台 東 区 橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画
平成 30 年 3 月
1.計画策定の目的 1.1 背景と目的 ··· 1 1.2 計画期間 ··· 2 2.対象橋梁 ··· 3 3.基本方針 ··· 6 3.1 日常的な維持管理の基本方針 ··· 6 3.2 定期点検の基本方針 ··· 6 3.3 費用の縮減に関する基本方針 ··· 7 4.橋梁の現状 ··· 8 5.橋梁の計画的な補修 ··· 10 5.1 費用縮減策 ··· 10 5.2 今後の補修・点検実施計画 ··· 11 6.長寿命化修繕計画の効果 ··· 12
< 目 次 >
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計画策定の目的
1.
1.1 背景と目的 現在、本区が管理する橋梁は全て「歩道橋」であり、昭和42 年から平成 16 年にか けて整備され、その数は 6 橋である。このうち、4 橋が橋齢 45 年以上を経過してお り、今後、これらに対する維持・修繕・架替えに多くの費用を要することが想定され る。(図-1 参照) 従来のように、損傷がある程度進行してから大規模な修繕や架替えを行う「事後保 全型管理」では、修繕時期の集中により一時的に膨大な費用の発生が懸念される。 したがって、今後、橋梁の長寿命化並びに修繕・架替えに係わる費用の縮減を図り つつ、道路交通の安全性を確保することを目的とした「予防保全型管理」により計画 的な維持管理を実施していく。(図-2 参照) なお、「台東区橋梁長寿命化修繕計画(以下、「本計画」という。)」は、平成29(2017) 年3 月に策定された「台東区公共施設等総合管理計画」の個別計画として策定する。 50 年未満の橋梁 図-1 建設後 50 年以上の橋梁の推移 50 年以上の橋梁 現在 5 年後2 1.2 計画期間 本計画の期間は、平成30(2018)年度からの 10 年間とする。 なお、計画期間内においても、定期点検等の結果に伴い、必要に応じて見直しを行 うものとする。 図-2 補修方法のイメージ 事後保全型管理 あ あ 予防保全型管理
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対象橋梁
2.
本区が管理する橋梁の位置図を図-3、及び概要を表-1 に示す。 これら6 橋を、本計画の対象とする。 凌雲橋歩道橋(北・鶯谷駅側) 所 在 地:根岸1丁目3番地先 建設年月:昭和42年8月 橋 長:63.0m 凌雲橋歩道橋(南・上野駅側) 所 在 地:根岸1丁目1番地先 建設年月:昭和42年8月 橋 長:78.3m 上野小学校前歩道橋 所 在 地:東上野5丁目17番地先 建設年月:昭和46年3月 橋 長:20.1m 入谷歩道橋 所 在 地:入谷2丁目23番地先 建設年月:昭和43年12月 橋 長:12.5m 図-3 橋梁位置図 台東区管理通路第5号線橋 (パンダ橋) 所 在 地:上野公園5番地先 建設年月:平成12年10月 橋 長:18.2m 上野パーキング前歩道橋 所 在 地:上野公園1番地先 建設年月:平成16年5月 橋 長:32.5m4 表-1 橋梁概要 橋梁写真 橋梁名 橋梁概要 架設年 橋齢 凌雲橋歩道橋 (北・鶯谷駅側) JR 鶯谷駅(南口) から、根岸一丁 目へと架かる跨 線橋。中央の車 道を挟んで、北 側(鶯谷駅側)に 位置する。 昭和42 年 (1967) 50 凌雲橋歩道橋 (南・上野駅側) JR 鶯谷駅(南口) から、根岸一丁 目へと架かる跨 線橋。中央の車 道を挟んで、南 側(上野駅側)に 位置する。 昭和42 年 (1967) 50 入谷歩道橋 区立大正小学校 の北側(金美館通 り)に位置する歩 道橋。 昭和43 年 (1968) 49 上野小学校前 歩道橋 区立上野小学校 の西側(清州橋通 り)に位置する歩 道橋。 昭和46 年 (1971) 46
5 橋梁写真 橋梁名 橋梁概要 架設年 橋齢 上野パーキング前 歩道橋 JR 上野駅の西側 (上野公園通り) に位置する。JR 上野駅の山下口 を出て正面に見 える歩道橋。 平成16 年 (2004) 13 台東区管理通路 第5 号線橋 (パンダ橋) 東日本旅客鉄道 株式会社が管理 する上野駅東西 連絡路と一体的 に機能し、上野 駅周辺における 歩行者の回遊性 向上を目的とし た歩道橋。 平成12 年 (2000) 17 橋梁写真 橋梁名 橋梁概要 架設年 橋齢 【参考】 台東歩行者道 (ジュエリーブリッジ) 上野駅前のペデ ストリアンデッキ。上野 駅周辺地区の回 遊性を高め、市 街地の活性化に 大きな役割を果 たしている。 平成3 年 (1991) 26 【参考】 ※台東歩行者道は、橋梁本体を国土交通省が管理しているため、本計画の対象外としている。
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基本方針
3.
3.1 日常的な維持管理の基本方針 日常的な点検により橋梁状況を把握し、車両の桁衝突等の損傷発生の有無を確認す るとともに、損傷の要因となる事項(排水ますの土砂詰まり等)については、軽微な 補修等により排除することで長寿命化を図る。 なお、日常的な点検は、区職員により以下の「日常点検」及び「通常点検」を実施 する。 日常点検 道路パトロールにより車道側から桁衝突等の損傷を確認する。 通常点検 四半期に 1 回歩道橋全体を確認し、排水ますの土砂詰まり等を確認する。 3.2 定期点検の基本方針 対象橋梁に対し、「歩道橋定期点検要領(平成26 年 6 月)国土交通省 道路局 国道・ 防災課」等に準拠した定期点検を実施する。 定期点検では、損傷状況の把握、及び対策区分の判定を行い、これらに基づき、部 材単位での健全性の診断、及び歩道橋毎の健全性の診断を行う。 歩道橋定期点検要領より抜粋(国土交通省H26 年 6 月) 定期点検 平成30(2018)年度から 5 年毎に、全橋梁に対して定期点検を実施する。7 3.3 費用の縮減に関する基本方針 本区の管理する橋梁を、予防保全型管理により長寿命化することによって、維持・ 修繕・架替えに係る費用の縮減・平準化を図る。 横断歩道橋については、バリアフリーへの未対応、及び歩道有効幅員減少の要因と なること等から、必要性が低いものについては撤去も含めて検討する。(写真-1、2 参照) 歩道橋設置部:W=1.1m 歩道全幅:W=3.0m 歩道橋設置部:W=1.1m 歩道全幅:W=3.0m 写真-1 入谷歩道橋の歩道状況 写真-2 上野小学校前歩道橋の歩道状況 歩道幅員:W=3.00m 残幅員:W=1.00m 歩道幅員:W=2.70m 残幅員:W=1.00m
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橋梁の現状
4.
今年度実施した簡易点検の結果、現在確認されている各橋梁の現状を表-2 に示す。 また、過年度に実施した「道路ストック総点検」では、すべての橋梁について、補 修の必要な箇所はあるものの落下や倒壊の危険はないとの結果であった。なお、平成 30(2018)年度に近接目視を基本とした定期点検を実施し、橋梁の状況を詳細に確認 する。 表-2 対象橋梁の現状 橋梁名 状況(簡易点検結果) 主な補修対策 凌雲橋歩道橋 (北・鶯谷駅側) 上部工地覆部を中心に、鋼材の腐食による 板厚減少・断面欠損が発生している。 ・塗装塗り替え ・腐食部補強 凌雲橋歩道橋 (南・上野駅側) 上部工地覆部を中心に、鋼材の腐食による 板厚減少・断面欠損が発生している。 ・塗装塗り替え ・腐食部補強 入谷歩道橋 階段部の鋼材に、一部腐食による板厚減少 が発生している。 ・塗装塗り替え ・腐食部補強 上野小学校前 歩道橋 階段部の鋼材に、一部腐食による板厚減少 が発生している。 ・塗装塗り替え ・腐食部補強 上野パーキング前 歩道橋 特段の損傷は認められない。 - 台東区管理通路 第5 号線橋 (パンダ橋) 特段の損傷は認められない。 -9 【損傷事例】 入谷歩道橋の階段部状況を写真-3 に示す。 階段と主桁の接合部及び階段蹴上げ面には、腐食による板厚減少が発生している。 蹴上げ面の腐食 階段と主桁の接合部の腐食 写真-3 入谷歩道橋の階段部
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橋梁の計画的な補修
5.
5.1 費用縮減策 橋梁は、腐食予防のため定期的な塗り替えが必要となり、これまで本区では、10 ~15 年程度の間隔で橋梁全体の塗装塗り替えを行っている。 橋梁では腐食の進行が他の部材より早い箇所(階段と主桁の接合部、階段蹴上げ部、 舗装面と主桁の接合部等)が明確である。このため、当該箇所について、部分的な塗 装塗り替えを行うことで、鋼材の腐食による橋梁性能低下を防ぎ、橋梁長寿命化を図 るとともに、橋梁全体の塗装塗り替え間隔を長くし、塗装塗り替え費用を縮減する。 (図-4 参照) ●橋梁全体:10~15 年毎に全体塗装を実施 ●腐食進行が早い箇所:10 年毎に部分塗装を実施 ●橋梁全体 :20 年毎に全体塗装を実施 図-4 部分塗装範囲図(階段部)11 5.2 今後の補修・点検実施計画 今後10 年間に行う主な対策内容を表-3 に示す。 定期点検は、平成30(2018)年度から 5 年毎に実施する。 全体補修は、主桁・橋脚等の全体的な塗装、及び路面の舗装を行い、部分補修は、 階段の各部材接合部等の塗装を行う。なお、必要に応じて、腐食部補強等の補修も実 施する。 凌雲橋歩道橋については、東日本旅客鉄道株式会社が財産管理者である車道橋と併 せ、架替えに向けた検討をしている。このため、凌雲橋歩道橋については、全体補修 は行わず、部分補修により安全を確保していく。 入谷歩道橋、及び上野小学校前歩道橋については、現在、撤去に向けた検討をして いる。 表-3 今後 10 年間の主な対策内容の予定 ●:対策年度 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 2033 2034 2035 2036 2037 定期点検 ● ● ● ● 全体補修 部分補修 ● ● 定期点検 ● ● ● ● 全体補修 部分補修 ● ● 定期点検 ● 全体補修 部分補修 定期点検 ● 全体補修 部分補修 定期点検 ● ● ● ● 全体補修 ● 部分補修 ● 定期点検 ● ● ● ● 全体補修 ● 部分補修 ● 主な対策 内容 凌雲橋歩道橋 (北・鶯谷駅側) 凌雲橋歩道橋 (南・上野駅側) 年度 その後10年間の予定 台東区管理通路 第5号線橋 (パンダ橋) 上野パーキング前 歩道橋 入谷歩道橋 上野小学校前 歩道橋 橋梁名 撤去について検討中 撤去について検討中 架替えに向け検討中 架替えに向け検討中
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長寿命化修繕計画の効果
6.
事後保全型管理を継続した場合、今後30 年間で約 421 百万円の経費が必要となる。 一方、予防保全型管理に転換した場合、約291 百万円に経費を抑えることが可能とな り、約130 百万円、31%の経費縮減効果が見込まれる。(図-5 参照) また、事後保全型管理の10~15 年周期の全体塗装では、腐食進行の早い部材で若 干の腐食による板厚減少が生じてから塗り替えることとなり、経年的に橋梁の耐力が 低下し、橋梁更新が必要となる。一方、予防保全型管理であれば、塗膜の劣化は生じ ているが、鋼材の腐食が生じていない段階で塗装を塗り替えるため、経年的な橋梁の 耐力低下が生じにくい。 したがって、本区では、予防保全型管理による維持管理を行い、橋梁の長寿命化を 図っていく。 図-5 経費比較台東区橋梁長寿命化修繕計画
平成 30 年 3 月発行 (平成 29 年度登録第 91 号)
台東区都市づくり部 土 木 課