38-1 南 幸翔
津波漂流物の衝突を対象としたコンクリート充填鋼管部材の
耐衝撃性能の解明と評価法の開発
図1 衝撃載荷実験装置 1 . はじめに 近年,東北地方太平洋沖地震にみらたよ うな大規模 な津波が断続的に発生しており,津波避難ビル等 の必 要性が再認識されている.津波被害には漂流物が建築 物に衝突し,致命的な損傷を与えた例も 少 な く な い . このような衝撃荷重に対してコンクリート充填鋼管 (C FT)部材が期待できると考えられてい る が , その耐 衝撃性能の定量的な評価法は確立されていない.そこ で,本研究では,CFT 部材の衝撃挙動特性を衝撃載荷実 験と解析により明らかにし,CFT 部材の耐衝撃性能を 定量的に評価す る ことを目的とする. 既往の研究1 )で,本稿と同様の載荷装置(図 1 )を用 いた実験を行っており,以下のような知見を得た.1 ) 部材の荷重 - 変形関係は,衝突速度と衝突物の質量から 決定される入力エネルギー量と相関関係がある.2)CFT 部 材 は 局 部 変 形 が 少 な く 衝 突 物 の 先 端 形 状 の 影 響 を 受 け に く い . 3 ) 鉄筋 を 内 蔵 す る こ と で た わ み が 抑 え ら れ , 鋼 管 の 破 断 の 程 度 も 抑 え ら れ る . 4 ) 塑 性 ヒ ン ジ モ デ ル に よ り 終 局 状 態 時 の 衝 撃 エ ネ ル ギ ー 及 び そ の 時 の 中 央 た わ み を 算 定 で き る . し か し , 鋼 管 の 破 断 や 内 蔵 鉄 筋 の 補 強 効 果 , 軸 力 が 作 用 し た 場 合 の 挙 動 に つ い て は 未 解 明 な 部 分 が 多 い . そ こ で 本 稿 で は 衝 撃 荷 重 が 鋼 管 の 破 断 に 及 ぼ す 影 響 お よ び 内 蔵 鉄 筋 の 補 強 効 果 を 実 験 に よ り 解 明 す る . ま た , 静 的 軸 力 載 荷 実 験 お よ び 解 析 部座屈も含む)による吸収エネルギー,EE:弾性ひずみ エネルギー+弾性振動エネルギー,ELP:衝撃荷重作用 点の局部塑性変形吸収エネルギー,EV:応力波伝播によ る減衰吸収エネルギーと し , 実験より得 ら れ る エ ネ ルギー吸収量 EOP+EEを入力エネルギー EIで除したも の を エ ネ ル ギ ー 吸 収 率 と し て 算 出 す る . 3 . 実験概要 3 . 1 加力装置および測定方法 ( a ) 衝撃載荷実験 衝撃載荷は図 1 に示す実験装置を用いて行い,試験 体中央に重錘を落下させることで衝撃力を加える.本 実験では重錘質量 250kg と 375kg の 2 種類使用し,鋼 管 の 挙 動 を 見 な が ら 落 下 高 さ を 調 整 し な が ら 鋼 管 に破断 が生じ るまで 載荷し た.試験体は,ピンロー ラ ー 支 持 と し , 支 点 反 力 を 試 験 体 両 端 に 設 置 し た 1000kN ロードセルにより測定し,試験体下面の中央た わみをレーザー変位計により測定した. ガイドレール ロードセル 円柱 D=200 4800 レーザー変位計 跳ね上がり 防止治具 ピン・ローラー 6 3 2 5 試験体 2 .5 m 重錘先端部 R=180mm 曲率中 200 250kg 使用重錘 375kg 差動式 200mm変位計 巻込式変位計 試験体 図2 静的軸力載荷実験装置 に よ り 塑 性 ヒ ン ジ モ デ ル に よ る 評 価 法 の 妥 当 性 を 検 証 す る . 2 . 衝撃荷重の指標 衝突速度が 10m/s 以下の場合は低 速衝撃問題と呼ばれ,部材損傷の指 標として入力エネルギーが適切と考 えられる2 ).そこで, ここでは衝撃 荷重作用前と作用後の試験体最大た わみ時において次のエネルギーの釣 合いが成立するとする. I OP E LP V E E E E E (1) ただし,E I:衝撃荷重による入力エネ ルギー,EOP:部材全体の塑性変形(局 図3 試験体概要 (上:角形基準試験体,下:内蔵鉄筋基準試験体) 1000 1 5 0 6 6 980 16 16 1 0 0 □ 100 × 3.2(STKR400) 1380 2 5 0 16 16 1400 6 6 2 1 2 .1 □ 150 × 4.5(STKR400)38-2 ( b ) 静的載荷実験 加 力 部 の 先 端 形 状 や 支 持 条 件 を 衝 撃 載 荷 実 験 と 同様にして試験体中央を 5 0 0 k N 万能試験機により 一 方 向 載 荷 し た . 試 験 体 中 央 の た わ み を 衝 撃 載 荷 実 験 と 同 様 レ ー ザ ー 変 位 計 で 測 定 し た . ( c ) 軸力載荷実験 軸 力 を 導 入 し た 状 態 で の 衝 撃 載 荷 が 困 難 な た め 初 期 た わ み を パ ラ メ ー タ と し た 静 的 軸 力 載 荷 実 験 を 行 う .( b ) の静 的 載 荷 実 験 と 同じ 方 法 で 初 期 た わ みを与えた試験体に,図 2 の実験装置を用いて軸力 を 作 用 さ せ る . 試 験 体 の 両 端 の 装 置 で ピ ン 支 持 と しており,中央たわみ を巻込型 変位計で測 定した. 3 . 2 実験変数および試験体概要 図 3 に試験体の概要を示す.衝撃載荷実験および 静的載荷実 験の試験 体は,断面形状が 円形,角形, 菱形の 3 種類で円形が 165.2 × 5.0 × 1400mm(幅厚比 33.0),角形,菱形が 100 ×3.2 ×1000mm(幅厚比 31.3) を 基 準 試 験 体 と し て , そ れ ぞ れ 幅 厚 比 の 大 き い 試 験体(円形:44.6,角形,菱形:43.5)を作成し,歪 ゲ ー ジ を 試 験 体 引 張 側 の 中 央 か ら 左 右 に そ れ ぞ れ 5 0 m m 離れた位置に貼付した.また内蔵鉄筋試験体 は菱形断面のみ作成し,150 × 4.5 × 1400mm(幅厚 比 33.3)に異形鉄筋 SD390-D13 を 8 本内蔵したもの を基準とし,幅厚比 25.0 の試験体と PC 鋼棒 SBPR785/ 1030-9.2 を内蔵した試験体の計 3 体である.軸力載 荷実験は断面寸法が円形 60.5 × 2.3,角形,菱形 50 × 1.6 で材長 500mm を基準試験体とし,角形断面の みせん断スパン比を変数とした材長 3 0 0 m m の試験 体を 作 成し ,初期 た わみ を 材長 の 3 ~ 9 % とした. 試験体の鋼管に STKR400,STK400,コンクリートに Fc60 の高流動高強度コ ン ク リ ー ト を使 用 し た. 4 .実験結 果の 考察 4 . 1 鋼管の破断 図 4 に角形および菱形試験体の荷重 - 中央たわみ 関係および歪 - 中央たわみ関係を示す.図中のマー カ ー は 鋼 管 が 破 断 し た と 判 断 で き る 点 で あ る . 円 形 と 角 形 試 験 体 は 破 断 時 の 歪 お よ び 中 央 た わ み は 衝 撃 載 荷 の ほ う が 大 き く , 静 的 載 荷 よ り 安 全 側 と い え る . 一 方 で 菱 形 断 面 は , 破 断 時 の 歪 は 衝 撃 載 荷 の 方 が 大 き く な っ た が , 中 央 た わ み は 静 的 載 荷 が 衝 撃 載 荷 を 上 回 っ た . こ れ は 静 的 載 荷 は 局 部 変 形 が 進 み つ つ 載 荷 が 行 わ れ , 接 触 面 積 が 大 き く な ることで歪 が分散さ れることが 原因と考 えられる. 4 . 2 内蔵鉄筋の補強効果 内 蔵 鉄 筋 試 験 体 に つ い て は 無 筋 の 試 験 体 と 比 較 す る た め 静 的 解 析 を 行 い , 初 期 剛 性 を 傾 き と し て 最 大 耐 力 に 達 す る ま で の 吸 収 エ ネ ル ギ ー を 弾 性 限 エ ネ ル ギ ー Ee, 破 断 が 生 じ る ま で に 吸 収 し た エ ネ ルギーを E として塑性変形倍率=(E-Ee)/Eeとして比 較する.表 1 にその比較を示すが,無筋の試験体に 比べ鉄筋を内蔵した試験体は塑性変形倍率が 2 . 6 ~ 5 . 2 倍となり内蔵鉄筋の補強効果を確認した. 4 . 3 エネルギー吸収率 図 5 に全試験体の 1 撃目のエネルギー吸収率を示 す . い ず れ の 試 験 体 も エ ネ ル ギ ー 吸 収 率 が 8 0 ~ 9 0 % 程度となっており高い吸収率を示した. 試験体 幅厚比D/t せん断 スパン 比 弾性限 エネルギー Ee[J] 破断までの 吸収エネルギー E [J] 塑性 変形倍率 ◆-100×2.3-1000 43.5 125.9 2402 18.1 ◆-100×3.2-1000 31.3 176.4 4083 22.1 ◆-150×4.5-1400-SD390 33.3 690.1 39319 56.0 ◆-150×6.0-1400-SD390 25 920.4 75374 80.9 ◆-150×4.5-1400-PC 33.3 720.0 83980 115.6 5 4.7 50 60 70 80 90 100 円形 角形 菱形 菱形内蔵鉄筋 [%] 図5 エネルギー吸収率 表 1 塑性変形倍率の比較 図 4 荷重 -中央たわみ関係および歪 -中央たわみ関係 (a) 角形試験体 -幅厚比大 (b) 菱形試験体 - 幅厚比大 0 100 200 300 400 0 10 20 30 40 50 60 70 80 衝撃実験 静的実験 破断点(衝撃) 破断点(静的) 荷重[kN] 中央たわみ[mm] 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 20 40 60 80 100 衝撃実験 静的実験 破断点(衝撃) 破断点(静的) 歪[%] 中央たわみ[mm] 0 100 200 300 400 0 10 20 30 40 50 60 70 80 衝撃実験 静的実験 破断点(衝撃) 破断点(静的) 荷重[kN] 中央たわみ[mm] 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 20 40 60 80 100 衝撃実験 静的実験 破断点(衝撃) 破断点(静的) 歪[%] 中央たわみ[mm]
38-3 図 6 解析モデル(左:衝撃応答解析,右:静的軸力載荷解析) / 2 L ギャップ要素 軸方向弾性ばね 地動加速度パルス波 a 要素 要素b 1 2 3 1 2 3 1 m 1 m 1 m 1 10, 000m 1 2 m ・ ・ ・ 4 5 n-1 n M a b 5 .解析概要 5 . 1 衝撃応答解析のモデル 本解析は地震応答解析を応用した衝撃応答解析で, 解析対象は衝撃載荷実験を行った試験体である.解析 は,有限要素法に基づく弾塑性解析4 )である.応答解析 は Newmark-法による微小時間増分に対して行いの値 は 0.25,時間刻みは 0.02ms とした.減衰は部材の 1 次曲 げ振動モードに対して減衰定数 0.5%となるレイリー減 衰型とした.減衰定数は実験結果を踏まえ,荷重応答 の短周期振動成分が適切に減衰するように決定した. 図 6 に解析モデルを示す.モデルは対称性を考慮し, 材の半分をモデル化した.地動加速度を節点 1 に作用さ せ,質量 M を持つ節点 2 に衝突速度 V を与える.衝突 速度および質量は実験と同様とする.節点 1 は地盤 に固定されたピン支点で,節点 2 は対称性を考慮して 実験で用いた重錘の半分の質量を集中配置し,地盤に 対してローラー支持とした.節点 3 は部材中央の節点 を表し,地盤に対してローラー支持され,地盤に直交 する方向の移動と回転は拘束した.節点 4 ~ n-1 は部材 を要素分割した節点で,各要素分の質量 m1を集中配置 した.節点 3 にはその半分の m 1/2 の質量を与えた.節点 n は部材要素の質量 m1の 10,000 倍の質量を与えることで, ピンローラー支点に相当する効果を与えた. 節点 2~3 間,1~2 間をつなぐ要素 a,b はいずれも長さ 100mm で,軸方向弾性ばねとギャップ要素を並列に配置 したものである.ギャップ要素を用いることで軸方向 に対して接触・乖離が表現でき,軸方向弾性ばね(剛
L/2
2
3
H
N
1
除荷u
i n 図 7 応力 - 歪関係モデル (a)鋼材 (b)コンクリート sE 圧縮側 引張側 応力 歪 1.1 ×u 1.1 ×y u y -1.1 ×-y u -y -1.1 ×u m 衝撃応答解析 静的解析 ( 劣化 考 慮) cE 歪 応力 c 静的解析 ( 劣化 考 慮) 衝撃解析 - 円形 CFT ( 歪速度効果 + 拘束効果) 衝撃解析 - 角形 CFT,菱形 CFT ( 歪速度効果) 1.1 ×cB B 1.1 × B 性は極めて小さい)を並列に配置することで,ギャッ プ要素が乖離状態でも,骨組の一体性を保っている. 本解析では,要素 b のギャップ要素の軸剛性が発生す る変形量 e gは微小で,十分に剛とし,要素 a のギャッ プ要素の egは -20mm で,EA は重錘の軸剛性とした. 材長方向の分割は,L/2=500,700mm(L は試験体スパ ン)の部材に対してそれぞれの 試 験 体 の 断 面 せ い で 分 割 した.断面分割は全 断 面 と も 微小要素に分割し, 鉄 筋 を 内 蔵 し た 試 験 体 も 同 様 と し た . 5 . 2 静的軸力載荷解析のモデル 5 . 1 節 で 述 べ た 解 析 プ ロ グ ラ ム に よ り 解 析 を 行 う.解析対象は 静的軸力 載荷実験の 試験体と する. 図 6 に解析モデルを示す.対称性から部材の半分を モデル化する.節点 1 を剛接合とすることで一端が ピ ン 支 持 も う 一 端 が ピ ン ロ ー ラ ー 支 持 で あ る 静 的 軸 力 載 荷 実 験 と 等 価 と し た . 節 点 n の 残 留 た わ み が 実 験 の 初 期 た わ み に 一 致 す る よ う に 水 平 力 を 載 荷し,除荷後に節点 n に軸方向力を与える.材長方 向の分割は,L/2=150,250 の部材に対してそれぞれ断面 せいで分割し,断面分割は 5 . 1 節の衝撃応答解析と 同 様 に 微 小 要 素 に 分 割 し た . 5 .3 応力 - 歪関係 衝撃挙動では鋼材,コンクリートともに歪速度の影 響により材料強度が上昇する.歪速度効果による強度 上昇率は文献5 )の推定式を参考に,本解析での歪速度に 対応させ各材料の上昇率を 1.1 倍とした.鋼材及びコン クリートの応力 - 歪関係6 ) 7 )は図 7 に示す歪速度による 0 50 100 150 200 0 10 20 30 40 50 60 70 実験-3% 実験-6% 実験-9% 解析-3% 解析-6% 解析-9% 荷重[kN] 変位[mm] ●60.5×2.3×500 図8 実験値と解析値の比較 (衝撃載荷:● 165.2 × 5.0 × 1400) 図9 実験値と解析値の比較 (静的軸力載荷:● 60.5 × 2.3) 0 200 400 600 800 1000 0 20 40 60 80 実験 解析 衝撃荷重[kN] 中央たわみ[mm]38-4 最 大 軸 力 時 の た わ み で あ る . 静 的 解 析 で 考 慮 し た 鋼 管 の 局 部 座 屈 に よ る 耐 力 低 下 お よ び コ ン ク リ ー ト の 耐 力 低 下 に よ っ て , 静 的 解 析 の た わ み の ほ う が 小 さ く な っ た . ヒ ン ジ モ デ ル で は 断 面 の 耐 力 低 下 を 考 慮 し て い な た め , 評 価 す る に あ た り 注 意 し な け れ ば な ら な い . 7 .C F T 部材の耐衝撃性能評価法 設計では終局釣合い状態に達しないために下式を満 たす必要がある. 4 1 2 cr H p c u E M L (4) ただし,u cr=Mpc/N,(N<Ncr)であり,Ncrは CFT 部材の曲 げ座屈を考慮した圧縮耐力である.また,中央たわみ u に限界が与えられた場合,つまり終局たわみ ucrが設 計クライテリアより定められる限界たわみ u 0を上回る 場合に,許容できる衝撃エネルギーの上限は(1)~(3)式 より次式で評価できる.ただし,u0< ucrである. 2 0 0 4 2 H pc u u E M N L L (5) 8 . 結論 本稿では実験により鋼管の破断と内蔵鉄筋の補強 効 果 に つ い て 検 討 し た . 塑 性 ヒ ン ジ モ デ ル を 用 い た 耐 衝 撃 性 能 評 価 法 の 妥 当 性 を 解 析 モ デ ル に よ り 確認した.今後,局部座屈等の耐力劣化を考慮した モ デ ル を 考 え る 必 要 が あ る . 強度上昇率を考慮したモデルを用い,円形 CFT のコン クリート強度は拘束効果による強度上昇も考慮した. 静 的 軸 力 載 荷 の 部 材 解 析 で 用 い る 応力 - 歪関係は 図 7 に示す鋼管の局部座屈,コンクリートの歪軟化 に そ れ ぞ れ 起 因 す る 耐 力 劣 化 を 負 勾 配 を 与 え る こ と で 考 慮 し た 応力 - 歪関係のモ デ ル を用 い る . 5 . 4 解析モデルの精度検証 5 . 4 . 1 衝撃応答解析 図 8 に衝撃応答解析の円形基準試験体の荷重変形 関係の実験値と解析値の比較を示す.荷重,最大たわ み,残留たわみとも精度よく実験を追跡できており, モデルの精度が確認できる. 5 . 4 . 2 静的軸力載荷解析 図 9 に静的軸力載荷解析の結果を示す.最大軸力 及 び そ の 時 の た わ み 量 と も 精 度 よ く 追 跡 で き て い る . 他 の 断 面 で も 円 形 断 面 と 同 様 に 追 跡 で き て お り モ デ ル の 精 度 が 確 認 で き る . 6 . ヒンジモデルによる終局釣合い状態での変位uc r 既往の研究1 )で一定軸力 N を受ける部材の中央に衝 撃力 H が作用した場合の塑性ヒンジモデル(図 1 0 )を用 い,軸力が支持できる限界状態(終局釣合い状態とす る)における終局衝撃エネルギー EH,cr,及びその時のた わみ ucrの算定式を提案して おり,以下に示 す. , , 4 1 2 2 pl cr cr H cr pc E u E M L (2), pc cr M u N (3) 解 析 モ デ ル を 用 い て こ の 算 定 式 の 妥 当 性 を 検 証 する.表 2 に終局釣合い時の変位 ucrの(3 )式での算定 値と衝撃応答解析より得ら れた終 局状態 でのた わみ の 比 較 を 示す.衝 撃 応 答 解 析 に よ る た わ み は あ る 軸 力 下 で 衝 突 さ せ る 質 点 の 質 量 を 増 分 し て い き , た わ み が 発 散 し な い ( 軸 力 が 保 持 で き る ) 限 界 の た わ み で あ る . こ の た わ み と ヒ ン ジ モ デ ル か ら 得 られた uc rはいずれも概ね一致している. 表 3 に静的軸力載荷の部材解析より得た終局たわ み auc rとhuc rの比較を示す.このときauc rは図 9 での 表2 衝撃応答解析とヒンジモデルのucrの比較 ucr [m] ヒンジ 解析 ucr [m] ヒンジ 解析 ucr [m] ヒンジ 解析 ヒンジ 0.264 0.210 0.298 解析 0.326 0.239 0.362 ヒンジ 0.143 0.113 0.146 解析 0.152 0.132 0.169 ヒンジ 0.099 0.078 0.092 解析 0.114 0.083 0.099 ヒンジ 0.074 0.058 0.062 解析 0.080 0.066 0.080 ヒンジ 0.057 0.045 0.042 解析 0.064 0.050 0.058 軸力比 n =N /Ny ●165.2×5.0 ×1400 ■100×3.2 ×1000 ◆150×4.5× 1400-SD390 0.1 0.81 0.88 0.82 0.2 0.94 0.86 0.87 0.3 0.87 0.94 0.92 0.4 0.92 0.89 0.77 0.5 0.89 0.88 0.72 静的解析 aucr ヒンジモデル hucr 3 0.0200 0.0261 1.30 6 0.0363 0.0452 1.25 9 0.0521 0.0626 1.20 3 0.0201 0.0324 1.61 6 0.0368 0.0473 1.29 5 0.0177 0.0300 1.70 6 0.0210 0.0333 1.58 3 0.0191 0.0295 1.54 4 0.0259 0.0360 1.39 ■50 ×1.6-300 ◆50 ×1.6-500 試験体 初期 たわみ [%] 終局たわみucr[m] ヒンジ 解析 ●60.5 ×2.3-500 ■50 ×1.6-500 図10 塑性ヒンジモデル / 2 L / 2 L v H N pc M u 表3 静的軸力載荷解析とヒンジモデルのucrの比較 【参考文献】 1 ) 河野明彦,河口弘光:津波漂流物の衝突を対象としたコンクリート充 填鋼管部材の耐衝撃性能評価法の開発,日本建築学会構造系論文集 80(715), 1497-1503, 2015 2 ) 岸徳光,三上浩,松岡健一,安藤智啓:静載荷時に曲げ破壊が卓越す る RC 梁の耐衝撃設計法に関する一提案,土木学会論文集,No.647/1-51, pp.177-190, 2000.4. 3 ) 土 木 学 会 , 構 造 工 学 シ リ ー ズ 1 5 衝 撃 実 験 ・ 解 析 の 基 礎 と 応 用 , pp.42,103-104,2004.3. 4)Kawano,A. andWarner, R.F.:NonlinearAnalysis of the Time-Dependent Behaviour of Reinforced Concrete Frames,Research Report No.R125,Department of Civil and Environmental Engineering,The University of Adelaide,1995. 5)香川智,黒木勇人,石川信隆,太田貞次:高速載荷を受けるコンクリー ト充填鋼管はりの動的弾塑性挙動に関する一考察,土木学会論文集 No.696,2002.1 6)Popovics, S.:ANumerical Approach to Complete Stress-Strain Curve of Concrete, Cement and Concrete Research3,pp.583-599,1973. 7)Menegotto, M. and Pinto, P.E.:Method of Analysis for Cyclically Loaded RC Frames Including Changes in Geometry and Non-Elastic Behavior of Elements under Combined Normal Force and Bending,IABSE Congress Reports of the Working Commission Band,No.13,1973.