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大学生の自己制御機能に関する研究

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Academic year: 2021

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大学生の自己制御機能に関する研究

~冒険教育プログラム体験に着目して~

芳賀 香澄(生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

指導教員 黒澤 キーワード:冒険教育プログラム体験,大学生,自己制御機能

1.序論

自分の考えや思いを押し通したり,我慢したり するような自己を調節する機能は自己制御機能と 呼ばれている.柏木 3)は自己制御機能には「自己 主張」と「自己抑制」の

2

つの側面が存在するこ とを見出している.自己主張側面は自分の欲求や 意思を明確に持ち,これを他人や集団の前で表現 し行動することであり,自己抑制側面は集団場面 で自分の欲求や行動を抑制・制止しなければなら ない時にはそれを制御する行動3)のことを指す.

筆者が体験した冒険教育プログラムは,集団の 中で行う課題に対し,その場の状況に応じて自分 の意見を主張する場面や,意見を抑制する場面が 多くあった.

そこで本研究では,冒険教育プログラム体験場 面および日常生活場面における自己制御機能につ いて比較検討し,冒険教育プログラム体験が大学 生の自己制御機能に与える影響を明らかにするこ とを目的とする.

2.研究方法

【被検者】

B

大学野外スポーツコースに所属し,平

25

9

14

日~20日(

6

7

日)に実施され た野外スポーツコース専門実習Ⅰ(キャンプ・水 辺)に参加した

3

年次生

27

名を対象とした.

【調査方法】自己制御機能調査は,安達ら1)が(柏 3)による幼児の自己制御機能の研究を参考にし て)作成した,「自己制御認知尺度」を用い, 2 目を削除した

14

項目について, 5段階評定を行っ た.また冒険教育プログラム体験場面(以下,キャ ンプ場面とする)を想起した調査については質問 項目をキャンプ場面に合うよう修正して用い,キ ャンプ場面の具体的な言動や心的状況を把握する ために自由記述欄を設けた.調査はキャンプ終了

2

ヶ月後に行った.得られたデータは

Microsoft Excel 2010

を用いて統計的処理を行った.

3.結果及び考察

被検者のキャンプ場面および日常場面の自己主 張・自己抑制得点の平均値,標準偏差を算出した.

また,キャンプ場面と日常場面の自己主張・自己抑 制得点について

t

検定を行った結果,自己抑制得 点に有意な差が認められた(t

26)

=3.29,p

<.01)

これはキャンプ場面における自己抑制得点が日常 場面と比較して高かったことを示す。

1 自己主張・自己抑制得点の平均値と標準偏差

1 キャンプ場面と日常場面の平均値の比較

日常場面の自己主張・自己抑制得点を見ると, 自己抑制得点が低く,キャンプ場面の自己主張・自 己抑制得点を見ると,自己抑制得点が高い.原田ら

2)

,安達ら

1)は,自己主張得点と自己抑制得点のバ ランスがいいことは,自己制御機能が最もいい状 態であるという結果を見出している.自己主張・自 己抑制得点の差が小さいキャンプ場面は,バラン スがとれている傾向にあることが明らかになった.

全体得点を含め,男女別,班別,個人別の自己主 張・自己抑制得点もキャンプ場面は,バランスがと れている傾向にあったことから,キャンプ場面で の活動は自己主張・自己抑制得点が共に高い状態 であったことがわかる

.

キャンプ場面での活動は縦走登山やソロ活動, カヤックやハイクなど困難な課題が与えられたプ ログラムが多くあり,成し遂げた時の達成感は大 きい.しかし困難な課題を達成する過程には,自己 の感情や欲求と反対の行動をとることも多く見ら れるため,自己を抑制することに繋がると考える

.

自由記述から「普段は嫌だとはっきり言えるが, キャンプ中は班の雰囲気が悪くなると思い,言わ なかった」,「感情を抑えていたが,班の人たちに 迷惑をかけていると思うと,泣いてしまった」など の記述があったことから,キャンプ場面の自己抑 制得点が高い状態であったと考える.

4.まとめ

冒険教育プログラム体験では,自己制御機能の

「自己主張性」に有意な差は見られなかったが,

「自己抑制性」には有意な差が見られ,キャンプ場 面で高かった

.キャンプ場面では,自己主張するべ

き場面

,自己抑制するべき場面が多くあり,バラン

スをとりながら自己制御機能に影響を与えてい た.

引用・参考文献

1)安達喜美子・小林晃(2002)現代青年における自己制御機能の発達的研究

(Ⅰ)‐自己認知からの検討‐茨城大学教育学部紀要(人文・社会科学・芸 術)51号109-123

2)原田知佳・坂井誠(2006)中学生における自己制御機能とストレス反応と

の関連,名古屋大学大学院教育発達科学研究科

3)柏木恵子(1988)幼児期における『自己』の発達, 東京大学出版会 自己主張 自己抑制 自己主張 自己抑制

M 26.44 25.25 26.85 23.11

SD 3.26 3.18 3.63 3.12

全体 N キャンプ 日常

27

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