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任意捜査の相当性判断に関する一考察

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任意捜査の相当性判断に関する一考察

堀 田 周 吾

1 はじめに

 1 議論状況の概観

 2 本稿の目的

H 合衆国憲法修正四条の﹁不合理な捜索・押収﹂をめぐる二つのモデル

 ー 修正四条の条文構造とその解釈

 2  ﹁捜索・押収﹂の意義

 3 修正四条の一元的理解と令状モデル

 4 合理性モデルへの転換

 5 小括

皿 比較衡量による﹁合理性﹂判断の内実

 1 二つのモデルの融合

   任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  二一

(2)

二二

 2 合理性モデルにおける令状主義の意義

 3 令状主義の﹁合理的﹂例外

 4 小括

W おわりに

 1 修正四条における比較衡量

 2 比較衡量の具体的内容とその射程

ー はじめに

1 議論状況の概観

 任意捜査について論じる上で問題となるのは︑次の二点である︒第一に︑何が﹁任意捜査﹂にあたるのかは必ずし

も自明のことではない︒﹁強制捜査にあたらないものが任意捜査である﹂とするのが従来よりの一般的な理解である

が︑強制捜査と任意捜査の区別は︑捜査の対象となる者の同意の有無で決せられるような単純な問題ではない︒令状

主義や強制処分法定主義についての理解とも密接に関わってくるのである︒そうした点を前提に︑第二に︑﹁任意捜     ■ 査﹂とされた捜査手法に対する法的規制の要否およびそのあり方が問題となる︒        ︵1︶  第一の問題である強制捜査と任意捜査の区別については︑古くより議論が絶えることはない︒従来は︑﹁強制﹂を

(3)

       ︵2︶       ・ 字義どおりに捉え︑物理的な有形力の行使の有無を基準とする見解や︑﹁強制﹂と﹁任意﹂︑の間に﹁実力﹂という第          ︵3︶ 三の領域を認める見解が主張されてきた︒しかし︑通信傍受や写真撮影などのいわゆる科学捜査が︑そのような有形

力による強制的契機を伴わないが︑強制捜査として規制されるべきと考えられることから︑より実質的な定義づけが

要請され︑強制捜査とは有形・無形を問わず権利の侵害を伴う処分であるとする立場が有力となる︒・この立場はさら

に︑権利・利益に対する侵害行為全てを﹁強制捜査﹂とする立場︵仮に﹁非限定説﹂とする︶と︑その一部を除外す        ︵4︶ る立場︵仮に﹁限定説﹂とする︶とに分かれる︒

 非限定説における有力な見解によれば︑プライバシーに対する侵害行為は全て強制処分にあたるとした上で︑逮捕

や物理的侵入を伴う捜索・押収など︑憲法三三条二二五条が予定している典型的な強制処分については両条に規定さ

れた実体要件︵﹁正当な理由﹂︶および手続要件︵令状の発付︶が課されるが︑それ以外の強制捜査に対しては︑侵害       ︵5︶ の性質や程度に応じて厳格な︑あるいは緩和された実体上ないし手続上の要件が妥当することになる︒強制処分法定       ︵6︶ 主義は︑強制処分のうち法定されたものについて手続の遵守を要請するものにすぎないとされる︒

 他方︑限定説においては︑法定の厳格な要件・手続によって保護する必要のあるほど重要な権利・利益への侵害の       ︵7︶ みが強制捜査にあたるとする見解が有力である︒この見解によれば︑強制捜査については︑強制処分法定主義と令状

主義によって規制される︒強制処分法定主義の根拠は憲法三一条の適正手続に求められるので︑憲法三三条二二五条

の令状主義とは別の独自の意義が与えられている︒

 次に︑第二の問題であるが︑少なくとも︑強制処分法定主義および令状主義の適用外となる捜査活動を法的に規制

する必要はないとする考え方はなく︑任意捜査にも何らかの規律が与えられるべきとする方向性では非限定説も限定

説も一致している︒

   任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七−一︶  二三

(4)

二四

 憲法三三条・三五条に基づく規制を考える非限定説は︑捜査権限の発動に際しての実体要件として﹁正当な理由﹂

すなわち﹁嫌疑﹂を重視せざるをえない︒そのため︑権利侵害を伴う場合には︑嫌疑の程度として﹁相当な理由﹂と       ︵8︶ ﹁不審事由﹂のいずれを要求するかなどが検討される︒他方︑権利侵害を伴わない場合には︑令状主義に基づく規制       ︵9︶ とは別の方法を模索することになる︒        ︵10︶  これに対して︑限定説は︑権利侵害を伴う﹁任意処分﹂を認め︑そのほぼ全領域において︑各捜査手法によって生

じる権利侵害の内容および程度を把握した上で︑当該捜査を行う必要性および緊急性との権衡が図られているかを判

  ︵11︶ 断する︒このような判断枠組みは比例原則に由来するものであるから︑﹁正当な理由﹂に拘束されない︒そのため︑

嫌疑の他に犯罪の性質・重大性や当該捜査を行うべき必要性・緊急性などを総合的に考慮することが可能である︒

 ところで︑最決昭和五一年三月一六日刑集三〇巻二号一八七頁は︑①﹁強制手段とは︑有形力の行使を伴う手段を

意味するものではなく︑個人の意思を制圧し︑身体︑住居︑財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為

など︑特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味するものであって︑右の程度に至らない有形

力の行使は︑任意捜査においても許容される場合がある﹂とする︒さらに︑②﹁強制手段にあたらない有形力の行使

であっても︑何らかの法益を侵害し又は侵害するおそれがあるものであるから︑状況のいかんを問わず常に許容され

るものと解するのは相当でなく︑必要性︑緊急性なども考慮したうえ︑具体的状況のもとで相当と認められる限度に

おいて許容されるものと解すべきである﹂と判示している︒

 ①の判示部分において強制手段︵強制処分︶に﹁特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段しとい

う限定を加えていることや︑②の判示部分において︑権利侵害を伴う任意処分の領域を肯定していることから︑限定

説により整合的であると読むのが自然であろう︒

(5)

 そして︑限定説は︑本決定で示された﹁具体的状況のもとで相当と認められる限度﹂︵任意捜査の相当性︶とは︑

前述の比較衡量による合理的権衡が維持された状態を意味すると説明するのである︒

2 本稿の目的

 強制捜査にあたらないものを任意捜査とするという消去法を前提とする限り︑﹁任意捜査﹂という用語を積極的に

定義することに意味はない︒そもそも︑過去の犯罪に対する公訴提起を目的とした警察活動に限定されていた﹁捜       シ 査﹂概念自体が拡大傾向にあり︑将来の犯罪を対象とする捜査として通信傍受やおとり捜査も含まれることが積極的        ︵12︶ に肯定されるようになった︒また︑犯罪の予防・鎮圧を目的とする行政警察活動との関連でも︑司法警察活動との連

続性がある所持品検査などに任意捜査と共通の規律を与える方向性は判例で示されているだけでなく︑多くの学説も          ︵13︶ 賛同するところである︒このように多様な﹁捜査﹂活動について︑統一的な要件を定めることは到底困難であろうし︑

右のような総論的な議論は出尽くした感も否めない︒

 最終的には︑個々の手法に応じた規律を考えなければならないが︑﹁裁判所の行う適否の判断過程をできる限り客       ︵14︶ 観的に顕在化することが望ましい﹂とすれば︑緩やかな判断枠組みを確立することにも一定の意味があるように思わ

れる︒任意捜査の各手法の適法性を判断するための大まかな道筋として共通のものを見出すことができるならば︑そ

の後の各論的な考察においても有用であろう︒

 本稿は︑そのような観点から︑捜査の必要性と侵害の程度との比較衡量で任意捜査の﹁相当性﹂を判定することの

妥当性を検討するものである︒以下では︑まず︑アメリカ合衆国憲法修正四条による捜査規制の仕組みを概観するこ

   任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七−一︶  二五

(6)

二六

とにしたい︒

︵1︶ 強制捜査と任意捜査の区別について正面から扱った近年の論稿としては︑大野正博﹃現代型捜査とその規制﹄三頁以下︵二   〇〇一年︶︑椎橋隆幸﹁任意捜査と強制捜査の区別の基準﹂渥美ほか編﹃刑事法学の現実と展開  齊藤誠二先生古稀記念﹄   五二九頁︵二〇〇三年︶︑小林充﹁強制処分と任意処分﹂研修六七一号三頁︵二〇〇四年︶︑寺崎嘉博﹁任意処分と強制処分   との区別について・再論﹂広瀬ほか編﹃民主主義法学・刑事法学の展望:小田中聰樹先生古稀記念論文集︹上巻︺﹄七〇頁   ︵二〇〇五年︶︑井上正仁﹃強制捜査と任意捜査﹄二頁以下︵二〇〇六年︶などがある︒ ︵2︶ 団藤重光﹃條解刑事訴訟法︵上︶﹄三六一頁︵一九五〇年︶︑平野龍一﹃刑事訴訟法﹄八二頁︵一九五八年︶︒ ︵3︶ 出射義夫﹃検察・裁判・弁護﹄一四四頁以下︵一九七三年︶は︑警職法上の停止や警告は﹁強制にわたらない実力﹂であ   るとして︑﹁社会通念上妥当な説得手段﹂にとどまる限り適法であるとする︒ ︵4︶ 小林充﹁強制処分と任意処分﹂研修六七一号一二頁︵二〇〇四年︶は﹁限定的強制処分説﹂という名称を用いている︒ ︵5︶ 椎橋・前掲注︵1︶五二九頁︑椎橋隆幸編﹃プライマリー刑事訴訟法﹄四五頁以下︹中野目義則︺︵二〇〇五年︶︑渥美東洋   ﹃刑事訴訟法︹全訂版︺﹄一〇一頁︵二〇〇六年︶など︒なお︑田宮博士が提唱されたいわゆる﹁新しい強制処分説﹂も︑   ほぼ同様の理論を展開するものであるが︑﹁新しい強制処分﹂や任意処分の規制につき︑見解を異にする︒田宮裕﹃刑事訴   訟法1 ー捜査・公訴の現代的展開﹄一二八頁以下︵一九七五年︶︑同﹃刑事訴訟法︹新版︺﹄七一頁以下︵一九九六年︶︑   多田辰也﹁令状主義と強制処分法定主義−一つの覚書1﹂寺崎・白取編﹃激動期の刑事法学⁚能勢弘之先生追悼論集﹄二   九頁︵二〇〇三年︶参照︒

︵6︶ 渥美・前掲注︵5︶一〇一頁︒ ︵7︶ 酒巻匡﹁捜査に対する法的規律の構造︵二︶﹂法教二八四号六七頁以下︵二〇〇四年︶︑田口守一﹃刑事訴訟法︹第四版補   正版︺﹄四三頁︵二〇〇六年︶︑井上・前掲注︵1︶二頁以下︒なお︑相手方の権利・利益を実質的に侵害・危殆化する処分が   強制処分であるとする三井誠﹃刑事手続法︵一︶﹇新版﹈﹄八一頁︵一九九七年︶は︑強制処分の範囲をより広く解している︒ ︵8︶ 特に︑洲見光男﹁任意捜査と権利制約の限界﹂刑雑三九巻二号四七頁︵一九九七年︶︑椎橋編・前掲注︵5︶五二頁以下参

  照︒ ︵9︶ 田宮裕﹃刑事訴訟法︹新版︺﹄六五頁以下︵一九九六年︶︒これに対して︑渥美教授は︑令状主義によって保護される﹁プ   ライバシー﹂の意味を広く捉え︑﹁政府の干渉を受けることなく自由に思考し活動する利益﹂と解するので︑広範な捜査活   動が憲法三三条二二五条の規制に服することになる︒例えば︑おとり捜査についても令状主義の規制が及ぶ︒渥美東洋﹃刑  事訴訟における自由と正義﹄﹂五七頁︵一九九四年︶︒同様の見解として︑柳川重規﹁囮捜査の規律 −事前規制の要件を

(7)

  中心にー﹂新報一〇三巻七号七〇頁以下︵一九九七年︶︑椎橋編・前掲注︵5︶五六頁参照︒ ︵10︶ 酒巻匡﹁任意取調べの限界について 1二つの最高裁判例を素材として﹂神戸法学年報七号二八一頁︵一九九二年︶は︑   任意取調べにおいては︑供述をしない自由への侵害・制約には﹁程度﹂を想定できないとして︑このような比較衡量を行う

  べきではないとする︒

︵11︶ 大野・前掲注︵1︶三八頁︑酒巻・前掲注︵7︶六五頁︑田口・前掲注︵7︶四四頁︒ ︵12︶ 近年の文献として︑田口守一﹁将来犯罪の捜査の意義と限界﹂研修六二四号三頁︵二〇〇〇年︶︑酒巻匡﹁﹃捜査﹄の定義   について﹂研修六七四号七頁︵二〇〇四年︶︒ ︵13︶ ただし︑行政警察活動としての特殊性に着目した配慮は必要である︒宮城啓子﹁任意捜査をめぐる問題︹二︺1相手方の   同意を得て行う任意捜査1﹂現刑二八号一〇三頁以下︵二〇〇一年︶︑香城敏麿﹃刑事訴訟法の構造﹄一四八頁︑一八九頁   以下︵二〇〇五年︶など参照︒

︵14︶ 酒巻・前掲注︵7︶六七頁︒

n 合衆国憲法修正四条の﹁不合理な捜索・押収﹂をめぐる一一つのモデル

本章では︑修正四条が禁止する﹁不合理な捜索・押収﹂の意義に関連して存在する二つのモデルのうち︑令状主義

を徹底するモデルについて検討しながら︑比較衡量によって﹁合理性﹂を判断する現在の連邦最高裁の立場に至るま

での過程を追うことにする︒まずは︑日本国憲法三三条二二五条の条文と比較しながら︑修正四条の条文の構造につ

いて簡単に言及することにしたい︒

任意捜査の相当性判断に関する一考察       ︒   ︵都法四十七ー一︶  二七

(8)

二八

1 修正四条の条文構造とその解釈

 日本国憲法三三条は﹁何人も︑現行犯として逮捕される場合を除いては︑権限を有する司法官憲が発し︑且つ理由

となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ︑逮捕されない︒﹂とし︑同三五条一項は﹁何人も︑その住居︑書

類⁝及び所持品について︑侵入︑捜索及び押収を受けることのない権利は︑第三十三条の場合を除いては︑正当な理由

に基いて発せられ︑且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ︑侵されない︒﹂とする︒これらの

条項が令状主義を定めるものであるとの理解に︑争いはない︒また︑それが合衆国憲法の修正四条に由来するもので

あることも︑その制定過程からして︑明白である︒

 ただ︑修正四条の条文を見ると︑﹁身体・住居・文書・所持品について︑不合理な捜索および︵身柄拘束を含む︶

押収をされない人民の権利は︑侵されてはならない﹂とする合理性条項︵国①知ooO⇒餌ぴ一Φ﹃FΦo力ooO一①dあO︶と︑﹁いかなる令

状も︑誓約または確約によって裏付けられた相当な理由に基づき︑かつ︑捜索される場所および押収される人または

物を明示するものでなければ︑発付されてはならない﹂とする令状条項︵≦知﹃﹃知田古︵○一③d﹇c◎Φ︶という二つの独立した条

項から構⁝成されている︒

 日本国憲法三三条および三五条は︑令状によらない逮捕および捜索・押収を明示的に禁止しており︑いわゆる﹁令

状主義﹂が問題なく導き出される︒そして︑刑訴法において︑令状の発付を必要とするのは強制処分である旨を規定

しているのである︒これに対して︑修正四条においては︑二つの条項が条文上分離しているので︑何をもって﹁不合

理な捜索・押収﹂とするか︑いかなる場合に令状が要求されるかについて︑必ずしも自明ではない︒両条項の関係を        ︵15︶ どのように捉えるかという問題がある︒

(9)

 この問題は︑二つの対立するモデルとして議論されており︑無令状による捜索・押収が許容される範囲に影響す

る︒令状の発付が﹁合理的な捜索・押収﹂といえるための必須の条件であるとする令状モデルを基本とした場合︑無

令状捜索・押収は︑令状条項の趣旨に反しない限度でのみ﹁合理性﹂が認められる傾向にある︒ 他方︑両条項は別

個独立の規定であるとする合理性モデルによれば︑﹁合理性﹂が肯定される限り︑無令状捜索・押収は幅広く許され

ることになるのである︒そこでは︑令状は︑﹁合理性﹂を基礎づける事情の一つでしかない︒

 連邦最高裁は︑当初は令状モデルを採用していたが︑やがて合理性モデルへと移行した︒そして︑合理性モデルに

おいて︑捜査上の利益と侵害利益との比較衡量によって﹁合理性﹂の有無を判断する方向性を現在まで基本的に維持

しているのである︒

2  ﹁捜索・押収﹂の意義

 修正四条は︑﹁身体・住居・文書・所持品について︑不合理な捜索・押収をされないしことを﹁人民の権利﹂とし

て規定する形式をとっている︒そのため︑従来︑同条から何らかの実体的権利が導き出されると考えられてきた︒        ︵16︶       ︵17︶  連邦最高裁は︑一八八六年のボイド事件判決で︑一般令状の適法性が問題となったイギリスのエンティック事件に

おけるカムデン卿︵いO﹃OOρヨOΦ⇒︶の弁論を引用しながら︑修正四条が財産権を保護するものであることを明らかに

した︒と同時に︑国家は︑盗品や提出する義務のある物についての支配を主張することはできても︑私的な書類を支        ︵18︶ 配することはできないとして︑財産権には序列があることを示した︒そして︑不正輸入の審理において裁判所が︑輸

入物品を記載した私的書類等の提出を被告人に対して命令した本件事案について︑本件書類の提出を強制すること

   任意捜査の相当性判断に関する一考察       ︵都法四十七ー一︶  二九

(10)

三〇

      ︵19︶ は︑修正五条が禁止する自己負罪供述と同様の結果を生み出すから︑本件書類の財産権は被告人にあるとしたのであ

︵20>      ︵21︶ る︒ボイド事件判決以降︑連邦最高裁は︑個々の財産に関して国家の側に優越的利益が存在するかを考慮しながら︑        ︵22︶ 修正四条によって保護された財産権として認められるかを列挙・選別する作業を繰り返すことになる︒

 修正四条の保護利益を実体的権利とすることを受けて︑﹁捜索︵°・Φ胃臼︶﹂の意義については︑人・住居・書類・所       ︵23︶ 有物という﹁憲法上保護された領域﹂への物理的な侵入であると考えられてきた︒そのため︑一九二八年のオルムス       ︵24︶ テッド事件判決において︑盗聴器で屋内の会話を傍受する行為が修正四条の規制の外に置かれてしまう事態が生じた

   ︵25︶ のである︒       ︵26︶  しかし︑連邦最高裁は︑一九六七年のウォーデン事件判決で︑右の立場を修正することになる︒すなわち︑﹁政府

が捜索・押収を行う権限を財産権が規制するという前提は既に揺らいでいる︒コモン・ロー上︑政府が優越的な財産

的利益を有していたとしても︑その捜索・押収が修正四条において﹃不合理﹄となることはあり得る︒我々は︑修正

四条の主たる目的が財産ではなくプライバシーの保護であることを認め︑財産概念に依拠した擬制の手続上の障壁を

   ︵27︶ 放棄する﹂と判示したのである︒       ︵28︶      ︵29︶  続いて︑同年のカッツ事件判決では︑﹁修正四条は場所ではなく人を保護するものである﹂として︑各領域への物

理的侵入の有無を問題とせず︑権利主体となる者からの視点を重視することを明らかにした上で︑正当に信頼された       ︵30︶ プライバシーに対する侵害が﹁捜索﹂となる旨を判示した︒また︑同判決の補足意見で︑ハーラン判事は︑プライバ

シーが保護されるための要件として︑①主体がプライバシーに対する︵主観的な︶期待を現実に表明したことと︑②

その期待が社会にとって合理的であることを挙げた︒以後の連邦最高裁は︑﹁プライバシーへの合理的期待︵話90亨

③巨ΦΦ目①9餌け8ロo﹃b曇③o望︶﹂が認められるか否かを令状要件の適用の有無における重要なメルクマールとしてい

(11)

る︒すなわち︑次のような場合には︑修正四条の﹁捜索・押収﹂への該当性が認められない︒        ︵31︶  まず︑プライバシーの権利とは直接関係のない捜査手法として︑取調べとおとり捜査がある︒一九六六年のミラン

    ︵32︶ ダ事件判決以降︑被疑者の身柄を拘束するにあたって︑自己負罪拒否特権︵修正五条︶と弁護人依頼権︵修正六条︶

および弁護人立会権の告知をしなければならないことは周知のとおりであるが︑これは取調べの過程で自白の強要が       ︵33︶ なされる危険性に着目し︑自己負罪拒否特権を保障するための予防法則︵肩o嘗S但昆6巨Φ︶であるとされている︒

おとり捜査に関しては︑わなの抗弁︵雪胃e日Φ邑●Φ﹃窪゜︒o︶とデュー・プロセスの抗弁︵合Φ肩︒8°︒c︒qΦ甘⇒°︒︒\︒已ひ﹃㌣

o。 @8c・oqo<︒日∋Φ昌8⇒合含qΦ﹃Φ5c︒Φ︶が判例上議論されている︒これらは形式的には実体法上の抗弁であるが︑捜査

規制としての事実上の機能を有する︒

 次に︑プライバシーに関わる捜索・押収であっても︑カッツ事件判決の補足意見でハーラン判事が示した要件を満

たさない場合には︑﹁合理的期待﹂が否定される︒例えば︑宅地︵○自巨躍o︶の外の土地においては︑公衆の目が避        ︐︵34︶ けられることを本人が合理的に期待できないとされる︵オープン・フィールドの理論︶︒同様の理由から︑公道にお

        ︵35︶      ︵36︶      ︵37︶ けるビーバーの使用︑航空機による上空からの写真撮影なども︑修正四条の﹁捜索﹂には該当しない︒この他に︑電       ︵38︶       ︵39︶       ︵40︶ 話の発信者番号を記録するペン・レジスターの使用︑違法薬物かどうかを確かめるための予試験や麻薬犬による探知

などが﹁捜索﹂から除外されている︒

 修正四条の保護利益に関する右の転換が︑後で検討する合理性モデルへの移行と同時期に行われていることは︑偶

然ではない︒﹁プライバシーへの合理的期待﹂という相対的な概念の導入が︑対立利益の比較衡量による﹁合理性﹂

判断を行うことを可能としているのである︒

任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  二二

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三二

3 修正四条の=兀的理解と令状モデル

︵1︶﹁不合理な捜索・押収﹂の歴史的意義と﹁相当な理由﹂

  ﹁不合理な捜索・押収﹂の概念が最初に用いられたのは︑植民地時代のマサチューセッツ権利宣言︵呂9°・餌臼已c︒Φ古富

O㊥○盲昌8昆皆o︒宮゜・oごべ○︒O︶においてである︒当時は︑一般令状︵o︒︒⇒o邑弍①開o昌︶や援助令状︵§旨○﹃知゜︒°︒蓉き8︶        ︵41︶ の発付が広く認められており︑イングランド本国でもアメリカ植民地でも︑批判が強くなっていた︒マサチューセッ

ツ権利宣言を起草したジョン・アダムス︵﹄O巨︾巳知日乙o︶に影響を与えたといわれる一七六一年のジェイムズ・オー        ︵42︶ ティス︵﹄知昌①Q◎ ○﹇一〇乃︶による法廷弁論も︑特定の嫌疑に基づかない援助令状を厳しく非難している︒こうした経緯か

︵43︶       ︵44︶ ら︑アダムスが考案したとされる﹁不合理な捜索・押収﹂という用語は︑歴史的には﹁対象を明示しない一般令状に       ︵45︶ 基づく︑あるいは無令状による捜索・押収﹂を意味すると考えられている︒

 このような当初の制度趣旨を重視した場合︑合理性条項と令状条項は統一的に理解するべきこととなり︑﹁不合理        ︵46︶ な捜索・押収﹂には︑﹁捜索対象を限定した令状が発付されていないこと﹂以上の意味は見出されない︒捜査官が違        ︵47︶ 法に収集した証拠を排除した一九一四年のウィークス事件判決以降︑﹁不合理な捜索・押収﹂の意義が大きな意味を

持つことになるが︑一九六〇年代後半までの連邦最高裁における主流は︑﹁合理性﹂に令状要件を読み込む﹁令状モ

 ︵48︶     ︵49︶ デル﹂であった︒

 令状モデルにおいて﹁合理性﹂が認められるためには︑実体要件として﹁相当な理由﹂が︑令状の有無に関わらず

       ︵50︶       ︵51︶ 厳格に要求される︒嫌疑の程度については︑有罪判決を得るために十分な程度ではないが︑有罪であると信じること        ︵52︶       ︵53︶ につき合理的な根拠は必要とされる︒合理的根拠の存否は︑総合的考慮によって判断される︒

(13)

 次に︑手続要件として︑中立的で独立性のある治安判事︵⇒Φ巨邑彗q忌冨合昆日知o︒声乙力胃巴①︶による事前の令状審

査が必要となる︒令状審査においては︑①当該捜査活動が修正四条の﹁捜索・押収﹂にあたるか︑②﹁相当な理由﹂

が存在するか︑という二点が判断される︒

 無令状の場合︑右に加えて︑③令状主義の例外に該当するかが事後的に検討されるが︑令状モデルを強く支持した       ︵54︶ フランクファーター判事は︑一九五〇年のレイビノウィッツ事件判決における反対意見で︑無令状捜索および捜索の

範囲を限定しない一般令状を禁止する修正四条の歴史的意義からすれば︑﹁純然たる必要性によって正当化される例       ︵55︶      ︵56︶ 外のみ﹂が許されると述べた︒また︑一九六七年のカッツ事件判決も︑﹁司法手続の外で行われた捜索が︑裁判官ま

たは治安判事による事前の承認を得ていないときには︑具体性があり射程も明確な若干の例外的な場合を除き︑当然       ︵57︶      ︵58︶ に︵bO︹︒力O︶修正四条の下で不合理とされる﹂としている︒

︵2︶令状主義とその例外

 令状要件は厳格に適用されるとするのが︑右のカッツ事件判決の判示であるが︑逮捕については︑一九七六年のワ       ︵59︶ トソン事件判決以降︑私的な住居の外である限り︑原則として令状は不要とされるている︒他方︑逮捕を目的とした        ︵60︶       ︵61︶ 住居への立ち入りには逮捕令状︑住人以外の第三者を逮捕する場合には捜索令状が必要となる︒

 令状手続が果たす機能については︑二つの点が指摘されている︒第一に︑中立な治安判事が﹁相当な理由﹂の存否       ︵62︶ を判断することで︑﹁捜索・押収﹂の実体要件が担保されるとする︒第二に︑令状に﹁捜索される場所および押収さ        ︵63︶ れる人または物を明示﹂することで︑令状を発付された捜査官が捜索・押収を行う範囲が限定されることになる︒

 もっとも︑捜索・押収を直ちに行わなければならない緊急状況︵o巴o︒①昌昌8日゜・け目8c・︶が存在するために︑事前

   任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  三三

(14)

三四

      ︵64︶ の令状審査を求めることが現実的でない場合には︑無令状捜索・押収が認められる︒これに該当するのは︑重罪の犯        ︵65︶       ︵66︶ 人︵置o目︶が逃走している︑生命・身体に対する危険が生じている︑重大犯罪に関する証拠が隠滅されるおそれが

 ︹67︶      ︵68︶ ある︑という三つの場合である︒

 さらに︑適法な逮捕後に一定の範囲で捜索が認められるのも︑犯人の武装を解除するもしくは証拠隠滅を防止する       ︵69︶      ︵70︶ ために必要だからであるとされる︒そして︑一九六九年のチャイメル事件判決において︑連邦最高裁は令状モデルを         ︵71︶ 厳格に維持した上で︑捜索の範囲を次のように限定した︒すなわち︑被逮捕者が抵抗や逃走を図るために使おうとす

るかもしれない武器を除去したり︑隠匿や破壊を防ぐために被逮捕者が所持している証拠を保全するための捜索は︑        ︵72︶ 被逮捕者がそれらのことを行いうる﹁直接の管理が及ぶ﹂領域に限定される旨を判示したのである︒

 このように︑令状モデルの下では︑令状要件の例外として認められるのは︑手続要件としての事前の令状審査に関

するもののみであり︑実体要件である﹁相当な理由﹂に関する例外は認められていない︒

︵3︶令状モデルにおける﹁捜索・押収﹂

 前述のように︑修正四条の﹁捜索・押収﹂の意義についての伝統的な理解によれば︑人・住居・書類・所有物とい        ヘ   へ う﹁憲法上保護された領域﹂への物理的な作用であるとされる︒このような構成は︑令状に﹁捜索される場所および

     ヘ  ヘ  ヘ   ヘ  へ 押収される人または物を明示︵傍点筆者︶﹂しなければならないとする修正四条の要請と形式的に合致するので︑令

状モデルからは説明し易い︒

 右の理解からは﹁捜索・押収﹂概念が限定されることになるが︑その背景には︑実際の警察活動の支障とならない          ︵73︶ ようにする意図もある︒緊急状況以外にも令状を要求することなく機動的な法執行︵目§Φ§苫Φ日Φ邑活動を確保

(15)

      ︵74︶ しなければならない場面があり︑また︑﹁相当な理由﹂に基づかない法執行活動を一定限度で認める実務上の必要性         ︵75︶ °があるからである︒       ︵76︶   前者との関連では︑犯罪捜査以外の法執行活動が修正四条の適用外とされるとした一九五九年のフランク事件判決

 がその一例である︒本判決は︑ネズミの繁殖場所を探索していた衛生官による地下室への立ち入りを被告人が拒否し

たことは市の条例に違反するとして起訴された事案で︑衛生官による立ち入りが犯罪捜査目的でないことを理由に︑       ︵77︶ 条例の合憲性を認めた︒そこでは︑修正四条にいうところの﹁捜索﹂の全てに令状要件が課されることを前提としつ

︵78︶  つ︑本件のような検査に令状が必要となれば手続が煩雑となり地域社会の衛生を適切に守ることはできない︑という       ︵79︶  考慮が働いているのである︒

  後者との関連では︑後述するテリー事件で問題となった短時間の停止行為が挙げられる︒日常的な警察活動を﹁相

当な理由﹂を前提とすることなく認めるためには︑﹁押収﹂の意義を限定し︑それに至らない停止行為を修正四条の

規制外とせざるをえないのである︒

  このように︑伝統的な﹁捜索・押収﹂概念は︑修正四条の硬直的な解釈を裁判所に強いてきた︒しかし︑法執行活

動が多種多様になるにつれ︑より実質的な﹁捜索・押収﹂概念が要請されるようになる︒それに応えたのがカッツ事

件判決であり︑合理性モデルへの布石となっているのである︒

4 合理性モデルへの転換

修正四条の二つの条項を一元的に理解する令状モデルに対して︑早くから疑問が投げかけられたのは︑﹁合理性を

  任意捜査の相当性判断に関する一考察       ︵都法四十七ー一︶  三五

(16)

      三六

      ︵80︶     判断するための公式は存在しない︒各事案は個別具体的な事実および事情によって判断されなければならない﹂とし

    た一九三一年のゴーバート事件判決においてである︒判決自体は︑住居内の捜索が無令状で行われたことをもって証        ︵81︶     拠を排除しており︑令状モデルに則ったものであるが︑この判示部分は令状モデルに対する批判として後に引用され ︑       ︵82︶     ることが多い︒

      令状モデルにおいては︑修正四条が適用される場合全てに原則として令状要件を課すことになるので︑﹁捜索・押

    収﹂の該当性を限定する必要があるが︑そうすると︑多くのロー・エンフォースメント活動が修正四条によっては規

    律できなくなってしまうのである︒       ︵83︶       この状況を是正する動きは︑まず︑行政捜索の領域で始まった︒一九六七年のカマラ事件判決は︑前掲のフランク       ︵84︶     事件判決を変更し︑衛生官の立ち入りを拒否した被告人に市の条例違反が問われた同様の事案につき︑次のように判

    示したのである︒すなわち︑第一に︑行政検査であっても︑検査結果や検査を拒否すること自体が刑事訴追につなが

    る可能性がある以上︑官公吏による恣意的な侵害から個人のプライバシーと安全を守るべき修正四条の規制に服さな        ︵85︶     ければならないとした︒第二に︑﹁合理性を判断するためには︑捜索の必要性と︑捜索による侵害とを比較衡量する       ︵86︶     以外に適切な方法はない﹂ことを前提に︑行政検査においては立法上もしくは行政上の基準を満たしている場合には        ︵87︶      ﹁相当な理由﹂が認められるとした︒

     連邦最高裁は従来︑﹁相当な理由﹂を厳格に要求することとの均衡上﹁捜索・押収﹂の範囲を狭めていたのだが︑       ︵88︶      カマラ事件判決でその立場を転換して︑修正四条の射程を拡大するとともに﹁相当な理由﹂の内容を緩和した︒もっ

    とも︑本件では︑﹁相当な理由﹂は認められるものの︑令状の発付を不要とするだけの緊急状況は認められないとし        ︵89︶      て︑無令状による行政検査を拒否した被告人の刑事責任を否定している︒

(17)

      ︵90︶       ・  翌年のテリー事件判決は︑逮捕に至らない停止行為︵゜︒d8︶および衣服の上からの武器捜検︵旨゜︒オ︶について︑同

様の判断を下した︒本判決では︑まず︑狭義の逮捕や捜索に至らない行為も修正四条の規制に服することが宣言され

  ︵91︶ ている︒その上で︑ストップ・アンド・ブリスクという一連の行為の﹁合理性﹂も︑カマラ事件判決で示されたよう        ︵92︶ に︑捜索の必要性とそれに伴う侵害性との均衡を図ることによって判断されるとしたのである︒また︑右の均衡が認

められるとした場合︑ストップ・アンド・ブリスクの実施にあたっては︑﹁相当な理由﹂よりも緩やかな根拠で足り

   ︵93︶ るとした︒

 こうして︑広範な法執行活動が修正四条の﹁捜索・押収﹂に該当することとされる一方で︑﹁相当な理由﹂の内容

は緩和され︑また︑より低い程度の嫌疑である﹁合理的嫌疑︵﹃①ρooO昌㏄ぴ一Φc力已c力b一〇一〇5︶﹂に基づく捜査が令状の発付を

必要とすることなく許容されるようになったのである︒

 令状が不要とされる﹁捜索・押収﹂の領域が認められたことで︑﹁不合理な捜索い押収﹂の解釈において令状条項

が中心的位置を占めることは必須ではなくなった︒そのため︑合理性条項と令状条項を切り離し︑﹁合理性﹂の有無

を直裁に判断するアプローチが可能となる︒このようなアプローチは︑一般に﹁比較衡量テスト︵ぴ巴知g巨o︒け①︒・古︶﹂

と呼ばれ︑捜査機関︵政府︶側の利益の程度と︑被疑者の権利に対する侵害の程度とを比較し︑その権衡が保たれて

いるか︵比例性が確保されているか︶を吟味することになる︒

5  卜゜.舌   ノ←々﹂

本章では︑連邦最高裁が従来依拠していた令状モデルから合理性モデルへの移行を開始するまでの流れを追った︒

  任意捜査の相当性判断に関する一考察       ︵都法四十七ー一︶  三七

(18)

三八

 令状モデルは︑﹁不合理な捜索・押収﹂の解釈を令状条項に求めるものであり︑実体要件としての﹁相当な理由﹂

と手続要件としての事前の令状審査を厳格に要求するところに特徴がある︒これに対して︑合理性モデルは︑捜索・

押収を行う政府側の利益とそれに伴う侵害の程度が権衡しているかという比例性の有無を問題とする︒そのため︑事

前の令状審査を必要とせず︑しかも﹁相当な理由﹂よりも低い程度の嫌疑に基づく捜索・押収の類型を認める余地が

生じるのである︒

 このような二つのモデルには︑﹁合理性﹂の判断基準という以上の大きな違いがある︒すなわち︑事前の審査およ

び有罪であると信じるに足りる﹁相当な理由﹂を全ての捜索・押収に要求する令状モデルの方向性は︑既に発生した

犯罪に対する捜査︵﹃8︒薯Φ冒くΦ゜︒蔚豊05︶のみを許容するということの現れであると考えられる︒これに対して︑

ストップ・アンド・ブリスクのような侵害性の低い態様のものに限られるとはいえふ確定的な嫌疑が存在しない段階

で︑捜査官の現場の判断で一定の捜索・押収を許容する合理性モデルは︑予防的・先行的な捜査活動︵胃︒知09︒亨    ︵94︶ <①゜・葺昌o白︶を修正四条の下で肯定することになるのである︒

 ウォーレン・コートの時代が終わり︑さらにステユワート判事が退官した一九八二年以降︑連邦最高裁では︑捜

索・押収の適否を令状要件ではなく﹁合理性﹂の問題として扱う合理性モデルを採用する姿勢が顕著となる︒そし        ︵95︶ て︑その後︑二〇〇一年のナイツ事件判決において﹁修正四条の試金石は合理性である﹂と述べるに至るのである︒

︵15︶ 防Q9巨ぴ日餌くξΦ<9PmOO9°力﹄Φぷ凱゜︒一︵一㊤⑩一︶︵o︒o芦知三もo⇒2旨巨瓜︶葛09芦゜︒く9巨目巨P概ω己︒︒°︽心︒Pお゜︒︵﹂⑩︒︒﹂︶

 ︵口dΦ︻5ρ巨゜︒け三こ合ω゜・Φ昌日oq︶°

︵16︶ ロo旨ぐご鼻9c︒訂・o°︒二HΦごφΦ﹂Φ︵﹂°︒°︒Φ︶°

︵17︶ 国昌9ぐ9目巨o︒8P⑩0国白騨見ε゜°︒Oべ︵﹂ぶO︶°

(19)

︵18︶﹈﹈︒且くG巨9°力§Φ゜︒二﹂Φご゜°︒°巴ΦbN°︒︵﹂°︒°︒Φ︶°

︵19︶ S°9Φωoo−Q◎ふ       ・

︵20︶ S°讐Φ心o心゜

︵21︶ 防Φぷ弓ゴo日9民゜9碧oS↑§g﹃bo朋SQさぎ↓ミ﹄§§⇔§句§㌔さ忘9⁚冒ミぎ㌔註e臼o叉os防災ま註ぶざ●︒ω≦≧自号o雷゜︒弓

  戸口国ぐc︒Oべω忘LO︵一q⊃ΦQo︶°このことを一つの法理として表したのが︑Oo邑Φ△ぐC巨9q°力富9°︒心︒mOgo力﹄⑩゜︒︵﹂q⊃卜︒一︶で示され   た日2①︒註OΦ58ゴ﹄Φである︒これは︑盗品や犯罪共用物件以外の物に対する個人の財産権は国家に優先されることを明ら   かにしたものである︒

︵22︶ 弓ゴo日9民゜○③ oS目Qさぱ﹃Sき﹄§§江§句§︑句Ooさo§ひ9㌔○§oボ☆9Q§霧靭b︒OO吟d弓臣↑°印国く⑩ぺq⊃q⊃一︵心︒OO吟∵吻9◎Q

  O③註切く巳鼻Φ合Q︒S9°︒°︒N°︒巳φOo︒b︒︵一Φ︽Φ︶﹇ガソリンの配給票の押収を認めた﹈⁝○知ぼ○巳叉C鼻︒亀QQ§Φm︾心︒Φや己゜G︒°一鵠︵一⑩心︒伽︶

  ﹇酒類の押収を認めた﹈◆

︵23︶ 已Φ◎GQ昌くΦ︹日餌目く°G巳冨qo力叶讐Φ゜︒︾coΦ㎝己φOO90一〇︵﹂⑩合∵

︵24︶ ○巨98口くご巨9巳oQ富・Φ゜︒心oべやd◆oo°吟◎︒o◎︵おboo︒∵

︵25︶ 吻$ミ句PO巨8⇒<°<﹃oq巨Pc︒やべご゜oQ°一頓o◎︵﹂⑩Φ吟︶⁝oo昌くΦ§自くq巳■①Ooo富・o°︒Q︒Φ㎝ご゜o力゜ひOひ︵おO﹂︶⁝Oo江゜・9日ぐd巨古Φq

  oQ﹇讐Oc力uω一Φd°o力゜戸﹂吟︵﹂q⊃︽N︶◆

︵26︶ 司曽qΦ5<°国昌創Φ見ωo︒べd°oQ°N忠︵﹂⑩Oや∀

︵27︶ 巳゜響ωOΦ◆

︵28︶ 民9Nぐ己巳﹇Φ△o力.90°︒c︒o︒⑩ご゜oQ°○︒吟や︵おΦべ︶°

︵29︶ 因9N<⁝冒9qQoS9°︒c◎Q◎q⊃q°G力゜ω心べω9︵おΦや︶°

︵30︶ S°巴ω㎝ω゜        ・

︵31︶ ただし︑取調べにも︑修正四条の規制を及ぼすことを提案する見解もある︒防$◎⑨︑5︒房゜︒巴O°Oo<ΦSさ討ミoQ§Sさ§下

  ∨§さぴu心oΦ○≧60NOP國国ぐ一〇◎Φべ︵卜oOOO︶⁝弓59身勺゜○.ZΦ巨∨㌔災eべさぶ8§§S9§江9⁚○ぎ鯉O⇔画9S討さδ◎☆註Oさ§◎㌔O§ミ㍗

  ﹄§さ乱§句さS防○Ωささ§ 江巳○竃§さg︒べd°○°O>≦°︒﹃口国く°=8︵心︒OO鼻︶°

︵32︶ 冒ρ⇒合知寸巴冒oづPωo◎心C已︽c︒Φ︵おOO︺

︵33︶ 匿6巨σo③⇒ぐ弓仁6犀Φ5桧やd書oo°吟ωc︒︵﹂⑩や︽∵

︵34︶ ご鼻Φqo力﹇曽Φ゜︒ぐO目5︽°︒Od°°︒書b︒路︵﹂⑩゜︒や︶﹇住居を囲む柵の外にある納屋が﹁宅地﹂外であるとした﹈ ○冒2ぐd巳90

  °力§Φ゜︒冷Φ己φミO︵一⑩゜︒°︒︶﹇麻薬取締官が︑住居からーマイル以上離れた場所で栽培されていたマリファナを発見した事案   で︑当該場所は﹁宅地﹂外であるとした﹈°なお︑オープン・フィールドに関しては︑カッツ事件判決以前から認められてき

任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  三九

(20)

四〇

  た︒その根拠は︑宅地外の土地は﹁住居﹂に含まれないとするものである︒国O︒︒け隅く﹄巨9qc・け巴Φ゜︒bO㎝ご切凱べOΦ︵﹂⑩ぱ∵

︵35︶ ご鼻Φ巳OQ§°°・く蚕9°︒ぱOd°°力﹄﹃⑳︵﹂Φ゜︒c︒︶﹄$富8︑ご巳9巳゜力け9°°︒<°民胃豆ま゜︒d°°︒°ば㎝︵﹂⑩゜︒吟︶﹇住居内にいる者に対す

  る使用は違法とされた﹈°

︵36︶ 国o﹃δ③<知昌①S吟Ooo︒d.o力◆︽膳O︵﹂⑩o︒⑩︶⁝Oo司○プΦ巨○巴Oo°<°己巳9口Goけ巴Φ゜︒u吟べΦご゜oQ°boNや︵﹂⑩o︒Φ︶⁝○知巳o﹃巳知く°○日巳9吟やΦご゜

  oQ°ト︒Oや︵﹂⑩o◎Φ︶:       .   

︵37︶ 二〇〇一年のカイロ事件判決﹇塚巨o<°ご鼻ΦO°力汁讐Φ゜・0ωωd°°︒﹄べ︵NOO﹂︶﹈で︑熱感知装置を用いて住居内の行動を監視する

  行為が﹁捜索﹂にあたるとされたのは︑住居内の活動が監視の対象であることが重視されたことによるものである︒

︵38︶ q巨8巳゜力古讐Φ゜︒<Z①司くo済弓①●冨oづ︒Oo二島吟ごφ﹂ひ⑩︵一薯べ︶︑﹇通信傍受を規制する﹁犯罪防止および街路の安全性に関

  する包括法︵○昌げ已oDO﹃5ΦOO5汁﹃O﹈図⇒qo力知﹃mO力け﹃ΦΦ誘巨OひO﹃一⑩Φoo︶﹂第皿編︵いわゆるタイトル皿︶の適用を否定﹈⁝°力巨書<  ︑.

  忌③這胃P置b︒q切べω㎝︵﹂Φや㊤︶﹇電話会社の通常業務において発信者の電話番号を把握しうる以上︑プライバシーへの期待は

  認められないとした﹈°もっとも︑その後の電子通信プライバシー法︵匡Φ○胃o昌oOo§﹇巨8註oづ゜・四オ餌自>90﹃﹂Φ○︒①︶や愛

  国者法︵己゜○力゜㊥③台﹃﹂Od巨Od︶で︑ペン・トラップ装置︵bΦづこ日bqΦ註8‖ペン・レジスターと︑通信相手の電話番号を解読す

  る﹁捕獲・追跡装置︵胃碧芦q胃餌8口o己8︶﹂の総称︶の使用は︑通信の傍受などとともに規制されている︒

︵39︶ ご巨9口Q力け曽Φむ力く﹄知ooげ゜︒Φづ吟⑳Φd.o力゜一〇q⊃︵﹂⑩o◎吟∵

︵40︶ d巨冨qG力汁巴Φ゜︒<◆四9PふΦboqo力゜Φ⑩Φ︵﹂⑩○︒c︒∵

︵41︶ 防OQQΦさ⑲§寓×勺田F弓卜書出臣ロ駕ヨ﹃ZΦ︐o力国之゜︒国○呵oQ国≧9出どO巳力曽Nq國国↑巨卜o声ー吟o◎︵NOOO︶ Ω知ロoS句§§口o富ト○ぷ讐⑩やoo−

  ooべO§口国G力9日ひΦ﹃oo∨鵠Φ○註Qべ§☆↑§良Qδ﹃☆§⇔ふ§9§﹃恥9句O§☆90句○☆S6㍗Φ句◎§⇔已Qふ拉寒さ勲αO呵﹇﹀°P國国く.声Om﹂∨Φ戸ーペ㎝

  ︵NOO吟︶⁝弓ゴO日知o︒民゜○鼠昌OS§Φ知O貯ミさ&画e画⇔§9ぱ0Φ⇔㎏§巷SgO§Sさ﹄鍋鍋○句句べ§﹃さ○㌔Φ90さΩひ貯§Q防句ミ句09ささΦ句§&已Φ㌣

  ささ勲留d°冨ζ﹄°留き︽︒︒c︒.おOふ﹂b︒︵一⑩⑩O︶⁝司巨昌ξ臼①Φ昌置せきb§・ミさΦ.㊦ミ飴︑日ミoさ§8治§ミ芹

  防S§忘8︑べΦ賄ΦさQ﹃︿Φきぎべ鮮さ﹄§§良§さ﹃︑句§べ§ボひ○置ぎ句co﹂﹀旨○包呂゜↑°因国ぐ﹂O一co心oOーω﹃︵﹂⑩⑩︽︺

︵42︶ Sこ臼知ロ6S讐Φo◎N−oo︽°

︵43︶ 以上につき詳しく紹介した国内の文献として︑井上・前掲注︵r︶二一二頁以下︒

︵44︶ 弓けo日9ドO餌註①゜︒知SoeQミ§SOO言べさ9きぎミさ﹄§○さ⇔§雨さ↑⑩o◎ζ︼○出◆ピ゜閲国くO︽メOo︒㎝︵﹂Φ⑩Φ∵

︵45︶ 臼碧oぎ⑩§∨§59Φ偽ど巴㎝﹂や゜Oo§§綱巨昌﹄◆o力・巨#Nu§ぱ惑ひ切☆這§さぷQOeQ§§○§︑o§Qへ9ボ⇔罫Q㌔○ぱ喜汀

  ﹄ミSさ亀§ボ↑心吟O力弓巨Z°い◆印国︿°㎝Oμm㊤一︵一⑩q⊃心O︶⁝﹀﹃⇒O置↑O①毒∨§ぶさぎ喜さ﹄§雨さ江§さW9.切9bΦeSOOさS㌔SO電6註ξSさOS−

  さOOΦさ■o◎声家目○出゜P°國国<°﹂トo心o㎏一心o吟O︵﹂⑩ooω︶⁝弓国P呵○図O弓き○見弓≦ρo力弓dO田oo︻ZOOZ乙︒弓胃巴目OZ≧Lロ角国固勺罰ロ弓肖δZ>boぷA﹂︵声q⊃①⑩︶°

  これらの論者は︑歴史的には令状が不合理で︒b肩①゜︒°︒含︒捜索・押収に対して一種の保証を与えてきており︑令状の発付を抑

(21)

  えることが修正四条のそもそもの目的であると主張する︒

︵46︶ eO畠≦°↑巴θ菱゜︒5oo国≧さ出巴dω日Nq召巨白弓臣oQq田国呂国○Oq胃ふω︵お◎Oシ

︵47︶ ≦o①犀゜︒<°¢巳﹇90︒89°︒ふc︒Nd°oQヂc︒⑳ω︵お忘︶°

︵48︶ この見解には︑﹁歴史的アプローチ︵巨゜・89巴e宮89︶﹂や﹁令状中心モデル︵司胃日昌胃隅2︒9︒日︒巳︒声︶﹂︑などの名   称があり︑論者によって異なる︒本稿では︑﹁合理性﹂と﹁令状﹂の関係を端的に表すために︑﹁令状モデル﹂と呼ぶことに

  する︒

︵49︶ 防駕◎S民巴N<d巳■Φ巳oQ叶暮Φ゜・三〇︒⑩¢°oQ°c︒ミ゜c︒閤︵おΦべ︶三〇器゜︒<°弓巳叶900■彗Φ゜・ω㎝べqφおc︒おo︒︵﹂⑩㎝o︒︶⁝旨自2°︒<°C巳9q

  ω古知●Φ゜︒∨ω吟トod°oo°︽o◎∨靱﹂︵一⑩頓﹂︶⁝に5Φ印O<.d巨dOOOo富古Φo︒∨トoO⑩d°o力゜トoρOoN︵﹂○心00︶ Ω9己Φq<d巳dΦqo力古巴①゜︒∨boO㎝ご﹂o力゜心o⑩OowωOOo

  ︵戸ΦN﹂︶⁝≦ΦΦオ゜︒ぐご巨990Qけ③90︒wNωじod°Q力゜coooω゜coq⊃ω︵一Φ戸︽︶°防○Φ富句Pq巳9qo力け讐Φ゜︒<°ご巨9巳o力d巴Φ゜︒O冨け臣900已詳w︽Oべq°oQ°

  心o⑩べco一m︵﹂Φベトo∵ ︵50︶もっとも︑﹁相当な理由﹂の存否を警察官が判断する無令状捜索・押収の場合に比べて︑治安判事による令状審査におい

  ては︑認められやすい傾向にある︒冒出﹄后旨胃巴゜も田邑巨雷○○国o臣国匡N︵︽日ΦO﹄OO吟︶°防OQミ句P己巳需口o︒9需゜・

  <°<Φ巳δ゜︒OPc︒°︒Oq°o︒°一〇心︒︵一⑩ΦO︶﹇捜索当時の相当な理由の存否が疑わしい場合において︑令状に基づく捜索と無令状捜索

  とでは結論が異なる場合があるとした﹈°

︵51︶ 硲○⑨↑8汀く°d巨冨創coけ巴①゜︒二一¢°c力゜ωωPω±︵声一ω︶°

︵52︶ 防$◎SO知胃合く°己巳需qQ力吟彗①゜︒b雪q如一ω卜︒二Φ﹂︵一Φ留︶°

︵53︶ 口q田≧w弓三§§ゴ08巴9N心︒吟占頓゜

︵54︶ ご巳9qじ力宮8°︒<°自d書巨o目貫ωc︒⑩dヂGo°㎝Φ︵お㎝O︶°

︵55︶ミ巴べ︒︵呵§蚕§烈﹄°書゜・曇冨︶﹄9§p日日︒ぐd巳芭ω§①c・c︒°︒一gαγ゜忘9宗ト︒︵お3⁝02°・ぐご巨§°・§︒°・

  c︒心︒°︒ごφ㎝゜︒ト︒OO㎝︵﹂路⑪︶︵写知59﹃8︹﹄こ9﹄°︒°︒Φ昌冨︶°なお︑多数意見は︑後述する合理性モデルを前提として︑逮捕に伴う   捜索の範囲を拡大的に解釈した︒

︵56︶ 民彗N<°d巳古9QQ訂9m三〇◎⑰ご゜G力゜ωミ︵おΦべ∵

︵57︶ 泣9べO

︵58︶ 已$ミ句P室巨お゜︒○冨く°目6奮﹃°︒○戸OOO︒d°o力゜c︒Φ◎c︒べ心︒︵おq⊃c︒︶⁝○知巨9巨知く︾8<Φ口P㎝OOd°o力゜㎝Φぷ㎝○◎O︵﹂Φ⑩﹂︶⁝冒8ぺく°巨−

  No⇒P心c︒やご゜Qo°c︒°︒◎c︒㊤O︵一⑩べo◎︶⁝Ooo巨o︒o<ZΦ≦出知日霧巨﹃P心O°︒ごφぱo︒冷吟ー㎝凱︵一Φぺ﹂︺なお︑連邦最高裁がカッツ判決の

  多数意見を形成するまでの詳しい経緯につき︑08︒己巴oqゴぽく○°︒台三§§昌09桧9一8°︒ーや⑰

︵59︶ d巨9qo力冨9︒︒ぐ司巴゜︒oPふ心︒ωご゜o力゜±一︵品ま︶°

v 任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  四一

(22)

四二

︐︵60︶ 已$◎S寄オぷ↑o已゜︒︷知白POQ︒Φごo力右Φω㎝︵心︒08︶⁝勺§05<Zo司ぺo爵吟冷ご゜ω゜日ω︵脇o︒O︺

︵61︶ 防$◎SQQけ80q巴鮎く°己巨計Φ合o力吟巴Φc︒吟m﹂ご゜o力゜b︒艮︵おo◎﹂∵

︵62︶ 国qodbd駕弓三§§⇒9①±巴心︒心o︽°

︵63︶さ宣 ︵64︶ヒミ§・§§詔胃①口﹄笥碧︒鳥9§さ§§合§二ぎき§∋6さ≧§ば.㊦さ§句ミ曽︒§9合§§︑§§防8さき

  9§亀已○泣§さ○§○鯉いo◎切呂﹈○出゜↑°閲国ぐ吟トoべ︽切㊤︵一㊤o◎Φソ

︵65︶防9蝉Q︑ご巳甘q°力古巴Φ︒<°力騨白富5P蒔心︒やdφc︒°︒︵﹂㊤ぎ︶﹇薬物販売の現行犯人を追跡して犯人の住居に立ち入った事案﹈⁝≦ρ﹃ー

  ユΦ5<出昌口ΦPω゜︒やd°G︒﹄路︵おΦべ︶°なお︑軽罪の場合には一般的に認められない︒司o■庁く≦°・oo暴日まΦご゜OQ°べ吟O︵﹂Φ○︒吟︶    ﹇飲酒運転の疑いがある者を逮捕するためにその住居に立ち入った事案﹈︒

︵66︶ 防$9Q∨冨o冨彗くゴ声o♪吟ω⑪qo︒°お⑩︵一Φべ゜︒︶﹇消火活動のために家屋に立ち入った消防士が︑放火罪に関する証拠をプ

  レイン・ビューにおいて収集した事案﹈°

︵67︶ 防$◎◎こく巴①ぐ↑o巨゜︒一芦Pc︒⑩q⊃d°ω゜ωO︵﹂Φ8︶.

︵68︶ 已9Q§ミ足§冨5Φ゜︒o冨く°○后oPおαCφ⑩﹂︵お⑩O︶°

︵69︶ 出q臣克弓三§§508±巴ト︒凱ω◆

︵70︶ ○巨日Φ一寸○③9巨Pc︒⑩mC°G力゜品b︒︵一⑩ΦO︶°

︵71︶ ㍍゜9﹃O﹂°

︵72︶定巴ぶc︒°チャイメル判決以前においては︑伝統的に令状主義の例外とされてきた逮捕に伴う捜索は︑連邦最高裁が早く

  から合理性モデルを採用してきた数少ない分野の一つであった︒

︵73︶ 防⑳◎ロ08詳国゜Go︹日︑△ぴS﹄葡Φ§§8ぎ☆喜ぎ﹄§Φさ良§§﹃b9ざ的S乱98SΦミぱoミミ☆09§☆§☆さ良§き︑品哀︻菱◆ピ゜

  閲国くωo◎靭ωo◎Q◎︵一⑩o◎o◎︶° ︵74︶ なお︑電話等の通信手段を用いたロ頭による令状制度を拡充することで︑令状手続の効率化を図るべきとする見解とし

  て︑○日拓ζ゜ロ日色oSeo誉§ぴミ罫○さミS﹄§§⇔§§↑Q︒c︒呂﹈○国﹄°留ぐ忘Φ︒︒一お﹂ー⑩べ︵一〇︒︒㎝︶°

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(23)

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︵84︶ ただし︑フランク事件では︑被告人が生活妨害︵⇒巳゜︒碧8︶を生じさせているとの疑いがあったのに対し︑本件では︑そ   のような嫌疑は存在せず︑市条例も衛生官の一般的な立ち入り権限を認めたものであることに注意が必要である︒

︵85︶ ○昌知日ぷ呂巨o甘巴Oo已詳︸ωo◎や9Qo°mNμOb︒o◎lQ◎吟︵﹂ΦΦべ︶°

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  く無令状捜索は︑修正四条に反するとした﹈°

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  o力゜N吟o◎∨心oOO︵一⑩Φ一︶°

任意捜査の相当性判断に関する一考察       ︵都法四十七ー一︶  四三       ●

(24)

      .       四四

川 比較衡量による﹁合理性﹂判断の内実

1 一一つのモデルの融合

 前章でみたように︑カマラ事件判決およびテリー事件判決以降の連邦最高裁は合理性モデルへ移行したわけである

が︑一方で︑合理性モデルにおいて形成された﹁合理性﹂概念と︑令状モデルにおける﹁合理性﹂概念とを融合する        ︵96︶ 試みを続けている︒それには︑大きく分けて二つの理由があるように思われる︒

 第一は︑合理性モデルに含まれる問題点を補完するためである︒合理性モデルについて指摘される問題点として挙

げられるのは︑捜索・押収の適否が警察官の個別判断に委ねられてしまうことである︒警察官による場当たり的な判       ︵97︶ 断は︑捜査権限の恣意的かつ不平等な行使につながるというのである︒

 この点︑令状要件を満たす限り捜索・押収の﹁合理性﹂を認める令状モデルの下では︑警察官の恣意を制限するた

めの﹁明確な準則︵ぴユoo﹈P●ーピΦゴ﹂︸O︶﹂を示し易い︒﹁相当な理由﹂については判例の蓄積があり︑また︑無令状捜索・

押収の可否についても︑元々限定されているだけでなく︑逮捕については住居の内外により区別し︑捜索については

緊急状況が存在する場合または適法に被疑者を逮捕した場合とすることで︑警察官による現場での判断が容易な条件

を設定することができるのである︒

 もっとも︑﹁明確な準則﹂をめぐっては︑個別具体的な状況ごとに形成していくことで過度に細分化されてしまい

柔軟性を欠く︑捜索・押収の実体要件の存否判断を警察官に委ねることには変わりがない︑などの問題が指摘されて

︵98︶ いる︒

(25)

 第二は︑合理性モデルにおける令状主義の意義を明確にするためである︒具体的には︑次節で︑令状の実体要件で

ある﹁相当な理由﹂について検討し︑合理性モデルにおいて令状が果たす役割について考えることにする︒

2 合理性モデルにおける令状主義の意義

 前章で述べたように︑合理性モデルにおいては︑﹁相当な理由﹂が存在しない場合にも︑諸事情を考慮した結果比

例性が保たれているときには捜索・押収の﹁合理性﹂を肯定する︒もっとも︑そのような考慮は︑﹁相当な理由﹂よ

りも緩やかな﹁合理的嫌疑﹂のみが存在している場合を前提としている︒﹁相当な理由﹂が存在する場合をどのよう

に扱うかについては︑少なくともカマラ事件判決・テリー事件判決は示していない︒       ︵99︶  ただ︑一九四九年のブリネガー事件判決は︑次のようなことをいっている︒すなわち︑﹁相当な理由は︑︵不合理な

プライバシー侵害と根拠のない刑事訴追から市民を守る利益と︑社会を守るために必要なロー・エンフォースメント

を行える余地を確保する利益という︶しばしば対立する利益の調和を図る上で最も適切な妥協点を提供する︑実質的          ︵伽︶ で非技巧的な概念であ﹂り︑﹁相当な理由﹂が認められること自体をもって︑捜索・押収における利益と侵害の権衡

も肯定しうるというのである︒

 右判示によれば︑﹁相当な理由﹂が認められる限り︑事案ごとの個別事情に基づく比較衡量は不要とされる︒この        ︵101︶ 立場をより明確に示したのが︑一九九六年のウーレン事件判決である︒

 ウーレン事件の概要は次のとおりである︒被告人が運転するトラックが交差点で不審な動きをしたため︑覆面警察

車両で移動中の警官がこれを不審に思い︑交通違反︵方向指示器不点灯︶で停止させ車内を無令状で捜索したとこ

   任意捜査の相当性判断に関する一考察      ︵都法四十七ー一︶  四五

(26)

四六

ろ︑違法なコカインを発見したので︑被告人を逮捕した︒被告人は︑警察官の捜索目的は薬物の発見であるにもかか

わらず﹁相当な理由﹂を有していなかったと主張したほか︑私服警察官が軽微な交通違反で自動車を停止させる行為        ︵201︶ は︑他の運転者を混乱・動揺させるものであり︑利益と侵害の均衡を失すると主張した︒

 これに対して︑連邦最高裁は︑修正四条の﹁合理性﹂は諸事情の衡量によって行われるのが原則であるとする一方       ︵301︶ で︑ごく一部の例外を除いて︑﹁相当な理由﹂に基づく捜索・押収においてはその均衡は疑う余地はないとした︒そ

して︑その例外とは︑個人のプライバシーまたは身体に対する重大な侵害を生じる場合であるとして︑銃器を用いた

   ︵脳︶      ︵伽︶       ︵伽︶       ︵㎜︶ 身柄拘束・住居への無断の立ち入り・身体への外的侵入が例として挙げられた︒        ︵801︶  二〇〇三年のアットウォーター事件判決も︑シートベルトの不着用や免許証の不携帯などを理由として逮捕された

被告人が︑﹁不合理﹂な逮捕に対する民事賠償を求めた事案で︑同様の判断をしている︒すなわち︑連邦最高裁は︑

本件事情に基づいて比較衡量を行った場合︑軽罪を理由とする逮捕は﹁不合理﹂どされる可能性が高いことを認めな

  ︵901︶      ︵m︶ がらも︑ウーレン事件判決を引用して︑﹁相当な理由﹂に基づく限り逮捕は適法であると判示したのである︒

 このように︑﹁相当な理由﹂には合理性モデルにおいて求められる比例性が包含されているとして︑当該事件の具

体的事情を考慮した比較衡量を不要とするため︑﹁相当な理由﹂が存在する場合の捜査官の行為に一種の﹁お墨付き﹂

を与える役割を果たしている︒他方︑逮捕や住居内の捜索などにおいて︑﹁相当な理由﹂をもってのみ比例性が図れ        ︵m︶ ることを理由に︑﹁合理的嫌疑﹂に基づく比較衡量が許されていないことと併せ考えると︑権利制約の度合いが大き

い捜索・押収について︑警察官の裁量を制限する﹁明確な原則﹂の要請に配慮したものでもあるともいえる︒

参照

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