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価格変動下における農業経営計算のあり方に関する 研究

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価格変動下における農業経営計算のあり方に関する 研究

その他(別言語等)

のタイトル

Studies on farm accounting system adjusted for price changes

著者 佐々木 市夫

雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部

巻 13

号 2

ページ 119‑126

発行年 1983‑06‑25

URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002168/

(2)

】1g   

有人研報,13(1983):119〜126,  

価格変動下における   農業経営計算のあり方に関する研究  

佐々木 市 夫*  

(受壬里:1982年11月30R)  

StudiesonFarmAccountlngSystemAdjustedforPriceChang−eS  

Ichio SASAIくⅠ*  

本来,これら計数的管理技術と個別対象的管理技術   は不連続に成立つわけでなく.経営の発展段階に照応  

して互いに関連しながら農業管理技術を構成していく。  

その場舎,農業経営管理技術の絶体ほ,基本的に農業  

における企業形態の変化と琴く結びつくものだと考え  

る。経営管理のあり方と企業形態は経営内部で関連す   る。たとえば.土地保有構造,資本構造あるいは農作  

業体制の観点からして.従来の零細な自作農裡響とは   かなり眞なる企業的家族経呂■など こおいて,複式簿記  

機構による凝滞約な貨幣計算的管理が初めて現実的意  

義をもつにいたる。   

本論では,農業経常管理に関するこのような統一的   理解者もとにして,計数的管理技術の構成費煮たる農   業経営計算のあり方に焦点を当てた。すなわち.今日   の物価変動期においては,貨幣価値安定を前提にした   現行の貨幣計算システムは,、経常活動の実態を正Lく  

描写できなくなる。そこで現行の貨幣計算システムを  

会計機鰭的にいかに回復させるかが課題になる争点業   経営計算におけるこのような価格変動問題について理  

論的検討貴行なうとともに,価格変動期の農薬経営計   算システムを培憩Lた。   

わが国の企業制度も,物価変動に対応するためによ   うやく制度的改止書こ乗り出してきたす昭和55年5月.  

企業会計審議会から「企業会計内容開示制度における   物価変動財務情報の開示ほ関する窓風害」が大蔵大臣  

に答申されている。だが,その「意見書」において,  

1.序  

農業会計は,農業繕営における経済活動の実態を正  

確に描写しなければならない。このことはいまさらく   り超す乙ともない当礫のことだが,ただその実態描写  

かそれ自体で意味をもつものではなく,鹿家の経営実  

践のなかで経常的経営管理技術として生かされて初め  

て意義をもつ。農業会計は情報的管理手段にはかなら   ない。   

ところで今日の農業経営の技術をみると,、その近代   化に対応して経営管理技術は多、様な展開を呈Lてきた。  

だが大きく整理すれば,そこには二つの方法が互いに   関連しながら娩能してきた.といえる。ひとつの管理   方法は,さまきンまな技端的プロセスを有する農業生産  

め深層において,経営全体を貰いて流れる経済価値に   着目し,それを簿記標語を主とする計算システムによ  

って管理しょうとする。この方蔑は貨幣計算的管理技   術あるいは計数杓管理技術と呼ばれるものだが,乙れ  

には農業所得許乳生産費計算が属する。もうひとつ   の方法は.農業生産におけるさまぎまな技術的プロセ  

スの差異をむしろ前面に押し出してそれぞれの個別的  

管理を徹底化しようとする。主要な生産手段ないしほ   生産対象への個別的管理技術である。こうした個別対   象約管理技術としては.圃場や水の管理 乳牛の個体  

菅軋機械・施設の維持管確,粗飼料凝成分管理など   いくつもあげれることができよう。  

* 帯広嘗産大学畜産経営学料.帯広畜産藩学農業計算学研究宝  

* DeparLment8f Agricultl揮1Economies,E00nOmic台.わbilliro U汀】VerSlty Of Agficultur色白nd    Veterin旦ry Medicine,Hokkaidb〔娼0↓Japarl.  

【47   

(3)

128   佐々凍市美  

物価変動鄭こ対応すべき企業会計諭はまだ理轟的に最  

終の瀦着をつけられていない。この事惰ほ物価変動会   計問題のもつ深刻さを表わすものといえよう。   

一般企業と同様.農薬経営活動や農家経済に対して,  

かかる物価変動か無視できない影容を与えているこよ  

も明瞭な事実である。経済的楓点からこのような実像   解明が多くな∧きれてきたが.農業会計の立場から,物  

価変動の影響をいかに会計処理すべきかについてはと  

んど解明されてこ甘かったといえる。  

乱 闘題額域と方法   

わが国の虔義金計研究は,簿記論や管理会計論の菊   野を含めてLだいに研究領域を広げてきているものの,  

それは農業経営活動における期間的成績実態巷開示す   る腰営成果計算と個別農畜産物の生産原価を確定する  

生産費計算忙関するものに集中している。またそれら  

は計数的管理技術として現実的重要性を増していると  

考え,本論文においても経営成果計算と生産費計算め   二領域に関税を【樹立した。   

笥一に、その期間的成絶表示機能は,そもそも会計  

の始まりから要請されてきた役割であるか農巣経嘗を  

対象にする期間的成緻表示機能は.わが国では愚知の  

とおり農業所得計算に求めてきた。そ・こでの農業所得  

は横越項目たる農業相収益から消極項目たる農業経営   費を各々独立的に確認して差し引いた観匡として確定  

する。残差による健定よいう虚業所得計算は,農業祥  

宮の近代化匿おいて期間的成績表示機能整十分果たす  

ことができるかどうか筆者は疑念をいだいてきた。そ   ゐ点に検討を加えておくことが.ここの深憩のひとつ  

になる。臭うひとつの課題は.価格変動との開通くにお  

いて期間的成請来示機能の復元問題を考察することで  

ある。この場合轟具体的検討対象として大槻博士の農   業簿記,会計理論と農林水産省の実施する農家稀請謁  

査ぬふたつを選んだ。   

第二点,わが国の農畜産物の生産費計算は,実際十  

従来政府介入の価格政策における価格草薙資料や外部  

分析者への情報提供iこ役立ってきた。、そぬため計数的  

管理技術としてそれは未照だったといわさ■るを碍ない。  

しかL,農産物自由化を要求する外圧のもとで,国内  

の先進的農業生産者は一定程度市場競争のなかで壁書  

のびていかねばならなくなり,生乳原価.肉牛育成原  

価ナ米産産痴価などを数値的に自覚するという段階に  

なってきた。  

農畜産物生産費における計算上の論点は,原価性基   

準と評価基準との二つについて存在する。前者の原価    健基準においては「何々の計寅項目(たとえば企画管   

理労働費)ほ年産重機戒項目として蘇徳性を認識でき    るかという問題であり,他方後者の評価基準におい    てほ.「原価性を認められた年産費項目について,い   

かなる評価価格を選択するか」という点である。理論    的には,生産費計算においてはこれら原価性基準と評   

価基準は分離して論じられなければならないにもかか   

わらず,現簑には未分化のままだったといわぎるを得   

ない。原価性問題の論議が薫流右占めてきた。ところ   

で価格変動下における生産費計算間組は 

価問題に結びつく。こういう意味での未分化な原価思    考を脱するとともに,評価問題について検討すること   

を問題領域とした。具体的な分析対象としでほい農林    水産省農畜生産費認套の考え方と,その理絵的支柱と   

なってきた加和博士の生産費諭をとりあげた。  

次に.これらの問題領域に対する接近方法にづいて    述べておきたい。ここで(ま,とくに価格変動下の痢間    的成績表示問題に関してとりあげる。   

①農業経営活動における成績評価め観点は,「経営主   体と財と¢)関係をどのように押解するか」に密接に   関連するものと考える。すなわち,経営主体の意図   を背後に置いて,むしろ財自体のて価値運動として理   解するか,′または,支配力を有する経営主体の意腐   を重視するなかで財運動養とらえていくか、,いずれ  

かであろう。本詩文は後者の視点書こ立づ。   

②経済的成績を軌定する方法には損益法と財産應昭二  

種がある。損益法ほ「総収益一線費用=期間成果」  

という算定方式で,∴つの独立的な計算項目の残差  

として求めることを特徴とする。その残余需巨額とし   ての新聞成果には,その測定期間を前後の確聞と分  

断Lた形で財の因果的対応を反映させるという意蘭   がある。①の立場からすると.当該期間の経営活動   における期間独立性,あるいは経営プロセスの連続   性回避は相容れないと考える。それで,経営に存在   する経済価値の料鹿あ藤森を意味する財産怯.すな   わち「期末資本一期首資本=期間成果」を中軸とす  

る接近法を採った。   

㊥経済価値の補填の確認を奉祝する財産法では.費用  

は橋壊された磁済価値(資本)を表現する。その場  

合.費用測定における評価価格の選択いかんによぅ  

て,、琶用額か当然違ってくると同時iを.補填ぎれる   

(4)

農業会計   

12】  

㊤   

営の所有者あるいは財産委託者としての情報要求と経   

て,   

,   

前者の財産委託者による会計機骸は,期間成果計算  

念    想    唱    の   

な情報提供を行なうことであろう。その場合,最も真  

よ   

」    し   

示することである。しかしながら,このような基本形  

環    拘   

た。  

ち.   

の貨幣名目額として把握しているが,価格変動を考慮  

題    断   

きだと解釈することも可能である。さらには,委託さ   れた資本については.貨幣価値としてではなく,一定   の生産能力を具周する物的澄本とLて把握Lh,それか  

果   情   か   会  

念に基づく会計システムか提案されてきた。  

次に,後者の経営者能力の判断資料については.そ   もそも会計が過去の経常成績に関する情報なので,そ  

れが経営者の将来の成績予測に具体的にどれほど役立   

つか,疑問がないわけでない。Lかし,この情報要求   の観点からすれば.少なくとも提示される期間成果が   その背景をなす経済環境との関連を明らかにすること.   

つまり,全体としての期間成果冬,それを生み出Lた   状況ないし原田こ−とに識別して報仁しなければならな   いということであるゥ具体的には.価格変動の影響に  

よって発生する購買力損益や保有損益などとほ分別し  

て,生産活動による損益を表示せよという壊求に結び    ついてくる爪 しかLながら原価」二義会計の場合,価格    変軌こ起因する損益か他と区5jl」してとらえられていな  

い。ここに批判点が存するb    49 −   

ペき価値内容も異にするという関係が成立する。   

に基づいて,期間成果計算は資本概念に従属すると    考えるわけだから,締嶺される資本の内容によっ   

その資用郵定住おける評価価格の選択が左右される   

ということになるわけである。  

⑥そこで,価格変動期において.現行の名目資本概   

に替えていかなる資本概念を捕壊すべきものと構   

するか七そのためインフレーション会計とLて提    されている実質資本維持会計,実体資本維持会計    特徴および限界を考察することにした。その場台,   

とくに二点につき注意を払う。第一に価格変動に   

る影響として会計的に惰紺化される「価格変動損益   

を算定するとさの修正指数の選択問題である。そ    て第二にはそ¢)「価格変動損益」をいつ認識すべき   

かの問題だといえる。ここでは経常プロセスの循    の中で,自由遽択性資金としての度幣資本概念が「   

束 拘束解除一再拘束・・・」を繰り返す点に着日L  

⑥扇後に,負債についての取り扱いが残る。すなわ    補填すべき資本として、白己資本のみを考えるか,   

それとも総資本をとりあげるか.である。この問   

は〔ヂに述べた会計思考の軸刊に依番するものと判   

Lた。  

3.価格変動会計諭と貨幣資本の拘束性   前項で述べたように,価格変動下における期間成   計笥の課題は,現行原価主義会計のもつ期間的成績   報における限界を修正L.会計の計算システムをい   にして回復するかであー「たやそれではその原個l」主義   計山間界とは何か,あらかじめ確認しておこう。   

本論では,経営活動における期間成果とは補填すべ   き資本の期末余剰労とすることを前提にしているが,  

この観点からすると,原価主義会計は名目資本維持を   基礎とLており,Lたがって.そこほおける費用概念  

は名目農本の‡卿祈的減少分を意味する♪農業会計の菊  

野でも新Lく財務会計論の提唱があり,またか業的屋   労組営や共同経常等におけろ虚業簿記1あるいは農家   経済調査の農業所得計算における農業綿常費は,原則   とLて支出薫華Jとより測定することになっている。   

価格変動に関連Lて,このよう串原価主義会計の右   する悶視点はこうである。すなわち.経営の利#関係   者(単なる外部分析者でぢいjが期間成果計算に戒め  

る情報要求に対Lて,原価羊義会計が極めて不卜分な  

程度しかそれをみたさない,という点に集約されるで  

(5)

Ig2   佐々木市夫   

さて.こうした原価主義会計の棋界酋長正するもの   として,いくつかの価格変動会計論が庚喝されてきた、。  

そのなかの二つの会計形態について検討を加えた。す   なわち,実体資本維持会計と募質資本維持会計である。  

両者め会計体系について.その特質を整理すれぼ次の   ようになった。   

ユ)夷体資本推椿会計の特質   

㊤インフレーション朔において,名目資本維持紅塵   づく貨幣計算システムでは,経瞥の実体的基盤は壷食  

されてしまう。経営の生産能力維持の観点から補填す   べき資本の内容ほ物的資本でなければならないとする。  

そのたぬ,物的資産は取得原価でなく,再調達価格で   評価する必要がある。   

㊥物的資本概念は,具体的には物的資産の数崖をも   って表わす。このため,期末時点で期首に存在してい   た物的資産が同型・同量維持されているか,あるいは  

物的資産として存在していなくとらそれを謂連で善る   貨幣資産が確保されているれこれらの確定が前提と   なる。   

⑨裏体資本維持会計は.経営の活動内容の徽緩性を  

前提しなゆれば成立しない。販売する生産物が変化し   てト使用する、設備.機械もしくほ原材料の形質が転換  

する場合には,維持すべき物的資産の内容が当然変動  

するので計算上の重大な困難が生まれるからである。  

したがって,経営転換や技術革新の激しい状態では.  

実体資本維持会計は致命的な欠点をらつといわさるを   得ない。   

2)実質資本維持会計の特質   

③物価変動期でほ.経常における購男力価値の維持  

を確認する会計計算でなければならない。その香味か   ら,1)の実体資本維持会計は物的資本概念に準拠し  

ているのに対Lて.実質資本維持会計は,原価主義登   計と同じく,資本の本質を貨幣とする貨幣資本額急に   立脚する、。   

㊥維持すべ善資本¢う内案は.購買力価値または眉髄   資本の実質となるが,名目資本の換算†こはいふつう一   般物価楷数を使用する。その結果上して購買力眉益(債   務者利潤)が貨幣価値変動のあるときただちに,負債   の返済・流動化の事案と関連なく,認赦される仕組み   となっている。   

⑧この会計体系における残された課題とLては.農   業経営の負債保有の実情に対応Lて購眉力損益を期間   成果計算のなかで,いつ認治すペきかという点であろ  

う。これは,負債厳に関係する、。もうひとっは.貨幣   資本における実質の内容をいかに競走するか,すなわ   ち換言すれば.換卸旨数の選択に関連することである。  

このことは,農業軽食における資本循環を想定すると   き,その資本は完全な自由選択性登金よLて,あるい  

は同じことだか現金のこ′とく使途における環指向性資   産として仮定することが現実的かどうかの判断にかか   わるであろう。  

以上明らかなように,補填すべき資本形感の、観点   かちすると,実体資本維持会計と莞質資東経持会計は,  

一方物的資本概念t他方貨幣資本概念を基盤としてお   り,まったく異質なものといわぎるを得ない。だが,  

貨幣資本の自由選択資金性・拘束性の観点から両者を   見直してみたらどうであろうか。その自由選択資金性   とは.端的に現金項目にみられるように.経営活動に  

おける使途の無限定牲,ま軒封勾性を意味する。しかし,  

その反乱たとえば,固定費慮なら反復的使用という   方向,棚卸資産であれば販売また後塵であれほ資金回   収というように.一定明方向に利用されるべく、限定さ   れた性格を考えることら可能である。すなわくち.貨幣  

資本には本来どのような方向にも使用で書るという潜   在的可能性がある。だが,ある経営に投資された場合,  

一時的にせよ,その無精向性がその投資対象に属す.る   特有の方向に限定されてしまう.と想定するわけであ  

る。これが貨幣資本の拘束性あるいは指向性を意味す   る。こうLた観点から上述の二つの会計形態を比較す  

ると次のようにいえよう。   

葦一に実体資本維持会計では,仮に経営事実とLて   物的資産の流動化(たとえば減価償却費)が発生して  

も,その流動化したちのについて「再調達を断念しな  

いかぎり」貨幣資本の拘東性が解除されたとほ考えな   い。特定資産の拘廉性解除の判断は,非貨幣資産が貨  

幣資産に転換する辛夷でほなくノ資本循環の継続性を   考蒸する経営主体の意図に依存するわけである.。   

第 ̄.に実質資本維持会計は,これとは対照的に.原   価主義会計とFt可様に流動化事実に基づいて拘束性め解   除を認識する。その流動化した資産について.経常主   体が再調達を考えようが考えまいが.その自由選択性  

資金への回帰を考える。この計算体系は資本循環の独   立性を強く反映した考え方たといわざる巷得ない。   

こうした考察によって.補填すべ善資本形態の闇点  

からすると,実体資本維持会計と夷質資本維持会計は   

(6)

農業会計   l幻  

あり方を指摘すれば,次めようになる。すぢわち,個   別的な辟官主体の意図から戯れで.因果対応的会計思   考匡立脚するぬであれば,社会「嘔吐産力を表現する  

ものとしての経営合理性に調する情報提示が新緑され  

なければならない8とすれば.粗収益にぉいても,総  

官費においても堰荏価格水準をペースにして比較すべ  

きである。したがって過去の支出価格巷基準にした経   常費の測定はこれとは明らかに矛盾す.る。、つまり.粗  

収益における現在価格水準,他方経営費にム吋る過去   価格水準による期間成果は,求められる情報内案に対   Lて不十分にしか会計機鞘を果たしていないといわぎ   るを得ない。また.仮に,その細問成風に対して,「l  

的意識的会計思考に基づく処分耶巨性に関する情相提  

示機能を親持した場食も.粗収益碩日としで東販売財   冬算入していることが難点となるpこぬ東販売財(た  

とえば増体した肥育牛)は将来流動化Lて回収される   はずだとしても,計算時点では也収されておらず,そ   れを期間成果に含めれば.処育句儲洒脱潤する情報が   凝濁するからである。  

以⊥,価格変動期における農簑経営成果計集の基本   的な考え方を見つけ出そうと,二つの佑格変動費許講  

ならびに農業純収益計算論を検討してきた。そこで本   項ではそれらの検討結果杏臍まえて,価格変動期にあ  

いうペくき農業経常成果計算の構想を述べていくことに  

したい。たナざ.農業会計の環境としてi非畏護と見な   る長盛生産の特有性(とくに農業にお吋る土地のむつ   経済的特質)が存在す箪こと,わが国の恩渠における  

計数的管確技術の展開はようやく萌芽斯を迎えた段階  

であること,などは乙の種め問題解決を一層複雑にす   るもめである。そういうこともあって,農業経営成果   汁算の構想といっても,おのずと今後の本櫛研錘嘩  

むための手掛り忙すぎないであろう。以下そ印要約で   ある。   

幻会計論理の義盤としての会計思考について土財産  

(とくに十地)に支配力を存する経営主体の意図を重  

視するなかで財産の運動をとらえていこうという目的  

意識埠患者の塑Fこ立脚する〈なお,財産の支配力とは,  

基本的に財産所有姪だが、それだけでなく符定条件付   きのリース資産をも包含するものと考えでいる)ビ価格  

変動期において,農業綬営ぬ所有者・委託者へのカス   トーデイ7ンシうプ機能の回復が重要だとおもうから   である。  

まったく異質なもめと解されたが.貨幣資本の拘束性   砂場点からす和ぎ,拘束される蟹座の範囲をどのよう   に確定Lでいくのかぬ違いに相対化できよう。こげ)事   情は,価格変動期の農業経営計算の臆想に重曹な示唆   を与えるものと考える。  

4.価格蛮動槻における農業磋習  

成果計算の構想  

これまでの価格変動会計論は関する検討をふ′まえて,  

本項では痛構変動下の農業経削とおける期間成果計算  

瓜構想蚤述′べていくわりだが,従来.農業会計研究伊〕  

なかでその計算をどのようにとちえてきたか.大槻樟  

士の見解をとりあげて考察しておきたい。とりあげ方   ほ,期間成果計算における論精度閑の穀倉性に注口し  

た。また,そのときの論理櫓重態として,前段の接近  

方法のなかで津べた会計思考の型が節線にされなけれ  

ばなら加−。すなわち,会計思考概念は,運営主体と  

財辟のブながりか、をどうとらえるかに厳達するのだ  

汎まず財産を支配しっう行う経常主体の活動に零点  

を置いでそのつながりを輝解する‥会計思考(目的意識   的会計愚考〕がひとつ.もうむとつ.拝官主体の意図   は稗対的f∈背後にしりぞき財産自体が何か独立的に国  

魚運動していくものとして会計論理を建てていく会計  

思考(周巣対応的会計思考)のこつの型を準備してい   る。そこで.依拠する会計思考の型が異有刺烏.期間   成果の意味する情報内容も,患た男鹿および豊用ぬ評   価価格も当然相達するはずだと考えた。さて.博上の  

見解を整押すれば以下のようにいえよう。   

①農簑経営をそれ自身独立的な臼的追求体なる個別  

収益経済としてとらえる考え方のなかに.因果対応的  

会計思考部内姦しているものと察することがで善る。  

いいかえれば社会的なものの生産主体として経営を理  

解する転のの見方が支配的である。   

④期間成果計算の計算構造をみると,薦業経常内の   財貨・用役運動における価値増減の個別対応として.  

各々独取的項目として粗収益および経営費を識別する。  

そして粗収益の残薫覇として純収益(期間成果)を確   達する考え方であった。   

⑨評価価格の選択と、しては.原則とLて∴経営費ほ   貨幣支出基準,地方税収益では,販売財についてほ貨   幣収入薫準,太腹売財については完全生蘇原価基準を   採用している。   

それでは価格変動に関連して,この期聞成果計算の  

ー51−   

(7)

l別   佐々木市莱   

㊥農業用資産における貨幣資本の拘束性判齢につい   て。、貨幣資本概念を基礎とする経営成農計苛を考える。  

しかしながら.その拘束性の範囲は,貨幣資産を除く   すべての物的資産に適用し,それらについて再謝議の  

意図を確認できるかぎり拘束されているものと判断す   芸。したがって.費用は計算時点での再調達価格を評  

価基準として算暮し,再調達価格上取得価格との責額  

軋「再淵達留保息」として貸方に積立てる、。「再調蓮   儲陰金」は本質的に経営成果であるが未実現成魚と解  

する8当該資産の再調達を断念した時点で実現成果と   して初めて緑営成果に計上するも¢)とする。   

㊥土地は非常に汎用性があり.Lかも埠怯永久に反   復的使用できるものだから.売却時点まで拘束性を碍  

諭しなければならない。そこで土地の再調達価格と取   得価格の差静ま,経常成果計算とは無関係に貸借対照  

妾の貸方に兼業現保有姐益を表示する。ただし,制度   資金で土地を購入Lた場合,負債の全称返済に対応し   て,積立てられた莱実現保有損益を実現保有税益ずこ取  

りくずして認識すべきだと考える。ただ貸借対照表上   汐〕十地価終はできるだけ収益価値各反映するものに表   示するが望ましい。なお,債権都己対する情報として  

の担保価値情報ほ,経営のゴーイングコーサンを前提   にする通常の時価情報とは全く別のものだが,注記で  

土地の担保価値情熱ま明らかにすぺきであろう。   

夢色債の購買力総益め認識時点について。その認歳   の仕方に関連してさまぎまな見解が存する。実質資本   維持会計(修正原価会計)はすペての負債について貨  

幣の購買力に震動が生じたときに演習力掴益を認諭す   る考え方だった。購買力姐益をいつ認諭するかの問題   は.農業経常における負債観に依存して選択されるべ  

きである。そ乙で本論ではこう考えた。農協のプロパ   ー資金など短期負債については,貨幣の購買力転変動  

が生じた期に臆買力給養を認識し,それ以外の長期負   債経ついては,返済逓ヰ服は返済分につ主夫実現購買   力損益を貸方計上し,令額返済時を待って,それを淑   戻して購買力損益を認識する。   

⑧貨幣奥本の実質の変動を反映させるためには,換   算に痛用する指数を選択Lなければならない。換算指   数は修正原価会計の場合と同じく,貨幣の一般購買力  

め変動を示すものとして・般物価指数とするのが支配   的である、。このことは貨幣資本について貨幣一般につ   いていわれる無限定の自由選択性を認めることにほか  

ならなノいと解する∧。.だが項窯の農業経営に投下きれて  

いる′資本には,無限定の自由選択性を認めるめでなぐ  

農薬経営の資本としての枠内で考えられる自由席択性   が保証されているにすぎないと解釈するのが現実的で   はないかとおもう。すなわち,こ鱒選択の幅‡こは若干  

の制限を認め,貨幣資本の実賓の変軌も.それに応じ  

た農業用投資財の価格変動を反麟する複数以上の指数   によって測定されるペきであろうゥ   

5.生産費計算における評価基準と価格変動    生塵費計算は,経常における一定め給付に関連して  

そのために費消された財乱用役を貨幣価撞的に測定   していくものである。それは期間成果計算とは別の分   野として扱われてきた。しかしながら,生産費汁勢に  

おける論理的彰合性は.期間成果計算の場合と同じく,  

求められる情報内容に対して,予盾なく適応している   かどうかにある。ところで.求める情報内熟ま多様化  

している。   

もともと生産費計算の普請ほ.企業が自己の生産物  

に価格決定機能を有していた時代に凝宮内郡の価格目   的のために実施したのが始まりである。そのときの原   価ほ,腹式簿記機構と結びついた「実際原価(aetual  

c舶t)概念たった。簿記機鰍こ従属していたので,原   価というものは一業簡捷業魔のもとで,原価財の実際   資滑最X実際取引価格」によって確定しようとするも  

のである。かかる企菓自身の価格政策が有効であった   状況下では,企業行朔はお、のずとその実陳腐価の精密  

化を図っていく。すなわち,実敵原価ほ.部分原価か   ら全部原価へ.もしくぼ直接原価から間接原価へと拡   充されていった。   

だれ原価計算に対する価格計笥的情報要求が後退   するとともに,替って経営管理の命環イヒ要次が強化さ  

わてくる。その過程で,美原原価はしだいに消失し,  

新しく「正常原価(No上・ma]co扇)」や「標準原価  

(Stan血1,d cost)」等の管理原価計算が展開された。  

これらは,正常操業度のもとで,原価財の見積軒肖島   木見痛価格」によって計算するむこうして,原価計算   lま実際原価概念から離脱していった。   

さらに,期間成果計算が企業の任務として制度化さ  

れる時期になる。制度的成果計嚢の成立とともに潤え   かかっていた実際原価が貨幣支出原価(Outl叩ぢqS,も)  

として復活Lた。財務会計報告のための原価計算だと   いえよう。   

一万.合β酎ヒ要求のなかで実際原価概念から離脱し   

(8)

農業会計  

1苫5   

ず,鹿家が回収原価としての一層の精酎ヒ・拡充を要    請したときであろう。この場合,実際原価の生産費概    念は二方向に分化していくものと考える.ひとつはわ   

が国の農業生産に競争原瀬をしだいに浸透させ生産合   

摺化を背夢にLた原価概念である。この方向での当面    の策は,実際原価は「原価財の芙阪費消量×実際取引    価格」の構成によって求められるわけだが.その実靡   

費消量を正常的な資消量に見直していくことになるか   結  

農家の原価財費消量を基準にする考え方も可能であろ   

う。もうひとつは,回収原価としての徹底化の方向で   ある。臆価財項目の拡大要求とならんで,インフレー  

.  

ながる。農家の行動原理を反映して,回収すべ善原価   の実質化をしなければ,この方向での原価情報はそめ  

機能を十分に果たさないといえよう。  

㊥価別経営の計数的管理技術に対応して,原価管理  

口的のための生産費計算が要求されてくる。農巣生産   における部分的工程や補助部門について,白家か委託   

かなどの合理的判断をしながら営農できる状況になっ  

てきたと考えるからである。このためには,実際原価   級念から離れ.桟全額価概念が中軸にならなければな   らない。梯金原価では,おのずと価格変動の影響を吸   収するものとおもわれる。  

㊥最後に,簿記機構に結びついた期間成果計算目的   としての生産費計算をとりあげる。乙の場合,生産費    計算は期間成果計算に従属するわけだから,費用とし  

て認められるもののみが原価件を有することになる。   

その評価基準についていうと,もとらと取得原価を鼓    礎にLているわけだ軋価格変動期では.前項で論述  

したように評価修正を実施すべきである。  

なお.本稿は東泉大学審査学位論文を要約・整理し    たものである。本研究においては.東京大学農業経済    学科の金沢真樹教授(現在日本大学教授),和田照男    教授,荏関澤典生助教授など多くの先生から常に暖か   

い御指導・御助言をたまわった。乙こに心から感謝の    意を表きせていただく。また帯広畜産人学では大間征   

,  

た。記して感謝したい。  

主要引用文轟仁  

1)大槻正男著作集刊行委員会編「大槻正男著作集第   

5≡l−   

ていった管理原㈲ま,ますます簿記機構からの遊離化   をすすめ,機会原価(伽portl】mtyCOSいとして発展  

した。   

このように.原価計算¢)もつ会計機能の変遷を概観   したの(ま,頗価計算のらつ情報内容はいくつもあり,  

それが特定化されないかぎり,価格変動との関連加考   察できないとおもうからである。   

さて.これらの原価計算の展開を考慮しながら,加   用博士の農畜産物生宛費論を検討した。以下,その   果の要点のみを記す。   

庄川‖用生産盤論は農林省農畜産物生産費調査の理論  

的支柱となってきたことはいまさらいうまでもない。  

その調尭は生産費・所得補償方式に代表されるような   農産物の政府介入価格算定の基礎資料の提供という機  

能を果たしてきた。そのため,長期的には,農産物の  

需給情勢を反映せざるを得ない掃命をもっている。   

⑧その鹿本的特徴は,原価性基準を古典派経済学に   おける客観的な「利潤を含まぎる年産費(限界生産費)」  

に置き,そうして認識された原価項目については原則  

として冥際原価を評価某準として算定するところに存  

する。実際原価は,上述Lたように,本来経営所有者  

の資本回収という主観的意識を反映したコストにはか  

ならない。したがって,経済学的な観点から価格形成   要素を臆価として確定するという社会的な性格と,他  

方農家の行動原理を反映するという性格の相対立する  

二面性をもつといえる。   

㊥この二面性は,個別の原価性や評価某準をめぐる    問題に波及する。すなわち,家族労働の評価問題.  

地代・資本利子の理論的煉価性閏月凱償却資産の圧縮  

と付加減価問題,自給固定資産の評価問題および企画   労働管の原価性問題等の発生は,そのことに起因する  

ものと考えられる∩   

このようにわが国生産費計算の現状をとらえ,いく  

つかの生存費計算目的に関連しながら価格変動卜の生  

産費計算の考え方について次のように整理した。   

ゆくり返すが加用生産費論には,その本格的展開当   時からの農巣問是割こ照らして,基本的に政府統制価格  

算定のために憤佃情事ほを提供するという社会的意義を  

認めることができる。その原価情報の作成においては  

価格形成要素としての経済学的原価と農家の剛又投価   としての「農民原価が理論的に統一されないまま轟  

いてきた。この矛肩点が鋭く表面化する揖は.従来の  

農業問題の内容が別のものへと転換したにもかかわら  

(9)

佐々木市夫   

】28  

1巻」∴梁猫善房,1977−  

2)金沢夏樹「農業に於ける「純収益」及び「所得」   

の概念について」.農黄と怒涛第】号,1g4凱   3)舶用信文農畜産物生産費諭」,楽勝書房,197軋   4)近藤康男「農産物生産費の研究h西ヶ原刊行会,   

19別..  

5)農林省統計情報部農林練計研究会編「農業経済累    年統計1肇㍑重雄よび第6巻,1g75.  

6)加藤 譲■荏関津典境編lインフレーションと日    本鼻糞」.東京大字JJ1板金,1978.  

7)片野一郎「貨幣価値変動会計l.同文館,ヱ962.  

8)高松和男「貸幣価値変動会封」.税務経理協会,19   72.  

9)森出哲爾【価格変動会計諭」,国元書店,197凱   18)井尻雄上「会計側溝の理論」,、発祥羅済新報祉.  

ユ976.  

け)坂本藤良「射て経営と原価理論」,有斐吼1g軋   12)佐々木市夫「農業所得計算と生産費計算」.金沢   

真樹舗F農柴経営統計に関する研究j,東大慶経,   

1977.  

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14)EDWARDS,E.()=Ⅰ】∴W.HeTl,でheTheory且nd    M桧aSuremer】t OfBusiness】nc()me.Herkele:′   

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15)礼拝KMÅN,P.R.AりAccoum血gⅥn如r王n鮎−   

tiQn鴎ryC{〕n(!iLlし)nS,日管0ナgeAllen&unwれ   

】97軋  

16)cHAMBER革,R.J‥PriceVariatinn8れdIれ一    触ti叩 A、亡CDuntillだ,Mc即日W一ⅠⅠ川 B80k   Camp如1y.19脚.  

17)LITTI.仔rbN,A.C..AccounLi堀Evoll】tioⅥT⊂〉   

19軋 The ATnerican rnstitutc Pubユishing    Co.,1r恥1933(片野訳「会計発達史一同文館†   

197B).  

1名)FINAⅣqAL,Å.r.C.RA.Finandal覿甘胎m鏑山鹿   re淳t白ted toT(コerler81Price−L(〉VeiChange声,   

1969て新井監訳.政和訳物価水準変動会計」′同   文館,1971).  

Summary  

ThelはeoTy and practiees ol− 仁ⅥrreTlt ralTn   accounLiJlど ba8ed けn∴lhe11ist()ricRIcび8t aC−  

C(〕uれti¶g Ca、1Tle Ll−1鵬e muCムqfits the th即ト   reticalvaljdぅーy andl⊃r裁(さもicaユ ¢翫とtルelleS写   OWiIlg Lu†】rice chaI唱■eHir†Cu汀e山tJ叩aT】eSe   包grl(】t=ture.   

The 且Im Of this paperis to ree呂tAblish a   l■ar皿 aCCOunti∫喝 SyStem ad5u軸d hr pric8   ch且ng・帆 The poinもS S緑ctedi】1thispaper8Te   toi(1enti桓the b且Si【ユCharacteristiesi〔】f the re−  

Pユacement value aれd puナebaslr将P【jWer帽11ユe   accountユng and t(】8月a】y郡thだ抽eoret蛭alv8ト   1idity anぐL pr′actl亡風lⅥS¢fulTl酪SOfcⅥTr舘もぎam   且CCい−Jn血g.   

The concppt or■■restricted m仰ey隠Pital is  

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参照

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