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  相 手 方 に 秘 密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 に 基 づ く 父 子 関 係 否 認 訴 訟   1

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(1)

一   は じ め に 二

  相 手 方 に 秘 密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 に 基 づ く 父 子 関 係 否 認 訴 訟   1

  連 邦 裁 判 所 二

〇 五 年 一 月 一 二 日 判 決   2

  連 邦 裁 判 所 の 判 旨   3

  要 件 の 緩 和

― 連 邦 裁 判 所 二

〇 六 年 三 月 一 日 判 決 三

  私 鑑 定 の 収 集 お よ び 利 用   1

  私 鑑 定 の 提 出 と 問 題 点   2

  私 鑑 定 に よ る D N A 鑑 定 の 提 出

( 以 上

、 三

〇 巻 一 号

) 四

  違 法 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用 可 能 性   1

  違 法 収 集 証 拠 理 論 の 適 用 の 是 認   2

  子 の 一 般 的 人 格 権 と 父 の 父 子 関 係 不 存 在 確 認 の 利 益

( 以 上

、 三

〇 巻 二 号

)   3

  違 法 に 収 集 さ れ た 当 事 者 の 事 実 申 立 て   4

  小 括

( 以 上

、 本 号

(      

) 一

秘 密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

─ 最 近 の ド イ ツ 連 邦 裁 判 所 判 決 を 手 掛 か り に

─ 豊 ─

  田  

   

博  

昭  

(2)

五   父 子 関 係 否 認 訴 訟 に お け る 再 訴 の 可 能 性 六

  お わ り に

― 日 本 法 へ の 示 唆

四   違 法 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用 可 能 性

3 違  法に 収集 され た当 事者 の事 実申 立て   1  事実 申立 ての 評価 禁止    本件 連邦 裁は

、判 旨2

部 分で

、訴 えの 有理 性の 問題 に関 連し て、 秘密 に収 集さ れた D N A鑑 定は

、 父子 関係 の否 認訴 訟の 証拠 方法 とし てだ けで なく

、 当事 者の 申立 て

(Parteivortrag

) と して も利 用で きな い と 判示 して いる

(三

〇巻 一号 九二 頁。 この 点に つい ては

、前 掲三 24 一号 一〇 二頁 以下 も参 照)

。そ の際 に、 本件 判旨 は、 第 一事 件の 原審

・ツ ェレ ェ高 裁が 示し たの と同 様に

、事 実申 立て 後に は、 血縁 鑑定

(民 訴法 三七 二条 aに よる 強制 的な 措 置 を含 む) が実 施さ れる のが 通常 であ ると の一 般的 な手 続推 移を 理由 にあ げて

、違 法収 集証 拠理 論を 先取 って 適用 する こ と を是 認し た( 前掲 三2 4

参照

)の か、 必ず しも その 判旨 から は明 確と いえ ない

。し かし

、連 邦裁 が本 件D NA 鑑定 を 証 拠方 法と 指摘 した のは

、従 来の 実務 の扱 いに 追従 した だけ でな く、 違法 収集 証拠 理論 を適 用す る意 図で あっ たと 解す る の が素 直に 思え る。 ただ し連 邦裁 は、 その 後二

〇〇 六年 三月 一日 判決

(FamRZ2006,S.686ff.=MDR2006,S.171f.

)に お い て

、本 件の よう な血 縁鑑 定を

、父 子関 係否 認の 訴え の有 理性 を導 く「 当事 者の 申立 て」 と判 示し てお り、 この 点で は本 件 判 旨と の関 係が 必ず しも はっ きり しな い。 それ とも

、後 掲の 学説

(A

・ス ティ リア ニィ ディ ス) のよ うに

、そ の両 方の 属 性 を考 えて いる のだ ろう か。 なお

、連 邦憲 法裁

〇七 年判 決は

、本 件鑑 定を

「証 拠方 法」 と述 べて いる が( 四2 4

鉛 準

、 修 道 三〇 巻二 号二 六九 頁参 照)

、こ れは

、連 邦裁

〇五 年判 決の 判旨 をそ のま ま引 用し たこ とに よる もの であ ろう

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

(      

(3)

 

  学説 の議 論を みる と、 上 述し たよ うに ベレ ンホ ッフ ァー

(M.Wellenhoffer

)が こ の点 を批 判し てい

D NA 鑑 定 は、 本案 の問 題に つい ての 証拠 方法 とし て提 出さ れた もの では なく

、訴 えの 申立 ての 具体 化に 当っ て原 告を 助力 する た め のも ので ある

。鑑 定の 指摘 は、 証拠 方法 の提 出で はな く、 訴え の有 理性 のた めの 書面 にさ れた 当事 者の 申立 てに ほか な ら ない

。有 理性 のあ る申 立て だけ でな く、 その ため の証 拠申 出も また 当事 者に 要求 され る場 合は

、裁 判所 は遅 くと も証 拠 調 べの 際に 違法 に収 集さ れた 証拠 方法 に面 して

、ケ ース によ って はそ れを 利用 でき ない とし て却 下し なけ れば なら ない

。 事 実申 立て の利 用可 能性 につ いて

、考 える 必要 はな い。

し かし

、父 子関 係の 否認 事件 にお いて はも っぱ ら事 実申 立て し か ない ため

、証 拠利 用禁 止が そこ に及 ぶか が問 題に なる

。連 邦裁

〇五 年は それ をあ っさ り肯 定し てい るが

、民 訴法 は事 実 申立 ての 禁止

(Sachvortragsverbot

)を 知 ると ころ で はな い。 かえ って 当事 者の 自 由お よび 自己 責 任の 原則 が 妥当 し、 また 職権 探知 主義 が適 用さ れる とこ ろで も、 裁判 所は 申立 ての あっ た事 実を すべ て承 知し たう えで

、評 価し なけ れば なら ない

。 その 限り で、 当事 者の 申立 ては 評価 し得 るか 否か では なく

、裁 判所 は単 にそ れを 知っ たう えで

、取 り扱 わな けれ ばな らな いの であ る。 した がっ て、 当事 者の 申立 てと 証拠 調べ

・証 拠評 価は 区別 しな けれ ばな らず

、証 拠利 用禁 止に 適用 され る理 論を 当事 者申 立て に転 用す ると なれ ば、 少な くと もそ のた めの 正当 化が 必要 であ る。

  と ころ が父 子関 係否 認事 件で はそ れが はっ きり せず

、当 事者 申立 てを しん 酌す るこ とで 人格 権侵 害が 続く とい う見 解

( カー ル スル ーエ 高 裁) が み られ るが

、 そ もそ も 父子 関係 否 認訴 訟に お いて は、 裁 判 所は こ こで 問題 と なっ てい る 情報 を い ずれ にし ても 職権 によ って も調 査で きる し、 また 調査 しな けれ ばな らな いこ とが 看過 され てい る。 医学 鑑定 によ って 血 縁 問題 につ いて 証拠 調べ が行 われ ると きは

、ど うし ても 子の 人格 権侵 害が 生ず る結 果に なら ざる をえ ない

。そ のう え子 は 強 制鑑 定の 規定

(民 訴法 三七 二条 a。 なお

、そ の法 文は

、後 述す るよ うに

、二

〇〇 八年 のい わゆ る家 庭非 訟事 件手 続改 革

 

54

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

(      

(4)

法 によ って 改正 され

、現 在は 同改 革法 一七 八条 一項

・二 項と 同じ 表現 にな って いる

。4 3

ウ参 照、 三七 頁) によ って 必 要 な身 体的 検査 を受 忍し なけ れば なら ない ので あっ て、 その 限り では 一般 的な 期待 可能 性の 審査 も行 われ ない

。右 規定 の 利 益衡 量の ため の連 結点 は、 立法 者の 検査 義務 とい う基 本的 な決 定で あり

、血 縁関 係を 解明 する 利益 が、 一般 的に 相手 方 当 事者 の単 なる 防御 また は秘 密保 持の 利益 に優 先し てい ると 考え るべ きで ある

。そ れゆ えに

、検 査の 不利 益的 な効 果か ら 検 査の 拒絶 権を 導く こと はで きな いの であ って

、疑 父に 対す る扶 養料 請求 権の 喪失 とい う形 で現 れる 経済 的不 利益 と同 様 に

、夫 との 血縁 関係 の不 存在 が確 認さ れる とい う危 惧に つい ても

、同 じこ とが いえ る。 さら にま た夫 婦に 争い が生 じた り、 家 庭の 平和 が脅 かさ れる とい う事 情も

、検 査を 期待 不可 能な もの にす るこ とに はな らな いの であ る。

し たが って

、否 認 原 告に 申立 ての 有理 性の ため に秘 密の 血縁 鑑定 の援 用を 禁じ た場 合、 裁判 所は いず れに して もま さに その 訴訟 で自 ら職 権 で 調査 し、 合法 的に 調査 しう る事 実や デー タの 主張 を禁 ずる 結果 とな って

、絶 対に 有意 義と はい えな い。   以上 のよ うに 述べ て、 ベレ ンホ ッフ ァー 説は

職権 で行 われ るべ き血 縁鑑 定に つい て法 律上 の障 害が なく

、か つ民 訴 法 三七 二条 aに 基づ く強 制鑑 定に よっ て人 格権 侵害 の可 能性 があ るな らば

、当 事者 は少 なく とも それ に応 じた 私鑑 定の 提 出 を認 めて よい と考 える

。以 上の 特別 な事 情の もと では

、人 格権 の保 護目 的は 申立 ての 利用 禁止 とい う形 での 訴訟 上の サ ン クシ ョン を要 請す るも ので はな い。 そし て、 原審 のツ ェレ ェ高 裁が

、当 事者 申立 ての 利用 禁止 を基 礎づ ける ため

、原 告 は 違法 収集 鑑定 がな けれ ば、 裁判 手続 を始 動さ せる こと がで きな かっ たと 判示 して いる 点を 批判 して

、そ もそ も有 理性 の あ る最 初の 疑い を要 請す る詳 細説 自体 が、 民訴 法上 も民 法上 も根 拠が ない ので ある

。仮 にそ の説 にと どま るな らば

、本 案 の 申立 ての 枠内 で、 原告 に秘 密の 鑑定 の援 用を 許さ なけ れば なら ない

。鑑 定の 援用 だけ では

、基 本権 の重 大な 侵害 に結 び つ かな いと 述べ る。

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

(      

(5)

  2  学説 の議 論  ベ  レン ホッ ファ ー説 が右 に指 摘す る、 訴え の申 立て に違 法収 集証 拠理 論を 適用 でき るか とい う問 題 に 関し ては

、本 判決 以前 にも 若干 の研 究が みら れる

。  

  ハイ ネ マン

、「 違法 に 収集 され た 事実 申立 て」 と題 する 論 文で

、こ の問 題を 検討 し てい る。

考 察 の手 掛か り は、 カ ール ス ルー エ高 裁二

〇〇 年二 月 二五 日判 決

(NJW2000,S.1577=MDR2000,S.847

) で ある

。 こ れ は

、被 告Y がそ の職 務上 知っ た原 告X 夫婦 の事 情を

、X の当 時の 隣人 A夫 婦に 洩ら した とし て、 Xか らY に対 して 慰謝 料 お よび 名誉 毀損 の発 言の 差止 めと 撤回 が請 求さ れた とい う事 案で ある

。Y は漏 洩の 事実 を認 めた が、 職務 上の 秘密 事項 ま で は含 まれ ない と反 論し た。 問題 とな った のは

、こ の事 件の 請求 の前 提と して

、X が、 会話 の盗 み聞 きと メモ 書き とい う 違 法な 方法 によ って

、Y

・A 夫婦 の洩 らし た会 話の 内容 を知 った ので はな いか とい う点 であ る。 第一 審は

、X の緊 急弁 護 士 付添 いの 申立 て( 民訴 法七 八条 b第 一項

)を 却下 して 訴え を却 下し

、カ ール スル ーエ 高裁 もX の控 訴を 棄却 した

。   カー ルス ルー エ高 裁は

、① 発言 の撤 回・ 差止 請求 権が 存在 しな いと 判示 する 際に

、X の主 張は Yと A夫 婦の 会話 を逐 語 的 に再 現し てお り、 何ら かの 技術 的手 段を 用い て会 話を 盗み 聞き した か、 記録 化し たこ とが 推測 され ると 指摘 して

、違 法 に 入手 した 会話 の利 用問 題に つい ては

、違 法収 集証 拠に 関す る折 衷説

(実 体法 上違 法に 収集 され た証 拠方 法を すべ て強 行 的 に訴 訟上 利用 でき ない とは せず

、証 拠調 べの 結果 によ って 憲法 上保 護さ れた 人格 権が 侵害 され

、か つ例 外的 に財 産的 価 値 の比 較衡 量を 通じ て利 用を 正当 化す るこ とが でき ない とき に初 めて

、証 拠利 用の 禁止 とい う前 提に 立つ こと がで きる

) に 従っ て解 決 する とす る。 証拠 利用 の禁 止(Beweisverwertungsverbot

)の 存 在は 民 事手 続で も憲 法か ら 導か れ、 特 に第 三 者の 人格 権侵 害の もと で証 拠方 法が 取得 され た場 合に

、訴 訟上 の証 拠利 用の 禁止 が適 用さ れる

。電 話会 話の 不当 な盗 聴や 記録 化が それ であ り、 不適 法に 得ら れた 知識 が利 用さ れる こと で、 盗聴 を受 けた 者の 人格 権侵 害が 続く だけ でな く、 より

 

55

(J.Heineman

n

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

(      

(6)

増 強さ れる

。② 本件 では

、Y が隣 人夫 婦A にX とそ の妻 のこ とを 話し たこ とに つい ては 争っ てな く、 その 話が 差止 めの 対 象 でも あっ て、 違法 な知 識の 取得 はX が民 事手 続に おい てそ れを 申立 てと して 利用 する こと を禁 止す る。 憲法 から 導か れ た 証拠 利用 の禁 止は

、違 法に 取得 した 状態 の利 用を 不適 法と する 一般 的法 原則 の現 れで あり

、違 法行 為に 対す る制 裁で も あ る。 この 証拠 利用 禁止 は、 その 保護 目的 およ び機 能か らみ て、 人格 権を 侵害 して 取得 した 知識 を証 拠調 べの 対象 にで き る かと いう 問題 だけ でな く、 当事 者が 申し 立て た事 実資 料を しん 酌で きる かと いう 問題 にも 適用 され る。 そう した 盗み 聞 き 行為 の結 果に つい ての 申立 てを しん 酌す るこ とで

、憲 法上 保護 され たY の人 格権 の違 法な 侵害 が続 くこ とに なる から で あ る。  

カ ール スル ーエ 高裁 の右 判旨

②部 分は

、秘 密に 実施

・収 集さ れの DN A鑑 定を

、証 拠方 法と して だけ でな く、 当事 者 の 申立 てと して も利 用で きな いと 判示 する 本件 連邦 裁〇 五年 判決

(2 2

参 照。 修 道法 学三

〇巻 一号 九二 頁) と同 じ考 え 方 を示 して いる が

、 この 判旨 に 対し ては 一部 で 批判 がみ られ る。 まず 高名 な裁 判 官で ある シュ ナ イダ ー

(E.Schneider

) は

、原 告に よる 当事 者の 申立 ての 考慮 につ いて も証 拠利 用禁 止か ら導 く考 え方 は、 法律 上、 根拠 がな いと 批判 す

① 民 訴 法は 主張 禁止 を知 らず

、真 実に かな った 申立 てを する よう にと の制 裁な き要 請( 民訴 法一 三八 条一 項) しか 知ら ない

。 右 判旨 の考 え方 は、 中立 的な 証人 や文 書に よっ て事 後的 に証 明で きる 場合 にも

、申 立て が禁 止さ れる とい う不 当な 結果 を 生 ずる

。憲 法に 違反 した 申立 ての 無視 によ り、 真実 に反 した 判決 がな され る不 当な 結果 とな る。

②特 定の

、か つ明 確な 要 件 が法 定さ れて いる 場合 にの みそ れは 許さ れる が、 本件 でそ の要 件は ない

。事 案の 解決 とし ては

、Y がX の主 張を 争っ て い ない 以上

、証 拠調 べの 必要 はな く、 裁判 所は 争い のな い事 実に 基づ き裁 判し なけ れば なら なか った とす る。  

ハ イネ マ

①カ ール スル ーエ 高裁 がと る事 実申 立て の評 価禁 止と いう 考え 方は

、理 論的 にも また 法治 国家 の民 訴

 

56

 

57

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

(      

(7)

手 続の 観点 から も受 け入 れら れな いと 批判 する

。そ れは ドイ ツ民 訴法 の知 らな い考 え方 であ り、 裁判 所が 当事 者の 申立 て を 聴取 して はな らな いと いう 意味 での

、評 価を しな いと いう こと はあ りえ ない

。本 件の よう に事 実関 係は 相手 方Y が自 白 し てい ると みら れる 場合 には

、い っそ うの こと そう であ り、 裁判 所は 争い のな い事 実に 拘束 され

、そ の事 実を 疑っ て証 拠 を 要求 した り、 裁量 で自 白事 実に つい て裁 判を する こと はで きな い。

②事 実申 立の 評価 禁止 の考 え方 は、 処分 権主 義や 弁 論 主義 とい う基 本原 則を 崩し

、当 事者 の法 的審 尋の 原則

(基 本法 一〇 三条 一項

)を 制限 する こと にな る。 証拠 評価 のみ が 裁 判官 の自 由な 裁量 に服 し、 証拠 調べ が相 手方 の一 般的 人格 権を 侵害 する 限り では

、裁 判所 は証 拠調 べを して はな らな い。 し かし そこ から 逆推 して

、事 実資 料に つい ても 同様 に考 える のは

、事 実申 立て と証 拠の 評価 の違 いを なく し、 事実 資料 に つ いて 証拠 評価 を先 取る こと にな る。 裁判 所を 拘束 する 事実 申立 てと 裁判 官の 自由 な評 価に 服す る証 拠申 出は

、は っき り 区 別し てお く必 要が ある

。  

③そ こで この

、第 一に

、被 告Y の会 話の 相手 Aの 証人 尋問 の利 用可 能性

(証 拠評 価禁 止) につ いて 検討 する

。ま ず Y の人 格権 侵害 を理 由と する 評価 禁止 の考 え方 では なく

、裁 判所 は、 会話 の相 手方 であ る証 人A への 尋問 が新 たに 人格 権 の 侵害 にな るか

、侵 害す ると きは

、比 較衡 量に よっ てX の名 誉を 保護 する 利益 がA の人 格権 の利 益に 凌駕 する か否 かを 検 討 すべ きで ある

。右 事案 では Aの 証言 は自 らの 会話 内容 では なく

、Y のそ れを 対象 とす る点 で、 人格 権の 新た な侵 害が 認 め られ るか は疑 問で あり

、私 的な 知見 の秘 密保 持は 証言 拒絶 権に よっ て守 られ る。 対立 利益 は同 順位 であ り、 高裁 はA の 証 人尋 問を すべ きで あっ た。   第二 に、 事実 申立 ての 評価 禁止

(Sachvortragsverwertungsverbot

) につ いて は、

Y が 違法 に収 集さ れた 事実 申立 てを 争っ た場 合、 Xは 証拠 申出 をし なけ れば なら ない が、 それ が違 法収 集証 拠で あれ ば、 Yは 証拠 評価 禁止 原則 によ り保 護さ

 

58

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

(      

(8)

れ る。

Y が真 実義 務( 民訴 法一 三八 条一 項) に従 って 争わ なか った 場合

、真 実義 務と 被告 の一 般的 人格 権が 衝突 する

。 そ こで 訴訟 上の 真実 義務 によ るべ きで ある が、 その 限界 線は 期待 可能 性と 信義 則に おか れる

。右 事案 でY に犯 罪事 実の 告 訴 は期 待で きず

、一 般的 人格 権が 侵害 され る質 問に は嘘 をつ く権 利が 実体 法上 認め られ る。 そこ でY は、 人格 権を 侵害 す る 事実 申立 てに は、 真実 義務 に従 って 答え ずに むし ろ争 い、 原告 に利 用で きる 証拠 方法 によ って 証拠 申出 をす るよ うに 強 制 すべ きで ある

。   第三 に、 右事 案の よう にY が違 法に 収集 され た事 実申 立て を認 めた 場合 は、 それ 以上 Yを 保護 すべ き理 由は ない

。Y は、 裁 判所 が原 告の 事実 申立 てを 裁判 の基 礎に おく こと に同 意し たの であ り、 高裁 がX の事 実申 立て を評 価し なか った のは 不 当 であ る。  

ツ ェラ ーの コン メン ター

、右 ハイ ネマ ン説 を引 用し て、 当事 者の 一方 が、 可罰 的な 方法 また は人 格権 を侵 害す る 方 法で 入手 した 情報 を申 し立 てて いる とき は、 相手 方は それ を争 って よい ので ある

、さ もな いと 違法 収集 証拠 理論 が機 能 を 果た せな くな る旨 指摘 して いる

。し かし

、事 実申 立て の評 価禁 止と いう 見方 には 納得 でき なと する 見解 もあ   思う に、 事実 申立 ての 評価 禁止 の観 点か らの これ ら批 判説 も、 その 根拠 を当 該訴 訟に おい て然 るべ く有 する 証拠 価値 に み たり

( ヴェ レ ンホ ッフ ァ ー説

)、 ある いは 弁論 主 義を 重視 す る

(ハ イネ マ ン説

) など ニ ュア ンス に違 い があ るが

、 確 か に ハイ ネマ ン説 がい うよ うに

、事 実申 立て の評 価禁 止( 裁判 所は

「採 り上 げな い」 とい う意 味で あろ う) とい う考 え方 は、 訴 訟資 料に つい ての 弁論 主義 の考 え方 と抵 触す ると いう 指摘 は正 当と 思わ れる

。ま た手 続の 推移 から みる と、 違法 収集 証 拠 理論 の適 用範 囲は

、本 来、 当事 者の 証拠 申出 に対 して 裁判 所が 証拠 決定 をす べき 段階 であ り、 将来 の証 拠調 べの 進展 を 配 慮し てす でに 事実 申立 ての 段階 から 先取 って その 適用 を認 めて よい とい うの はそ の適 用範 囲を 逸脱 する こと にな らな い

 

59

 

60

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

(      

(9)

か と思 われ る。 ベレ ンホ ッフ ァー 説の あげ る根 拠論 によ れば

、決 定的 な証 拠は 常に はず せな いと いう 結論 にな らざ るを え な いよ うに 思わ れる が、 それ でよ いか はな お疑 問が 残る

。   他方 で、 判例 が違 法収 集証 拠理 論に つい て折 衷説 を採 って いる 点を 考え ると

、右 判旨 の趣 旨は

、事 実申 立て の段 階か ら、 基 本法 で保 障さ れた 人格 権の 侵害 をそ の侵 害を 正当 化し うる 利益 と比 較衡 量し よう とい うも ので ある と解 する こと がで き な いだ ろう か。 もち ろん 批判 説が いう よう に、 弁論 主義 の原 則に たつ 民事 訴訟 にお いて 裁判 所が 事実 申立 ての 段階 から そ う した 審査 を安 易に する こと は慎 重を 要す るに して も、 訴状 には

、任 意的 記載 事項 であ るが

、請 求を 基礎 づけ る事 実お よ び 証拠 方法 が記 載さ れ

民 訴法 二五 三条 四項

。日 本法 では 民訴 規則 五三 条一 項に 相応 する 規定 であ ろう

)点 も考 える と、 右 判旨 はす でに 事実 申立 ての 段階 から そう した 利益 衡量 を行 うこ とを 明ら かに した もの であ ると いう 見方 もで きる よう に 思 える

。仮 にこ の見 方が 成り 立つ とす れば

、判 例は

、違 法収 集証 拠理 論も 含め て、 より 上位 の価 値と して 人格 権の 侵害 を 監 視し よう とい う考 え方 にた って いる と解 する こと がで きな いだ ろう か。 この よう な視 点に よる と、 違法 収集 証拠 理論 も そ の一 適用 例に すぎ ない こと にな ろう

。   右議 論を これ 以上 検討 する 蓄積 も余 裕も ない が、 これ らの 批判 説に 従う と、 本件 の解 決方 法は つぎ のよ うに なる と思 わ れ る。 すな わち

、連 邦裁

〇五 年判 決や カー ルス ルー エ高 裁と は異 なり

、裁 判所 は、 被告 の同 意な く実 施さ れた 否認 原告 の 訴 えの 申立 てに 基づ き本 案手 続を 開始 すべ きで ある が、 被告 はそ うし た否 認原 告の 事実 申立 て、 つま り父 子関 係の 否認 の 主 張を 争っ てよ い。 そこ で否 認原 告が 立証 のた め当 該D NA 鑑定 を提 出し てき たと きは

、被 告は 人格 権侵 害を 理由 とす る 証 拠評 価禁 止理 論に よっ て当 該証 拠申 出を 却下 に導 くこ とが でき よう

。  

  A・ ス ティ リィ アニ ィデ ィス

(A.Stylianidis

) は

、 子ま たは 監護 権を も つ母 の同 意な く行 われ たD NA 解析 は、 父

 

61

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

(      

(10)

子 関係 否認 訴訟 にお いて 証拠 方法 とし ても

、ま た事 実申 立て とし ても 利用 する こと はで きな い、 裁判 所が それ を利 用し た 場 合、 子の 人格 権を 改め て侵 害す るこ とに なる と解 す

こ の説 は、 DN A鑑 定に 証拠 方法 と事 実申 立て の両 方の 属性 を 認 めて いる 点が 注目 され る。 また この 説は

、訴 訟上 だけ でな く訴 訟外 でも その 法的 効果

(子 の法 的救 済策

)を 検討 して い る

。   この

よる と、

父 子関 係否 認訴 訟で

、否 認原 告で ある 父は

、自 分が 子の 父で はな いこ との 証明 責任 を負 い、 私鑑 定 は その ため の証 拠と して 用い られ る。 証拠 申出 にお いて

、原 則と して 私鑑 定は 証拠 方法 とし て訴 訟に 提出 され るが

、そ れ は

、鑑 定( 民訴 法四

〇二 条) では なく

、書 証( 民訴 法四 一五 条以 下) であ る。 裁判 所が この 鑑定 を利 用す るに は子 また は 監 護権 者の 同意 が必 要で ある が、 この 種の 鑑定 はこ の要 件を 満た して いな い。 仮に 子( 監護 権者

)の 同意 を不 要と 考え る に して も、 子が 裁判 所に 鑑定 の申 立て をす ると きは

、裁 判所 は書 証の 証拠 調べ を中 止し

、そ の鑑 定の 申立 てに 応じ なけ れ ば なら ない

。 裁 判所 は当 事 者の 証拠 申 出を 拒否 し ては なら な いが

( 民訴 法 二八 六条

、 基 本法 一〇 三 条二 項)

、 そ れを 拒 否 す べき 手続 法ま たは 証拠 法上 の理 由が ある とき は、 職権 探知 主義 の手 続で もそ れを 拒否 する こと がで きる

。   この 説は

、証 拠申 出の 却下 基準 とし て刑 訴法 二四 四条 三

参 照し て、 私鑑 定は 事実 問題 の解 明、 つま り父 子関 係の 不 存 在を 証明 する のに 適切 とは いえ ない とす る。 ただ し、 不適 切を 理由 とす る却 下は 例外 的な 場合 に限 るべ きで ある

。否 認 原 告の 生物 学的 な父 子関 係は

、父 子鑑 定が 検査 を受 ける 者の 同一 性を 確認 して いる 場合 にの み証 明さ れる

。し かし

、秘 密 の 私的 なD NA 鑑定 は、 依頼 者か ら検 査試 料が 調査 機関 に郵 送さ れる こと が多 く、 子の 同意 書が ない とき は、 依頼 者で あ る 夫の 名前 だけ が記 され てい る。 裁判 官は その よう な鑑 定に 基づ き、 子と 父と の血 縁関 係を 判断 する こと はで きな い。 こ の 点に つき

、夫 は他 人の 試料 の解 析に 関心 はな く、 試料 の確 実性 は保 障さ れて いる との 反論 があ るが

、そ れは 説得 力を 欠

 

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64

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

(      

) 一

(11)

い てい る。 裁判 所は

、確 実性 に接 した 蓋然 性を もっ て血 縁関 係の 存否 を認 定し なけ れば なら ず、 その 心証 の程 度か らし て、 同 一性 の確 認を 欠く 私鑑 定は 証拠 方法 とし て不 適切 であ る( 事実 上の 理  

子 の遺 伝子 試料 が、 違法 な方 法で 取得 し利 用さ れて いる

。① DN A解 析の 実施 は基 本法 二条 一項

・一 条一 項で 保障 さ れ た情 報に 関す る自 己決 定権

、 連邦 デー タ保 護法

(BDSG

) 四 条

(個 人デ ータ の調 査

・ 加工

・ 利用 の適 法性

) およ び二 九 条

( 引渡 し を目 的と した 業 務上 のデ ー タの 調査

・ 蓄 積)

、 子 の一 般的 人 格権 に違 反 して いる

。 証 拠調 べが 不 適法 な場 合、 証 拠申 出は 却 下し なけ れ ばな らな い が

(刑 訴 法二 四四 条 三項 一文

)、 そこ で は証 拠方 法 の取 得 では なく

、 証 拠調 べの 実 施 が 問題 に され てい る。 基本 法は 司 法を 直接 に 拘束 し

(基 本 法一 条三 項)

、 法 治 国家 は手 続 形成 の義 務 を負 う。 法 治 国家 原 理 と基 本法 二条 一項

(他 人の 権利 の不 可侵 と人 格の 自由 な発 展を 目的 とす る権 利) から 裁判 手続

、特 に証 拠法 の要 請が 導 か れる

。秘 密の 父子 鑑定 の利 用は

、情 報に 関す る自 己決 定権

(基 本法 二条 一項

・一 条一 項) に再 び違 反す る。 証拠 調べ の 際 の利 益衡 量に よっ ても 父子 関係 を知 る父 の利 益は 保護 され ない

。鑑 定の 利用 を認 めな いか らと いっ て、 訴え は直 ちに 棄 却 され ず、 職権 探知 主義 の手 続で は、 裁判 所は 新た なD NA 鑑定 の実 施を 命ず るの が通 常で あり

、子 の情 報に 関す る自 己 決 定権

(基 本法 二条 一項

・一 条一 項) の侵 害は

、強 制鑑 定( 民訴 法三 七二 条a

)に よっ て正 当化 され る( 法的 な理  

こ の説 によ れ

血 縁関 係を 争う 否認 原告 は、 証拠 調べ の必 要を 生じ させ る事 情を 申し 立て なけ れば なら ない

、つ ま り 父子 関係 の不 存在 を思 わせ る具 体的 な手 掛か りを 提出 しな けれ ばな らな い。 否認 原告 が懐 胎期 間中 の妻 の不 貞を 知っ て、 そ の決 定的 手掛 かり とな る事 実を 主張 して おれ ば、 それ で足 りる

。否 認原 告が 父子 関係 を否 定す る私 鑑定 を指 示し てい る 場 合、 それ は事 実申 立て と解 され る。 そし て手 続要 請は

、判 決発 見や 証拠 法に 適用 され るだ けで なく

、訴 訟全 体を 通じ て 裁 判所 を拘 束す ると の考 え方 にた って

、こ の説 は、 違法 に収 集さ れた 証拠 結果 の利 用可 能性 と、 違法 に取 得さ れた 事実 申

 

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)。

 

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)。

 

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密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

一 一

(      

(12)

立 てを 基礎 にお くこ とに 決定 的違 いは なく

、し たが って 証拠 法の 原則 は事 実申 立て の利 用可 能性 に適 用さ れる と解 する

。 こ の際 に第 一事 件の ツェ レェ 高裁 が参 照さ れて いる

。そ うす ると

、否 認原 告は 違法 に収 集さ れた 私鑑 定を 証拠 調べ の実 施 を 求め る事 情と して 引用 する こと はで きな いし

、裁 判所 は、 その よう な私 鑑定 の結 果以 外の 事情 によ って 父子 関係 の推 定

( 民法 一六

〇〇 条c

)を 疑問 に思 うと きの み、 否認 原告 の血 縁鑑 定収 集の 証拠 申出 に応 じて よい

。  

こ の説 は、 文献 上は 少数 説と 思わ れる が、 訴え の有 理性 問題 では 判例 の詳 細説 にく みす

最初 の疑 いは

、血 縁関 係 の 不存 在の 証明 まで 必要 なく

、子 と他 男と の血 縁関 係の 可能 性が まっ たく あり えな いこ とも ない こと を示 せば 足り る。 否 認 原告 が、 母の 多数 関係 を示 唆す る証 言を する こと で、 それ は基 礎づ けら れる

、当 該人 物の 試料 によ って 鑑定 を行 う旨 申 し 立て てお れば

、そ れで 足り ると 解す  

なお 訴 訟外 の領 域に つい て

、こ の説 によ ると

、調 査機 関 は、 調査 機 関に よる 個人 デ ータ の 保護 法益 規定 であ る連 邦デ ー タ 保護 法一 四 条一 項( デー タの 蓄積

・ 加工

・ 利用

)お よび 同法 二 九条

( 引渡 し を目 的と し た業 務上 のデ ー タの 調査

・ 蓄積

) と とも

民法 八二 三条 二項

(他 人の 保護 を目 的と する 法律 に違 反し た者 が負 うべ き損 害賠 償義 務) の適 用を 受け ると 解 す  

  ライ ヘン バ ッハ

(S.B.Reichenbach

裁判 官の 肩書

)も

、本 件連 邦裁

〇五 年判 決に つい ての 論考 の冒 頭で

、こ れを

、違 法に 収集 され た証 拠方 法の 利用 可能 性の 問題 では なく

、違 法に 収集 され た情 報な いし 事実 申立 ての 利用 可能 性の 問題 であ る、 たと えば 盗聴 装置

、電 話の 盗聴

、ビ デオ 監視 など 人の 人格 領域 に触 れる よう な方 法で 情報 が収 集さ れる ケー スで ある と指 摘す こ  の説 によ ると

父 子関 係の 否認 の訴 え( 民法 一五 九九 条) は、 原告 から 血縁 関係 の不 存在 とい う申 立て があ れば 訴

 

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論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

一 二

(      

(13)

訟 物の 特定 とし ては 十分 であ り、 裁判 所は 直ち に証 拠調 べを して よい はず なの に、 連邦 裁一 九九 八年 判決 が訴 えの 有理 性 に つき 詳細 説を 採用 した こと が問 題の 直接 の原 因で ある とし て、 詳細 説を 批判 する

。裁 判所 は裁 判に 当た り当 事者 の重 要 な 事実 申立 て をし ん 酌す べき 義 務が ある が

、 それ は 当事 者の 法 的審 尋を 受 ける 権利

(基 本法 一

〇三 条一 項)

、 ひ い ては 司 法 行為 請求 権か ら導 かれ る。

違 法に 収集 され た事 実申 立て の利 用可 能性 の問 題は 民事 訴訟 の問 題で あり

、そ の解 答は 民 訴 法か ら導 くべ きで ある が、 民訴 法に 禁止 規定 はな い。 証拠 方法 の禁 止問 題( 違法 収集 証拠

)で は信 義則 説が 成功 して い る が、 信義 則は 特別 な規 定が ない 場合 にの み依 拠し うる 補充 的意 義し かも たな い。 この 説は

、連 邦裁 が違 法収 集証 拠の 問 題 と同 様に ここ でも 一般 的人 格権

(基 本法 一条 一項

・二 条一 項) に依 拠し てい る点 を批 判し て、 裁判 官は 基本 法の みな ら ず

、単 行法

(einfachesGesesetz

)に も拘 束さ れ、 憲 法の 拘束 は 第一 次的 には 単行 法の 仲介 によ る、 む しろ 効力 順位 と異 な り、 適用 順位 につ いて は単 行法 が優 先す ると 考え るべ きで ある

。そ うす ると 利用 禁止 の根 拠は

、基 本法 では なく

、民 事法 上の 差止 請求 権に おく べき であ ると 解す る。

  本 件の 問題 は、 裁判 所の 高権 行為 の効 果で はな く、 相手 方当 事者 の法 領域

(人 格権

)へ の侵 害で あり

、対 立当 事者 の 私 的自 治行 為に よる もの であ る。 そし て侵 害行 為は 私法 の差 止メ カニ ズム に服 する

。そ の場 合に

、不 法行 為の 規定

(民 法 八一 三条 以 下) を補 充す るも のと して

、そ の他 の権 利・ 利益 の侵 害 に対 する 一般 的な 消極 的権 利保 護(actioquasinegatoria

) が 情報 の利 用禁 止の 単行 法上 の根 拠と して 考え られ る。 情報 の入 手行 為と 利用 行為 のう ち、 情報 の利 用、 つま り訴 訟上 の 当 該事 実の 利用 行為 を連 結点 とみ る。 そこ でこ の説 は、 侵害 され た相 手方 当事 者の 防御 要求 の根 拠は

、ド イツ 民法 一〇

〇 四 条一 項に よる 所有 権に 基づ く妨 害排 除請 求

項に よる 差止 請求 権で はな く─ であ ると 解す る。 当事 者は これ によ り 秘 密の DN A解 析と いう 違法 に取 得さ れた 情報 の利 用を 阻止 する こと がで きる し、 主張 責任 のあ る当 事者 はそ の援 助を 得

 

73

─二

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

一 三

(      

(14)

て 申立 てを 具体 化し

、要 求を 有理 性あ るも のに する こと はで きな い。 その 基準 時は

、口 頭弁 論の 終結 時で ある

。し たが っ て

、否 認訴 訟で 訴え られ た被 告は

、抗 弁と いう 方法 で原 告の 事実 申立 ての 不適 法を 主張 すれ ばよ いの であ り、 別訴 や仮 の 権 利保 護に よっ て主 張す る必 要は な   この 説は

、違 法に 収集 した 情報 また は違 法に 取得 した 事実 の申 立て を訴 訟上 利用 する 行為 を私 的自 治へ の侵 害行 為と し て

、 否認 原告 の請 求に 対す る 被告 から の抗 弁構 成に よる 所有 権に 基づ く 妨害 排除 請求 権

(Abwehranspruch

民法 一

〇〇 四 条 一項

)の 主張 を考 えて いる 点

も っぱ ら訴 訟法 的観 点か ら否 認原 告の 訴訟 行為 を制 限し よう と考 える 前掲 学説 と基 本 的 なア プロ ーチ の違 いを 示し てい る。 ただ しこ の説 は、 子の 情報 に関 する 自己 決定 権と 父子 関係 の存 否を 知る 父の 権利 は 同 順位 で対 立し てい ると みて

、そ の判 断の ため には すべ ての 重要 な事 情を 比較 衡量 する 必要 があ ると 考え てい る。 たと え ば

、子 の年 齢や 精神 状態

、子 と父 の社 会的 な結 びつ きの 態様 やそ の強 度、 血縁 関係 に関 する 争い の財 産法 的な 背景 など で あ   この 説に 対す るド イツ 法の 議論 につ いて は検 討で きて いな い

ひ とつ 疑問 を呈 する と、 この 説は 父が 取得 した 鑑定 試 料 は子 の所 有に 属す るこ とを 前提 にし てい るよ うに 思わ れる

。し かし 本件 のD NA 鑑定 に用 いら れた 鑑定 試料 であ る子 の 噛 んだ チュ ーイ ンガ ム( 第一 事件

)や 子の 頭皮 から 抜け 落ち た毛 髪( 第二 事件

)が

、依 然と して 子の 所有 物と いえ るだ ろ う か。 確か に、 頭皮 から 無理 やり 抜い た毛 髪に つい ては なお 子の 所有 権が 認め られ るか もし れな いが

、本 件の よう な鑑 定 試 料に つい ては

、所 有権 の放 棄が あっ た、 また は無 主物 にな った とみ て、 子の 所有 権を 否定 する 見

み られ るの であ る。 筆 者も これ には 同感 であ り、 そう する と所 有権 を基 礎に した 理論 構成 は必 ずし もす べて のケ ース に適 用で きる とは いえ な

 

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論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

一 四

(      

(15)

い ので はあ るま いか

。 4  小  括    1  本件 連邦 裁〇 五年 判決 によ ると

、① 父子 関係 否認 訴訟 にお いて は、 連邦 裁判 例( 九八 年判 決、

〇三 年判 決) の採 用 す る訴 えの 有理 性に つい ての 詳細 説に 従っ て、 否認 原告 は「 最初 の疑 い」 を示 す必 要が ある

。し かし

、秘 密に 実施

・収 集 さ れた DN A鑑 定は

、証 拠方 法と して だけ でな く、 当事 者の 申立 てと して も利 用で きな い。

②そ うし た鑑 定は

、情 報に 関 す る自 己決 定権 の形 で現 れる 被告

・子 の人 格権

(基 本法 一条 一項

、二 条一 項) を侵 害し てお り、 否認 手続 にお いて 子ま た は 法定 代理 人の 意思 に反 して

、利 用す るこ とは でき ない

。有 理性 審査 のた めの その 利用 は、 子の 人格 権お よび 情報 に関 す る 自己 決定 権に 対す る新 たな 違反 にな る。 連邦 裁判 例は

、違 法収 集証 拠に 関す る折 衷説 をこ の問 題に おい ても 適用 して

、 人 格権 侵害 を理 由に 秘密 に実 施・ 収集 され たD NA 鑑定 は訴 訟上 利用 でき ない との 考え 方に たつ

。   2  つづ いて 連邦 憲法 裁〇 七年 判決 は、 血縁 関係 を解 明す るた めの 新た な手 続を 創設 する よう に立 法者 に要 求す る一 方 で

、右 連邦 裁〇 五年 の右 判旨 は正 当で ある と判 示し てい る。 これ に対 し学 説は

、基 本的 には

、子 の福 祉を 重視 する か、 そ れ とも 真実 の血 縁関 係を 知る 父の 権利 を重 視す るか で、 連邦 裁判 例に 対す る評 価は 分か れて いる

。   違法 収集 証拠 理論 の射 程を 父子 関係 否認 訴訟 の当 事者 の事 実申 立て にま で及 ぼす か否 かと いう 問題 につ いて

、連 邦裁

〇 五 年判 決は それ を肯 定し てい るが

、学 説の 一部 では 批判 的な 見解 がみ られ る。 批判 説は

、問 題を なお 違法 収集 証拠 理論 の 枠 内で 考慮 す る方 向

( ハイ ネマ ン 説)

、 血 縁関 係の 解 明と い うこ の種 の 訴訟 でD N A鑑 定が も つ特 性を 重 視し て、 その よ う な 私鑑 定も 許 容す べき で ある とす る 説

(ヴ レ ンホ ッフ ァ ー説

)、 民法 上の 妨 害排 除請 求 権に 基づ く 抗弁 構 成を 考え る 説

秘 密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

一 五

(      

(16)

( ライ ヘ ンバ ッハ 説

) など そ のア プロ ー チは さま ざ まで ある

。 連 邦裁 判 例の とる

、 有 理性 審 査に おけ る いわ ゆる 詳 細説 に 対 して

、学 説の 批判 は多 い。 詳細 説に よる 否認 訴訟 の壁 を乗 り越 える ため には

、否 認原 告は 秘密 にD NA 鑑定 を収 集せ ざ る を得 ない ので ある

、と

。   3  とこ ろで 本稿 は、 筆者 の後 述し たよ うな 事情 によ りし ばら く執 筆す るこ とが でき なか った が、 その 間に ドイ ツの 立 法 者は

、「 大 家庭 裁判 所

(GroßeFamiliengericht

)」 の 設置 構想 とい う標 語か らも うか がえ るが

、 本稿 のテ ーマ も含 めて 家 族 法の 分野 で注 目す べき 大き な法 改革 を行 って いる

。残 念な がら

、い まそ れら の法 改革 全体 を鳥 瞰す るだ けの 能力 も準 備 も ない が、 本稿 に関 連す ると 思わ れる 重要 な改 革点 につ いて

、筆 者が 理解 でき た範 囲で 若干 に補 充し てお きた いと 思  

①第 一に

、上 述し たよ うに 連邦 憲法 裁〇 七年 判決 が立 法者 に二

〇〇 八年 三月 三一 日ま での 期限 を定 めて

、子 との 血縁 関 係 を知 る父 の権 利を 具体 的に 実現 する ため の手 続を 設け るよ うに 要求 して いた が、 それ に応 じて

、立 法者 は、 法律 上の 父 子 関係 を切 断す る法 的効 果を 生ず る父 子関 係の 否認 訴訟 手続

(民 法一 五九 九条 から 一六

〇〇 条c まで

、民 訴法 旧六 四〇 条 二 項四 号) とは 別に

、も っぱ ら子 との 血縁 関係 を解 明す るた めの 手続 規定

(民 法一 五九 八条 a) を民 法中 に新 しく 定め た

(BGBlI2008,S.441ff.

〇〇 八年 四月 一日 施行

)。

②第 二に

、 立法 者は

、 ドイ ツに おい て民 間機 関に よる 秘密 の

( 同意 の な い) DN A鑑 定が 業務 とし て盛 行し てい る近 時の 状況 に対 処す るた め、 遺伝 子に よる 血縁 検査 の実 施に 当っ て子 また は そ の代 理人 の同 意を 必要 とし

、そ れに 違反 して 検査 を実 施し た者

(民 間機 関を 含む

)に 対し ては 刑事 罰を 科す とい う内 容 の二

〇〇 九年 七 月三 一日 の「 人間 の 遺伝 子検 査に 関す る 法律

(い わ ゆる 遺伝 子診 断法

(Gendiagnostikgesetz-GenDG

)BGBl

I2009,S.2529ff.

二〇 一〇 年二 月一 日施 行)

」を 制 定し た。

③ 以上 の法 改革 が本 稿の テー マと 直接 に関 連す るも ので ある の に 対し

、第 三の 法改 革は 親子 の血 縁問 題だ けで なく

、む しろ 家事 事件 全般 に関 連す るも ので ある が、 立法 者は

、民 事訴 訟

 

79

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

一 六

(      

(17)

法 第六 編の

「家 庭事 件の 手続

」に 関す る規 定( 六〇 六条 から 六六 一条 まで

)を 全面 的に 削除 する とと もに

、一 八九 八年 五 月一 七日 の非 訟事 件手 続 法(RGB1,S.189.

一 九〇

〇年 一月 一 日施 行) を全 面的 に改 正し て 現代 化し た単 独 の法 典と して ま とめ た、 二

〇〇 八年 一二 月一 七日 の「 家庭 事件 およ び非 訟事 件の 手続 に関 する 法律

(GesetzüberdasVerfahreninFamili-

ensachenundindenAngelegenheitenderfreiwilligenGerichtsbarkeit.

その 略称 と して

、 家庭 非訟 事件 手続 改革 法

(FGG-

Reformgesetz

),BGBlI2008,S.2586ff.

二〇

〇九 年九 月 一日 施行

」を 制定 した

。こ の いわ ゆ る家 庭非 訟事 件手 続 改革 法は 長 年 の要 請で ある

「大 家庭 裁判 所」 構想 を実 現す るも ので ある と評 され てい

これ によ り、 本稿 で取 り上 げて いる 父子 関 係 の否 認訴 訟( 民法 一五 九九 条か ら一 六〇

〇条 c) も、 いま やそ の呼 称は

「父 子関 係の 否認 手続

」と 変更 され

、右 家庭 非 訟 事件 手続 改革 法の 規定

(一 六九 条か ら一 八五 条ま で、 およ び一 条以 下の 総則 規定

)が 適用 され る事 件と して 改正 され て い る。 訴訟 事件 の非 訟化 とい えよ う。  

  連邦 憲法 裁二

〇〇 七年 判決 によ る違 憲判 決( 修道 三〇 巻二 号二 六七 頁以 下参 照) を受 けて

、立 法者 は、 二〇

〇八 年 三 月 二 六 日 の

「 父 子 関 係 否 認 手 続 と 独 立 し た 父 子 関 係 の 解 明 に つ い て の 法 律

(GesetzeszurKlärungderVaterschaft

unabhängigvomAnfechtungsverfahren

)」

(BGBlI2008,S.441ff.

) によ って

、 生 物学 上の 父子 関係 を解 明す る ため の新 し い 手続 に関 す る規 定

(民 法 一五 九八 条 a) を 導入 し た

(二

〇〇 八 年四 月一 日よ り 施行

)。 連邦 憲法 裁〇 七 年判 決は

、 秘 密 に 収集 した DN A鑑 定の 訴訟 上の 利用 を禁 じた 連邦 裁〇 五年 判決 を維 持し たが

、基 本法 二条 一項

(人 格の 自由 な発 展を 求 め る権 利)

・ 一 条一 項

( 人間 の尊 厳の 保護

) は

、 一般 的 人格 権の 形成 物 とし て、 夫 につ い て、 法 律上 の 子と の血 縁関 係 を 知 る権 利だ けで なく

、知 る権 利を 実現 する 権利 も保 障し てお り、 法律 上の 父と 子と の血 縁関 係を 確認 する ため の法 的規 制 を して いな い点 で、 憲法 違反 があ ると 判示 し、 訴訟 上、 血縁 関係 を解 明し 確認 する ため の手 続を 二〇

〇八 年三 月三 一日 ま

 

80

密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

一 七

(      

(18)

で に定 める よう に立 法者 に命 じて い   新設 され た民 法一 五九 八条 aは つぎ のよ うな 条文 であ る。 第一 項に よる と、 子の 生物 学的 な父 子関 係を 解明 する ため に、 父 は母 と子 に対 し、 母は 父と 子に 対し

、子 は両 親に 対し

、そ れぞ れ、 遺伝 子に よる 血縁 関係 の検 査に 同意 し、 かつ

、検 査 に 要す る遺 伝 子試 料 の採 取に 従 うよ うに 請 求す るこ と がで きる

(一 文)

。 こ の試 料 採取 は、 一般 的に 承 認さ れた 学 問上 の 原 則に 則っ て行 われ なけ れば なら ない

(二 文)

。   これ に対 し、 右同 意が 得ら れな い場 合の 手続 につ いて は第 二項 が規 定し てお り、 解明 権限 を有 する 者( 第一 項に 列挙 さ れ た父

・子

・母

)の 申立 てに 基づ き、 家庭 裁判 所は

、そ の同 意が 与え られ ない こと に代 えて

、試 料採 取に 服す るよ うに 命 じ なけ れば なら ない

(二 項)

。   第三 項は 未成 年の 子を 保護 する 規定 であ り、 生物 学上 の血 縁関 係の 解明 が、 未成 年の 子の 幸福 を重 大に 侵害 する おそ れ が あり

、解 明権 限を 有す る者 の要 求を 考慮 して も、 それ が子 にと って 要求 しが たい もの であ ると きは

、裁 判所 は右 手続 を 中 止す るも のと する

(三 項)

。   第四 項に よる と、 遺伝 子に よる 血縁 検査 に同 意し

、か つ遺 伝子 試料 を提 供し た者 は、 血縁 検査 を実 施し た解 明権 限を 有 す る 者に 対し

、 血 縁鑑 定の 閲 覧ま たは そ のコ ピ ーの 交付 を 請求 する こ とが でき る

( 四項 一 文)

。 こ の請 求権 か らの 争い に つい ては

、家 庭裁 判所 が裁 判す る( 同項 二文

)。

  連 邦政 府の 立法 理由 書( 二〇

〇七 年七 月一 一日

)に よる と、 立法 者は

、法 改正 の動 機と 規定 の対 象に つい てつ ぎの よ う に述 べて い

① 人ゲ ノム

(人 間の 遺伝 子) の解 読に よっ て、 遺伝 子に よる 血縁 検査 の枠 内で 子の 血縁 関係 を迅 速か つ 確 実に 解明 する こと が今 日可 能に なっ てい る。 現代 の遺 伝子 学の 技術 的可 能性 は民 間の 研究 機関 で利 用さ れる こと が多 く

 

81

 

82

論     説 >

修 道 法 学   三 三 巻   一 号

一 八

(      

(19)

な り、 一部 では 遺伝 子学 によ る血 縁関 係テ スト

(父 子関 係テ スト

)の 実施 が公 に宣 伝さ れて いる

。こ れら の父 子関 係テ ス ト の依 頼者 はた いて い父 子関 係に 疑問 を抱 いた 父で あり

、子 の父 の解 明を 望む 母か らの 検査 依頼 は少 ない

。遺 伝子 検査 の た めに は微 量の 身体 物質

(た とえ ば、 毛髪 やだ 液) で十 分で あり

、そ れら は容 易か つ秘 密に 入手 でき るた め、 遺伝 子に よ る 血縁 検査 はし ばし ば当 該人 物の 知ら ない 間に

、そ の同 意な く行 われ てい る。

②立 法者 は二 件の 連邦 裁〇 五年 判決 と連 邦 憲 法裁

〇七 年判 決を あげ て、 現在 の法 律状 態は 現代 の遺 伝子 学の 可能 性を 十分 に考 慮し たも ので はな く、 父が 子の 生物 学 的 由来 に疑 問を もっ た場 合に

、子 や母 の意 思に 反し て、 父子 関係 の否 認手 続に より 血縁 問題 を解 明す る以 外に ない が、 そ れ によ り争 いは 激化 し、 家庭 の社 会的 なき ずな は危 殆に 陥る こと にな る。 そこ で当 該基 本権

、特 に血 縁関 係を 知る 権利 と 情 報に 関す る自 己決 定権 を適 切に 調整 する ため に、 否認 権限 を有 する 者( 父、 母、 子) が、 既存 の否 認手 続と 関係 なく

、 血 縁関 係を 解明 する ため の法 律上 の可 能性 を取 得す べき であ る。 これ は、 連邦 憲法 裁〇 七年 判決 の立 法者 に対 する 提案 を 考 慮し たも ので あり

、提 出し た法 規制 は、 家庭 や社 会で の対 話を 促し

、家 庭内 の社 会的 な結 束を 保護 し、 裁判 所の 介入 を で きる だけ 回避 しよ うと する もの であ る。  

立 法者 はそ れに つづ けて

、現 行法 の状 況を つぎ のよ うに まと めて いる

。① 血縁 関係 とい う概 念は

、二 人の 人間 の遺 伝 子 関係 を結 合さ せる もの であ るが

、法 律は

、子 が、 生物 学上 の由 来と 無関 係に

、法 的意 味で の母 ない し父 に帰 属す ると の 規 定を おい てい る。 身分 関係 を明 確に する 狙い であ り、 特に 父子 関係 に関 する 争い は許 可さ れた 身分 手続 に限 定す ると い う 趣旨 であ る

( 権利 行使 の 制限

)。 民法 一五 九二 条 によ ると

、 法 律的 意味 で の父 とは

、 第 一に

、 出生 時 に子 の母 と婚 姻 を 締 結し てい た男

(夫

)( 一 号)

、 第 二に

、 子 の母 の同 意を 得て

、 父 子関 係を 認知 した 男

( 二号

)、 第三 に、 裁 判手 続 で父 子 関 係を 確認 され た男

(三 号) であ るが

、こ れら は、 通常 の場 合に は、 子と の生 物学 的な 父子 関係 を有 する 男が

、法 律上 の

秘 密 に 収 集 さ れ た D N A 鑑 定 の 訴 訟 上 の 利 用

( 三

) ( 豊 田

一 九

(      

参照

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