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東医大誌 63(4):273−274,2005
藻 東邦大学医学部機構改革:と教員評価
東邦大学 医学部長
松 島 正 浩
Masahiro MATSUSHIMA
本学部の機構改革は、まずもって経営基盤を強化するとともに、質を担保した教育と診療の履行、低迷する研 究水準の向上を図ることを目的として発したものである。三位一体であった教育・研究・診療体制を、学部教育 を中心とする教育センター、大学院教育および研究を主体とする研究センター、診療および高度職能人(医療技 術者)の育成を目指す医療センターに分け、明確な責任の下に相互が連携する3センター構想に基づいて、平成 20年の達成を目指して断行中である。過渡期の現在、教員個々の考え方に違いがあり難局にあるが、徐々に理解
と認識が浸透しつつあり粛々と進行中と理解している。
この機構改革を推進する一翼として、平成15年に業績評価委員会を設置し、教育・研究・診療に学内外の公的 活動を加えた4領域の点検・評価を実施することとした。1)教育評価:講師以上の専任教員を対象として、学生 による授業の質的評価と、教育活動および関連業務に費やした時間の量的評価の両面で行う。学生から評価を受 けることに対する抵抗感もあるが、本年から実施している。2)研究評価:、論文発表、著書を中心に、学会発表、
競争的研究費の申請ならびに獲得状況、学協会からの受賞、特許などを評価対象としている。すべてスコア化し て容易に評価できるようにし、一昨年から実施している。3)診療実績評価:医療センター(付属病院)での診療 および以後教育の実績に関する自己評価、臨床能力の第3者評価を中心にスコア化し、昨年から実施している。管 理運営面での実績、治験、講習会の開催などの活動も評価するが、医事訴訟などはマイナス評価としている。4)
学内外の公的活動評価:学内外での公的活動に関しても、軽重に応じてスコア化している。
研究評価については、職域別に基準を定め、3年毎の大学院資格の見直や昇任人事に用いている。昇任人事に 当たっては、4領域の評価の記載を義務付け、選考の評価に含めるようにしているが、絶対基準は研究評価につ いて定められているのみである。現時点では、評価結果は自助努力に期待するところが大きい。今後、これら4 領域の評価を総合的にどのようなバランスで評価し3センターへの教員再配置に活用するか、評価結果をどのよ うに教員個々の活性化に繋げていくかについては、正確な評価を継続させていくことも含め、具体的な方策を模 索しているところである。
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一 274 一 東京医科大学雑誌 第63巻第4号
松島正浩 略歴
昭和41年3月 昭和42年4月
昭和42年ll月昭和50年3月 昭和53年6月 昭和53年6月 昭和58年4月 昭和60年7月
昭和62年ll月平成元年6月 平成4年4月 平成6年7月 平成12年7月
平成15年10月東邦大学医学部卒業
東邦大学医学部泌尿器科学教室入局 東邦大学医学部泌尿器科学教室助手 自治医科大学泌尿器科学教室講師 東邦大学医学部泌尿器科学教室講師
米国Wisconsin大学臨床腫瘍センターにResearch Associateとして勤務(昭和55年6月ま
で)
東邦大学医学部泌尿器科学教室助教授
米国USC Medical CenterにCllinical fellowとして勤務(昭和61年6月まで)
東邦大学医学部泌尿器学教室教授
東邦大学大橋病院副院長(平成6年6月まで)
東邦大学医学部泌尿器科学第二講座主任教授 東邦大学大橋病院院長(平成12年6月まで)
東邦大学医学部長
中国・昆明医学院名誉教授称号授与
[所属学会および役員]
日本泌尿器科学会:理事、評議員、ボーディレグメンバー、教育委員、用語委員会委員長、医療安全評価委員会 常任委員、DRG専門委員会委員、将来計画委員会委員、学術委員、東京地方会会長
日本不妊学会:評議員 日本思春期学会=評議員 日本癌治療学会=評議員
日本アンドロロジー学会:評議員 日本インポテンス学会:評議員 日本内視鏡外科学会:評議員
日本Endourology・ESWL学会:評議員
大学医学部・医科大学倫理委員会委員、米国泌尿器科学会員、国際泌尿器科学会員、Int. J. Urology編集委員、日 本泌尿器科学会誌編集委員、泌尿器科紀要編集委員
財団法人 日本医療機能評価機構:診療機能調査票改定検討会委員泌尿器外科編集顧問
[公的委員]
文部科学省学術審議会専門委員(科学研究費分科会)
厚生労働省身体障害者福祉審議会委員
厚生労働省疾病・障害認定審査会委員(身体障害認定分科会員)
厚生労働省診断群分類班班員
厚生労働省「ぼうこう又は直腸機能障害」認定基準に関するワーキンググループ委員 大学基準協会相互評価委員
平成15年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業
「身体障害者の障害認定基準の最適化に関する研究」班員
厚生労働省胸腹部臓器の障害認定に関する専門検討会泌尿器・生殖器部会座長
[賞 罰]
昭和52年ll月
昭和53年4月
東邦医学会賞受賞
日本泌尿器科学会(坂口賞)受賞
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