3
学園祭協賛行事記録●
最後に、中国では正月の時必ず餃子を食べますが、これは餃子の形がお金の形を模しているので、
富をもたらすためにという意味があります。
<発表 要旨>
「日本で愛される南蛮料理・菓子」
南蛮料理とそのお菓子は、16世紀にポルトガルやスペインから鉄砲やキリスト教とともに、日本に 伝えられたと言われています。数百年を経て、日本人の味覚に合う様に変化し、馴染み深いものにな りました。それらの中で、4つの代表的な料理やお菓子、天麩羅(テンプラ)、飛竜頭(ヒリョウズ)、
カステラ、ボーロがどのような変遷を経て、今日の姿に変化して行ったかについてお話しします。
今では、日本料理としてすっかりお馴染みとなった天麩羅(テンプラ)は、キリスト教の古い習慣 で、肉を食べてはいけないとされていた「クアトロ・テンプラス」(Quatro temporas)の定番メニュー であった魚のフライです。この習慣が日本に伝わり、天麩羅(テンプラ)となったと考えられます。
次は、飛竜頭(ヒリョウズ)です。語源はポルトガル語のフィロウス(filhos)、スペイン語のフィリョ アス(filloas)からきたものです。もとは、クリスマスに食べる特別な菓子で小麦粉に玉子、バター、
塩を加えて牛乳でとき、フライパンで薄焼きにし、その上からシロップや砂糖をかけて食べます。禁 教令が発令されたこの時代、改宗をしたキリシタンの人々が、その当時中国から伝わってきた豆腐巻 を、その形が南蛮菓子「フィロウス」に似ていて、水どきした粉を熱い油の中に入れたときに、竜の 頭が飛んでいるように見える姿を現したので「飛竜頭(ヒリョウズ)」と名付けたのではないかと考 えられています。
次はカステラです。カステラの語源は、南蛮交易が盛んなころ、スペインの中央部に存在していた「カ ステリア王国」からきているという説が有力だと言われています。そして、カステリア地方の中心で あるマドリッドには、ビスコーチョというカステラに似たお菓子があり、江戸時代のカステラの作り 方を見ると、材料は小麦粉、白砂糖、卵のみであって、スポンジケーキとほとんど同じでしたが、現 在のカステラはこれに水あめや蜂蜜が加えられ、伝来当時よりもしっとりと風味のあるものに仕上げ られています。
そして最後のお菓子は、ボーロです。語源は、ポルトガル語で焼き菓子の総称を「ボーロ」と呼ぶ ことからきています。パシェンシャス(paciencias)という今の日本の丸い形をした焼き菓子が伝わっ た時、ポルトガル人がそれを指さし、「ボーロ、ボーロ」(お菓子、お菓子)と説明したことで、日本人は、
ボーロというお菓子だと思い、いつしかボーロと呼ぶようになったのではないかと考えられています。
スペイン・ポルトガル発祥の料理・菓子も本場のものに劣らないほど美味しい料理になっていて、
これも日本人の菓子・料理人の美意識と追求心があったからこそだと思いました。
フォーラムを振り返って
フォーラム実行委員会 委員長 栄 咲子 このフォーラムの講演や発表を通じて、洋食が入って来た経緯を知ることが出来ました。また、
今まで日本人が知らなかった料理を外国の人達によってご紹介頂きました。今後は、まだまだ知 られていないこのような外国の料理が日本人の間に広まっていくことと思います。たまたま、昨 年は和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。このような事を踏まえて、伝統的な
「おもてなしの心」 を大切にしながら、また新しい文化とも言える世界の料理を大切にしていき たいと思います。
酒井 麻耶子さん
(英米語学科4年次生)