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心b臓自働’i’LiiiとCholinesterase 第3報Cholinesteraseの心臓内分布について*

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(1)

札幌医誌 6(1),29〜331954

心b臓自働 i LiiiとCholinesterase

第3報Cholinesteraseの心臓内分布について*

  大江正純  伊藤  登   今野  章  水原良樹

札幌医科大学生理学教室 (主任 永井教授)

. Relations Between the Automaticity and Cholinesterase       ,Activity of Cardiac Muscle

    III. On the Distribution of Cholinesterase in Heart       By

MAsAzu}ii Ob], NoBoHu lrr6, Ai〈iRtN KoNNo and YosmKi MizuHtNitA     Department of PhiJsiology, Sapporo U,nivers?:ty of Medicine

       (Chief: Prof一 T. N.t(vAi)

t

 半端心臓自働性の本態1こ口いて,刺戟発生の原 因として郡:静置げられているが,岩尾1)はhi$ta−

mineの心臓内分布を見,その分布四四が自働性.

と2卜罪していることから,histamineが刺戟発生 の原因であると報じている。    .

 最近Paes2)により,acetylcholine(以下Achと 略す)が心臓自働i∫互三に大なる役割を演じているこ とを報告・し,Bllrn等3)ばAchが刺」1曳興奮の化学 的博達汗としての作用以外に,勘所的に細織の活 性度を調節する10cal hormoneとしても重嬰な役 割を演じていることを報じている。

 從來心臓内のcholjnesterase(以下ChEと略∫り につき,心房,心室について見たものはあるが,

心臓内蔀位につL・、て行った報告}よ見ないので,わ れわれ}よ木報でAchと密接な関聯のあるChEが,

心臓内において如イ11∫なる分布を示すかを.見んとし て,了弥撫こ;拾いて槍討した渕定條件に基いて実験

した。

実験方法

1)実瞼材料:健康成犬の心麟を川い,1¥i號としては,

A 唐P=論文の要旨は,昭和25年.12刀,第月「巾i木生理学  会北海道地方会,及び昭和26年2月,北海道医学会第  IIO同例会で発喪したり

29

鯉結節, 田原氏結節,プルキンエ細胞網(心内膜;とともに 探った),左右心耳(内部,夕卜師の1轟[別無しに探った),心房 隔壁,左右心室筋暦,左右 心室外層(心殉嘆及び心筋を含 む),及び左右乳頭筋を用いた。1個の心臓では餐結節及び 田原氏結節が少量なため,3〜4頭の犬より各部位何れも同 量宛採り混舎した。

 2)測定法,測定條件及び酵素液作製法: 前報に準じ て行った。

実験成績

 Ammon氏法ではTable 1, Fig. 1の女llくである。今心 臓の諸部位=をCIE活性度の高い方より列挙すれば次の如

くである。

 左心耳=心房隔壁〉田原氏結節≧.窩結舶需右 血・耳≧プ ルキンエ系剛包絹〉右乳頭筋〉左乳頭筋〉右心室筋層≧右 心室夕卜暦〉左心室筋層;心尖部≧左心室外層

 個体差はあるが,:左心ジ月二及び心房隔堕の7,「i性度はほぼ笹 しく最も高い。賓結節,則原氏結節,プルキンエ系朗包綱及 び;行心」1二の問には殆ど差異が無い。心室においては,乳頭 筋が最も高く,左右心室では;右室の方がやや高いが=密明な 差は無く,心室筋層と心室夕卜暦との問には殆ど差異が無い。

心尖瀞よ左心室筋層とほぼII4じである。しかして心房及び 刺戟傷導系のChE滑性度は心室のぞイしょリ3ないし5倍

」)岩尾:輻岡医火誌31,37(昭1の.

2 j Paes: Am. J. Physiol. 159, 467 (1919).

:;) Burn at al.: Physiol. Rev. 30, 177 (1950).

(2)

30 大江・他 心・蝋自{動性とCholinesterase III ホし1幌医誌 1954

Table 1. エ)istributio?z(〜f Ch E ti・re Hleenrt(by Ammon,s Metho(1)

tissue

sino−aurieular node aurieulo−ventrieular  node (Tawara)

Purkinje tissue r. auriele 1. auricle

inter−auricular septum r. papillary muscle 1. papillary muscle r. ventrieular muscle 1. ventrieular muscle outer−layer of r.

 ventricular muscle

outer一一layer of 1.

 ventricular muscle apex

No・

1

4 3 1 1

0﹄ り﹂ 1 i

46

1

りU ロ

5 1 1

 ヨ2

0 17

リリ

8 1

9り0

ρ0.

4 0 5

5 3 3 90 6 06 3

26.5 2S.4

2

102.7 100.8 1,06.0

103.2 18S.3 180.2 52.S 45.4

2

.ρ0り0

4

 ロ3

りO ρ0.

4

り﹂

3一 4.9

32.6

3 4

008 8

4 6 9

4 8

1

9 1 50

4 40 1

008 4

4 0 4

01 3

60

0召

9 0 3

26.4 25.S

102.2 110.2

リリ9調

1I

5 8 0

1

2 40 1

138.2 60.3 50.2 33.9 30.2 30.8

25.S 26.9

馳5 6 7 [s 9 aver−age

86.3 91.0 90.8 98.7 ユ43..5

i50.2 50.2 41.S 28.4 26.3 25.9

92.4

102.4 100.2 96.3

162.3 170.2 49,4 81

りU .4ゐS9召

q︶  0召

2 62 2

0召 り0 1

24 2

6

3 27

6 3 0 1

4

りU1

1

ρ刮9

8 6 8 9

.30

7 1

り召 6

6

1

0. 2

5 2 6

りU

6 2 3

2 4 2

2

りU1

 り2

0細3 り﹂

29

り召0

り01

8 6

りU1

3

 の0

の召

0

0刮7 200.3

2 3 9 1

9リ ロのβ

6 2

PO6 2

旨03

同0

.乃り2

 ゆ8

0

りU

26.3 28.7

90.3 99.4 80.3

101.2 15S.2 160.2 56.3 49.6

3・ O.2

3一 O.4

29.4

23.1

26.3一

101.0  IOS.2 1 9S.3  104.4  ]64.S

164.0 54.or

45A

3,2.t

27.9 30.6

26.2 27.7

1iberated Co2 in mm3!0.1 g tissue

   sino一一a rieular node

      Tawara t s node

     Purkinje雪s 七issue

       r. auriale        1.  aur±cle

in七er−auでicu=Lar sep七㎜

● Or−

outer ou七er

papillary muscle papiilary muscle

r. ventrieular rn.

1. ventricular m.

layer pf

r. 魔?ntrieular rne

layer pf

1.一魔?ntrlcular m.

       apex

o

Mberated nめo 潜O

a9

/o.

2 C0

HoDOHOO

noD

①O

tissue.

H恥O H①O

Fig. 1. Distribution of ChE in heart {by Ammon t method).

(3)

6倦1号 大江・他・.一一心臓肖働li三i三とCholineste「ase III 31

Table Z. 刀istribut ion〔)f elbE tin Heα7・t(ひ〃Hester in一エvi iyazalc i s Me伽d)

ti$sue

1 り剤

No・

3

b

sino−auricular node

aurieulo−ventricular node (Tawara)

Purkinje tissue r. auricle 1. auricle

inter−aurieular septum r. papillary musele 1. papillary muscle r. ventricular musele L ventricular musele

outer−laYer of r. ventrieular musele outer−layer of 1. ventricular muscle

apex

9U1 O 1

001 0

 じ

001 0

4

り弓 ロ

6

り04

1

48 5 1

06

 b6

O 89 4

 ロ0

2S 3 0

28

000 8 2 03

28 03

8 002 0

2 4 4 1

2 44

OゆS

5 2 4 4

1

0り6

S 1

り06

 ・S 21 07

S O 05

89

 り4

0 9 8 4 0

9 48 0

89

  4

0 9 48 0

002

1

2 3 1 1

36

 コ9

0

0剤3

4

006 1

4

06

1 2 3

 ロ6

0 9 4S 0

28 3 0

8

0U2 O

8

2

0

のμS 03

28 03

4

2 44

26 49

4λ2ーコ 20d4ρ04︷8

11

3 6 8 1

0り90

10

ワ藍ρ0

00

QりQV

88

44凸

00

89 4 0

0レQりSQσ

4400

5

り06 OS

り﹂6

8 0

00.6

08 3 6 8 0

6

.Ω泊5

2 4

9﹂

2 3 6

.0

9 48 0

S

3

 ロ0

S 2 3

  0

28

り00

8 2

リリ0

.nn

002 0

average

1.IS2 1.182 1.133 1.204 1.664 1,648 ,

0.661

,0.546

0.452 0.452 0.40r2 0.e,s2

0.452 一

bydrolyzed Aeh in mg/O.1 g tissue

       Hydrolysed Ach (mg)./0.19 七issue・

      O  O  O  O  ト1 .卜J  i一)  ト」

      り       ロ              N)  劇  σ)  Go  o  ro  劇  σr       o  o  o  o  o  o  o  o

      o     o     o     o     o     o     O     o     o

   sino−aunicular node

  ,      田awara冒3. nQde      Purkinje,s.tissue        b.auricle        1● auricle

in七er−auricular sep七㎜

   r. papi:Xlary muscle    1. papillary musc=Le        r. ventriCUlarπ1.

       1。 ventricular In.

・ute  lgys9。ε i,。、。。 m.

outer ユayer・ of

       1. ventricular In.

      apex

     Fig・2・Di・t・ib・ti…f∫ChE i・hea・t(by H・・t・・i・・Miy・・aki ・m・th・d)・

  L ].

(4)

32 ブぐ7[1・他   心・肘馴;1種岨生と Cholinesterase III 牙:LIII培医言志 1954

高い。

 Hesterin一宮崎氏法iこよる成績はTable 2, Fig.2の如く,

Ammon氏法とほぼ岡じ傾向を示した。

総括並びに考按

 われわれの成績を総括するに,心融各綿におけるChE活 性度は,:左心耳及び心房隔腋が最も高く,特殊筋目及び;右 心耳1司には殆ど美は無いが,前: ・fi・より活性度:は低い。心 室においては,乳頭筋が最も高く,心室筋暦及び心室外暦 周及び左右のi臨こは殆ど差は無いが,乳頑筋よりは低い。

しかして心房及び特殊筋系のChE活性度は,心室のそれ

よリ糸勺3〜4倍高レ ・D

 火の心慰におけるChEについての報告にも,またChEの

心傷颪内分 布を詳細に見た報.一丁にも接しない。Engelhardt i)

は兎のcmaについて,心房は心調より約2倍学刮でil度が高 いことを報じ,Thompson5)は1三1鼠について,心房は心室

より約3.5倍:活性度の高いこと を報じている。われわれの 成績も氏等の成拙と同じ傾向を示した。

 Aeh量については, Guggenheim6)は犬の心融で,心房 は心室より3f卉2∫.一t:Ach量が多いことを∫巫べ, Engel−

hardt4)は兎の心臓で,心室にはAchを証明出來.ないが,

心房には証明されると報じ,Plattner7)は,心室は心房の

]/30のAch量を含むと報じている。即ち諸家の凝結は,

Ach幽〔もChE量も心房の方が心室より多い値を示して).・

る。Nachmansohng)はAch量とChE量とが併行すると いう。即 ちAch蘭引なるところにChE量も大であるとい っている。Nachmansohnの成績とVJ..丁二・述べた諸家の成績 より,海難内におけるAch量:は,われわれのChE分布 の成績と同じ分布を示すだろうということが推娯される。

また,Nachmansohn等は, Achを刷1経の興奮前罪たおけ る化学的傳達者として取りあげているので,われわれの ChE分布に見る差異は,一鷹瀞経繊維及び紳経細胞存在 の有無及びその量と関係するのではないかということが考 えられる。

 心隙の憩経支配を見るtcO,),心外神経として迷走瀞経と 交感並巾経がある。その分布をみるに,密度からいえば,心 臓基部,心.房,前房隔壁においては心室より多いようであ る。心臓内分布を見ても,心夕卜膜,乳頭筋及び仮腱糸の基 部に多い。淋経細胞の分布を見るに,その大多数は心内膜

と心筋暦ゐ問に存在するが,心職の何れの郡にこの刷1経細

胞群が多いかは,哺乳動物では個体差が:.陣しく一概にいい がたいが,一般に淋経口回胞の多い部分は,前房襖〜畦,大静 蕨の開11部で,右前房に存する瀞経細胞曄が最大1である。

また前房隔壁,房室刺戟響導系申には多数の紳経緬胞があ 7U u心室では心筋暦には雇Illl経系皿胞は極めて稀で,心尖に近 い心室の2/3において1よ1帥経は少ないL、以liの成結より見 るに,剃1経繊維及び八月細胞の分布からいえば,心房及び 特殊筋系の方が歩軍より多いようである,、

 われわれのChE活性度とこのllll軽との関係を見るにン 心房及び特殊筋系が心室よりその活性度が高く,心室でも 乳頭筋が心筋のそれよりもTL.i.いことは大体一致する.が,特 殊群系でも製結節と田原氏結節では,窩結節顔)附近に刑{経 細胞が多く,田原氏結節のところには殆ど無いのに拘らず,

ChE活性度において差の無いことは一致し.ない。また心室 筋外層,心筋暦及び心尖部を比11i交してみるに, ChE量にお いては差が無いのに,一1二述の如く刷1経細胞で差異のあるこ とも一致しない。さらに右 心耳と左心耳とについて,剃1経 細胞及び刺1経繊維の分布からみてさほど著明の差が無いと 思われるにかかわらず,ChEでは著明の差のあることも一 致しない所見である。また前平で逃べたfAl 1〈,ChEの性絡 が非特異的であること,またThompson5>のいう如く,自 爆クジ心騰ChE及び今野lo)の報告からしてもこれは非特異 的ChEであると考えられるから,われわれの槍討してい

るChEの分オlfはたとえ刷「経のChE(特異的ChE)が混合 したとしても量的には問題とならず,矢張り心筋ChEが 主体をなすと断定すべきである。これを要するに,心騰の ChEと1帥経系iu胞及闘i11経繊維の四国とは直接には関連が

匁量)・・と居、われる。

 ここで心嚇!射動性について考酷してみたいと思う。心臓 画働掛が刺戟傳導系に関係していることは,諸家の業績か ら明である。即ち渡辺11)は,犬の心臓諸音ll位における筋繊 維の1分船棚動数が,寅艀1節〉田原氏結節〉ヒス氏筋索〉

仮側糸〉プルキンエ細胞網〉右心耳〉左心耳〉乳頭筋〉

心室の順であり,これは野幌細胞の存雅とはpy.]係が無いと いう。村valLi)も家鶉心胆において,ド1日置旨は窺結節が最も  強く,右心房これに次ぎ,左心房及び心室において羽いこ とをi望めている。 われわれのChE活性度のlj〜績1よ,左心 耳の如き例外はあるが,ほぼこれと併行するようである。

Nachmansohnのいう如く, Achも多fi ChE分布と同じ 分布を示すと思われるD

4) Engelhardt:

o ) Thompson:

 (1951).

6) Guggenheim:

 York,工940).

7) eit. 4).

PfiUgers .Arch. 225, 721 (1930)・

eit. Whittaker: Physiol. Rev. 31, 3

Diebiogene Amine 95 (Basel, New

8) Nachmansohn, Coates & Cox : J. Gen. Physiol. 25,

  75 (1941).

9)沖中・呉; 白律剃1経系(各論)8(昭24).

10)今野1札幌医窓4,9(昭28).

11)渡辺;輻岡医大誌21(4),621(昭3).

12) 拳」 田: 示爵岡医大誌 23(10), 187 (H召5).

(5)

6巻1.号 大江・他 ・亡・臓}『{{動{生とCbolinestevase II工 33

  心融自働性を,渡・辺書夢のいう一定:剛嗣・1の書1顧撒で表現 され・るものとすれば,われわれap ChE分布上力・らいって ほぼこれと一致し,ChEは心・臓ド1働性と関連を有すること が考えられる。

 PaesL )は, nodal tissueの特殊の物質 Cある 垂窒?rhy−

thmina という物質にAchとadrenalineが作用して律動 を起す rhythmina にすることを述べて, Achが白働性 に重要な役.割を演じていることを報じており,Burn3)は Achが組織の活性度を調節する物質,即.ちlocal hormone

       じとしての作用があることを・蓮べ,Hollandt3)は,海獲ク)心 耳についての実瞼で,Ach作用は膜の透過性に関連を有す ると報.じている。

 以上諸家の成績及び正常のrhythmにおいて少なくとも 特殊筋系,心房がpace makerとして心室に先行すること,

さちにまたそオしらの部位にChEの多いことは,一部の例 夕トがあるにしても,自働性と関連あることを考えさせる。

  上蓮の成績より次.の結果を.得た.。

  1) 心1藏諸部位にお・けるChE活性度は:,左心 耳及び房隔壁が最も高く,特殊筋系及び右心耳開 には殆ど差は無い.が,前二二者より低い。心室に:お いては乳頭筋が最も高く,心室筋層 .及び心窒外暦 冊,及び左右の聞には殆ど諮は無いが乳頭筋より は低.い。しかして心房及び特殊筋系の活性度は,

心室のそれより約3〜4倍高い。

  2)心臓のChEは自働性と関聯あるもののよ

うである。      、

(昭和29.3.玉8受付)

Summary

   The cho)ineSterase activity. was determined in all parts of dog heart by AmmQn s ・and Hesterin−Miyazaki s methods.

   The results were as follows :

    1) lt was found that the left auricular muscle and interauricular septum had the highest enzymatic activitie s, and that the conducting system and right auricular muscle had lower activities, though no difference was discernible between them.

    2) ln the ventricles, the papillary muscles showed the highest activity. Though there were little differences in either side between the muscle layer and outer 1aiyer of ventricle, these had lower activities than the papillary muscle.

    P,) The cholinesterase activitiesi of the auricle and conducting system were found to be  three or fou r times higher than that of the ventricle.

      ・ . (Reeeived Mar. IS, 1954)

】.3)且olland, Dunn&Greig:Am. J. PhySio1.168,546(1952).

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