RC 構造物の鉄筋腐食性状評価手法の確立に関する研究
Study on NDT System for Corrosion Characteristic of Reinforcement in RC
土木工学専攻
35号 堀江宏明
HORIE Hiroaki1
.はじめに
著者らはコンクリート内部に存在する様々な劣化性状を 同時にかつ高精度に評価可能な新たな非破壊検査システム
(以下,本システム
)の構築に着手している.鉄筋腐食評価に 関する本システムの概要は,
RC部材中の鉄筋のみを強制加 熱し,その熱伝導により変化するコンクリート表面温度を 赤外線センサにより計測し,コンクリート表面温度履歴を 用いて鉄筋腐食の最適形状を評価する
1)ことによって,鉄 筋の腐食量まで評価可能なシステムである.
既往の研究において,鉄筋の表面が全長に渡って一様に 腐食している鉄筋を有する
RC部材に対して電磁誘導加熱 を用いた本システムを適用した場合,かぶり
70mmまでで あれば腐食量を定量的に評価可能であると報告した.しか しながら,これは屋内という理想環境下において,全長が 均一に腐食した鉄筋を有する
RC部材という比較的シンプ ルな部材への適用性評価であった.すなわち,本システム を実構造物へ適用可能とするためには,外気温変動の影響 評価を確認しなければならない.また,鉄筋の腐食状態は,
塩害に代表されるように,均一に腐食することもあれば,
ひび割れに代表されるように,同一鉄筋上で健全領域と腐 食領域が混在すること(以下,部分腐食鉄筋と称す)もあ る.すなわち,実構造物において鉄筋の腐食状態は複雑多 岐に渡るため,その事前検討は必要不可欠であると言える.
部分腐食鉄筋に関しては,既往の研究において腐食領域長
が
500mmの部分腐食鉄筋を有する
RC部材に対して,通電
加熱による本システムの適用性は確認されている.しかし ながら,実構造物においては腐食長さがより短い場合も想 定され,また,通電加熱によるかぶりの適用限界は
30mmまでであったために,かぶりが大きい場合に対する部分腐 食鉄筋への適用は未着手のままであった.
そこで,本研究では,まずはじめに,屋内で均一に腐食 した鉄筋を有する
RC部材に対して本システムを適用した 際の腐食量評価手法の概要を示し,次に,屋外環境下での 本システムの適用性を議論した.そして,部分腐食鉄筋の 腐食領域長,かぶりおよび腐食率をパラメータとして,部 分腐食鉄筋を有する
RC部材に対して本システムを適用し,
部分腐食鉄筋に対する適用性を議論した.
2.全長が腐食した鉄筋を有する RC 部材の
鉄筋腐食性状評価
2.1実験方法
本実験に用いた試験体の形状寸法は, 図-1に示すように
450×450×250mmであり,かぶり
30,
50および
70mmの位
置に鉄筋
D16を
2本配置した.使用した鉄筋は,それぞれ 健全鉄筋および腐食鉄筋である.なお,腐食量に関しては 2.3 節 で詳述することとする.
鉄筋加熱には電磁誘導加熱を用い,負荷電力,加熱時間,
外気温および鉄筋の温度上昇率は表-1に示す通りであり,
かぶりが大きくなるほど加熱時間を長く,負荷電力を大き くし,鉄筋に大きな熱量を与ることとする.コンクリート 表面温度の計測は,赤外線センサにより
5秒間隔で
60分間 測定した.
2.2
コンクリート表面の温度性状
図-2は,加熱終了後
300秒の時点におけるかぶり 30mm の場合での熱画像を示している.熱画像において健全鉄筋 直上のコンクリート表面温度が,腐食鉄筋に比べて高くな っていることが明確に確認できる.
次に図-3は,鉄筋軸方向の中心断面におけるコンクリー ト表面の温度履歴を示している.同図から,健全鉄筋直上 のコンクリート表面温度よりも腐食鉄筋直上の方が最高温
度で約
0.7℃低くなっている.腐食生成物の熱的特性は,空気と同様に比熱が大きく,熱伝導率が小さい.この観点に 立脚すると,図-1(b)に示す非腐食領域に蓄積された熱が コンクリートに拡散する現象を腐食生成物が遮断するため,
2
本の鉄筋に同量の熱量を与えても健全鉄筋直上のコンク
0 1000 2000 3000
24 25 26 27 28 29
経過時間(sec)
コンクリート表面温度(℃) 健全鉄筋
腐食鉄筋
図-3 コンクリート表面の 温度履歴
健全鉄筋
腐食鉄筋
図-2 コンクリート表面の 熱画像
表-1 実験条件
かぶり
(mm)
コイル負荷 電力(kW)
加熱時間
(sec)
外気温
(℃)
温度上昇率
(℃/sec)
30 2 320 23.7 0.046
50 6 540 21.2 0.052
70 6 780 21.9 0.02
図-1 供試体概要図
125125
単位:mm
(a)
平面図
(b)断面図
200 450
450 50@8=400
250 K K=30,50,70
健全鉄筋
腐食鉄筋
非腐食領域
腐食生成物
腐食領域断面
リート表面温度よりも腐食鉄筋直上の方が低くなり,この 性状は,かぶり
50および
70mmに関しても同様であった.
2.3
腐食量の定量的評価
(1)解析方法
熱伝導基礎方程式を式
(1),評価関数を式
(2),随伴方程式 を式(3)に示す.なお,式(2)に示す評価関数を最小とするよ うにコンクリートと腐食領域の境界面および腐食領域と健 全領域の境界面の2つを同時に移動させた.
] , [ ,ii t t0 tf T
T
c =κ ∈
ρ & (1)
( ) ( )
∫ ∫ − −
= tf
t V
TQT dVdt
T
J 0
*
2
1 η η
( )
∫ ∫ −
+ ttf V T T Tii dVdt
0 λ & κ ,
(2)
( ) 0 [0, ]
, f
T T
ii
T − + T − Q= in V t∈ t t
−λ& κλ η (3)
ここで,η は観測点における温度,T は数値計算により 求まる温度,
Qは重み定数,λ は随伴変数である.使用し た物性値は表-2に示す通りであり,観測値には腐食鉄筋直 上のコンクリート表面温度履歴を使用した.
(2)
解析結果
表-3に実測および解析による腐食量(錆厚)を示す.実測 値と解析値がほぼ一致していることから,かぶりが大きな 場合に対して本システムを適用する場合には,加熱時間を 長くし,負荷電力を大きくし,鉄筋の温度応力によりコン クリートにひび割れが発生しない範囲内で鉄筋に大きな熱 量を当たることによって,かぶり70mmまでは最適制御理論 を用いた本システムにおいて鉄筋の腐食量を定量的に評価 可能であると言える.
3.
屋外環境下での鉄筋腐食性状評価
3.1実験方法
実験方法に関しては前節と同様であり,実験に使用した 試験体は図-1に示すかぶり
30mm試験体を使用した.なお,
本実験は夏季の午後
1時頃に実施し,日陰の環境化で行っ た.実験条件に関しては表-4に示す通りであり,加熱方法 や測定方法は 2.3 節 と同様とした.
3.2
鉄筋腐食性状評価
図-4に示す電磁誘導加熱停止後
300秒の時点での熱画像 から健全鉄筋と腐食鉄筋の温度差が明確に確認できる.ま た, 図-5にコンクリート表面温度履歴および外気温を示す.
腐食鉄筋直上のコンクリート表面温度の方が,健全鉄筋直 上のそれよりも最高温度で約 1℃程度低くなっており,温度 低下の割合が緩やかである.これは前節で示した温度特性 と同様である.次に,外気温の温度履歴を見てみると,4℃
程度の幅で振幅しているものの,急激な上昇や下降は見ら れないことから,日射の影響が無い環境下で,且つ,外気 温の急激な変化が無い条件下であれば,屋外環境下での本 システムの適用は可能であると言える.
図-5に示す,腐食鉄筋直上の温度履歴を用いて前節で示 した解析を実施した結果と実測による腐食量
(錆厚
)を表-5
に示す.このことから,屋外の外気温変動を有する環境下 において,全長が腐食した鉄筋を有する
RC部材に対して 本システムを適用した場合でも,日射の影響がない環境下 では腐食量を精度良く評価可能であると言える.また,今 回記載はしていないが,試験体に日射が当たる環境下にお いて本システムを適用したが,日射の影響によりコンクリ ート表面温度が上昇し,腐食領域がコンクリート表面温度 に及ぼす影響評価は困難な温度性状であった.このことか ら,RC 部材に日射が当たる環境下では,本システムにより 鉄筋腐食性状評価を行うことは困難であると言える.
4. 部分的に腐食した鉄筋を有する
RC 部材の表面温度性状
前述したように,実構造物における鉄筋の腐食性状は,
均一に腐食する状態もあれば,腐食むらが存在する状態も ある.そこで,本章では,部分腐食鉄筋中の腐食領域がコ ンクリート表面温度に及ぼす影響評価を行うこととする.
図-6 供試体概要図
(a) 平面図 (b) 断面図コイル負荷電力(kW) 加熱時間(sec) 温度上昇率(℃/sec)
2 280 0.046
表-4 屋外実験時の実験条件
屋内実験での 解析結果(mm)
屋外実験での 解析結果(mm)
実測錆厚
(mm)0.039 0.045 0.043
表-5 かぶり 30mm 試験体の解析結果
部分腐食鉄筋
腐食領域
(100mm,200mm)
250250 500
550 180
コンクリート 鉄筋 錆 密度(kg/m3) 2.40×103 7.85×103 5.30×103 比熱(kJ/kg ℃) 1.15 4.70×10-1 1.2 熱伝導率(W/m ℃) 2.7 5.13×10-1 6.97×10-2
表-2 物性値
表-3 実測値と解析結果の比較
かぶり(mm) 実測錆厚(mm) 解析結果(mm)
30 0.043 0.039
50 0.047 0.042
70 0.046 0.057
健全鉄筋 腐食鉄筋
図-4 コンクリート表面の 熱画像
0 600 1200 1800 2400 3000 3600 28
30 32 34 36
38 健全鉄筋
腐食鉄筋 外気温
コンクリート表面温度(℃)
経過時間(sec)
図-5 コンクリート表面の
温度履歴
4.1 実験方法および実験パラメータ
実験に使用した試験体の形状寸法は図-6に示すような
550×500×180mmであり,かぶり
30,
50の位置に
D16の部 分腐食鉄筋
1本のみを,腐食領域中心が試験体長手方向中 心と一致するように配置した.部分腐食鉄筋は,鉄筋中心 に腐食領域長が
100および200mmとなるように電食試験に より作成した.腐食率,腐食量などの実験パラメータおよ び実験条件は表-6に示す通りであり,加熱方法や測定方法 は 2.3 節 と同様とした.なお,本章に用いた電磁誘導加熱 用コイルの形状は,コイル中心
300mmの領域において鉄筋 を均一に加熱可能な形状となっている.
4.2
腐食領域長がコンクリート表面温度に及ぼす影響 同表に示す
N30-R200-C3.450および
N30-R100-C0.726試 験体における加熱終了後
180秒の時点でのコンクリート表 面の熱画像,温度分布を図-7および図-8に示す.
まず,各図(a) を見ると,熱画像上において腐食領域に おいて健全領域よりも温度が低くなっていることが明確に 確認でき,腐食領域長が長いほどその傾向は顕著に見られ る.また, 各図(b) の温度分布からを見ても,均等に加熱 可能な領域の範囲内であれば,健全領域と腐食領域におい て明確な温度差が生じている.これは,前章で示した全長 が腐食した鉄筋の場合と同様に,腐食領域において腐食領
域内部の健全領域に蓄積された熱量が腐食領域において腐 食生成物によって遮断されるためである.しかしながら,
部分腐食鉄筋では鉄筋軸方向に腐食領域および健全領域が 混在しているために, 図-9に示すように,腐食領域直上部 には健全領域からの熱拡散のために,実際の腐食領域長に 比べ,低温度領域の範囲は狭くなる.
4.3 かぶりが大きい場合での部分腐食鉄筋の温度性状
表-6に示す
N50-R200-C4.082および
N50-R100-C8.256試 験体における加熱終了後
600秒の時点でのコンクリート表 面の熱画像,温度分布を図-10 および図-11 に示す. 同図 か ら,前節で述べたように実際の腐食領域長よりも低温度領 域は短いものの,かぶり
50mm試験体においても健全領域 に比べ腐食領域の方がコンクリート表面温度が低くなって いることが明確に確認できる.また,かぶり
50mm試験体 では,前章で述べたように,コイル負荷電力を大きくし,
また加熱時間を長くすることで本システムは適用可能であ る.その際には,部分腐食鉄筋においても,鉄筋の温度変 化によるコンクリートへの温度応力に起因するひび割れが 入らない範囲内で鉄筋温度の制約が必要となる.しかしな がら,N50-R100-C8.266 試験体において,腐食率
8.266%と腐食が他の試験体に比べて進行した鉄筋を使用している.
そこで,次節では,腐食率が異なる試験体において,腐食 表-6 実験パラメータおよび実験条件
N30- N30- N50- N50- N50- N50- R200- R100- R200- R100- R100- R100- C3.450 C0.726 C4.082 C8.266 C0.401A C0.401B
かぶり(mm) 30 30 50 50
腐食領域(mm) 200 100 200 100
腐食率(%) 3.45 0.726 4.082 8.266 腐食厚(mm) 0.192 0.040 0.228 0.467
コイル負荷電力(kW) 4 4 10 10
加熱時間(秒) 240 240 300 300 300 550
試験体中心位置における
鉄筋の温度上昇量(℃) 22.5 22.6 28.9 31.7 27.9 45.3 外気温(℃) 23.7 16.7 22.1 18.3 19.4 16.9
0.021 10 試験体名称
50 100 0.401
図-7 コンクリート表面温度性状(N30-R200-C3.45)
腐食領域
(a) コンクリート表面の 熱画像
(b) コンクリート表面の 温度分布
0 100 200 300 400 500 25.0
25.5 26.0 26.5 27.0 27.5 28.0
端部からの距離(mm)
コンクリート表面温度(℃)
腐食領域
均一加熱領域
図-8 コンクリート表面温度性状(N30-R100-C0.726)
腐食領域
(a) コンクリート表面の 熱画像
0 100 200 300 400 500 19.0
19.5 20.0 20.5 21.0 21.5 22.0
端部からの距離(mm)
コンクリート表面温度(℃)
腐食領域
(b) コンクリート表面の 温度分布
均一加熱領域
図-9 部分腐食鉄筋の熱伝導性状
コンクリート
健全領域 腐食領域
腐食生成物
非腐食領域 鉄筋
図-10 コンクリート表面温度性状(N50-R200-C4.082)
腐食領域
(a) コンクリート表面の 熱画像
(b) コンクリート表面の 温度分布
0 100 200 300 400 500 22.0
22.5 23.0 23.5 24.0
端部からの距離(mm)
コンクリート表面温度(℃)
腐食領域
均一加熱領域
図-11 コンクリート表面温度性状(N50-R100-C8.266)
腐食領域
(a) コンクリート表面の 熱画像
(b) コンクリート表面の 温度分布
0 100 200 300 400 500 22.0
22.5 23.0 23.5 24.0
端部からの距離(mm)
コンクリート表面温度(℃)
腐食領域
均一加熱領域
率がコンクリート表面温度性状の評価を行うこととする.
4.4 腐食率がコンクリート表面温度性状に及ぼす影響
前節で示した
N50-R100-C8.256試験体と同様のかぶりお よび腐食領域長であるが,腐食率が
0.401%とあまり腐食していない部分腐食鉄筋を有する
N50-R100-C0.401試験体の 加熱終了
600秒後の熱画像およびコンクリート表面温度分 布を図-12 に示す. 同図では腐食領域と健全領域の温度差が 確認できない.そこで,同試験体に対して加熱時間を長く することにより,温度上昇量を大きくした場合での同時刻 におけるコンクリート表面温度性状を図-13 に示す.この場 合においては同図から健全領域と腐食領域の温度差が明確 に確認できる.同図の場合における鉄筋の温度上昇量は
45.3℃と非常に高く,温度応力によりコンクリートにひび割 れが発生する可能性がある.
以上のことから,腐食率に左右されるものの,鉄筋に十 分な熱量を与えることで,腐食領域長が
100mm,かぶりが 50mmまでであれば本システムにおいて部分腐食鉄筋を評 価可能であると言える.
4.5 部分腐食鉄筋中の腐食領域の腐食量評価 (1) 解析結果
2.3 節に示した最適制御理論を用いた解析を行い,部分腐 食鉄筋中の腐食領域の腐食量評価を行うこととする.解析 に使用した試験体はかぶり
30mm,腐食領域長
100m,腐食
厚
0.463mmの試験体であり,健全領域と腐食領域の温度差
が加熱停止
180秒の時点において約
0.4℃と明確な差異が生 じたものを使用した.健全領域に比べ腐食鉄筋の方が,明 らかに温度が低くなっていることが分かる.
表-2に示した物性値を使用し,使用した解析モデルは,
試験体中央断面の
2次元モデルである.部分腐食鉄筋に対 し本システムを適用した場合, 図-9に示したように健全領 域から腐食領域直上への熱拡散があるために,
2次元モデル では部分腐食鉄筋を有する
RC部材の腐食量評価は困難で あると考えられる.しかしながら,
3次元モデルにて解析を 実施することは計算時間が膨大となり現実的ではない.そ こで,
2次元モデルにおいて,鉄筋軸方向の熱拡散が無いと いう仮定の下で解析を行うこととした.これらの条件によ り解析を実施した結果は
0.0115mmであった.実測錆厚が
0.463mm
であることから,解析結果と実測錆厚が全く一致
していない.これは,鉄筋軸方向からの熱拡散のために,
腐食領域直上のコンクリート表面温度が高くなり,実測錆 厚よりも解析結果が大幅に小さくなったと考えられる.
(2)
修正型鉄筋腐食厚評価手法
前述したように,腐食領域の熱的特性は健全領域に比べ 高い比熱および低い熱伝導率を有しているために,コンク リート表面温度は 2.2 節で述べた温度性状となる.部分腐 食鉄筋の場合では,腐食領域直上のコンクリート表面温度 は腐食領域からの熱拡散と健全領域からの熱拡散によりコ ンクリート表面温度が変化し,腐食領域長が短いほど,健
全領域からの熱拡散の影響が大きくなる.すなわち,
2次元 モデルにおいて,部分腐食領域中の腐食領域の腐食厚評価 を行うためには,腐食領域の熱的特性を異なる物性値に置 き換えることで,
2次元モデルにおいて部分腐食鉄筋中の腐 食領域の腐食量評価を行うことが可能であると考えられる.
前述したように,腐食領域直上のコンクリート表面温度は 健全領域からの熱拡散により変化するために, 表-2に示す 腐食領域の物性値を健全領域の物性値に置き換え,前項に 示す解析方法と同様の方法で解析を実施することとする.
解析結果を表-7に示す. 同表から,修正型鉄筋腐食量評 価手法により,
2次元モデルにおいても部分腐食鉄筋の腐食 厚をある程度の範囲内で評価可能であると言える.
5.まとめ
本研究では,屋外環境下および部分的に腐食した鉄筋を 有する
RC部材への本システムの適用性の議論を行った.
以下に,本研究で得られた知見を示す.
1)
日陰で外気温変動の急激な変化が無い環境下であれ ば,本システムは適用可能である.
2)
部分腐食鉄筋に対する本システムの適用範囲は腐食 率によるが,腐食領域長が
100mm,かぶり
50mmま では適用可能である.
3
) 部分腐食鉄筋に対して修正型鉄筋腐食量評価手法を 適用することにより
2次元モデルにおいてある程度 の精度で定量的評価が可能である.
参考文献
1)
長坂信吾:2005 年度修士学位論文発表会概要集 図-12 コンクリート表面温度性状(
N50-R100-0.401A)
腐食領域
(a) コンクリート表面の 熱画像
(b) コンクリート表面の 温度分布
0 100 200 300 400 500 21.0
21.5 22.0 22.5 23.0
端部からの距離(mm)
コンクリート表面温度(℃)
腐食領域
腐食領域
図-13 コンクリート表面温度性状(
N50-R100-0.401B) (a) コンクリート表面の
熱画像
腐食領域
(b) コンクリート表面の 温度分布
腐食領域 0 100 200 300 400 500 21.0
21.5 22.0 22.5 23.0
コンクリート表面温度(℃)
端部からの距離(mm)
腐食領域
表-7 修正型鉄筋腐食厚評価手法適用による解析結果
実測錆厚(mm) 前項での解析結果(mm) 修正型解析適用時の解析結果(mm)
0.463 0.0115 0.434