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橋梁長寿命化修繕計画策定

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Academic year: 2021

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1 業務概要

1.1 業務概要 (1) 業務の目的 本業務は野田市が管理する橋梁のうち橋長10m以上の42橋について、予防的な修繕及び 計画的な架け替えへと円滑な政策転換を図ると共に、橋梁の長寿命化並びに橋梁の修繕 及び架け替えに係る費用の縮減を図りつつ、市内の道路網の安全性・信頼性を確保する ために橋梁長寿命化修繕計画を策定することを目的とする。 (2) 業務概要 1)業 務 名 橋梁長寿命化修繕計画策定業務委託 2)履行場所 野田市市内全域 3)履行期間 平成25年8月29日~平成26年3月15日 4)業務内容 市管理橋梁      全  体   151橋 橋梁長寿命化修繕計画策定   10m以上    42橋 5)委託者      野田市 建設局 土木部 道路建設課 6)受 託 者 ジーアンドエスエンジニアリング株式会社

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1.2 橋梁管理状況 (1) 管理橋梁ストック 野田市では平成26年3月現在、橋梁全体で151橋管理している。そのうち、10m以上の橋梁は 42橋存在する状況である。 全管理橋梁数 うち計画の対象橋梁数 うちこれまでの計画策定橋梁数 うち平成25年度計画策定橋梁数 ○修繕計画対象橋梁の特殊橋梁 特殊な構造を有する橋梁(斜張橋・トラス橋・アーチ橋)及び特殊橋梁として位置づけして いる橋梁は特にない。 0 0 9 9 24 42 0 9 9 24 42 0 市道 1級 市道 2級 市道 その他 合計 17 17 117 151

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(2) 管理体制・予算 野田市では、道路管理業務として職員による道路巡視の他に、道路補修作業を含んだ業務を 民間に委託している。 ①職員による道路管理業務  道路管理は、維持補修として工事発注を行うもののほか、管理部署の職員による日常の現場作業時に  自動車からの巡視による道路パトロールを実施し、その他、必要な都度、個別対応を実施している。  軽微な補修作業では、出先機関である補修事務所で対応を行い、迅速な維持修繕に努めている。  また、対象範囲が広範囲となるため、市役所全職員に対し異常発生時の通報の協力依頼を行っており、  早期の現状把握に努めている。

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②民間委託による道路管理業務  毎年、主要な道路について道路巡回業務を委託し、毎月2~3回の道路パトロール及び補修作業を実施  している。 【道路維持管理業務】 作業内容が概ね容易で、かつ規模が比較的小さい作業に適する。      1.舗装工事 ①ポットホール修正 ②小規模な舗装維持修繕工事 2.土木・その他工事 ①崩落・崩土取除 ②路面・L型側溝の清掃 ③道路付属物維持・修繕(側溝蓋敷設・ガードレール補修含む) ④標識類補修(標識点検・清掃) ⑤路肩補修・小規模な除草 ⑥砂利道等グレーダー整正 ⑦除雪 ⑧凍結防止対策 ⑨小規模の剪定 ⑩動物の死骸処理 ⑪土納積等仮応急 ⑫保安対策(交通安全対策) ⑬災害時対応

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1.3 橋梁長寿命化修繕計画の概要 (1) 修繕計画の目標 道路橋をはじめとする社会資本は住民の安全で豊かな生活の実現のため、これまで着実に 整備が進められてきた。しかしストックの増大に伴い、橋梁においても高齢化が進展し、 住民の安全・安心な生活環境が脅かされる状況となっている。 道路ネットワークの代替性が十分確保されていないような状況では、落橋に至らないまでも、 供用中の道路橋が重大な損傷等によってひとたび通行規制の措置などがあると、社会的な 影響を及ぼすことが懸念される。  一方、少子高齢化社会の進展と財政の長期低迷による、増大する社会資本ストックの 効果的・効率的な維持管理手法が求められている。  このような背景により、『道路網の信頼性確保』という目標実現に向けた道路橋の 長寿命化修繕計画の策定が求められている。 (2) 修繕計画の内容 短期維持管理計画(修繕計画)  現況の状態評価をもとにして、補修の優先順位を計画するものである。  個別の橋梁に対して、具体的な補修内容や補修時期を示すための計画である。   中長期維持管理計画(投資計画)  損傷状態の変化を予測して、橋梁群に対し、中長期的(50年間)な視点で最適投資額や  投資時期を計画するものである。  中長期的な視点の政策を数値で示すための計画である。

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2. 管理方針の検討

2.1 計画評価単位および健全度算出 計画策定は径間ごとの部材単位で行うものとする. (1) 計算対象部材 本業務において,橋のライフサイクルコスト(以下 LCC と記す)を算出する対象の部材を以下 の部材とする. 劣化予測 定期対策 備考 上部工鋼部材 ○ - コンクリート床版 ○ - 主桁・床版 ○ - 一体で評価 下部工(RC) ○ - 舗装 - ○ 橋面防水含む 伸縮装置 - ○ 高欄・防護柵 - ○ 跨線橋または 跨道橋が対象 部材 鋼橋 コンクリート橋 共通

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(2) 健全度の定義および劣化過程(劣化予測) 本業務では,各部材の健全度を A~E の 5 段階で定義する.各健全度における劣化は 1 次勾配 で劣化するものとし,A~E までの劣化は,1 次式の集合として表現する.劣化過程のイメージを 下図に示す.

A

A

B

B

C

C

D

D

E

E

A

A

A

A

B

B

B

B

C

C

C

C

D

D

D

D

E

E

E

E

部材 健 全 度 年 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 一次式 したがって,劣化曲線は,A~E の各ランクに留まる年数(以下,滞留年数と記す)で表すもの とする A ランクの 滞留年数

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(3) 点検時の判定区分と健全度の関係 計算対象の各部材における,点検時の対策区分判定と健全度の関係を下表に示す. 判定区分 判定の内容 健全度 A 損傷が認められないか,損傷が軽微で補修を行う必要がない. A B 状況に応じて補修を行う必要がある. M 維持工事で対応する必要がある. C 次回点検までに補修等を行う必要がある. C S 詳細調査の必要がある. D E1 橋梁構造の安全性の観点から,緊急対応の必要がある. E2 その他緊急対応の必要がある. E B

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2.2 管理水準に応じた管理方針の設定 橋梁の管理方針は,従来までの管理方針である対症療法型と,損傷が軽微なうちに対策を実施 する予防保全型について検討を行う. シナリオ名 概要 予防保全型 損傷が軽微なうちに損傷の進行を防止するための,予防的な対策を実施する. 対症療法型 損傷が深刻化した時点で,部材の取替えまたは更新 を実施する. 各シナリオの管理レベルおよびイメージを以下に示す. シナリオ名 管理レベル イメージ 予防保全型 Cランクの中間期とする 管理レベルに達したら対策を行う 対症療法型 Eランクの中間期とする 管理レベルに達したら対策を行う  主部材の場合:橋梁全体更新  主部材以外の場合:部材交換 A A B B C C D D E E A AA A B BB B C C C C D D D D E EE E 部材 健 全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 A A B B C C D D E E A AA A B BB B C C C C D D D D E EE E 部材 健 全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0

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3. 劣化曲線の検討

3.1 劣化予測部材の劣化曲線の設定 国総研1) の劣化曲線を用いるものとする. 各部材の劣化曲線と A~E の滞留年数を以下に示す. また,あわせて各部材の点検時健全度の散布も図示する. (1) 鋼橋-主桁 0 1 2 3 4 5 0 20 40 60 80 100 経年数 健全 度 鋼橋-主桁 点検時健全度 鋼橋-主桁:y=5-0.00389x2 A 16 B 6 C 5 D 5 E 3 滞留年数 健全度 文献1)国土技術政策総合研究所プロジェクト研究報告 住宅・社会資本の管理運営技術の開発

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(2) 鋼橋-RC 床版 0 1 2 3 4 5 0 20 40 60 80 100 経年数 健全 度 鋼橋-RC床版 点検時健全度 鋼橋-RC床版:y=5-0.00391x2 A 15 B 7 C 5 D 4 E 4 健全度 滞留年数

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(3) コンクリート橋-主桁 0 1 2 3 4 5 0 20 40 60 80 100 経年数 健全 度 コン橋-主桁 点検時健全度 コン橋-主桁:y=5-0.00250x2 A 20 B 8 C 6 D 6 E 4 健全度 滞留年数

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(4) 下部工 0 1 2 3 4 5 0 20 40 60 80 100 経年数 健全 度 下部工 点検時健全度 下部工:y=5-0.00250x2 A 20 B 8 C 6 D 6 E 4 健全度 滞留年数 ※現時点では点検データ少ないため,既往の文献の劣化曲線を用いた.今後,点検を繰り返し 行うことにより,データが蓄積されたら,野田市独自の劣化曲線を設定する予定である.な お,その際に,本業務で設定した劣化曲線より急勾配となった場合は,LCC が増加すること も想定される.

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3.2 定期対策部材の耐用年数の設定 舗装,伸縮装置,高欄については,既往の文献より耐用年数を決定する. (1) 舗装 文献 2)より耐用年数を,30 年と設定する. (2) 伸縮装置 文献 2)より耐用年数を,鋼製:30 年,ゴム:15 年と設定する. (3) 高欄・防護柵 文献 3)より耐用年数を,30 年と設定する. 文献2)PC 橋のライフサイクルコストと耐久性向上技術 (社)プレストレスト・コンクリート建設業協会 2003 文献3) 鋼橋のライフサイクルコスト 2011 年版 工事費計算仕様 p25 (社)日本橋梁建設協会

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4. 対策工法の検討

4.1 基本方針 ①対策案,対策時期は径間単位,部材単位に設定する. ②各部材に対する対策工法,補修工費は,健全度ごとに代表的な工法および標準的な単価を設定 する. 4.2 対策設定 対策は,健全度ごとに設定を行い,補修単価は,既往の成果をもとに設定する.各部材の対策 内容を以下に示す. (1) 鋼橋-上部工鋼部材 健全度 工法 単価 (千円) 補修範囲 種別 補修 割合 単価 参考資料 - - - - - - 3種ケレン 塗装 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 3種ケレン 塗装 当て板補強 240.0 橋面積 0.01 文献1) 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 架替え 505.0 橋面積 1.00 文献5),6) - - 1.00 積算 塗装面積 塗装面積 1.00 積算 A B C 5.0 5.0 D E ※ 塗装面積算出方法 Step1.文献 4)の支間長と橋面積当たりの鋼材質量の関係より鋼材質量を算出します. Step2.文献 4)の支間長と鋼材質量当たりの塗装面積の関係より塗装面積を算出します. Step3.Step1 および 2 の結果より塗装面積を算出します. 文献4)‘06 デザインデータブック 社団法人日本橋梁建設協会 文献5)国土技術政策総合研究所資料 橋梁の架替に関する調査結果(Ⅳ) 文献6)道路統計年報 2008 年版 全国道路利用者会議

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(2) 鋼橋-コンクリート床版 健全度 工法 (千円)単価 補修範囲種別 補修割合 参考資料単価 - - - - - - ひび割れ注入 6.9 橋面積 0.50 積算 断面修復 56.0 橋面積 0.05 積算 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 ひび割れ注入 6.9 橋面積 1.00 積算 断面修復 56.0 橋面積 0.10 積算 炭素繊維接着 67.0 橋面積 1.00 文献1) 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 打換え 109.0 橋面積 1.00 文献1) - - A B C D E (3) コンクリート橋-主桁・床版 健全度 工法 (千円)単価 補修範囲種別 補修割合 参考資料単価 - - - - - - ひび割れ注入 6.9 部材表面積 0.50 積算 断面修復 56.0 部材表面積 0.05 積算 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 ひび割れ注入 6.9 部材表面積 1.00 積算 断面修復 56.0 部材表面積 0.10 積算 炭素繊維接着 67.0 橋面積 1.00 文献1) 吊り足場 7.0 橋面積 1.00 積算 架替え(RCの場合) 665.0 橋面積 1.00 文献5),6) 架替え(PCの場合) 478.0 橋面積 1.00 文献5),6) - E A B C D

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(4) 下部工(RC) 健全度 工法 (千円)単価 補修範囲種別 補修割合 参考資料単価 - - - - - - ひび割れ注入 6.9 部材表面積 0.50 積算 断面修復 56.0 部材表面積 0.05 積算 枠組み足場 7.0 部材表面積 1.00 積算 ひび割れ注入 6.9 部材表面積 1.00 積算 断面修復 56.0 部材表面積 0.10 積算 枠組み足場 7.0 部材表面積 1.00 積算 架替え(鋼の場合) 505.0 橋面積 1.00 文献5),6) 架替え(RCの場合) 665.0 橋面積 1.00 文献5),6) 架替え(PCの場合) 478.0 橋面積 1.00 文献5),6) D E B C A ※現時点では補修割合は,現状の損傷状況を考慮して設定した.今後,継続的に点検を行うこ とにより,補修割合を見直す予定である.なお,その際に,本業務で設定した補修割合より 大きくなる場合は,LCC が増加することも想定される.

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(5) 舗装 工法 単価 (千円) 補修範囲 種別 補修 割合 単価 参考資料 打換(橋面防水含む) 5.4 橋面積 1.00 積算 (6) 伸縮装置 工法 (千円)単価 補修範囲種別 補修割合 参考資料単価 取替 150.0 有効幅員 1.00 文献1) (7) 高欄・防護柵 工法 (千円)単価 補修範囲種別 補修割合 参考資料単価 取替 30.5 支間長 1.00 文献3) (8) 点検費用の取扱い 初回点検年から 5 年周期で, 100 千円/橋 の点検費用を計上する. (9) 設計費用の取扱い 工事費の 10%を設計費として前年に計上する. ただし,計画策定開始年については,同年とする.

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5. LCC の算定

5.1 LCC 算定方法 設定した劣化曲線や工法をもとに,以下に示す 2 シナリオにおいて計画を策定する.2 シナリ オの概要を下表に示す. シナリオ名 管理レベル イメージ 予防保全型 Cランクの中間期とする管理レベルに達したら対策を行う 対症療法型 Eランクの中間期とする 管理レベルに達したら対策を行う  主部材の場合:橋梁全体更新  主部材以外の場合:部材交換 A A B B C C D D E E A AA A B BB B C C C C D D D D E EE E 部材 健 全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 A A B B C C D D E E A AA A B BB B C C C C D D D D E EE E 部材 健 全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 ※健全度 D ランク以降は,部材の耐荷力に影響を及ぼしている状態と定義しているため,予防保 全型は,その前段階の C ランクで対策を実施する.

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(1) 部材の LCC 算出手順 両シナリオにおける各部材の LCC 算出の流れを以下に示す. LCC 算出は下図に示すように,劣化予測を行う部材(主桁,床版,下部工)の LCC 計算,定期 的に対策を行う部材(舗装,伸縮装置)の LCC 計算,各部材の対策時期が近い場合に同時期に前 倒しする同時期対策の計算の 3 段階で計算を実施する. Start End

A

B

C

→ 劣化予測部材のLCC計算 → 定期対策部材のLCC計算 → 同時期対策の計算 各計算段階の説明を次頁以降に示す. ※両シナリオとも,部材ごとに LCC を算出し,部材の LCC と更新費用を合計したものを橋梁の LCC とする.

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①劣化予測部材の LCC 計算手順 劣化予測を行う部材の LCC 計算の流れを下図および以下に示す. 部材番号ごとに健全度を算出 部材全体の健全度を算出 計算開始年の健全度を算出 劣化曲線の補正 レベル判定 設定管理レベル未満 設定管理レベル以上 健全度に対応した対策を実施 対策実施 Step A1 更新時期&費用を算出 点検情報 劣化曲線 情報 計算終了年判定 更新時期判定 管理レベル 対策情報 対策時期判定 対策 なし 更新 なし 次回対策時期を算出 終了判定 (部材) 健全度&劣化曲線初期化 次回対策時期を算出 補修数量 情報 DB Step A2 Step A3 Step A4 Step A5 Step A6 Step A7 Step A9 Step A12 Step A8 Step A13 Step A10 Step A14 Step A15 Step A16 次回対策時期を算出 Step A11

A

A

対策情報 対策後 劣化曲線 情報 対策後 劣化曲線 情報

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【Step A1】更新時期&費用を算出 主部材の劣化曲線および点検情報より,更新時期および費用を算出する. 更新費用は,設定単価×橋面積 で算出する. 【Step A2】部材番号ごとに健全度を算出 各部材の部材番号レベルで,損傷情報より健全度を算出する. 健全度 点数 A 4.5 B 3.5 C 2.5 D 1.5 E 0.5 【Step A3】部材全体の健全度を算出 Step A2 で算出した部材番号レベルでの健全度より,部材全体での健全度を算出する.(部材全 体とは,径間単位での部材全体を表す) 主桁の場合の算出例を下図に示す. G01 G02 G03 G04 ⇒ B (3.5) ⇒ C (2.5) ⇒ B (3.5) ⇒ C (2.5) 2.5

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【Step A4】劣化曲線の補正 Step A3 で算出した点検時の健全度を通過するように,劣化曲線の補正を行う.補正のイメージ を下図に示す.

A

A

B

B

C

C

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D

E

E

A

A

A

A

B

B

B

B

C

C

C

C

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D

D

D

E

E

E

E

部材 健全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 点検時 【Step A5】計算開始年の健全度を算出 Step A4 で補正した劣化曲線を用いて,計算開始時点の健全度を算出する.

A

A

B

B

C

C

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D

E

E

A

A

A

A

B

B

B

B

C

C

C

C

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D

D

D

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E

部材健全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 点検時 計画開始時

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【Step A6】レベル判定

Step A5 で算出した健全度が,設定している管理レベルを下回っているか否かの判定を行う. 下回っている場合は,Step A7 へ.

(29)

【Step A7】健全度に対応した対策を実施 計算開始時点の健全度が管理レベルを下回っている場合は,この時点で即対策を実施するもの とする.対策内容は,健全度に対応した工法および費用となる.イメージを下図に示す.

A

A

B

B

C

C

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D

E

E

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A

A

A

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B

B

B

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C

C

C

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D

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E

部材 健全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 計画開始時 【Step A8】次回対策時期を算出 劣化曲線情報より,次回対策時期を算出する.次回対策時期は,管理レベルに到達したときに なる.イメージを下図に示す.

A

A

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B

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C

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E

E

A

A

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B

B

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C

C

C

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D

D

D

E

E

E

E

部材健全 度 橋齢(年) 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 計画開始時

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■管理レベルと対策実施時期の設定について 例)A~E の滞留年数が以下に示す年数で,管理レベルが C の中間期の場合 A:32 年 B: 9 年 C: 6 年 D: 4 年 E: 4 年 対策実施時期は,44 年目となる. 44 年目 = 32 年(A)+9 年(B)+3 年(C の 6 年の半分) 【Step A9】更新時期判定 計算対象年が,Step A1 で算出した更新時期と同年であるかの判定を行う. 更新時期の場合は,Step A10 へ. 更新時期でない場合は,Step A12 へ. 【Step A10】健全度&劣化曲線初期化 健全度および劣化曲線を初期状態に戻す. 健全度を A ランク初期(5.0)に回復させる. 劣化曲線を対策前の補正前の状態に戻す. 【Step A11】次回対策時期を算出 劣化曲線情報より,次回対策時期を算出する. 【Step A12】対策時期判定 計算対象年が,対策時期か否かの判定を行う. 対策時期の場合は,Step A13 へ. 対策時期でない場合は,Step A15 へ. 【Step A13】対策実施 補修数量情報および対策情報より,対策費用を算出する. 【Step A14】次回対策時期を算出 劣化曲線情報より,次回対策時期を算出する.

(31)

【Step A15】計算終了年判定

計算年数分,Step A9~A14 までの処理を繰返す.

【Step A16】終了判定(部材数)

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②定期対策部材の LCC 計算手順 定期対策を行う部材の LCC 計算の流れを下図および以下に示す. 対策実施 計算終了年判定 更新時期判定 定期対策 情報 対策時期判定 対策 なし 更新 なし 終了判定(部材) 次回対策時期を算出 補修数量 情報 DB Step B1 Step B2 Step B4 Step B5 Step B6 Step B7 Step B8 次回対策時期を算出 Step B3

B

B

初回対策時期を算出 【Step B1】初回対策時期を算出 設定した対策開始年と部材種別ごとの耐用年数より,初回対策時期を算出する. 【Step B2】更新対策判定 計算対象年が,更新時期か否かを判定する. 更新時期の場合は,Step B3 へ. 更新時期でない場合は,Step B4 へ. 【Step B3】次回対策時期を算出 設定耐用年数情報より,次回対策時期を算出する. 【Step B4】対策時期判定 計算対象年が,対策時期か否かを判定する. 対策時期の場合は,Step B5 へ. 対策時期でない場合は,Step B6 へ.

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【Step B5】対策実施 補修数量情報および任意対策情報より,対策費用を算出する. 【Step B6】次回対策時期を算出 設定耐用年数情報より,次回対策時期を算出する. 【Step B7】計算終了年判定 計算年数分,Step B2~B6 までの処理を繰返す. 【Step B8】終了判定(部材数) 部材数分,Step B1~B7 までの処理を繰返す.

(34)

③同時期対策の計算手順 同時期対策の計算の流れを下図および以下に示す. 対策前倒し 終了判定(部材) 対策有無判定 (他部材) あり なし 前倒し考慮年 終了判定 次回対策時期を算出 Step C1 Step C2 Step C3 Step C4 Step C5 Step C6 Step C7

C

C

対策有無判定 (着目部材) 計算終了年判定 なし あり 【Step C1】対策有無判定(着目する部材) 計算対象年に,着目する部材に対策があるか否かを判定する. 対策がある場合は,Step C2 へ. 対策がない場合は,Step C7 へ. 【Step C2】対策有無判定(着目部材以外) 計算対象年に,Step C1 の部材以外の部材に対策があるか否かを判定する. 対策がある場合は,Step C3 へ. 対策がない場合は,Step C5 へ.

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【Step C4】次回対策時期を算出 劣化曲線情報より,次回対策時期を算出する. 【Step C5】終了判定(部材数) 部材数分,Step C2~C4 までの処理を繰返す. 【Step C6】前倒し考慮年終了判定 前倒し考慮年数分(本業務では 3 年),Step C2~C5 までの処理を繰返す. 【Step C7】計算終了年判定 計算年数分,Step C1~C6 までの処理を繰返す.

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(2) 対策費(直接工事費)の算定方法 対策費(直接工事費)は以下の式より算出する.

直接工事費 = 設定単価 × 補修範囲数量 × 補修割合

補修範囲数量の算出方法は,部材,補修範囲種別ごとに異なります.各補修範囲種別の数量算 出方法を以下に示します. i) 上部工の場合 部材表面積(T 桁) = 桁高×2×支間長×桁本数 + 橋面積 部材表面積(床版橋) = 橋面積 有効幅員 = 計算部材が属する構造体の有効幅員 ii) 下部工の場合 部材表面積(橋台) = 躯体高さ × 全幅 部材表面積(橋脚) = 躯体高さ × 全幅 × 2

(37)

(3) 事業費(工事価格)の算定方法 部材ごとの対策費用は,直接工事費と定義されるので,各部材の直接工事費を足し合わせて, 間接工事費,一般管理費などを算出し,橋梁ごとに工事価格を算出する. 工事費の定義を下図に示す. 工事費 工事価格 消費税等相当額 工事原価 一般管理費等 直接工事費 間接工事費 共通仮設費 現場管理費 純工事費 同一橋梁で同一年に複数の部材に対策がある場合は,以下の手順で間接工事費および一般管理 費を計算し,各費用を各部材に案分する. ①各部材の直接工事費を合算する. ②①をもとに共通仮設費を算出する. ③①および②より現場管理費を算出する. ④①~③より一般管理費を算出する. ⑤各部材の直接工事費の割合に応じて,共通仮設費,現場管理費,一般管理費を各部材に比例配 分する.

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5.2 シナリオ別事業費の推移 42 橋を対象に,設定した劣化曲線,対策単価情報を用いて,予防保全型および対症療法型にお ける事業計画策定を行った.なお,計画策定期間は 2015 年から 2064 年までの 50 年間としている. (1) シナリオ比較 計算対象の全橋梁における各シナリオの結果は,予防保全型は約 17 億円,対症療法型は約 114 億円となり,対症療法型から予防保全型に移行することで事業費が大幅に縮減される.50 年間に おける累計事業費の推移を下図に示す. 0 2,000,000 4,000,000 6,000,000 8,000,000 10,000,000 12,000,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業費(千 円) 予防保全型:1,678,986千円 対症療法型:11,409,116千円 シナリオごとの事業費の推移および健全度分布の推移を以下に示す.

(39)

(2) 予防保全型 ■事業費用の推移 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業費(千 円) ■健全度分布の推移(部材別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全度 分布 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 健全度 A B C D E 供用不可 平均 計算開始年(2015 年)から約 5 年は,点検時の対策判定区分が B または C の橋梁の修繕が行わ れる. 点検時の 対策判定区分 C や B の橋の修繕

(40)

(3) 対症療法型 ■事業費用の推移 0 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 5,000,000 6,000,000 7,000,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業費(千 円) ■健全度分布の推移(部材別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全度 分布 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 健全度 A B C D E 供用不可 平均 対症療法型では,2030 年付近に点検時の対策判定区分が B または C の橋の更新が集中している. 点検時の 対策判定区分 C や B のの橋の更新

(41)

6. 優先順位の検討

6.1 優先度評価手法 対策の優先度評価は,構造物の健全度を指標とすることを基本とし,かつ路線の特徴や立地条 件,利用者・周辺住民に対する影響度を評価した重要度,(重要性,危険性,耐久性,効率性)を 考慮した総合的な評価により行う.

優先度 = α×(100 -総合評価値)+β×重要度

α+β = 1.0(α=0.7,β=0.3)

(42)

6.2 総合評価値 総合評価値は,文献 8)における総合評価指標の考え方を踏襲し,橋梁ごとに「耐荷性」,「災 害抵抗性」,「走行安全性」の 3 指標を算出し,最悪値を用いるものとする. ここで,文献 8)において,各指標は以下のように定義されている. 耐荷性:自動車荷重満載状態などの耐荷力余裕が適切に保たれていることの程度を表す指標 災害抵抗性:地震等の自然災害に対する抵抗機能が健全であることの程度を表す指標 走行安全性:車両の安全な通行が確保されていることの程度を表す指標 評価指標の算出手順を以下に示す. 【Step 1】計算年の健全度の評点化 部材ごとに,設定した健全度評点情報をもとに評点化を行う. 【Step 2】損傷度評価値算出 下表の重み係数をもとにスパンごとに損傷度評価値を算出する. 耐荷性 災害抵抗性 走行安全性 上部工 1.0 0.4 0.2 床版 0.6 0.2 1.0 下部工 0.2 1.0 -重み係数 部材 健全度 評点 A 0 B 10 C 20 D 40 E 80 ■主桁 ■床版 A(0) D(40) 文献8)道路橋の維持管理に関する指標開発の取組み 土木技術資料 Vol.49 No.2 pp.66-71

(43)

例) 上部工:B(10) 床版:B(10) 下部工:C(20)の場合の算出例 耐 荷 性 = 10×1.0 + 10×0.6 + 20×0.2= 20 災害抵抗性 = 10×0.4 + 10×0.2 + 20×1.0= 26 走行安全性 = 10×0.2 + 10×1.0 + 20×0.0= 12 ※損傷度評価値が 100 を超える場合は,100 として取り扱う. 【Step 3】橋梁全体損傷度評価値算出 スパンごとに算出された損傷度評価値から,橋梁全体の損傷度評価値を算出する. 各評価指標の各スパンの最大値を橋梁全体の値とする. 算出例を以下に示す. ○スパンごとに損傷度評価値 損傷度評価値 スパン 20.00 22.00 48.00 30.00 28.00 24.00 24.00 56.00 36.00 3 耐荷性 災害抵抗性 走行安全性 1 2 ○橋梁全体の損傷度評価値 30.00 56.00 48.00 耐荷性 災害抵抗性 走行安全性 橋梁全体損傷度評価値

(44)

【Step 4】総合評価値算出 Step 3 で算出した橋梁全体の損傷度評価値より,総合評価値を算出する. 総合評価値は,100 から損傷度評価値を引いて算出する. 算出例を以下に示す. ■総合評価値 70.00 44.00 52.00 総合評価値 (100-損傷度評価値) 耐荷性 災害抵抗性 走行安全性 ■採用値 44.00 総合評価値 (100-損傷度評価値) 採用値

(45)

6.3 諸元重要度 諸元項目ごとに重み係数を設定し,各諸元項目の評価項目ごとに評点を設定し,加重平均をと ることにより,諸元項目を考慮した重要度を 100 点満点で算出する. 諸元項目の重み設定および評価項目の評点設定を以下に示す. ■項目設定 橋梁諸元 重み係数 交差状況 0.30 路線種別 0.20 人口密集地区 0.20 バス路線 0.15 橋長(m) 0.15 ■各項目の評点設定例 交差状況 路線種別 評価項目 評点 鉄道・道路 100 河川・水路 0 評価項目 評点 一級市道 100 二級市道 50 その他市道 0 人口密集地区 バス路線 評価項目 評点 該当 100 非該当 0 評価項目 評点 該当 100 非該当 0 ※電建団地,座生3地区が該当 橋長(m) 評点 15 未満 0 15 以上 50 未満 35 50 以上 100 未満 70 100 以上 100 データ範囲

(46)

■計算例 上記設定例における計算例を下表に示す. 橋梁諸元 重み係数 評価項目 評点 重み×評点 交差状況 0.30 鉄道 100 30.00 路線種別 0.20 一級市道 100 20.00 人口密集地区 0.20 非該当 0 0.00 バス路線 0.15 該当 100 15.00 橋長(m) 0.15 60.12 70 10.50 諸元重要度  75.50

(47)

6.4 優先順位一覧 計算開始年時点(2015 年)の優先順位一覧を以下に示す. 5023 馬場下橋 23.44 道路 二級 - - 68.00 45.25 61.18 1 4318-2 新橋(歩道橋) 14.25 水路 一級 該当 - 56.00 40.00 51.20 2 2104 岩名大橋 58.70 河川 一級 該当 該当 22.00 65.50 35.05 3 2205 七光台跨線橋 60.12 鉄道 一級 - 該当 14.00 75.50 32.45 4 0018 桐ヶ作2号橋 11.00 水路 その他 - - 46.00 0.00 32.20 5 2105 光葉町2号橋 24.10 河川 二級 該当 該当 24.00 50.25 31.88 6 5101 花井跨線橋 13.64 鉄道 一級 - - 24.00 50.00 31.80 7 2102 座生橋(旧中沼上橋) 255.90 池 二級 該当 該当 14.00 60.00 27.80 8 7110 箕ノ輪橋 16.35 水路 一級 該当 該当 10.00 60.25 25.08 9 2103 座生橋(旧香橋橋) 31.30 河川 二級 該当 該当 10.00 50.25 22.08 10 4318-1 新橋 13.52 水路 一級 該当 - 14.00 40.00 21.80 11 7111 笹久保橋 25.26 水路 その他 該当 - 20.00 25.25 21.58 12 7108 倉ノ橋1号橋 16.09 水路 二級 該当 - 14.00 35.25 20.38 13 4201 上香取橋 23.25 道路 その他 - - 14.00 35.25 20.38 14 0005 西町・元町橋 11.20 水路 その他 - - 28.00 0.00 19.60 15 2106 光葉町3号橋 25.80 河川 二級 該当 - 10.00 35.25 17.58 16 7114 香橋 29.50 河川 二級 該当 - 10.00 35.25 17.58 17 7109 倉ノ橋2号橋 16.14 水路 その他 該当 - 14.00 25.25 17.38 18 7107 孝心1号橋 16.18 水路 その他 該当 - 14.00 25.25 17.38 19 2305 躑躅橋 18.80 河川 その他 該当 - 14.00 25.25 17.38 20 2306 紫陽花橋 18.80 河川 その他 該当 - 14.00 25.25 17.38 21 7112 蓮沼橋 25.50 水路 その他 該当 - 14.00 25.25 17.38 22 7102 下鹿野橋 14.81 水路 その他 該当 - 14.00 20.00 15.80 23 7101 鹿野2号橋 14.84 水路 その他 該当 - 14.00 20.00 15.80 24 1301 小山橋 20.70 水路 一級 - - 10.00 25.25 14.58 25 7105 殿谷3号橋 16.09 水路 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 26 7106 清辺1号橋 16.16 水路 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 27 7104 殿谷2号橋 16.19 水路 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 28 7103 殿谷1号橋 16.20 水路 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 29 2304 吉春橋 18.80 河川 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 30 7113 江川橋 25.30 水路 その他 該当 - 10.00 25.25 14.58 31 5209-1 五反割橋 14.00 水路 一級 - - 12.00 20.00 14.40 32 2303 桜橋 18.80 河川 二級 該当 - 0.00 35.25 10.58 33 4101 中砂橋 14.37 水路 二級 - - 10.00 10.00 10.00 34 0057 武者土橋 15.10 水路 その他 - - 12.00 5.25 9.98 35 0034 木間ヶ瀬11号橋 12.60 水路 その他 - - 14.00 0.00 9.80 36 7100 鹿野1号橋 14.84 水路 その他 - - 14.00 0.00 9.80 37 0702 島新田橋 16.25 水路 その他 - - 10.00 5.25 8.58 38 0032 出洲橋 15.60 水路 一級 - - 0.00 25.25 7.58 39 3109 欅橋 18.80 河川 その他 該当 - 0.00 25.25 7.58 40 0056 上谷中上橋 12.30 水路 その他 - - 10.00 0.00 7.00 41 0030 〆切橋 14.60 水路 その他 - - 10.00 0.00 7.00 42 橋梁コード 橋梁名 交差 状況 路線 種別 橋長 (m) 人口 密集 地区 諸元 重要度 優先度 優先 順位 バス 路線 100-総合 評価値

(48)

7. 予算の平準化

7.1 計算処理イメージ 予算制約計算では,計算年の予算が不足する場合には先送り処理,予算が余剰の場合は前倒し 処理を行う.処理手順のイメージを下図に示す. t t+1 t+2 t+3 予算額 t+4 t+5 予算配分 計算前 t t+1 t+2 t+3 予算額 t+4 t+5 予算配分 計算前 t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+1年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+1年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+2年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+2年の 計算 予算額 (先送り) 計算年 計算年 計算年 計算年

(49)

t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+2年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+2年の 計算 予算額 (先送り) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+3年の 計算 予算額 (処理なし) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+3年の 計算 予算額 (処理なし) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+4年の 計算 予算額 (前倒し) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+4年の 計算 予算額 (前倒し) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+5年の 計算 予算額 (処理なし) t t+1 t+2 t+3 t+4 t+5 t+5年の 計算 予算額 (処理なし) 計算年 計算年 計算年 計算年

(50)

7.2 計算処理手順 予算制約がある場合の計算処理手順を下図および以下に示す. Start 入力情報の読込 各橋梁の計画策定 計算年の対策費の合計算出 計画再策定 予算額と比較 計算年の優先度評価 昇順に並び替え 予算額と比較 対策実施した場合の対策費の合計算出 対策確定 先送り決定 終了判定 (橋梁数) 終了判定 (計算期間) End Step 1 Step 2 Step 3 Step 4 Step 5 Step 6 Step 7 Step 9 Step 8 Step 10 Step 11 Step 12 Step 22 先送り 計算年+t年の優先度評価 昇順に並び替え Step 13 Step 14 前倒し 計画再策定 予算額と比較 対策実施した場合の対策費の合計算出 前倒し未実施 前倒し決定 終了判定 (橋梁数) Step 15 Step 17 Step 16 Step 18 Step 19 Step 20 多い 以内 以内 多い 処理終了 終了判定 (前倒し期間) Step 21

(51)

【Step 1】入力情報の読込 諸元,点検データ,対策情報などを読込む 【Step 2】各橋梁の計画策定 各橋梁の予防保全型シナリオにおいて計算期間分の計画を策定する 【Step 3】計算年の対策費の合計算出 計算対象年における全橋梁の対策費の合計を算出する 【Step 4】予算額と比較 Step 3 で算出した対策費の合計と設定予算額を比較する 設定予算額 より多ければ,Step 5 へ (先送り) 設定予算額-余剰額 未満であれば,Step 13 へ (前倒し) 設定予算額-余剰額 以上であれば,Step 22 へ (処理なし) 【Step 5】計算年の優先度評価 計算年に対策を行う橋梁を対象に,優先度評価値を算出する 【Step 6】優先順位昇順に並び替え Step 5 で算出した優先度評価値の降順に並びかえを行う 【Step 7】対策実施した場合の対策費の合計算出 Step 6 の結果で,降順に対策を実施していくと仮定し,対策費の合計を算出する 【Step 8】予算額と比較 Step 7 で算出した対策費の合計と設定予算額を比較する 設定予算額より多ければ,Step 9 へ 設定予算額以下であれば,Step 11 へ 【Step 9】先送り決定 予算を上回っているので計算年以降に対策を先送りとする

(52)

【Step 10】計画再策定 先送りとなった橋梁の計算年の翌年以降の計画を再策定する 【Step 11】対策確定 予算額以内なので,当初の計画通りで対策確定とする 先送りや対策確定橋梁のイメージを「(1)計画対象橋梁の決定方法」に示す. 【Step 12】終了判定(橋梁数) 橋梁数分,Step 7~11 までの処理を繰返す 【Step 13】計算年+t 年の優先度評価 計算年+t 年に対策を行う橋梁を対象に,優先度評価値を算出する 【Step 14】優先順位昇順に並び替え Step 13 で算出した優先度評価値の降順に並びかえを行う 【Step 15】対策実施した場合の対策費の合計算出 Step 14 の結果で,降順に対策を実施していくと仮定し,計算年の対策費の合計と前倒しした分 の対策費の合計を算出する 【Step 16】予算額と比較 Step 15 で算出した対策費の合計と設定予算額を比較する 設定予算額以下であれば,Step 17 へ 設定予算額より多ければ,Step 19 へ 【Step 17】前倒し決定 計算年の予算内に収まっているので,計算年+t 年の対策を前倒しとする 【Step 18】計画再策定 前倒しとなった橋梁の計算年以降の計画を再策定する

(53)

【Step 19】前倒し未実施 計算年の予算額を超えているので,前倒しせず,当初の計画通りで対策確定とする 【Step 20】終了判定(橋梁数) 橋梁数分,Step 15~19 までの処理を繰返す 【Step 21】終了判定(前倒し期間) 前倒しを考慮する期間数分,Step 13~20 までの処理を繰返す 【Step 22】終了判定(計算期間) 計算期間分,Step 3~21 までの処理を繰返す

(54)

(1) 計画対象橋梁の決定方法 i) 先送りの場合 計算期間の各年で,予算制約額を上回る対策が実施となった場合は,その年における優先度評 価を行い,対策対象橋梁に優先順位を割り付ける. 制約額 20,000 千円の場合の,対策対象橋梁の決定例を下表に示す. 優先順位 橋名 工事費(千円) 対策対象 1 A橋 6,000 ○ 2 B橋 8,000 ○ 3 C橋 7,000 × 4 D橋 5,000 ○ 5 E橋 6,000 × 6 F橋 4,000 × 7 G橋 1,000 ○ 8 H橋 4,000 × 上表に示すように,優先順位昇順に対策有無の判定を行う.対策実施とした場合に,既に対策 実施と判定された橋梁の合計工事費との和が制約額を上回る場合,対策非該当となる. 対策対象から除外された橋梁は,その年に対策をしないという前提で,計画を再策定する.

(55)

ii) 前倒しの場合 計算対象年において,予算余剰と判定された場合は,翌年以降の対策対象橋梁の優先順位づけ を行い,計算対象年の予算額に収まるように前倒しを行う. 本業務では, 前倒しを考慮する年数:5 年 予算余剰額割合:5% として計算する. 余剰額にイメージを下図に示す. 予算額 t+1 t t+1 t t:計算対象年 前倒し判定基準余剰額 予算額 20,000 千円,計算対象年における事業費 12,000 千円(余剰額 8,000 千円)の場合の,前 倒し対象橋梁の決定例を下表に示す. 優先 順位 橋名 工事費 (千円) 前倒し対象 優先 順位 橋名 工事費 (千円) 前倒し対象 1 A橋 9,000 × 1 E橋 2,000 ○ 2 B橋 4,000 ○ 2 F橋 8,000 × 3 C橋 7,000 × 3 G橋 1,000 ○ 4 D橋 5,000 × 4 H橋 5,000 × 計算対象年+1 計算対象年+2 上表に示すように,計算対象年の翌年以降の優先順位昇順に前倒し有無の判定を行う.計算対 象年の事業費に,既に前倒し実施と判定された橋梁の合計工事費との和が制約額を上回る場合は, 前倒し非該当となる. 前倒しされた橋梁は,その年に対策をするという条件で,計画を再策定する.

(56)

(2) 対策分割処理方法 一つの橋梁の対策において設定予算額を上回る場合に,複数年に分割して事業費を計上する. 本業務では, 分割割合:50% として計算する. 分割処理のイメージを下図に示す. 予算額が 100,000 千円に対し,事業費が 180,000 千円で,分割割合を 50%と設定した場合は, 50,000 千円が 3 年間と 30,000 千円の 1 年間の計 4 年間に分割される. t t t+1 t+2 t+3 予算額 (100,000千円) 180,000千円 50,000千円×3 + 30,000千円 例)分割割合を 50%とした場合 ※分割処理された橋梁は,分割処理期間中は,優先度評価指標の値に関わらず,最も優先順位 が高くなるように処理する.

(57)

7.3 シナリオ別事業費の推移

平準化の計算について,設定予算額を以下の 3 シナリオで実施した.

シナリオ1:40 百万円/年 シナリオ2:50 百万円/年

(58)

各シナリオの累計事業費の推移および部材別健全度の平均値の推移を以下に示す. ■事業費用の推移の比較 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業費( 千円) 40百万一定:1,847,868千円 50百万一定:1,919,557千円 上限50百万:1,868,621千円 ■部材別健全度の評価平均の比較 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全 度 40百万一定 50百万一定 上限50百万 40 百万円一定のシナリオは,他の 2 シナリオと比較して健全度平均が悪化していることから, 予算が不足していることが分かる.

(59)

(1) シナリオ1(40 百万円一定) ■事業費用の推移 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事 業費(千 円) 事業費 予算額 累計事業費:1,848 百万円 ■健全度分布の推移(部材別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全度分 布 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 健全度 A B C D E 供用不可 平均 2033 年以降から供用不可(E ランクを下回る)となる部材が発生している. 供用不可となれば,市内の交通網に影響を与えることは必至であるため,このような状態は回 避する必要がある. 供用不可 となる 部材 が 発生している.

(60)

(2) シナリオ2(50 百万円一定) ■事業費用の推移 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業 費(千 円) 事業費 予算額 累計事業費:1,920 百万円 ■健全度分布の推移(部材別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全度 分布 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 健全度 A B C D E 供用不可 平均 シナリオ2は,予算に余剰のある年が複数年みられる. 全部材ともおおむね健全性を維持しているため,設定予算額を確保できれば,適正な管理がで きると判断される.

(61)

(3) シナリオ3(50 百万円→35 百万円) ■事業費用の推移 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 2015 2025 2035 2045 2055 年 事業費 (千 円) 事業費 予算額 累計事業費:1,869 百万円 ■健全度分布の推移(部材別) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2015 2025 2035 2045 2055 年 健全度分布 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 健全度 A B C D E 供用不可 平均 シナリオ2と同様に,予算に余剰のある年が複数年みられる. 段階的に予算を減額することにより,シナリオ2と比較して,累計事業費が安くなっており, おおむね管理水準 C も維持していることから,資産価値を維持するための最適な予算設定である と判断できる.

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8. 長寿命化修繕計画

3 シナリオの平準化の結果より,今後 50 年間の必要予算を, 計画開始から 15 年間:50 百万円/年 計画開始から 16 年目以降:35 百万円/年 8.1 コスト縮減効果 橋梁の維持管理方法を対症療法型から,予防保全型に切り替えた場合,今後50 年間の事業費 を比較すると,対症療法型が114億円に対し,予防保全型が 19 億円となりコスト縮減効果は95億 円となる. 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 2015~2024年 (今後10年間) 2025~2034年 (今後20年間) 2035~2044年 (今後30年間) 2045~2054年 (今後40年間) 2055~2064年 (今後50年間) 事業費( 百 万円) 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 累 積事業費 (百万円) 予防保全型 対症療法型 予防保全型(累積) 対症療法型(累積)

9. 学識経験者からの意見聴取

長寿命化修繕計画の策定にあたり、橋の専門知識を有する学識経験者の方からご意見を頂き ました。 東京理科大学 理工学部 土木工学科 木村吉郎 教授 東京理科大学 理工学部 土木工学科 佐伯昌之 准教授 95 億円縮減 とする.

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参考文献

1)国土技術政策総合研究所プロジェクト研究報告 住宅・社会資本の管理運営技術の開発 2)PC 橋のライフサイクルコストと耐久性向上技術 (社)プレストレスト・コンクリート建設業協会 2003 3)鋼橋のライフサイクルコスト 2011 年版 工事費計算仕様 (社)日本橋梁建設協会 4)‘06 デザインデータブック (社)日本橋梁建設協会 5)国土技術政策総合研究所資料 橋梁の架替に関する調査結果(Ⅳ) 6)道路統計年報 2008 年版 全国道路利用者会議 7)土木工事積算基準マニュアル 平成 23 年度版 建設物価調査会 8)道路橋の維持管理に関する指標開発の取組み 土木技術資料 Vol.49 No.2 pp.66-71

参照

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対策分類 対策項目 選択肢 回答 実施計画

2:入口灯など必要最小限の箇所が点灯 1:2に加え、一部照明設備が点灯 0:ほとんどの照明設備が点灯

3:80%以上 2:50%以上 1:50%未満 0:実施無し 3:毎月実施 2:四半期に1回以上 1:年1回以上

ベース照明について、高効率化しているか 4:80%以上でLED化 3:50%以上でLED化

「北区基本計画

※各事業所が提出した地球温暖化対策計画書の平成28年度の排出実績が第二計画

計画断面 計画対象期間 策定期限 計画策定箇所 年間計画 第1~第2年度 毎年 10 月末日 系統運用部 月間計画 翌月,翌々月 毎月 1 日. 中央給電指令所 週間計画

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