1. はじめに 突風をもたらす大気現象は多岐にわたる。大規模な擾 乱として,温帯低気圧,熱帯低気圧(台風)や季節風な どが,局地的な現象として,海陸風,山谷風,湖陸風な どの局地循環,だし風,おろし風,フェーン,ハイドロ ーリックジャンプ(はね水現象)などの地形に起因した 局地風や山岳波,また海風前線や局地前線に伴う突風な どが挙げられる。一方,降水を伴う現象,特に積乱雲に 伴う突風としては竜巻やダウンバーストが知られている。 各大気擾乱によって,吹く突風の構造も異なっていると 考えられるが,十分理解されているとはいえない。特に, 竜巻やダウンバーストによる突風の性質はよくわかって いない。 本学会では,突風災害の調査を継続して実施している が1)2),特に 2005 年 12 月 25 日の羽越線事故3),2006 年 9 月 17 日台風 13 号に伴い延岡市で発生した竜巻4),2006 年 11 月 7 日北海道佐呂間町で発生した竜巻5)を契機に, 竜巻などの突風に関する研究が盛んに行われるようにな り6)7),室内実験や数値計算による結果が報告されている。 しかしながら,竜巻など瞬発的に発生する突風の実観測 データが乏しく,特に工学モデルに適用可能な高分解能 データは皆無に等しい。また,アメリカで観測されるス ーパーセルの構造はよく理解されているが,未だ構造が 十分に解明されていない現象もある。冬季日本海沿岸の 突風はその代表例といえる。本報告では積乱雲に伴う竜 巻,ダウンバースト,ガストフロントについて,具体的 な観測事例を示し,わが国における,竜巻など突風研究 の現状と課題を気象学的観点から述べる。 2. 突風の定義 「突風」の定量的な定義は,気象学的にも工学的にも ないため,突風が何を指しているか明確にしないと議論 がかみ合わないことがある。突風を具体的に表現する適 当な用語はあるのだろうか。「強風」,「疾風」,「烈風」,「暴 風」などは,ビューフォート風力階級に対応しており, 風速の大きさを表している。「陣風」は,スコールあるい は早手を意味した言葉であり,積乱雲に伴う突風を指し ているが,現在はあまり使われない。 一方,アメリカでは,“少なくとも 16 knot 以上のピー ク風速を有し,20 秒以内に 9 knot の風速増加が観測され る”風速変動を「gust」としている。英語では「gust」 以外に「gale」という用語があるが,ビューフォート風 力階級 8 に対応した強風を意味する。その他,「gush」あ るいは「cloudburst」は,積乱雲からの激しい降水を指 すようである。 「竜巻」は,トルネード(tornado),海上竜巻 (waterspout),陸上竜巻(landspout),上空の漏斗雲な どを総称した用語である。日本では発生した竜巻の構造 を明確に区別できないことが多い。「ダウンバースト」は 下降流突風あるいは下降流噴流という和訳があり,また スケールにより「マイクロバースト」という用語もある。 ダウンバーストの冷気塊が地上付近を発散する,「アウト フロー」は,冷気外出流と訳すが,冷気外出流は寒気の 吹き出しやクールアイランドでも用いられている。以下 本稿では便宜上,竜巻,ダウンバースト,アウトフロー という用語を用いることにする。
Wind Engineers, JAWE Vol.35, No.2(No.123), April 2010
日本風工学会誌 第 35 巻第 2 号(通号第 123 号)平成 22 年 4 月
特 集
突風の正体とその解明
積乱雲にともなう突風―竜巻・ダウンバースト・ガストフロント―
Gust Accompanied by Cumulonimbus –Tornado, Downburst, Gust front–
小林文明
*Fumiaki KOBAYASHI
* 防衛大学校地球海洋学科 准教授
Associate Professor, Department of Geoscience, National Defense Academy
1. はじめに 突風をもたらす大気現象は多岐にわたる。大規模な擾 乱として,温帯低気圧,熱帯低気圧(台風)や季節風な どが,局地的な現象として,海陸風,山谷風,湖陸風な どの局地循環,だし風,おろし風,フェーン,ハイドロ ーリックジャンプ(はね水現象)などの地形に起因した 局地風や山岳波,また海風前線や局地前線に伴う突風な どが挙げられる。一方,降水を伴う現象,特に積乱雲に 伴う突風としては竜巻やダウンバーストが知られている。 各大気擾乱によって,吹く突風の構造も異なっていると 考えられるが,十分理解されているとはいえない。特に, 竜巻やダウンバーストによる突風の性質はよくわかって いない。 本学会では,突風災害の調査を継続して実施している が1)2),特に 2005 年 12 月 25 日の羽越線事故3),2006 年 9 月 17 日台風 13 号に伴い延岡市で発生した竜巻4),2006 年 11 月 7 日北海道佐呂間町で発生した竜巻5)を契機に, 竜巻などの突風に関する研究が盛んに行われるようにな り6)7),室内実験や数値計算による結果が報告されている。 しかしながら,竜巻など瞬発的に発生する突風の実観測 データが乏しく,特に工学モデルに適用可能な高分解能 データは皆無に等しい。また,アメリカで観測されるス ーパーセルの構造はよく理解されているが,未だ構造が 十分に解明されていない現象もある。冬季日本海沿岸の 突風はその代表例といえる。本報告では積乱雲に伴う竜 巻,ダウンバースト,ガストフロントについて,具体的 な観測事例を示し,わが国における,竜巻など突風研究 の現状と課題を気象学的観点から述べる。 2. 突風の定義 「突風」の定量的な定義は,気象学的にも工学的にも ないため,突風が何を指しているか明確にしないと議論 がかみ合わないことがある。突風を具体的に表現する適 当な用語はあるのだろうか。「強風」,「疾風」,「烈風」,「暴 風」などは,ビューフォート風力階級に対応しており, 風速の大きさを表している。「陣風」は,スコールあるい は早手を意味した言葉であり,積乱雲に伴う突風を指し ているが,現在はあまり使われない。 一方,アメリカでは,“少なくとも 16 knot 以上のピー ク風速を有し,20 秒以内に 9 knot の風速増加が観測され る”風速変動を「gust」としている。英語では「gust」 以外に「gale」という用語があるが,ビューフォート風 力階級 8 に対応した強風を意味する。その他,「gush」あ るいは「cloudburst」は,積乱雲からの激しい降水を指 すようである。 「竜巻」は,トルネード(tornado),海上竜巻 (waterspout),陸上竜巻(landspout),上空の漏斗雲な どを総称した用語である。日本では発生した竜巻の構造 を明確に区別できないことが多い。「ダウンバースト」は 下降流突風あるいは下降流噴流という和訳があり,また スケールにより「マイクロバースト」という用語もある。 ダウンバーストの冷気塊が地上付近を発散する,「アウト フロー」は,冷気外出流と訳すが,冷気外出流は寒気の 吹き出しやクールアイランドでも用いられている。以下 本稿では便宜上,竜巻,ダウンバースト,アウトフロー という用語を用いることにする。
Wind Engineers, JAWE Vol.35, No.2(No.123), April 2010
日本風工学会誌 第 35 巻第 2 号(通号第 123 号)平成 22 年 4 月
特 集
突風の正体とその解明
積乱雲にともなう突風―竜巻・ダウンバースト・ガストフロント―
Gust Accompanied by Cumulonimbus –Tornado, Downburst, Gust front–
小林文明
*Fumiaki KOBAYASHI
* 防衛大学校地球海洋学科 准教授
3.竜巻に伴う地上付近の風速分布 竜巻が地上の観測点上を通過することは極めてまれで あり,稠密なメソネットの観測を展開しても竜巻の渦を 捉えることは難しい。アメリカではトルネードの動画か ら,特定の飛散物を抽出して風速を見積もる試みが古く から行われている8)。一方,わが国でも近距離から撮影 された竜巻渦の画像解析を行い,風速を推定した例があ る。スーパーセル型の比較的強い竜巻の解析では,水平 風速が 70 m/s に達し,竜巻渦近傍では水平風速より鉛直 流(上昇流)が卓越していた9)。F1 クラスの竜巻渦の解 析では,竜巻の移動速度や飛散物の速度の変化が大きく, 竜巻のライフサイクルに沿った時間変化が示唆された10)。 それに対して,海上竜巻(waterspout)の事例では,回 転速度は 20 m/s 程度であり,比較的一様であるという結 果が得られた11)12)。 近年,ディジタル写真で竜巻が記録されることが多く なり,離れた場所から撮影された竜巻画像の解析の方法 も提案されている13)。アメリカでは最近,竜巻の至近距 離にレーダーを移動させ,地上付近の渦の風速分布を直 接観測しようとする試みが行われている14)。このような 研究により,現実の竜巻渦と室内実験で得られた渦の構 造とを対比させることが可能になってきた。 竜巻は,残されているデータが事後の被害調査報告の みであることが多い。そのため,竜巻渦と被害のスケー ルの関係を明らかにすることは重要である。図 1 に示し たように,漏斗雲の直径(図中 d1 ),竜巻渦の直径(d2 ) とダストの幅(d3 )と被害幅 d がどのような関係になっ ているかである。この事例では,地上の被害幅は漏斗雲 の直径の約 10 倍であったが,他の事例でどうなっている のか興味深い。
d1
d2
d3
図 1 竜巻の漏斗雲の直径(d1 ),竜巻渦の直径(d2 ) とダストの幅(d3 )の関係 竜巻渦の挙動および構造物に作用する風に関しては, 最近室内実験による試みが行われている 15)16)。室内実験 の場合,境界条件などの問題があるが,地表近傍におけ る渦の構造を実際に観測された竜巻渦と定性的に比較す ることは可能である。 4.ダウンバーストの実態 日本における竜巻の実態は,統計的な報告もあり17), 最近では気象庁が竜巻リストをホームページに掲載して いる。一方,ダウンバーストの実態は,1981 年から 1994 年までに25 件,総数75 個のダウンバーストが確認されて いる18)が,その発生実態はよくわかっていない。これは, ダウンバーストは地上で発散するため竜巻に比較して風 速は弱く,被害が発生しても把握しにくい点が理由とし て挙げられる。また,全国をカバーするドップラーレー ダーでダウンバーストを検出して,発生数を議論するに は至っていない。 アメリカにおける被害の最大値は,竜巻で F5 クラスな のに対して,ダウンバーストでは F3 クラスである19)。日 本ではダウンバーストの被害は,今のところ最大 F2 クラ スである。わが国で大きな被害をもたらしたダウンバー ストの事例として,1991 年 6 月 27 日の岡山ダウンバース ト20),1996 年 7 月 15 日茨城県下館市周辺の例21),2000 年 5 月 24 日関東地方の例22), 2003 年 10 月 13 日千葉県, 茨城県の例23)や 2008 年 7 月 12 日東京都の例24)などが報 告されている。被害をもたらしたダウンバーストは降雹 を伴うことが多く,例えば2000 年 5 月 24 日の事例では, 我孫子市でピンポン玉大の雹が,佐倉市でみかん大の雹 がサンプリングされている。 ダウンバーストの成因は,アメリカ中西部では降水粒 子の蒸発による冷却が主であるのに対して,わが国の事 例では降水粒子が空気を引きずる効果が大きいとされて いる。しかしながら,日本では降雪雲からのダウンバー スト(スノーバースト25))など,さまざまな擾乱に伴い 発生しており,その成因,構造を明らかにする必要があ る。 ダウンバーストの先端,すなわち冷気塊が地上付近を 発散する様子は重力流(密度流)として理解され,周囲 の暖湿気の間に形成されたメソスケールの前線は「ガス トフロント」(突風前線)と呼ばれる。ダウンバーストと ガストフロントの区別は難しく,ドップラーレーダーな どの観測データを用いないと検出できないことも多い。 3.竜巻に伴う地上付近の風速分布 竜巻が地上の観測点上を通過することは極めてまれで あり,稠密なメソネットの観測を展開しても竜巻の渦を 捉えることは難しい。アメリカではトルネードの動画か ら,特定の飛散物を抽出して風速を見積もる試みが古く から行われている 8)。一方,わが国でも近距離から撮影 された竜巻渦の画像解析を行い,風速を推定した例があ る。スーパーセル型の比較的強い竜巻の解析では,水平 風速が 70 m/s に達し,竜巻渦近傍では水平風速より鉛直 流(上昇流)が卓越していた9)。F1 クラスの竜巻渦の解 析では,竜巻の移動速度や飛散物の速度の変化が大きく, 竜巻のライフサイクルに沿った時間変化が示唆された10)。 それに対して,海上竜巻(waterspout)の事例では,回 転速度は 20 m/s 程度であり,比較的一様であるという結 果が得られた11)12)。 近年,ディジタル写真で竜巻が記録されることが多く なり,離れた場所から撮影された竜巻画像の解析の方法 も提案されている13)。アメリカでは最近,竜巻の至近距 離にレーダーを移動させ,地上付近の渦の風速分布を直 接観測しようとする試みが行われている14)。このような 研究により,現実の竜巻渦と室内実験で得られた渦の構 造とを対比させることが可能になってきた。 竜巻は,残されているデータが事後の被害調査報告の みであることが多い。そのため,竜巻渦と被害のスケー ルの関係を明らかにすることは重要である。図 1 に示し たように,漏斗雲の直径(図中 d1 ),竜巻渦の直径(d2 ) とダストの幅(d3 )と被害幅 d がどのような関係になっ ているかである。この事例では,地上の被害幅は漏斗雲 の直径の約 10 倍であったが,他の事例でどうなっている のか興味深い。d1
d2
d3
図 1 竜巻の漏斗雲の直径(d1 ),竜巻渦の直径(d2 ) とダストの幅(d3 )の関係 竜巻渦の挙動および構造物に作用する風に関しては, 最近室内実験による試みが行われている 15)16)。室内実験 の場合,境界条件などの問題があるが,地表近傍におけ る渦の構造を実際に観測された竜巻渦と定性的に比較す ることは可能である。 4.ダウンバーストの実態 日本における竜巻の実態は,統計的な報告もあり17), 最近では気象庁が竜巻リストをホームページに掲載して いる。一方,ダウンバーストの実態は,1981 年から 1994 年までに25 件,総数75 個のダウンバーストが確認されて いる18)が,その発生実態はよくわかっていない。これは, ダウンバーストは地上で発散するため竜巻に比較して風 速は弱く,被害が発生しても把握しにくい点が理由とし て挙げられる。また,全国をカバーするドップラーレー ダーでダウンバーストを検出して,発生数を議論するに は至っていない。 アメリカにおける被害の最大値は,竜巻で F5 クラスな のに対して,ダウンバーストでは F3 クラスである19)。日 本ではダウンバーストの被害は,今のところ最大 F2 クラ スである。わが国で大きな被害をもたらしたダウンバー ストの事例として,1991 年 6 月 27 日の岡山ダウンバース ト20),1996 年 7 月 15 日茨城県下館市周辺の例21),2000 年 5 月 24 日関東地方の例22), 2003 年 10 月 13 日千葉県, 茨城県の例23)や 2008 年 7 月 12 日東京都の例24)などが報 告されている。被害をもたらしたダウンバーストは降雹 を伴うことが多く,例えば2000 年 5 月 24 日の事例では, 我孫子市でピンポン玉大の雹が,佐倉市でみかん大の雹 がサンプリングされている。 ダウンバーストの成因は,アメリカ中西部では降水粒 子の蒸発による冷却が主であるのに対して,わが国の事 例では降水粒子が空気を引きずる効果が大きいとされて いる。しかしながら,日本では降雪雲からのダウンバー スト(スノーバースト25))など,さまざまな擾乱に伴い 発生しており,その成因,構造を明らかにする必要があ る。 ダウンバーストの先端,すなわち冷気塊が地上付近を 発散する様子は重力流(密度流)として理解され,周囲 の暖湿気の間に形成されたメソスケールの前線は「ガス トフロント」(突風前線)と呼ばれる。ダウンバーストと ガストフロントの区別は難しく,ドップラーレーダーな どの観測データを用いないと検出できないことも多い。5.ガストフロントに伴う突風 ここではガストフロントの突風観測事例26)を示す。図 2 はガストフロント通過時に記録された風速(風車型風速 計)の自記記録であり,2 回のガストが観測されていたこ とがわかる。このガストの構造を詳しくみるために,5 秒間隔でサンプリングされたウェザーステーション(地 上気象観測システム)のデータを図 3 に示す。ガストフ ロント上で形成されたアーククラウドの先端通過時 (13:10JST,図中太い点線)をガストフロント通過とす ると,ガスト(ガスト群のピーク)は 3 分後の 13:13JST と 11 分後の 13:21JST の 2 回発生しており,ピーク値は 1 回目のガストが 14 m/s,2 回目は 15 m/s を記録した。各 気象要素も特徴的な変化を示し,気圧はガストフロント 通過前後で 1.6 hPa 上昇した後それぞれのガストに対応 して 0.4 hPa 程度の変動(ガスト前に低下,ガスト後に 上昇)がみられた。気温はガストフロント通過後から一 様に低下し,最終的に 4.6 ℃下がった。水蒸気量を表す 混合比はガストフロント通過後,4.4 g/kg 急激に減少し ただけでなく,ガスト時にも 0.5 g/kg 程度の低下 (humidity dip)が観測された。以上の変化は,周囲の 暖湿気と相対的に寒冷で乾燥したアウトフロー内の気塊 の違いがそれぞれ 1.6 hPa(気圧),4.6 ℃(気温),4.4 g/kg (混合比)の変化として現れ,さらにガストフロントの 鉛直循環に対応したより短周期の変動が,気圧(0.4 hPa), と混合比(0.5 g/kg)に生じたと説明された。 12 13 14 15 16 10m/s 20m/s Time (JST) 時系列の向き 屋上に設置したエーロベーン(自記紙) 図 2 ガストフロント通過時の風速自記記録紙26) ドップラーソーダで観測されたガストフロントの構造 は,強風域が約 2 分間高度 30 m から 500 m の全層で卓越 し,その中で 25 m/s を越える強風コアが存在していた。 地上のガストは下層の強風コアと時間的に対応していた。 ガストフロントの鉛直循環は水平スケール 5 km,鉛直ス ケール 500 m を有し,5 m/s を越える上昇流と下降流が存 在した。上空の強風域,地上のガストはこの鉛直循環の 前面に位置しており,2 回のガストは連続して形成された 2 回の鉛直循環に伴って発生した。各々のガストは,何回 かのピーク風速を伴ったガスト群としてその微細構造が 観測された。 993.2 992.4 991.6 P res sure ( hP a) P(hPa) 13 15 17 M ixi n g R a ti o( g /k g ) x(g/kg) 13:00 13:08 13:16 13:24 13:32 13:40 S E W N E S N 22 28 26 24 20 10 0 T e m p erat u re (℃) Wi n d S p eed (m/s ) W ind D ire cti o n( de g) T(℃) WS(m/s) WD(deg)
GF
13:13’21 13:20’55 4.6℃ 1.6hPa 4.4g/kg Time (JST) 図 3 ガストフロント通過時の各気象要素の時系列(上か ら,風速,風向,気圧,気温,混合比)26) 6. 冬季日本海沿岸で観測される突風 冬季日本海上や日本海沿岸域で形成されるメソスケー ル擾乱はその構造や形成過程が十分に理解されていると はいえず,これらの擾乱に伴う突風も不明な点が多く残 されている。日本海上で発生する渦状擾乱の研究の歴史 をたどると,年代とともに細かい構造がみえてきた経緯 がわかる。1970 年代には気象衛星画像から,数 10 km か ら数 100 km におよぶ,さまざまなスケールの渦が日本海 上で発生することが指摘された27)。その後,レーダー観 測などにより,これら擾乱内に形成される直径 10 km 程 度の渦の構造が議論されるようになり,最近では,冬季 寒気場内で発生する竜巻28)まで観測するに至っている。 図 4 は寒気場内の日本海上で形成された直径 30 km の 5.ガストフロントに伴う突風 ここではガストフロントの突風観測事例26)を示す。図 2 はガストフロント通過時に記録された風速(風車型風速 計)の自記記録であり,2 回のガストが観測されていたこ とがわかる。このガストの構造を詳しくみるために,5 秒間隔でサンプリングされたウェザーステーション(地 上気象観測システム)のデータを図 3 に示す。ガストフ ロント上で形成されたアーククラウドの先端通過時 (13:10JST,図中太い点線)をガストフロント通過とす ると,ガスト(ガスト群のピーク)は 3 分後の 13:13JST と 11 分後の 13:21JST の 2 回発生しており,ピーク値は 1 回目のガストが 14 m/s,2 回目は 15 m/s を記録した。各 気象要素も特徴的な変化を示し,気圧はガストフロント 通過前後で 1.6 hPa 上昇した後それぞれのガストに対応 して 0.4 hPa 程度の変動(ガスト前に低下,ガスト後に 上昇)がみられた。気温はガストフロント通過後から一 様に低下し,最終的に 4.6 ℃下がった。水蒸気量を表す 混合比はガストフロント通過後,4.4 g/kg 急激に減少し ただけでなく,ガスト時にも 0.5 g/kg 程度の低下 (humidity dip)が観測された。以上の変化は,周囲の 暖湿気と相対的に寒冷で乾燥したアウトフロー内の気塊 の違いがそれぞれ 1.6 hPa(気圧),4.6 ℃(気温),4.4 g/kg (混合比)の変化として現れ,さらにガストフロントの 鉛直循環に対応したより短周期の変動が,気圧(0.4 hPa), と混合比(0.5 g/kg)に生じたと説明された。 12 13 14 15 16 10m/s 20m/s Time (JST) 時系列の向き 屋上に設置したエーロベーン(自記紙) 図 2 ガストフロント通過時の風速自記記録紙26) ドップラーソーダで観測されたガストフロントの構造 は,強風域が約 2 分間高度 30 m から 500 m の全層で卓越 し,その中で 25 m/s を越える強風コアが存在していた。 地上のガストは下層の強風コアと時間的に対応していた。 ガストフロントの鉛直循環は水平スケール 5 km,鉛直ス ケール 500 m を有し,5 m/s を越える上昇流と下降流が存 在した。上空の強風域,地上のガストはこの鉛直循環の 前面に位置しており,2 回のガストは連続して形成された 2 回の鉛直循環に伴って発生した。各々のガストは,何回 かのピーク風速を伴ったガスト群としてその微細構造が 観測された。 993.2 992.4 991.6 P res sure ( hP a) P(hPa) 13 15 17 M ixi n g R a ti o( g /k g ) x(g/kg) 13:00 13:08 13:16 13:24 13:32 13:40 S E W N E S N 22 28 26 24 20 10 0 T e m p erat u re (℃) Wi n d S p eed (m/s ) W ind D ire cti o n( de g) T(℃) WS(m/s) WD(deg)GF
13:13’21 13:20’55 4.6℃ 1.6hPa 4.4g/kg Time (JST) 図 3 ガストフロント通過時の各気象要素の時系列(上か ら,風速,風向,気圧,気温,混合比)26) 6. 冬季日本海沿岸で観測される突風 冬季日本海上や日本海沿岸域で形成されるメソスケー ル擾乱はその構造や形成過程が十分に理解されていると はいえず,これらの擾乱に伴う突風も不明な点が多く残 されている。日本海上で発生する渦状擾乱の研究の歴史 をたどると,年代とともに細かい構造がみえてきた経緯 がわかる。1970 年代には気象衛星画像から,数 10 km か ら数 100 km におよぶ,さまざまなスケールの渦が日本海 上で発生することが指摘された27)。その後,レーダー観 測などにより,これら擾乱内に形成される直径 10 km 程 度の渦の構造が議論されるようになり,最近では,冬季 寒気場内で発生する竜巻28)まで観測するに至っている。 図 4 は寒気場内の日本海上で形成された直径 30 km の渦(メソサイクロン)通過時に観測された各気象要素の 時間変化である29)。渦の中心が通過する際一旦風が止み, その前後で 20 m/s を超える突風が観測され,ミニチュア の台風のような風速パターンの様相を呈した。この渦の 通過に伴い,気圧は約 1 hPa 下降し,気温は 3 ℃ほど上 昇した。気温が上昇したのは,内陸の気温より海上の気 塊の方が相対的に暖かいためである。渦の中心通過時に はさらに気温は上昇し,この渦は暖気核を有していたこ とがわかる。 冬季日本海沿岸で観測される渦はさまざまなスケー ルと構造を有している30)31)。このような渦の構造と地上 の突風の関係や,渦(メソサイクロン)の中でどのよう な条件下で竜巻が発生するのかなど明らかにすべき課題 は多い。また,降雪雲に伴い発生する竜巻やダウンバー スト32)がどの程度の風速を有するのかもよくわかってい ない。夏季の積乱雲に比べて,日本海上の雪雲はスケー ルが小さく,雲頂高度も低い。このような雪雲から最大 でどの程度の突風が起こりうるのか確かめる必要がある。 実際,1991 年 12 月 11 日に金沢市で発生した竜巻では, 100 棟以上の家屋に被害が生じ,少なくとも F2 クラスと 推定された事例もある33)。 図 4 冬季日本海上で形成されたメソスケールの渦通過 時の各気象要素の変化29) 7. 突風の統計的特徴 地上における突風(最大瞬間風速値)は,観測地点が 少なく事例解析でも風速値が議論されることはまれであ り,まして統計的に議論できるだけの数を集めることは 難しい。しかしながら,冬季季節風卓越時に日本海側沿 岸では断続的な降雪が続くため,長期の観測を行えば 1 観測地点でも上空を通過する複数の降雪雲からもたらさ れる突風の特徴を把握することが可能である。 北陸沿岸で行った観測34)では,2 冬期間合計 75 日, 108000 個の 1 分値(最大瞬間風速)データを解析した。 全体の約 8 割近くが 10 m/s 未満の風で,10 m/s 以上 15 m/s 未満の風速は 18%,15 m/s 以上 20 m/s 未満の風速は 3%,20 m/s 以上の風速は全体の 0.1%であった。このデー タをもとに,1 個の降雪雲に対応した時空間スケールで, 前後の時系列のなかで顕著な風速ピークを有するものを 突風と考え,以下の判別式からピーク風速 Wc を突風と定 義した。 Wc ≧ 8 m/s ・・・・・・・・・・・・・・・(1) Wc≧W+ave + 4 m/s and Wc≧W-ave + 4 m/s ・・(2) Wc≧1.25 W+ave and Wc≧1.25 W-ave ・・・・(3) W+ave ≦ 1.5 W-ave ・・・・・・・・・・・(4) W-ave (W+ave)は前(後)6 分間の最大瞬間風速の平均値と し,(1)から(4)まですべてを満たすピーク風速 Wc を突風 (ガスト)と定義した。図 5 は検出された 157 例のガス トの風速別頻度分布を示しており,15 m/s 以上 20 m/s 未満の突風は全体の約 4 割,20 m/s 以上 25 m/s 以下の突 風は約 2 割を占めた。この検出されたガストの 65 %が「エ コーあり(with echo)」,22 %が「エコーなし(no echo)」 であった。判別不可能などの例を除くと,ガストの約 3/4 がエコーを伴っており,多くの突風が降雪雲(対流雲) と関連していることが示唆された。 図 6 は突風の時刻別発生頻度である。北陸沿岸では, 日中(07~18 JST)に相対的に高頻度でガストが発生し, 深夜(00~04 JST)に頻度が低いことがわかる。これは, 陸風など局地循環による対流の抑制や強化,混合層内の 対流強化などの要因が考えられる。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 ~ 10 ~ 15 ~ 20 ~ 25 WIND SPEED (m/s) FR EQ UE NC Y 157 CASES 図 5 検出されたガスト 157 事例の風速別頻度34) 渦(メソサイクロン)通過時に観測された各気象要素の 時間変化である29)。渦の中心が通過する際一旦風が止み, その前後で 20 m/s を超える突風が観測され,ミニチュア の台風のような風速パターンの様相を呈した。この渦の 通過に伴い,気圧は約 1 hPa 下降し,気温は 3 ℃ほど上 昇した。気温が上昇したのは,内陸の気温より海上の気 塊の方が相対的に暖かいためである。渦の中心通過時に はさらに気温は上昇し,この渦は暖気核を有していたこ とがわかる。 冬季日本海沿岸で観測される渦はさまざまなスケー ルと構造を有している 30)31)。このような渦の構造と地上 の突風の関係や,渦(メソサイクロン)の中でどのよう な条件下で竜巻が発生するのかなど明らかにすべき課題 は多い。また,降雪雲に伴い発生する竜巻やダウンバー スト32)がどの程度の風速を有するのかもよくわかってい ない。夏季の積乱雲に比べて,日本海上の雪雲はスケー ルが小さく,雲頂高度も低い。このような雪雲から最大 でどの程度の突風が起こりうるのか確かめる必要がある。 実際,1991 年 12 月 11 日に金沢市で発生した竜巻では, 100 棟以上の家屋に被害が生じ,少なくとも F2 クラスと 推定された事例もある33)。 図 4 冬季日本海上で形成されたメソスケールの渦通過 時の各気象要素の変化29) 7. 突風の統計的特徴 地上における突風(最大瞬間風速値)は,観測地点が 少なく事例解析でも風速値が議論されることはまれであ り,まして統計的に議論できるだけの数を集めることは 難しい。しかしながら,冬季季節風卓越時に日本海側沿 岸では断続的な降雪が続くため,長期の観測を行えば 1 観測地点でも上空を通過する複数の降雪雲からもたらさ れる突風の特徴を把握することが可能である。 北陸沿岸で行った観測34)では,2 冬期間合計 75 日, 108000 個の 1 分値(最大瞬間風速)データを解析した。 全体の約 8 割近くが 10 m/s 未満の風で,10 m/s 以上 15 m/s 未満の風速は 18%,15 m/s 以上 20 m/s 未満の風速は 3%,20 m/s 以上の風速は全体の 0.1%であった。このデー タをもとに,1 個の降雪雲に対応した時空間スケールで, 前後の時系列のなかで顕著な風速ピークを有するものを 突風と考え,以下の判別式からピーク風速 Wc を突風と定 義した。 Wc ≧ 8 m/s ・・・・・・・・・・・・・・・(1) Wc≧W+ave + 4 m/s and Wc≧W-ave + 4 m/s ・・(2) Wc≧1.25 W+ave and Wc≧1.25 W-ave ・・・・(3) W+ave ≦ 1.5 W-ave ・・・・・・・・・・・(4) W-ave (W+ave)は前(後)6 分間の最大瞬間風速の平均値と し,(1)から(4)まですべてを満たすピーク風速 Wc を突風 (ガスト)と定義した。図 5 は検出された 157 例のガス トの風速別頻度分布を示しており,15 m/s 以上 20 m/s 未満の突風は全体の約 4 割,20 m/s 以上 25 m/s 以下の突 風は約 2 割を占めた。この検出されたガストの 65 %が「エ コーあり(with echo)」,22 %が「エコーなし(no echo)」 であった。判別不可能などの例を除くと,ガストの約 3/4 がエコーを伴っており,多くの突風が降雪雲(対流雲) と関連していることが示唆された。 図 6 は突風の時刻別発生頻度である。北陸沿岸では, 日中(07~18 JST)に相対的に高頻度でガストが発生し, 深夜(00~04 JST)に頻度が低いことがわかる。これは, 陸風など局地循環による対流の抑制や強化,混合層内の 対流強化などの要因が考えられる。 0 10 20 30 40 50 60 70 80 ~ 10 ~ 15 ~ 20 ~ 25 WIND SPEED (m/s) FR EQ UE NC Y 157 CASES 図 5 検出されたガスト 157 事例の風速別頻度34)
現在,同様の解析を,庄内平野を対象に行っているが 35),突風の頻度やそのピーク値などにかなり違いがみら れ,同じ冬型時でも地域が異なると突風の発生する環境 条件が異なり,突風の地域差が生じることが示された。 0 5 10 3 6 9 12 15 18 21 24 TIME (JST) FR EQ UE NC Y 図 6 検出されたガストの時刻別発生頻度34) 8. 今後の課題 日本では年間を通じて様々な大気擾乱により突風が発 生している。竜巻やダウンバーストに限っても,十分に その実態や構造が理解されているとはいえない。本文で も一部述べたが,興味ある課題を最後に列記する。 ・ 日本におけるダウンバースト/ガストフロントの発 生頻度,被害実態の把握。また実態把握のため,地 上被害の調査方法やドップラーレーダーを用いた検 出方法の検討が必要。 ・ 日本で発生する,ダウンバースト/ガストフロント の発生メカニズムと顕著なダウンバースト/ガスト フロントをもたらす積乱雲の解明。 ・ 日本で発生しうる竜巻/ダウンバーストの極値。竜 巻に関しては F3 が最大値だが,F4 や F5 の竜巻は日 本で発生するのか,ダウンバースト時に 50 m/s を超 える風は吹きうるのか,発生確率の検討。 ・ 突風の地域特性。それぞれの地域で発生する突風の 気候学とでもいうべき,突風の統計的な特徴の把握。 ・ 台風などのメソ擾乱の内部で形成される,竜巻など の小規模擾乱の構造およびその突風の特性。 ・ 冬の日本海沿岸における突風の研究。一様な季節風 が卓越する寒気場内で発生する突風の特徴と,突風 をもたらすメソ擾乱の理解。 ・ 工学に寄与する竜巻やダウンバーストの観測データ の蓄積。実際の竜巻やダウンバーストで,突風の立 ち上がり時間 36)や,上昇流・下降流の効果がどうな っているか検証が必要。 ・ 突風の実観測データと室内実験/数値計算結果との 比較検討。 参考文献 1) 日本風工学会風災害研究会,風災害 No.5,日本風工 学会誌,33(116), pp.259-264, 2008 2) 日本風工学会風災害研究会,風災害 No.6,日本風工 学会誌,34(119), pp.273-278, 2009 3) 小林文明,松井正宏,田村幸雄,2005 年 12 月 25 日 から 26 日にかけて北日本で発生した突風災害,日本 風工学会誌,107, pp.137-144, 2006 4) 宮城弘守,菊川裕規,松井正宏,曹曙陽,田村幸雄, 2006 年台風 13 号に伴って発生した竜巻による延岡 市の被害,日本風工学会風災害研究会, 2006 年台風 13 号および同年11月7日に北海道佐呂間町で発生し た竜巻による強風災害に関する調査報告書, pp.71-80, 2007 5) 曹曙陽,小林文明,吉田昭仁,松井正宏,菊池浩利, 佐々浩司,田村幸雄,北海道佐呂間町における竜巻 による建物被害,北海道佐呂間町で発生した竜巻に よる甚大な災害に関する調査研究,平成 18 年度科学 研究費補助金(特別研究促進費:研究課題番号 18900003)研究成果報告書,pp.130-140, 2007 6) 小林文明,木村吉郎,丸山敬,劉発華,佐々浩司, 松井正宏,大塚清敏,気象擾乱研究会の報告,日本 風工学会誌,33(104), pp.53-60, 2008 7) 田村幸雄編,竜巻等の実態および発生予測と対策, 平成19年度科学技術振興調整費重要政策課題への機 動的対応の推進研究成果報告書,486pp, 2008 8) Golden, J. H., and D. Purcell, Photogrammetric
velocities for the Great Bend, Kansas, tornado of 30 August 1974: accelerations and asymmetries, Mon. Wea. Rev., 105, pp.485-492, 1977
9) 小林文明,菊地勝弘,竜巻に伴う漏斗雲と地上の強 風域の観測的研究, 第 13 回風工学シンポジウム論 文集,pp.25-30, 1994 10) 野田稔,長尾文明,2007 年 8 月 29 日に徳島市国府町 で起こった竜巻災害について,日本風工学会論文集, 33(115), pp.51-59, 2008 11) 小林文明,千葉修,松村哲,1994 年 10 月 4 日土佐湾 上で発生した竜巻群の形態と構造,天気,44, pp.19-34, 1997 現在,同様の解析を,庄内平野を対象に行っているが 35),突風の頻度やそのピーク値などにかなり違いがみら れ,同じ冬型時でも地域が異なると突風の発生する環境 条件が異なり,突風の地域差が生じることが示された。 0 5 10 3 6 9 12 15 18 21 24 TIME (JST) FR EQ UE NC Y 図 6 検出されたガストの時刻別発生頻度34) 8. 今後の課題 日本では年間を通じて様々な大気擾乱により突風が発 生している。竜巻やダウンバーストに限っても,十分に その実態や構造が理解されているとはいえない。本文で も一部述べたが,興味ある課題を最後に列記する。 ・ 日本におけるダウンバースト/ガストフロントの発 生頻度,被害実態の把握。また実態把握のため,地 上被害の調査方法やドップラーレーダーを用いた検 出方法の検討が必要。 ・ 日本で発生する,ダウンバースト/ガストフロント の発生メカニズムと顕著なダウンバースト/ガスト フロントをもたらす積乱雲の解明。 ・ 日本で発生しうる竜巻/ダウンバーストの極値。竜 巻に関しては F3 が最大値だが,F4 や F5 の竜巻は日 本で発生するのか,ダウンバースト時に 50 m/s を超 える風は吹きうるのか,発生確率の検討。 ・ 突風の地域特性。それぞれの地域で発生する突風の 気候学とでもいうべき,突風の統計的な特徴の把握。 ・ 台風などのメソ擾乱の内部で形成される,竜巻など の小規模擾乱の構造およびその突風の特性。 ・ 冬の日本海沿岸における突風の研究。一様な季節風 が卓越する寒気場内で発生する突風の特徴と,突風 をもたらすメソ擾乱の理解。 ・ 工学に寄与する竜巻やダウンバーストの観測データ の蓄積。実際の竜巻やダウンバーストで,突風の立 ち上がり時間 36)や,上昇流・下降流の効果がどうな っているか検証が必要。 ・ 突風の実観測データと室内実験/数値計算結果との 比較検討。 参考文献 1) 日本風工学会風災害研究会,風災害 No.5,日本風工 学会誌,33(116), pp.259-264, 2008 2) 日本風工学会風災害研究会,風災害 No.6,日本風工 学会誌,34(119), pp.273-278, 2009 3) 小林文明,松井正宏,田村幸雄,2005 年 12 月 25 日 から 26 日にかけて北日本で発生した突風災害,日本 風工学会誌,107, pp.137-144, 2006 4) 宮城弘守,菊川裕規,松井正宏,曹曙陽,田村幸雄, 2006 年台風 13 号に伴って発生した竜巻による延岡 市の被害,日本風工学会風災害研究会, 2006 年台風 13 号および同年11月7日に北海道佐呂間町で発生し た竜巻による強風災害に関する調査報告書, pp.71-80, 2007 5) 曹曙陽,小林文明,吉田昭仁,松井正宏,菊池浩利, 佐々浩司,田村幸雄,北海道佐呂間町における竜巻 による建物被害,北海道佐呂間町で発生した竜巻に よる甚大な災害に関する調査研究,平成 18 年度科学 研究費補助金(特別研究促進費:研究課題番号 18900003)研究成果報告書,pp.130-140, 2007 6) 小林文明,木村吉郎,丸山敬,劉発華,佐々浩司, 松井正宏,大塚清敏,気象擾乱研究会の報告,日本 風工学会誌,33(104), pp.53-60, 2008 7) 田村幸雄編,竜巻等の実態および発生予測と対策, 平成19年度科学技術振興調整費重要政策課題への機 動的対応の推進研究成果報告書,486pp, 2008 8) Golden, J. H., and D. Purcell, Photogrammetric
velocities for the Great Bend, Kansas, tornado of 30 August 1974: accelerations and asymmetries, Mon. Wea. Rev., 105, pp.485-492, 1977
9) 小林文明,菊地勝弘,竜巻に伴う漏斗雲と地上の強 風域の観測的研究, 第 13 回風工学シンポジウム論 文集,pp.25-30, 1994 10) 野田稔,長尾文明,2007 年 8 月 29 日に徳島市国府町 で起こった竜巻災害について,日本風工学会論文集, 33(115), pp.51-59, 2008 11) 小林文明,千葉修,松村哲,1994 年 10 月 4 日土佐湾 上で発生した竜巻群の形態と構造,天気,44, pp.19-34, 1997
12) 小林文明,菅原祐也,今井真希,前坂 剛,2007 年 5 月 31 日に千葉県富津沖で発生した竜巻の風速分布, 日本風工学会論文集, 33(115), pp.45-50, 2008 13) 宮城弘守,鈴木修,写真に記録されたディジタル情 報を用いた海上竜巻の幾何学的分析,第 20 回風工学 シンポジウム論文集,pp.163-168, 2008
14) Wurman, J., Low level winds in tornadoes observed by radars and in situ instrumentation, Proceedings of 33rd International Conference on Radar Meteorology, p.136, 2007 15) 佐々浩司,竹村早紀,移動竜巻の下層構造の実験的 解明,第20 回風工学シンポジウム論文集,pp.157-162, 2008 16) 松井正宏,田村幸雄,吉田昭仁,竜巻状旋回流中に おかれた立方体に作用する風圧と移動効果による旋 回流形成への影響に関する実験的研究,第 20 回風工 学シンポジウム論文集,pp.319-324, 2008
17) Niino, H., T. Fujitani and N. Watanabe, A statistical study of tornadoes and waterspouts in Japan from 1961 to 1993, J. Climate, 10, pp.1730-1752, 1997
18) 大野久雄,鈴木修,楠研一,日本におけるダウンバ ースト発生の実態,天気,43,pp.101-112, 1996 19) Fujita, T.T., Tornadoes and Downbursts in the
Context of Generalized Planetary Scales, J. Atmos. Sci., 38, pp.1511-1534, 1981
20) Ohno, H., O. Suzuki, K. Kusunoki, H. Nirasawa and K. Nakai, Okayama Downburst on 27 June 1991: Downburst Identifications and Environmental Conditions, J. Meteor. Soc. Japan, 72, pp.197-222, 1994 21) 中村一,下館市周辺で発生したダウンバースト,気 象,41, pp.14-19, 1997 22) 森真理子,高谷美正,関東地方で発生した降ひょう・ ダウンバーストを伴ったスーパーセルの事例解析, 天気,51, pp.567-581, 2004 23) 大久保篤,柴田のり子,根口光太郎,辻本嘉大,橘 田重延,大石喜仁,武井康郎,水野康隆,宮原寿夫, 仲居史志,2003 年 10 月 13 日に千葉県,茨城県で発 生 し た ダ ウン バ ー ス ト に つ い て ,天 気 , 51, pp.363-369, 2004 24) 鈴木真一,前坂剛,岩波越,木枝香織,真木雅之, 三隅良平,清水慎吾,加藤敦,2008 年 7 月 12 日に東 京都で突風被害を発生させた積乱雲の構造,第 55 回 風に関するシンポジウム,2009
25) Shirooka, R., and H. Uyeda, Morphological Structure of Snowburst in the Winter Monsoon Surges, J. Meteor. Soc. Japan, 68, pp.677-686, 1990 26) 小林文明,鈴木菊男,菅原広史,前田直樹,中藤誠 二,ガストフロントの突風構造,日本風工学会論文 集,32(110), pp.21-28, 2007 27) 浅井冨雄,日本海豪雪の中規模的様相,天気,35, pp.156-161, 1988
28) Kobayashi, F., Y. Sugimoto, T. Suzuki, T. Maesaka and Q. Moteki, Doppler radar observation of a tornado generated over the Japan Sea coast during a cold air outbreak, J. Meteor. Soc. Japan, 85, pp.321-334, 2007
29) Kobayashi, F., K. Kikuchi and H. Uyeda, A mesocyclone generated in snow clouds observed by radar on the west coast of Hokkaido island, Japan, J. Fac. Sci., Hokkaido Univ., 8, pp.381-396, 1989 30) Ninomiya, K., J. Fujimori and T. Akiyama, Multi-scale features of the cold air outbreak over the Japan Sea and the northwestern Pacific, J. Meteoro. Soc. Japan, 74, pp.745-761, 1996 31) 山岸米二郎,土井雅彦,北畠尚子,上口弘晃,強い 突風を伴った寒気(団)内低気圧,天気,39, pp.27-36, 1992. 32) 小林文明,スノーバースト,日本風工学会誌,99, カ ラーページ,2004 33) 小林文明,内藤玄一,道本光一郎,冬季日本海上の 降雪雲に伴って発生した竜巻-1991 年 12 月 11 日金 沢市の突風-,第 12 回風工学シンポジウム論文集, pp.55 ー 60, 1992 34) 小林文明,白岩馨,上野洋介,降雪雲に伴う突風の 統計的特徴―北陸沿岸における観測―,天気,55, pp.651-660, 2008 35) 小林文明,河合克仁,保野聡裕,加藤亘,三須弥生, 庄内平野における降雪雲に伴うガストの統計的特徴, 日本風工学会誌, 34(119), pp.105-106, 2009 36) 竹内崇,前田潤滋,川下寛正,車両形状物体に作用 する風力に及ぼす突風の立ち上がり時間の影響, 第 20 回風工学シンポジウム論文集,pp.331-336, 2008 12) 小林文明,菅原祐也,今井真希,前坂 剛,2007 年 5 月 31 日に千葉県富津沖で発生した竜巻の風速分布, 日本風工学会論文集, 33(115), pp.45-50, 2008 13) 宮城弘守,鈴木修,写真に記録されたディジタル情 報を用いた海上竜巻の幾何学的分析,第 20 回風工学 シンポジウム論文集,pp.163-168, 2008
14) Wurman, J., Low level winds in tornadoes observed by radars and in situ instrumentation, Proceedings of 33rd International Conference on Radar Meteorology, p.136, 2007 15) 佐々浩司,竹村早紀,移動竜巻の下層構造の実験的 解明,第20 回風工学シンポジウム論文集,pp.157-162, 2008 16) 松井正宏,田村幸雄,吉田昭仁,竜巻状旋回流中に おかれた立方体に作用する風圧と移動効果による旋 回流形成への影響に関する実験的研究,第 20 回風工 学シンポジウム論文集,pp.319-324, 2008
17) Niino, H., T. Fujitani and N. Watanabe, A statistical study of tornadoes and waterspouts in Japan from 1961 to 1993, J. Climate, 10, pp.1730-1752, 1997
18) 大野久雄,鈴木修,楠研一,日本におけるダウンバ ースト発生の実態,天気,43,pp.101-112, 1996 19) Fujita, T.T., Tornadoes and Downbursts in the
Context of Generalized Planetary Scales, J. Atmos. Sci., 38, pp.1511-1534, 1981
20) Ohno, H., O. Suzuki, K. Kusunoki, H. Nirasawa and K. Nakai, Okayama Downburst on 27 June 1991: Downburst Identifications and Environmental Conditions, J. Meteor. Soc. Japan, 72, pp.197-222, 1994 21) 中村一,下館市周辺で発生したダウンバースト,気 象,41, pp.14-19, 1997 22) 森真理子,高谷美正,関東地方で発生した降ひょう・ ダウンバーストを伴ったスーパーセルの事例解析, 天気,51, pp.567-581, 2004 23) 大久保篤,柴田のり子,根口光太郎,辻本嘉大,橘 田重延,大石喜仁,武井康郎,水野康隆,宮原寿夫, 仲居史志,2003 年 10 月 13 日に千葉県,茨城県で発 生 し た ダ ウン バ ー ス ト に つ い て ,天 気 , 51, pp.363-369, 2004 24) 鈴木真一,前坂剛,岩波越,木枝香織,真木雅之, 三隅良平,清水慎吾,加藤敦,2008 年 7 月 12 日に東 京都で突風被害を発生させた積乱雲の構造,第 55 回 風に関するシンポジウム,2009
25) Shirooka, R., and H. Uyeda, Morphological Structure of Snowburst in the Winter Monsoon Surges, J. Meteor. Soc. Japan, 68, pp.677-686, 1990 26) 小林文明,鈴木菊男,菅原広史,前田直樹,中藤誠 二,ガストフロントの突風構造,日本風工学会論文 集,32(110), pp.21-28, 2007 27) 浅井冨雄,日本海豪雪の中規模的様相,天気,35, pp.156-161, 1988
28) Kobayashi, F., Y. Sugimoto, T. Suzuki, T. Maesaka and Q. Moteki, Doppler radar observation of a tornado generated over the Japan Sea coast during a cold air outbreak, J. Meteor. Soc. Japan, 85, pp.321-334, 2007
29) Kobayashi, F., K. Kikuchi and H. Uyeda, A mesocyclone generated in snow clouds observed by radar on the west coast of Hokkaido island, Japan, J. Fac. Sci., Hokkaido Univ., 8, pp.381-396, 1989 30) Ninomiya, K., J. Fujimori and T. Akiyama, Multi-scale features of the cold air outbreak over the Japan Sea and the northwestern Pacific, J. Meteoro. Soc. Japan, 74, pp.745-761, 1996 31) 山岸米二郎,土井雅彦,北畠尚子,上口弘晃,強い 突風を伴った寒気(団)内低気圧,天気,39, pp.27-36, 1992. 32) 小林文明,スノーバースト,日本風工学会誌,99, カ ラーページ,2004 33) 小林文明,内藤玄一,道本光一郎,冬季日本海上の 降雪雲に伴って発生した竜巻-1991 年 12 月 11 日金 沢市の突風-,第 12 回風工学シンポジウム論文集, pp.55 ー 60, 1992 34) 小林文明,白岩馨,上野洋介,降雪雲に伴う突風の 統計的特徴―北陸沿岸における観測―,天気,55, pp.651-660, 2008 35) 小林文明,河合克仁,保野聡裕,加藤亘,三須弥生, 庄内平野における降雪雲に伴うガストの統計的特徴, 日本風工学会誌, 34(119), pp.105-106, 2009 36) 竹内崇,前田潤滋,川下寛正,車両形状物体に作用 する風力に及ぼす突風の立ち上がり時間の影響, 第 20 回風工学シンポジウム論文集,pp.331-336, 2008