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Amino acid spacer を用いた C-reactive protein(CRP)定量の高感度化と臨床的意義の研究

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Academic year: 2021

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Amino acid spacer を用いた C-reactive protein(CRP)定量の高感度化と臨床的意義の研究  日大生産工(院)      ○伊藤  逸雄  日大生産工    小森谷  友絵,神野  英毅   

【緒論】 

今回測定の対象としているC-反応性タンパク (CRP)は、通常正常ヒト血清中でも微量(平均 580ng/ml)に存在し、炎症性疾患や組織の変性・壊 死が生じるとさらにCRP血中濃度が上昇し、病状の 回復に伴い速やかに減少する特徴をもつ。急性期 タンパクの代表的な検査の一つで細菌感染、組織 損傷などが原因で上昇する炎症マーカーとしてそ の測定は広く臨床的に利用されている1)が、さら に高感度化必要がある。従来法のCRP測定は、急性 炎症時における通常時からの大幅な濃度上昇を測 定していたので、感度に優れた測定法はあまり必 要とされなかった。しかし、近年ラテックス凝集 法などの高感度CRP測定法の開発により、CRP濃度 を低濃度域で精密に測定することが、心筋梗塞や 新生児感染症の予知マーカー、歯周病などのさま ざまな疾患との関係性も注目されはじめた2)。し たがって、高感度ラテックス試薬に対する需要が 今後増すことが予想される。 

本研究は作製法、主にアミノ酸をリンガーとし て修飾したラテックスを用いてスペーサーとした ラテックス試薬を作製して比較検討し高感度化し た。さらにその中のグリシンをスペーサーとした ラテックス試薬で正常者、患者血清(肝炎)で測定 し比較検討した。 

【実験】 

1. amino acid spacer法によるラテックス試薬の 作製 

1%カルボキシル基修飾ラテックス懸濁液に WSC(Water  soluble  carbodiimide) 溶 液 と NHS

(N-Hydroxysuccinimide)溶液を撹拌しながら順

に加え、298Kで 30 分撹拌しラテクッス表面のカル ボキシル基を活性化させた。活性化後pH6.5, 0.05  M MES緩衝液で洗浄し、その後にMES緩衝液で 1.33

× 10- 4mol/ml に調製した各スペーサー分子

〔Glycine(Gly)・Valine(Val)・Leucine(Leu)・

Threonine(Thr)・Serine(Ser)・Cysteine(Cys)・

Methionine(Met)・Arginine(Arg)・Lysine(Lys)・

Histidine(His)〕を加え 310Kで 1 時間攪拌し結合 させた。再び、WSC溶液とNHS溶液を順に加え撹拌 し、スペーサー分子のカルボキシル基を活性化さ せた。攪拌後遠心分離(16,000rpm.277K. 20min)

し、上澄みと沈殿に分けた。沈殿はMES緩衝液で洗 浄した。これに濃度調整した抗CRP抗体溶液を加え、

310Kで 30 分撹拌し結合させた。結合後遠心分離

(16,000rpm.277K. 20min)し、上澄みと沈殿に分 けた。上澄みは後の操作でラッテクスへの抗CRP 抗体結合量の定量に使用した。沈殿は同じMES緩衝 液 2mlに懸濁し、粒子洗浄のため一回結合後遠心 分離(16,000rpm.277K. 20min)した。遠心分離後 同じMES緩衝液 1mlに懸濁し、変性BSAを 1ml加え 298Kで 30 分撹拌し、ラテックス粒子表面の抗CRP 抗体未結合部位のブロッキングを行った。ブロッ キング後、pH8.2, 0.1 M Tris-HCl緩衝液に懸濁し 未反応活性化カルボキシル基を加水分解した。加 水分解後粒子洗浄のため同じTris-HCl緩衝液に懸 濁して二回遠心分離(16,000rpm.277K. 20min)し た。最終的にTris-HCl緩衝液 2 mlに懸濁したもの を抗CRP抗体化学結合ラテックス試薬とした。 

2.ラテックス試薬の評価 

作製したラテックス試薬を CRP と反応させ、 

近赤外比濁法(LPIA 法)でその凝集反応速度を測 Study on High Sensitive Quantitation of C-reactive protein (CRP) Latex Test 

 and its Clinical Significance by Amino Acid Spacer Conjugated  Itsuo ITOH, Tomoe KOMORIYA and Hideki KOHNO 

(2)

定した。測定には全自動免疫血清検査システム LPIA-200 を用いた。測定キュベット内に、抗原 CRP 標準液 30 μl、反応緩衝液 230 μl、ラテック ス試薬 40 μl を分注し、12 秒毎に 10 分間波長 950  nmの吸光度変化を測定し、スペーサーの異なる感 作ラテックス試薬の平均反応速度から検量線を作 成した。それをもとに CRP 定量と検出限界を測定 し高感度化を検討した。 

3.臨床的意義の評価 

臨床的意義について症例の血清は日本大学医 学部駿河台病院よりわけてもらい、同様に測定し た。この測定結果から正常値と微量定量の意義を 検討した。 

【結果・考察】 

  Amono acid spacer による新規 CRP 抗体固定化 方法により低濃度領域では従来の方法と比較して 10 倍高感度なものとなった。 

Fig.1 に各スペーサーによる試薬の反応性の 結果を示した。今回はタンパク質を構成する主な アミノ酸の中で中性アミノ酸である脂肪族アミノ 酸 Gly,Val,Leu とオキシアミノ酸 Ser,Thr、及び 含硫アミノ酸 Cys,Met と塩基性アミノ酸である  Lys,His,Arg をスペーサーとした10種類で条件検 討を行った。反応性が良い順に 

Arg>Met>His>Thr>Cys>Lys>Gly>Leu>Val>Ser と いう結果が得られた。これから各アミノ酸の分類 と構造から分けると、塩基性アミノ酸、含硫アミ ノ酸、オキシアミノ酸、脂肪族アミノ酸の順とな りさらに分類の中でも側鎖が長い方が反応性は良 いことがわかった。また同じオキシアミノ酸であ るのに Thr と Ser で反応性に差が生じた。この2 種類では、-OH 基の付いている位置が異なる。同 じことが含硫アミノ酸のMetとCysでは-S-のジス ルフィド結合の位置と側鎖の長さが異なる。今の ところスペーサー自身の性質と長さが反応性に影 響することがわかった。本研究では他のアミノ酸 スペーサーでも同様の実験を行いスペーサーの影

響を検討し、スペーサーの種類の最適化をしてさ らなる高感度化を目指したい。 

Fig.2 に肝疾患患者で測定を行い、血中 CRP 濃 度を示した。これは日本大学医学部駿河台病院と の共同研究での例で平均値は 1056 ng/ml、最高値 は 6992 ng/ml、最低値は 157 ng/ml でした。肝臓 疾患では CRP は肝臓で生産されるため、 CRP 産生 能の低下が示唆されている。しかし、高感度測定 できる本 CRP 濃度測定により、疾患によるこのよ うな高い値の CRP が確認された。このデータから 言えることは、肝臓疾患がある人にも肝臓の炎症 から CRP が産生されていると考える。このことは 新しい CRP 測定の臨床的意義として、肝疾患患者 における合併症や治療経過観察に利用できるので はと考えられる。 

 

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 10 20 30 40 50 60

CRP(ng/ml) 10(abs/min)

Arg Met His Thr Cys Lys Gly Leu Val Ser

  Fig.1 各スペーサーによる試薬の反応性 

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000

1 21 41 61 81 101 121 141 161 181 201 221 sample number N=237

CRP Concentration  (ng/ml)

    Fig.2 肝疾患患者での CRP 定量測定 

【参考文献】 

1) 福岡良男ら : 臨床免疫学,医葉薬出版  (1997) 

2) 高橋伯夫 : 臨床病理,高感度 CRP 測定法の病 態診断的有用性 50,30-39(2002) 

参照

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