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コンクリート中の鉄筋腐食の非破壊検査の定量化

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Academic year: 2022

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(1)

コンクリート中の鉄筋腐食の非破壊検査の定量化

熊本大学 学生会員 ○樫木大樹 1.はじめに

塩害によるコンクリート構造物の劣化は鉄筋腐食として発生し、大きな社会問題となっている。そのため構造物 内部の鉄筋腐食を早期に定量的に発見できる非破壊検査法の確立は重要な課題とされている。本研究では、鉄筋コ ンクリート構造物の塩害による鉄筋腐食の発錆時期を正確に評価するために、乾燥浸漬繰り返し実験を行った。実 験中に、自然電位などの計測を行い、連続的に AE 計測も行った。その結果 AE 波発生挙動と、その発生位置、塩分 浸透量、浸漬面での自然電位を比較検討することにより劣化進行過程における各時期の定量的な判定法について検 討を試みた

2.実験の概要

実験に用いた

RC

供試体は、図 1 に示す

570×1100×100mm

の板状の もので、鉄筋には

SD295-D13

を使用し、かぶり厚を

20mm

とした。鉄 筋腐食劣化の各時期に塩分濃度を測定するコアの採取、鉄筋のはつり 出しを行うため

300×300×100mm

の小型供試体も作成し、鉄筋には

SD295-D13

を使用し、かぶり厚を

20 mm

とした。いずれの供試体も

28

間標準水中養生後、3%NaCl 水溶液の入った水槽に供試体を

7

日間浸 漬と、

7

日間乾燥させる繰り返し実験を行った。供試体は底面以外にエ ポキシ樹脂を塗布し、塩分の浸透を底面だけに限定した。実験中には

RC

供試体上面に

AE

センサを設置した後、自然電位の測定時を除いて、

連続的に

AE

測定を実施した。この場合のしきい値は

40dB

、AE センサ は、共振周波数

150kHz

の特性を持つ

R-15

を使用して行った。自然電 位の測定には照合電極として銀-塩化銀電極を用いて、

7

日間毎に行っ た。また測定を行う場合はコンクリート表面の状態を一定とするため、

散水により表面を湿潤状態に保ち、供試体表面を 50 点(10cm 間隔)に分 割して測定した。そして鉄筋腐食劣化の各時期に、小型供試体よりコ アを採取し、浸透面から 5cm の深さまで 1cm 毎に切断粉砕し、硬化コ ンクリート中の全塩分量と可溶性塩分量を、電位差滴定法により求めた 3. 実験結果と考察

これまでの研究3)によると、鉄筋腐食の促進試験であるコン クリート中の鉄筋に直接電流を流して腐食させる電食実験 中に AE 計測を行った結果より図-1 の潜伏期から進展期の 付近に AE 発生が顕著になる第一次期(0.3~1.2 kg/m3)と 進展期から加速期に AE 発生が顕著になる第二次期(1.2~

2.4 kg/m3)が確認されている。AE ヒットと自然電位の計時 変化を図 2 に示す。14 日目以降、70 日目以降に AE 頻発期が 確認できた(以降、第一次期 第二次期)。自然電位は 14 日

キーワード AE,鉄筋腐食,自然電位,位置評定,塩分浸透量

連絡先 〒860-8555 熊本県熊本市黒髪 2-39-1 熊本大学工学部複合材料学研究室 TEL096-342-3066(503)

0 50 100 150 200 250 300

0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 84 91 98 105 日数

AEヒット数

-250 -200 -150 -100 -50 0

自然電位(mV vs CSE)

第一次期開始 第二次期開始

570

100

150 200 300

200

150

(mm)

20 220

Wate Nacl

50 50 50 50 150

285

図 1 実験供試体

AE センサー

63 日

図 2 AE ヒットと自然電位

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-395- 5-198

(2)

目以降相対的に卑に向かい 70 日目以前にピークを向かえその後少し落ちついている。第一次期以降にあたる 30 日 での 塩分試験の結果かぶり位置での全塩分量は 0.43kg/m3となりこれは促進試験おける鋼材腐食限界濃度の 0.3

~0.6kg/m3 に達している。ただし、実際に鉄筋をはつり出した所、目視による鉄筋腐食は認められなかった。また 二次期以降の 99 日目に塩分試験をした結果、かぶり位置での全塩分量は 2.11kg/m3となり、鋼材腐食発生限界値の 1.2kg/m3を大きく越えた。示方書による塩分浸透の予測では、63 日に、かぶり位置で 1.2kg/m3を超えた。この時点 のはつり出した所、鉄筋腐食が目視により確認できた。

図-3 に位置評定を試みた結果を示す。70 日目以降は、鉄筋に沿うように多数の位置評定があった。二次期以降の 鉄筋付近でのひび割れに起因していると考えられる。

次 に 自 然 電 位 値 に よ り IBEM

(Inversion by BEM;IBEM)解析を 行った結果を図 5 に示す。AE 発生の 第一次期後の 23 日目、第二次期直 後の 77 日目において表面で計測さ れた自然電位値による IBEM による 腐食状況の結果を図 5、6 に示す。

23 日目、77 日目で共通する腐食箇 所においては、それぞれの計測時に 自然電位値が、他の箇所より高かった事は明らかで、鉄筋腐食が進んでいる可能性が高く、中でも図中に示した AE 発生の位置評定を行った箇所では AE 頻発期の 14 日目以降、70 日目以降において図-16 で示す位置評定が確認でき たことより、IBEM 解析の結果とよく一致していると考えられる

4. 結論

(1) AE 発生挙動と塩分試験および塩分浸透解析の結果より塩害劣化の進行過程における各時期を判定する事の有効 性が確認された。

(2) AE 計測中に行った位置評定において各腐食時期に顕著に評定された。鉄筋に直交するように評定された一次期 では非常に多数の AE 波が瞬時に計測された。ひび割れ形成のようなエネルギー解放とは別の起因によるものと 判断され、鉄筋上で一様に AE 発生がなされたことが考えられる。二次期以降は鉄筋に沿った引張ひび割れに起 因する AE 波によるものと考えられる。位置評定からも鉄筋腐食が進行していることが確認された。

参考文献

・土木学会:土木学会・コンクリート標準示方書「維持管理編」、2001 年制定、2001.

・友田祐一、大津政康:コンクリートの塩分浸透と鉄筋腐食に関する定量的評価の考察、コンクリート工学 年次論 文報告集、Vol.23、No.2、pp.859-864、2001.7.

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 14 28 42 56 70 84 98 112 日数

塩化物イ(kg/m3)

港湾 ERF 実験値

0 50 100

0 50 100

mm

mm

0 50 100

0.0 50.0 100.0

mm

mm

77日 84日 91日 98日

位置評定箇所

図 4 AE 発生の位置評定 14~21 日目 70 日目以降 図 3 かぶり位置においての塩化物イオン濃度

1.2kg/ m3(腐食限界)

ERF 63 日

図 5 腐食評価基準による色分け VvsCSE

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-396- 5-198

参照

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