幾何学序論1 K.Ichihara
単射 全射
全射・単射と合成 写像
全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
幾何学序論1
市原一裕
2014年6月2日(月)2限
幾何学序論1 K.Ichihara
単射 全射
全射・単射と合成 写像
全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
小テスト
1. f(x) =x2
で決まる写像
f :R → Rに対し て,
A1 := (−2,2),
A2 := (−2,−1)とし たとき,
f(A1 −A2)と
f(A1)−f(A2)を 求めなさい.
2. A
,
Bを集合とし,
f : A →Bを写像とす るとき,
Bの部分集合
B1,
B2に対して,
f−1(B1 ∪B2) ⊂ f−1(B1)∪f−1(B2)
を証 明しなさい.
3. f ◦f−1(B) 6= B
となるような集合
Aと
Bおよび写像
f : A→ Bの例を具体的に作
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単射
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全射・単射と合成 写像
全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
単射とは
定義 2.4.1【単射(injection, monomorphism, one-to-one map)】
写像f :X→Y が単射であるとは,∀x1, x2∈Xに対し,
「x1 6=x2ならばf(x1)6=f(x2)」が成り立つということ.
言い換え(1)
f が単射 ⇔
∀x1, x2 ∈Xに対し,「f(x1) =f(x2)ならばx1 =x2」 言い換え(2)
f が単射 ⇔ ∀y∈Y, ](f−1(y))≤1
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単射
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全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
単射かどうか調べるには
どのようにして与えられた写像が単射かどうか判断するか?
定義域が有限集合のときはすべての要素の行き先を調べる.
定義域が無限集合のときは,定義の対偶(言い換え(1)) を調べるとうまくことが多い.
注意 2.4.3
単射性を調べるときは,定義域を把握しておく必要がある.
つまり定義域によって単射になったりならなかったりする.
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全単射とは 逆写像 逆写像の性質
全射とは
定義 2.5.1【全射(surjection, epimorphism, onto map)】
写像f :X→Y が全射であるとは,「∀y∈Y に対し,
∃x∈X s.t. y=f(x)」が成り立つということ.
言い換え
f が全射 ⇔ ∀y∈Y, ](f−1(y))≥1
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単射 全射
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全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
全射・単射と合成写像
定理 2.6.1
X,Y,Zを集合とし,f :X→Y とg:Y →Zを2つの 写像とする.
1. fとgが単射⇒ g◦fは単射 2. fとgが全射⇒ g◦fは全射 3. g◦f :X →Y が単射 ⇒ fは単射 4. g◦f :X →Y が全射 ⇒ gは全射
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全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
全単射とは
定義 2.7.1【全単射(bijection)】
写像f :X→Y が全単射であるとは,f が単射かつ全射と いうこと.
言い換え
f が全単射 ⇔ ∀y∈Y, ](f−1(y)) = 1
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全単射
全単射とは 逆写像 逆写像の性質
逆写像とは
定義 2.7.2【逆写像(inverse map)】
写像f :X→Y が全単射であるとき,∀y∈Y に対して,
](f−1(y)) = 1より,y =f(x)となるx∈Xが唯一つ存在.
このy7→xという対応により得られるY からXへの写像を この写像をfの逆写像といい,f−1:Y →Xであらわす.
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全単射とは 逆写像 逆写像の性質
逆写像の性質
定理 2.7.1
写像f :X→Y が全単射であるならば,
1. f◦f−1 =idY
2. f−1◦f =idX
定理 2.7.2
2つの写像f :X→Y とg:Y →Xがあって,
f ◦g=idY g◦f =idX が成り立つならば,
f もgも全単射であり,g=f−1かつf =g−1が成り立つ.