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リース取引とその会計処理に関する研究

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Academic year: 2021

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神奈川大学大学院経営学研究科『研究年報』第19号 2015年3月  17

 本稿の研究目的は、リース会計基準の統一化の 方法に関する再検討である。具体的には、「JMIS」

を『改訂公開草案「リース」』と現行の日本基準 との緩衝材として利用した、『改訂公開草案「リー ス」』の段階的導入の提案である。

 IASBとFASBの両議会が共同でIFRSにおける リース取引の取扱を検討し、2010年に公開草案

「リース」の公表に至った。しかし、この公開草 案リースに関して多くのコメントが寄せられ、修 正項目が数多く存在したこと、修正に関する議論 に長い時間を費やしたことから、2013年には改 訂公開草案「リース」として新たに草案が公表さ れた。

 この改訂公開草案「リース」に対して、リー ス事業協会が行ったアンケートでは、回答企業 1251社のうち8割が、改定公開草案「リース」に よる処理方法を支持せず、現行のリース会計基準 を維持すべきと回答している。その理由は、改訂 公開草案「リース」による処理を採用した場合、

レッシーの実務上の負担が大きい為、コストとベ

ネフィットが釣り合わない、現行のリース会計基 準が日本においては適切であり、十分な機能を果 たしているというものである。だが、今後この改 訂公開草案「リース」は大きく内容を変更するこ となく導入されることが予定されているというの が現状である。

 実務従事者の意見がこのような見解である以 上、今後IFRS基準として取扱われる改訂公開草 案「リース」を導入するというのは適切であると は考えにくいものであり、日本における改訂公開 草案「リース」導入方法について、再検討の必要 性があると筆者は考える。

 導入についての再検討を行うにあたり、リース 取引そのものを改めて歴史的アプローチから分析 し、リース取引の事象史、リース取引に係る税制 の変遷、並びにリース取引に係る会計制度の変遷 を比較した。

 第1章において、先ずリース取引における最古 の概念から、近代リースの発生まで、事象順に遡 り考察した。その後、米国におけるリース取引形

■ 修士論文要旨

リース取引とその会計処理に関する研究

―日本基準とIFRS基準との比較を中心に―

A Study of Lease Transactions and Accounting Process

‒Focus on Comparison J‒GAAP and IFRS‒

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

小 林 雅 明

KOBAYASHI, Masaaki

■キーワード

 リース、IFRS、JMIS

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18  神奈川大学大学院経営学研究科『研究年報』第19号 2015年3月

態の変遷、及び米国における税務上の取扱の変遷 について考察した。そして、同様に日本における リース取引の発生、及び日本における税務上の取 扱の変遷について考察した。日本においても、米 国においても、税制の変更に伴い、その特典を最 大限利用したリース取引、若しくは制度の綻びを 利用したリース取引がその都度発生していたこと が明らかとなった。

 第2章においては、米国、日本、国際会計基準 におけるリース取引の取扱について考察した。ま た、会計制度の設定に大きく影響を与えた事例や、

会計制度の変更による影響についても本章で取扱 い、考察した。

 会計制度は、その国における財務諸表利用者の ニーズや、財務諸表作成者のコストに対する有用 性を考慮して、時間を費やしながらその意思を反 映して策定し、指摘された問題点が後に基準の改 訂により修正されたことが明らかとなった。

 第3章では、『改訂公開草案「リース」』のその 公表経緯、公表の意義や背景について考察した。

『改訂公開草案「リース」』は、現行IAS17号では 財務諸表利用者のニーズを満たせないという人々 の批判に対処する為に新たに設定されたものであ ることが明らかとなった。財務諸表利用者のニー ズを重視した結果、財務諸表作成者の実務上の負 担が軽視されており、実務における処理基準とし ての問題点を明示した。

 また、日本において『改訂公開草案「リース」』

を導入した際に起きる問題点を、歴史的アプロー チからのインプリケーション及び制度上の問題 から考察し、その問題に対処する為に本稿では、

「JMIS」を用いて段階導入を行うことを提案した。

この「JMIS」を、限りなくIFRS基準に近い状態 から、IFRSを導入する為の、現行の日本基準と IFRS基準との中間位置としての処理基準として 大きく改訂することにより、リース会計基準の統 一化に関して、直接導入の再検討を行い、段階的 導入という手法を提案する。

参照

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