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第 1 日 目 篭 ' 円 白

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(1)

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第 1 日 目 篭 ' 円 白

Vol,35no、6−0562

リーダーシップ.トレーニングの スタート

今回から、いよいよ「リーダーシップ・トレ ーニング」がスタートする。詳細は前号をご覧 いただきたい力;、代表的な「リーダーシップ・

トレーニング」は、「基礎研修」(SteP1)→

「基礎研修」で決めた行動目標を「職場で実践

する」(SteP2)→その実践の程度を評価する

「職場での調査」(St6p3)→「フォロー研修」

(SteP4)から構成されている。

そこで、時間の経過を追いながら、「トレー ニング」の具体的な内容を紹介していこう。

まずは「基礎研修」のスケジ旦一ルを資料1 に示す。これは標準的なもので、対象組織や参 加者の状況に対応するためにさまざまなパター ンがある。また、参加者は個々のトレーニング で違っている。したがって、トレーニングを企 画し実践する者は、いつも新たな参加者と出会 うことになる。そのため、スケジュールが同じ

50看護展望2010−5

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資 料 1 基 礎 研 修 の ス ケ ジ ュ ー ル

慧総鐘

ツプカ養成講座一

第1日目 第2日目

9:30

:0

議議鶏霊廟喜霧謹菖

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11:00

12:00 13:00

14:00

15:00

:

:

園オリエンテーション

*人間理解の基礎

里情報提供(1)

*グループ・グイナ・ミックスと 集団理解

昼 食 〈 体 憩 )

図Gr011pWork〔工)

*対人関係の塞礎技術

園情報提供〈Ⅱ)

*リーターシッブの科学

蔀リーダ・シップと聡馬の規範

図G「OupWOrk(Ⅱ.f〉

*いま求められる行動の探求

GroupWbrk(Ⅱ‑2)

認へたちに求められる リーダ・シップを求めて

盟 A c t i o n P m 9 I a m

*職塔で実践する

行動闇漂の設定

(2)

であっても、トレーニングは毎回独自性をもっ たものになる。相手が違うからである。そこが トレーニングの特徴であり、企画者にはこれが 大きな魅力でもある。筆者にはトレーニングが 生き物のように感じられる。それが、トレーニ ングを改善し続けていこうというエネルギーを 与えるのである。

基 礎 研 修 第 1 日 目 : 午 前 中

「基礎研修」は2日間を基本にしているが、

「トレーニング」を導入する組織の状況に応じ て柔軟に対応している。すでに第4回でも述 べたが、「基礎研修」が1日というケースもあ る。また、「基礎研修」だけで、その後の「フ ォロー研修」を行わないこともある。時間が短 くなれば、提供する内容も少なくなる。しかし われわれとしては、「リーダーシップ・トレー ニング」の目的である職場におけるリーダーシ ップの改善に全力を尽くす気持ちは揺るがない。

「2日なければトレーニングはできない」とい った発想はしないのである。筆者は「与えられ た時間のなかで最大限の努力老する」ことが

「トレーニング」の基本だと考えている。

スケジュールの時間帯についてもバリエーシ ョンがあるが、基本的には9時30分から16時 30分というケースが多い。時間については組 織や参加者の事情に応じて決定される。

‐i オリエンテーション

研修はオリエンテーションから始まるのが一 般的だ。研修に期待している参加者もいるし、

一方で、組織の指示で仕方なく出席している者 もいるかもしれない。そこは人によってさまざ まであるが、重要なのは、参加者たちに研修を

Vol、35no,6−0563

受けようという気持ちになってもらうことであ る。だから冒頭から 必ず成果が上がる とい った断定的な話はしない。また、 厳しい研修 ですから覚悟してください などと言って驚か

すこともな、い。オリエンテーションでは、まず

はリラックスしてもらうことだ。そこで、研修 の目的やスケジュールなどを淡々と伝えること から始める。.。

その際に、時間的な余裕があれば研修中のお 願いや心構えについて話すこともある。ここで は、そのいくつかを取り上げておくことにしよ う。これは、組織内で研修を企画し実施する際 のヒントにもなると思う。ただし、早く実質的 な研修に入りたいため、この部分は簡単に済ま すかカットすることが多い。

研 修 中 の お 願 い ,

①職場では研修で使用する道具をそのまま使わ

ない

筆者自身は特にこだわらないが、一般的には 著作権の問題がある。職場で使用する際には、

作成者の引用くらいはすべきだろう。また、参 加者たちが自分の環境に応じて、それらをヒン

トにしたオリジナルなもの診創ってほしい。

②録音・録画などの電子記録はしない

個別の組織で研修を行う場合、参加できない 者に情報を提供するために録画の許可を求めら れることがある。これについては、教育に使用 するという目的に限定して了承する。これに対 して個人が記録する場合は、使用目的や機会が あいまいになる。いずれにしても、記録をとる ことで、自由な雰囲気で話を進めにくくなるこ ともある。これば問題発言を恐れるからではな い。話のなかでその場に応じた具体的な事例を あげたり、名前を引用したりすることがある。

それによって説得力が増すのだが、記録されて

リーダーシップ。トレーニングのスタート

看護屠望2010−551

(3)

いると、それを抑えざるを得なくなったりする。

もっとも、ICレコーダーが常識化しているか ら、この点は参加者側の気持ちに頼るしかない

状況ではある。

研 修 中 の 心 構 え

①参加者はリラックスして緊張する

特に組織外での研修に参加する場合は、日常

と 違 っ た さ ま ざ ま な 試 み を す る こ と が で き る 。

自由な雰囲気のなかで自分自身のあり方を探る ことがリーダーシップの改善を促進する。いわ ゆる感受性訓練では、ドレーニングの場を 文 化的孤島(culturalisland) と呼んでいる。

現実の仕事や対人関係のしがらみから離れた孤 島だと考えるのである。しかし、そこは何もな い不自由な生活を強いられる島ではない。対人 関係について理解を深め、実践力を身につける ための文化的な孤島なのである。その意味で、

まずは参加者たちがリラックスすることが期待 される。しかし、トレーニングの目的はリーダ 一シップの改善である。、それは、職場における 課題であり、研修は 仕事 に直結した場なの だ。したがって、リラックスするとともに、真 剣な気持ちでトレーニングに参加することも強

く期待されるわけで、 リラックスして緊張する という相反する気構えが求められるのである。

②トレーニングの主役は参加者であることを意

識する

プログラムを設計し必要な道具の作成から準 備まで、そのすべては主催者が行う。しかし、

トレーニングでリーダーシップを改善するのは 受講者たちにほかならない。その意味で、「自 分たちが主体的に参加し、行動を変える」とい う意識と意気込みがなければトレーニングは成 功しない。そこで、プログラムは受け身的にな りがちな講義ではなく、グループワークを中心

│リーダーシップ力養成講座

52看護展望2010−5

に構成する。また、午後2時前後を中心に睡 魔が襲ってくる。これを乗り越えるためにも、

積極的な参加が求められるグループワークを意 識的に導入する。

③時間管理を学ぶ

講義中心のスケジュールであれば、講師側の ペースで時間が管理される。しかし、受講者を 主役に各種のシートへの記入や自己分析、ある

いはディスカッションが行われる際は、時間の

コントロールが難しくなる。その結果、個人差 やグループによる違いが出てくる。こうした事 実もトレーニングの題材として活用できる。個 人差が大きいことが仕事の仕方を考えるヒント になるのである。早めに課題を終えたメンバー は、手持ちぶさたといった表情を見せることが ある。こうした状況を予測しながら、事前に

"自分が作業を早く終えたのはなぜか。自分に まとめる力があるからか、それとも仕事が雑な ためか。ここでしっかり自分自身を振り返って みましょう といった呼びかけをしておく。ま た 時間調整 を目的に、関連した論文(読み 物)を終わったメンバーに配付するといった対 応策も取り入れている。

このほかにも、④グループでの'情報交換をと おして自分が他者に与える影響力を認識する力、

いわゆる対人感受性や、⑤他者から影響を受け ている自分を冷静に見つめ、分析する力を身に つけることにも力を注ぐよう働きかけていく。

人間理解の基礎

資料1にはオリエンテーションに「人間理解 の基礎」が含まれている。これは次に続く「'情 報提供(1)」の前に軽い話を入れて、参加者 がリラックスして研修に入れるようにすること を目的にしている。ここでは、「コミュニケー ションのインフラづくり」といった話をする。

VoL85noo6−0564

(4)

玩霧画邑蓉

綴 響 竺 皇 錘 鍾 曇 塞 窪 錘 錘 竺 ̲ 壁 、

VoL85no、6−0565

その具体的な内容は、連載第2回に、実況中継 風の話しことばで書いている。これに対人関係 やリーダーシップにかかわる話を追加する。さ

らに、リスクマネジメントをテーマにした研修 の場合は、対人関係と危機管理といった内容の 情報を取り上げる。ただし、あくまでオリエン テーションの時間であるから、いずれも導入的

なレベルのものにする。

こうした話の際に、筆者はその材料をホーム ページから引用することが多い。資料2は4

月の 表紙 だが、URLは http://www・

educ、kumamoto‑uacjP/‑ybshida/であ る。ここで「YahooやGoogleなどで 吉田道 雄 を入力すればいまのところトップに出ま す」。そんな紹介をする。これは要するに筆者 の自慢話だが、ここで笑いが起きることが多い。

こうした雰囲気で話を進めると、参加者たちの 緊張感も一気にほぐれる実感がある。

ホームページのメニューに「味な話の素」が

ある。これは筆者が毎日更新しているコラムだ

が、リーダーシップを含む対人関係や集団、さ らにはリスクマネジメントにかかわる話題を取 り上げている。そのすべてが仕事に役立つとは 言えないが、リーダーシップの改善や職場の安 全を確保するためのヒントになると思う。

ともあれ、時間をみながら「味な話の素」か

ら2つか3つのテーマを取り上げてオリエン テーションに区切りをつける。

2情報提供(X)

グループ°ダイナミックスと集団理解.

ここから、トレーニングの本体に入る。「グ ループ・ダイナミックス」は筆者の専門領域で、

日本語では「集団力学」と呼ばれている。文字 どおりの直訳だが、その目的は 集団とのかか わりをとおして人間を理解する ことにある。

リーダーシップや対人関係も 人と集団とのか かわり であり、グループ・ダイナミックスが 活用できるのだ。.そこで関連のあるトピックス を中心に1時間30分から2時間程度の情報提 供を行う。その内容は実にさまざまである。

たとえば、われわれが自分たちの行動を観察 する際には 日常の目 だけでは十分でない。

それは主観的で経験的、情緒的になりがちだ。

そうした視点も必要だが、同時に物事を客観的 な事実に基づいて、冷静に判断する力が欠かせ ない。この両者が相まって自分たちの世界を立 体的に見ることができる。こうしたものの見方 もグループ・ダイナミックスの視点なのである。

また、集団は個人に大きな影響を及ぼす。自 分一人だけが集団のなかで他のメンバーと意見 が違うことに気づいたときどんなことが起きる か。グループ・ダイナミックスの研究によれば、

かなりの人が自分の本心とは異なる意見に同調 することが明らかにされている。

また、人間が一緒に同じ仕事をしていると、

手抜きの悪魔が襲ってくるものだ。それを防止 するにはどうしたらいいか。そんな研究もある。

さらに、個々人としては優秀な人間が集まっ て、まとまりも強いと思われる集団が、結果と してとんでもない判断をしてしまうこともある。

資 料 2 筆 者 の ホ ー ム ベ ー ジ

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リーダーシップ。トレーニングのスタート 看誇屠望2010−553

;灘鯨蕊蒼,「・韓恵i韓、;害.I

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(5)

これは 集団止考(groupthink) と呼ばれ

る現象だが、そうした危機的状況に陥らないた めにもグループ・ダイナミツクスはさまざまな

ヒントを提供してくれる。

このように、リーダーシップ・トレーニング で活用できる題材は枚挙にいとまがない(文献

1参照)。

ここでは '情報提供 と言っているが、トレ ーニングがスタートして2時間ほどしか経過 していない。したがって、いずれの題材もウォ ーミングアップ的な内容に留めることが多い。

そこで、そうした意味合いをもった題材である

"心の筋肉運動のすすめ をご紹介しておこう。

その場の雰囲気を感じていただくために、これ までどおり「話しことば」を使うことにする。

私たちは誰もが健康な毎日を願っていま す。そのために、できるだけ運動する必要 があります。これは常識だと言っていいで しょう。病気やけがで入院してベッドに寝 たままだと脚が目に見えて細るそうです。

筋肉が衰えるんですね。特に運動をしてい ない人でもそんな状態になるのですから、

毎日の生活のなかで気づかないうちに、ち ゃんと筋肉を使っているわけです。もちろ ん、病気であればじっと寝ていて回復を待 つしかありませんが、健康を維持するには 日ごろから運動を心がけることが大事なん ですね。そして、「そこそこ健康だから、

今のままでいいか」というのなら、わざわ ざ特別の運動を始めることはないでしょう。

ただし、少なくともいまと同じくらいは運 動しないといけません。そうでないと、す でに身についている筋肉すら落ちてしまう

│リーダーシップ力養成講座

患鎚磯

54看護展望2010−5

力、らです。

そんな消極的な気持ちではなく、「しっ かり元気な生活を送りたい」といった意気 込みで仕事もしたいですね。そのためには、

いつもはエレベータを利用しているところ を、1階か2階分は階段を使うとか、通勤 時はバス停の1つや2つは歩くといったこ

とが大事になってきます。またなかには、

老後のことも考えて、いまのうちに健康な 体をつくっておこうという前向きの人だっ ていらっしゃるでしょう。そんな方は本腰 を入れて「トレーニング」をすることが必 要になります。たとえば、まずはウォーキ ングから始める。そのうち、ジョギングや ランニングだってしたくなるかもしれませ ん。あるいはプールに出かけて泳ぐといっ たメニューも頭に浮かびます。どれをとっ ても健康増進という点では共通しています が、どんな運動をするかは個々人で違って

=あ

し、て当然なんです。そこで大事なのは、自 分の目的に応じた運動をコツコツと続ける ことです。つまりはエクササイズが大事な

んです。

さて皆さん、私のこ すか。「そりゃあそう

んか。

の話、どう思われま だ 」 と 納 得 さ れ ま せ

ここまでが 心の筋肉運動のすすめ の前半 である。この問いかけに対して、まずは全員が 同意する。その反応を見た後で、今度は「いか にもわからないなあ」という表情で話を続ける。

ここまできて、私は理解できなくなって

Vol、35no、6−0566

(6)

しまうのです。

|皆さんは、「あなたは対人関係やリーダ

ー シ ッ プ 、 あ る い は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を

改善する努力をしていますか」と聞かれた

Iらどうお答えになりますか。多くの方が

I「ああ、それって、どうやっても私にはう まくできないのよ」といって逃げてしまう んです。私に言わせれば「リーダーシップ や対人関係」力も「体の健康」と変わらな いんです。筋肉と同じで、日ごろから運動 していないと衰えてしまうのです。まずは

「リーダーシップを改善・向上させよう」

と心に決めましょう。そしてエクササイズ を始めるのです。その内容は、人によって 違ってきます。それは「仕事に関する知識

|や技術を上手に教える」ことであったり、

「きちんと部下をほめる」ことであったり するでしょう。ともあれ、自分に期待され ている行動が発揮できるように運動を続け ていくのです。

,自分でメニュ一転決めて地道に運動診続

,けていけば、体の筋肉もついてきます。勢 力の成果が目に見えてくるのです。周りの 人たちも「この頃たくましくなったね」と 気づくでしょう。リーダージップの 筋肉

運動 も同じことです。「部下とコミュニ ケーションをうまく取れるようになりまし たね」「あなたの話を聞いているとやる気 が出てきますよ」。職場の部下やメンバー たちからこんな声をかけられる。運動の成

|果が見えはじめたのです。そうなれば、

i「やったあ」と叫びたくなりますね。これ Iもリーダーシップの「筋肉トレーニング」

Vol、35no,6−0567

Q

を実践した 成果なのです。

もちろん同じように「運動」をしても、

そ の 成 果 に 個 人 差 が 出 る の は 当 然 で す 。 手 足 や 内 臓 な

の を 比 較 す 選 手 に 違 い

が ど ん な に

及 び ま せ ん ります。し

ども含めて体を構成しているも る だ け な ら 、 私 た ち と イ チ ロ ー

はありません。しかし、私たち

運動してもイチローの足元にも

。 そ ん な こ と は 誰 に だ っ て わ か

か し 、 そ う だ か ら と い っ て 私 た

ち は 「運動しても仕方がな

い」と諦めたり

は し ま ぜ ん

ぱ い い の で な 個 人 差 が ついても同 万人もの聴

。自分に適した運動を心がけれ

す。このように、体力には大き あ り ま す が 、 リ ー ダ ー シ ッ プ に じことが言えます。私たちは数

衆を前にして感動を与えるオバ マ氏のような力をもつ必要はありません。

日常の仕事や生活のなかでかかわる人々と 快い関係を創り上げる

ことができればいい

のですc

ところ で、 筋肉トレーニング は継続 しないと意

ついた筋肉

間に衰えま

味がありません。せっかく身に

も、運動を止めればあっという す。リーダーシップ力を身につ

け る 試 み も 終 わ り は あ り ま せ ん 。 そ れ は

「生涯学習」なのです。はじめから「私は リーダーに向いていない」とか「対人関係 は苦手だ」などといって逃げずに、トレー ニングを続けていきましょう。

こ う し た 話 を 組 み 込 み な が ら 、 第 1 日 目 の 午前中が終わる。

引用文献

1)吉田道雄:人間理解のグループ・ダイナミックス,ナカニシ ヤ出版,2001.

リーダーシップ。トレーニングのスタート

看護展望2010−555

参照

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