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琵琶湖遠泳での自己効力感の習得

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Academic year: 2021

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琵琶湖遠泳での自己効力感の習得

―専心性との関係に着目して―

住友 真奈美(生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

指導教員 林 綾子 キーワード:自己効力感,遠泳,専心性

1

節 序論

近年の大学体育では,体験学習や冒険教育の重 要性が強調されている. 自然の中で, 自己の気力,

体力の限界に挑戦することで,自己をみつめ,確 認するとともに,集団の偉大さの知るという教育 的な意義がある.本大学では,野外三大実習の

1

つである水辺実習のなかで遠泳が行われており,

自身の経験からも自己効力感が向上すると考えた.

本研究では,遠泳に参加する学生の自己効力感 の変容を明らかにすることを目的とした.また取 り組み姿勢も関係していると考えられ,専心性と の関係も検討した.

2

節 研究方法

2015

9

10

日と

11

日に

B

大学で行われた 水辺実習の遠泳に参加した学生男女

362

名を対象 にアンケートを行った.内容としては,①自己効

力感

(

坂野

,1986)7

項目,②泳力効力感

9

項目,外

的環境不安

3

項目

(

三宅

,2003)

, ③専心性

3

項目

(

筆 者が独自に作成

)

を用いた.事前と事後に①,②,

③と記述項目を用い,

1

か月後には①と記述項目 にて調査を行った.

3

節 結果と考察

欠損値の多かった回答に関しては削除し,

212

名の回答を分析に用いた.全ての項目において,

正規性と信頼性が確認された.

1

)自己効力感

1

:自己効力感の平均値と標準偏差と

F

M(SD)

N=212 事前 事後 1ヶ月後 F

自己効力感得点 20.27

(2.42) 21.39

(3.07) 20.98

(3.07) 9.05*

*p<.05

全体での自己効力感得点の変容を明らかにする ため,時期を要因とする

1

要因の分散分析を行っ た結果,有意な差が明らかになった

(

1)

.また,

多重比較を行った結果,事前から事後で有意に向 上した.

1

か月後でも,有意な向上が,維持され ていたことが明らかになった.完泳することによ って,自信がつき,自己効力感の向上,維持に繋 がったと考えられる.

泳力級別に分散分析をおこなったところ,泳力 が最も低いグループのみ,有意に向上しているこ とが明らかになった

(f(1.211)=9.05,p<.05)

.遠泳の 難易度についての検討が必要であると考えられる.

男女別では,時期と群を要因とする

2

要因の分 散分析を行ったところ,男子のみ有意な変化が明 らかになった

(f(1.150)=8.81,p<.05)

.また,女子は 先 行 研 究 同 様 に , 男 子 よ り も 有 意 に 低 く

(t(60)1.29,p<.05)

,また有意な向上がみられなか った

(f(1.211)=6.29, n.s.)

.その要因や今後の指導 法について,今後検討する必要があると考えられ る.

2

)泳力効力感

泳力級別では,泳力が最も高いグループは,有 意 に 低 下 し た こ と が 明 ら か に な っ た

(t(71)=3.57,p<.001)

.次に泳力が高いグループに で は , 有 意 に 向 上 の 傾 向 が 見 ら れ

(t(38)=-9.16,.05<†<.10)

,その他泳力があまり高 くない, そして最も低いグループの泳力効力感は,

有意に向上していることが明らかになった

(t(43)=-3.00,p<.01)

(t(56)=-5.22,p<.001)

3

)外的環境不安

泳力別では,泳力が最も高い,あるいは次に高 いグループにおいては,有意な向上の傾向がみら れた

(t(71)=-1.98,.05<p<.10) (t(38)=.34,.05<p<.

10)

.その他,泳力があまり高くない,最も低いグ ループでは,有意傾向あるいは有意な低下がみら れた

(t(43)=1.14,.05<p<.10)(t(56)=4.24,p<.001)

4

)専心性

専心性について全体では,自己効力感の変化量 との有意な相関がみられなかった.しかし,泳力 が最も高いグループのみ,専心性と自己効力感の 変化量に有意な正の相関がみられた

(r=.25,p<.05)

. 泳力が最も高いグループには,自己効力感の向上 がみられなかったが,練習や本番により一生懸命 取り組んだ学生はより大きく自己効力感が向上し ていた.先頭や泳力の低い人へのサポートといっ た責任感を持って一生懸命取り組むことが重要で はないかと考えられる.一部ではあるが,遠泳に 対しての取り組みと自己効力感には関係が見られ,

今後更に検討の必要があると思われる.

4

節 まとめ

本研究では,遠泳にて,不安を克服,達成感を味わうことか ら泳力効力感を獲得し,自己効力感の向上が明らかになった.

しかし,泳力級や男女等の違いによる効果の違いがみられ,今 後検討する必要があると考えられる.具体的には,難易度の関 係や隊列,遠泳グループの組み方,学生の取り組み姿勢などに ついて,今後より効果的な運営,指導方法を検討することが必 要ではないかと考えられる.

引用文献

1

)三宅信花

(2003)

遠泳での泳力と有能感,不安感 の関連―体育専攻学生の場合―.日本体育大学紀要,

35(1):65-69

2

)坂野雄二

(1986)

一般的セルフ・エフィカシー尺

度の妥当性の検討.早稲田大学人間科学研

,2(1):91-98.

参照

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