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ジアミノメチレンマロノニトリル型有機分子触媒を用いた立体選択的炭素-リン結合形成反応の開発

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Academic year: 2021

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博⼠論⽂要約 研究分野 医化学 指導教授 三浦 剛 学位申請者 新井 亮雅 有機化合物の不⻫中⼼の⽴体化学は、⽣物活性に影響を及ぼす可能性がある。このことは、サ リドマイド事件を契機に、医薬品開発の分野において、改めて強く認識されるようになった。そ のため、新しい不⻫合成法の開発は、有機合成化学および薬学の分野において重要な研究課題の ⼀つである。現在までに、⾦属触媒を⽤いた優れた不⻫合成法が数多く報告されてきた。しかし ながら、近年、環境負荷問題や資源の枯渇、製品中への⾦属混⼊リスクから、⾦属触媒を⽤いな い環境負荷低減型反応の開発が求められている。環境負荷の少ない有機分⼦触媒は、⾦属触媒に 取って代わり得ると期待されている。そのため、有機分⼦触媒を⽤いた不⻫反応の開発が盛んに 研究されている。しかしながら、有機分⼦触媒は⾦属触媒と⽐較して触媒活性が低い傾向にある ため、より⾼活性な有機分⼦触媒の開発が未だに望まれている。 係る背景から、申請者の所属する研究室では、diaminomethylenemalononitrile (DMM) 型⾻格を 有する⼆官能性有機分⼦触媒が開発された。申請者は、DMM 型有機分⼦触媒でしか良好な結果 が得られない反応の開発を⽬的として、DMM 型有機分⼦触媒を⽤いた種々のカルボニル化合物 と phosphonate との⽴体選択的炭素−リン結合形成反応について検討を⾏った。 第⼀章 DMM 型有機分⼦触媒を⽤いたアルデヒドに対する不⻫ Pudovik 反応の開発 a-Hydroxy phosphonate や a-amino phosphonate は、レニン阻害作⽤や抗 HIV 作⽤など多岐にわ たる⽣理活性を有し、薬

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第 ⼀ 章 と 同 様 に DMM 型有機分⼦ 触 媒 を ⽤ い た 際 の み、良好な結果を与 えた (Scheme 4)。さ らに、反応条件を最 適 化 す る こ と に よ って、⾼収率・⾼⽴

体選択的にa-hydroxy phosphonate を得ることに成功した (Scheme 5)。

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検討したところ、4 回⽬の再利⽤まで触媒活性を損なう事なく、g-ketophosphonate を得ることに 成功した (Table 1)。 総括 以上、申請者は DMM 型有機分⼦触媒を⽤いることで、様々なカルボニル化合物に対する⽴体 選択的炭素−リン結合形成反応の開発に成功した。第⼀章及び第⼆章では、アルデヒドおよびケ トンに対する効率的な不⻫ Pudovik 反応の開発に成功し、DMM 型有機分⼦触媒の優れた触媒活 性を⽰す事ができた。第三章では、a,b-不飽和ケトンに対する効率的な不⻫ホスファマイケル付 加反応を開発し、DMM 型有機分⼦触媒のさらなる有⽤性を実証する事ができた。 今後、開発した環境に優しい⽅法論が医薬品合成へと応⽤され、臨床現場に安⼼安全に医薬品 を届けることに貢献することを期待する。 【研究成果の掲載誌】

1. S. Hirashima, R. Arai, K. Nakashima, N. Kawai, J. Kondo, Y. Koseki, and T. Miura, Adv. Synth. Catal. 2015, 357, 3863-3867.

2. R. Arai, S. Hirashima, J. Kondo, K. Nakashima, Y. Koseki, and T. Miura, Org. Lett. 2018, 20, 5569-5572. 3. R. Arai, S. Hirashima, T. Nakano, M. Kawada, H. Akutsu, K. Nakashima, and T. Miura, J. Org. Chem. In

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