佐野市橋梁長寿命化修繕計画
平成24年3月
佐野市橋梁長寿命化修繕計画
1. 長寿命化修繕計画の目的 ··· 1
2. 長寿命化修繕計画の対象橋梁 ··· 2
3. 健全度の把握及び維持管理に関する基本的な方針 ··· 5
4. 橋梁の長寿命化に係る費用の縮減に関する基本的な方針 ··· 10
5. 長寿命化修繕計画による効果 ··· 10
6. 意見聴取した学識経験者等の専門知識を有する者および計画策定担当部署···11
1. 長寿命化修繕計画の目的
1) 背景 ○ 道路維持費の推移については、平成19 年度より約 1 割減少しています。また、橋梁維 持費については年間3 千万円ほどで推移しています(図 1)。 ○ 架設後50 年を経過する橋梁は、10 年後には 28 橋で全体の 26%となり、20 年後には 49 橋で 45%と半数近くになります。(図 2)。 ○ 今後、従来の事後的な修繕及び架替えを継続した場合、近い将来、維持管理費用が膨大 となり、道路利用者への安心安全なサービス提供が困難となります。 図 1 道路維持費および橋梁維持費の推移 図 2 建設後50 年を経過する橋梁 2) 目的 ○ 今後、老朽化する市管理橋梁の増大に対応するため、従来の事後的な修繕及び架替えか ら予防的な修繕計画及び計画的な架替えを計画することにより、費用の縮減・平準化を 図りつつ、橋梁の長寿命化及び道路網の安全性・信頼性を確保することを目的とします。 0 100 200 300 400 500 600 H19 H20 H21 H22 H23 年度 費 用 ( 百 万 円 ) 道路維持費 橋梁維持費 2021時点 81橋, 74% 28橋, 26% 建設後50年以上の橋梁 建設後50年未満の橋梁 2011時点 100橋, 92% 9橋, 8% 2031時点 60橋, 55% 49橋, 45%2. 長寿命化修繕計画の対象橋梁
本市が管理する橋梁のうち橋長 15m以上の 109 橋について長寿命化修繕計画を策定するもの とします。 橋梁数の内訳は以下のとおりです。 単位:橋 跨線・跨道橋 市指定緊急輸送道路(案) 上の橋梁 その他 合 計 計画の対象橋梁数 (橋長15m 以上) 2 14 94 109 ○長寿命化修繕計画対象:跨線・跨道橋2 橋+市指定緊急輸送道路(案)上の橋梁 14 橋 +その他の橋長15m 以上 94 橋=109 橋 ※跨線・跨道橋であり、市指定緊急輸送道路上でもある橋梁が1橋あるため合計数は合いません。 対象橋梁は以下のとおりです。 表 1 対象橋梁一覧 橋梁名称 橋長 架設年次 使用材料 橋下 界49号橋(サザンクロス大橋) 142.1 2005 鋼橋 国道50号 北丸橋 16 2001 PC橋 三かも山公園園路 三面山橋 19.5 2001 PC橋 県道三かも山公園線 植野87号橋(船津川仮橋) 22.1 1977 RC橋 秋山川(一級河川) 伊保内新橋 70.2 1999 鋼橋 秋山川(一級河川) 植野61号橋(伊保内橋) 50.9 1925 RC橋 秋山川(一級河川) 植野49号橋(大古屋橋) 47.9 1966 PC橋 秋山川 海陸橋 92.4 1962 鋼橋 秋山川 海陸橋側道橋 57.5 1970 鋼橋 秋山川 植野1号橋(赤坂鷹部屋橋) 54 2000 PC橋 秋山川 佐野17号橋(天明大橋) 55 1993 PC橋 秋山川 佐野7号橋(中橋) 42.5 1930 PC橋 秋山川 天神大橋 109.3 1998 RC橋 秋山川 堀米34号橋(朱雀大橋) 111 1994 鋼橋 秋山川 堀米1号橋(田之入橋) 82 1971 PC橋 秋山川 京路戸橋 81.8 1984 鋼橋 秋山川 安久渡橋 61.9 1983 鋼橋 秋山川 常盤橋 56.4 1958 鋼橋 秋山川 小屋橋 80 1967 鋼橋 秋山川 不動橋 40 1975 鋼橋 秋山川 大田沢橋 17 1965 鋼橋 秋山川 前沢橋 20.4 1972 鋼橋 秋山川 梅木橋 15.5 1970 鋼橋 秋山川 正ノ沢1号橋 19.4 1982 鋼橋 秋山川 植野102号橋(川田橋) 22.2 1991 鋼橋 菊沢川 植野101号橋(下菊沢橋) 28.7 2002 鋼橋 菊沢川橋梁名称 橋長 架設年次 使用材料 橋下 植野78号橋(深田橋) 21.7 1988 鋼橋 菊沢川 船津川橋 22.3 1999 鋼橋 菊沢川 植野73号橋(天神橋) 25.5 1988 鋼橋 菊沢川 堀米28号橋(中央橋) 46.7 2005 鋼橋 菊沢川放水路 菊川下田橋 26.8 2000 PC橋 菊沢川放水路 サイクリングロード1号橋 20 1981 PC橋 水路 鷺の宮橋 19.9 1988 PC橋 仙波川 堀向橋 14.8 1928 RC橋 仙波川 滝橋 19.5 1985 PC橋 仙波川 下町屋橋 17.5 1985 PC橋 仙波川 来迎寺橋 14.6 1990 PC橋 仙波川 界20号橋(三杉川橋) 57.2 1983 鋼橋 三杉川 界7号橋(公園橋) 59.8 1986 鋼橋 三杉川 界2号橋(三杉橋) 54.8 1987 鋼橋 三杉川 犬伏49号橋(栄橋) 46.8 1988 PC橋 三杉川 犬伏44号橋(新橋) 55.7 2011 鋼橋 三杉川 犬伏42号橋(関川橋) 17.9 1959 RC橋 三杉川 越名側道橋 51 2001 PC橋 三杉川分水路 界46号橋(越名橋) 14.9 1945 RC橋 三杉川分水路 界23号橋 27 1956 RC橋 三杉川分水路 界22号橋(広野橋) 27.3 1956 混合橋 三杉川分水路 界21号橋 19.7 1963 RC橋 三杉川分水路 界19号橋 19.5 1963 RC橋 三杉川分水路 界18号橋 20 1963 RC橋 三杉川分水路 界11号橋 20 1963 RC橋 三杉川分水路 界5号橋 18 1963 RC橋 三杉川分水路 犬伏52号橋 18.2 1963 RC橋 三杉川分水路 犬伏45号橋(平和橋) 23.1 1966 RC橋 三杉川分水路 犬伏41号橋 17.4 1984 PC橋 鷲川 犬伏40号橋 16.2 1983 PC橋 鷲川 犬伏43号橋 16.5 1988 PC橋 鷲川 界24号橋(高山橋) 15.9 1988 PC橋 旧秋山川 界25号橋(新高山橋) 18 1998 PC橋 旧秋山川 界26号橋(馬門橋) 21 1993 PC橋 旧秋山川 界27号橋(寺谷橋) 19.3 1991 PC橋 旧秋山川 植野58号橋(弁天橋) 16.2 2009 PC橋 旧秋山川 椿田橋 47 1976 鋼橋 才川 羽田大橋 48.5 1995 PC橋 才川 吾妻33号橋 54.9 1959 RC橋 才川 旗川15号橋 16.2 1967 PC橋 才川 吾妻1号橋(高田橋) 113 1973 鋼橋 旗川 赤見19号橋(石塚大橋) 143 1979 PC橋 旗川 共栄橋 87.5 1977 PC橋 旗川 飯田橋 74.2 1981 鋼橋 旗川 小畑橋 69.6 1990 PC橋 旗川
橋梁名称 橋長 架設年次 使用材料 橋下 御神楽橋 46 1971 鋼橋 旗川 木戸橋 46.9 1985 PC橋 旗川 長谷場橋 40.8 1993 PC橋 旗川 駒藤橋 41.7 1976 鋼橋 旗川 柚ノ木橋 35.3 1974 PC橋 旗川 稲村橋 30.6 1994 PC橋 旗川 明神橋 30.4 1999 PC橋 旗川 越沢橋 32 1993 PC橋 旗川 小平橋 25.8 1997 PC橋 旗川 実山橋 14.9 1972 鋼橋 大戸川 小戸一号橋 16.4 1994 PC橋 小戸川 入小戸橋 15.4 1992 PC橋 小戸川 赤見32号橋(寿橋) 26.5 1977 鋼橋 出流川 赤見43号橋(大野橋) 27 1977 鋼橋 出流川 赤見42号橋 26.6 1981 鋼橋 出流川 赤見41号橋(寺内橋) 25.6 1980 鋼橋 出流川 新町屋橋 31.6 1998 PC橋 出流川 赤見21号橋(町屋橋) 25.8 1982 PC橋 出流川 赤見24号橋 15.6 1998 RC橋 駒場川 久保橋 83.9 1991 PC橋 彦間川 久手ノ内橋 58.3 1974 鋼橋 彦間川 御所ノ入橋 58 1968 鋼橋 彦間川 葛和田橋 63.8 1997 PC橋 彦間川 大網橋 52.7 1973 鋼橋 彦間川 正光寺橋 49.5 1982 鋼橋 彦間川 小坂橋 44.5 1982 PC橋 彦間川 車堂橋 44.8 1986 PC橋 彦間川 久保橋 37 1979 PC橋 彦間川 家隆橋 37.3 1995 PC橋 彦間川 中木戸橋 35.6 1982 鋼橋 彦間川 観月橋 42.4 2002 PC橋 彦間川 大正橋 42.3 2000 PC橋 彦間川 魁橋 25.6 1998 PC橋 彦間川 紫土橋 21 1971 鋼橋 彦間川 松場橋 18.3 1972 鋼橋 閑馬川 八幡橋 15.5 1966 鋼橋 閑馬川 木戸橋 19 1990 PC橋 閑馬川 宮内橋 18.3 2001 PC橋 閑馬川 ※ 鋼 橋:桁が鋼製の橋。一般的に橋長が長い。 ※ RC 橋 :桁が鉄筋コンクリート製の橋。一般的に橋長が短い。 ※ PC 橋:プレストレストコンクリート橋の略称。RC 橋に PC 鋼材を加えて制作し、強い 荷重に対抗することができるため、RC 橋より橋長が長い。 ※ 混合橋:スパン毎に鋼橋、RC 橋、PC 橋を使い分けた橋。
3. 健全度の把握及び維持管理に関する基本的な方針
【橋梁の特性、条件に応じたグルーピングによるメリハリの効いた維持管理】 ○ 各橋梁の重要度、特性等に応じてグループ分けし、管理区分を差別化します。 (表 2) ○ 膨大な橋梁を効率的・効果的に管理するための管理水準を明確にします。(表 3) ○ 橋梁ごとに適切な対策方法を使い分けることで予算の平準化を実現します。 管理橋梁に対して、橋梁規模、架橋条件、緊急輸送路等の条件によりグルーピングを行います。 また、各グループに管理シナリオ(予防保全型シナリオ、事後保全型シナリオ)を設定すること で、効率的、効果的な維持管理の実現を目指します。 表 2 橋梁の管理区分(グルーピング) 表 3 管理シナリオおよび管理水準 グループ 管理シナリオ 管理水準 対策方法 重要度A 予防保全型 1 軽微な損傷の段階で補修する 部分塗装塗り替えやひびわれ 注入など 重要度B 予防保全型 2 機能低下に至らないように補 修する 塗装塗り替えや断面修復など 重要度C 事後保全型 経過観察しながら機能低下が 危惧される場合に補修する 部材取り替えや部分的な補強 など グループ 内 容 橋梁数 重要度A ・跨線橋、跨道橋 ・市指定緊急輸送道路(案)上の橋梁 15 重要度B ・凍結防止剤散布橋梁 ・道路網基本計画対象路線上の橋梁 ・バス路線上の橋梁 12 重要度C ・A、B 以外の橋梁 82【定期的な点検と健全度把握に関する実施体制、点検方法】 ○ 橋梁の状態を確実に把握するための点検体系を明確にします。 ○ 橋梁点検を継続的に実施するための実施体制を明確にします。 ○ 点検、修繕履歴データ等の維持管理に係るデータの継続的な蓄積を明確にします。 ○ 橋梁長寿命化にむけた PDCA サイクルを確立し、実施します。(図 3) 本市における損傷事例を示します。 【橋梁の損傷事例】 【主桁に錆が発生】 【主桁に鉄筋露出が発生】 【床版にひびわれが発生】 【支承に錆が発生】 図 3 マネジメントサイクル(PDCA サイクル)
Plan
長寿命化修繕計画
Do
補修実施
Check
橋梁点検
Action
改善・見直し
データベース
補修履歴データ データ活用 点検データ データ分析【予防保全型維持管理への転換(※)】 ○ 重要度の高い橋梁、第三者影響度の高い橋梁、補修に高額な費用が必要となる橋梁 に対しては、予防保全型の維持管理への転換を着実に推進します。 ○ 従来の損傷に対する補修に加えて、予防保全を効果的に実施するための補修方法の 明確にします。 (※)予防保全型維持管理への転換による効果について 今後10 年後以降に予想される大規模修繕の集中に対して、損傷が深刻化する前に小 規模な補修を行う予防保全型の維持管理方法を導入することにより、以下の効果が期 待できます。 ○ 橋長15m 以上の橋梁や幹線道跨ぎの跨道橋など、損傷が深刻化した後では大規模な 工事となり補修に高額な費用が必要となる橋梁に対して、予防保全型の維持管理方 法の導入により要求される使用期間内での補修費用を縮減できます。 ○ 予防保全型の維持管理方法による小規模な補修を繰り返すことにより、大規模補修 の集中を避け、必要な補修費用の平準化が可能となります。 図 4 予防保全型の維持管理方法による効果のイメージ
【橋梁の長寿命化に効果的な日常的維持管理】 ○ 橋梁の長寿命化に効果的な日常管理のポイントを明確にします。 ○ 主部材の劣化を効果的に抑制し橋梁全体の長寿命化を図る目的から、主部材以外(排 水装置、伸縮装置等)の損傷に対する日常的な予防保全(清掃等)を明確にします。 1) 日常点検 主部材以外の損傷による漏水・排水等が原因となり、主部材に悪影響を及ぼすことがありま す。損傷に対する日常の地道な対応が,橋梁の長寿命化に大きな影響を及ぼすことから、比較 的容易に対応が可能なものについては、日常の維持作業のなかで対応するものとします。 出展:道路橋の定期点検に関する参考資料-橋梁損傷事例写真集- 国土交通省 国土技術政策総合研究所 図 5 主部材以外の損傷が主部材へ悪影響を及ぼす例 【排水枡の土砂詰まり】 【床版コンクリートの劣化】 【排水管の破損】 【主桁端部の腐食】
2) 日常の予防保全 排水・防水機能の不良による橋面水の漏水、土砂の堆積が原因となって損傷が起きているため、 日常点検で異常を発見した場合以下に示す簡易的な予防保全を実施します。 ① 排水ますの土砂詰まりの清掃 ② 排水装置の破損や伸縮装置からの漏水を補修 ③ 支承周りに堆積した土砂の清掃 【排水ますの土砂詰まり】 【支承周りの土砂堆積】
0 10 20 30 40 50 60 2 0 1 3 2 0 1 6 2 0 1 9 2 0 2 2 2 0 2 5 2 0 2 8 2 0 3 1 2 0 3 4 2 0 3 7 2 0 4 0 2 0 4 3 2 0 4 6 2 0 4 9 2 0 5 2 2 0 5 5 2 0 5 8 2 0 6 1 2 0 6 4 2 0 6 7 2 0 7 0 2 0 7 3 2 0 7 6 2 0 7 9 2 0 8 2 2 0 8 5 2 0 8 8 2 0 9 1 2 0 9 4 2 0 9 7 2 1 0 0 2 1 0 3 2 1 0 6 2 1 0 9 2 1 1 2 費 用 ( 億 円 ) 0 50 100 150 200 250 300 累 計 費 用( 億 円 ) 予防保全型 大規模補修型 予防保全型累計 大規模補修型累計