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1205068 反町 玲聖 (宇宙地球探査システム研究室)

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高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 電子・光システム工学コース 修士論文要旨 2018 年 2 月 12 日

インフラサウンドセンサの面的配置における波源位置推定方法の最適化

Optimization method to estimate wave source positions for widely distributed infrasound sensors

1205068 反町 玲聖 (宇宙地球探査システム研究室)

(指導教員 山本 真行 教授)

1.はじめに

周波数 20 [Hz]以下の人間の耳には聞こえない音波である インフラサウンドは空気の粘性による減衰の影響を受けにく く長距離伝搬する特性がある。また、火山噴火、雷、津波な どの災害に繋がる地球物理学的イベントに起因して励起され るためそれらをリモートセンシングする技術の一つとして注 目されており、防災などへの活用が期待されている。

2 .背景

所属研究室では 2008 年よりインフラサウンドに関する研 究を行っており、大型膜面を用いた安価で高性能な新型イン フラサウンドセンサの開発が進められてきた。近年では、企 業の共同開発により大型膜面を用いた複合型センサの製品化 に成功しセンサの入手が容易になった為、 2017 年から高知県 沿岸に計 15 台のセンサを面的に配置し、これまでにない規模 での同時観測が行える。そのためセンサの面的配置に対応す る新たな解析システムの開発が必要となっている。

3.目的

本研究では、小松(2012)における先行研究でインフラサウ ンドの音波源位置を推定する際に用いられてきた三角形アレ イによる音波の到来方向探知[1]に代わる新たな波源位置推 定の基礎システムを開発してその妥当性を評価する。またイ ベントの検出から波源位置推定までの自動化を目的とする。

4.研究内容

本研究における音波源位置の推定手法には、センサ台数に 制約がなく地震学の分野において震源の特定などに用いられ ているグリッドサーチ法の適用を試みる。グリッドサーチ法 を用いた波源位置推定では波源位置を走査させる領域を細か いグリッドに分割し各グリッドに波源位置を仮定した際の音 波の到達時間とセンサでの検出時間を比較し誤差が最小とな るグリッドを計算で求める。誤差の計算式を以下に示す。 𝑇 𝑟 (𝑖) はセンサ𝑖において実際にイベントの音波を観測した時刻、

𝑇 𝑎 (𝑖)は音速を仮定した計算によって求められた時刻である。

𝑒𝑟𝑟𝑜𝑟 = ∑{ ∑ 𝑎𝑏𝑠|(𝑇 𝑟 (𝑖) − 𝑇 𝑎 (𝑖)) − (𝑇 𝑟 (𝑗) − 𝑇 𝑎 (𝑗))|}

𝑁−1

𝑗=𝑖+1 𝑁−2

𝑖=0

この計算を各グリッドに対して行い最小となる地点を求める。

4.1 先行研究におけるデータセットを用いた解析

グリッドサーチ法がインフラサウンド面的観測における波源 位置推定に有効か検証するため、小松(2012)が到来方向探知 を用いて波源位置推定を行った際の桜島火山の噴火イベント を含む、2011/11/15 から約 2 カ月間の桜島周辺で観測された

インフラサウンド波形データを用いた。反町(2016)により開 発された N 型波形イベント自動検出ソフトウェアを改良し、

イベントの自動検出を行った。求まったイベント到達時刻を 元に相関処理によって各センサに対する音波の到達時間差を 算出し、グリッドサーチ法で波源位置を推定した。

4.2 高知県沿岸に配置された複合型センサを用いた解析 現在高知県沿岸に面的配置されているセンサの観測データ を用いて波源位置推定を試みた。データが低サンプリングレ ート(5 Hz 前後)のため波形の全区間において窓を 50 %ずつ ずらしながら相互相関を行い、相関値のピークの値が 95 % 以上になることをトリガーにイベント検出を行った。波源位 置推定に必要となる各センサでの音波の到達時間差には相関 ピークの時間差を用いた。この時、相互相関の窓幅は試験的 に 1200 秒と 60 秒の 2 通りで試行し、60 秒で行う場合は相関 を行う窓幅より長周期な雑音を減らすため 0.03 Hz のハイパ スフィルタを事前にかけることで相関値の増加を防いだ。

5.結果と考察

5.1 先行研究におけるデータセットを用いた結果

N 型波形自動検出の結果 58 例のイベントが自動検出され た。このうち明らかに観測機器の異常と考えられる波形を除 いた 53 例について各イベントの波源位置を図1に示す。イベ ントの大半が桜島火山火口の周辺に推定されており半径 6 km 以内に 53 例の内 38 例(71.7 %)が含まれる結果を得た。

5.2 高知県沿岸に面的配置された複合型センサを用いた結果 窓を 1200 秒で行った場合は波源位置が推定されたと考え られる例は存在しなかった。しかし、黒潮町において各セン サ間で相関があることが確認でき、 csv01 から csv05 までの約

5.8 km で約 150 秒の時間差から約 39 m/s の速度が得られた。

音波とは考えにくく、西風による動圧ではないかと考察した。

黒潮町におけるセンサの配置を図2の左側に、 csv01 に対する

csv04 と csv05 の相関値を図2の右側に示す。窓を 60 秒で行

った場合については 117597 例の波源か推定されたが、観測デ ータの欠損を補間した部分による疑似解が含まれ、またそれ 以外の事例も原因となる事象確認が取れていない。

6 .結論

インフラサウンドセンサの面的配置による波源位置推定方 法にグリッドサーチ法は有効と結論づける。しかし、イベン ト検出手法や広範囲での相互相関に課題が多く現時点では、

システムの自動化や統計的データの取得には至っていない。

参考文献

[1] 小松孝康, インフラサウンド多地点アレイ観測システム の構築と音波源位置の推定, 平成 23 年度 高知工科大学大学 院工学研究科特別研究報告 , 2012.

Correlate between csv01 and csv04

Correlate between csv01 and csv05

Time difference [second]Time difference [second]Time difference [second]Time difference [second]

Time [second]

5.0×105 1.0×106 1.5×106 2.0×106 2.5×106 5.0×105 1.0×106 1.5×106 2.0×106 2.5×106

Time [second]

-400 -200 0 200 400

-400 -200 0 200 400

0 0

図1 自動検出された波源位置とグリッドサーチの範囲 図2 黒潮町におけるセンサの配置とセンサ間の相関

凡例 Estimated source position Estimated source position Observation point Scanning area

参照

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