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広く愛される自転車

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Academic year: 2021

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学外の皆様からのご支援

 環境に優しく健康指向をうけ自転車ブームが 続く中、通勤・通学手段としても見直されてい る。また、活字の世界、例えば京都外大図書 館で「自転車」をキーワードに検索すると忽ち 30余冊がパソコン画面に浮かび上がった。その ジャンルは小説、旅行、産業、メカニズムと多 岐にわたり、著作テーマとしての関心も高い。

 自転車のルーツはドイツ、1818年に発明され た。それは木製品でタイヤもなく、地面の凹凸 がそのまま体に伝わってくる大変な乗り物で、

現代から見るとまるでパンクした自転車に乗っ ていたのではと推測される。

 注意して見ているとテレビ広告や写真に登場 する自転車の背景はヨーロッパなら石畳で、フ ランスパンを前籠に入れた若者、日本ではス ニーカーで軽快にキャンパスを駆け抜ける大学 生や桜並木の堤防を走る複数のセーラー服姿。

舞台の景色が違っても巧みに溶け込んでゆくと ころが魅力的である。

 自動車が普及する前の日本、自転車は輸送手

段としても大きな役割を果たしていた。例えば 自転車の後部にリヤカーと呼ばれる二輪のト レーラーを連結して農作物や商品を運んでい た。想像しただけでも重たいが実際ペダルを踏 むのにかなりの脚力が必要であった。リヤカー を牽引するのは強靭な金属とタイヤで完全武装 した重量のある自転車。赤銅色の顔をした男性 が汗を拭いながら、そのペダルを踏んでいたの を見たのは昭和20年代か。

 今、そんな光景もなく記憶している人も限ら れるが、大袈裟に言えばそうした勤勉さが日本 を豊かにした一翼を担っていたと思う。

 「お金さえあれば物とサービス全て入手可、

そして“当然”」と錯覚する現代。自転車なら ぬ心の一旦停止で“当然”を年中無休で提供す る他人の苦労を考えるのも大切な人生勉強。

 一瞬でも“便利だな”と感じたなら、縁の下 で何人がそれを支えているのかと思いを馳せる のが大人の第一条件。ところで、あなた大人で すか。

 “銀輪に夢のせ未来へペダル踏む”

写真は大阪府堺市にある「自転車博物館サイクルセ ンター」にてフィルムカメラで撮影。

あんどう しんじ(アマチュア写真家)

学生の通学手段(1)

広く愛される自転車

安藤 紳次

参照

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