わってい く教育現場の変化の大 きさに対 応 してい くことですご くいっぱいであった り,非常 に研修 などの負担 も大 きい部分 というのはあるのか なと思います。 (男性 ・小学校 ・勤続2年)

学校現場で英語科の職員が4人 とか5人いると, 昔は週に1回教科部会 を持って,ここの単元はどう い うふ うに進めていこうね,なんて話 し合いなが ら やったんです。 しか し最近は忙 しくて,校内で英語 科 の先生 が集 まる時 間が なか なか持 て ない。 (男

‑ 32‑

(11)

性 ・中学校 ・勤続30年)

ただ,その昔のことを考えると,今 というのは, 話 し合いを持つ時間,学校の中で時間をとってそう いう話 し合 う時間はあるんだけれども,それ以外で 先生方が集まってという話の時間は少な くなってき たのかなという気が しますけれども。全体的として はね。(男性 ・養護学校 ・勤続 25年)

ベ テ ラ ン教 師が若手 を育 ててい くとい う余裕 が な くな ってい る, あ るい は教 師 同士 が教 育活 動 につ いて話 し合 いの時 間 を もっ こ とさえ難 し

くな ってい る とい う現 実が ここにあ る。教 育活 動 の基 本線 を決定す る時 間 さえ確 保 しに くい状 況 の 中で,若 い教 師の面倒 をみ る こ とが ます ま す 困難 になってい るで あ ろ うこ とは容易 に推 察 で きる。 これ まで見 て きた ように,教 師 自身が その効 果 を強 く認識 してい る現場 での学習 が , 年齢構 成 の歪 み と教 師の多忙化 に よって難 し く なってい る現状 を垣 間見 る こ とが で きた とい っ て よい。

(3)望 ま しい研修

イ ンタビューで は,教 師 た ちが望 ま しい と評 価 してい る研修 につ い て も尋 ねてみ た。 質 問紙 調査 で は, い わゆ る官製研修 ,す なわ ち教 育委 員会 が行 う年 次研 修 や テーマ別研 修 に対 す る教 師の評価 は高 くない。 それ はおそ ら く教 師の学 習 ニ ーズ に合 致 して い ない か らで あ ろ う。 「望 ま しい研 究 とは ?」 とい う質問 に対 して も,学 内 での学 習会 が有効 であ る との意見 が見 られた。

一番大切なのはやっぱり職場内での研修かなと。

英語科でもよく話 し合ってはいるんですけど,幾 ら いろんな学会に出て,こういうふうに取 り入れてや っても,そこの学校でその先生だからこそで きると か,その生徒だか らこそできるということもあると 思うので,職場で同じ生徒を見ていて,同じ学校の 状況で,この学校だから,この生徒だか らこそでき る対応 というのはやっぱ り同じ職場にいる同僚で し か話 し合えない部分 というのは非常に多いと思 うの

で,一番必要なのは絶対現場の中での職場内研修だ と思 うんですね。(女性 ・中学校 ・勤続4年)

勤続4年 目の この教 師 に とって は,一般 的 な 方法論 よ り,具体 的 ・実 際 的 な対応 策 を話 し合 う機会 が必要 だ し, その議論 が血 肉 になってい る こ とが わか る。 こ う した経験 を積 んで, 次第 に 自分 の工夫 や発 見 を抽象化 し,一般 的 な方法 蘇‑ と高 め,後輩 の指導 に生 か してい く実力 を 養 うこ とが で きるのか も しれ ない。次 の男性教 師 は,学外 で の研 修 を実 のあ る もの にす るため には,学 内で の話合 い と知 識 の共有化 が必要 だ と語 ってい る。

もっとも研修になったかなというふ うに思ってい るのは,その中学校 なら中学校で頑張っている職員 の輪 というんですか,それが一番大切だと思 うんで すけどね。それが,外で研修 して学んだものを,ま たそこの中でいろいろ共有 し合えれば一番いいとは 思 うんですが,やっぱ り共有 し合 うことが一番。そ れが,飲んでいるところで も,飲 まないで皆さんで ざっくばらんに職員室内で話 し合ってとか,そうい うふうなお話です。(男性 ・中学校 ・勤続 10年)

だがす で に述 べ た ように,教 員 の年齢構 成 の 歪 みが学校 内での教 貞 同士 の学 び合 い の状 況 を 阻害 してい る。 この間題 を解 決 す るの に,学校

とい う枠 を超 えた学 習集 団 を作 ってい る とい う 例 も報告 された。

いま一番お もしろいと思ってるのは,教貞1年 目 の人,2年 目の人,それか らまだ臨任 とか非常勤 と かの人たちを対象 に授業づ くり講座 とい うのを, (ベテランの先生 と)一緒にやってるんです。そう いった若い人たちと授業をこう作 るとおもしろいよ といったのに対 して,若い人たちの反応 をまた取 り 入れてやってい くというのはすごくおもしろい。す

ぐ次の日に授業から使えるというのはお もしろいな と思ってますけど。月に 1回ぐらいずつ集まってる んですけどね。まあ,皆 さん忙 しいですか らね。・

毎回10人 ぐらいが集 まってるんです。‑若い人た ちは困ってるんですよね。 どう教 えていいかわから

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ない。教 え方はやっぱ りある意味,職人技 とまで言 いませんけど,やっぱ り見て覚えるというのもある し,やって覚えるというのもあるし,やっぱり1年 目って大変だと思うんですね。そういった意味で学 びたい,助けては しいという人が‑ 。 じゃあこう やってみようよ,みたいな,お悩み相談会 とかもや った りとか して。(男性 ・中学校 ・勤続15年)

また学外 での研 修 で評価 が高 か ったの は, プ ロジ ェク ト ・ア ドベ ンチ ャー とい う学 習 であ っ た。次 の語 り以外 に も, この研修 を推挙 す るイ ンタ ビュ イーが いた。

私があった中では,新 しい自分の学級経営の柱に なったという部分でもあるんですけれども,プロジ ェク ト・ア ドベンチャーとの出会いと言 うんですか ね。・.・これとの出会いというのが,自分 自動 何 を やったらいいんだろうというところから始まった教 職の仕事のいまの核になってるんですよね。‑すご

く理論的な話 というのは数多 く聞いたんですけれど も,なかなか頭に残 らないんです よね。それを聞い たからと言って,いざ普段の授業にどう生か してい くのかというのがなかなか見えてこない部分が多い 研修 というのがあったんです‑仲間と一緒に人間関 係 をつ くることができたというのを体験 して,これ を授業の中で,また学級経営の自分のクラスの中で この要素,またこの理論 を取 り入れてやってい くこ とができればいいなと,自分で感 じることができて, 実際に学校 に帰ってみて研修で得たことをクラスの 授業の中で生か していったときに,すごく大 きな成 果を得ることができたんですよね。こjtは本当に良 かったなと。‑ある意味これからの自分の個人のス キルアップの大 きな糸口をつかむことができたなと。

(男性 ・小学校 ・勤続3年)

この研修 の評価 が高 か ったの は内容 もさる こ となが ら,方法 が参加 型 であ った こ とに も由来 す る とい って よい。質 問紙調査 で最 も希 望 の多 か ったのが 「実践事例 の検討 」 だ ったが , イ ン タ ビューで もい わゆ る講演 ・講義型 の研 修 の評 価 はあ ま り高 くな く,良い研 修 と して参加 型学 習 の経験 が語 られ た。 た とえば次 の ような語 り

が あ った。

・・.そういう作業ができる研修が,こjtからはいい のかなと。ただそこにいて講義を聞いて終わる研修 じゃな くて,自分はどうしたいのかとか,自分だっ た らこうやってみるというのを,それには時間の問 題 とか,そんなに一遍に大 きな人数は受けられない というデメリットもあるんですけれども,できれば 幾つかのグループに分かれて,分科会みたいな感 じ で110分 ぐらいやれば,みんなで意見交換で き るような,参加型の研修 というのは自分 もやってい て非常に勉強になりました し,やるかやらないかは 雲泥の差があ る とは感 じますね。(男性 ・養護学 校 ・勤続16年)

ここに見 た よ うに,今 抱 えて い る問題解 決 に つ なが る現場 の 中での研修 や, 明 日の ク ラスの 授業 改 善 の ヒン トを与 えて くれ る研 修 へ の教 師 の評価 が高 い。教 師 た ちは実践 に役 立 つ研修 を 求 め てい るの だ。 それ を単 な るハ ウツー を求 め る態度 で あ る と定 め る こ とはで きない。教 師 に とって は,生徒 の学 び,生徒 の変化 こそが研 修 の果 実 なの であ る。生徒 の 「わか った !」 とい う 目の光が ,意欲 に燃 えた顔 が,眼前 に浮 か び 上 が って くる よ うな研修 を教 師 た ちは欲 してい る。 そ してその ため には, 自腹 を切 り,時 間 を 捻 出 してで も参加 しよ うと してい る。

そ の一方 で ,教 育委員会 が提 供 し,公 費 と公 休 で参加 で きる研修 へ の評価 は必ず しも高 くな い。 それ は官製研修 が教 師の学 習 ニーズ に応 え られて い ない ためで あ ろ う。

官 製 研 修 の 問題 は,30年 も前 か ら一 向 に改 善 され てい ない とい えるか も しれ ない。現代教 職 研 究 会 が1985‑86年 に実 施 した調 査 で も, 官製研 修 は主催 者 の ア リバ イ作 りや昇進‑ のハ ー ドル にす ぎず ,税 金 と時 間の無駄 だ とす る意 見 が あ った こ とが指摘 され てい る。 その調査 で は,研修 参加 につ いての教 師の 自主性 につ い て, 指導 主事 は重視 してい ないが ,教 師 自身 は重 要 視 してい る こ と も明 らか に され てい る5)0

‑ 34‑

(13)

5.

教師の学習支援

インタビューで明 らかになったのは,教師た ちは自主的に講習会やプロジェク トに参加 した り,大学 に通 った りして, 自分のニーズに合 わ せ た力量形成 を図っていることである。質問紙 調査 の結果か らは,40代 の教 師たちが多様 で 多 くの学習機会 を経験 していることがわかった。

とりわけ 「民間研究会」への参加経験 を持つ回 答者が多 く,かつそのプラス評価が高い。中堅 であるだけに,受動的な研修 よ り, 自発的 ・自 主的な研究や学習の方に大 きな満足 を覚 えるの か もしれない。

教 師は強制的に研修 させ なければ学ばない も のであるとい う見方 を採 るか,あるいは条件 を 整 えれば自主的 ・自発的に研修 に励 む ものであ るとい う立場 に立つか。それによって教師の研 修政策が変わって くる。私たちの調査結果か ら は, 自分の工夫や努力によって研究や学習のた めの時間不足 をカバー しようと懸命 に頑張 って いる教師たちの姿が浮かんで くる。多 くの教 師 たちが常 に学習ニーズ を抱 え,学びたがってお り,機会 を与 えられれば自主的に学ほ うとして いるといって よいだろう。

時間のや りくりに追われている教 師に対 して さらなる義務的研修 を課す ことは,教 師をいっ そ う多忙 に追い込むだけの結果 にな りは しない か。教師の力量 を高めるはずの研修が教師の消 耗 を招 き,教材研究や生徒 との関係づ くりのた めの時間的なゆ とりを奪 って しまうのでは意味 がない。研修 を増やすのであれば,その時間 と 労力 を補償す る人員配置 などの手当が必要だ。

そ うでなければ研修 の効果は挙が らない。

しか し, これまでの教育政策 は多人数 クラス を押 し付 け,教 師を支 える学校司書やカウンセ ラー,あるいは授業 を補佐 して くれるパ ラプロ フェッシ ョナルの配置 を怠 り,教師 を多忙 と雑 務 の山に追い込んで,教 師たちが相互 に指導助 言 し合い, 自主的に学習 ・研究す るゆ とりある 環境 を奪いつつ, さらなる研修 を課そ うとす る

ものであった といって よい。

義務的な研修 を増やす よ りも,教 師たちが 自 らの学習ニーズ に合 った研修 の機会 を自主的 ・ 自発的に利用で きるような条件 を整備す ること こそが必要ではないか。教師の多忙 を生み出 し ている雑務 を排除 し,教 師の数 を増や して負担 を軽減 し,中堅教 師たちが後輩 を見守 り指導支 援す る余裕 を生み出 し, 自主的研修 のために有 給休暇 を取得す ることを奨励す るな ど,敏 師の 自発的学習 を積極 的に支援す るような体制の実 現が教 師のキャリア形成のための課題であると いってよい。

1)河上婦志子 「教員の現職教育における大学の 役 割

神奈川大学心理 ・教育研究論集』第 5号,1987年,pp.28‑38

2)神奈川大学教職課程を履修 し,神奈川 ・東京 の学校で教職に従事する教師を対象に,自宅 郵送法で2007年7‑9月に実施 した質問紙調 査。有効 回答数254通。 回収率33.7%。20 代か ら50代の237名の回答を分析対象 とした。

3)質問紙調査で承諾 を得ていた教師28名 を対 象 に,2008年8月 に実施 した約1時間半の インタビュー調査。テープ起 こししたデータ をもとに分析 した。

4)前田一男 「学校 という場 とその影響」稲垣忠 彦 ・寺崎昌男 ・栓平信久編 『教師のライフコ ース :昭和史を教師として生 きて』東大出版 会,1988年,第5章,pp.123‑132

5)太田春雄 「教員研修の実態 と関係者の意識」, 現代教職研究会編 『教師教育の連続性に関す る研究』多賀出版,1989年,第7肴 pp.265‑ 301

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